ポケモン世界に転生したので好き勝手に生きてみる   作:にわか党

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更新の間隔が空いてしまい申し訳ないです。
 


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「フィーン!」

 

 白い砂浜にラプラスが起こした波が勢いよくうち上がる。

 うち上がった波は白いハーフパンツにサンダルを履いた俺の足を通り過ぎ、楽しそうなラプラスが目の前までやって来ました。

 広い海にハイテンションなラプラスの背中には同じくはしゃいでいるヒマナッツ。

 いーやーさーれーるーぅ。

 

「フィーン、フィーン」

 

 長い首を伸ばして寄せて来た頭を撫でてあげると甘えるように鳴いています。

 俺得パターンです。

 ひんやりしっとりなラプラスの肌を堪能し、また泳いでおいでと送り出しました。

 

『ピリピリッ、ピリピリッ』

 

 横にいるサーナイトとラプラスが泳いでいる姿を眺めていると腕に着けているポケモン図鑑から着信音が鳴ります。

 発信者はカトリーヌさん。

 ポケモン図鑑を操作してホロキャスター機能で通信に応じました。

 

『シローーーー!』

 

ホログラムのカトリーヌさんが表示された瞬間に鼓膜を激しく刺激する大声。

楽しそうに泳いでいたラプラスもその背中のヒマナッツもキョトンとした表情になってこちらを見ています。

 

「おはよう御座います、カトリーヌさん。朝からお元気そうですね」

 

 ていうか、ちょっと怒った表情なのは何故ですかね?

 

『エッグカップ優勝のニュース見ましたわ!』

 

 あ、お祝いの電話ですかね。

 

『大会に出ると言ってくれれば私も出場しましたのに!』

 

 はい、違いました。

 脳筋安定、ありがとうございます。

 

「いやー、出ると決めたのは大会の前夜でしたから、言ってもカトリーヌさんは間に合わなかったと思いますよ」

 

 俺の言い分にホログラムのカトリーヌさんはぐぬぬと言葉を詰まらせています。

 

『でしたら! 次にカロスで開かれるエッグカップには必ず出場しなさい! そこで以前の借りをお返ししますわ!』

 

 勝手に決めるー。

 まあ、エッグカップにはなるべく出場しようと思っていたので構いませんが。

 

「ええ、いいですよ」

 

『絶対ですわよ!』

 

「はい、カトリーヌさんにお会い出来るのを楽しみにしていますね」

 

『〜〜〜〜ッ、そ、そういう事は言わなくて良いのです!』

 

 ホログラムでも真っ赤な顏をしているのが分かるカトリーヌさん。

 

『で、では、約束しましたからね!』

 

 そう言い残して通信を切ってしまいました。

 

「慌ただしい人ですねー」

 

「サーナ」

 

 サーナイトもそう思うそうです。

 そういう女性も魅力的だとは思いますがね。

 俺達が現在いるのはホウエン地方サイユウシティの浜辺。

 周りには海水浴に来ている他の人達も見受けられます。

 ここに来たのはラプラスに島の外を見せてあげたかったというのもありますが、もう1つ目的があるんですよねー。

 

「あー! ラプラスだー!」

 

「本当だ! 初めてみたー!」

 

「ヒマナッツもいる! かわいいー!」

 

 近くで遊んでいた子供達がラプラスとヒマナッツの愛らしさに惹かれて集まって来ました。

 俺は泳いでいたラプラスに手招きで戻っておいでと伝えます。

 

「触ってみますか?」

 

「いいの!?」

 

「触りたーい!」

 

 近付いて来た子供達とラプラスの戯れ。

 これはこれで絵になりますな。

 あ、もちろん俺は変態の付かない ほうの紳士なので深い意味はありません。

 子供達の若いお母様方にはちょっとデレデレしましたが。

 

「フィーン!」

 

 子供達をひとりずつ背中に乗せて泳いだラプラスはとても満足そうです。

 そんなラプラスを見られた俺も満たされました。

 体のサイズ的に俺はまだ乗れないので子供達ぐっじょぶです。

 

「おや?」

 

「サナ?」

 

 子供達と別れまたラプラスとヒマナッツが戯れているのを眺めていると背後から視線を感じました。

 振り向いた先にいたのは褐色の肌に後ろで纏められた象牙色(アイボリーホワイト)の髪、身長は俺より少し低いくらいのスレンダーな体型。

 黒のパレオにパーカー、首飾りを身に付けた俺と同じ年頃の女の子。

 綺麗な顏立ちですが、いかんせん目付きの鋭さで怖い印象を受けます。

 その彼女の視線は俺の先で泳ぐラプラスに向けられているんですよねー。

 取り敢えず、声を掛けてみましょうか。

 

「あのー」

 

「……」

 

 更にキツいにらみつける頂きました。

 

「宜しければラプラスを撫でてみますか?」

 

 怯まず話を続けます。

 目付きはキツいまま若干、雰囲気だけ柔らかくなった彼女はラプラスに近付き、見た目に反して優しい手つきで撫でる。

 あれですね、雨の日のヤンキーって感じですわ。

 

