ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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この物語は、アイドルがロボットに乗って戦うと言うような内容です。
その為、独自解釈、独自設定を多分に含みます。苦手な方はブラウザバック推奨。

この物語はフィクションです。
登場する人物名、団体名、組織名は実在するものとは一切関係ありません。


第1部"始動"編
第1話『ニュージェネレーション、出撃!!』


~~~ 巌流島 ~~~

 

達人「おい!山岸、御門、桐谷!聞こえるか!?…プロトゲッターチーム、返事をしろ!!……クソッ!!」

 

達人「一体なんだってんだ!あのトカゲの化けモンはよ…!」

 

『達人、私だ。聞こえているか?』

 

達人「その声、父さ…早乙女博士っ!」

早乙女『無事だったか。そちらでは今一体何が起こっている?』

達人「…。どうもこうもありません。ゲッターの合体試験中に突然妙な奴が…!」

早乙女『妙な奴…?』

達人「こいつです」

 

イーグル号のカメラが捉えている映像を研究所に送る。

 

早乙女『こやつは……!』

達人「博士…何か心当たりが…!?」

早乙女『……。今世界各地で、この機械恐竜に似た兵器が複数確認されている』

達人「…何ですって……!」

早乙女『中には明らかな人語を話す個体も現れ、彼らはこう言っているそうじゃ……』

 

早乙女『━━『我らは恐竜帝国』━━とな』

 

達人「…恐竜帝国……!?」

早乙女『各国の軍隊が相手をしているが、とても相手にならん。達人、ゲッターはまだ調整中じゃ。速やかにそこから離脱してくれ』

達人「…離脱…。冗談でしょ?博士…っ!」

 

機首を敵へと向ける。

 

早乙女『何をする気だ!やめろ、達人!!』

達人「プロトゲッターチームはあいつに全滅させられたんだ…!黙って引き下がれるかよ!!」

 

達人「チェェェンジゲッタァァァァー1ッッ!!」

 

達人のイーグル号に追随していた二機のマシンと合体して、一体の巨大ロボットが姿を現す。

 

達人「ゲッタァァートマホォォォゥクッ!」

 

肩から取り出した斧を右手に構え、敵に向かって躍り掛かるゲッター1。

 

???『ギャオオォォォンッ!!』

達人「クソッ!くたばりやがれ、このトカゲ野郎!!」

 

機械恐竜の首元にトマホークを叩き込み、完全に密着した距離で蹴りや拳を喰らわせる。

 

???『キシャアアァァァッ!!』

達人「ぐおぉ!?…こいつ、離せ!!」

 

機械恐竜もゲッターの体に食らいつき、その巨体を悠々と持ち上げた。

 

達人「……思った以上に出力が上がらない…!やはり、調整不足の影響か…!」

???『ギャオオォォォンッ!!』

達人「ぬおおぉぉぉ!!?」

 

宙に持ち上げたゲッター体を、首を振り回して放り投げる。

ゲッターの体は、地面を抉りながらも飛び続け、近くの山肌に激突して止まった。

 

達人「ぐはぁっ!!…畜生…!」

早乙女『状況は圧倒的に不利じゃ!達人、帰還するんだっ!!』

達人「はぁ…はぁ…はぁ…っ!こんな力を持った敵を……野放しになんてしておけませんよ、父さんっ!」

 

切れた口内から流れ出した、鉄の味のする唾を噛み締めながら、達人は操縦桿を押した。

 

達人「うおおおぉぉぉぉぉっ!!」

 

早乙女『達人ぉぉぉぉーっ!!』

 

~~~ 数分後 戦闘終了 ~~

 

すっかり荒れ果てた戦場に、ゲッターの機影のみが浮かぶ。

至る箇所の装甲が割れ、剥げ、ボロボロとなったゲッターは、同じようにボロボロの体となり、動かなくなった機械恐竜の頭を手に持ったトマホークでかち割った。

 

達人「へっ!ざまぁ…みやがれ……」

 

そのまま崩れ落ちるゲッターの機影。

 

~~~ 早乙女研究所 ~~~

 

研究員「アンノウン、ゲッターロボ、共に沈黙。…戦闘、終了したようです」

早乙女「ゲッターの……パイロットは…?」

研究員「…。…はい。ゲッターロボ、プロトゲッターロボ共に生体反応消滅…。…パイロットは……」

早乙女「……」

研究員「博士、どちらへ?」

早乙女「…少し、一人になって考えたい……。一人にしてくれ」

研究員「はっ……了解」

 

 

早乙女「………」

早乙女(恐竜帝国…メカザウルス…。人類にも私にも、立ち止まっていられる時間はない、か……)

 

早乙女「早く選ばねばならん。新たな戦士たちを…ゲッターを乗りこなせるものを」

 

──────────────────────────────────────

 

第一話『ニュージェネレーション、出撃!!』

 

~~~ プロダクションビル 事務室 ~~~

 

卯月「おはようございまーすっ!」

凛 「おはよう、卯月」

卯月「あ、凛ちゃんっ。もう来ていたんですね!」

未央「しまむー!私もいるぞ~♪」

卯月「はいっ♪未央ちゃんも、おはようございますっ!」

 

