がっこうぐらし!~おわりのはじまり~ 作:Archer SHO
メキシコはグアナフアトからこんにちは、archer1925です!
現在、国際インターンでメキシコにいるのですが、ようやくネットがつながりました。まぁ、シンプルにネット回線のつなぎ方がわからなかっただけなんですが
そして気づけば前回の投稿から2ヶ月ほどという…
…あっ、どうぞ
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あの日、俺は1人に男に助けられた…
―よう、目ェ覚めたか…。お前さん、俺が助けてなきゃァ今頃ヤツラのお仲間だったぜェ?
どこか普通じゃない雰囲気を漂わせる男だった…
―あァン?俺か?俺ァ■■■■ってんだァ。まぁ、お前さんの命の恩人ってェやつだな。
その男は適当だったが異常とも言える強い人でもあった…
―あァ?んなもン首をこうバッ!ってやッてバッ!ってやりゃァ楽勝だろうガ、あんな案山子みてェな連中。
でもそんな俺の中ではヒーローみたいだった男でさえ最後は………
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~私立巡ヶ丘学院高等学校、生徒指導室~
~午前10時過ぎ頃~
生徒指導室の床に敷かれた寝袋、そこで少年が眠っていた。だが、窓から差し込む光が目覚ましとなったようで、少年は少しまぶしそうにしながらもゆっくりと目をあけた。寝ぼけ眼で辺りをキョロキョロと見渡した少年は思い出したように、
「…あぁ、帰ってきたんだな」
傍らに置いた愛銃を撫でながらそう呟いた。
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~私立巡ヶ丘学院高等学校、生徒会室~
ガラガラとドアを開けて少年は生徒会室に入った。そこにはすでに胡桃と悠里、そして昨日助けた少女がいた。
「おはよう。胡桃、悠里。君もおはよう、元気そうでなによりだよ」
「あら、おはよう。亮くん」
「うっす、はよー」
「お、おはようございます」
少年は空いていた悠里の隣に座った。
「胡桃と悠里はもう自己紹介は済ませたのか?」
「えぇ、それでこれからこの部活について説明しようとしていたところよ」
「今のうちに亮も自己紹介しておいたらどうだ?」
「そうだな…それじゃあ…君と話すのは初めてだな。俺は篠山亮、この学校の3年だ」
「2Bの直樹美紀です。えと、悠里先輩から聞いたんですけど篠山先輩も私を助けてくれたんですよね?その、ありがとうございます」
「あぁ、まぁ数少ない生きた人間同士助け合わないとな。それより体はもう大丈夫なのか?」
「はい、まだ本調子ではないですけど、もう大丈夫です」
「そっか、ならよかった」
「…それで、学園生活部っていったい何なんですか?」
「そういえばまだ説明してなかったわね。…わたしとくるみ、めぐねぇで落ち着いた頃に考えたの。ただその日を生きるのも疲れるからいっそ部活の合宿にって」
「そのめぐねぇという方は今どこに?」
「もう…いないの」
「え…でもさっきゆき先輩が」
胡桃と悠里は困ったような顔で目配せをし、少年は目を瞑ったまま下をむいた。
「ゆきにはめぐねぇが見えてるんだ」
「幽霊みたいなものですか?」
「そうじゃなくて…」
「俺が説明するよ、…部活を始めてからしばらくした頃にそれまで落ち込んでた由紀が元気なってきたらしいんだがそれが…」
「元気に、なりすぎたっていうか」
胡桃が続けるように言った。
「そうなんですか…そういえば篠山先輩がらしいって言ったのは?」
「…俺も君と同じ、最初からここにいたわけじゃないんだ」
「篠山先輩も、助けてもらったんですか?」
「いや、亮はこんな事になってからしばらくして自力でここまで来たんだ」
「そうなんですね」
「そういえば由紀はどこだ?」
「今ならあっちの教室で授業してると思う」
「そうか」
「…ね、お願い、亮くんにも頼んだんだけど…美紀さんもここにいる間あの子に合わせてくれる?」
美紀は重々しくもうなずいた。
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あの後、戻ってきた由紀に連れられて美紀は生徒会室を出ていった。由紀いわく校舎を案内するらしい。
「…どうする?」
口にしたのは胡桃だった。
「せっかくだし歓迎会をしようと思うんだけど亮くんはどう?」
「いいんじゃないか?こんなこと滅多にないんだし」
「くるみは?」
「あたしも賛成かな」
「なら決まりね。わたしは料理を用意するわ、くるみと亮くんは飾りつけをお願いできる?」
「りょーかい、ほらやるぞ亮」
「おう」
少年たちは密かに準備を始めた。
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「…なぁ、モールでりーさんと何かあったのか」
飾りつけの最中、胡桃がこう言い出した。悠里はトイレだろうか、部屋にいなかった。
