がっこうぐらし!~おわりのはじまり~ 作:Archer SHO
この二次小説を書くのに参考にしようと、1週間で『ワールドウォーZ』『ドーンオブザデッド』を見ました。どちらもゾンビが走るんですけどアレはアレで個人的にありです。ちなみに映画『バイオハザードシリーズ』は2まではまだアリだと思っています。ただし3以降、おめぇらはダメだ。
ここ最近、ゾンビ映画やゲームをやった感想:やっぱショットガンは最強なんやなって
…あ、第7話です!どうぞ!!
~リバーシティ・トロン、4階~
「はっ、はっ、はっ、っ!クソ!!」
モールの廊下を、少年は悠里の手を引いて走っていた。その後ろには大量の<かれら>が、少年と悠里を喰らうために近づいてきていた。
「っ!こんにゃろう!!」
少年が上下二連散弾銃の銃床で、いつのまにか目の前にまで迫ってきていた<かれら>を殴り倒した。
「亮くんっ、わたしはっ、もうっ、いいからっ…」
悠里は諦めたように言ったが少年は、
「だめだっ!!絶対に!絶対にっ、皆でっ、学校にっ、帰るぞっ!!」
―
―――
―――――
~リバーシティ・トロン3階~
~数十分前~
「あ、胡桃」
「ん?どした?」
「これ。さっき俺がお前たちと別行動してたときに見つけたんだ。胡桃が持っててくれ」
そう言って渡したのは業務用トランシーバーだった。少年が地下から戻って合流して、2階に上ったあと、少年は再び胡桃たちと別行動をとっていたのだ。このトランシーバーはそのときの戦利品らしい。
「助かるけど、どうしたんだ?これ」
「さっき、家電ショップに寄ったときに見つけたんだ。もしかしたら裏の倉庫を探したらまだ予備が残ってるかもしれないけど、そこまで探してる時間もないしな」
「いや、ひとまず1ペアあれば十分だろ。もしかしたら学校にも似たようなのがあるかもしれないし。…てかなんであたしなんだ?りーさんじゃだめなのか?」
「いや、俺と胡桃って前衛だろ?だからもしかしたらどちらかがオトリになって<かれら>をおびき寄せることになるかもしれないって思って。そのときに連絡取り合えなかったらマズイかなーって。だから悠里より胡桃に渡したほうがいいかと思ったんだけど…」
「そっか。…いやそういうことならいいんだ」
「?」
「2人ともー、そろそろ行くよー?」
「おう、すぐ行くー。ほら、亮。早く行こうぜ」
「わぁってるよ」
その後、少年たちはすぐに最上階である5階にたどり着いた。そこには、
「これ…」
「バリケード…だな」
「うん」
「中の様子見てくる」
「胡桃、俺が行こうか?」
「いや、亮はここで見張っててくれ」
「分かった、だったら念のためこれを持っていけ」
手渡したのは、いつも少年が持っているフルサイズのクロスボウだった。
「おう、サンキュー」
胡桃は自分のリュックを悠里に渡して、愛用のシャベルと少年のクロスボウを持ってバリケードの上の隙間から中に入っていった。少しして悠里がバリケードの向こう側にいる胡桃に、
「…どう?」
と聞いた。その返答は…
「来るな!!」
絶叫だった。
「ゆきちゃん!」
悠里はヘッドフォンで音楽を聴いていた由紀に声をかけ、
「ちっ!」
少年は悪態をつきながらもバリケードに散弾銃の銃口を向けた。
すぐに胡桃が入った場所から転げ落ちてきた。
「急げっ!!数がヤバイ!!」
そうこうしているうちにダンボールのバリケードが崩れ落ち、向こうから現れたのは、
数十体もの<かれら>だった…
―
―――
―――――
~リバーシティ・トロン、4階とあるレストラン~
~時は戻り現在~
廊下のいたるところにバリケードの崩れた音に反応した<かれら>が出てきていた。
バリケードの向こう側から現れた<かれら>から逃れるために、少年たちは1度二手に分かれて逃げていた。今隠れているのは、ある西洋レストランの厨房だった。
「ねぇ」
「…どうした」
「どうしてさっき撃たなかったの?」
悠里が膝を抱え、俯きながら言った。
「…確かに撃てばあそこにいた<かれら>は倒せたかもしれない」
「っ!だったら、どうして…撃ってたらこんな、こんなことには…」