未央「ん。これで全員揃った感じ?」

凛 「後は…プロデューサーだけだね」

未央「そっか、それにしてもここに私達だけ呼び出して何の用だろう……」

卯月「そうですね……。ニュージェネの私達三人だけ集合なんて…何があったんでしょう…?」

凛 「大事な話がある、ってだけで、詳細は当日、みんな揃ってからだもんね」

未央「…全く、もったいつけるよ。ウチのプロデューサーは」

卯月「あははは……」

凛 「未央じゃないけど…。気にはなるよね。一体どんな話なんだろ」

未央「…もしかして、私達ニュージェネの解散とか!?」

卯月「えぇ!?そんなの…私嫌です!」

未央「はは~っ。嫌だなしまむー。冗談だよ、冗談!」

卯月「…も~ぅ、未央ちゃん~!」

未央「あっははっ!悪かったって~~。ごめん、ごめんっ」

凛 「その辺にしときなよ、未央。…今はそんなに人がいないけど、騒いで良いって訳じゃないんだから」

未央「はいはーいっ。気を付けますってしぶりん。だからそんな怖い顔しないでよ~」

卯月「…でも、凛ちゃんの言葉じゃないですけど、静かですね。事務所も…」

未央「…だねぇ。ここ来るまでの間もあまり人見掛けなかったし、閑散としたもんだよ、ホント」

凛 「みんな都心は危険だから、って地方に疎開したもんね…」

未央「戦線もすぐそこまで迫ってきてるって。この前ラジオで聞いたし、ここら辺もいつ危険区域になるか…」

卯月「私達、どうなっちゃうんでしょうか…」

凛 「それもこれも、いきなり現れた恐竜帝国のせい、か…」

未央「もう半年になるんだっけか…」

卯月「疎開したみんな…元気にしてると良いんですけど……」

凛 「みんな地方でそれなりに活動してるって、前にプロデューサーが言ってたから、大丈夫だと思うけど…」

未央「電力も通信も、軍や研究施設が優先だからね~。ホントに無事かどうかは確認できないって言うのが…」

凛 「やりきれないよね、何か…」

卯月「私達にできること、って、他にないんでしょうか…」

未央「うん?それは、私達がアイドルとして、歌って踊る以外で、ってこと?」

卯月「…はい」

凛 「ないよ。…私達はアイドルだけど…それを取れば只の女子高生なんだよ?」

「何もない。…何も出来ないよ……」

卯月「凛ちゃん…。…私、そんな風に考えたくないです」

凛 「じゃあ何?卯月も銃を手にとって奴等と戦う?それとも兵器に乗るの?」

卯月「…そう言うことは…出来ませんけど…。でも、私達にだって、きっと、色々なことができると思うんです」

「だから……」

凛 「どうしようもない…。どうしようもないんだよ、卯月…!」

未央「あーはいはい!この話、やめ!おしまいっ!!」

卯月「………」

凛 「………」

未央「あー……ははは…。何か、空気悪いね?…話題変えよっか」

 

ガチャッ

 

P 「お早う御座います。ニュージェネレーションの三人、全員揃ったでしょうか?」

 

未央「……あっ、プロデューサー!遅~い!」

P 「それは…どうも、すいませんでした…。…お二人は、どうかなさったのでしょうか?」

卯月「い、いえ…。何も……」

凛 「……別に」

P 「?…そうですか…。なら、良いのですが」

未央「それよりもプロデューサー!話ってなに!?」

P 「そうですね…。…それでは、本題に入る前に一つ」

 

P 「皆さんは、早乙女研究所、と言う研究施設を御存知ですか?」

 

卯月「早乙女研究所…ですか?」

凛 「確か…未知のエネルギー線を研究してる、宇宙開発を専門にしてる研究機関だよね」

P 「そうです。よく、御存知で」

凛 「…別に。たまたま近代史の授業の時間にやって、覚えてただけだよ」

卯月「その研究所が、どうかしたんですか?」

P 「はい。実は私達の所属するこのプロダクションは、その早乙女研究所に出資協力してまして…」

未央「嘘ぉ!?…何で!?」

P 「詳しくは伺いませんでしたが、何でも、プロダクションの社長が、研究所の所長である早乙女博士の研究理念に強く共感なさったそうで……」

卯月「それで、出資を……」

P 「…はい。いずれは、宇宙の星空を舞台にしたステージをアイドルに与えたい、と…」

未央「宇宙のステージか……。何かロマンティックじゃんっ」

凛 「…それで、その研究所と、私達が呼ばれたのに、何の関係があるの?」

P 「…それですが、皆さんはこの数ヵ月中のスケジュールを覚えているでしょうか?」

凛 「今度はスケジュール?」

卯月「…えぇ…と、確か無人島でサバイバル生活を送ったり……」

未央「体育会系バラエティ番組で次の日動けなくなるくらい筋トレしたり……アレ?」

凛 「体を張った仕事が多かったよね。…それがどうしたの?」

P 「はい。…それも踏まえて、三人に受けていただきたい仕事があるんです」

未央「仕事?…何かなー、勿体ぶっちゃって!」

P 「はい……。…その、仕事ですが……」

卯月「…?プロデューサー?」

 

その時、プロダクションビルが僅かに揺れる。

 

卯月「きゃっ…!」

未央「じ、地震…!?」

凛 「いや、…もしかして……。プロデューサー!」

P 「っ!とにかく、ここから出ましょう!何があるか分からないので、三人は私の後ろを着いて来て下さいっ」

三人「「「はい(…)」」」

 

事務室入り口の扉を開いて、廊下へ出る。その廊下の先、数十階の窓ガラスの向こうに見えていたのは、

 

メカザウルス『キシャアアァァァッ!!』

 

未央「メ、メカザウルス…!?」

卯月「き…きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

P 「落ち着いて下さい!…まずは、こちらです」

凛 「それで、プロデューサー。どこに行く気?」

卯月「どこにって…避難しないんですか…!?」

P 「それは……。…これから、先程のお話の続きをお見せます」

未央「ちょ…っ!それどころじゃないでしょ!?早く逃げなきゃ…!」

P 「今回三人を呼び出したのと、アレが深く関係しているんです」

未央「あれ、ってメカザウルスが…?」

P 「その通りです。一先ず急ぎましょう」

凛 「今は言うとおり付いて行くけど…」

p 「取り合えず、この廊下を抜けてエレベータで地下へ向かいます」

凛 「地下!」

卯月「あ、あぁ……!!」

未央「どうしたの!?しまむー!」

卯月「あ、あぁ……、メカザウルスが…こっち、に…!」

 

プロダクションビルの方へと向き直ったメカザウルスが、今まさに口を開け、攻撃を加えようとしていた。

 

未央「うわぁー…ホントだ。ウチのビルこの辺りじゃ一際大きくて、目立つもんな~…」

凛 「そんな悠長なこと言ってる場合…!?」

未央「いやホント。命の危機が迫ると、人って冷静になるんだなぁって…」

凛 「何を呑気に、って……メカザウルスが……!」

 

メカザウルスの口からミサイルが放たれる。

 

卯月「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

『ミサイル発射にゃんっ!!』

 

事務所までの数メートルの間、メカザウルスのミサイルが、別方向から飛来したミサイルに撃ち落とされる。

 