「みずタイプ、好きなんですか?」

 

「……」

 

 また睨まれた。

 

「その綺麗な首飾り、色違いのサニーゴの抜けた角を加工した物ですよね。みずタイプのポケモンがお好きなのかなと思いまして」

 

 あと美人なのもありますが。

 

「……悪いかよ」

 

「いえ、藍色の瞳と凄く合っていると思いますよ」

 

 あ、眉間に皺が。

 ラプラスを堪能し終わった彼女は早々に離れて行こうとしています。

 

「そろそろウチの者が戻って来る頃なので一緒にお茶でもどうですか?」

 

 離れて行く彼女の足が止まり、半分だけ向けられた顏は一段と不機嫌そうです。

 

「アタシはお前みたいな軟派な奴が嫌いだ」

 

 そう言い残して去って行きました。

 見事に玉砕です。

 残念。

 振られた俺はラプラス達を愛でて癒してもらいます。

 愛で終えた後は近くの海の家でビーチボールを購入し、トスし合ったり、俺がリフティングを披露したり、砂で城を築いたりと遊びまくりです。

 その途中で少し側を離れていたガンタが戻って来て、昼食の準備を整えていてくれました。

 遊んで腹ペコになった俺達はパラソルで出来た日陰の下でランチタイム。

 今日もラプラスは良い食べっぷり。

 この調子なら大きくなって俺を背中に乗せてくれる日も近いのでは?

 しかし、今の可愛らしいサイズも捨てがたい。

 これはもうガンタさんに存分にカメラマンとしての腕を発揮しておいてもらうしかないですな。

 

「で、用事は無事済みました?」

 

『ハイ、勿論デス。現在、藍色ノ玉ヲ所有スル、者達へ、確カニ、予告状ヲ出シテ、参リマシタ』

 

「ご苦労様です」

 

 サイユウシティに行き先を選んだのは海があるのもありますが、次に狙う宝玉がここにあるからでもあるんですよ。

 

「一族で宝玉を守ってるんでしたっけ?」

 

『ハイ。彼等ハ、宝玉ノ持ツ力ヲ知ル、数少ナイ者達デス』

 

 そうなんですよねー。

 宝玉の事、知ってるらしいんですよ。

 それでずっと宝玉を守っていたと。

 そんな人達から奪っちゃう訳ですが。

 集めないと神様困りますし、俺もリスクとか心配しなきゃですし。

 神殿に納めた後のご褒美が目的ではありませんよ、ええ。

 貰える物は貰いますがね。

 

「キャー、キャー」

 

 食後のハーブティーを楽しんでいるといつものようにポケモンフーズをあげていた野生のキャモメがバッサバッサと近くに寄って来ました。

 

「ポケモンフーズ、気に入って貰えましたか?」

 

「キャー!」

 

「それは良かった」

 

 俺が差し出した腕に止まったキャモメは余程ポケモンフーズが美味しかったのか白い翼をいっぱいに広げています。

 突き出た黄色の嘴もとてもキュートですな。

 

「宜しければ俺のポケモンになってくれませんか?」

 

「キャー、キャー!」

 

 宜しいようです。

 気持ちが変わらぬ内にと出したモンスターボールのボタンをキャモメが嘴でつつき、中へと収まります。

 

「キャモメ、ゲットですね」

 

「ヒッママ!」

 

 ウチのコックのポケモンフーズはやはりこうかばつぐんでした。

 この調子でゲットされる子が増えると最高なんですけどねー。

 それはともかく、キャモメさんのデータを確認してみましょうか。

 

『キャモメ』

性別:♂

特性:するどいめ

技:みずのはどう、エアカッター、ちょうおんぱ

 

 データを確認し、モンスターボールから出してあげるとさっき同様に腕に止まってくれました。

 これはなかなか鳥使いっぽくないですかね。

 まあ、ひこうタイプはこの子とチルットしかまだいませんが。

 

「用事も済みましたし、そろそろ島に帰りましょうか」

 

 キャモメをモンスターボールに戻しヘリで島に向かいます。

 現在、ヘリ内はガンタにより少し改造されており進化して大きくなったサーナイト用のシートが追加されております。

 ヒマナッツは当然俺の膝。

 今も絶賛イチャイチャ中です。

 短い空の旅の後、島のヘリポートにヘリが着陸しました。

 

「ガゥ!」

 

 お出迎えしてくれたのはガーディ。

 お座りで待機しながら尻尾をふりふり。

 はい、可愛い。

 

「お迎えありがとうございます」

 

「クゥーン」

 

 屈んで頭を撫でてあげると尻尾の揺れる速度が倍増。

 俺も嬉しいです。

 ガーディをモフモフした後で裏庭に向かうといつも通りスコルピ達がバトルをしていました。

 いつもと違うのはそこにライチュウも混ざっている事です。

 素早く動きアイアンテールやかみなりパンチをタテトプスに放ちますがあまり効いていない様子。

 技の威力が軽いようですね。

 

「ライ」

 

