その為、筆者自身も努めていきますが、ぶっちゃけ今回を読まなくても後の物語にはあまり関係ありません。
あくまで何故アイドルがロボットのパイロットをしているのだとか、そう言う細かいことが気になる人の為に用意した、筆者の言い訳ですので、ガバガバSF考証など気にならなければ。
また、解説回と書きましたが、これは必ずしも読者の納得を保証するものでは御座いませんので、重ねて宜しくお願い致します。
~~~ 亜空間 ~~~
莉嘉「──…でね~、そこでアタシが……ズバッっと!」
未央「おぉ~、リカは異世界でも大活躍だ」
莉嘉「えへへ~☆でしょ~」
かな子「もう、號さん達や、異世界のリンさん達の協力があったことも、忘れちゃダメですよ」
莉嘉「わ、分かってるよ~」
凛 「それにしても、別の世界の私達、か」
美波「今も不思議な感じ…。2人の凛ちゃんに出逢うことになるなんて…」
かな子「そう言えば、あの後どうなっちゃうんでしょう?研究所も、ボロボロにされちゃいましたし…」
美波「!! 廃墟の子供達のことも…!」
未央「その辺は大丈夫じゃない?あっちの世界のしまむーが言ってくれたって」
美波「そうかな…」
莉嘉「けど、ウヅキだって戦いに行ったでしょ?」
凛 「残酷な言い方をするようだけど、向こうの世界の問題は、向こうの人達で解決してもらうしかないよ」
莉嘉「それはそうだけど…」
卯月「……」
未央「ん~?しまむー、寄り道したいの?」
卯月「未央ちゃん…。寄り道って言うんじゃ…」
凛 「大丈夫だよ。卯月だって分かってるでしょ?」
卯月「……」
凛 「真ドラゴンを通して、私達は繋がってる…。だから卯月が考えてることも分かるよ」
卯月「莉嘉ちゃん達には、知る権利はあると思うんです」
莉嘉「何々~?何の話?」
未央「折角ここまで来たんだしさ、元の世界に帰る前にちょっと寄り道していかない?」
かな子「寄り道、ですか?」
未央「そそ。ちょっと見てもらいたいものもあるし」
莉嘉「見てもらいたいもの?」
未央「それは見てからのお楽しみ♪」 ニシシッ
美波「けど、いいの?私達の世界の方も、時間がないんじゃ…」
凛 「まぁ、ちょっとくらいならね。…エンペラーがどう思うか」
卯月「きっと、私達の行動も折り込み済だと思いますよ」
凛 「それもそっか」
莉嘉「……ともかく!こうして帰れる目処が着いたのも卯月達のお陰だし、ドコにだって着いていくよ!」
卯月「ありがとうございます。それじゃあ…」
手近な空間をトマホークで切り付け、次元に裂け目を作る。
卯月「こっちです。行きましょう?」
美波「…思ってたけど、そんなお手軽なんだ」
凛 「真ドラゴンがいなくなれば、この空間もなくなる。だから急いで」
莉嘉「わ、分かった…!」
急かされ、慌てた動作で真ドラゴンに続いて亜空間を飛び出す。その先には、
莉嘉「ぅあ──!」
かな子「これは、ゲッター…?」
美波「…なんて、巨大な…!」
ゲッターアークの眼前に広がったのは広大な宇宙、その宇宙をも覆い尽くさんばかりに点在している、無数のゲッターを模した巨大戦艦だった。
凛 「遥か宇宙で戦うゲッター艦隊。その一部だよ」
かな子「一部、ですか?これが…」
未央「今は”ある目的”で本隊からも離れてる分艦隊だし。規模もそれなりなんじゃないかな?」
美波「主力艦隊ですらないなんて…」
凛 「私達がこの宇宙空間に留まってるのもマズイ。早く旗艦に合流しよう」
卯月「はい。そうですね」
莉嘉「宇宙にいるのもマズイの?」
凛 「ま、ここは私達からしたら遥か未来の宇宙だからね」
かな子「遥か未来の、宇宙…」
美波「ゲッターが進化して、人類を地球から遥か遠くにした外宇宙で、未来の人達は一体何を…」
