ポケモン世界に転生したので好き勝手に生きてみる   作:にわか党

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「是非、君のロボットの構造を我々に見せてはくれまいか! この通りだ!」

 

「「「「「お願いします!」」」」」

 

 俺達は現在、多数の科学者の方々に土下座されていた。

 ロボットを隠すならロボットの中とか考えていた俺は甘かった。

 ガンタのチート性能はそんな簡単には隠れず、見る者が見れば分かってしまうらしい。

 それにしても、実際に土下座されると引くわー。

 もう、ドン引きですわ。

 

「ガンタ、任せた」

 

『了解シマシタ』

 

 めんとくさいからガンタに丸投げ。

 土下座している人達を無理矢理立たせると、何やら交渉に入ったようだ。

 数分の交渉の後、ガンタと土下座ズがメモリーチップらしき物とカードを交換し、万事解決した。

 メモリーチップの中身を確認した土下座ズは盛大に感謝を述べて去って行く。

 

「何か交換してたみたいだけど?」

 

『私ガ渡シタ、ノハ、私ノ構造ニ関ワル、データ、デス』

 

「渡して良かったんだ?」

 

『アンナ物ハ、私ノ、ホンノ表面ニ、過ギマセン。渡シタトコロデ、ドウト言ウ事モ、アリマセン。ソレカラ、コチラヲ、ドウゾ』

 

 渡されたのは俺の持っているクレジットカードに良く似たカード。

 

『先程、渡シタ、データ、ト、引キ変エニ、頂イタ、対価デス』

 

 つまり、たいしたことないデータを渡して、お金を貰ったと。

 

『儲カリマシタ』

 

 黒い。

 真っ黒ですよ、ガンタさん。

 

「でも、儲かったならいっか」

 

『ハイ、何ノ問題モ、アリマセン』

 

「ですよねー。さ、早く森に行かないと」

 

 野生のポケモンが俺を待ってる、はず。

 

「ヒマヒマ!」

 

 ヒマナッツも早く森に行きたいみたいだ。

 街を出て森へ入る。

 適当に歩きながら目を皿のようにして野生のポケモンを探し回る。

 探し物って探すと中々見つからない事ってよくあるんでよねー。

 ゲームだと確か物欲センサーとか言いましたね。

 

「ヒマヒマ!」

 

 おっと、ヒマナッツが見つけてくれた。

 木の枝にいるあれはケムッソだ。

 

「ガンタ、ポケモンフーズを」

 

『了解シマシタ』

 

 買った荷物をまたいつの間にか何処かに収納していたガンタが取り出した材料を開いた腹部に入れると静止する。

 

『ドウゾ』

 

 しばらくして再び開いた腹部から皿に載せられたポケモンフーズを渡された。

 ガンタは、きっと人間が作れるような構造をしていないんじゃないかと思う。

 

「ヒマー!」

 

 取り敢えず、ヒマナッツにケムッソを呼んでみてもらった。

 

「ケム? ケムケム」

 

 ヒマナッツの呼びかけに応じてくれたようで、木から降りて来てくれた。

 

「ケムッソさん、良ければこれをどうぞ」

 

 降りて来たケムッソになるべく優しく話しかけ、ポケモンフーズが載っている皿を差し出す。

 ケムッソは、差し出されたポケモンフーズの匂いを嗅いでいる。

 撫で回したいが、ここはぐっと堪えなければ。

 

「ケム! ケムケム!」

 

 すごい勢いで食べ出した。

 後ろに控えるガンタは、表情は読めないものの、当然だと考えていそうだ。

 

「ケッム」

 

「美味しかったですか?」

 

「ケムケム!」

 

「それは良かった。ちなみに、俺にゲットされると毎日これが食べられるんですがね、どうですか?」

 

「ケッム」

 

 プイっとされた……。

 やっぱりバトルじゃないと駄目なんですかね、これ。

 

「ヒマーヒマヒマ」

 

「ケムケム」

 

