ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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前回に今回と、妙にドラマパート重視で何かシリアスです。二次創作だし、もっと軽いノリで書きたいんだけどなー。
後今回無駄に長いです。


第2話『決意!戦いの渦へ!!』

~~~ プロダクションビル レッスンルーム ~~~

 

トレーナー「1、2、3、4、5、6、7、8!1、2、3、4、5、6、7、8!……」

 

トレーナー「……。そこまで!」

 

響子「はぁ……はぁ……はぁ……」

美穂「はぁ…はぁ……。ふぅ……」

卯月「……」

トレーナー「島村どうした?動きが固いぞ」

卯月「すいません!」

トレーナー「挙動が迷いがちだ。考え事をしながらレッスンには臨んでほしくないな」

卯月「は、はい……」

トレーナー「悩みがあるなら、プロデューサーや五十嵐達を頼れ。その為のチームだろう?」

卯月「そんな…悩みなんて……。私は━━」

トレーナー「……。今日のレッスンはここまでだな。各自、ストレッチを忘れるなよ」

響子&美穂「「はい!お疲れ様です!!」」

卯月「……お疲れ様です…」

 

━━━━━ 談話室。

 

卯月「今日はごめんなさい。私のせいで、レッスン中止になっちゃって…」

響子「そんなの気にしなくていいんですよ!誰にだって調子悪い時くらいありますから」

卯月「そうかもしれませんけど…」

響子「それよりも、どうします?思いがけなく時間空いちゃいましたけど?」

美穂「……」

響子「ほら、美穂ちゃんも!」

美穂「あ…ご、ごめん……!ちょっとぼんやりしちゃってて…」

響子「もう、卯月ちゃんも美穂ちゃんも…。二人揃ってぼんやりしちゃって。…それじゃあどうです?カラオケとか!ボイスレッスンも出来ませんでしたし」

美穂「う、うん…!いいんじゃないかな?」

卯月「私も、良いと思います」

響子「よし、それじゃあ行きましょう?パァーっと歌って、悩みも全部吹っ飛ばしちゃいましょう!」

卯月「は、はい……!分かりましたから落ち着いて、手を引っ張らないで下さい…!」

卯月(響子ちゃん、私達に気を遣って……)

 

卯月(それなのに、私は━━)

 

━━━━━ 昨夜。戦闘終了後。

 

プシュゥゥゥ…

 

ネオゲッター1のキャノピーが開く。

 

凛 『……』

卯月『凛ちゃん!』

凛 『来ないで!』

卯月『えっ!?』

凛 『こっちは、卯月の居ていい場所じゃない』

卯月『でも…!私……!』

凛 『……』

凛 『今、私が居る場所は、卯月には何の関係もない場所だから』

凛 『卯月には平和で、幸せなアイドルのステージの上が、一番似合ってるよ』

卯月『それは、凛ちゃんだって同じです!凛ちゃんだって、アイドルじゃないですか!私と同じ……!』

凛 『卯月…。……』

凛 『違う』

卯月『え?』

凛 『私と卯月は違うよ。何もかも、決定的に』

卯月『そんな…!な、何が違うって言うんです!?』

凛 『私は、ゲッターに乗ってる』

卯月『っ…!』

凛 『私は、アイドルとしてステージに立つことよりも、ゲッターに乗ることを選んだ。卯月は…その逆』

卯月『それは…!……』

凛 『私は、みんなを笑顔にしたいって、アイドルの世界に戻った卯月を、こっちに戻すような真似はしたくない。今は、奈緒も加蓮も、新しい仲間がいてくれるしね。だから━━』

 

凛 『今の私達には、卯月は必要じゃない』

 

卯月『凛ちゃん……』

 

━━━━━現在。

 

卯月(凛ちゃんはああ言ってたし、私も、アイドルとして活動することは大切だって分かってます。だけど……)

響子「はい。次、卯月ちゃんの番ですよ?」つマイク

卯月「響子ちゃん…。ありがとう」

卯月(アイドルとしての私…。パイロットの私……)

卯月(私は……)

 

━━━━━しばらくして、街中。

 

響子「楽しかったですね!また、みんなで来ましょう?」

美穂「うん…!私も、少し気分転換になったかな?」

卯月「そうですね…。是非、またみんなで……」

美穂「……」

響子(卯月ちゃん…。やっぱりまだちょっぴり引き摺ってるのかな……?)

 

「あら?━━もしかして……」

 

卯月「━━え?」

美波「やっぱり卯月ちゃん!」

卯月「美波さん!?どうしてここに…じゃなくて、お久し振りです…!」

美波「相変わらずね。それで、こっちの二人が……」

響子「い、五十嵐響子です…!」

美穂「こ、小日向美穂です…っ!」

美波「確か…今一緒にユニットを組んでる娘達よね?はじめまして、新田美波です」 ニコッ

響子「い、いえ…!ラブライカとしてのご活躍は予々……(ほ、ホンモノだ~~~!)」

美波「ふふっ。今日は三人でお出掛け?メンバー同士仲が良いのね?」

卯月「そうなんです!えっと、美波さんは……?」

美波「私?私は、仕事の話をちょっと、ね。今終わったところだけど」

 

美波「あ、そうだ。卯月ちゃん、これから時間あるかしら?」

卯月「えぇ?確かに、今私達も帰るところですけど……」 チラッ

美穂「……あ、私達の事なら、気にしないで?久し振りに会ったんだし……」

響子「そうですね!積もる話もあるだろうし、どうぞ、お二人でごゆっくり!」

卯月「すみません…。ありがとうございます」

響子「そんな、気にしないでってば」

響子(私達より、ゲッターに乗ってた頃の卯月ちゃんを知ってる人方が、相談に乗ってくれそうだし…。ちょっとだけ悔しいけど)

美波「いい仲間を持ったわね。私からも、ありがとう」

美穂「そんな…、お礼されることなんて、何も……」

美波「いいのよ。単なる気持ちだから。それじゃ卯月ちゃん、行きましょう?」

卯月「は、はい…!それじゃ響子ちゃん、美穂ちゃん、また明日ね?」

響子「はい、お疲れ様です!」

美穂「うん。また、明日…」

 