未央「そんなの決まってるじゃん。戦いさ」
美波「!? 戦い…」
卯月「こっちです。旗艦の方からゲッターロボが出撃するみたいですから、ぶつからないように注意して下さいね」
莉嘉「あれが未来のゲッターロボ…?」
艦隊中央の旗艦と思われるゲッター戦艦からさながら流星群の輝きのように、無数のゲッターロボが出撃していく。
莉嘉「…ん?あれって…」
その中に、
莉嘉・美波・かな子「「「ゲッターアーク!?」」」
莉嘉「…!」
拓馬「あン?」
美波「……」
カムイ「……」
かな子「っ…!?」
獏 「何だ!?」
偶然か、2体のゲッターアークがすれ違う。
莉嘉「今のは…」
凛 「私達の目的はこっちだよ、莉嘉」
莉嘉「で、でも…!」
卯月「それも含めて、説明できると思いますから」
莉嘉「……」
美波「卯月ちゃん達は、あんまりビックリしてないみたいね」
かな子「はい。兎に角今は卯月ちゃん達からはぐれるわけには行かないみたいですね」
──。
~~~ ゲッター戦艦 内部 ~~~
美波「…ここが、第一艦橋?」
莉嘉「中も広~いっ!」
かな子「……人が」
男 「おぉ、来たか!待っていたぞ」
こちらを認め、近づいてくる男に、未央は近寄っていく。
未央「やーやーお待たせ。むさっちん!」
莉嘉「むさっちん?」
男 「はははっ!むさっちんはやめてくれ。これでも今は、ここで艦長を任されているんだぞ?」
未央「知ってる知ってる。頑張ってるんでしょ?むさっちん」
男 「…まったく」
かな子「お2人は知り合いなんですか?」
未央「ん、いや?」
かな子「いやって…」
男 「しかし、ゲッターと言う因果で結ばれた関係と言えば、まったくの他人と言うわけでもないだろう」
美波「貴方は…」
男 「俺の名は巴武蔵。元は正真正銘、ゲッター3のパイロットだった男さ」
美波「正真正銘…?」
卯月「武蔵さんごめんなさい。いきなり押し掛けちゃって。…迷惑でしたよね」
武蔵「わはははっ!気にするな。お前達がここを訪れるであろうことは、ゲッターエンペラーの意思も含め、既に予見されていた」
莉嘉「私達がここに来るって、予め知ってたの?」
武蔵「うむ。時空のシステムは解明されているからな。時空を越えようとすれば、特殊なエネルギーが働く。それさえ分かれば、何が起こるかくらい計算できる」
莉嘉「何か、スゴ…」
武蔵「それで、お前達がここを訪ねたわけだが…」
卯月「はい。私達の方で説明しても良かったんですけど…」
武蔵「お前達には荷が重すぎただろう。まぁ、ここは先輩に任せておけ」
卯月「お願いします」
美波「…一体何の話を」
武蔵「折角だ。順を追って話そう。こちらも先程、すべきをことを終えて手が空いたところなんでな」
かな子「すべきこと…?」
莉嘉「もしかして、さっきのゲッターアーク…!」
武蔵「ほほぅ、流石に勘がいいな。しかし、彼らの戦いは彼らのものだ。今は、お前達の話をしようじゃないか」
莉嘉「アタシ達の…?」
武蔵「気にしたことはないか?何故一介のアイドルに過ぎない自分達が、違和感なく戦うことが出来ているのかを」
かな子「…それは」
武蔵「ゲッター線適正、君達の世界ではそう言っているのだったな。ゲッターを操るのに必要な、類稀なゲッター線への親和性…。ならば何故それが、お前達アイドルに備わったのか」
美波「…理由が、あるんですか?」
武蔵「ある!」
美波「!」
武蔵「話は過去に遡る…。およそ2500年程前、この戦いの発端…。全てはそこに起因している」
かな子「2500年前…!?」
莉嘉「うへぇ~、想像も出来ない!もうリカが知ってる人類の歴史なんか、軽く越えちゃってるんだ」
