がっこうぐらし!~おわりのはじまり~   作:Archer SHO

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遅れました。なんせずっとネット環境のない場所にいたもので…

どうぞー


とうちゃく

~巡ヶ丘市内、とあるガソリンスタンド~

 

~午後11時~

 

あの後、日が暮れ始めたため、近くのガソリンスタンドにガソリンの補給と一晩休憩するために立ち寄っていた。今晩、少年は明け方まで見張りをすることになっていた。

 

(ショットガン用の12ゲージの散弾が50発、ライフル用の308win弾が25発。9mmは残り44発あるけどこれ以上手に入らないと思ったほうがいいだろう。…やっぱ無駄遣いはできない…か)

 

ライフルを構え、ショットガンをスリングで肩から掛けて歩哨していた。すると、

 

「おつかれさま」

 

悠里がコーヒーを持ってきてくれた。

 

「おう、サンキュー。なにか用事か?」

 

「ううん、ちょっと様子見に来ただけよ」

 

「そうか」

 

「ん、ごちそうさま」

 

「どういたしまして」

 

「…寝なくていいのか?」

 

「少し寝付けなくてね。…正直ね、学校の外ではもう救助が始まってるんじゃないかって思ってたの」

 

「…まぁ、分からなくもないかな」

 

「それでね、映画みたいにヒーローがわたしたちを助けに来てくれるの。今は忙しくてすぐに来れないけどね」

 

「…ヒーロー…ね」

 

「どうしたの?」

 

「いや、前にヒーローみたいな人がいたなーって思って」

 

「へぇー、どんな人だったの?」

 

「すっごい適当な人だったよ、でもびっくりするくらい強い人だった。俺に<かれら>を効率よく倒す方法とかを教えてくれたのはその人だったよ……まぁ最後はつまらないことで死んだけど」

 

「…ごめんなさい」

 

「なんで若狭が謝るんだよ、気にすんな」

 

「そう言ってくれると助かるわ。…あ、そうそう前から言おうと思ってたんだけど、わたしのこと『ゆうり』って呼んで?わたしも『亮くん』って呼ぶから。せっかく学園生活部の仲間になったのにいつまでもそれじゃ他人行儀でしょ?」

 

「…あぁ、分かったよ、悠里」

 

「ふふっ、ありがとう、亮くん」

 

そんな話をしていると車のほうから急に、

 

「りーさんとくるみちゃんだけズルーいっ!!」

 

「うおっ」「きゃっ」

 

由紀が言った。少年と悠里は突然のことに驚いていた。

 

「なんだ、丈槍か」

 

「なんだじゃないよー!わたしもりょーくんに下の名前で呼んでほしいっ!!」

 

「………はいはい、分かったよ『由紀』」

 

「ふっふ~ん、それでよろしい!」

 

「あ、やっぱやめようかな」

 

「あぁ~ん、ごめんなさ~い」

 

「ぷっ、冗談だよ」

 

「もう~、りょーくんってばヒドイんだから」

 

少年と悠里、由紀でそんな話をしていると、

 

「お~い、早く寝ないと体調崩すぞ~。あと、ゆきはもうちょっと声のボリューム下げような」

 

車の中で寝ていた胡桃が目を覚ましたらしい。

 

「はーい、ごめんなさーい」

 

「ほらりーさんも。亮なんかにかまってないで早く寝ろよ」

 

「あら、くるみ嫉妬?」

 

「!んなんじゃねーし!!」

 

「おい、俺を殴んじゃねぇーよ」

 

そんなこんなで何事もなく夜は過ぎていった。

 

―――

―――――

 

~翌日~

 

今日は昨晩ずっと歩哨をしていた少年が悠里と後部座席に、運転は胡桃で助手席には道案内役で由紀が座っている。少年は昨晩のガソリンスタンドを出発してからものの数分で眠ってしまっていた。そんな中胡桃が悠里に、

 

「…なぁ、りーさん」

 

「なにかしら?」

 

「昨日亮となんの話してたんだ?」

 

「…どうして?」

 

「いや、なんとなく気になっただけだ」

 

「あら、やっぱり嫉妬?」

 

「だからちげぇーって…」

 

「そうねぇ…昨日はせっかく学園生活部の仲間になったんだからお互いに下の名前で呼び合いましょうっていう話とあとは………ヒーローのお話かしら?」

 

「んだそれ?」

 

「ヒーローってもしかしてダリオマンの話!?」

 

由紀が話に入ってきた。

 

「うわっ、びっくりしたぁ。急に大きな声出すなよな」

 

「そうよ、ゆきちゃん。亮くんがおきちゃうでしょ?」

 

「えへへ、ヒーローって聞いてつい」

 

由紀は照れたように頬をかいた。

 

「あ!見えた!見えたよ!!」

 

そうこうしている内に目的地のショッピングモールに着いたようだった。

 

「りーさん、亮のやつ起こしてくれ」

 

「えぇ…亮くん着いたわよ、起きて?」

 

「…ぅん?着いたのか?」

 

