ポケモン世界に転生したので好き勝手に生きてみる 作:にわか党
お気に入り登録が600件を超えていました。
嬉しい限りです。
さて、今話ではシローさんが新たなステージへ。
どうかお楽しみください。
「ヒィィイン」
111番道路に行った翌朝、嘶くポニータの背に跨り俺は島の砂丘を訪れる。
もちろんヒマナッツは落ちないよう俺の前に騎乗です。
キルリアを乗せたメェークルと並走しながら着いた砂丘は広く物静かな場所でした。
しばらく走り続けると111番道路の砂漠と似たオアシスが見えます。
「フカ」
スピードを落としてオアシスへ近付いていくポニータの足元からフカマルが砂の中から顔を出しました。
朝から砂に潜っていたようですな。
その後からはサンドとナックラーが続いて出て来ました。
砂の中で遊んでたんですかね。
何にしても楽しそうで何よりです。
「イーマイ!」
「サボネ!」
「ヒマ!」
オアシスの中へ入るとイシズマイとサボネアが迎えてくれます。
ヒマナッツも嬉しそう。
特にサボネアは走って来て飛び付いて来ました。
トゲトゲが刺さりますが構わずバグりましたとも。
オアシスにある湖内には仲睦まじく泳いでいるドジョッチ達。
俺が来たのに気付くと縁に来て顔を出してくれます。
砂丘にいる子達が揃い、皆にポケモンフーズをあげていく。
「美味しいですか?」
「サーボネ!」
口いっぱいにポケモンフーズを頬張るサボネアさんの愛らしさに悶えながら他の子達ともイチャイチャ。
まさにここは俺のオアシスです。
じっくりと堪能してからオアシスを離れ、館へと戻りました。
砂丘へ行く前に森にも寄ったのでこれから朝食です。
館に着くとやはり草原のほうではスコルピ達がバトル中。
他の子達はそれぞれ思い思いに過ごしています。
「ルク、ルクルック」
「ライ……?」
その中で昨日ゲットしたライチュウに同じでんきタイプのルクシオが話し掛けていました。
まだオドオドした様子のライチュウへと近付いて行き、声を掛けます。
「おはようございます。昨夜はよく寝れましたか?」
「ライ」
「それは良かった」
小さく頷いて返すライチュウの頭を撫でると少し安堵したように見えます。
それに昨日よりも毛並みやツヤが良くなっていますな。
ガンタの作ったポケモンフーズのおかげでしょうね。
撫で心地の上がったライチュウを撫でまくりです。
「ラーイ」
目を細めて気持ち良さそうなライチュウさんの姿は俺の精神に雷を落としていきました。
そして、恒例のポケモン図鑑のお時間です。
『ライチュウ』
性別:♂
特性:せいでんき
技:メガトンパンチ、アイアンテール、かみなりパンチ、ちきゅうなげ
よし、ちょっと待とうか。
見事なまでの物理一辺倒。
それが必ずしも駄目って訳ではないです。
でも、この子の性格的にこのチョイスはミスマッチじゃないですかね?
「キル、キルキール」
「ライ……ライライ」
同じような境遇だったキルリアは特にライチュウを気にかけてくれています。
「キルリアは皆のお姉さんみたいですね」
「キールゥ」
照れたように笑うキルリアも最高です。
「さて、それでは俺達も朝食にしましょう」
「ヒッマ!」
バトルをしていたスコルピ達も直ぐに集まって来てガンタお手製の朝食を食べます。
朝食を食べながら腕のポケモン図鑑を操作し、メール機能を開いて昨夜に届いたオウカさんからのメールを開く。
そこには本日ホウエン地方のキンセツシティで開かれるエッグカップなるイベントにゲストとして実況席に参加するとある。
ガンタぺディアの情報によればエッグカップとは各地方で定期的に開かれるポケモンリーグ主催のバトルトーナメントで優勝者のトレーナーにはポケモンのタマゴが授与されるとの事。
それを聞いた俺の今日の行き先がキンセツシティに決まったのは言うまでもない。
「コル、コルコル!」
「ダンバルッ」
「テプー!」
「コマタ!」
エッグカップに出場すこ事を皆に伝えると早速バトルマニア組からの手持ちに入れてくれという要請が殺到。
ですが、それには及びません。
「ガンタの転送機能があればいつでも手持ちは変えられるらしいので心配いりませんよ」
チート機能満載のガンタさん。
朝食を食べ終えると準備をしてヘリポートへと向かいます。
「チルチル」
今日はチルットも俺の頭上でお出掛けです。
それとヒマナッツとキルリアを伴っております。
他の子達は取り敢えず島にいてもらい、その都度ガンタの転送機能で送ってもらう事にしました。
「出発進行です」
『離陸シマス』
「ヒッママ!」
俺達を乗せたヘリがキンセツシティに飛び立ちます。
◇
『さあ、やってきましたポケモンリーグ主催、エッグカップinキンセツシティ! 司会は私、実況界のペラップことイシユキがお送りいたします!』
スピーカーからの大音量がスタジアムに響く。
司会らしい人がいる観客席の上には実況席があり彼の他にも人が見えます。
『本日、実況席にはポケモンバトル評論家のカラクチ氏と人気急上昇中のポケモンコーディネーター、オウカさんに来て頂いています! ズバリ、本大会の注目の選手などはいらっしゃいますか?』
