ポケモン世界に転生したので好き勝手に生きてみる   作:にわか党

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「中々上手ですねー」

 

「ダンバルッ」

 

 ダンバルの目を覚まさせた後、すっかり打ち解けた俺達は一緒に化石発掘に精を出していた。

 三本の爪で硬い場所を崩してくれたりと、ダンバルは凄く活躍中だったりする。

 しかし、未だに化石は見つかりません。

 

「ラッル、ラッル」

 

 俺の直ぐ隣ではシャベルを両手にラルトスが楽しそうに土を崩しながら化石を探してくれてる。

 なんて癒される光景なんでしょ。

 抱き締めたいけど、邪魔にしかならないので自重。

 そして、発掘作業をする俺達の後方に控えるガンタは揺り籠に似た物を抱え、その中ではヒマナッツがお昼寝中。

 疲れたんでしょうね。

 

「コル?」

 

 手を止めていた俺をラルトスとは逆の隣で作業していたスコルピが見上げる。

 

「何でもないですよ。さ、じゃんじゃん発掘しますよー」

 

「コル!」

 

 何処かな何処かな、化石は何処かなー。

 

「ダンバル!」

 

 俺達とは少し離れた場所で作業していたダンバルが戻ってきた。

 爪で何かを掴んで持ってきたみたい。

 

「ダン!」

 

 浮遊して近寄って来たダンバルから両手に収まる程の岩を渡され、何かを期待しる様な眼差しで見られる。

 岩を裏返すと断面に明らかに鉱物とは異なる物が埋まっていた。

 

「ガンタ、ガンタ!」

 

 急いでガンタを呼び、鑑定してもらう。

 

『間違イ、アリマセン。コレハ、盾ノ化石デス』

 

 来ました、やっと来ました化石さん。

 改めて見てみると今までの苦労が洗い流される気がした。

 

「ダン」

 

「俺が貰って良いんですか?」

 

「ダンバルッ」

 

 有難く頂きます。

 

「ラルー」

 

「コル、コル」

 

 手伝ってくれていたふたりにも見せると、感触を確かめる様にペタペタ触っていた。

 珍しがっているとこも愛らしいですな。

 

「化石を見つけてくれて、ありがとう御座います」

 

「ダンバル!」

 

 化石を発見してくれたダンバルに感謝を込めて撫でまくる。

 硬いけど可愛いんです。

 化石も見つかった事だし、早く帰って新たなポケモンとのご対面といきましょ。

 

「ダンバルは、これからどうしますか? ここで暮らすんですか?」

 

「ダン…」

 

「俺としては、このままウチの子になってくれると嬉しいんですが」

 

 包み隠さず、本音をぶっちゃけてみる。

 

「ダンバルッ」

 

 そして、とっしんを受けた。

 骨は何とか大丈夫だ。

 少し息が止まったくらいで。

 

「ダン!」

 

 嬉しそうな気持ちがダンバルから伝わってくる。

 勧誘は成功。

 ゲットされてくれるなら、とっしんの一回や二回ノーガードで受けてあげますとも。

 

「コル、コルッ!」

 

 新しい仲間が増えた事にスコルピも喜んでくれていますな。

 今日はまだ仲間が増えるんですよ。

 ダンバルをモンスターボールでゲットし、スコルピもモンスターボールに一旦、戻ってもらった。

 化石を何処かへ仕舞ったガンタからヒマナッツが入った籠を受け取り、なるべく音を立てずに洞窟の出口を目指す。

 

「ラルー…」

 

 肩に乗るラルトスも眠そうに船を漕ぐ。

 

「ラルトスも寝て良いんですよ」

 

「ラル…」

 

 ラルトスが寝る前に、ガンタに俺も一緒に土の汚れを落としてもらった。

 ヒマナッツの隣に綺麗になったラルトスが添い寝する様に横になり、直ぐ規則的な寝息が聞こえてきた。

 寝てる姿もかわゆいふたり。

 当然の如く、一緒に撮影。

 いや、ほら、 思い出だから。

 決して、この至福の光景をずっと楽しめるとか欲だけでの行動ではないのです。

 

『シロー様、出口デス』

 

 寝ているヒマナッツとラルトスを見ていたから気付くのが遅くなったが、洞窟の外に出た。

 近くに置いてあるヘリへそのまま向かい、輝きの洞窟を後にする。

 ふたりの眠りを妨げる事無く、ヘリに乗り込む。

 音も無く離陸したヘリは島へと急ぐ。

 どうせ寝るならベッドで寝かせてあげたいですし。

 

「いやー、本当に速いですよねこのヘリ。もう島が見えてきましたね」

 

『直グニ、着陸シマスノデ、暫シ、御待チ下サイ』

 

 どっかの政治家とは違って有限実行のガンタは迅速にヘリを着陸させつくれた。

 優秀過ぎて崇めたくなります。

 

『私ハ、化石カラ再生スル準備ヲシテ、御待チシテオリマス』

 