「そうよ、だから起きて?」

 

「ふぁぁあ、おはよう」

 

「ええ、おはよう亮くん」

 

「あぁ、おはよう亮」

 

「もうー、りょーくんはねぼすけさんだなー」

 

「由紀にだけは言われたくないな」

 

「えー、りょーくんヒドイよ~」

 

「…ていうかゆきは元気すぎないか?」

 

「そうね、昨日はちゃんと寝た?」

 

「えへっ、実はあんまり~」

 

「体調崩すぞ」

 

「だーいじょうぶだよー、りょーくんってば心配性なんだから」

 

「はいはい、そろそろ行くわよ」

 

少年たちは車を降りた。

 

「なぁ、亮。誰かいると思うか?」

 

「…このあたりで避難先としてはたぶん一番に思いつくのはここだろうな。でもあの日は普通に営業していただろうし、外から見た状況を考えると正直望み薄だな」

 

外から見る限り、モールの正面入り口の自動ドアは割れており、いたるところに血痕があった。

 

「わ、暗い…お休みかな?」

 

「…今日はイベントみたいね」

 

「イベント…ね」

 

「へー入ってみようぜ」

 

「飛び入り参加でも大丈夫かしら?」

 

「騒いだりして邪魔しなけりゃ大丈夫だろ」

 

「じゃー怪しまれないようにそーっとね」

 

「まて由紀。胡桃が先に行け、次に悠里と由紀、しんがりは俺がやる」

 

「オッケー、じゃあ行くぞ」

 

少年たちは懐中電灯で薄暗いモールの中を照らしながら入っていった。

予想通り、中には何体もの<かれら>がいた。<かれら>を極力刺激しないよう音を出さないように小走りで一先ず目の前にあったCDショップに入り、シャッターを閉めた。

 

「ふぅ、平日にしては多いな」

 

「俺はもう少し数が多いと思ってたけどな」

 

「そういえばもう1つの銃はなんで置いてきたんだよ?」

 

「あれは遠距離用だから屋内では使いにくいんだよ、弾も少ないし。それに銃は強いけど音がでかいからそう易々と撃つわけにはいかないんだよ」

 

「言われてみればそうかもな」

 

「2人とも、使えそうな物探すの手伝ってくれないかしら」

 

「ごめんりーさん、すぐに手伝うよ」

 

「…悠里、ちょっといいか?」

 

「ええ、なにかしら?」

 

「ここは胡桃と悠里に任せて俺は地下の食料品売り場を見てこうと思うんだけど…いいか?」

 

「1人じゃ危なくない?」

 

「1人のほうが身軽でなにかと都合がいいんだよ。あ、それとこれを預かっててくれ」

 

少年はそう言って悠里にショットガンを渡した。

 

「いいけどわたしは撃てないわよ?それに亮くんの武器は…」

 

「そいつは預かってくれてるだけでいい。武器はこいつを使うから大丈夫だ」

 

そう言って少年は背中のリュックサックから分解された状態のボウガンを取り出して組み立てた。

 

「大丈夫なのは分かったけど……気をつけてね?」

 

「あぁ、ありがとう。それじゃあ行ってくる」

 

 

少年がシャッターの外に出ようとしたとき、

 

「ん?おい亮、どこ行くんだよ」

 

胡桃が、亮がどこかに行こうとしているのに気がついた。

 

「地下を見てくる。胡桃はここでみんなを守っててくれ」

 

「…わぁったよ、気をつけろよな」

 

「あぁ、ありがとうな」

 

少年は胡桃に笑顔で言った。

 

―――

―――――

 

シャッターの外には見える限りで10体の<かれら>がいた。少年は足元にあったなにかの破片を拾い、地下に行くエスカレーターの逆方向に向かって投げた。破片は地面に落下すると同時に甲高い音を出して割れた。<かれら>がその音に気をとられているうちに少年は地下に降りていった。

 

地下は外の光が一切届かず、真っ暗だった。

 

ライトで少し先を照らすとそこには、

 

(!!…あっぶねぇ、あの数は絶対ヤバイ)

 

大量の<かれら>が動力の切れたロボットのような状態で固まって立っていた。

 

(さっさと必要な物手に入れて退散しよう)

 

少年は極力ライトを照らさないようにしながら缶詰コーナーへと向かった。

 

―――

―――――

 

持てるだけの食料をリュックとは別に持ってきていたボストンバッグに入るだけ入れて、地下をそそくさと脱出した少年は学園生活部の面々が待っているCDショップに戻っていた。

 

「お、おかえり。どうだった?」

 

「下には近づかないほうがいい。<かれら>でいっぱいだった。そっちのかばんに入るだけ缶詰はつめてきた。」

 

「ナイス、亮。サンキューな」

 

「あぁ、ありがとう」

 

「おつかれさま、亮くん」

 

「悠里もありがとう」

 

「それで…次はどうする?」

 

「あとは上の階ね。もしかしたらまだ誰かいるかもしれないし」

 

「いるといいよな…」

 

 

 

…to be continue

 

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