凛 「…い、生きてる…!何なの……?」

未央「あ、あれは…!」

卯月「戦闘機…ですか…?形の違うのが、三機も…!」

『おっ待たせにゃ~ん、Pちゃん!大丈夫だった!?』

卯月「この声…みくちゃん!?」

P 「…どうやら、間に合ってくれたようですね」

 

~~~プロダクションビル 屋外 ~~~

 

みく「うにゃああああっ!騎兵隊の到着にゃぁ!!」

瑞樹「どちらかと言ったら、猫にウサギの愛玩動物隊じゃないかしら?」

菜々「あ、それ良いですねー。もちろんナナは可愛いウサギさんです!キャハッ☆」

みく「うにゅぅ……。今一つまとまりにかけるにゃあ…」

瑞樹「良いじゃない?緊張で自分を見失ってるよりは。自分らしくって、分かるわ」

 

P 『前川さん、川島さん、安部さん。聞こえますか?』

 

みく「その声はPちゃん!バーッチリ聞こえてるよ!」

瑞樹「そちらに負傷者はいないかしら?」

P 『はい、皆さんの救援のお陰で。助かりました』

菜々「いいんですよ礼なんて!それよりも、早く卯月ちゃん達を連れてってあげて下さいっ!」

P 『はい、そうさせて貰います。…ここは任せても?』

瑞樹「心配はご無用っ!」

みく「バッチリ仕事をこなして見せるから、プロデューサーも自分の仕事、きっちり頑張るにゃ!」

P 「…はい。それではしばらくの間だけ、宜しくお願いします」

瑞樹「えぇ。でも約一名、体力が一時間しか持たない娘もいるから、なるべく手早く、ね?」

菜々「な、なんで今その話をするんですか!?それじゃあまるでナナが足手まといみたいじゃないですか!」

みく「菜々ちゃんは足手まといなんかじゃないにゃ。ちゃんとした仲間の一人にゃ!」

菜々「みくちゃん…っ!…ホント、みくちゃんは良い子ですね~…!」

瑞樹「言い方がおばさん臭いわよ?」

菜々「っ!な、菜々は17歳、ですよー?」

 

メカザウルス『キシャアアァァァンッ!!』

 

みく「話はそこまでにゃ。メカザウルスがお待ちかねで首伸ばしてるにゃ。Pちゃんっ!」

P 『はい!皆さん、こちらです』

 

卯月達の手を引いて、エレベータのある廊下奥に向かって歩き始める。

 

みく「よし、瑞樹さん、菜々ちゃん!準備良いかにゃ!?」

瑞樹「えぇ。何時でも良いわよ!」

菜々「やりましょう!ナナ達で!」

みく「うーっし、行っくにゃー!

 

みく「チェーンジゲッター1ッ!」

 

みく「うぅ…にゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

~~~ プロダクションビル 中央ロビー ~~~

 

未央「さ、三機の戦闘機が……」

凛 「合体して、ロボットになった……!?」

卯月「…まさか、メカザウルスと戦うつもりじゃ……!」

未央「えぇ…!?」

凛 「そう言うことなの?プロデューサー」

P 「……」

凛 「あの戦闘機、動かしてたのってみくだよね?」

卯月「みくちゃんだけじゃありません…。菜々ちゃんや、瑞樹さんも一緒にいました」

未央「…どう言うことなの?プロデューサー…!?」

P 「…。今は、移動を優先します。こちらへ」

 

エレベータの扉を開け、乗り込む。目的地はエレベータのボタンには記されていない、地下。

 

卯月「………」

凛 「………」

未央「………」

P 「………」

 

静かに音を立てて、エレベータが地下に降り立つ。扉が開かれた先に見えたのは100メートル程の長い鉄の廊下と、その先の厳重に固く閉ざされた鉄の扉だった。

 

未央「うわぁ…、怪しさ満点だね」

P 「…行きましょう」

 

プロデューサーを先頭に歩みを進める。

 

P 「先程の、前川さん達の件ですが…」

凛 「!」

P 「彼女達は、アイドルがあの機体に乗った場合、どのような弊害が生じるのかを研究する為に編成されたテストパイロットチームです。…あのロボットも、研究用のプロトタイプに過ぎません」

凛 「アイドルが…あの機体に乗る?あの、ロボットに…?」

未央「そのためのテストパイロットチームって事は……正式なパイロットチームもあるの?」

卯月「…ちょっと待って下さいっ!……それって…!?」

P 「はい。おそらく島村さんの想像通りかと」

 

扉の目の前に辿り着き、懐からカードキーを取り出す。

 

P 「言い訳のように聞こえるかもしれませんが、本来はこの様な事の為に、皆さんを集めたわけではありません」

凛 「…どう言うこと……?」

P 「来るべき未来、その新時代の先駆けとなる存在…。貴女方のユニット名にはそう言った由来があり、その為に私も、社長も、早乙女博士も議論を重ねました」

「なので、この様な結果になってしまって、本当に申し訳ありません」

未央「…っ!な、何言ってんのさ…。プロデューサー…話が見えないよ…?」

P 「きっと、これは貴女方にとっても、最悪の選択でしょう。ですが、貴女方三人なら事態を良い方向に持っていくことができると、私は信じています」

卯月「…プロデューサー……」

P 「……これが、私から新世代(ニュージェネレーション)の皆さんにお願いする、新たな仕事です」

 

プロデューサーの手により、カードキーが引かれ、パスワードが解かれ、目の前の重厚な扉が重々しい音を立てて開かれる。

 

卯月「………これは……」

 

扉の先に、三人が目撃したモノ、それは…、

 

凛 「赤い…ロボット……」

未央「さっき見たロボットに似てる…。あっちは白かったけど」

P 「これが…早乙女研究所の開発した、人類を恐竜帝国から救う切り札━━」

 

その名も、

 

P 「━━…ゲッターロボです」

卯月「ゲッター…!?それがこのロボットの名前……」

P 「はい。そして、皆さんにはこれから……」

 