「了解でーす」

 

 玄関ホールガンタと別れ、二階への階段を登る。

 二階の廊下奥にある俺達が使っている寝室に寝ているヒマナッツとラルトスの入った籠を抱えて入り、ベッドにふたりを移した。

 その後、起こさないように寝室を出た俺は裏庭の池の前まで来た。

 そこで三つのモンスターボールから、ヒンバス、スコルピ、ダンバルを出す。

 

「ダン?」

 

 辺りをキョロキョロ見渡しているダンバルにここが何処だか説明をしてあげた。

 

「ヒンバス、新しい仲間のダンバルです」

 

「ダンバル!」

 

 池にいるヒンバスにもダンバルを紹介。

 

「ヒ、ヒ、ヒ!」

 

 ヒンバスが水面から大きくジャンプし、盛大な水飛沫が上がる。

 その水飛沫が晴れた空から注ぐ日の光で虹を作った。

 歓迎の挨拶のつもりみたいだ。

 ダンバルもそれをみて嬉しそうに俺のとヒンバスの周りを浮遊する。

 

「コル、コルコル!」

 

 一方のスコルピは何故か尻尾と触肢の爪をダンバルに向けての威嚇ポーズ。

 

「ああ、そういう事ですか」

 

「ダン?」

 

「スコルピの歓迎はバトルみたいです」

 

 輝きの洞窟でのバトルはスコルピには不完全燃焼だった筈だし、決着を付けたいのでしょうな。

 

「どうしますか?」

 

「ダンバルッ!」

 

 対するダンバルも、やる気を見せて後ろの爪をいっぱいに開いている。

 意外とスコルピと同じバトル好きみたいです。

 

「では、あそこのスペースを使って下さい。二階でヒマナッツとラルトスが寝ているので、軽くでお願いしますよ?」

 

「コル!」

 

「ダン!」

 

 早速、向こうの草原にスコルピとダンバルは行ってしまった。

 それを見送って、まだダンバルのデータを見ていなかったとポケモン図鑑で確認する。

 

『ダンバル』

性別:不明

特性:クリアボディ

技は、とっしん、てっぺき、アイアンベッド

 

 やっぱりスコルピには相性の悪い相手ですな。

 

「ヒ、ヒ!」

 

 水面から顔を出すヒンバスに呼ばれた。

 

「俺達はここで遊びますか」

 

「ヒ、ヒ、ヒ!」

 

 履いていた登山など用のトレッキングシューズを脱ぎ、ツナギの裾をたくし上げて池に入った。

 池の水はとても澄んでいて、足から伝わる冷たさが気持ち良い。

 周りを囲む石に腰を下ろして目の前のヒンバスを撫でてイチャつきます。

 

「ヒ、ヒ」

 

 捕まえた時はボロボロだった尾鰭もガンタに教えてもらってケアした甲斐あって随分まともになった。

 毎日、ケアを続けていればもっと綺麗になるはず。

 

「身体を磨いてあげますね」

 

「ヒ、ヒ、ヒ!」

 

 ウエストバッグからタオルを取り出してヒンバスの身体を磨く。

 ミロカロスに進化するには美しさを保たせるのが大切な為、鱗を磨く手にも気合いが入る。

 ヒンバスも進化する事には意欲的で尾鰭のケアの際も今も大人しくしていてくれる、とても良い子だ。

 

「こんなところでしょうかね」

 

 磨き終わったヒンバスの鱗は日光を浴びて輝く。

 良い仕事をしました。

 

「凄く綺麗ですよ」

 

「ヒ、ヒ!」

 

 褒める事も大切。

 科学的にも女性は褒められる事で綺麗になると証明されていますし。

 今のままでも可愛いから嘘偽りなく褒められる。

 

「それにしても、彼等はあれで軽くバトルしてるつもりなんですかねー」

 

 ヒンバスを撫でながらスコルピとダンバルのバトルを眺めて溜め息が出た。

 今もダンバルがとっしんで突っ込んで行ったのを、スコルピは尻尾を前に持ってきて触肢とクロスして受け止めている。

 こっちまで衝突した音がかなり響いて来てるんですけど。

 

「ヒ、ヒ」

 

 ヒンバスも少し呆れ気味。

 これだから男は、とでも言いたげ。

 まあ、ダンバルは性別無いですがね。

 俺はそのままヒンバスとイチャつくながら、スコルピとダンバルのバトルを眺めていた。

 

「ラルー」

 

 一時間程の時間が経ち、起きて二階から降りて来たラルトスが走って肩に飛び付いて来た。

 

「ヒマヒマー」

 

 その後ろからヒマナッツもぴょんぴょん跳ねながら来たのを池から出て抱き上げる。

 昼寝して元気いっぱいですな。

 ふたりも起きましたし、ガンタのところに行きますか。

 未だにバトル中のスコルピとダンバル、池で泳いでいるヒンバスは残してガンタの待つ地下へ向かった。

 

「楽しみですねー」

 