悠里が怯えと怒りが混ざったような顔で少年のほうへ向いた。
「でもすぐに銃声に引き寄せられて他の<かれら>が来たはずだ。それも倍の数になって。そうなったらもう脱出どころじゃなくなる。今ある散弾は50発。1発で3体倒せたとしても<かれら>よりも先に散弾がなくなるよ」
「…そう、ね。そう…よね。ごめんなさい、わたし、いつもなら、そんなこと、すぐに分かる、のに。…ゆきちゃんと、くるみが、心配で、わたし、もう、…どうにかなっちゃいそうなの…」
悠里はこの状況による恐怖とゆきたちの安否が分からないという不安でガタガタと震えていた。悠里はこれまでに積み重なったストレスですでに限界へと近づいていたのだ。
「…わたしは、くるみや亮くんと違って戦うことは、できない。でもゆきちゃんみたいに、みんなを、笑顔にすることもできない。わたしに、出来る、ことなんて、菜園の世話と、料理と、家計簿をつけることだけ。いざ、外に出たら何もできないお荷物…」
「悠里、それは違う。俺は胡桃たちと違ってまだ悠里と会って間もないけど、それでも、悠里はお荷物じゃないってことぐらいはハッキリ分かる。っていうかここに来てから結構悠里に助けられてる部分もあるぞ?ケミカルライトだってそうだ。あんなの俺や胡桃じゃ考えつかなかった」
「でも…」
「もし、もしそれでも自分が外で役に立ってないって思うなら、学校に帰ってから皆のサポートをしたらいい。学校では悠里や由紀が俺たちを支えて、外では俺と胡桃が悠里と由紀を守る。それでいいじゃないか。それに、悠里にはもっと頼ってほしいかな。なんか、さ。今の悠里は全部1人で抱え込んでるように見えるから」
「…頼ってもいいのかな」
「そんなの…あたりまえだろ」
「……正直ね?ゆきちゃんはあんな状態だし、くるみはなんだかいつも危なっかしいしで、わたしがいつもしっかりしなきゃって、わたしはめぐねぇの代わりに頼られるようにならなきゃって、そう思ってたの。…でも亮くんが、亮くんがわたしを頼らせてくれるなら…これからもわたしはわたしでいられる気がする、これからもずっとわたしは『若狭悠里』で居続けられる、そんな気がするの。…私はくるみやゆきちゃん、もちろん亮くんからも頼られる存在で居続けるわ。その代わり…これからはわたしを頼らせてね?亮くん」
「あぁ、望むところだ」
どうやら悠里は立ち直ったようだった。
それから程なくして、
『…!おい!亮!りーさん!無事か!?返事してくれ!』
「胡桃!!無事か!?」
先ほどのトランシーバーから胡桃の声が聞こえたのだった。
『良かったぁ。あぁ、あたしはなんともないよ。りーさんは?』
「えぇ、わたしも無事よ。ゆきちゃんは?」
『あぁ、いや、それがさ、逃げてる途中で急に熱だしてさ。今、1階のサービスカウンターの隣にある迷子センターにいるんだけど、そこのソファーに寝かせてる』
「おいおい、噛まれてないのか?」
『いんにゃ、それは大丈夫。一応あたしも確認したし』
「そうか。分かった、今からそっちに向かう。そこで待っててくれ」
『りょーかい』
胡桃からの通信は切れた。
「…どうもさっきよりは<かれら>の数が減ったみたいだな…悠里、行けるか?」
「えぇ、もう大丈夫よ」
「よし、離れるなよ」
「うん」
2人は店を飛び出していった。
―
―――
―――――
廊下に出ると少年の言うとおり、先ほどよりは<かれら>の数が減っていたがそれでもちらほらと姿が見受けられた。少年は悠里に小声で、
(極力戦闘は避けていくぞ)
(分かったわ)
少年と悠里は先ほど胡桃たちと別れた階段まで走っていった。走っていると、階段のある曲がり角から<かれら>が2体現れたのが見えた。ここにくるまでは<かれら>がいたとしても1体ずつだったため走り抜けられたが、前に見える<かれら>は避けられそうにもなかった。少年は戦闘を覚悟したが、隣で走っていた悠里がリュックからケミカルライトを取り出し、それを発光させて少年たちのいる方向と真逆に向けて投げた。すると前にいた2体がそれを追いかけていった。
(悠里ナイス!)