 ヒマナッツの説得も効果なし。

 さっさと木に登って見つけた時の枝で寝始めた。

 

「んー、失敗」

 

「ヒマヒマ」

 

 ケムッソ撫でておけば良かった。

 

「次、探しますか」

 

『シロー様、私ニハ、生体反応ヲ、キャッチ出来ル、レーダー、ガ、アリマス。ソレヲ使用シテノ捜索ヲ推奨シマス』

 

 はい、チート来ました。

 実に素晴らしい機能です。

 

「じゃあ、お願いしましょ」

 

『ハイ。コチラニ、ポケモン、ノ、反応ガ、アリマス』

 

 流石、仕事が早い。

 ガンタの案内に従って森を進んで行く。

 

『生体反応ガ、弱イ為、コノ、ポケモン、ハ、怪我、又ハ、病気ノ可能性ガ高イト思ワレマス』

 

「酷い感じ?」

 

『イエ、マダ生命活動ヲ停止スル程デハ、アリマセン』

 

 誰かが捕まえようとしてる所とかだったりして。

 

『見エマシタ』

 

「近くに人間はいる?」

 

『反応ガナイ為、イナイト思ワレマス』

 

 なら、バトルの途中という事はないか。

 そして、見えてきたのは、小さな白い身体に緑色の頭から赤い角のような物が生えているラルトスが倒れていた。

 

「傷だらけっすな」

 

 野生の縄張り争いとかでしょうかね。

 

『コノ辺リニ、ラルトス、ハ、生息シテイナイハズデス。恐ラク、トレーナー、ニ、捨テラレ、右モ左モ分カラズ、他ノ、ポケモン、ノ、縄張リニ入ッテ、攻撃ヲ受ケタト推測シマス』

 

 ガンタさん、名探偵過ぎる。

 真実はいつも一つなの?

 

「捨てるなら最初からゲットしなきゃいいのにねー。取り敢えず、ラルトスはポケモンセンターに連れてった方がいいかね、ガンタさん」

 

『ゲット、シテ、島ノ医療設備デ治療スル事モ、可能デス』

 

 あの島の名前はチー島とかがピッタリっすな。

 

「いやー、ポケセン行ってみたいんで、ラルトス連れて一度戻りましょーよ」

 

『了解シマシタ』

 

 ジョーイさんいるといいなー。

 

「ヒマヒマ…」

 

「大丈夫ですよ、ヒマナッツ。これくらいならポケモンセンターに行けば直ぐ元気になりますし」

 

 俺の神様知識がそう言っている。

 ヒマナッツを片手に、逆の手で倒れているラルトスをなるべく揺らさないように、そーっと抱き上げる。

 

「意識はないようですねー」

 

「ヒマヒマ」

 

「大事にはいたらないとはいえ、早く森を出ますか」

 

 それに、怪我の状態よりも栄養状態の方が宜しくないみたい。

 

『シロー様、私ニ御乗リ下サイ』

 

「乗る?」

 

 立ち止まり、後ろを振り返る。

 そこには背中に一人掛けソファーを装着したガンタがいた。

 だから、何処から出した。

 未来のネコ型ロボットか。

 

「では、発進」

 

『発進シマス』

 

 ソファーに座り、ヒマナッツとラルトスをしっかりと抱える。

 ガンタのキャタピラーが唸りを上げ、物凄いスピードで発進した。

 それでも全くこっちに反動がない辺り、もう訳が分からない。

 直ぐに森を抜け、街中の舗装された道になると更にスピードは増し、漏れなく道行く人達からの好奇の視線を頂く。

 嘘みたいだろ、きっとこのスピードでも全力じゃないんだぜ?

