真剣で鬼眼に恋しなさい!   作:クウネル・コナン

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遅くなりました。
3人称に挑戦してみましたが、私の語力では無理がありました。
無難に1人称視点に戻します・・・。


仲間

町をぶらぶらするついでにこれからしばらく生活する寮に荷物を置きに行った。

同時に寮の管理人に挨拶もしておいた。

寮の管理人をしている女性には驚いた。

かつて、オレがつるんでいた風間ファミリーのメンバーの一人ガクトの母親だった。

オレ自身も何度か会ったことがある人で世話になったことがある人だった。

オレがくることは親父から聞いていたらしいが、ファミリーの奴らには伝えていないらしい。

まあ、夜には戻ってくるしその時に驚かせてやるのも面白いと思った。

荷物を置いた後にまた川神をぶらぶらと散策を再開した。

そこまで大きな変化はないがやはり懐かしさを感じたり、新たな店舗に変わっていたりしてなんだかんだで楽しめた気がする。

途中、親父の馴染みの店があって川神水を買った。

・・・完全に親父の影響で川神水好きになっちまったなぁ。

 

「ていうか、冷静に考えると謎の飲み物過ぎるんだよな、これ。」

 

アルコールが入っているわけでもないのに酔ったような感じになるという飲み物。

感じになるだけという本当に不思議な飲み物だ。

しかし、独特の味がして癖になる飲み物であるのは確かだ。

酒瓶に入れた川神水をぐいっと飲む。

 

「はあ、うまい。歩き回った後の川神水は最高だな。さて、そろそろいい時間だしじじいの言ってた廃墟ビルに行ってみるか。」

 

空を見ると既に茜色の空でもう夕方になっていることが分かる。

そろそろじじいの言った時間にはなってるだろう。

手に持った川神水を飲みながら道中で買い食いしつつ町はずれの廃墟ビルに向かった。

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

「ここか・・・。上の階方に人の気配がする、というか明かりついてるじゃねえか。なんだよ、廃墟ビルってたからすでに撤退してるのかと思ってたがな。」

 

ビルに辿り着いて見上げると明かりが付いている部屋が見えた。

しかも、何人か強い気を感じる。

しかも一人はケタ違いの強さの奴がいるな。

少なくとも壁越えか。

それにしても、なんか覚えのある気配しかしないのは気のせいか?

いやいや、まさかな。

とりあえず、人の気配がする階まで行ってみよう。

見上げるのをやめて中に入ってみる。

 

「へえ、中は思ったよりも綺麗にしてるな。最低限の場所だけ掃除してるってところか。」

 

中は廃墟ビルらしく乱雑な状態にはなっているものの上の階に行くための道とその周辺はそれなりに片付いていた。

そのため上の人の気配がする部屋までは簡単に行くことができた。

部屋の前まで行くと中にいる人間の気が膨れ上がる。

おお、オレの気配に近づいたか。

流石に壁越えクラスだと雑に気配消しているとばれるな。

ここが目的地だと確信して扉を開ける。

 

「んー、気配が感じるのはここかぁ?ったく、あのじじい俺に何させたいん・・・だよ?」

 

扉を開けた先にはオレと同い年くらいの人間が何人かいた。

人がいたことはいいが、いた面子はオレのよく知る奴らだったので驚いた。

二人ほど知らない顔がいたが。

 

「「「「「「「キョウ!!!」」」」」」」

 

昔の馴染みが良く呼んでいたあだ名で呼ばれた。

それぞれ、立ち上がりオレに群がってくる。

 

「久しぶりだな、キョウ!?いつの間に帰ってきたんだ?」

 

「キャップ、久しぶりだな。帰ってきたのは今朝だ。」

 

「んだよ、なんか連絡入れてからくりゃよかったじゃねえか!」

 

「うわ、腕回してくんなガクト!暑苦しいな!」

 

「ホント久し振りだねぇ。元気だった?」

 

「おう、モロは相変わらずひょろいなー。

まあ、元気にはやってたよ。

また、ゲームでもやろうぜ。」

 

「わあ、キョウだー!懐かしいなー、この匂い。」

 

「ワンコ。お前更に犬度が増したな・・・。」

 

「久し振り、狂。」

 

「大和も久しぶりだな。なんだなんだ、お前ようやく中二は卒業したのk「うわーうわー!」なんだよ、うるせーな。まあいいや。」

 

「・・・ん、久しぶりだね。」

 

「おう、京も久しぶりだな。・・・お前、ずいぶん綺麗になったな?」

 

「努力の賜物、ぶい。」

 

「おい、キョウ!京だけ贔屓するなよなー。ここにも美少女はいるだろー?」

 

「確かにモモ。お前は美少女だと思うけどな?自分で言ってんじゃねえよ・・・。」

 

「「???」」

 

ファミリーの奴らが俺に群がって声をかけてきた。

俺の知らないやつが置いてけぼりになっていたが。

すると、大和が気づいたようで。

 