P 「このゲッターロボに乗り、人類を救って頂きます」

 

~~~ プロダクションビル 屋外 ~~~

 

みく「うにゃああああっ!!?」

 

プロトゲッターが、近くの雑居ビルへと倒れ込み、舞い上がった土煙の中に沈む。

 

みく「痛たたた……。試作機の性能の低さは如何ともし難いにゃぁ……」

瑞樹「みく、私と変わりましょう。…相手との性能差はスピードでカバーよ!」

みく「分かったにゃ!」

 

メカザウルス『キシャアアァァァッ!!』

 

みく「オープンゲットにゃ!」

 

メカザウルスの攻撃が、プロトゲッターに突き込まれる直前で、ゲッターは再び三機のマシンに分離し、順番を入れ換えて上空でまた重なる。

 

瑞樹「チェンジゲッター!2ゥッ!!」

 

そして先程のプロトゲッター1よりも華奢な身形をした、プロトゲッター2がメカザウルスの正面に着地する。

 

瑞樹「さ、ここからは張り切って行かせて貰うわよ…。ドリルストームッ!」

 

左腕のドリルをフル回転させ、発生させた竜巻をメカザウルス目掛け放つ。

 

メカザウルス『シャアアァァァッ!!』

 

瑞樹「やぁ!!」

 

竜巻に煽られて怯んだメカザウルスに対し、ドリルを構えて飛び込む。

 

瑞樹「くっ……!勢いが足りない…!?」

菜々「そ、装甲を破れてません…!」

みく「メカザウルスの反撃が来るにゃあ!」

瑞樹「っ!」

 

メカザウルス『キシャアアァァァッ!!』

 

腕を大きく振りかぶって振るわれた一撃を、右手のアームで辛うじて受け止める。

 

瑞樹「……ちょっと、この子は力比べが苦手なのよ…?」

みく「このままじゃ押し負けちゃうにゃ!」

瑞樹「…確かにこれは、思った以上に不味いかしらね…」

 

瑞樹(時間、巻きで頼むわよ…プロデューサー君……!)

 

~~~ プロダクションビル ゲッターロボ地下格納庫 ~~~

 

卯月「………」

未央「………」

P 「………っ」

凛 「…幾つか、質問したいんだけど……」

P 「はい、何でしょうか?渋谷さん」

凛 「うん、じゃあまず一つ目だけど、何で事務所の地下にこんなものがあるの?」

P 「…全てはこの日の為に、予め用意されていました」

凛 「ふぅん。つまり私達が最終的にゲッターのパイロットになるのは、決まってたことなんだ?」

P 「…はい。そう言うことになります」

未央「ちょっと、何でさ!?だって私達、アイドルって位しか取り柄の無い、只の女子高生だよ!?」

卯月「その通りです…!普通の乗り物だって動かしたこと無いのに…いきなりロボットなんて……」

P 「それは承知の上です。…ですが、このゲッターを動かすにはある程度の適正が必要なので…」

卯月「私達に、その適正が…?」

P「はい。ニュージェネレーションとは、ゲッターへの高い適正値を持つ適格者三名によって編成されたアイドルユニットなのです」

未央「…そんな…ッ!このロボットに乗るために、私達三人集められたって事…!?ロボットに乗って、戦うために……!」

P 「それは違いますっ!」

未央「違わないよ!さっきプロデューサー、自分で言ってたじゃんっ!全てはこの日のために、って…!」

「プロデューサーの言うこの日ってメカザウルスが攻めてきてる今の事なんでしょ!?」

P 「っ…!それは…違うんです……!私を、信じて下さい……っ!」

卯月「プロデューサー…」

 

凛 「…プロデューサーをあんまり苛めたらダメだよ。未央」

 

未央「しぶりんっ」

P 「渋谷さん…!」

凛 「ここの扉を開ける前、プロデューサーが何て言ってたのか思い出してよ。未央、卯月も」

未央「……プロデューサーが…」

卯月「来るべき未来、新時代の先駆けとなる存在……」

凛 「そのためのニュージェネレーションだって、言ってくれたよね?」

未央「だけど…!」

凛 「プロデューサーでも、どうしようもなかったんだよ。変えようがなかった、変わりようがなかった。だから……」

「プロデューサーが只戦うために私達をゲッターに乗せるんじゃない、って…そこは信じてあげたい」

卯月「凛ちゃん……」

 

みく『ちょっとPちゃん!?まだ話は纏まらないのかにゃ?』

菜々『は、早くしてくれないと…、ナナもみんなもいよいよピンチですっ。……きゃあぁ!!』

 

卯月「みくちゃん、菜々ちゃん……っ!」

P 「前川さん、菜々さんそれに川島さんも…!もう暫くの辛抱、お願いしますっ!」

凛 「待っててみく。今行くから!!」

P 「渋谷さん!?」

凛 「考えてる暇はないんでしょ?だったら……」

みく『その声は凛ちゃんかにゃ?…ま、待ってるにゃ……でも、早くしないとみく達アイドルがしちゃいけない顔に……きゃあっ!!』

卯月「みくちゃん…!」

凛 「時間がない…。プロデューサー、ハッチはどこ?」

未央「待ってよ、しぶりん、しまむー…!!」

P 「本田さん…」

未央「…一つだけ聞かせて、プロデューサー」

P 「…はい、何でしょうか?」

未央「もし、ここで私達が乗らない、って言ったらどうするつもりなの?」

P 「…。上の皆さんと、貴女方を避難させて、ここにセットされた自爆装置を起動させます」

卯月「そんな…!…そんな事したら…プロデューサーは……!」

P 「私の事は良いのです。皆さんを守ることが出来れば……。…皆さんをお守りする事が、私の務めですから」

未央「プロデューサー…」

凛 「私は一人でもやるよ…。みく達を助けないと」

 

卯月「…わ、私もやります…!」

 

凛 「卯月……」

卯月「プロデューサーのお話を聞いて、やっぱり、甘えちゃいけないって、何か出来ることを探していたのに、逃げたらダメだなって思ったんです……。だから…」

凛 「良いよ。気持ちは十分に分かったから…」

P 「渋谷さん、島村さん…申し訳ありません……っ!」

凛 「…で、未央は?」

未央「………」

 

未央「は~~ぁ!二人がそんなやる気満々じゃ、面倒臭いなんて…言える雰囲気じゃないじゃん」

 