~~~ 早乙女研究所 格納庫 ~~~

 

古田「大将!ゲットマシンの格納、完了しました!」

主任「よし、すぐに各部と変形機構のチェックだ。遅れると今夜も徹夜だぞ!」

古田「了解ッス!!」

 

凛 「……ふぅ」

奈緒「凛、お疲れ~」

凛 「お疲れ、二人とも」

加蓮「それじゃ、私達先に上がってるけど、良いよね?」

凛 「うん。今日の所はゆっくり休んで、明日に備えて」

奈緒「あいよ。お前もリーダーだからって、気負いしないで偶には息抜きしろよ?」

凛 「…そうだね。肝に命じておくよ」

奈緒「おう」

加蓮「流っ石奈緒。優し~」

奈緒「な、何だよ…。こんなとこで茶化すなっての」

加蓮「別に茶化してるつもりで言ってる訳じゃないって。本当にそう思ったから、そう言ってるだけだよ?」

奈緒「な…な、な……。……。さ、先に行ってるからな!…全く、もう……!」スタスタ

 

加蓮「ふふ…。耳まで真っ赤にしちゃって。カーワイー♪」

凛 「ほどほどにしてあげなよ。あぁいうのは、馴れてないから可愛いんだから」

加蓮「分かってるって。でもほら、奈緒ってばあんま自分に自信があるタイプじゃないから。もうちょっと自信持ってもいいと思うんだよね~」

凛 「でもホントは自信ない奈緒も可愛い?」

加蓮「もちっ♪」

凛 「…ほら、奈緒が行っちゃうよ」

加蓮「あーぁ、奈緒待ってー!歩くの早いよー」 タッタッ

 

凛 「……はぁ」

「よ、お疲れだねぇ?」

凛 「え━━?」

未央「リーダーやってる感想はどうだい?しぶりんっ」

凛 「未央…!…退院してたんだ?」

未央「つい、一昨日ね。忙しいと思って、しぶりんにもしまむーにも連絡はしなかったけど」

凛 「本音はサプライズしたくて?」

未央「もちっ♪」

凛 「……」

未央「おぅい、さっきの相方とは随分対応が違うんじゃないのかい!?」

凛 「そんな事ないよ。…取り敢えず、無事で良かった。本当に」

未央「あ、あぁ…。ごめん……。心配した?」

凛 「当たり前じゃん。ゲッターで自爆して、1年も入院して…。逆に心配しないと思う?」

未央「う゛……ごめんなさい」

凛 「別にいいよ。自爆したのは1年前で、退院したのは一昨日の事なんでしょ。なら、別に蒸し返すでもないし」

未央「はは…。あんがと。んじゃ、お許しついでに、これから時間ある?」

凛 「これから訓練の終了報告をしに。そのあとなら、別にいいけど?」

未央「うっし、了解!待ってるね」

凛 「…それじゃあ、また」

 

━━━━━。

 