『やはり、優勝経験のあるマグレン選手が筆頭であろうな。他にも今回は有名トレーナーが多い。まあ、彼らが優勝を争う事になるだろう』
『なるほど! オウカさんはどうですか?」
『そうだね。案外、無名のトレーナーが勝ち進んでダークホースになるんじゃないかな?』
『ふん、これだからコーディネーターは。分かっとらんなあ。ポッとでの輩が挑んでどうにかなる相手ではないわ』
オウカさんに食って掛かる評論家ですが、その視線の先が彼女の大きな胸にいっているのは俺には分かります。
ふむ、ガンタさんに頼んでちょっと処理をしてもらいましょうかね。
きっと明日にはチリとなっている事でしょう。
『それでは早速エッグカップを開幕いたしましょう! 第一試合に出場となっている選手はトレーナーボックスへお入りください!』
試合はトーナメント方式でバトル形式は1対1のシングルバトル。
そして、
俺はまだ順番ではないので観客席でヒマナッツ達と他の選手のバトルを観戦です。
お、リングマにブービックの対戦ですか。
どちらも素晴らしく可愛い。
バトルというよりポケモン達の鑑賞に忙しいですわー。
なんて事を考えていたら直ぐに俺の試合が近くなってきました。
選手控え室へ向かい試合になるのを待ちます。
「次、シロー選手スタンバイお願いしまーす」
係員に呼ばれてスタジアムへと続く通路を通り、外へと出ました。
多くの観客達が上げる耳をつんざく歓声で全身に熱が伝わってきます。
「ヒーマヒマ!」
ヒマナッツはこの人数にも全く動じていません。
「キル……」
逆にキルリアは少し緊張しているのが分かります。
「大丈夫ですよ。いつも通り気楽にいきましょう」
「ヒママ!」
一緒にキルリアを元気付けようとしてくれるヒマナッツ。
「キル!」
うん、いつもの可愛い笑顔です。
まだ少し緊張が残っている感じだったのでバトルの前に先にある指示を出しておきました。
『さーて! 次の試合はかくとうタイプ使いの武闘家トレーナー、マスカル選手と公式戦は今大会が初出場という未知のトレーナー、シロー選手の試合です』
ヒマナッツとチルットをガンタへ預けてキルリアとトレーナーボックスへ向かいます。
トレーナーボックスに入った俺達に対するのは道着を着用したおっさん。
むさ苦しいかついです。
遠くから向かい合っているだけで精神的なダメージが。
早く始まんないですかね。
多分、直ぐ終わるんで。
「いけ、ゴーリキー!」
「リッキー!」
相手のおっさんは逞しい肉体美を持つゴーリキーを出してきました。
ガチムチのおっさんはノーセンキューですがポケモンなら別です。
あの筋肉をプニプニしたら駄目ですかね?
「キルリア、お願いします」
「キッル!」
ゴーリキーに対してこちらはキルリア。
相性が良いのは試合直前に出すポケモンを登録したので偶然ですが、あのムッツリ評論家をちょっと黙らせてもらう為に初戦はキルリアに頼みました。
ポケモンを出し合い、フィールドの外に審判が立ちます。
「これよりマスカル選手対シロー選手の試合を始めます! 使用ポケモンは1体、どちらかのポケモンが戦闘不能になった時点で試合終了です! それでは試合ーーーー開始!」
「キールー!」
「リキッ!?」
審判のバトル開始宣言直後、キルリアがゴーリキーにサイコキネシスを使います。
俺の試合前にキルリアに出した指示は単純明快。
試合が始まったら何も考えずに全力のサイコキネシス、ただそれだけです。
「リッキー!?」
キルリアのサイコキネシスによりゴーリキーは吹き飛び、ガチムチおっさんの横を凄まじい勢いで通り過ぎます。
フィールドの外、スタジアムの壁へとゴーリキーは叩きつけられ、横にクレーターを作って砂塵を舞い上げます。
「リキー……」
砂塵の中から倒れて来たゴーリキーは堪らず目を回して崩れ落ちる。
「ゴ、ゴーリキー戦闘不能! 勝者、シロー選手!」
審判の試合終了宣言にスタジアムは静寂に包まれます。
その直後、今日一番の大歓声が上がりました。
耳がキーンてなります。
そんな中でも後ろにいるチルットは安眠中。
ねむるでも覚えているのではないかと疑いたくなってきます。
「キッルー!」
「お疲れ様です。流石ですね」
満面の笑みで帰ってきたキルリアは存分に撫でてあげましたとも。
『ニューレコォーーーーードッ! 開始わずか3秒の電撃勝利! 公式戦初出場にしてシロー選手、凄まじい記録を打ち立てたぁー!』
『……』
盛り上がる司会の横ではムッツリ評論家が顎を外れんばかりに開いて呆然。
キルリアさん、ぐっじょぶです。
そして、トレーナーボックスから出る際に目が合ったオウカさんはニッコリ笑顔。
なるほど、これがメロメロを食らったポケモンの気持ちですか。
これは技が出せなくなりますな。
しょうがない。
「ヒマヒマ!」
「チル」
「キルルゥ!」
戻った俺達を迎えてくれたヒマナッツとチルットがキルリアを褒めています。
ふたりに褒められたキルリアは嬉しそう。
『御疲レ様デシタ』
「俺は何もしていませんけどねー」
突っ立ってただけですし。
頑張ったのはキルリアですから。
試合が終わった俺達は観客席へと戻り、他の試合を観戦しながら次の出番を待ちます。