卯月「未央ちゃん…!すいません、私達のせいで…」

未央「いいよいいよ、しまむーが気にすることじゃないって…」

「それに…悪の恐竜帝国に立ち向かう正義のアイドルって、何かヒーローみたいで格好いいじゃんっ!?」

卯月「未央ちゃん…!」

凛 「全く、遊びじゃないんだよ……。でも、決まりだね」

未央「おう!」

卯月「はいっ!」

P 「皆さん……!本当に、申し訳ありませんっ…!」

未央「もう~!何でプロデューサーが謝るの?…そこは素直に、ありがとう、で良いんだよ!?」

P 「っ…!はいっ……」

未央「よぉ~し!んじゃ、ちゃっちゃと準備に取り掛かろう!プロデューサー、コクピットってどこ?」

凛 「そこで、どうして未央が仕切るの?」

未央「え…?あははは…、そこは、ほらニュージェネレーションのリーダーだから」

卯月「それよりも早く行きましょう!みくちゃん達が心配ですっ!」

凛 「そうだね…」

 

~~~ プロダクションビル 屋外 ~~~

 

菜々「チェ~ンジゲッター3!」

 

アスファルトの地面を歪めて戦車のような下半身を持つ、プロトゲッター3が大地に着陸する。

 

菜々「いっきますよ~!ゲッターミサイルッ!!」

 

プロトゲッターの肩から放たれたミサイルが、メカザウルスに命中し爆ぜる。が、

 

瑞樹「…目標、健在……!」

みく「まったく効いてないにゃ……」

菜々「う、ウソぉー!?」

瑞樹「所詮プロトタイプだもの……。威力はお察し、ってところね」

菜々「そ、そんな事…って、きゃああぁぁぁぁっ!?」

 

メカザウルスの放ったミサイルの内一発がプロトゲッターに命中して爆ぜ、さらに数発のミサイルも周囲に拡散した。

 

瑞樹「っ…!!ダメージレベル上昇!いよいよピンチね…!」

菜々「うぅ……!っ!ちょっと待って下さいっ…さっき、こっちから逸れてミサイルが飛んでった方向って……!」

瑞樹「!?」

みく「Pちゃん達のいる地下格納庫のハッチにゃ!!」

 

~~~ プロダクションビル ゲッターロボ地下格納庫 ~~~

 

卯月「きゃっ!」

未央「すごい揺れたね」

凛 「上のハッチの方に命中したみたいだけど……」

P 『皆さん、そちらの方は、大丈夫だったでしょうか……?』

未央「こっちはゲッターのコックピットの中にいたからねぇ。私はなんともないよっ!」

卯月「同じく、大丈夫ですっ」

凛 「私の方も……。プロデューサーの方こそ大丈夫?ハッチの残骸がそっちに落ちていったみたいだけど…」

P 『こちらの方も…何ともありません…。…大丈夫です……』

凛 「そう?それなら良いんだけど…、プロデューサー?」

P 『…それよりも、マニュアルに目は通して頂けましたか?』

未央「アレを一気に覚えるのは大変だけど、まあ動かし方くらいなら…」

卯月「私も、要点だけですけど…」

P 『…流石です。それではこれから起動に入りますが、先ほどの衝撃で、エネルギー供給システムに異常が発生したようです』

卯月「えぇ!?」

未央「それってヤバイんじゃ……」

P 『はい。…ですので、私はこれから此方のコンピュータでエネルギータンクを人為的に暴走させ、ゲッターに対してエネルギー供給を行います』

凛 「それって…大丈夫なの?」

P 『…ゲッターはゲッター線で動くロボットですから…大丈夫なはずです』

未央「げったー線?」

P 『はい。早乙女博士が研究している新たな宇宙線の事で、ごく僅かな媒介から多量のエネルギーを放出するとか…。…私は専門家ではないので、詳しいことまでは分かりませんが…』

卯月「とにかくトンでもなくすごいエネルギーって事なんですね!?」

未央「うわぁ…しまむーざっくり言ったなー。ま、そんな所なんだろうけど…」

凛 「…にしても、ゲッター線の力で動くからゲッターロボか…安直なんだね」

P 『そうですね。…それでは、皆さんを送り出す前に…確認しておきたいのですが…、皆さんの搭乗割りです』

 

P 『まずは島村さん。一号機、イーグル号』

卯月「はいっ!」

P 『次に渋谷さん。二号機、ジャガー号』

凛 「はい」

P 『最後が本田さん。三号機、ベアー号』

未央「一応確認しときたいんだけど、この搭乗割りの理由は?」

P 『…皆さんの適正と、相性の結果です』

未央「ふぅん。じゃあ私が今機体を上から数えて一番下にいるのも、偶然?」

P 『……縁の下の力持ち、と言う事で…』

未央「…んふっ!分っかりましたよーっと、本田未央、了解でありますっ!」

 

P 『……。それでは、エネルギー供給を始めます。…渋谷さん、そちらからのコントロールで、ゲッターの動力部分の整備ハッチを開放することは可能ですか?』

凛 「ちょっと待って…マニュアル見ながらだから……。えっと、これでマニュアル操作…整備ハッチ間接操作…ハッチ開放……」

 

パシュゥゥゥ……!

 

機体内部から圧が抜けて、ゲッターの腹部辺りが開き、淡い薄緑色の球体が露出する。

 

卯月「コレがゲッターの動力炉…?」

P 『厳密には違いますが…、これで大気中に放出されたゲッター線を吸収してくれるでしょう』

未央「ほぇ~~…!なかなか便利なんだね」

P 『一応、最終手段ではあるんですが…。それよりも、エネルギー暴走を始めます。コックピットに乗っている貴女方にも衝撃がある筈ですから、操縦桿を決して離さないで下さい。良いですね?』

三人「「「はい(っ)!」」」

 

P 「それでは、エネルギータンクを暴走状態にします……!」

 

コンピュータに取り付けられたありとあらゆる計器のスイッチやダイヤルを切り、最後にガラスで固く閉ざされた隅のレバーを勢いよく叩き割って取り出し、引いた。

 

~~~ プロダクションビル 屋外 ~~~

 

メカザウルスによって吹き抜けになった地下格納庫への通路を背後にプロトゲッターとメカザウルスが組み合って押し合いを続ける。

 

瑞樹「負けちゃダメよ!分かるわね、菜々さん!?」

菜々「い、言われなくっともそうしたいんですが…パワーが…!」

 

ギュルルルルルルルゥゥンッ!!

 

前進の意思を示すプロトゲッターの無限軌道だが、確実に押され、少しずつ後退している。

 

みく「まずいにゃぁ…このままじゃ…!」

 

抵抗の意思を見せようと、両足のペダルを強く踏み込んだ。直後━━、

 

ギュンッ!!

 

みく「な、何にゃ!?」

瑞樹「後ろ…!?いえ、地下の方から……」

菜々「これは……ゲッター線のエネルギーですか!?」

 

三人が振り返るとそこには、地下格納庫から天を高く貫く巨大な光の柱が出現していた。

 

~~~ ??? ~~~

 

卯月(ここは……)

 

目を覚ましたのは、淡い薄緑の光の中。暖かく包み込む光の中、彼女は見た。

 

白の無を。

 

広大な宇宙を。

 

そこにある無数の星々。

 

━━地球。

 

魚、トカゲ、猿…数多生きる動物達、その生命。

 

…そして、人類━━。

 

それは、この宇宙が誕生した永い歴史、地球という星で過ぎた進化の系譜。

 

果たして、その先にあるものは━━!

