コードギアスlostcolors 黄金の華   作:オムロン

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今回はモニカ編とカレン編が全く別物になる所になります。


新たな王の目覚め

ライを含むこの場にいるラウンズ先程のゼロ復活の報道を受けどうするか皆意見を言い出した

ゼロの復活は全世界のありとあらゆる通信網、情報媒体をハッキングし世界に発信された。

ブリタニアだけに流されたなら報道規制をしき、全ての常法を遮断し、黒の騎士団殲滅だけに力を注げばよかった。

だが全世界に知られてしまった以上そうはいかなくなった。

ゼロの復活は各エリアに存在するテロリスト、レジスタンスに再び灯をともす事になるだろう。

そうなればラウンズは各エリアに派遣される事になるだろう。

だからこそゼロをどうするのかで意見が飛び交っていた。

主にスザクからだ。

 

「ゼロは自分が討ちます!」

「枢木卿だけの問題ではない!それに誰が行くかは皇帝陛下がお決めになることだ!」

「ナンバーズ風情が手柄ほしさで口を開くな!」

「止めないか!枢木も頭を冷やせ!ブラッドリーも枢木を煽るな!」

 

スザクの言葉にドロテアは叱咤し、それをうけブラッドリーが挑発する。

それをビスマルクが喝をいれる。先程から何度同じことを繰り返せば気が済むのだろうか

ライはその状況に呆れ果てた

 

「なあライ。お前はどうするんだ?」

「どうするも何もドロテアさんの言う通り僕たちが決める事ではないよ。ジノ」

「だが、ゼロはお前にも因縁深い相手だろ」

 

ジノの言う通りゼロはライにとって因縁深い相手だ

ライはコーネリア皇女殿下の親衛隊にいたときに黒の騎士団とは何度も剣を交えていた

それにユフィとは友人だった。

友の仇を取りたいという気持ちはある

だがそれよりも気になる事があった

 

「例の黒の騎士団のエースとその機体。『紅蓮弐式』でしたか。あれも確認されたみたいですね」

 

一番気になる部分をモニカの口から聞いた時顔には出さなかったが、心の中で安堵した

 

(カレン....生きていた....)

 

顔には出してはいなかったが、モニカはすぐにライの心情を理解した

この世で一番に想っている人物の心のうちは嫌でも見抜ける

モニカはとても複雑な気分になった

 

「僕にはまだ白ロシアの任務がある。それを捨て置くことはできないよ」

「ライは行かない....なら私も行かない」

「アーニャは何の任務もないだろ。私も今は暇な身だ。スザクと一緒に陛下に嘆願してみようか」

「それは良いアイディアね。是非アーニャのことも推薦しておいてあげてね」

 

ジノの提案にモニカも同調することにした。

その上で目の上のタンコブになりつつあるアーニャの事を押し付けることにした

いくらアーニャであっても皇帝陛下の任命に逆らうことはしないとわかっている上でジノに提案した

 

「公私混同」

「あら。別にそうゆうことではないわよ。スザクとジノの機体は前衛タイプでしょ。そこにアーニャが加われば鉄壁の布陣になるとおもって推薦したのよ」

 

アーニャとモニカの間で火花が散る。

もうこの案の提案者であるジノのことなど眼中にないようだ

だが、もう一人の当事者から意外な言葉が飛んできた

 

「アーニャがどうしてもと言うなら僕は構わないよ」

「「え?」」

 

ライに言葉に火花を散らしていた両者は目が点になった

 

「白ロシアが終われば僕も合流出来るからね」

「いいの?」

「アーニャはそっちの方が嬉しいんでしょ?」

「うん」

「ならいいよ」

 

モニカはライが何を言っているのか理解できなかった。

いやモニカだけではない。

ここにいる人間全てが理解出来なかった

ライはモニカの恋人。

それがモニカの同僚で女性のアーニャのお願いを快諾している

誰がみてもこれは浮気にしかみえない

 

「アッシュフォード卿...さすがに私でも引くぞ...」

 

いつも冷静沈着なドロテアがその鋭い目をひきつらせながら口を開いた

 

「へ?僕はモニカの意見に賛成なだけですよ。僕が行けばアーニャが納得するみたいだから了承しただけですよ」

 

ライはどうやらみんなが抱いた思いのは気が付いてはいないようだった。

それにライの目的は其処ではない

黒の騎士団にいる人物。

紅月カレンの事しか頭になかった

 

(皆の目の前での約束...これでスザクが理由も無しに僕の参加を拒むことはできない)

 

これでカレンに一歩近付く事が出来るそれで頭が一杯だった

 

さっきまでの討論は夢ではないかと思うほどラウンジには呆れ果てた雰囲気に包まれた

とりあえずライの提案を踏まえて皇帝陛下に嘆願する事に決め、ジノ、アーニャ、スザクは皇帝陛下に謁見するためにラウンジを出ていった

それを皮切りに他のラウンズ達も退室を始めた。

ライも白ロシアでの戦闘のために準備を始めなければならない。

ライはモニカに「後でね」と伝え、一人でラウンジから出ていった

 

 

 

 

同時刻

某国古代遺跡

 

そこで彼は目覚めた...いや目覚めさせられた

彼は白銀の髪をなびかせ、吸い込まれそうな蒼色の瞳に端正な顔立ちをしていた

 

