どうやら世界は、マッ缶のように甘くは出来ていないらしい   作:さめのひと
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ちょっと短めですが、投稿させていただきます。

若干原作改変入ってます。作文の部分です(授業の課題→始業式に出された課題)


第4話

【第4話】

 

 その後、比企谷隊で集まって話し合った結果、俺とゆきちゃんで勉強を教えつつ小町の

スケジュールを優先して隊としての活動を行っていくことを決定した。

 

 朋也さんに関しては知らん。まぁちゃんと進路を決めればそれなりには対応はするが。

 

 というか、朋也さんにも小町に勉強を教えてもらおうとしたが「いや宮沢のほうが頭いいだろ」

という先輩としてちょっとどうなんだと思う一言によりお流れとなった。

 

 というかゆきちゃん文系理系関係なく勉強できるよな。あれ、俺いらなくね?

 

 まぁ我が妹のことなのだから、文系はできる限り俺が面倒見て俺の対処不能な数学はゆきちゃん

任せということになるだろう。

 

 「そういえば小町」

 「ん?なになに」

 「お前志望校どこにするつもりなんだ?」

 「ん~…とりあえず総武かな。やっぱり有紀寧さんやお兄ちゃんと同じ学校だと安心できるし。

あ、今の小町的にポイント高い!」

 

 前から思ってたんだがそのポイント結局何なんだよ、なんに使えるんだよ…

たぶん80,000ポイントでカンストなんだろうけどな、八幡だけに。

 

 「まぁ俺だけじゃなくてゆきちゃんもいるから確かに安心っちゃ安心だろうが、俺達と小町は

一緒になるの1年間だけだし、他の選択肢も一応考えておいたほうがいいと思うぞ」

 「そうですね。確かに小町ちゃんが後輩というのは魅力的ですけど、大学受験ほどじゃないに

しても高校受験だって将来に関わってきますから。まだ時間はあるんですし、ゆっくり考えても

いい時期だと思いますよ。」

 「比企谷と宮沢の言うとおりだとは思うが、俺と違って本人の希望がしっかりあるんだし

別の選択肢ってやつはそれはそれで考えつつ総武受けるつもりって体でいいんじゃねぇの?

別に総武はアホ校じゃねぇんだし目指すレベルとしてはまぁ妥当な所だろ」

 

 ふむ、確かに朋也さんの言うことにも一理ある。ってか朋也さん、自分を棚上げにするなよ。

 

 「まぁ、本格的に決めて対策するのは夏休み以降でも構わないだろ。それまでは総合的な

学力の向上を意識して勉強するってことを第一に考えていこう。いいな、小町?」

 「了解であります、お兄ちゃん」

 

 とかいいながら敬礼してコッチを見てくる妹。あれ、かわいい。写真取りたいなチクショウ。

 

「有紀寧さんもよろしくお願いしますね!」

 「こちらこそですよ、小町ちゃん。」

 

 なにこれ、この空間。天使と美少女がお互いに微笑みあってる。マジで癒されるなこれは。

 

 「んじゃ、俺は適当にがんばるわ。小町の邪魔はあんましたくないしな」

 

 と、朋也さんも笑顔で答える。ってかやっぱこの人イケメンだな。顔立ちめっちゃ整ってる。

 具体的にどれくらいイケメンかというと、これで彼女いないとかギャグにもほどがあるレベル。

 

 絶対朋也さんモテるだろうに、なんで彼女作んないかなぁ…

 

 

 そんなこんなで、比企谷隊の方針はポンポンと決まってしまったため、防衛任務までの時間を

小町の勉強タイムへ費やすことに決定した。

 

 尚、隊長命令(笑)として朋也さんにも勉強するように言ってみると

 

 「まぁ、3人が勉強してる時にほかの事やって集中力途切れちゃダメだろうし」

 

 と言って素直に勉強を始めたのである。意外にすんなり聞いてくれたとか思ってませんよ?

 ハチマン、ウソ、ツカナイ。

 

 

 

 

 時間にして2時間半程度経った。とりあえず文系科目はある程度教え終えて今から

理系科目をゆきちゃんが小町に教えることになっているので、俺は今日帰りのHRで出された

作文の課題を片付けることにした。

 

 「”高校生活を振り返って” ねぇ…」

 

 課題のタイトルを反芻して、とりあえず書いてみる。

 

 ”高校生活を振り返って

 

  2年F組 比企谷 八幡

 

  私の高校生活を振り返ってみましたが、記述するべき出来事がありませんでした。”

 

 あれ、一文で終わっちゃった。何だろう、素早く課題を片付けられたことを喜ぶべきはずなのに

ちっとも達成感が沸かない。それどころか虚無感が沸いてきたまである。

 

 まぁでも、実際サイドエフェクト全開で高校生活を送っている俺からすれば学校なんて勉強の

場でしかなく、それ以上を何も求めてないのでこうなってしまうのは当たり前だろう。

 

 そもそも俺は学校という集団に期待を一切していない。

 

 声がデカいヤツやトップカーストの言うことが全てで、カースト最下層の意見が正しい事を

言っていたとしても全部無視して自分達の悪手を優先する、その空間。

 

 そんなものにカースト最下層の俺が期待なんてするはずもない。

 

 その辺のことをこの課題に書いたとしたら犯行声明と間違われかねないので俺は短いと

思いながらもこの文章で課題を終わらせることにした。

 

 「お兄ちゃん?なんかいつにも増して目が腐ってるけどどうしたの?」

 

 愛しのマイシスターが怪訝な顔をして俺を見ながらそう聞いてきた。

 