「ん?いや、これといってなにもなかったぞ?」
実際には悠里が溜め込んでいたものが爆発するといったことがあったが、少年はわざわざ言う必要はないだろうと考えて言わなかった。
「…本当かぁ~?」
「ほんとほんと、マジだって。…なんかあったのか?」
「いや、これといってなにかあったわけじゃないけどさ、帰ってきてからりーさんが亮に向ける視線?っていうのかな、それが変わった気がすんだよ」
「…気のせいだろ、それともなにか?悠里が俺に惚れてるとでも?ないない、そんなのもはや天文学的数値だろ。やっぱたまたまだって」
「なんだそれ、まぁあたしの気のせいならいいけどさ、亮がりーさんみたいな美人に好かれるわけがないし…っと、こっちは終わったぞ」
「…自分で言う分にはなんとも思わないけど、あらためて言われるとなんか腹立つな……いよっと、こっちも完了だ」
そんな話をしているうちに生徒会室内の飾りつけは終わった。それから数分と経たないうちに悠里が戻ってきた。
「あら、もう終わったのね」
「あぁ、2人だったしな。こんくらい楽勝だったぜ」
「おい、自分の役割分俺に押し付けたの誰だよ」
少年は少し笑いながら言った。すると悠里が少しこわ~い雰囲気を漂わせた。
「…くるみ?」
「い、いや、違うんだって!ほらぁ~その~…あっ!そろそろゆきたち戻ってくるんじゃないか!?」
「…それもそうね、先に残りの準備を終わらせましょうか」
そう言って先ほどまでの雰囲気を消して、悠里は出来上がった料理を机の上に並べ始めた。少年と胡桃がコップやらを配膳しながら小声で、
(おい!なんで言うんだよ!)
(楽した胡桃が悪い)
少年はニヤニヤしながら言った。
(…あとでおぼえてろよぉ~)
「………」
2人仲良さげな雰囲気で配膳している様子を見て悠里は少し複雑な気持ちになっているようだった。
「?…りーさんどうした?」
「えっ、ううん、なんでもないわよ」
「そうか?なんか難しい顔してたけど…」
「…風邪でもひいたか?」
そう言いながら少年は悠里のおでこに手の甲を当てた。すると自分の状況を理解した悠里は顔を赤くした。
「…少し熱いけど…大丈夫か?」
「っ!う、うん!大丈夫よ!きっと亮くんの気のせいだから!」
「そうか?…まぁ無理はするなよ?」
「え、ええ!もちろん!さ、さぁ2人とこれ持って!」
悠里が2人に手渡したのはパーティー用のクラッカーだった。無論、悠里自身も同じものを持っていた。
「あ、このクラッカーってモール行ったときにゆきが持ってきたやつじゃん」
「せっかくだし、ね?」
準備は完了した。
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程なくして廊下から由紀と美紀の声が聞こえてきた。
『…………み放題だよ?』
『それ部活関係ないですよね?』
『そ、そんなこと言わずに~ほら部室着いたよ?ささ、入って入って!』
『はぁ』
ガチャリとドアを開ける音がすると同時に、
「「「ようこそ!学園生活部へ!!」」」
パーンッとクラッカーを鳴らしながら少年たち3人は言った。
突然のことに2人はぽかーんとした表情だった。いち早く再起動した由紀が、
「ちょ、何これ!」
と少し興奮気味に言った。すると少年が、
「少し驚かそうと思ってな」
「ずるーい、3人だけー!わたしもやりたーい!!」
「皆でやったらサプライズにならないでしょ?」
「そーおーだーけーどー」
そんなやりとりをしていると、美紀が微動だにしないのに気がついた。胡桃が恐る恐る、
「もしかして…はずした?」
そう聞くと、美紀は照れくさそうに笑いながらも嬉しそうに、
「ありがとうございます、うれしいです」
そう言った。
「じゃあじゃあ!入部してくれる!?」
そう聞いたのは由紀だった。その問いに対して美紀は、
「仮入部からでもいいですか?」
そう答えた。由紀は嬉しそうに美紀に抱きつきながら、
「もちろん!それじゃあ改めて!ようこそ学園生活部へ!!」
この日仮入部とはいえ、新たな部員が入部した。
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~午前1時前~
楽しく和気藹々と過ごした歓迎会は終わり、時はすでに日を跨いで深夜になっていた。そんな深夜の月明かりの照らす校舎の廊下を歩く人影が1つあった。
(…今日は憎らしいほど月がきれいだな)
それは亮だった。どうやら夜の見回りをしているらしい。そんな少年の服装はここ最近着ない日はないほどにもなりつつある巡ヶ丘高校の学ランではなかった。
黒いミリタリーブーツにモールから持ち帰った青いジーンズと黒のタンクトップの上から灰色のパーカーを着るという私服スタイルだった。
もちろん腰には拳銃のぶら下がったベルトを装着し、手にはライフルがあった。
ちなみにそのライフルには入手時にはなかったものが付けられていた。それは銃口付近にビニールテープで無理やり留められた長い出刃包丁だった。少年はライフルを銃剣のようにして扱えるようにもしたらしい。
