どうやら世界は、マッ缶のように甘くは出来ていないらしい   作:さめのひと
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気づいたらUAが4800件行ってて驚いてるさめのひとです。皆様おはこんにちばんわ

第5話に入って初めて戦闘描写を書いて見ましたが、難しいですね…

もっと上手く書けるように精進したいと思います。



第二章~物語への干渉~
第5話


【第5話】

 

 

 翌日。

 

 今は放課後、ここは生徒指導室。

 

 そんな場所に俺は、独身アラサー街道まっしぐらな国語教師の、平塚先生に呼び出されていた。

 

 理由は簡単。始業式のときに出された課題についてである。

 

 やはり一文だけの文章ではまずかったらしい。当たり前か。

 

 「なぁ、比企谷」

 

 平塚先生が煙草の煙を口から吐き出しながら言葉を紡いだ。

 

 「私が出した課題はなんだったかな?」

 「俺の記憶が正しければ”高校生活を振り返って”という課題です。」

 「そうだ、それで間違いない。ではいったい、この文章はなんだ?」

 

 と言って俺の書き上げたレポート用紙を手に取った。

 

 「一応理由くらいは聞いてやろう。」

 「いや、俺の高校での生活を振り返った結果を完結に書いたまでですが。」

 

 俺は尋ねられたことに対して素直に答えた。

 

 「小僧、屁理屈捏ねるんじゃない」

 「そうですねぇ、先生の(よわい)からすれば、俺なんてまだまだ小僧でしょうから」

 

 ”でしょ”って言ったくらいのときに俺の右横に風が舞った。

 右を見てみると、平塚先生の腕がそこにあった。

 

 …ノーモーションのクセに早いなおい。ノーモーションのクセにC級のトリオン体くらいには

速いぞ、この人の拳。きちんと振りかぶればB級中位くらいの速度は出てもおかしくない。

 

 まぁ当てる気がないのは見てて分かったのだが。

 

 レイジさんや風間さんと共に生身も鍛えてきた俺は、そういった武術にもある程度

精通はしているため、こういうこと(暴力沙汰)に対する対応もある程度出来る。

 

 レイジさんってのはボーダーの大先輩だ。今は玉狛支部って所に所属しているはず。

 そのレイジさん曰く「トリオン体での動きのベースは生身での動きだ。だから生身の鍛錬も

怠ってはならない」ということらしい。

 

 そのおかげで今の拳、見えるには見えたが…

 本当にこの先生、生身か?トリオン体って言われたほうがまだ現実味あるんだが。

 

 「…よく体を反らさなかったな。だが、次は当てるぞ」

 「当てる気がないのは見てて分かりましたので。当てる気で来たなら反撃させてもらいます」

 

 力を振るうなら振るわれる覚悟はするべきである。

 力を振るう上で、人として必ず心構えをしなければならないことだ、と俺は思っている。

 

 「…まぁいい。ところで比企谷、君は友達とかいるのか?」

 「バイト先には割りと。」

 

 バイト先をボーダーと言い換えれば嘘ではない。ゆきちゃんや朋也さん、出水やその他諸々

”本物”と呼んで差し支えの無い仲の人間は割りと多い。

 

 「君は、バイトしてたのか…」

 「まぁ、生活苦しいっすから。」

 

 最近はそんなに苦しくないが…

 

 「それじゃぁ、彼女はいるのか?」

 「先生は彼氏い

 

 最後までいえなかった。拳飛んできちゃったよ。まぁそのまま掴んで関節技を掛けるだけだが。

 

 「い、痛いぞ比企谷!」

 

 ギブ、ギブと聞こえたので手を離す。

 

 「俺さっき言いましたよね、当てる気で来るなら反撃するって」

 「今のは比企谷が悪いだろ!」

 

 女性に向かって彼氏云々…と言い出したので、とりあえず黙って聞くことにする。

 今日は防衛任務もないし、ちょっとくらい愚痴で長引いてもそこまで問題じゃない。

 