「あー、そうか。クリスとまゆっちは知らないよな。この人は「待った、大和。名乗りくらい自分でやる。」そう?じゃあ、任せた。」

 

そのままオレのことを紹介しようとした大和を止めた。

自分の名乗りくらい自分でやるっつうの。

 

「名乗るのが遅れたな。オレは壬生狂志郎。数年前まで川神市に住んでいて風間ファミリーの一人だ。好きな言葉は『魂』。刀を使う。俺のことを知っている奴はだいたい狂って呼ぶな。まあ、よろしく。」

 

オレの名前を聞いて黒髪の方が少し反応したようだった。

 

「こちらも名乗らせてもらおう。自分はクリスティアーネ・フリードリヒ。レイピアを使い、『義』を重んじる。この春から川神に来てファミリーに入れてもらったものだ。よろしくだ!」

 

「おう、よろしく。・・・なあ、名前長いから呼び名はクリスでいいか?」

 

「うむ、構わないぞ。自分もキョウと呼ばせてもらおう。」

 

クリス・・・名前の感じからするとドイツの人間かね?

 

「わ、私は黛由紀江と申します。刀を使い『礼』を尊びます。同じく春からファミリーに入れてもらいました・・・。あ、後こちらが・・・。」

 

黛・・・あの剣聖の娘だろうな。

刀を使うって話だし、中々やれそうだな。

まだ、話したいことがあるのかそっと手のひらの上に乗せた馬を見せてきた。

・・・なぜに?

 

『おっす、オラは松風!まゆっちのストラップに宿る九十九神だ。宜しく頼むぜ、キョウの旦那!』

 

「お、おう。よろしくな、えーと・・・まゆっちと松風?」

 

若干戸惑いつつ答えてファミリーで一番話が早そうな大和に視線で疑問をぶつける。

 

(おい、なんだこいつ!?)

 

(うん、疑問はもっともだと思うけどあとで説明するから。)

 

(・・・・・・。)

 

アイコンタクトで会話して見たが、取りあえずスルーしろとのことだった。

・・・後で、事情は聞いたが悲しい理由がありしばらくまゆっちを生暖かい目でみることになった。

 

 

◆  ◆  ◆

 

 

取りあえず、一通りの挨拶は済んだので椅子を用意してもらい腰を落ち着けて数年間何をしていたか簡単に話した。

 

「へえ~、じゃあひとまずは修行は終わりなのね?」

 

一子がソファーから体を乗り出して興味があるのか目を輝かせながら狂志郎に尋ねてきた。

 

「ああ、一通りの奥義は会得して来た。まあ、それなりに強くなったんじゃねえの?」

 

口調は軽く言ったが強くなった自信はある。

まだ、目標にはほど遠いだろうがな。

キョウの言葉に何か棚のようなところに座布団を引いて胡坐をかいている百代が闘気を漲らせている。

 

「ほう、それは興味深いな!是非とも闘おう!」

 

「アホ、逸るなよ。お前と戦うんだ。壁を越えた物同士の戦いだ。周辺がメチャクチャになるだろうが。」

 

しかし、百代の気に反応しない狂志郎。

反応しない狂志郎に萎えたのか気を静める。

 

「・・・お前、本当に強くなったのか?お前から全く気を感じないんだが・・・。お前弱くなっ・・・!?」

 

それまで気を全く感じなかった狂志郎から瞬間、強大な気と殺気を感じて構えを取る百代。

他のファミリーの者も感じ取ったのか席を立って狂志郎の方を向いている。

溜息を付いて狂志郎は気を静めた。

 

「はあ・・・悪いな、皆。つい、溢れちまった。だが、どうだよ百代。これでも弱くなったとでもぬかすつもりか?」

 

狂志郎は百代の方に向いて窘めるように言う。

声をかけられるまで呆然としていた百代だが、はっとすると猛然とした笑みを浮かべた。

 

「いいや、本当に強くなったみたいだな!分かった、いつか必ず戦うぞ狂!」

 

その百代を見て狂志郎も笑みを浮かべた。

 

「当然だ。お前を超えない限りオレの目標は越えられねえからな。」

 

取りあえず、話はまとまったようなので部屋の面子は席に座り直す。

 

「あ、あのぅ・・・狂志郎さんに質問しても宜しいでしょうか?」

 

「ん?

なんだ?

あと、狂でいいぞ?

もうファミリーなんだろ?」

 

おずおずと由紀江が手を挙げながら狂志郎に質問を投げかけた。

 

「は、はい!