(いまのうちに!)
少年たちは階段まで戦うことなく来ることができた。ふと階段の踊り場を見ると、先ほど逃げ際に少年が邪魔だと判断して落とした食料の入ったボストンバッグがあった。
「よし!食料も回収完了!」
「急ぎましょう!」
少年と悠里は1階にたどり着いたがやはり上の階とは比べ物にならない数の<かれら>がいた。悠里は先ほどと同じようにケミカルライトをいくつか投げたがそれでも釣られなかった<かれら>が何体かいた。それを少年は、
「っ!このっ!!」
散弾銃の銃床で殴り倒しながら進んでいた。前を見ると、サービスカウンター横の迷子センターから胡桃が手を振っていた。少年は悠里の手を引いて胡桃の元まで全力疾走した。
バタンッとドアを閉められた。
「はあっ、はあっ、っサンキュー。正直っ、迷子センターがっ、どこかっ、迷ってた」
「ふふーん、あたしに感謝しろよ。まぁ、亮もりーさんも無事でなによりだよ」
「くるみもね。ゆきちゃんは?」
「さっきそこの救急箱に入ってた風邪薬を飲ませたからだいぶ落ち着いてる」
「そうか、よし。もう少ししたらここを出るぞ」
「オーケー」
「分かったわ」
「俺は少し外を偵察してくるよ」
そう言って少年は<かれら>に見つからないように外に行った。
「…ねぇくるみ」
「ん?どーした、りーさん?」
「わたし、負けないからね?」
「?なんのことだよ?」
「ふふっ、分からないならいいのよ♪」
「はぁ?」
胡桃と悠里がそんな話をしていると、
「由紀を起こしてくれ、<かれら>の数が減ってる。今のうちに出るぞ」
少年たちはモールを出た。
―
―――
―――――
「…行こうぜ、今出たら夜までには学校に戻れるだろ。使える道は分かったんだし」
「そうね、行きましょ」
「俺も賛成かな」
なぜか<かれら>が減っていたため、あっさりとモールから脱出できた少年たちは手に入れた荷物を車に積み込み、学校へ戻る準備をしていた。すると由紀が、
「…ね、今…何か聞こえなかった?」
急にそんなことを言い出した。
「え?別になにも…」
「…由紀の気のせいだろ」
「………ほら!」
「ありゃ…警備員が騒いでるだけだろ」
「違うよ!声がしたもん!!」
「おい!ちょっと待てよ!!」
「由紀!!」
「ゆきちゃん!!」
走って再びモールの中に戻るとそこに、
「いた!あそこ!!」
モールのメインエントランスにあるグランドピアノの上に女の子がいた。
「おいおい、嘘だろ」
「おい!大丈夫か!?そこを動くなよ!!」
「…に、いた…だ…」
女の子はこちらの声が聞こえていないのかよろよろとこちらに向かって歩いてきた。
「大丈夫よ!すぐに行くから!!」
「おい!そこから動くな!!」
「お、おい!待てよ!!」
そうこうしている内に女の子は足を滑らせてグランドピアノから落ちてしまった。
「ちっ!くそ!!」
「早くしないと!!」
由紀が女の子を助けようと駆け出すが、
「やめろ!!もう無理だ!」
胡桃が由紀のリュックを掴んで引き止めた。
「でも………っ!!いやぁっ!!!」
しかし由紀はリュックを外して女の子の元へ走っていってしまった。
「あっ!おいっ!ゆき!!!なろ!」
それを追いかける形で胡桃も突っ込んでいってしまった。
「待て!胡桃!!~~~っ!あーくそ!やるっきゃねぇよなぁ!!」
少年は散弾銃を<かれら>に向けるが、
(くそっ!射線に胡桃たちも入る!!これじゃあ撃てないぞ!?)