「ここは...」

「やあ。お目覚めの時間だ」

 

上を見上げるとそこには一人の男性が立っていた

黄金の髪に赤い瞳を持つ長身の男。

見た目は30代後半といった感じだが、彼から出る雰囲気でその男が数々の修羅場を潜っているのがわかった

そして彼は霧がかかった脳内からやっとその人物が自分の共犯者だと思い出した

 

「貴様は!?そうか...その時が来たのだな!」

 

この人物が自分の目の前にいることがどういうことを意味するのかを思いだし、彼は歓喜に沸いた

 

「本当は起こすつもりは無かったんだけどね。彼がつまらなくなったみたいだから」

「私はアイツに刺激を与えるために起こされたわけか...」

 

男の答えに彼は納得した

この男は『共犯者』であり『理解者』ではない

むしろ自分の敵に近い人物だ

自分を起こすのはメリットにはならない。

おそらくは只の暇潰し程度だろうが、彼にはそちらの方が好都合だった

 

「君の願いはちゃんと叶えてあげたよ。今度は私の願いを叶えてもらおうか」

「願いはまだ叶っておらんだろ!」

 

恩着せがましいとは思ったが男はそんなことなど露知らず、彼に一冊のファイルを渡してきた

 

「これが今の彼に関する資料だよ」

 

彼はそれを受け取ると一心不乱に読み出した

だが彼の知りたいことは全体の極一部だ

軍内部の評価や戦歴の部分は飛ばした。

過去の評価を知っている彼にとって今の時代の評価など興味がなかった。

今も昔も同じ評価を受けているであろうという自信があった

現に同じ評価は受けていた

そして彼の興味が載っているページに来た。

それは友人関係などの調査結果のページだ

さらに言えばその中の一部だけに目をやった。

それは女性関係の項目だ

 

「『モニカ・クルシェフスキー』、『アーニャ・アールストレイム』、『紅月カレン』どれが正妻なんだ?」

「さあ?一応全員本命みたいだよ。それがどうしたんだ?」

 

どうでもいい事を聞くなと思ったが、彼が次に発した言葉で理由を理解した

 

「ただアイツに復讐するのではつまらん。アイツがもっとも苦しむ方法をとる方が面白いだろう?」

 

その顔は喜びと狂気に満ちていた

 

「アイツの本質は『護る』事だ。その『護るもの』が犯され、汚され、惨めに殺されるのを見せることがアイツを一番苦しめる事が出来るからな」

 

それを話している彼は本心からそれを望んでいることがわかった

それを見て男は笑みが溢れてきた。

これは面白いことになるな

そう確信した。

 

「楽しそうだな。あと君の頭の中を少し弄らせてもらった。この時代の戦いかたを教えるのはこの方法が一番早いからな」

「助かる。KMFの操作を覚える時間などないからな」

 

頭に刷り込まれた知識を彼はすぐに使いこなし、男が持ってきたタブレットを開き、ニュースや世界地図などを繰り返し見始めた。

 

「これからどうするんだ?」

「まずは軍隊を手に入れなけれる。だが、一番にやることはそれではない」

 

ブリタニアの情勢などが書かれたサイトを見ながら彼はほくそ笑み、これからの事を語りだした。

それは普通の人間が聞けばすぐさま彼を精神科医に見せに行くであろうと思うほど上記を逸していた。

 

「本当に出来ると思っているのか?」

 

男は率直な意見をぶつけた

 

「愚問だな!この私に不可能はない!なにより私に前ではどんな人間であろうと私の傀儡に成り果てる....」

 

彼は自信満々だった。

無理もない何故なら彼にはそれをやる事が出来る知略と能力そして力があった。

普通の人間が手に入れる事など不可能な力が……

復讐すべき者もかつて持っていた力が彼にも宿っていた……

 

「アイツにはまずアイツに合った『舞台』に上ってもらわねばな!そのためには今いる『役者』に退場してもらう....」

 

そう言って彼は一人の人物について調べだした

勿論その人物こそ彼の言う『役者』だ

彼はその人物の居場所を突き止め、ついに動き出すことを決めた

 

「さあ...開演といこうじゃあないか!血と憎悪で彩られた舞台を!!そうだろ?『ライ』」

 

復讐すべき者の名を口にした

そう言って彼は男が用意した物に近づいた

この時代の英知の結晶とも言える物

KMFに……

それを見て男は去る準備を始めた

男も色々な人間から追われる身だ

だが、どうしても見たかったのだ

彼ともう一人の人間による悲劇を……

それを見る為だけに男は数百年の隠居生活から出てきたのだ

これからの事に胸を踊らせながら男は遺跡を後にした

 

「じゃあよろしく頼むよ」

 

また楽しい時間が始まる。

かつてのように楽しい時間がまた時を刻み始めた。

自分を『魔法使い』と呼び、自分に力を求めてきた子供達が巻き起こした悲劇がまた繰り返される。

彼の唯一無二の娯楽がまた始まる

 

「頑張りたまえ。己の半身を食散らかせ!共食いせよ!そして私に極上の悲しみを!」

 

そして男は遺跡で目覚めた男の名を叫んだ

 

「古の『狂王』ライよ!世界を!命を食い尽くせ!!」

 

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