ポケモン世界に転生したので好き勝手に生きてみる   作:にわか党

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ミズチさんをメイドに迎えての日常パートです。
 


0037

 

「コマタ!」

 

 俺と相対するコマタナが右腕を振りかぶり振り下ろします。

 その腕を俺は構えた木の枝で払いました。

 

「コマ! コマ!」

 

 左、右と交互に繰り出されるコマタナの攻撃。

 俺はチート身体能力で全てを払い除け、一旦後方へと距離を取ります。

 下がった事で空いた距離をコマタナは尚も攻め気で勢い良くジャンプして詰めて来ました。

 

「コーマタ!」

 

 落下のエネルギーを乗せた振り下ろしが迫って来ます。

 俺は半身になり足捌きで横へとズレる。

 空振りしたコマタナの右手が地面にぶつかり舞う土埃。

 しばらくして土埃が晴れ、そこにはコマタナの側頭部へ木の枝を突き付けている俺。

 

「攻める気持ちは大切ですが、相手の誘いに乗り大振りの攻撃をすれば躱された後の反撃に対処するのは難しくなります。でも、動きのキレは凄く良かったですよ」

 

「コマタ」

 

 木の枝を下ろしながらの言葉にコマタナがこくりと頷きます。

 そして、俺が撫でると照れ臭そうにしながら離れていき自主練を始めてしまいました。

 

「コル、コル!」

 

「テップー!」

 

「ダンバルッ」

 

 コマタナが離れて直ぐスコルピとタテトプス、ダンバルが自分達もと寄って来ます。

 はあ、ウチの子達は何でこんなに可愛いんですかね。

 スコルピ達とはコマタナと違い木の枝は置いて単純なパワー勝負にします。

 

「この円から相手を押し出した方が勝ちです。良いですか?」

 

「コル!」

 

 先ずはスコルピと。

 側にいたガンタの掛け声で円の中心から押し合いを開始します。

 要は相撲です。

 最初はスコルピの力と拮抗するようにし、段々と押す力を強くしていきます。

 

「コ、コル!」

 

 スコルピも対抗して踏ん張りますが、俺の冗談じみたばかぢからで徐々に押し込まれていき円の外に出てしまいました。

 

「テプテプ!」

 

 次はタテトプス。

 同じようにガンタの掛け声で押し合いスタート。

 タテトプスにも段々押す力を強くしていき押し出します。

 今度はダンバルとも相撲を取り、終わればまたスコルピに変わりとローテーションでそれを繰り返していました。

 そして、何度目かのダンバルの番に変化が起こりました。

 

「ダン?」

 

 ダンバルの身体が光り出し、その形を変えていきます。

 進化ですな。

 円盤の様な体から3つの爪がある腕が伸びた姿。

 

「メタングッ」

 

 ダンバルはメタングへと進化しました。

 ポケモン図鑑でデータチェックのお時間です。

 

『メタング』

性別:不明

特性:クリアボディ

技:とっしん、てっぺき、アイアンヘッド、しねんのずつき

 

 新しい技も覚えていました。

 

「おめでとう御座います、メタング」

 

「コル!」

 

「テプー!」

 

 俺と一緒にスコルピとタテトプスもメタングの進化を祝ってくれています。

 

「メッタ!」

 

 俺達の周りを嬉しそうに飛び回るメタング。

 よし、ここは俺もこの底知れない喜びを表す舞をひとつ。

 

「……何してんだ」

 

 クネクネと喜びの舞を舞っている最中に掛けられた声に振り向くと眉間に皺を寄せたミズチが立っていました。

 

「いえ、メタングへの進化を祝して喜びの舞を」

 

 更に深まった眉間の皺。

 

「阿保な事してんじゃねぇよ。さっさと朝飯食いやがれ、片付かねぇだろ」

 

