どうやら世界は、マッ缶のように甘くは出来ていないらしい   作:さめのひと
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最近仕事に追われまくってSSの更新が出来なくなるレベルでヒマというか自分の時間が取れませんでした。さめのひとです。

しばらく忙しい日々が続きそうなので更新頻度がガタ落ちしますがご了承くださいませ。

では、久々に投稿させていただきます。


第9話

【第9話】

 

 国近先輩との対話で大恥をかいた(自爆したとも言う)俺は、そのあと枕に顔を埋めて足をバタ

バタさせるお仕事をこなしていたら、いつの間にか寝ていた。

 

 その翌日、無意識にいつも通りの時間に起き、いつも通りの時間にランニングへ出たことに

気づいた頃には既にいつも決めているランニングの距離の3割を消化してからだった。

 

 習慣とはつくづく怖いものである。

 

 そんな無意識に突き動かされた習慣を経て、愛しのマイシスター小町との朝食を食らう。

 俺にとって数少ない至福の時の一つだ。

 

 「お兄ちゃん」

 

 そう思っていると、ふと小町が声を掛けてきた。

 

 「どうした小町。ちなみに今日の小町はいつも通り可愛いぞ」

 「ありがとうお兄ちゃん。ちなみに今日のお兄ちゃんはいつも通り目が腐ってるね」

 

 …少し泣きたくなってきたのは内緒だ。

 朝っぱらから愛しのマイシスターに裏切られちまうなんて。

 

 「ってそうじゃなくて」

 「そうじゃなかったらどうしたんだよ」

 「お兄ちゃん、昨日は柚宇さんにちゃんとやさしくしてあげた?」

 

 そういや昨日国近先輩に優しくするようにって言われた気がするが俺は承諾した覚えがない

とか言うと小町のバックに阿修羅像が浮かぶので、適当に受け流すことにした。

 

 「俺の出来る範囲でな。ボッチだから優しさの与え方がいまいち分からんかったけど」

 「いつも小町に接してるように柚宇さんにも接してあげれば喜ぶんじゃないかな?」

 「バッカヤロウ小町。こんな目の腐ったやつが小町に対しての俺みたいに優しくしまくったら

通報されるまであるぞ。それがたとえ知り合いだったとしてもだ」

 

 そう言いながら俺は心の中で涙を流した。

 

 「というかさ、歌歩さんだっけ。そろそろ小町に紹介してくれてもいいんじゃないの?風間隊の

時の集合写真見せてもらったから顔は知ってるけど風間さんたちにもちゃんと小町から挨拶

したいし、小町も今以上にコミュニティを広げたいからそろそろ自由にさせてほしいんだけど」

 

 小町め、サラっと話題を切り替えてきたな。そして痛いところをついてくる。

 

 俺はとりあえずボーダー内で小町を他人と必要以上に関わらせないようにしていた。

 国近先輩やら玉狛の宇佐美やらと関わりがあるのはその最低限に含まれているからである。

 

 まぁ国近先輩に用があるときに太刀川隊室に行ったときに出水や唯我が小町のことを色目

使って(俺視点)眺める度に二人をどついてはいるけどな。

小町を視界に入れようとするなんてあいつらには1000年経っても早いだろう。

 

 太刀川さん?あの人は戦闘と餅以外に興味ないから別にどうでも良い。

 

 そんなわけで、小町のために隊を抜けたなんてことがボーダー内で広まると流石に風間さん

達の居住まいが悪くなりかねないためあまり広めたくないというのもある。

 

 俺の隊のオペレーターが小町であることを知ってるヤツはボーダー内ですら少数派だしな。

 

 …俺のシスコンっぷりはどう考えても直るものじゃないって朋也さんにも言われたしね。

 しかも朋也さんのSEによるとIFの世界でもシスコンは顕在だったようだしなぁ、仕方ない。

 

 そして三上と小町を会わせるとなんだかとてつもなくめんどくさい事になる予感がする。

 

 迅さんじゃないけど俺のSEがそう言っている。俺のSEそういうのとは関係ないけど。

 

 と言う訳で俺は全力でごまかすことにした。

 

 

 「まぁ待て小町。俺風間さんにしか比企谷隊の結成理由話してないからほら、あれだ」

 「前もそんな感じにグダグダ言い訳してはぐらかされたけど、小町がボーダーに入隊してそろ

そろ1年経つよ?柚宇さんや栞さん達以外のいろんな人と仲良くしたいよ!」

 

 食い気味で反論されてしまった。

 

 「いや待て小町。ボーダー内の男子と小町が仲良くなろうものならソイツをC級に落とし続けて

心をへし折ってボーダーやめさせなくちゃいけなくなるからほら」

 

 確かボーダーの規定じゃ1500ポイント以下まで叩き落してやればC級に落ちたはずだし

小町に色目を使う輩は排除せねばなるまい。兄としてのせめてもの責務だ。

 

 とは言っても、一部俺が勝てない人達もいるんですけどね。

 

 「このごみぃちゃんめ…色目のかわし方くらい心得てますよーだ」

 

 まぁ小町は妹贔屓を抜きにしても可愛いからそういう視線に晒される機会も多いのだろう。

 