武蔵「お前達が暮らしている、もっと先の未来の話ではある。お前達からすれば、もっと世代を重ねた後だ。人類は太陽系を離れ宇宙に進出し、そこに新天地を求めた。しかし、それが新たな敵との戦いの歴史の始まりでもあったのだ」
美波「広大な宇宙…。人類と同じように知性を持った存在がいても可笑しくはないけど…」
武蔵「奴等は、その広大な宇宙をも自らの手中に収めようと、多くの星を荒らし回っていた。宇宙に出てその生息圏を拡大させ始めたばかりの人類など、奴等にとっては邪魔者でしかなかったのだ」
かな子「そうして戦い始めたのが、2500年前、何ですか?」
武蔵「うむ。奴等の力はあまりに強大で、人類は一度滅亡寸前まで追いやられた。ゲッターエンペラーの存在がなければ、人類に未来はなかったかもしれん」
かな子「ゲッターエンペラー…。卯月ちゃん達も言ってたけど、それほどの力を持ったゲッターなんですか」
武蔵「そうとも。今我々が攻勢に転じていられるのも、ゲッターエンペラーの圧倒的な力があってこそだ」
凛 「けど、ゲッターエンペラーの力は、圧倒的過ぎた」
美波「どう言うこと?」
武蔵「第一次オリオン大戦と呼ばれる戦いを乗り越え、続く第二次、第三次大戦をも我らが制した時、己の敗北を悟った奴等は最後の手段に出たのだ」
莉嘉「最後の手段?」
未央「どーしても勝てない、って相手に出会した時、リカならどうする?」
莉嘉「それは……絶対負けないように努力するよ。その相手よりもっと強くなる!」
未央「…そだね。けど、自分の限界を感じたとして、それでも、どんな手段を使っても勝つとしたら?」
莉嘉「どんな手段でも?」
美波「……まさか」
武蔵「そう、連中が講じた最後の策。それは時空を飛び越え、過去に遡り、ゲッターの起源を絶つことだった」
かな子「ゲッターの起源を…!?過去に遡るなんて…!」
美波「仮にタイムスリップして過去を変えても、それは異なるパラレル・ワールドを生み出すだけなんじゃ…」
武蔵「お嬢ちゃんの言う通り。だが、我々が解明した時空と空間のシステムによれば、過去を変えることによって現在に与えられる影響が、まったくゼロではないと言うことも計算で分かっている」
美波「そんな…!」
武蔵「だが、それはあまりにもリスクの大きい、即ち賭けだった。科学的な知識を持つ文明であれば決して触れぬ悪魔の領域…」
莉嘉「でも、相手は手段を選ばなかった…?」
武蔵「あぁ。エンペラーに追い詰められる中、時空を破り兵器を送り込んだのだ。それも1つや2つではなくな」
かな子「一度に複数の戦力を、過去へ送ろうとした、んですか?」
武蔵「それもある。しかし、時空間への挑戦は敵にとっても最後の博打。その成功率を少しでも高めたかったのだろう」
莉嘉「下手な鉄砲も何とやら、だ」
武蔵「そして、イレギュラーは起こった」
美波「イレギュラー?」
武蔵「時空の裂け目から過去へと送られる筈の兵器の1つが、空間の歪みに呑まれ、想定した時間軸から遠く離れた、最早異世界とも呼ぶべき遥か遠き宇宙に漂着してしまったのだ」
莉嘉「遥か遠き宇宙って?」
武蔵「それこそはゲッターエンペラーの力も及ばぬ宇宙。ゲッター線と言う概念を持たぬ世界であった」
かな子「ゲッター線の概念がない世界…!?」
武蔵「先ほどのパラレル・ワールドに通ずる話だ。多元宇宙……宇宙には自分達が知覚している宇宙以外に、様々な可能性の分岐によって無数に存在しているとする話だ」
武蔵「多元宇宙の可能性は様々で、全ての宇宙が深く、密接に関わっているわけではない。1人の存在の有無、1つの要素の存在で、その有り様は変わるのだ。故に、ゲッターに関わる宇宙が無数にあるように、ゲッターが存在しない宇宙も、同じ数だけ存在している」