 「…まぁいい。君のふざけた文章と、心無い一言が私の心を傷つけたという

事実をもとに、君に奉仕活動を命令する」

 

 ひとしきり愚痴を言い切った後、そう告げられた。うっそだろおい。

 でもまぁ今日一日校内清掃でもやって文章提出がチャラになるならそれでもいいかな、

と平気で思うあたり俺もつくづく腐ってるよなぁ…

 

 「奉仕活動っすか。とはいっても、何するんですか?」

 「いいから、ついてきたまえ」

 

 その一言を締めと言わんばかりに平塚先生は生徒指導室のドアを開け放ち、そのまま進ん

でいく。まぁ、ふざけた文章書いたの俺だしな、と思いその後をおとなしく付いていくのだった。

 

 

 

 「着いたぞ」

 

 なんだかんだ歩いて、特別棟まで来てしまった。

 立ち止まったのは、プレートに何も書いていない教室。

 ここで奉仕活動っていっても、何をするんだ?掃除か?別に苦手じゃないから構わないが。

 

 「雪ノ下、入るぞ」

 

 と言ってドアを開け放つ。

 

 「平塚先生、入るときにはノックを、と言っていたはずですが…?」

 

 俺はとりあえず先生についていき「失礼しま~す」といいながら中に入る。

 

 教室の中に不自然な点は見当たらない。ダンボールとかが積み上げられているところを見ると

物置として使われていた部屋をそのまま使っているようだった。

 

 

 

 声が聞こえた時点で分かってはいたが、中には一人の女子生徒がいた。

 

 凛とした佇まいで傾いた陽の中、その女子生徒は本を手に取っていた。

 

 えらく絵になっているなぁ、と俺は柄にも無いことを思っていた。

 

 それもそのはず、その女子生徒は割りと整った顔立ちをしていて、美人揃いのボーダーの

女子隊員の中にそのまま放り込んでも見劣りしないレベルだったからだ。

 

 「ノックをしても、返事があった試しがなかったじゃないか」

 「それは先生がドアを開けるのが速すぎるだけでは?」

 

 そして、その女子生徒の瞳が、俺を捉える。

 

 「それで、そこのぬぼーっとした人は?」

 「彼は比企谷という。入部希望者だ」

 

 とりあえず紹介されたので自己紹介しておく。

 

 「ども、2-Fの比企谷です。ってか入部希望って何ですかそれ」

 

 え、何?部活がペナルティなの?無理無理。俺ボーダーの活動もあるのに。

 

 「君へのペナルティ、奉仕活動だよ。君には、この部活に入って奉仕活動をしてもらう。

異論反論その他諸々は一切認めない。」

 

 俺の人権はどこへいったんだ。

 

 「ってか無理ですよ。俺バイトもありますし」

 「君はバイトよりも学生としての本分を果たしたまえ」

 

 いや、最近は数学で赤点も取ってないし、学生としての本分である学業は十分に果たしてると

思うんですがどうなんでしょうか。

 

 「と、このように性根から腐りきっていて捻くれていてぬぼーっとしている彼だが、人付き合いを

学ばせれば少しはマシになるんじゃないかと思ってな。コイツの人格の改善を雪ノ下、私から

君へ依頼したいと思う」

 

 いや、俺人付き合い学んでるよ?ってか人付き合いできないとボーダーでやってけない

からほら、人付き合いを強要したところで先生の思ってるような変化は無いよ?

 

 「それは分かりましたが、そういうことなら先生が鉄拳制裁したほうが早いのでは?」

 「私としてはそうしたいのは山々なのだが、最近は鉄拳制裁が許される世の中でもないのでな」

 

 え?さっきの拳はなんだったの?