では、お言葉に甘えて・・・。

狂さんは壬生と名乗られましたが、かの無明神風流の使い手なのでしょうか?」

 

「ほう、流石は剣聖の娘だな。

ああ、お前の言うとおり俺の流派は無明神風流だ。

一応、つい最近当主にもなった。

正確には押しつけられたともいえるが・・・。」

 

「!やはり、あの無明神風流の使い手の方でしたか・・・。」

 

心当たりがあるようなそぶりを見せる由紀江。

 

「?なんだなんだ、キョウの流派って有名なとこだったのか?」

 

百代が由紀江の反応に興味を示した。

 

「姉さんも知らないの?」

 

「ああ、昔は別に狂の流派なんて興味なしに手合せしてたしなー。」

 

大和の問いに昔を思い出すように思案する百代。

 

「無明神風流。その鬼神の如き剣で神風を操る業で刀において最強を謳っている流派・・・と父上からは聞いています。私もその流派の方に合うのは初めてではありますが。」

 

「へえ、風か!かっこいいじゃん、それ!?」

 

由紀江の言葉に反応する翔一。

彼も名前に『風』という言葉が名前に入り、逐一風のように翔けると口にしているほどには風に興味があるようだ。

 

「ま、結局流派が強いからって強いとは限らねえよ。あくまで強いのは業じゃねえ。このオレだ。」

 

部屋の人間はおおーと関心するかのような声をだす。

由紀江だけはやや暗い表情をしていた。

 

「どうしたんだ、まゆっち?暗い顔して。」

 

「いえ、あの、その・・・無明神風流は剣の道を歩む者や裏の社会では恐れられているというのを聞いたことがありまして・・・。」

 

遠慮しがちに狂志郎をちらちらと様子を伺っている。

その様子に気づいた狂志郎。

 

「ああ、うちは剣術を引き継いできた一族だからな。無明神風流殺人剣。それがオレ達が畏怖をこめて恐れられている理由だろうよ。」

 

「殺人剣だとっ!?」

 

その言葉を聞いてクリスが立ち上がる。

 

「キョウ!殺人はよくないぞ!それは自分の正義が許さないからな!」

 

「アホ、オレだって殺しなんてやったことはねえよ。まだ、な。だが、剣は凶器で剣術は殺人術だ。剣の道を志すものならこれから先どうなるかは分からない。それは例え剣を使わずとも武道を嗜んでいるなら関係はあるはずだ。ならせめて覚悟はしておくべきだろうぜ。お前もレイピアという剣を使うなら一度は考えたことがあるんじゃないのか?」

 

「そ、それは・・・。」

 

「まあ、普通はオレ達の年齢でそんなこと考えないだろう。だが、武が関わる道に生きていくなら一度、良く考えてみた方がいいぞ?」

 

「・・・・・・。」

 

クリスは狂志郎の言葉に感じる物があったのか席に座り考えこむように黙ってしまった。

空気が重くなってしまい部屋が静寂に包まれる。

 

「・・・っと、この話はもういいだろ?ところでオレが来る前から何か話してたんじゃないのか?」

 

「「「「「「「「「あ・・・。」」」」」」」」」

 

部屋の人間全員がはっと気づいたように声を上げる。

 

「そういえば、そうだったわ!?

土日何しようかだったわよね?」

 

一子が思い出したかのように言った。

すると、キャップが何か思いついたかのように立ち上がった。

 

「じゃあさじゃあさ!狂の歓迎会やろうぜ!」

 

「おお、いいね!賛成!ね、ガクト。」

 

「ああ、いいんじゃねえか?俺様も賛成だ。」

 

キャップの言葉に賛同を示すモロがガクトにも訪ねた。

 

「うん、いいアイデアじゃない?姉さんはどう思う?」

 

「良いと思うぞ?場所はどうする?」

 

「そういえば、狂はこれからどこに住むの?」

 

大和も百代に確認をとるように訪ねた。

一子は俺に問いかける。

 

「島津寮ってとこだ。確かお前らも住んでる所なんだろ?」

 

「ならちょうどいいんじゃない?私たちも楽だし。」

 

「私とワンコも午後の修行が終わったらすぐそっちに向かうようにするぞ。」

 

「わん!」

 

本から目を外さないで答える京といつの間にか捕まえたのか一子を抱きかかえながら答える百代。

 

「わ、私も歓迎の料理に腕をふるわせてもらいますね!」

 

『まゆっちの料理は最高だぜ!』

 

「自分も何か手伝うぞ。」

 

新人二人+1匹(?)も了承した。

 

「おいおい、いいのか?歓迎してくれるのは嬉しいけどよ。元々、何か予定を考えてたんじゃないのか?」

 

「いいんだ。予定がなかったから何やろうか決めようとおもってただけだしな!」

 

キャップが笑いながら答える。

それに答えるように狂志郎も笑った。

 

「じゃあ、期待するぜ!」

 

「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」

 

(ははっ、やっぱ帰ってきて良かったな。)

 

これから先の生活を想像して狂志郎は微笑んだ。




一応、TS物ではないです。
また、狂志郎の性格は狂と京四朗を足して2で割った感じをイメージしています。
なので狂よりは柔らかめです。
ただし、戦闘に入ればあの鬼を見れる・・・といいなー。
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