 俺がいるのに気付いたライチュウがバトルを止めてビュンと駆けて来ました。

 足元まで来たライチュウは俺の足にひしっとしがみ付きます。

 ニヤけそうになるのを我慢しながらゆらゆらと動く尻尾をなでなで。

 

「ラァーイ」

 

 気持ち良さそうですなー。

 他の子達も俺に気付いて手を振ったり寄って来たりしてくれています。

 その場で皆とイチャイチャ。

 完璧無視のナエトルや他のエリアにいる子達にも会いに行って夜までポケモンイチャコライフをエンジョイしました。

 

 

「さて、と」

 

 そして、夜。

 ヘリでサイユウシティに再度向かいます。

 目的はもちろん二つ目の宝玉、あいいろのたま。

 なので俺の今の格好は怪盗スタイル。

 現在はハンググライダーで目的地まで飛行中。

 今回はガンタさんも背中からウィングを生やして共に飛んでおります。

 相変わらず無駄にかっこいい仕様。

 

「そろそろですかね?」

 

『ハイ、前方ニ見エテキタ、村ノ奥ニアル、岸壁地帯ガ目的地デス』

 

 ガンタの言う通り古めかしい造りの家々が並ぶ村が下に見える。

 そこを飛び越え海へと続く先にある岸壁の上空までやって来ました。

 

『此方デス』

 

 先導するガンタに続いて俺も高度を下げて行きます。

 突起した岩や壁を超えて天井が吹き抜けのように開いている鍾乳洞に降り立ちました。

 ハンググライダーを収納し辺りを見渡すと綺麗な水に月の光が反射し周囲の石灰岩を更に美しく輝かせていた。

 

「何だか神聖な雰囲気のある場所ですねーーーーあなた達もそうおもいませんか?」

 

 俺は降り立ってからずっと感じ取っていた気配のある場所に向かい声を掛けてみました。

 

「ホッホッホ、やはりお気付きでしたか」

 

 岩礁の陰から出てきたのは杖をついた老婆と白い装束にベールを被った女性。

 どちらも褐色の肌です。

 

「予告状は読んで頂けましたか?」

 

「もちろん。ですが、あれが無くとも今晩が我が一族の役目を果たす時と理解しておりましたよ」

 

 そう言った老婆が懐から古びた巻物のような物を出し広げた。

 初めて見る字ですが神様知識のおかげで普通に読む事が出来ました。

 “八千夜を越え愛しの星が光の尾を描きし刻、無彩の使徒が舞い降りる”と書かれていますな。

 読めは出来ても意味は分かりませんわ。

 

『八千夜トハ、コノ地方ノ、古イ言イ回シデ、約八百年ヲ、表シマス』

 

 出ましたガンタペディア。

 

『愛シノ星トハ、千年周期デ現レル、彗星デス。因ミニ、現在真上ニアル物ガ、ソウデス』

 

 言われて上を見ると緑色に彗星が尾を引いて輝いていました。

 全然気付きませんでしたわー。

 そして、無彩の使徒っていうのがつまりは俺ですね分かります。

 

「神託を承り宝玉を預かった初代巫女による予言の書で御座います」

 

 予言ですかー。

 何ともファンタジーですな。

 それはそうと八百年も神様は宝玉を放置してた訳ですよね?

 俺が待たせた訳じゃないのに物凄く申し訳ない気分なのですが。

 

「我ら水の民は神様には多大な恩があるのです。故に八百年という長い間でも一族で宝玉を守っていたので御座います」

 

 あの神様が人助け?

 俄かには信じられませんが実際に当人がそう言っているならそうなんでしょうね。

 それにしても水の民ですか。

 

「確かマナフィと海底神殿に関わる一族ですよね」

 

「はい。ですが、我らはそちらとはあいいろのたまを任されてから二つに一族を分けましたので」

 

 杖をつきながら老婆が洞窟内中央へ向かいます。

 途中で足を止め此方を振り返りました。

 

「それでは、あいいろのたまをお渡しします」

 

 カッと音を立てて突き立てた杖が地面の岩を押すと辺りが揺れ出しました。

 次第に大きくなる揺れと共に老婆のいる中央辺りの岩が隆起し俺達がいる場所の水位が上がってきます。

 揺れと隆起が収まった後には祠のようになっている岩の中に藍色の宝玉が納められていました。

 それを老婆が手に取ります。

 

「ただし、神託により我ら一族の当代巫女とのポケモンバトルで勝利して頂きます」

 

 え、それ聞いてないんですけど。

 ガンタさんの方を見ると、知っていましたが何か?みたいな雰囲気。

 いや、だからそういうのは教えておいてほしいんですって、事前に。

 

「分かりました。それでバトルの相手はそちらの方で宜しいんですか?」

 

「はい。使徒様のお相手は当代巫女である我が孫、ミズチが務めさせて頂きます」

 

 老婆の紹介で頭のベールを外した巫女さん。

 ベールを外して見えるようになった顔は昼間に会った目付きの鋭いあの子でした。

 

 

 

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