 「いや、今日HRで作文の課題が出たから、その文章を考えてただけだぞ」

 

 そう答えると、ほほう… と言いながら小町は俺の書いた作文を手に取る。

 

 そして、口を開いた。

 

 「短っ!?」

 

 …いや、まぁ。そらそうだよな。一文だけだし。

 

 「えっと、比企谷君。今日出た課題って確か”高校生活を振り返って”ってやつですか?」

 「ああそうそうそれそれ。ゆきちゃんのクラスでもその課題出たのか?」

 「はい。…というか、そんなに短いんですか?」

 

 説明するのも面倒なので、小町からレポート用紙を返してもらい、ゆきちゃんに渡す。

 

 「…簡潔な一文ですねっ」

 

 滅茶苦茶苦笑いされながらそう返してきた。そこしか褒めるところ無いのか?無いよなそりゃ…

 

 「宮沢、俺にも読ませてくれ」

 

 と朋也さんも俺の作文を見てみたいらしく、そう言うとゆきちゃんは俺の書いた渾身の一文が

書いてあるレポート用紙を朋也さんに渡した。

 

 「えっと、比企谷…これ、本当に提出するのか?」

 「ええ、そのつもりですよ。たぶん俺がリミッター外して全力で書いたら犯行声明と

間違われかねないので。」

 

 そういうと、朋也さんは頭に手を当てながら呆れた顔をしていた。

 

 「まぁ、比企谷ならそうなんだろうけどよ…なんかこう、でっちあげたりすりゃいいじゃん」

 「確かにそうなんですけどね。でもなんかダルいなって思っちゃったので」

 「そういう作文系の課題って確かにダルいから気持ちは分からんでもないが…」

 「よし、じゃあこうしましょう。春原さんに同じお題で書いてもらって、まともなのが出来たら

俺も適当にでっちあげることにします。もしまともなのができなかったら岡崎さんに 「降参」

 

 返事早っ!ってか春原さんがマジで不憫だな…アホだから仕方ないけど。

 

 というか、俺にとっての生活の基盤もコミュニティの基盤もボーダーだ。

 

 学校は勉強だけでいい。

 

 その一文に、それだけの強い意志は込めたことにしておこう。伝わらないとは思うが。

 

 そんなことを考えていると

 

 「ってか比企谷、お前も高校生活楽しめばいいじゃん。春原みたいに」

 「俺が春原さんみたいな立ち振る舞いしたら総スカンくらいますよ」

 「…お前は言ってて悲しくならないのかよ」

 「今更ですね。というか、俺にとってのコミュニティの基盤はボーダーなんで。」

 「まぁ、ココは実力主義社会だからなぁ。お前の性には合ってるんだろうが。」

 

 そう、ボーダーはそこがいいのだ。

 別に声がデカいだとかトップカーストだとか…まぁそういうのもゼロとは言わんが、それ以上に

ボーダー内部の社会は実力が重視される。

 

 強いやつが正しいジャイ○ン方式ではあるが、戦闘の結果で金が発生する以上当然とも

言える訳だ。だが、弱いヤツの意見を聞かないわけじゃない柔軟さもある。

 

 それに、ボーダーは他人の成長を阻害しようとする輩が極端に少ないのだ。

 

 周りの人間が強くなれば、単純に生存率が上がるというのもあるが、他人を蹴落としてまで

自分の地位を守ろうとするヤツはまず”上”に上がれないからなんだろうな。

ま、中には唯我みたいな例外もいるにはいるが…

 

 それでいて、強くなろうとしてるヤツには自然に手を貸してやれるようなこの環境。

 

 俺は、そんなボーダーの雰囲気が好きなんだ。

 

 皆がぶつかり合って、各々が伸び伸びとやってるこの空気が。

 

 まぁ、こういう空気もネイバーとかトリオン兵という”共通の敵”あってのものだろうが、

別に誰かを蹴落として団結したりしてる欺瞞って訳でもない。

 

 なんだかんだ言ってボーダーは”俺の望んだ本物”がある。

 

 この比企谷隊だってそうだし、出水や太刀川さんとかとバチバチやりあって築いてきた信頼

だって本物だって言い切っていいだろう。

 

 そうやってここにある本物。俺の求めていたものがここにあるのだから。

 

 今の俺にとっては、ボーダーはかけがえの無いものになっていた。

 

 「まぁ、だからって言って学校が勉強ばかりってのも寂し…くないかお前の場合。

ボッチに慣れてるわけだし」

 

 理解が早くて助かります、朋也さん。

 

 「まぁ、誰かに迷惑掛けてるわけじゃないですし、比企谷くんの好きなようにすればいいと

思いますよ、私は。やったことがないならまだしも、昔に辛い思いをしてるところにわざわざ

自分から飛び込まなくてもいいと思います。」

 

 「小町的にはもうちょっと視野を広げて欲しいと思うけど、まぁごみぃちゃんだしねぇ…」

 

 ゆきちゃん流石。小町、ごみいちゃん呼ばわりはやめてくれ。

 

 …こうして軽く談笑しながら、防衛任務の時間まで勉強会は続いたのだった。




有紀寧の性格、若干変わっちゃってますが、これは生い立ちの変化に伴う変更です。

基本的にCLANNAD原作の有紀寧は相手と接さずに拒絶することを悲しいこと、という風に捉えている節がありますが、生い立ちが変わってしまった影響でトラウマがあるところには触れられなくても仕方ない、といった解釈をするようになってます。

キャラを維持したまま書き続けるのは難しいですが、がんばって行きたいと思います。







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