 …俺が彼氏いるんですかって聞いたから私怨で殴ってきたのか。教育的指導とは程遠いから

セーフなんだろうか?いやんな訳あるか。

 

 「その依頼、お断りさせていただきます。こんな腐っていて、下心に満ちた目をした男と

一緒にいるなんて身の危険しか感じませんから。」

 

 おい、初対面相手に好き放題言ってくれるな。

 

 …こんなクチの利き方をするやつに取り繕う必要なんざねぇ。

 そう思った俺は、言いたい放題言うことに決めた。

 

 「そういう台詞はテメェのナリを見てから言ってくれるかツルペタ。少々ツラがいいからって

初対面に対してなんつークチの利き方してんだよ」

 「っ!あなた、言いたい放題言ってくれるわね…」

 「それはお互い様だろ。いきなり理不尽に罵倒されたらそらこっちだって遠慮なんざ無くなる

っての。そんなことも分からないくらいお前頭悪いのか?」

 

 そういうと、女子生徒は俺を睨んでくる。おいおい、言い返せなくなったからって睨むなよ。

 人としての程度が知れちまうから、いやホント。

 

 俺は嘘や欺瞞を嫌ってはいるが、それでも流石に初対面の相手には取り繕うくらいのことは

する。ゆきちゃんが言った「やったことがない、わからないままで何も無く終わってしまうのは、

かなしいことです」という言葉と、朋也さんの「とりあえず合わせてみて、ダメならダメでご縁が

ありませんでした、でいいじゃねぇか」という二人の言葉のおかげではあるが。

 

 あと、ボーダー上層部と話をしたりするうちに、ある程度そういう世渡りスキルが必要ってのは

よーく、身に染みて分かってしまった。特に沢村さ、じゃなかった某Sさんとかと話すときは

きちんと礼節をもって取り繕わなければ迅さ、じゃなかった某Jさんのセクハラのツケを

食らうことになっちまうからな。

 

 だが、相手が最初からけんか腰、それも理不尽にこちらを罵倒してくる相手に取り繕ったりする

ほど俺は優しくも甘くもない。優しいのはバファリン、甘いのはマッ缶だけで十分だ。

 

 俺は嘘や欺瞞を嫌ってはいるが、それ以上に理不尽な出来事というのを嫌っている。

 だが、気づかないだけで俺が恨みを買うようなことをしているかもしれないので、一つだけ

このクソ生意気な女子生徒に聞いてみる。

 

 「なぁ、雪ノ下だっけか。お前、俺と初対面だよな?それか、俺が気づいてないだけでなんか

お前に恨みを買うようなことでもしたか?それすらないまま罵倒される謂れがないんだが」

 「貴方のその目を見ていれば貴方がとても腐っている人間なことくらいは分かるのだけれど。

それに、そんな腐った目をしているのだから心も腐ってるのでしょう?」

 

 …コイツ、本格的に頭イっちまってるのか?

 腐り目については否定しないし、関わりたくないならそれで構いはしないが、だからといって

理不尽に罵倒するのはなんか違うだろう。

 

 ってかたぶんだが、コイツと俺は根本的に合わない。だったら、俺も合わせる必要は無い。

 

 「平塚先生、初対面の人間相手にクソみたいな罵声を浴びせてくる人間と一分一秒でも

同じ空間に居たくないので、俺は失礼させていただきます」

 

 そう言ってそのまま踵を返し、ステルスヒッキーを全開にしてその場を立ち去った。

なんか平塚先生の声が後ろから聞こえてきたが、無視だ無視。

 

 その日の俺は、不愉快な気分を味わいながら帰路に付いたのだった。

 

 

 

 

 俺はその後帰宅した後、憂さ晴らしも兼ねてボーダー本部の個人戦ブースまで足を運んだ。

 

 俺と戦ってくれる人間がいれば、とりあえずボコボコにすることは既に決定していた。

 

 今日は誰かに頼まれても指導はやらん。

 

 この俺こと比企谷八幡は、オールラウンダーの頂点に立っている。

 

 そのおかげか俺と勝負したがる人間も、指導を求めてくる人間も割りと多い。

 

 だが、今日はあのクソアマのせいで気が立っているため、指導なんざできるコンディションじゃ

ないし、勝ち負け関係なしにとにかく暴れて憂さ晴らしがしたい。

 