莉嘉「ふぇ~…」
美波「でも、ゲッターの概念を持たないってことは、その世界は…」
武蔵「ゲッターが存在していようと存在していまいと、兵器を送り込んだ敵の目的は同じ。人類の抹殺と、地球の壊滅。奴等が辿り着いた宇宙にも、当然地球は存在していた」
武蔵「本来であれば戦いも闘争とも無関係の異世界…。我々とも関係を持たない宇宙だったが、その為に滅びゆくのを、エンペラーはよしとはしなかった」
莉嘉「けど、ゲッターエンペラーでもその宇宙には干渉出来ないんでしょ?一体どうやって…」
武蔵「直線干渉することは出来んが、奴等の後を追い、力を送り込んだ。つまり、ゲッター線の存在しない宇宙に、ゲッター線を誕生させる事は出来たのだ」
美波「成る程。ゲッター線は人類が発見したエネルギー。その宇宙にも人類がいるとすれば、いずれはゲッター線を発見することも出来る」
武蔵「そう。そして我々の目論見通り、その宇宙の人類もゲッター線を発見した。我々と異なる時間、歴史を掛けてな」
かな子「ちょっと待って下さい。その話を私達にするって事は、その元々ゲッターが存在しなかった宇宙は…」
武蔵「君達の宇宙だ」
莉嘉・かな子「「!!」」
かな子「私達の、宇宙…!?それじゃあ…!」
莉嘉「アタシ達の宇宙には、元々ゲッター線なんかなかった…?」
武蔵「ゲッター線だけではない。本来、存在する筈のないものを強引な手段で存在させる…。それがたった1つの構成要素だったとしても、それだけで宇宙の有り様は著しく変容する。言ってしまえば、世界を改変させてしまったのだからな」
かな子「そ、それじゃあ、恐竜帝国とか、百鬼帝国なんかも…」
武蔵「我々の世界改変の影響に他ならない。本来の君達の宇宙は、争い事とは無縁の、穏やかで静かな宇宙だったのだからな」
かな子「そんな…」
莉嘉「その、世界改変の影響で、アタシ達がパイロットに?」
武蔵「うむ。それぞれの多元宇宙には、そこに生きる人々が果たすべき宿命……因果とでも呼ぶべきモノが存在している。お前達は自分がアイドルになると言う事実に、何の疑問も感じてはいなかっただろうが、それがお前達が自分の宇宙で果たすべき宿命、因果だったからなのだ」
美波「私達の、因果…」
武蔵「もちろん、それぞれがアイドルにならない可能性も存在してはいる。多くの場合で、お前達は様々な理由でアイドルになるのだろう。それと同じように、ゲッターの戦いはその宿命を追うべき者達に因果が与えられる筈だった。俺や流竜馬、神隼人と言う名前に、どこか覚えがあるだろう?」
莉嘉「流竜馬……神隼人って…」
美波「私達が飛び込んだ、異世界でゲッターチームだってリン司令が言ってた…」
莉嘉「それじゃあ…!」
武蔵「お前達が訪れたあの異世界は、君達の世界が誕生したことでまた分岐して発生した多元宇宙の1つだ。ゲッターが引き起こす悲劇と厄災…。その側面が肥大化された、な」
卯月「だから、私達が出会った、もう1人の私は、私のもう1つの可能性なんですね」
武蔵「そう言うことだ。そして、あの世界で悲劇が起こった一因は、あの世界のアイドル達がゲッターの因果を負っていなかったことにある」
莉嘉「ゲッターの因果?」
武蔵「お前達の世界にゲッター線が生まれるのと同時、引き起こされた世界改変によって因果関係に齟齬が生じ、本来定められた者達が負うべきゲッターの因果が、まったく異なる者達へと受け継がれたのだ」
卯月「それが、私達…」
武蔵「ゲッターに選ばれし者、ゲッターと共に戦い続ける宿命付けられし者・流竜馬の因果をお前、島村卯月が。ゲッターを追う者、ゲッターに魅入られし者・神隼人の因果を、渋谷凛が」