閑話休題
少年が胡桃たちが寝ている教室の近くまで皆を起こさないように行くと、ガラガラとドアが開かれた。
「あっ、篠山先輩」
出てきたのは仮入部したばかりの美紀だった。
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~私立巡ヶ丘学院高等学校、屋上~
「篠山先輩、ありがとうございます」
「どういたしまして、これからは夜に1人で教室出ないようにな」
どうやら美紀は眠れなかったため、気晴らしに外に出ようとしてたところだったらしい。さすがに1人では危険なため今は少年が付き添っていた。
「それをいうなら先輩だって」
「俺はこいつがあるからな」
そう言って少年は手に持っているライフルを軽く叩いた。
「そういえば気になってたんですけど先輩の持ってる銃って本物…なんですよね?」
「あぁ、もちろん。さすがにこの状況下でおもちゃで戦うほど狂っちゃいないよ」
「いったいどうやって?」
「モールに行く前にたまたま実家によることができたんだ。そのときに…な。あ、もちろん合法だぞ?」
「ではその拳銃は?一般人は猟銃は持てても、拳銃はごく一部の限られた人しか持てなかったはずですが」
「…詳しいな、好きなのか?そういうの」
「い、以前そういうのに少し興味を持って、そのときに調べたんです」
「そうか…まぁ、あれだ、お亡くなりになってた警察官からちょっとな」
「そう…だったんですね」
「なぁ…少し聞きたいことあるんだけど、いいか?」
「はい、いいですよ?」
「正直に言ってくれ、由紀のことどう思った?」
「っ!」
美紀は驚いた表情をした。どうやら今聞いてくるとは思っていなかったらしい。美紀は少し考えて、
「……私は、早く治ればいいなと思います。こんな状況であれではいつか本当に危ないことになると、そう思います」
「そっか、まぁ何も知らなかったらそういう考えになるわな」
「…じゃあ先輩はどう思ってるんですか?」
「今はその時じゃない。そう思ってる」
少年がそう言うと、美紀はムッとしながら、
「今はって…じゃあいつだって言うんですか?」
「…正直に言うと俺も分からない、でもこの学園生活部はかなりシビアな状態で成り立っているんだ」
「それは…どういう…」
「由紀は今精神的疾患にかかっている状態だ。たぶんPTSD、心的外傷後ストレス障害ってやつだと思う。まぁ、これはレベルの度合いの差はあるけど俺含む全員にも言えることだろうな」
「なぜですか?」
「悠里は分かりにくいがあれでかなりのストレスを抱えているし、俺と胡桃は<かれら>を殺すことに躊躇がなくなった」
「悠里先輩のはまだ分かりますけど、先輩方のは?」
「人間っていうのは通常、同族殺しを激しく嫌うものだ。だが<かれら>っていうのは総じて人型だ。つまり俺たちは擬似的な大量殺人をしているのと同じだ。それをなんのストレスもなくやれると思うか?」
美紀も少年の言っていることに気づき顔を真っ青にした。
「その<かれら>を殺すことにストレスを感じなくなるころには立派なPTSDだよ」
「…詳しいんです、ね」
「ここの図書館はかなりマニアックな本も置いていたからな、こうなる前に趣味で少し勉強したんだよ」
「そうなんですね…あの、少し私の話も聞いてもらえませんか?」
「ああ、もちろん」
美紀はモールで助けられる前のことを話し始めた。始まりの日のこと、モールでの生活、一緒に生き延びた友達のこと、そしてその友達が出て行ってしまったことを。
「私は、たぶん後悔してるんです。あの日一緒に逃げてたら、もっとその友達の言うことに耳を傾けてたらって」
「…俺も、後悔はあるよ。始まりの日から1ヶ月、俺は外で生き延びてきた。水や食料は常に最低限しかなかったし、ここほど安全な場所もなかった。それに今ほど武器も持ってなかったしで自分が生き残るために毎日が必死だった。だから、俺は自分が生き残るために他の生存者を見殺しにした。でなきゃ自分が<かれら>になるかもしれない。それが少し前の俺の日常だった。だから美紀がこんな安全で快適な場所でのほほんと暮らしているように見える由紀たちに腹が立つのも正直分からないこともない。だけどもう少し由紀たちを見てみてほしい。彼女たちは彼女たちになりに必死なのも分かると思うから」
「…はい」
「…さて、そろそろ戻るぞ。俺も眠るし」
「そうですね。…あの、篠山先輩、ありがとうございました。先輩の言うとおり、ゆき先輩たちと私の過ごした状況の差に嫉妬、してたのかもしれません。もう少し、冷静になってゆき先輩とも向き合ってみたいと思います」
「まじめなのもいいけどたまには肩の力抜かないとな、これ先輩からのアドバイス」
「…フフッ、考えてみます」
…to be continue
おそらく次回も大幅に遅れると思います。あと、がっこうぐらし!テレビアニメ放送から1年おめでとうございます!