未央「へぇ~~!これがネオゲッターか…。テレビで何度か見たけど、やっぱ現物は迫力が違うね?」

凛 「私は乗ってる側だからなんとも…」

未央「これが今の日本防衛の要、かぁ~」

凛 「そうだね。動力はゲッター線じゃなくて通常動力のプラズマエネルギー。サイズも、元のゲッターより一回り小さいけど、戦闘力は前のゲッターを軽く越えるよ」

未央「ほぉ~、そりゃすごい。ゲッター線を動力にしなかったのには訳が?」

凛 「詳しくは聞いてないけど、このゲッターを造る為に使った橘研究所の作業用ロボットの動力を、機体の完成を急がせる為にそのまま使ったんだって」

未央「橘研究所?」

凛 「うん。ここと技術協力してる、北海道にある宇宙開発研究所だよ」

未央「ふぅん」

凛 「結果的には、プラズマのお陰でエネルギーは安定してるし、適正もないから誰でも乗れる。それに、ゲッター自身がこのサイズなら、プラズマエネルギーでも十分だしね」

未央「成る程。恐竜帝国の残党を倒すだけなら、ちょうど良いって訳だ?」

凛 「まぁ、そんなとこ。…乗ってみる?」

未央「あー……。いや、遠慮しとく」

凛 「? どうして?」

未央「いやぁ~…あはは……。実は、ゲッターで自爆した影響と言いますか、少し後遺症が残ってまして」 ギュッ…

凛 「右腕……。酷いの?」

未央「大した事はないんだけどね。でも、ゲッター線を使ってないってことは、ネオゲッターの操縦って結構ピーキーなんじゃない?」

凛 「…そうだね。専用の耐Gスーツを着ないと、耐えれないレベルだし」

未央「でしょ?医者が言うには、あんまり力んだり、衝撃加えるのは良くないってさ」

凛 「それじゃ……」

未央「ネオゲッターの操縦は、ムリだね」

凛 「……ごめん」

未央「な~んでしぶりんが謝るのさ?」

凛 「だって、そんな後遺症まで背負って…。あの時の戦い、未央一人に背負わせなければ……」

未央「それは結果の話じゃん?先の事が分かって、行動する人間なんていないよ」

凛 「でも…」

未央「もう一つ、結果的に言えばしぶりん達がゲッターに乗らなかったお陰で、今こうしてネオゲッターチームは順調に機能してる」

未央「もししぶりんに何かあってたら、ネオゲッターチームもまた違う形になってたんだよ?」

凛 「それは…そうかもしれないけど」

未央「だーかーら!結果オーライだって。しぶりんの気にすることじゃないよ」

凛 「そうかな……」

未央「そーだよ!それに、さっきしぶりんも言ってたじゃん?1年前の事、今さら蒸し返してもしょうがないって」

未央「だから、1年前の事で謝るのはなし。これからを前向きに話していこうよ?」

凛 「うん…」

未央「それでよしっ」

凛 「……。そう言えば、さ」

未央「何?」

凛 「この前、卯月に会ったよ」

未央「……そーなんだ」

凛 「未央は、卯月がゲッターから降りたって言うのは?」

未央「聞いてはない。けど、アイドルとして活動再開したのは聞いてたから。もしかしたらってね」

凛 「…そっか」

未央「それで?しまむーと再会して、何話したの?」

凛 「話したことはないよ。ただ、もうこっちには戻ってきちゃダメって」

未央「成る程。アイドルの世界が、しまむーには一番似合ってるもんね~。いや、私もだけど」

凛 「うん。元々全く世界が違うんだから、こんな思いをするアイドルなんて、少ない方がいいよ」

未央「そうだね。でもさ……」

凛 「?」

未央「今居る場所から離れて、じっくり考えたくなる時だってあるよね?」

凛 「それは……」

未央「しまむーに戦ってほしくないってしぶりんの気持ちは分かるよ?だけど、一方的に相手の気持ちを否定するのは、間違ってるんじゃない?」

凛「……」

未央「しまむーがどう考えてるかなんてしまむー本人にしか分かんないけど」

未央「もししまむーがしぶりんに否定されても、それでも戻って来るとしたら…その時は、ね?」

凛 「うん……」

未央「うんうん。それじゃあそろそろしぶりんの仲間を紹介してよ♪」

 

~~~ 都内某所 喫茶店 ~~~

 

卯月「それで、その時に響子ちゃんが━━」

美波「ふふっ♪」

卯月「あ、すいません……。何か、私ばっかり喋っちゃって……」

美波「ううん。いいのよ、気にしないで?卯月ちゃんの話、もっと聞きたいな」

卯月「ほ、ホントですか……?」

美波「勿論。だって、そうやって話をしてる時の卯月ちゃんって、ホントに充実してて、すごく輝いているんだもの」

卯月「か…がやいて……ますか?私」

美波「えぇ!この1年間、私も忙しかったけど、その間卯月ちゃんは平和で満ち足りた毎日を送れてたんだなぁって」

卯月「そう、ですか……」

美波「? ごめんなさい…私何か……?」

卯月「い、いいえ!美波さんの言う通りなんです。言う通りだと、思うんです」

美波「卯月ちゃん?」

卯月「私、ゲッターから降りて1年…。プロダクションの人から、新しいプロデューサーの元でユニットでアイドル活動させてもらえて、私がアイドルに復帰したのをママもパパも友達も、みんな喜んでくれて…」

卯月「美穂ちゃんも響子ちゃんも、みんな良い子で、ピンク・チェック・スクールとしての活動のその一つ一つもまた1から始めていくんだって、どれも大切な思い出で…」

卯月「━━でも、何か違うんです。みんなでライヴをして、ステージの上で歌っても。グラビアの撮影で、カメラの前に立っても」

卯月「何だか、私一人が浮いてる感じで、今いる場所も、自分が本来いる場所じゃない、って。そんな気がして…」

卯月「ズレ…って言うんですか?私が見ている景色を、私が今歩んでる道を、こうして一緒に歩みたかったのは、もっと違う…別の人とだったんじゃないかなって……」

美波「……」

卯月「あ…。また、私一人で、変なこと話しちゃいましたね……。すいません……」

美波「ううん、ちっとも変なことなんかじゃない」

卯月「え……?」

美波「最後に卯月ちゃんが言った別の人って、凛ちゃんと未央ちゃんの事でしょ?」

卯月「……っ」