 ちなみに、愛しのマイエンジェルこと小町には「ランク戦してくる」ときちんと告げてある。

 

 そんなこんなで個人戦ブースをフラフラしていると

 

 「お、ハッチじゃん。防衛任務でもないのにここにいるのは珍しいな」

 

 と、米屋が声を掛けてきた。

 

 米屋は、A級11位の三輪隊に所属しているアタッカーである。

 

 弧月という本来は日本刀のような武器を槍状に改造して使用している珍しい、というか

ほぼオンリーワンの人間ではあるが、その実力は個人戦ポイント8000台を記録しており

マスタークラスの腕前を誇る数少ない人間の一人である。

 

 ちなみに、同い年でバカだったりする。春原さんとどっちがバカなのだろうか?

 つまりはただの槍バカだったりする。要するにバカ。

 

 「ホントだ、ハッチが休みなのにブースにいるじゃん。珍しい」

 

 お次に弾バカこと出水が声を掛けてくる。

 

 出水はA級1位の太刀川隊に所属してるシューターで、個人戦でのシューターとしての

強さは俺に次ぐ強さを誇っている。

 そして、俺とコイツを含めても数少ない”バイパー”という弾道を自由に設定できる武器で

リアルタイムに弾道を設定できる数少ない人間の一人である。

 俺の隊のシューターの朋也さんもできるにはできるらしいが、常にできるわけじゃない

とのことである。

 

 ちなみにコイツも同い年だが、米屋ほどバカじゃない。ってか俺にわかり易く数学を教えて

くれてる時点でバカとは程遠い。だけど弾バカである。

 

 「二人とも珍しいって連呼すな。ちょっと今日学校で嫌な目に遭ったからストレス発散がてら

バトってくれる人探してたんだわ」

 「お、ちょうど俺らも今からバトるかって話をしてたんだ。俺と10本やった後に弾バカと10本

やれば割といい感じなんじゃないのか?」

 「だな、槍バカの言うとおりだ。今日こそハッチに勝ち越してやるからな!」

 

 お、これはいい二人が釣れた。

 

 米屋も出水も格下と言われれば格下にはあたるが、別に必勝できるほど差があるわけでも

ないからイジメにもならないし、お互いの修行プラス憂さ晴らしと思えばちょうどいいだろう。

 

 それで二人はランク戦バカでもあるから、憂さ晴らしに使ったところで文句も言ってこないし

二人も俺の動きを見てレベルアップできるくらいの実力はあるわけだからお互いに実りがあるし

さらに言えば、俺も二人の動き、それも特に出水の動きや弾道設定なんかを見て学べる所は

それこそ大量にあるからな。俺自身のレベルアップにも役に立つこの戦い、俺が思うに、まさしく

win-winである。

 

 それに、こいつらとやり合うのは普通に楽しいしな。

 

 「よっしゃ。じゃあ俺は142番に入るから適当に申請してきてくれ。ステージはお前らが決めて

くれて構わん。」

 

 そういって、俺は個人戦ブースに入った。

 

 ちなみに個人戦ブースは、先程俺が言ったような○番ブース、というようなのがあり

その部屋番号に対して対戦申請を送ったり送られたりした後に仮想戦闘フィールドの中で

お互いにバチバチと凌ぎを削るのだ。

 

 ちなみにこのブース、ある程度変則的なものにも対応が可能で、1vs3だったりやろうと思えば

ランク戦、つまりは部隊戦闘の模擬戦まで可能なのである。

 

 そんなことを思い出しながらボーッとしていると、”No.153:射手 15820pt”と申請が来ていた。

 まぁこのポイントの量のシューターと言えば出水だろう。申請を許諾し、個人戦がスタートする。

 

 

 『10本勝負 比企谷 vs 出水 ステージ:市街地A ランク戦 開始』

 

 そんな合成音声と共に、市街地Aという名の仮想戦闘フィールドへ転送される。

 

 転送と同時に俺は即座にバックワームを起動した。

 

