「これが青海……本当に青いのだな……」
今マクシムは上空千メートルまで高度を落としている。
エネルが地平線の果てまで続く海を見て、感慨深いようにつぶやいた。
「どうだ?初めて見る青海、いや海の感想は?」
「……かつては青海などと見下していたが、これほど青い海が美しいとはな」
海を初めてみた奴と似たような事言ってやがる。
「だが、能力者の身としては、辺り一面海というのは少々恐ろしいものだ」
「それでも人は海に出るのさ……自分の知らない、なにかを求めてな」
エネルは首を傾げ、よくわからないような顔を浮かべている。
「すぐにわかるよ。それがこの世界の魅力だからな」
「……そんなものか。まぁいい、これからどうするのだ?」
「とりあえず、なんでもいいから船か島を見つける。んで、そこの人から情報を得る」
「………見つかるのか?」
「知らん」
辺りは見渡す限りの青い海。船どころか島の一つも見当たらない。
不安になっているようだが大丈夫だろう。
「まぁなんとかなるって。大丈夫大丈夫」
「………」
いやー、偉大なる航路舐めてたわ。まさかこれ程なにも見つからないとは。
だけど時間が取れたおかげで、大分やるべきことを進められた。
まずはマクシム、飛行能力を修復し飛行船として運用している。
嫌な予感は的中し、海面に浮かばなかったのである。
ズブズブと沈んでいく所を慌てて救助したが、本気で危なかったよ。
多分余計な機能のせいで重量のバランスがおかしくなっているせいだろう。
これでますますウォーターセブンに行かなくてはならなくなった。
問題があるとすれば、飛行機能をそのままに海に浮かぶような改造ができるのかだ。
まぁ、話を聞くだけでも価値はあると思いたい。
飛行に最低限の機能を確保したら、余計な黄金は外してもらった。
資金源にもなるし、流石にあの顔黄金はいらないからな。
そして、戦闘力の向上の為に特訓。優先的に会得したいのはやはり覇気である。
そのうちに戦うことになる実力者相手には、必ず必要になるからだ。
武装色はともかく見聞色に関しては、プロ中のプロが身近にいるからありがたかった。
「”
「あ~、その前にまず、覇気について教えとくな」
この時の説明が一番大変だった。なんせ知識として知っていっても俺は使えない、
エネルの心綱も生まれつきのものらしく、感覚で使いこなしていたようだ。
「確かに見聞色の覇気とやらは、心綱に似ているな……」
「そっちに関しては大丈夫だろ。問題はもう一つの方だ」
「武装色……それを扱える者の拳は、ロギアに届くというわけか……」
「そういうこと。格下ならともかく、熟練者相手に能力だけだと負ける可能性もある」
「確かに会得する価値はありそうだな……」
そう言ってやる気を出してくれたところまではよかったんだけど……やっぱり神様はチートでした。
「成程……武装色の覇気とはこういうものか……」
……なんでたった3日間で出来てるんですか???
主人公のルフィですら使いこなすのに丸2年修行に費やしたってのに……
エネル曰く、自分の声を聞き、それを疑わず受け入れることで使えるようになったらしい。
元々達人級の見聞色の覇気を扱えていたからこそ、あっさり発現したようだ。
ものは試しにお互い能力を禁止して戦ったら、ボコボコにされました。
そういえばエネルって、体術も相当の使い手だったっけ……
能力だけじゃ勝てない相手もいるぞ、と教えるつもりがモロに自分に返ってきた。
そのあといくつかコツを教えてもらい、多少荒療治に見聞色の覇気を発現させた。
え?方法?軽く死にかけた、とだけいっておこう。
武装色の方はまだまだ実戦で使えるレベルではないので要修行。
あと少し気になったのでエネルに「なんでMAX2億ボルトなんだ?」と尋ねてみた。
確か落雷とかのボルトはもう少し出るハズだから、そこが限界のわけがない。
という訳でエネル専用のトレーニング空間を創った。
雷そのものが極端に発生し辛い空間で、力技で能力を使い続けてもらう。
初めは立つことすら困難みたいだったが、繰り返している内に少しずつ雷を生み出していた。
一度試しに空間を解除して、フルパワーで雷を起こしてもらった。
……以前の5倍近い出力と言っていた。もの凄くいい笑顔で。
ヤッバい、エネルの強化が止まらない。
どうやら特訓すること自体が新鮮で楽しいようで、毎日空間内で修行中だ。
油断してるとあっという間に置いて行かれそうなので気合入れなくては。
そうして空島から降りて一週間ほど経った日のこと。
「ソラ、何かが見えた」
マクシムの天辺で修行中のエネルが甲板に降りてきた。
「お、マジで?よかったよかった」
いやー、このまま遭難コースにならなくてよかった~。
俺も天辺に上り指差した方角を見る。どうやら灯台のようだ。
「人がいたら話を聞きたいんだが……取り敢えず行ってみよう」
そのまま船を灯台に近づけ、降りてみることにする。
こうすりゃ誰かいるなら出てきてくれるだろ。
「エネルはどうする?」
「ふむ……私も行くとしよう」
「わかった。一応船はここに浮かべておいてくれ」
一応安全策として、簡単な壁を創っておく。攻撃の心配はないが念の為。
二人で灯台に降りるとその脇に一軒家と駅らしき建物があった。
お、ここもしかして当たりじゃね?確かここに住んでるのは……
「ばーちゃんばーちゃん大変‼大変だよ‼空飛ぶ船がやってきたよ‼」
「なにいってんだいチムニー、空飛ぶ船なんてある訳ないらろ~」
やかましい子供と、酔っぱらった婆ちゃんが出てきた。
おかしい、主人公を強くするつもりがエネルが強化された……
なんとお気に入りが100を超えていました。
嬉しい反面とてもビックリしています。
これからもノロノロ更新していきたいです。
よろしくお願いします。