美波「分かるよ。ずっと一緒で『ニュージェネレーション』だったんだもの。楽しいことも、辛いことも一緒に乗り越えてきた、ね」

卯月「……」

美波「でもね、それは卯月ちゃんが拘ってるだけだと思うの」

卯月「拘る……?」

美波「うん。卯月ちゃんにも成し遂げたい夢や、思い描いた未来に…。だけど、今いる場所が卯月ちゃんの選んだ道で、今目の前にあることが現実だよ」

美波「卯月ちゃんはズレって言ったけど、それは単純に思う通りになってない現実を否定したいだけ」

卯月「それ、は……」

美波「それって美穂ちゃんと響子ちゃん、あの二人に失礼だと思わない?」

卯月「……」

美波「あの子達は、貴女にとって凛ちゃんや未央ちゃんの代わりでしかないの?」

卯月「それは違います!!」 ガタッ

 

客1「何…喧嘩……?」

客2「おい、あれって……」

客3「えっ、もしかしてアイドルの……」

 

ザワ… ザワ…

 

卯月「あ……」 ストン

美波「熱くなっちゃったわね…」

卯月「ごめんなさい……」

美波「私の方もごめんね?卯月ちゃんの気持ちを考えないで」

卯月「そんな事…。……」

美波「……」

卯月「……」

 

━━。

 

美波「あ、あのね…?実は私、今度映画の仕事が入ったの」

卯月「えっ!?ホントですか?」

美波「まだ正式に決まった訳じゃないけどね。ドキュメンタリーの映画に、出てみないかって。勿論、受けるつもり」

卯月「映画なんて、スゴいじゃないですか!頑張って下さい!公開したら、絶対見に行きますから!」

美波「ありがとう。演技なんてほとんど経験ないし、不安だけど、やっぱりチャレンジしてみたいって気持ちの方が強いから。……でもね」

卯月「? はい…?」

美波「撮影が結構ロングスケジュールみたいでその間は他のお仕事ができないのよ」

卯月「へぇ~、映画ですもんね。どのくらい掛かるんですか?」

美波「今日の最初の打ち合わせで聞いた話だと、1年くらい…?」

卯月「い、1年…!?」

美波「ドキュメンタリー映画だから…。撮影にもそれなりに期間が必要みたいなの。ひょっとしたら、もっと掛かるかも……」

卯月「で、でも…撮影がそんなに続いたら……」

美波「えぇ、体型維持とかの事もあるし、何より、不測の事態があったら怖いから…ゲッターは降りるつもり」

卯月「そんな簡単に…!?い、良いんですか……?」

美波「良いも何も、仕方ないじゃない?ちょっぴり悔しいけど」

美波「でも私は、私を必要としてくれる人のために、頑張りたいから!」

卯月「私を必要としてくれる人……」

美波「そう。アイドル新田美波として活動するのも、ゲッターのパイロット新田美波として活動するのも、私にはおんなじ。私を必要としてくれる人がいるから」

卯月「みなさんは、何て言ってるんですか?」

美波「勿論、みんな賛成してくれたわ。ただ、アーニャちゃんだけは少し寂しがってたけど」

卯月「そっかぁ…、ラブライカとしても活動出来なくなっちゃうんですね」

美波「えぇ…。だけど、応援してくれたアーニャちゃんの為にも、精一杯やらなくちゃ!」

卯月「どうして……どうして美波さんはそうやって一人で頑張れるんですか?」

美波「一人で?それは違うよ、卯月ちゃん」

美波「さっきも言った通り。私にはアーニャちゃんやみんな、勿論卯月ちゃんも。たくさんの仲間がいるから。そう言う仲間達と築いてきた思い出や経験が、私の背中を押してくれるの」

卯月「仲間との思い出や、経験……」

美波「そう。それが私に勇気をくれて、私を新しい世界に旅立たせてくれる」

卯月「新しい世界……?」

美波「うん。まだ私が知らない世界。それを知っている人達に出会わせてくれる世界。私に無限に可能性を教えてくれて、同時に困難や不可能を教えてくれる世界……」

美波「仲間がいるって言う現実が、私に自分の世界を広げるチャンスをくれるの」

卯月「スゴいな…美波さん……。私には、とても……」

美波「そんな…。特別なことじゃないわ。だから、私は卯月ちゃんに、卯月ちゃんの過ごした1年を、否定してほしくないの」

卯月「えっ?」

美波「卯月ちゃんにとって、今の環境は、思い描いてたものとズレてるのかもしれない。実感が持てないのかもしれない」

美波「だけど、卯月ちゃんの歩んだその1年は、色んな新しい人達と出会って、卯月ちゃんにはない価値観や物の見方を知って、間違いなく卯月ちゃんの世界を広げたんじゃない?」

卯月「あ……」

美波「ふふっ…。無駄なことなんかじゃないのよ。だから、この1年で新しく出来たお友達や新しく知り合った人達を大切にしてあげて?」

美波「卯月ちゃん自身で経験したことや、積み重なった思い出が、卯月ちゃんが何か大きな決意をする時、絶対に背中を押してくれる。大きな力になってくれる筈だから」

卯月「大きな、決意……」

美波「私が言いたかったのはそれだけ…かな?ごめんね?何か偉そうに語っちゃって」

卯月「い、いいえ…!美波さんの言う通りです!私、周りを見てなかったのかもしれません」

卯月「だから、自分が一人ぼっちな気になっていたのかもしれません」

美波「卯月ちゃんは一人じゃない。今の仲間は勿論、私だっているんだから」

卯月「あ……。そうですね。ありがとうございます」

美波「ううん、いいのよ。友達じゃない?私達」

卯月「はいっ!」

美波「ふふっ。━━あら、話し込んでたら、もうこんな時間…。そろそろ帰りましょうか?」

卯月「はい。何だか名残惜しいです」

美波「惜しむことなんてないじゃない。これからだって、何度だってお話しする機会はあるんだもの」

卯月「そうですよね!あの、改めてですけど…映画、頑張って下さい!応援してますから!仲間として、…お友達として!!」

美波「えぇ。新田美波、頑張ります♪」

 

~~~ 翌日 レッスンルーム ~~~

 

卯月(昨日は美波さんに出会えて、本当に良かったな…)

卯月(私の世界はまだまだ小さいかもしれないけど、だけど、今はこの世界で精一杯頑張らなくちゃ!)

卯月(だって私には、心強い仲間がいるんだもん!