 これにプラスして俺のサイドエフェクトを全開にして策敵するのが俺の基本スタイルだ。

 

 俺はグラスホッパーを使いながら高速移動しつつ出水の姿を探す。

 

 「先に見つかりゃ射撃戦か…」

 

 シューターとしての出水のセンスはすさまじいものがあるため、どちらかといえば”此方の射程(近接戦闘)

に持ち込んで勝負したいところだ。

 

 そう思いながら索敵していると、辺りを慎重に捜索している出水の姿が見えた。

 

 「これは、勝ったな」

 

 そう思い、俺はグラスホッパーを使いまくり、サクっと50mほど上昇した。

 

 そう、出水は”辺り”を慎重に捜索しているのであって、上に視界が向いていない状態だった。

 

 流石に1vs1では一度捕らえられてしまうと逃げ切らない限り俺のサイドエフェクトも

意味を成さない。何故なら、集中して捕らえられると認識が阻害されなくなるからだ。

 

 というわけで、上からズドン、が正解だと思い、グラスホッパーの起動を解除、スコーピオンを

起動する。

 自由落下中であっても、スコーピオンで擬似的な羽を作ってある程度動きをコントロールする

ことが可能だ。

 

 そして高度が20mぐらいを切ったとき、バックワームを解除してグラスホッパーを起動。

 そのまま加速し、出水を仕留めに掛かる。

 

 「そら、逝け!」

 『活動体限界 緊急脱出』

 

 その一言と共に出水を貫き、緊急脱出させた。

 

 これで1:0である。やべぇ、俺のサイドエフェクト強いなおい。

 

 とはいっても、バックワームを解除したときにレーダーに感があったのだろうか、

 こちらを見ることは出来ていたので次からこの戦法が通じるかどうかは分からない。

 

 それに、腐っても俺の一つ下の順位だ。一度見せた戦術が何度も通用するとは思えない。

 

 そう思うと、俺は仮想戦闘空間から転送され、ランク戦ブースへ転送されていた。

 

 『ハッチずりぃ!なんで空飛んでるんだよ!!』

 

 ブースへ転送されると、出水からブーブー文句たれた通信が入ってきた。

 

 「グラスホッパーを使いまくった」

 『これ以上に無い簡潔な答えだなおい!?』

 「まぁ、お前見つけた時に上見てないのに気づいてな。咄嗟の判断で上からズドン、だったわ」

 

 ある程度お互いに手の内が分かってるため、俺は臆することなく出水に解説してやる。

 

 出水が強くなれば俺もランク戦が面白くなるし、こういう自己鍛錬のやり合いは教えあってこそ

と俺は思っているため何ら問題ない。

 

 「けど、お前も俺のこと最後はちゃんと見れてたし、次は通じねぇだろ。気を引き締めなきゃ

ならんだろうな」

 

 そんな風にダベってると、二本目が開始された。

 

 ステージはフルフラットフィールド。出水め、俺のサイドエフェクトを嫌いやがったか。

 

 俺のサイドエフェクトは、あくまでも認識を阻害する程度の能力でしかないため、1vs1で

障害物も無い状態だと、ちょっと見つけづらい影の薄い人状態なのである。

 

 そして、A級の中でも指折りのシューターの出水ともなると一度捕らえた敵を他に気を取られも

しない状況で見失うほどヤワなヤツじゃない。

 

 とりあえず先手必勝。そう思い俺はグラスホッパーを使い、出水の元へ駆けることにした。

 

 出水も此方に気づいたようで、バイパーを此方に放ってくるが、俺は致命傷になりそうな弾丸を

全てスコーピオンで叩き落す。流石に弾バカ相手に全部の弾丸は叩き落せないからな。

 

 そして出水の懐に潜り込むと同時に、大量のグラスホッパーを展開する。

 

 大量のグラスホッパーを展開したら…あとは分かるな?