 でもさー、こんなスピード出してたらさー。

 

『そこの暴走ロボット! 今直ぐ止まりなさーい!』

 

 ですよねー。

 このスピードで街中走ってたら来ますわポリさん。

 お縄は勘弁なんで振り切っちゃって下さいよ。

 だが、恐る恐る拡声器の声に振り返ると、そこには白バイに乗った見知った顔が。

 

「ジュンサーさん、キタコレ」

 

「ヒマー?」

 

 急激に止まりたい衝動に駆られるが、ここは我慢しましょう。

 

「ガンタ、振り切っちゃって」

 

『了解シマシタ』

 

 更なるスピードアップをしたガンタに普通の白バイが勝てるはずもなく、差はドッと開く。

 

『コラー! 止まりなさいって言ってんでしょーがー!』

 

 出来れば後でもう一度お会いしたいものだ。

 ジュンサーさんを振り切ってしばらく、前方にポケモンセンターが見えてきた。

 

『到着シマシタ』

 

「お疲れ様ー」

 

 やって来ましたポケモンセンター。

 さっきのジュンサーさんで中に入る前から気持ちが高ぶっております私、はい。

 自動ドアを通り、入って直ぐの受け付けにその人はいた。

 

「ポケモンセンターへようこそ。ポケモンの回復ですか?」

 

「ジョーイさん、きました」

 

「はい?」

 

 高ぶり過ぎた。

 

「失礼しました。実はかくかくメブキジカでして」

 

「……ふざけています?」

 

 ジョーイさんのジト目頂きました。

 

「軽いジョークです。森を歩いていたら、この子が倒れていたので急いで連れて来たんです。治療をお願い出来ますか?」

 

「はい、確かに承りました」

 

 抱えていたラルトスをジョーイさんに預け、俺はロビーのテーブル席に着いた。

 治療はどのくらい掛かるのか分からないし、ゆっくり待ちますか。

 主にヒマナッツとイチャついて。

 

『シロー様、オ茶ナドハ、如何デスカ』

 

「頂きましょう」

 

『先程ノ森デ採取シタ、ハーブ、ヲ、使ッタ、ハーブティー、デ、宜シイデショウカ?』

 

 採取とか、何某狩りゲーみたいな事してんすか。

 

「宜しい宜しい」

 

 俺が了解すると、取り出したソーサラーに載せたティーカップに反対の手をティーポットの口の形に変形させ、そこからハーブティーが注がれる。

 もう何でもありだな?

 

『ドウゾ』

 

「どーも」

 

 広がるハーブの香りが落ち着きますな。

 

「ヒマー」

 

 ヒマナッツもハーブの香りが気に入ったと言っているようだ。

 和むー。

 

「やっと見つけたわよ!」

 

 和んでいた雰囲気を両断するかのような鋭い声に振り返ると、さっき俺達を白バイで追い掛けて来ていたジュンサーさんが息を切らせて立っていた。

 

「やあ、さっきはどうも。一緒にハーブティーでも如何です?」

 

 ティーカップ片手にハーブティーを啜る俺に相当イラついているジュンサーさん。

 別に煽ってる訳じゃないんすけどね。

 せっかく再会出来たんだから、ゆっくりお茶でもしたいと思うじゃないですかー。

 

「逮捕します!」

 

「まあまあ、そう焦らずに。取り敢えず、話を聞いて下さいよー」

 

 俺はここまで来た経緯を脚色を交えながら説明した。

 

「そうですか……傷付いたポケモンを治療するために止むを得ずという訳ですか」

 

「はい、そうなんですよー」

 

「事情は分かりました。しかし、今度やったら逮捕ですからね」

 

 ジュンサーさんになら幾らでも逮捕して頂きたい。

 色んな意味で。

 

「では、私は職務に戻りますので」

 

「その前に一緒にティータイムをーー」

 

「結構です」

 

 最後まで言い終わる前にスタスタと足早に去って行ってしまった。

 

「フラれてしまいましたねー」

 

「ヒマー」

 

 宛ら、ヒマナッツはドンマイと言っているような気がする。

 可愛い上になんて優しい子。

 

『シロー様、ラルトス、ノ、治療ガ完了シタ、ヨウデス』

 

 

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