 

ガチャッ バタン

 

卯月「おはようございますっ!美穂ちゃん、響子ちゃん!」

 

美穂「あ、卯月ちゃん…。おはよう」

響子「おはようございますっ♪卯月ちゃん」

 

トレーナー「お、島村。今日はいつも以上に良い表情をしてるじゃないか。これなら、昨日のような不安は心配しなくて良さそうだな」

卯月「はい!トレーナーさん、私、精一杯頑張ります!今日も明日も、明後日も!」

響子(良かった…。卯月ちゃん、吹っ切れたみたい)

トレーナー「よし、その意気だぞ島村。よし、今日は特別プログラムを組んでやる。五十嵐と小日向もしっかりついてくるんだぞ!」

響子&美穂「「は、はい!!」」

卯月「響子ちゃん、美穂ちゃん、3人で力を合わせて、頑張りましょうね!」

美穂「は、はい…!私も、足を引っ張らないように、しっかりついていきます!」

響子「気合い充分な卯月ちゃんに負けないように、お互いに頑張らなくちゃですね?」

卯月「頑張りなら、私だって負けてません!」

響子「私だって!」

美穂「わ、私も……!」

トレーナー「うんうん。モチベーションもバッチリなようだな。今日は有意義なレッスンになりそうだ」

トレーナー「それじゃあお前達、レッスンを始めるぞ!先ずは準備体操からだ!」

 

3人「「「はいっ!!」」」

 

━━━━━ 数時間後。

 

トレーナー「よし、休憩!」

 

響子「はぁ…はぁ……。お疲れ様です」

美穂「……ふぅ」

卯月「お二人とも、大丈夫ですか?」 つ水筒

響子「あ、有難うございます。卯月ちゃんは、何ともなさそうで、スゴいですね」

卯月「そんな事…。美穂ちゃんもお水…大丈夫?」

美穂「あ、ありがとうございます。頂きます…」

 

美波「卯月ちゃん♪」

 

卯月「美波さん…!今日はこっちに来てたんですか?」

美波「えぇ。今日は事務所で打ち合わせだったから。卯月ちゃん達はこれからお昼?」

卯月「あ、はい!ちょうど今休憩をもらったところです」

美波「そう。実は私もなのよ。良かったら一緒にどうかしら?」

卯月「良いですね!響子ちゃん達は…」

響子「ごめんなさい。まだ動けそうにないです…」

美穂「わ、私も…」

卯月「そうですよね…。あの……」

美波「私は構わないわよ。二人が回復するまで一緒に待ちましょう?」

卯月「良いんですか?」

美波「勿論。やっぱりご飯はみんなで食べた方が美味しいし、こうしていてもたくさんお話出来るもの」

卯月「あ、ありがとうございます!」

美穂「すいません…。私達のせいで…、お昼遅くしちゃって…」

美波「気にしないで?それに、動けない二人を残して行くって言うのも、気が引けるから」

 

ズズズズズ……

 

響子「━━きゃ…!」

美穂「じ、地震……?」

卯月「いいえ、多分違います…」

美波「この揺れ方は……」

 

━━━━━屋外。

 

メカザウルス『キシャオォォォン!!』

 

━━━━━。

 

響子「め、メカザウルス……!?」

卯月「こんな街中に出てくるなんて!」

美波「地中深くを掘り進んできたのよ!━━とにかく、二人を置いていかないで良かったみたいね」

卯月「そうですね!私達に掴まって下さい!!」

美穂「あ、ごめんね?卯月ちゃん…」

響子「その、よろしくお願いします…」

美波「しっかり掴まってて。建物が揺れたりするかもしれないから、お互いに壁を伝いながら、落ち着いて降りるわよ!」

3人「「「はいっ!!」」」

 

メカザウルス『キシャァァァアア!!』

 

美穂「ひっ……!あ、あの…!このままだと、避難が間に合わないんじゃ……!」

響子「私達の事は良いですから!卯月ちゃんと、美波さんだけでも…!」

卯月「そんな出来るわけないじゃないですか!」

美波「卯月ちゃんの言う通りよ!何が起こっても、最後まで諦めちゃダメ!助かるならみんな一緒に、でしょう?」

美穂「で、でも……」

 

メカザウルス『キシャァァァアア!!』

 

響子「メカザウルスが、こっちに……!」

美波「っ…!」

美波(もうあまり時間はない…。一体どうすれば……)

卯月「……!」

美波「卯月ちゃん!?」

卯月「諦めません!何があっても、絶対に!ここにいる全員に、生きててほしいから!みんなで、笑顔でいたいから!」

美穂「卯月ちゃん……」

 

メカザウルス『グオォォオオ!!』

 

美波(ダメ……!もう間に合わない…!━━)

 

美波「━━…え……?」

響子「見てください!窓の外!」

卯月「あれは……」

 

美波「ゲッターQ(クイーン)!?」

 

アーニャ『ミナミ!ウヅキ!大丈夫、ですか?』

 

美波「アーニャちゃん!どうして貴女が!?」

アーニャ『アー…ゲッターQの修理が終わって、その、обучение…訓練を、さっきまでしていて…』

卯月「そこに出撃命令が出たわけですか…」

アーニャ『Да。Хорошо…いい、タイミング…バッチリ、ですね』

美波「助けに来てくれたのは嬉しいけど…待って、このまま戦うつもり!?」

アーニャ『……。ネオゲッターの出撃には時間が掛かります。他のゲッターも、まだ万全じゃありません』

美波「だからって、ゲッターQ一機じゃ無理よ!」

アーニャ『心配要りません。ミナミとウヅキ、それに…ウヅキのお友だち。みんなワタシが守って見せます……!』

 