 

卯月(…ゲッター……!!)

 

『『━━卯月っ!!』』

 

~~~ 屋外 市街地 ~~~

 

卯月「━━あっ…!ここは……?」

凛 「大丈夫?卯月」

卯月「…凛ちゃん。それに、未央ちゃんも……ここは、外ですか…?」

 

メインモニターの右下に二つのウィンドウが現れ、見知った二人の姿を映す。

 

凛 「そ。私達、エネルギーの流れに乗って、外に出たみたい」

未央「しまむー大丈夫?さっきこことは違うトコ見てたよ?絶対」

卯月「あ、ははは……(何だったんでしょう…今の…)」

P 『━━…三人とも、無事ですか?』

卯月「あっ…!プロデューサー…!そっちも何ともないですか?」

P 『…島村さん…。全員、ご無事のようですね』

未央「モッチロン!」

凛 「何とかやれそうだよ。プロデューサー」

 

みく『Pちゃん、卯月ちゃん、みんな!ゲッターの起動に成功したにゃ!?』

 

卯月「この通信…みくちゃん!」

凛 「…ゲッターの姿がさっきと違う…」

菜々『はいっ!今のこの姿はプロトゲッター3と言って、私が動かしています!』

未央「ウサミンやるぅ!」

瑞樹『細かい話は後回しよ。…いきなり実践だけど、やれるかしら?』

凛 「この形態だと、卯月がメインパイロットで操縦できるみたい…。卯月、出来そう?」

卯月「な、なんとかやってみます…!」

 

ゆっくりとゲッターを地上へ降ろし、プロトゲッターが拘束するメカザウルスの後ろにつける。

 

卯月「えーっと…、歩くには、両足のペダルを…」

 

ググッ ッダァーン!

 

左右の足が絡み合うようにもつれ、盛大にスッ転ぶ。

 

未央「…痛たたた……、もぅ…しぃまぁむ~…!」

みく『何してるにゃ!!』

卯月「ご、ごめんなさい…!うまく足元が見えなくて……」

 

 

菜々「出てきてくれたのは嬉しいんですけど…、こっちもう限界ですよ!」

瑞樹「菜々さん、一先ずは放り投げちゃいましょう」

菜々「でも、そしたら卯月ちゃん達が狙われちゃうんじゃ…」

瑞樹「…今はこの状況から抜け出すことが先決よ。甘やかしてもいられないわ」

菜々「そ、それもそうですね!……それでは、気合いを入れて……!」

 

菜々「そおおぉぉぉいっ!」

 

力任せに両腕を振りあげ、メカザウルスを遠くへ放り投げる

 

菜々「どうです!?プロトゲッター3のパワーは!?」

みく「カッコつけてきめてる場合じゃないにゃ!…あ、足場が崩れて……!」

菜々「…えぇっ!」

 

崩れた足場から、地下格納庫への穴へと転落しかかるプロトゲッター。

 

みく「うにゃああぁぁぁぁぁっ!!」

瑞樹「っっ……!早く、オープンゲットしなさい…!」

菜々「りょ、了解っ!…オープンゲットォ!」l

 

三機の戦闘機へ別れ、一度上空へ逃れる。

 

菜々「ふへぇ~……。一時はどうなることかと…」

瑞樹「一息吐いている暇はないわよ!直ぐにでも卯月ちゃん達を助けに行かないと!!」

みく「分かってるにゃ!もう一度ゲッター1にチェンジして援護に向かうにゃ!」

瑞樹「えぇ。分かったわ」

菜々「りょー解です!行きますよー!」

みく「うにゃああぁぁんっ!」

 

みく「チェンジゲッター1ッ!」

 

 

卯月「あわわ……!早く立ち上がらないと……」

凛 「卯月、来るよ…前!」

卯月「えっ…!うわわ…!」

 

咄嗟に操縦桿を引いて、突撃してきたメカザウルスを躱すが、代わりと言うように、反対側に転がって尻餅をつく。

 

卯月「た、立たなきゃ……きゃあっ!」

未央「もぉ~、しまむーは相変わらずだね~」

卯月「す、すいません…っ!立ち上がりたいんですけど、思うように動かなくて……」

 

みく『ゲッタートマホーク!』

 

卯月達の乗るゲッターとメカザウルスの間にトマホークを右手に携えたプロトゲッターが立ちはだかる。

 

卯月「みくちゃんっ!」

みく『みく達が食い止めるから、落ち着いて立ち上がるにゃ!』

卯月「は、はいっ…!」

みく『さぁ、どこからでも掛かってこいにゃあ!』

 

トマホークを片手に、メカザウルスと立ち回る。

 

卯月「みくちゃん…」

凛 「さ、私達も、いつまでも甘えてられない。行くよ」

卯月「は、はい…!」

 

しかし、卯月達の意思に反してまた、隆起したアスファルトに躓いてつんのめるように転倒してしまう。

 

卯月「あうぅ…、ごめんなさい…」

未央「んー、しゃぁないっ!この、未央ちゃんにお任せあれ!」

卯月「…え?」

未央「足回りなら、ベアー号のコックピットからの方がよく見えるから、細かい補助は任せてよ」

卯月「未央ちゃん……」

凛 「機体のバランス制御ならこっちからでも出来る。卯月は上半身の動きだけに集中して!」

卯月「凛ちゃん……、二人とも…ありがとう……」

凛 「礼なら後でも良いよ、それより立ち上がるよ…!」

未央「オーライ!3、2、1、で合わせるよ、良い!?」

卯月「…はい!」

未央「よし、行くよ…せーの…!」

 

三人「「「3、2、1!」」」

 

これまでぎこちなかったゲッターの挙動が、嘘のようにスムーズに立ち上がる。

 

凛 「次は一歩、歩いてみよう?」

卯月「はいっ!」

凛 「…せーのっ!」

 

三人「「「3、2、1!」

 

一歩、二歩と少しずつ、着実に歩みを進めていく。

 

P (島村さん、渋谷さん、本田さん……)

 

 

瑞樹「へぇ……」

菜々「スゴいですね~!流石、ニュージェネレーションの三人ですっ!」

みく「瑞樹さん、菜々ちゃん…余所見してる場合じゃ……にゃあっ…!」

 

プロトゲッター三人「「「きゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」

強靭なメカザウルスの顎にトマホークを捕まれ、そのまま先程の仕返しと言うように彼方に投げ飛ばされるプロトゲッター。

 

未央「みくにゃん!?みんなっ!?」

凛 「攻撃しよう卯月!」

卯月「はいっ!…何か武器は……!」

未央「っ…!さっきみくにゃんが使ってた奴…こっちにもないかな!?」

卯月「でも、どうやって取り出せば…」

 

P 『━━叫んで下さい』

 

凛 「…プロデューサー!」

P 『…叫んで、操縦桿を引いて下さい。それで操縦桿がマルチ入力になります』

未央「だってさ、しまむー!」

卯月「はい!みくちゃんみたいに……」

 

卯月「ゲッタートマホーク!」

 

ゲッターの肩が開き、そこから取り出したトマホークを携える。

 

未央「よぉーし、思いっ切りやっちゃえ!しまむー!」

卯月「はいっ!…えぇぇぇいっ!!」

 

アクセル全開、と言うようにフットペダルを踏み込んで加速をつけ、一気に距離を詰めていく。

 

メカザウルス『キシャアアァァァッ!!』

 

一閃。トマホークを大きく振り上げ、力任せに叩き下ろす。

 

凛 「っ!反撃、来るよ退がって!」

 

指示に合わせゲッターを一歩後ろへ。そのゲッターの鼻先をメカザウルスの尻尾が薙ぎ払っていく。

 

未央「うっはぁ~…!ギリギリ…!」

凛 「敵も相当怒ってるみたいだから気をつけて」

卯月「分かりました!」

未央「どう、しまむー。怖くない?」

卯月「はい!…怖いですけど…怖くないですっ…!二人がいてくれるので」

未央「えへへ…そっか……」

凛 「照れるのはあと、次が来るよ…!」

卯月「っはい!」

 

メカザウルス『グオオォォォンッ!!』

 

力に任せ、強引に突っ込んできたメカザウルスを軽く身を翻して躱し、メカザウルスの首をヘッドロックして動きを抑える。

 