 心底呆れた風に溜め息を吐いた後、ミズチは踵を返してウッドデッキの方へ歩いて行きます。

 朝食は今日から彼女の担当らしいです。

 ガンタの訓練には料理も当然含まれていたので味は保証されている筈です。

 ミズチの後に続いて俺達も朝食を食べに向かいます。

 鬼訓練を修了しただけあって前を歩くミズチの姿勢や動作は凄まじく洗練されてますな。

 何よりもその身に纏う足元まであるシックなメイド服。

 チョイスしたガンタさんナイスセンスです。

 

「ヒッマ!」

 

「フィーン!」

 

 池の側を通り掛かるとヒマナッツやラプラス達が集まって来ました。

 進化したメタングにも気付きひと騒ぎした後に皆んなで朝食タイムです。

 メニューはポタージュスープと焼き立てのパンでした。

 味は絶品。

 ガンタが教えたのだと思いますが俺好みの味付けです。

 

「このスープ凄く美味しいですね」

 

「黙って食え」

 

 スープは温かいのに向かいの席で一緒に食べているミズチは相変わらず冷たい。

 心が寒いです。

 代わりに朝食を食べながらヒマナッツとイチャイチャする事でそれを埋めます。

 ポケモンフーズをアーンしてあげた時の頬張る姿は鼻血モノです。

 

「ご馳走様でした」

 

「ヒママ」

 

 食後はガンタの淹れてくれたコーヒーでブレークタイム。

 

『シロー様、本日ノ御予定ハ』

 

「そうですねー、カントー地方とか行きましょうか」

 

 マサラ先生の出身地方ですから、その内行こうとは思っていました。

 マサラタウンで聖地巡りも良いんですけど、今日は別の場所へ行きます。

 

「目的地はセキチクシティのサファリゾーンで」

 

『承知致シマシタ』

 

 やっぱり先ずはゲットでしょう。

 早速、着替えてお出かけです。

 今日のガンタコーディネートはウエスタン風。

 テンガロンハットを被り気分は名うてのカウボーイです。

 

「では、行きましょうか」

 

「ヒッマ!」

 

 ヒマナッツを抱えてヘリポートへ向かいます。

 手持ちにはサーナイトにガーディ、ルクシオ、ライチュウ、ラプラス。

 サファリゾーンではバトル禁止なのでスコルピ達は進んでお留守番。

 今は相撲に夢中です。

 ヘリに乗り込み隣にはミズチが着席し、ガンタの操縦で離陸しました。

 一週間前には着席と同時に肘掛けにしがみ付いていたミズチですが今は平然と見惚れるような姿勢で座っています。

 これもガンタの特訓の成果ですかね?

 

「到着が待ち遠しいですねー」

 

「ヒママー」

 

 ヒマナッツを愛でながら飛行すること数分、カントー地方上空へと着いたようです。

 

『サファリゾーン、周辺ニ、到着致シマシタ』

 

 揺れを感じさせずに着陸したヘリから降り早速サファリゾーンへと向かいます。

 道中、サファリゾーンに近付くにつれてチラホラと他のトレーナーも見受けられました。

 

 そして、やって来ましたサファリゾーン。

 木製の大きなゲートを通り中に入ると中々の集客率。

 大きなスペースが当てられたお土産ブースも賑わっています。

 

「これ全部ペリッパー便でサンユウシティのこの住所まで送ってくれ」

 

 いつの間にか先にお土産ブースに入っていたミズチが大量の商品を購入し、気付いた頃には戻って来ていました。

 素早いです。

 さて、サファリゾーン内に入場する為に先ずは受付へ。

 

「ようこそサファリゾーンへ。御入場の前にトレーナーIDの確認をさせて頂けますか?」

 

「はい」

 

 俺は受付のお姉さんにポケモン図鑑を向けて見せます。

 

「有難う御座います。それでは当施設の規則を御説明させて頂きます。サファリゾーンではポケモンバトル、サファリボール以外のモンスターボールの使用を禁止しています。御一人様30個のサファリボールが支給され、それを使い切ると終了となります。何かトラブルがあった場合はその場合へ職員が向かいますので受付まで御連絡下さい。説明は以上となります。サファリボールを御受け取り下さい」