ゲッターQがメカザウルスに向き合う為、一歩前へ進み出る。

 

メカザウルス『キシャァァァアア!!』

 

ゲッターQを敵と認識したメカザウルスは、一気呵成にゲッターQへ襲い掛かる。

 

美波「アーニャちゃん!」

アーニャ『クッ……!』

 

前傾をとって放たれた体当たりを何とか受け止める。

 

アーニャ『ッ…ア゛ァ……!』

 

捕縛したメカザウルスの鳩尾に膝蹴りを一発。それで浮き上がった相手に両手を添えた掌底を打ち込み、再び距離を取るように突き飛ばす。

 

美穂「きゃ……っ!」

響子「スゴい揺れ……」

卯月「美波さん!アーニャちゃんが戦ってるうちに早く!」

美波「え、えぇ…。分かって…いるけど……!」

 

アーニャ『ゲッタービーム!!』

 

ゲッターQの腹部から放たれるピンクの閃光。真っ直ぐに倒れたメカザウルスに向かって伸び、直撃する。が、

 

メカザウルス『グゥ……』

 

メカザウルスの装甲は、ゲッターQのゲッタービームを弾き、尚も立ち上がる。

 

響子「ゲッタービームが効かないなんて……」

卯月「耐ゲッター線処理…。これじゃ、アーニャちゃんは……!」

 

アーニャ『……。ゲッタートマホーク!』

 

ゲッターQが静かにトマホークを構える。

 

美波「ダメ…!逃げて━━!」

 

アーニャ『ハァ…ッ!』

 

美波の叫びも虚しく、トマホークを大上段に掲げメカザウルスへと飛び掛かるゲッターQ。

 

━━ガキンッ

 

メカザウルス『グァ……?』

アーニャ『ウッ……』

 

ゲッターQのトマホークは、メカザウルスの肩口を少しだけ切り裂いて止まった。

 

アーニャ『ッ……!』

 

トマホークを引き抜こうと試みるが、メカザウルスの筋肉によって挟まれたトマホークはびくともしない。

 

メカザウルス『グガァアア!!』

アーニャ『ッ…ア゛…━━』

 

回転したメカザウルスの強烈な尻尾の一撃が、ゲッターQの胴体を打ち据える。

 

アーニャ『━━!!』

 

重力を無視して、水平方向に吹き飛ぶゲッターQ。その向かう先は、

 

卯月「美穂ちゃん、響子ちゃん危な…━━!」

 

卯月達のいる、プロダクションビルへと激突した。

 

美穂&響子「きゃあああああっ!!」」

 

激しい揺れと衝撃がその場にいた者達を襲う。

 

響子「━━…けほっ、けほっ……」

卯月「二人とも、大丈夫ですか?」

美穂「卯月ちゃん…!私達を庇って……?」

響子「こ、これ……血が…卯月ちゃんの血が……!」

卯月「私は大丈夫ですから。お二人に、お怪我はないですか?」

響子「う、うん…。お陰で…ありがとう……」

卯月「いえいえ。間に合って良かったです。後少し遅かったら、崩れた足場と一緒に、地面に落ちてましたから…」

美穂「あ、あぁ……」

卯月「怖かったですよね。…美波ちゃんは……」

 

美波「アーニャちゃん!?しっかりして、アーニャちゃん!」

 

ゲッターQコックピットを覗き込む。

 

アーニャ「……」

美波「アーニャちゃん…!……」

卯月「美波さん!」

美波「卯月ちゃん…」

卯月「アーニャちゃんは……?」

美波「怪我をして、気を失っているみたい」

卯月「それじゃあ、早く連れて逃げないと…!」

美波「……。卯月ちゃん、アーニャちゃんをお願い」

卯月「……み、美波さんは……?」

美波「私は…、みんなが避難する時間を稼ぐわ」

卯月「そんな…待って下さい!」

美波「どのみち、ここにゲッターがある以上、敵に狙われる。だったら、誰かが動かして、狙いを逸らさなきゃ」

 

メカザウルス『……』 ズシン…ズシン…

 

美波「時間もあまりないわ。卯月ちゃんも早くここから離れて!」

 

アーニャが使っていたヘルメットを被り直し、ゲッターQのコックピットに滑り込む。

 

卯月「美波さん…!」

アーニャ「うぅ…ミナミ……?」

 

━━━━━コックピット内。

 

メカザウルス『……』

美波「損傷は……酷いけど、動かない訳じゃない。ゲッタービームが通じないのだけ、厄介だけど……!」

 

崩れたビルから起き上がる動きと、飛び出す動作を同時に行い、メカザウルスにタックルを仕掛け押し倒す。

 