メカザウルス『グギャァ!?ギャオォォン!キシャアアァァァッ!!』

 

卯月「う…うぅ……、スゴい力…」

未央「まだこんなにパワーが余ってるの!?」

凛 (卯月も未央も…私も…、だけど、結構消耗してる……。このまま長引かせる訳には…!)

未央「…何かさ、こう…ドーンっと使える必殺技みたいな武器はないの…!?」

凛 「そんな都合良いのなんて━━」

 

みく『━━ゲッタービームにゃ!』

 

凛 「…っ!?」

 

瓦礫を押し退けて、何とかと言った様子でプロトゲッターが立ち上がる。

 

卯月「…みくちゃん…頭から血が……」

みく『……ちょっぴり切っちゃっただけにゃ…、みくの事なんかより、ゲッタービームを撃つのにゃ……!』

卯月「…ゲッタービーム……。それが必殺技なんですね…」

みく『…そうにゃ……。コツはゲッタートマホークの二倍はお腹に力を入れて叫ぶのにゃ…っ!』

卯月「はいっ、分かりました!…凛ちゃん、未央ちゃん…!」

凛 「大丈夫、あとは任せたよ」

未央「ドーン、と派手にっぶちかましちゃえ!」

卯月「はいっ!…行きます……すぅー…」

 

卯月「ゲッター…!ビィィーーームッ!!」

 

卯月の全力を尽くした叫びと共に、腹部のシャッターが開き、ビームの発射口が姿を顕す。

 

そこから撃ち出されるのは、高出力のゲッターエネルギーを収束した、淡いピンクの輝きを持つ破壊の閃光。

 

至近で発射されたゲッタービームはメカザウルスの体を焼き、深く抉り、突き抜け、破壊した。

 

メカザウルス『グギャ……オ…オォォ…!』

 

膝から崩れ落ち倒れ伏すメカザウルスの体は直ぐに炎に包まれ、黒煙を上げて爆発した。

 

卯月「……。…やった…?」

凛 「倒したの…?私達が……」

未央「メカザウルスを…!?」

 

三人「「「……っ…!」

 

卯月「やった!やりましたよ!私達、やったんです!」

凛 「うん。ちゃんと分かってるって、だから落ち着いて…」

未央「…でも、これってスゴいことだよ!連合軍だって苦戦する相手を…私達で倒しちゃったんだよ?」

凛 「…そうだね、ちゃんと分かってるよ。…たった一機のロボットが…」

 

 

瑞樹「…やれやれ。先が思いやられそうね…あんなにはしゃいじゃって…」

菜々「まぁまぁ、良いじゃないですか!今日のこの一勝は、明日への大事な一勝ですよ!」

瑞樹「…それもそうね」

みく「…何だか、菜々ちゃんもちょっとおばさん臭い言い方だにゃあ…」

菜々「な、なななな…何言ってるんですか!?確かにナナはみくちゃんよりは年上ですけど、れっきとした17歳なんですよ!?…キャハッ!」

みく「…そんなことより、二人とも喋ったりして大丈夫?怪我の具合の方は?」

瑞樹「…貴女よりは重症だけど、大丈夫よ。応急処置は済んだし…、研究所まではなんとか持ちそうよ」

菜々「ナナも右に同じですー!」

 

P 『━━…皆さん、お疲れ様です』

 

みく「Pちゃんっ!」

卯月「プロデューサー!」

 

P 『……お怪我の方は、…御座いませんか…?』

 

未央「バッチリ!ニュージェネの方は、しまむーが鼻打っただけだよ!」

卯月「ちょっと!未央ちゃんっ…!」

みく「テスターチームの方は重症にゃ……みくも瑞樹さんも菜々ちゃんも、精密検査が必要にゃ…」

凛 「テスターチーム?」

瑞樹「えぇ…、それが私達のチーム名よ」

P 『了解しました。テスターチームの皆さんは研究所で必ず検査を受けてください』

 

テスターチーム「「「了解(にゃ)…!」」」

 

凛 「プロデューサーも、早くここを離れよう。今迎えに行くから」

 

P 『……。…いいえ、それは出来ません…』

 

卯月「…え?」

みく「…な、なんでにゃ!?」

P 『……ずっと…、隠していましたが…先程の衝撃で…負傷を……もう、長くは持ちません……』

菜々「そ…そんな……」

未央「っ…!そんなのウソだよぉ!だってさっきは…何でもないって、平気そうだったじゃん…!!」

P 『…それは…、皆さんを安心させる為に吐いた…嘘、です…』

凛 「そんな…そんな事って……!」

瑞樹「…みく、プロトゲッターを上げなさい」

みく「えっ!?」

P 『川島さん……』

瑞樹「…皆まで言わなくても、分かるわ。…私達には、立ち止まっている時間はない、でしょ?」

P 『……はい…』

未央「っだからって…!プロデューサーを、そのまま置いていくなんて…!」

瑞樹「…もう一つ、私達が早くここから離脱しなければならない理由がある」

未央「……え?」

P 『…はい……。実は先程、エネルギー供給の為暴走させたエネルギータンクが…臨界に達しつつあります』

卯月「……それって、…どういうことですか……?」

 

P 『……、じきに臨界を超えたエネルギータンクは、その出力に耐えきれず暴発……。この一帯を巻き込む大爆発を引き起こします』

 

凛 「……。…もう、どうにもならないの?」

P 『…はい…、これ以上は、手の施しようがありません……地上にいる皆さんだけなら、まだ逃げ切れる筈です…早く…離脱を……』

凛 「そんなのズルいよ!」

P 『渋谷さん……っ!』

未央「そうだよ!第一、プロデューサーがいなくなったら…!これから私達はどうすんのさ!?」

P 『直ぐに、とはいきませんが…後任が、決まる筈です……』

卯月「そんなのイヤですっ!私達のプロデューサーは…プロデューサーでないと…」

凛 「プロデューサー!プロデューサーには、まだまだ聞きたいことは山程あるんだよ…!ゲッターのこと…、私達のこと……」

「その責任から逃れて、……私達を見捨てる気…!?」

P 『……、…、申し訳ありません…』

凛 「謝って誤魔化さないでよぉ!!」

 

瑞樹「みく!ゲッターを止めて!」

みく「……合点にゃぁ!」

 

地下格納庫に飛び込もうとしたゲッターをプロトゲッターが羽交い締めにして取り抑える。

 

卯月「離して…!みくちゃん、離してくださいっ!プロデューサーを助けに行くんです!」

みく「行ったって無駄って言うのが、分からないにゃ!?ぅー…ん大人しくするにゃ!!」

P 『テスターチームの皆さん…』

菜々「別に、プロデューサーの決断に納得した訳じゃないですから…!」

みく「ただ、さっきの瑞樹さんの言葉と、ゲッターを失っちゃいけないって事が分かっているから、今こうしているだけにゃ」

P 『…申し訳、…ありません』

菜々「…謝るくらいなら、少しは卯月ちゃん達の気持ちを考えたらどうなんです…!?貴方を失ったら、あの子達がどれだけ傷つくのか……」

瑞樹「…そこまでよ。時間がないわ。…プロデューサーの覚悟を、無駄にしてはダメよ」

みく「……わかったにゃ…。Pちゃん、さようならは言わないにゃ…」

 

みく「っ…!プロトゲッター、フルパワーにゃぁぁぁ!!ゲッターウィング!!」

 

白のマントを翻し、ゲッターを抱えたプロトゲッターが、宙へと上がる。

 

卯月「イヤ…!離してください…っ!イヤぁぁぁ!!」

凛 「プロデューサー…!プロデューサー!!」

未央「離してって言ってんじゃん!この、この…!…鬼!悪魔!人殺し!!」

みく「鬼でも悪魔でも…!どう思われたって、みく達は卯月ちゃん達を連れていくにゃ。みく達がどう思われても、Pちゃんの覚悟と意志を無駄にするなんて出来ないにゃ!!」

瑞樹「みく…」

みく「辛い役ばかり、瑞樹さん一人にやらせないにゃ…」

菜々「悪役になる時は、チーム三人、全員一緒ですよ!」

瑞樹「……。二人とも、…ごめんなさい……」

 

高度をぐんぐん上げ、プロダクションビルから遠ざかっていく二機の機影。

 

「イヤぁ……プロデューサー、プロデューサー!」

 