凛 「ん」
武蔵「そしてこの俺。チーム1クールでナイスガイ、伝説の男・巴武蔵様の因果を…」
未央「この宇宙一の天才美少女・本田未央ちゃんが受け継いじゃったって訳!」
武蔵「ま、未央ちゃんの場合は俺だけと言うよりか、色々不幸なもんを背負い込んじまった気もするがな」 ガッハハハハッ
未央「まったく、最低な人生になったモンだ!」
美波「私達が、別の人が背負う筈だった因果を…」
かな子「と言うことは、私達も…」
武蔵「そうだ。さっきもう1機のゲッターアークとすれ違った時、何か因縁めいたモノを感じただろう?それが、お前達がアークチームの因果を背負っている証拠だ」
莉嘉「本当のアークチームの、因果…」
武蔵「尤も、アークチームは構成的にちょいと特殊でな。お前達に継がれた因果は、お前達の中でも変質して、特異なものになっちまってる。…ともかくだ!」
アイドル一同「「「?」」」
武蔵「こうなってしまった以上は言い訳になってしまうが、ここまでの世界改変は、エンペラーにもまったく予測出来なかったのだ。だがその結果、本来戦う宿命にない君達を戦いに駆り立ててしまった。本来その運命になかった、死ぬ必要のない者達を死に追いやってしまった事も、我々にも責任の一端はあるだろう」
武蔵「この俺が頭を下げてどうなる問題でもないが、すまなかった」
莉嘉「……」
かな子「……」
美波「……。卯月ちゃん達は、この事を?」
卯月「はい。私達は、真ゲッタードラゴンを目覚めさせた時、その中で全てを知りました」
美波「そう。……」
莉嘉「頭を上げてよ。武蔵!」
武蔵「……」
莉嘉「確かに、ゲッターに関わったことで、悲しいことも、辛いこともあったけど、そもそもゲッターエンペラーが私達の宇宙にゲッターを与えてくれなかったら、今ここにアタシはいないんだから」
武蔵「そう言ってくれるか?」
莉嘉「言うよ。寧ろ感謝してる。きっと武蔵さん達の宇宙にアタシがいたら、何も出来なくてもっと悔しい思いをしてたんだ。けど、ゲッターが力を貸してくれる、ここにいる城ヶ崎莉嘉は、自分の力で未来を拓けたんだよ。だから、すまなかったなんて止めてよ☆」
武蔵「莉嘉ちゃん…」
卯月「莉嘉ちゃんだけじゃありません。私達もです」
凛 「泣いても笑っても、結果は変わらないでしょ?ゲッターエンペラーは私達にチャンスをくれたんだ。自分達で未来を築くチャンスを」
未央「アイドルだけやってれば、確かに幸せだっただろうし、本当はその姿が正しいんだろうけど、本当の私達が出来ないことを出来てるって言うのは、ちょっとお得かな?」
美波「ずっと疑問でした。疑問を抱えて、開き直って…。でも今日、こうやって部分的でも真実を知ることが出来て、今は納得してます。後は、自分の力で生き残るだけ!」
かな子「責任なんて感じないで下さい。途方もない戦いの中で、手を差し伸べてもらっただけでも、ありがたいんですから」
武蔵「お前達……ありがとう」
莉嘉「あ、むさっちん泣いてるー!」
武蔵「ち、違うわぃ!目にごみが入ったんじゃぃ!と言うか、お前までむさっちん!」
莉嘉「えー、いいじゃんむさっちん。可愛いよ?」
武蔵「か、可愛い…?」
かな子「スゴいんですよ?未央ちゃんにあだ名をつけてもらえるの。未央ちゃんの握手会に来た人くらいなんですから」
武蔵「それは本当にスゴいのか?」
美波「ふふふっ。本当に、今日は有り難う御座いました!」
武蔵「…へっ、いいって事よ。頭を下げといてこう言っちゃ何だが、エンペラーはお前達に期待している」
莉嘉「え?」
武蔵「経緯こそまったくの事故であったが、その結果、そちらの宇宙のゲッターは我々が知るものとは異なる歴史を紡ぎ、我々とも違う未来を導きつつある。特に、恐竜帝国との関係についてなど、興味深いことが次々に起こっている」