メカザウルス『グギャア!?』

美波「戦い様はある…!ネオゲッターチームが到着するまでの時間、稼がせてもらうわよ!」

 

~~~ 首都高速 道路上 ~~~

 

『あー、緊急車輌が通ります。一般の車輌は、速やかに退去せよ』

 

『従わない場合は、実力で排除する!一切の責任は負わない!繰り返す━━』

 

━━━━━ネオジャガー号 コックピット内。

 

奈緒「うわぁ……。相変わらず派手にやってるな、この輸送車輌。後で苦情とかこねぇのか?」

加蓮『非常事態なんだし、仕方ないんじゃない?』

奈緒「非常事態な…。ネオゲッターを運ぶ為とは言え、この車二車線占領するくらいデカいもんな」

加蓮『ま、何とかなるでしょ。中にはここに車捨てて避難してる迷惑な奴もいるんだしさ』

 

加蓮」『…はぁ……』

奈緒「? どうした加蓮?少し、顔色悪いか?」

加蓮『……そんな事ない。ちょっと最近、出動が多くなってうんざりしてるだけ』

奈緒「あ~、確かにそうだよなぁ。近々1年前みたいな攻勢があったりしてな?」

凛 『二人とも、お喋りはそこまで。そろそろ作戦区域だよ』

奈緒「了解!メカザウルスなんて、とっとと街から追い出してやる!」

加蓮『…了解』

奈緒「…おい、ホントに大丈夫か?もう出撃前だけど、無理はすんなよ?」

加蓮『大丈夫だよ。奈緒こそ、私の事心配し過ぎで、合体の時に失敗したりしないでよね』

奈緒「だ、誰がそんな事で失敗するかよ!」

 

未央『それじゃあ、かみやん、カレン、しぶりん聞こえる?』

 

凛 『未央…?オペレーターやってるの?』

未央『そ。研究所にいるんだし、このくらいの手伝いはね。それで、そろそろ発進シークエンスに入るけど、各機のスタンバイはOKかい?』

凛 『こっちは何時でも…、加蓮、ホントにやれるんだよね?』

加蓮『凛まで…。心配し過ぎ。私もネオベアー号も準備OK。何時でも出れるよ』

未央『どーすんの?一応、最終判断決めるのはしぶりんだけど?』

凛 『……。分かった。奈緒、ネオジャガー号は?」

奈緒「オールグリーン!何時でも出れるよ!」

凛 『了解。それじゃ、未央各機スタンバイ完了だよ』

未央『はいは~い。それじゃハッチを開けるよ!カタパルトが上がったらって、これは言わなくても大丈夫かな?』

 

輸送車輌の後部が開き、斜めにせり上がるように各ゲットマシンが姿を見せる。

 

奈緒「…よし……!」

 

加蓮「…はぁ……ふぅ……。…っ!」

 

凛 「……」

未央『それじゃリーダー?号令お願い♪』

凛 「分かってる。━━ネオゲッターチーム、発進!」

奈緒&加蓮「「発進!」」

 

エンジンに火が点き、3機のマシンが大空へ舞い上がる。

 

凛 「敵は……」

奈緒「確かゲッターQが足止めしてくれてるんだったっけ?」

凛 「ゲッターQの性能はそれほど高くない。早めに合流したいけど…」

加蓮「あそこじゃない?私らの事務所があるトコの近く。煙が上がってる」

奈緒「確かに、ありゃ戦闘の粉塵だ」

凛 「…いた。ゲッターQとメカザウルスだ」

未央『ネオイーグルのカメラから、メカザウルスのデータ照合出来たよ。データ送るね』

加蓮「メカザウルス・ギロか…」

凛 「ギロは確か、スピードに優れたメカザウルス…」

奈緒「それなら、アタシの出番だな」

凛 「ここは任せるよ。市街地での戦闘だから、気を付けて」

奈緒「おう!そんじゃ、行くぜ!」

 

ネオジャガー号が速度を上げ、後ろを2機が続く。

 

奈緒「ゲッターチェンジ!!」

 

加蓮「━━…うっ……!」

 

ネオジャガー号が先頭になり、赤い装甲を主体とするネオゲッター2へと合体した。

 

━━━━━。

 

美波「━━きゃあっ!」

 

ゲッターQが倒れ込む。

 

メカザウルス・ギロ『キシャァァア!!』

美波「くっ……!トマホーク……!」

 

ギロの振り下ろした爪の一撃を、辛うじてトマホークで受け止める。

 

ギロ『ギギ……!』

美波「うっ…!もう、ダメなの……?」

 

奈緒「ドリルアァァームッ!!」

 

ギロ『!? ギヤァ!』

 

右方向から飛び込んだ、ネオゲッター2のドリルがギロを吹き飛ばす。

 

美波「ネオゲッター2…!奈緒ちゃん!?」

奈緒「お待たせ美波さん!加勢するよ!」

凛 「奈緒、敵が起き上がるよ」

奈緒「あいよー!ネオゲッター2の力を見せてやる!」

 

奈緒「ドリルアームガン!」

ギロ『シャアッ!』

 

手指を収納したネオゲッター2の手首から放たれる光弾を、ギロは自慢の高速移動で掻い潜る。

 

奈緒「くっ、この…!当たれぇ!!」

 

熱が入ってマシンガンのように連射するが、数発がギロの表面を掠る程度で致命傷とはならない。

 

凛 「熱くなり過ぎだよ奈緒!一旦下がって!」

奈緒「って言ってもよぉ、何で一発も当たんないんだよ!」

加蓮「奈緒の射撃が下手何でしょ」

奈緒「加蓮、お前なぁ……」

凛 「敵が来る━━!」

奈緒「え?」

ギロ『グギャアッ!!』

 

加速を加えたギロの尻尾が、的確にネオゲッター2を打ち飛ばす。

 

加蓮「っ~~~!奈緒~!」

奈緒「痛たた…。悪い……」

凛 「…あの尻尾は厄介だね」

奈緒「射撃がダメなら接近戦だ!尻尾なんて切り落としてやる!」

 

奈緒「プラズマブレード!!」

 

ネオゲッター2が、腕の中から取り出したプラズマブレードを正眼に構える。

 

奈緒「勝負っ!」

ギロ『グァッ!!』

 

上段から振り下ろしたプラズマブレードを、ギロは正面から両腕の爪で対峙する。

 

奈緒「おいおい…、プラズマの刃を素手で受け止めるかよ?普通…」

ギロ『━━ギギャア!!』

奈緒「なんの!」

 

アッパーのように打ち出したギロの爪攻撃を上体を反らして躱し、がら空きになった脇腹をプラズマブレードで狙う。

 

ギロ『ギィッ!』

奈緒「にゃろっ!」

 

ギロは強引に体を捻って攻撃をいなし、反動で打ち出した蹴りをネオゲッター2に打ち込む。

ネオゲッター2もこれは回避。数歩引き下がって体勢を整え、着地したばかりのギロにプラズマブレードの切っ先を突き込む。

 

一進一退の攻防を数檄繰り返す。

 

凛 「奈緒、動きに無駄が多くなってきたよ!エネルギーの消耗が激しい」

加蓮「これじゃ埒が明かないね……」

奈緒「分かってるけど!こいつ、伊達にゲッター線対策の装甲着けてるだけあって想像以上に堅いぞ。ネオゲッター2じゃ、攻め手がない…!」

凛 「…こうなったら一か八か…、ネオゲッター1にチェンジしてプラズマサンダーの一撃で仕留めるしかないか…」

奈緒「それしかなさそうか…?頼む!」

加蓮「……了解」

凛 「敵の攻撃をオープンゲットで躱して、合体の時間を稼ぐよ。奈緒、タイミングは良いね?」

奈緒「うわ…ドキドキすんな……。おい」

 

ギロ『キシャァァア!!』

 

凛 「━━今だ!」

奈緒「オープンゲットォ!!」

 

力任せに突貫してきたギロをゲッターを分離させて巧みに躱す。が、

 

加蓮「う……!ぐっ…━━」

凛 「加蓮?」

 

加蓮が分離の衝撃に耐えきれなかった。

 

奈緒「加蓮っ!?」

 

空中で失速し、機首を落とすネオベアー号。

地面を滑るように墜落し、ビルに撃墜して土煙を生む。

 

奈緒「加蓮!!」

凛 「落ち着いて、奈緒!」

奈緒「凛!これが落ち着いてられっか!!」

凛 「気持ちは分かるけど!奈緒はここで敵の足止めをして。私が加蓮を見てくる」

奈緒「何でだよ…。逆の方が良いんじゃねぇのか?」

凛 「市街地での垂直離着陸には、それなりに技術がいるし、それに……」

凛 「加蓮を出撃させて大丈夫って判断したのは私だから。私にはその責任がある」

奈緒「……。分かったよ。話してる時間もないしな。加蓮の事、よろしく頼んだぞ」

凛 「うん、分かってる。それじゃここをよろしく」

奈緒「あぁ!凛にも加蓮にも、メカザウルスを近づけさせやしないって!」

凛 「信じてる。お願い!」

 

加蓮を追ってネオイーグル号を着陸させる為、高度を落としていく。

 

奈緒「信じてる、か…。それを言われたら頑張らないわけにはいかないな!覚悟しろよトカゲ野郎!!」

 