「ヒッマ!」

 

「ラルー!」

 

 皆でウキウキしながらエレベーターに乗って地下へ下りた。

 廊下を抜け、突き当たりにある部屋の前に立つと扉が自動で開く。

 中は四方を金属の壁に囲まれた秘密基地の研究所を思わせる部屋に様々な機械が置かれていた。

 

『化石ノ再生ノ準備ハ、整ッテオリマス』

 

 何かの操作パネルの前にいたガンタが振り向く。

 

「なら、再生いってみましょうか」

 

『了解シマシタ』

 

 操作パネルでガンタが操作し、機械が稼働する。

 これはゲットの時と同じくらい緊張とワクワクがありますな。

 ガンタの前のモニターに恐らく化石の再生の進行状況を示すパーセンテージが表示された。

 パーセンテージが加速度的に増えていき、数値が百パーセントを示す。

 

『再生完了デス』

 

 ガンタが操作し、隣にあった機械的な円錐型の容器が上に持ち上がる。

 残された台の上には面長の盾に似た顔をしたポケモンが丸くなって眠っていた。

 数秒後、くりっとした目をゆっくり開けたそのポケモン、タテトプスは起き上がり、身体を伸ばして目の前の俺達を見つけた。

 

「テプ?」

 

 俺はヒマナッツを抱えたまま台の上にいるタテトプスの目線に合う様にしゃがんだ。

 

「未来の世界へようこそ。俺はシロー、こっちはヒマナッツ」

 

 抱えていたヒマナッツをタテトプスの前に持ち上げた。

 

「ヒマヒマー!」

 

 ヒマナッツを抱え直し、今度は肩のラルトスを前に出す。

 

「こっちがラルトス」

 

「ラッル!」

 

 ラルトスが肩に座ったまま可愛らしく手を振った。

 

「そして、ガンタです」

 

『宜シク御願イシマス』

 

 ガンタが俺の背後に控える。

 キョトン、とした表情のタテトプスが台から飛び降り、近付いて来た。

 そして、しゃがんだ状態の俺の膝に面長の硬い顔を擦り付けてくる。

 タテトプスは硬い顔を木などに擦り付けて磨く習性がある事を思い出し、ヒマナッツを床に下ろしてタオルで磨いてみた。

 

「テプー!」

 

 それが気に入った様子でもっとしてくれと、また膝に顔を擦り付けてくる。

 更に磨いてあげ、御満悦のタテトプスの前に俺は膝を付いてモンスターボールを差し出した。

 

「タテトプス、俺のポケモンになって一緒にいてくれませんか?」

 

「テプ! テプ!」

 

 磨いてピカピカになった顔を縦に何度も振り、俺の要求を受け入れてくれた。

 

「ありがとう御座います」

 

 御礼を言ってモンスターボールのボタンをタテトプスの顔に軽く押し付け、タテトプスをモンスターボールの中に入れた。

 見るのも五度目になったボタンの点滅と揺れ。

 数秒後、それが収まってゲットが完了した。

 

「タテトプス、ゲットですね」

 

「ヒマヒッマ!」

 

「ラル!」

 

 俺の嬉しそうな顔を見てヒマナッツとラルトスも新しい仲間に喜んでくれた。

 直ぐにモンスターボールからタテトプスを出し、持ち上げて目を合わせる。

 五十キロはある為、それなりに重い。

 

「今日から宜しくお願いしますね」

 

「テプテプ!」

 

 目の前にあった俺の顔に自分の顔を擦り付けた。

 タテトプスの顔の硬さに俺の顔の皮膚が悲鳴を上げているが、気にしない。

 スリスリされている幸福感の前に痛みなんてどれ程のものか。

 飴と鞭を味わった後、タテトプスを連れて一階へ上がった。

 

「テプー」

 

 見る物全てが知らない物で戸惑うタテトプスは俺の足に身を寄せるように歩いている。

 歩きにくさもその姿が可愛過ぎて気にならない。

 しかし、それも外が近付くにつれ、タテトプスの歩みが速くなるまでの間だけだった。

 うん、自然が恋しいのね。

 

「テプ! テプ!」

 

 ウッドデッキに出たタテトプスが嬉しそうに駆け出す。

 

『コノ島ハ、外界ヨリモ、昔ノ環境ニ近イ為、古代ノ遺伝子カラ、懐カシサヲ、感ジテイル、ノデハ、ナイカト、推測シマス』

 

 それはタテトプスにとっては良い事ですよねー。

 俺達も外に出ると、草原の方で楽しそうに駆け回るタテトプスが見えた。

 バトルしていたスコルピとダンバルも楽しそうなタテトプスにつられて一緒に遊び出す。

 初めて会った子とも仲良く出来る良い子達ですわー。

 

「ラルー…」

 

 ラルトスの空腹を訴えで夕陽で紅くなった草原を駆け回るタテトプス達を呼び戻し、皆で御飯を食べて新たな仲間を歓迎した。

 

 

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