莉嘉「恐竜帝国と?」
武蔵「宇宙とは広大だが、2つ以上の知性体が共生することなど出来ん。同じ知能と価値観を持っていても、種族と言う絶対的な確執がある以上、争いは避けられん。それが、我々の出した結論だ」
卯月「……」
武蔵「しかし、お前達は恐竜帝国と肩を並べて戦い、共に新たな歴史を刻もうとしている。これは我々の中にはなかった、まったくの新しい可能性、異なる進化の可能性なのだ!」
美波「異なる、進化の可能性…」
武蔵「お前達ならばエンペラーとは異なる進化を…。いや、ひょっとしたらその先でさえも…」
凛 「武蔵さん、ストップ」
武蔵「ん?ふふっ、そうだな。そこから先は、まだ誰にも到達できぬ未知の領域…。想像で語るのは無粋か」
未央「それじゃあ、私達はそろそろ帰るよ。自分達の宇宙に!」
武蔵「あぁ。そっちの世界の俺にも、ヨロシクな」
未央「こっちの世界の……確か、柔道界で重鎮やってるんだっけ?前にゆかちーが言ってた」
武蔵「ゲッターとは関わらない可能性、か…。そんなもの今の俺には想像出来んが、重鎮と呼ばれるのなら悪くないかもしれんな。隼人辺りは、刺激がないんで退屈してそうだが」
卯月「それでは…」
武蔵「おうっ!もう会うこともないだろうが、達者でな!」
──。
~~~ 戻って、亜空間 ~~~
莉嘉「何か、面白い人だったね」
美波「ね。未央ちゃんが因果を負ってるって言うの、何か分かるかも」
未央「何を~!この美少女のドコにあのむさっちんみたいな駄肉があるって言うんだい?!」
凛 「…その胸じゃない?」
未央「あー、しぶりんってば、私のダイナマイトボディに嫉妬していじめる~」
凛 「ダイナマイトでもないでしょ」
卯月「あっはははっ!2人とも、喧嘩はダメですよ?」
莉嘉「何か、ニュージェネレーション完全復活って感じだね?」
かな子「そうですね。3人がまた揃うまで、何だかスゴく時間が掛かったみたいで…」
美波「もう、私達の戦いは終わった訳じゃないのよ?気は引き締めなくちゃ!」
莉嘉「そうだよね。さっきの話を聞く限り、まだアタシ達の宇宙を帰る切っ掛けになった兵器も、宇宙の何処かに残ってるってことでしょ?」
卯月「それなら心配要りませんよ」
莉嘉「え?まさかそれも真ドラゴン的超絶千里眼で分かっちゃうの?」
卯月「そ、そう言う訳じゃないですけど…」
凛 「その兵器は、インベーダーが持ってる」
かな子「え!?」
未央「と言うよりも逆だね。私達の宇宙のインベーダーは、その兵器が生んだんだ。ゲッター線を利用している人類、その母星である地球を手っ取り早く見つける為の尖兵としてね」
美波「それじゃあ、インベーダーとの決戦で…」
凛 「間違いなく、連中は切り札として使ってくるだろうね」
莉嘉「望むところじゃん!ガツン、とケリ着けて終わらせてやろうよ!アタシ達の世界の戦いを!」
凛 (この戦いを終えても、全ての戦いが終わる訳じゃないと思うけど…)
未央(何てたって、しまむーが背負ってる因果が、ゲッターと戦い続ける、流竜馬の…)
卯月「莉嘉ちゃんの言う通りです!まずはインベーダーとの決戦!その為にも早く帰りましょう!」
卯月・莉嘉「「私達の宇宙へ!!」」
つづく
予告
インベーダーの決戦を目前に控えた卯月達。彼女達に与えられたのは、束の間の休息だった。
やっとの思いで帰還した故郷で思い思いの時を過ごす、アイドル達。
そして決戦への旅立ちを控えた前夜、これまでの戦いと、これからの決戦に万感の想いを込めて、少女達はステージの上へ──。
次回、最終章・前編
『Step on Stage!!』