 だが俺としては心のモヤモヤが晴れるわけでもなく

 

 「分かった分かった。とりあえずその男子共を俺の前へ連れて来い。引きずり倒すから。んで、

まず女子だけで構成された部隊紹介してやるからとりあえずはそれでいいだろ。確かに一年

経っても俺たちと太刀川隊と玉狛支部だけしかコミュニティがないんじゃコミュ障じゃない小町

にとっては息が詰まるだろうしな」

 

 とりあえず後で那須か熊谷に連絡取ってみるか。

 

 「那須隊って茜ちゃんがいるところだよね?確かに気になるけど、小町にボーダー内で自由は

ないの?もうオペレーターの仕事は覚えたし、それなりにデキるようになったからお兄ちゃんが

前言ってた”まずは仕事に集中しろ、色々するにしてもそれなりにデキるようになってからだ”は

もう達成済みだと思うんだけど。後その男子達はうまくかわしてるから大丈夫だよこのごみぃ

ちゃん。心配しなくても結構結構」

 

 うぐ…小町め、痛いところをついてきやがったな。というかごみぃちゃん言うな。

 

 というか小町日浦は知ってるのか。まぁそりゃ同じ学校だし当たり前か。

 

 「そうそう、日浦のいる那須隊なら女子ばかりだし小町のコミュニティを広げたいって希望も叶

えられるし小町の知り合いもいるから気まずくなることも無くて済むし一石三鳥じゃないか」

 「まぁ確かに。お兄ちゃんと小町の希望が合わさった完璧な選択肢だね!でもお兄ちゃんみ

たいに初めての人の前でキョドったりしないから結局は一石二鳥かなぁ」

 

 小町め、そこまでコケにされるとお兄ちゃん悲しいぞ。

 

 実の妹にここまで心配されるのもある意味心外ではあるが、普段の行いが行いなだけに仕方

ないと言ってしまえばそれまでなんだろうなぁ。

 

 「というか小町、そろそろ時間がアレだから出るぞ」

 「ん?おわ、本当だ!お兄ちゃん、後ろ乗せて乗せて!」

 「はいはい、言うと思ったよ…」

 

 俺は缶に残ってたマッ缶を煽り、そのまま外に出るのであった。

 

 

 

 

 

 

 そうして俺は小町を後ろに乗せながら自転車で小町の通っている学校まで小町を送迎してい

たのだが

 

 「お兄ちゃん」

 

 不意に声を掛けられた。

 

 「おー、どうした愛しのマイシスターよ」

 「ごみぃちゃん?」

 

 ごみぃちゃん言うな、と言おうとしたら脇腹を抓られてしまった。

 

 「小町、自転車の運転中にわき腹抓るな、痛い痛い痛い!」

 「ごみぃちゃんがヘンな事言うからだよ」

 

 愛するべき妹に愛を伝えて間違いだといわれる日が来ようとは…

 

 「まぁ何はともあれマジで危ないから抓るな小町」

 「だね。お兄ちゃんが一人なら兎も角小町を乗せてる状況で事故とか洒落にならないしお兄

ちゃん一人でも事故なんてないほうがいいんだから”安・全・運・転”でお願いね」

 

 俺一人なら兎も角とは何だ小町。

 

 それはさておいたとしても、安全運転を念おされてるのには理由がちゃんとある。

 

 俺は、高校の入学式の日に交通事故にあった経験があるからである。

 

 確か犬かなんだかを助けようとして身体が勝手に動いちまったんだよなぁ。

 

 入院中にお見舞いに来てくれた小町に「もっと自分を大切にしてよごみぃちゃん!」と怒られて

しまったのは仕方ないだろうが。

 

 それ以来俺は、小町を後ろに乗せていなくてもできる限り安全運転を心がけている。

 

 まぁ小町を後ろに乗せてるときは何が何でも安全運転ですけどね!

 

 …これはシスコンと言われてもしょうがない気がする。

 

 そんなことを考えながら自転車を漕いでいると

 

 「お兄ちゃん、ここまででいいよ」

 「どうしたこま、ああ日浦と一緒に行くのか」

 

 言いかけて俺は、小町の視線の先に日浦の姿を確認したので色々と納得した。

 

 ボッチではない小町にとっては学校生活における友人との交流も大事だろうしな。

 

 「そゆこと。と言う訳でお兄ちゃん、ありがとね」

 「おう」

 

 俺はそっけなく返してしまう。

 

 …こういうところが小町を可愛いと思えるところなんだよなぁ。

 

 普段なんだかんだ俺を詰ったり抓ったりしながらもきちんと礼を言うべき所で言い、謝る所は

素直に謝る。

 

 妹補正抜きにしてもこれはしっかりものの可愛い妹と評価を下さざるを得ないだろう。

 

 そして自転車から降りた小町が鞄を俺の自転車の籠に入れっぱなしにしてたことに気づいて

こちらに引き返してきたのはおよそ30秒後の話であった。




短めですが本日はここまで。

仕事が本格的に忙しくなってきてますので更新頻度がガタ落ちですが、失踪だけはしないようにがんばってまいりますのでヨロシクお願いします!

(更新頻度ですが、月2回以下になりそうです…)







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