 

 そのグラスホッパーを踏みながらスコーピオンで出水の手足を削っていく。

 

 所謂”ピンボール”と呼ばれる戦法だ。

 

 これうまく使えれば太刀川さんを落とせることもあるから結構強力だよな、とか考えてると

 

 「ハッチのピンボールうぜぇわ。」

 

 と言い放ち、メテオラを放ってきた。

 

 俺はグラスホッパーを使い、即座にメテオラの範囲外まで逃げる。

 

 その後、下がって一安心している出水を見かけたので

 

 「バイパー」

 

 俺の最大発数である48発もの弾をトリオン器官とドタマに向けて全方位から撃ってみた。

 

 『活動体限界 緊急脱出』

 

 目くらましのメテオラまではよかったが、その後下がって安心したのは完全なる慢心だったな。

 

 というわけで、2:0で、俺のリードだ。

 

 

 

 

 

 ランク戦の結果は、8:2で俺が勝った。二本取られたのは痛かったが、まぁ負けなかっただけ

全然許容できるな。因みに敗因は、出水に先に見つかってしまい、あいつの距離でまともに

撃ち合ってしまったからである。まぁ似たような状況でも3本は俺が取ったんだけどね?

 

 その後に米屋とバトった結果は、こちらも8:2で俺が勝った。

 まぁスコーピオンで米屋の攻撃そらしながらバイパーを頭に当てるとかいうアクロバティックな

こともしたし、ある意味当然の結果と言える。

 因みに敗因は、俺のスコーピオンを米屋の弧月に割られ、そのままズブリと刺されたのが1回と

もぐら爪で拘束されてから滅多刺しにされたのが1回の計2回である。

 あれは完全に俺が油断してた…

 

 いつもはこの二人を相手にすると大体7:3くらいの成績なのだが、今日は俺が苛立ちを覚え

てた所為かいつもより成績がいいな。何故かは知らんが、えらい集中力が上がってた気がする。

 

 そんなことを思いながらブースから外に出ると、出水と米屋が話しかけてきた。

 

 「ってかさハッチ。学校で嫌な目に遭ったって言ってたけどどうしたんだよ」

 「出水の言うとおりだぜハッチ。嫌な目に遭う前にハッチのサイドエフェクトで逃げれる

だろうし、いつもはそうしてるって聞いてたからな」

 

 あぁ、やっぱ気になるよなそれ。逆の立場でも気になると思うし。

 なんだかんだ気に掛けてくれる二人は、やっぱ”本物”の友人だ、と俺は心から思う。

 とりあえず、今日あった事を二人には説明しておいた。

 

 「…事の発端はハッチにあるとはいえ、その女生徒マジで腹立つな」

 「出水に同じく。ってかハッチ、よくトリガーオンで首叩き斬らなかったな」

 「あんなクソアマのために隊務規定違反食らうのも減給されるのももったいねぇよ」

 「「確かに」」

 

 米屋と出水の声がハモった。まぁでも実際その通りだしなぁ。

 ってか、俺の中で理不尽を許しているのは太刀川さんと二宮さんだけだ。

 

 あの二人は実力が半端じゃないから何もせずに叩き潰されるレベルの理不尽であっても

実力差として許容するしかないまである。

 …その理屈でいくと忍田本部長と林道支部長もそうなるか。あと迅さんも。

 

 そんなことを考えながら、ふとスマホを取り出して時計を見てみると20:30だった。

 少し遅くなりすぎたかもしれん。

 小町からもLINEで「いつかえってくるの~(ι´・ω・`;)」と来てる。

 

 「わり、二人とも。この後用事入ったからそろそろ帰るわ。今日はサンキュ。」

 「おう」

 「またバトろうぜ、ハッチ」

 

 じゃぁな、とだけ言い、俺はボーダー本部からの帰路へ付いた。




さて、今回から俺ガイル原作へと入っていきます。

今後の展開は色々考えていますが、ちょっとまとまっていなかったりします。

出来るだけ皆様に呼んで楽しんでいただける作品にしたいな、と思っていますのでよろしくお願いします!







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