そうこうしている内に悠里が由紀のリュックに付いていた防犯ブザーを見つけて、
「皆、耳ふさいで!!」
そう言っていくつかぶら下がっていた防犯ブザーをすべて鳴らした。
キュイイイイイイイイイイイイ!!!!!
想像以上の爆音に<かれら>も動けなくなっていた。
その隙に胡桃は女の子と由紀の周りの<かれら>を倒して安全を確保したが、防犯ブザーの音が止まり、<かれら>が再び活動を再開し始めてしまった。少年は女の子を助けに近づいた学園生活部の面々に近づく<かれら>に銃口を向け、
「全員しゃがんで耳ふさげっ!!!」
そう言って少年は散弾銃のトリガーに力を入れ、
ダァァァン!!
ついに引き金を引いた。
「っ!…すっげぇ」
胡桃がそう言うのも無理はない。雷が落ちたような音がしたと思ったら、次の瞬間には少年が銃を構えた先にいた一番近い<かれら>2体の頭は跡形もなく吹き飛び、その後ろにいた<かれら>3体は散弾が当たった衝撃で後ろに吹き飛んだのだから。
少年は銃口を別の方向に向けて再び発砲する。
ダァァァン!!
2発目、1発目ほどは倒せなかったがそれでも3体は吹き飛んだ。少年は学ランのポケットに入れてあった予備のショットシェル(散弾)を指で挟んで、素早くリロードすると再び<かれら>に銃口を向け、
ダァァァン!! ダァァァン!!
今度は先ほどと違い、あまり間を置かず、2連射した。すると、運よくモールの外への道が拓けるように<かれら>が吹き飛んだ。
「今だ!!走れ!」
少年以外の学園生活部の面々が走り出した。少年はまだ動くことなく撃ち続けている。どうやら少年は撃ちつづけることで<かれら>の気をひきつける算段らしい。胡桃たちが正面入り口をくぐるかというところで少年も走り出した。しかし、
「っ!増援かよっ!!」
銃声を聞きつけて、地下にいた大量の<かれら>が現れた。今、モールのいたるところから銃声を聞きつけた<かれら>が現れ、その数100体を超えようとしていた。
少年がふと上を見ると大きなシャンデリアがあった。少年はそれに向けて銃を撃った。
ダァァァン!! ダァァァン!! ダァァァン!!ダァァァン!!
合計4発、それを2つのシャンデリアに向けて発砲した。1つは地下に通じる階段の上に、もう1つはエントランスのど真ん中に落ちた。
ガシャァァァァンン!!!!!
凄まじい音と衝撃で少年はよろめくが、
「亮っ!急げ!!」
…少年は戻ってきた胡桃に助けられ、無事外にでることができた。
―
―――
―――――
「亮くん!大丈夫!?」
「はっ、はっ、……あ、ああ大丈夫。なんともないよ。それよりも由紀とさっきの女の子は…」
「まだ分からない。今から調べるところよ。それと亮くん、悪いんだけど少し休んだらくるみと残りの荷物を車に載せてもらえるかしら?さっきので<かれら>が惹きつけられてるとはいえ早くここを離れないといけないから」
「あぁ、分かったよ」
その後、2人で荷物を運び入れたため、それほど時間はかからなかった。やることが済んだ胡桃が悠里に話しかけた。
「そっちはどう?」
「…噛み傷はないみたいね」
「そっか、よかった」
「そのうち目を覚ますと思うわ…」
「…気は進まないけど、一応拘束しておくぞ」
少年はそう言って腰の手錠ホルスターから手錠を取り出した。
「鍵はあるの?」
「もちろん」
「じゃ、念のためね」
悠里は由紀と助けた女の子に手錠を掛けた。
「…よし、それじゃあ帰るか」
少年たちは太陽を背にして、学校へと帰って行った…
…to be continue
ちなみにこの二次小説では亮くんの登場で、例の手紙を書いていません。それが後々のストーリー進行にどのように影響を与えていくのかを楽しみにしていただけると嬉しいです。
誤字脱字あれば報告お願いします!