~~~ プロダクションビル 地下格納庫 ~~~

 

P 「…………ふぅ…」

 

P (…意識が朦朧としてきました……。死ぬ、とはこう言う事なんですかね……)

 

P 「!?」

 

プロデューサーの周囲が仄かな緑色の明かりに包まれる。

 

P (…ゲッター線……。エネルギータンクのメルトダウンが始まったようですね……)

 

思い立ったように、空中を漂うゲッター線の粒子の光に手を触れる。

 

P「!?……これは…!」

 

その瞬間、プロデューサーの脳裏に、ありとあらゆる事が伝わる。

 

P 「……、…そう、だったのですか…。全てが納得出来ました…」

 

P 「私が、彼女達のプロデュースを任されたのも、彼女達をゲッターに乗せたのも……」

 

P 「…私が、ここで死ぬという意味も……」

 

それが、プロデューサーのこの世界で最後に覚えている記憶だった━━。

 

 

爆発、と言うにはあまりにも美しい、緑の光の膨張。

それはプロダクションビルを包み込むように広がっていき、やがて、半径数キロに渡り全てを包み込んで消滅させた。

 

「プロデュゥゥゥーサァァァァァァーーーッッッ!!」

 

つづく

 

 

 

───────────────────────────────────────────────────────────

 

次回予告!!

 

プロデューサーを失い、深い悲しみに沈むニュージェネレーションの三人。

戦いの傷と心の傷を癒すため、一路早乙女研究所へ向かう一行の前に、恐竜帝国は、新たな刺客メカザウルスを送り込む━━!

 

次回、ゲッターロボ×CG 第二話

『三大メカザウルス、襲来』に、チェンジゲッター!

 

 

 




今回はここまでです。これからは二週間毎に一話のペースで投稿できれば良いな。
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