 

 お姉さんの説明が終わり迷彩柄のモンスターボールを30個受け取ります。

 

「他に何か御質問などはありますか?」

 

「そうですねー、トラブルの際によりスムーズに連絡が取れるようにお姉さんの個人的な連絡先を教えて、痛たたたた」

 

「さっさと行くぞ」

 

 ミズチに耳を引っ張られて引き摺られる俺。

 お姉さんポカーンです。

 おかしい、俺って一応はミズチの雇い主なんですけど?

 この扱いはちょっとおかしくないですかね?

 そこんとこどうなんですか。

 

「いいから自分で歩け」

 

「あ、はい」

 

 まあ、美人メイドに尻に敷かれるというのも悪くないので良しとしましょう。

 受付を通り過ぎた俺達はサファリゾーンへと繋がる通路を進みます。

 

「ミズチはサファリボールを貰わなくて良かったんですか?」

 

「今は新しいポケモンをゲットする気分じゃねぇ」

 

『ミズチ、ハ、現在、シロー様カラ頂イタ、サニーゴ、ノ、育成方針ヲ、慎重ニ考案中、ナノデ、新シイ、ポケモン、ヲ、ゲット、スルヨリモ、ソチラヲ、優先シテイルノデス。余程、嬉シカッタノデショウ』

 

「〜〜〜〜ッ!」

 

 ガンタさんの読心ネタバレ来ました。

 それが当たっているようでミズチは赤面してガンタを睨みますが何も文句は言いません。

 例の特訓時にガンタの恐ろしさを嫌というほど味わい逆らわない方が良いと学んだのでしょう。

 懸命です。

 そして、赤面しているミズチさん超可愛いです。

 

「ヒマ?」

 

「ヒマナッツも可愛いですよー」

 

「ヒッマ!」

 

 にぱっと笑うヒマナッツ。

 あまりの可愛さに吐血しそうになりましたよ。

 フリフリ揺れる頭の葉っぱがまた愛らしいです。

 ヒマナッツにデレデレしていると通路の出口に着きました。

 外は草原が広がり、岩場や水辺、森があるのも見えます。

 

「では、皆んなにも出て来て貰いましょう」

 

「ヒマ」

 

 取り出したモンスターボールからサーナイト、ガーディ、ルクシオ、ライチュウを出しました。

 ラプラスは陸地なので此処では出せません。

 

「ライ」

 

 モンスターボールから出て来て直ぐにライチュウは俺の肩まで登りキョロキョロと辺りを見渡しています。

 ガーディとルクシオは初めての場所にテンションが上がったようで駆け出そうとしますが、それをチラッと見たサーナイトの視線に気付くとピタリと止まり俺の背後に来て御座り。

 君達も大変なんですね、分かります。

 

「じゃあ、行きましょうか。どんどん仲良くなって、じゃんじゃんゲットです」

 

「ヒマ!」

 

 皆んなで一緒にサファリゾーンを歩きます。

 最初に会うのはどんなポケモンですかねー。

 

「ガゥガゥ!」

 

 今度はサーナイトを気にせずガーディが駆け出します。

 

「ガゥ!」

 

「ブモ?」

 

 ガーディが駆け出した先の茂みに居たのはケンタロス。

 頭部から生えた灰色の二本角と三本の尻尾、モフモフの鬣が特徴です。

 

「こんにちは、ケンタロス」

 

「ブモォ」

 

「触ってもいいですかね?」

 

「ブモォー」

 

 許可を貰ってケンタロスの胴部を撫でます。

 がっちりした筋肉とふさふさモフモフの鬣を堪能しました。

 好戦的と言われているケンタロスですが接してみると以外と人懐っこいです。

 早速ポケモンと触れ合えましたしサファリゾーンに来て正解でしたねー。

 

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