~~~ プロダクションビル 1Fフロア ~~~

 

トレーナー「島村、小日向、五十嵐!」

卯月「トレーナーさん!それに、プロデューサーさんも!」

新P「お前ら、無事だったか!」

響子「プロデューサーさんも……良かった……」

新P「こっちもお前らになにもなくて良かったぜ…。そいつは?」

アーニャ「……」

トレーナー「アナスタシア…。酷い怪我だな。直ぐに手当てをしないと!」

 

美穂「━━っ!…きゃあっ!」

 

凄まじい轟音が直ぐ近くから響き渡り、土煙がここまで流込む。

 

新P「っ……!何だってんだ!」

卯月「ゲットマシンが…墜ちた?」

響子「えっ…?それじゃあ、ゲッターは……?」

トレーナー「近くに墜落したのだとするとここも危ないな。急いで避難を!」

 

卯月「……」

 

新P「待て、島村」

卯月「プロデューサー…さん……」

新P「どこに行こうってんだ?避難シェルターはそっちじゃないぞ?」

美穂「卯月ちゃん……?」

卯月「……。皆さんは先に避難して下さい。私…行かなきゃいけないところが出来たんです」

響子「卯月ちゃん……!」

新P「やめろ。そこはお前の行く場所じゃねぇ」

卯月「そうかもしれません。でも、行かなきゃいけないんです!」

新P「どうしても行くのか?」

卯月「……はい」

新P「お前が"そっち"に戻るなら、俺はお前のプロデューサーを降りる。ピンク・チェック・スクールも解散だ。…そう言ってもか?」

美穂&響子「「!?」」

卯月「……」

響子「…じ、冗談ですよね……?プロデューサー……」

新P「……」

響子「…そんなぁ……」

新P「どうなんだ、島村?」

卯月「……響子ちゃん、美穂ちゃん」

美穂「卯月ちゃん……」

 

卯月「━━ごめんなさい」

 

振り返らず、駆け出していく。

 

響子「そんな…!卯月ちゃん!」

美穂「卯月ちゃん待ってぇ!」 ダッ

新P「小日向!?」

トレーナー「待つんだ!小日向!島村ぁ!!」

 

━━━━━。

 

卯月「は……っ、は……っ、は……っ!」

 

━━『私は、卯月ちゃんの過ごした1年を否定してほしくないの』

 

卯月「私━━!」

 

━━『この1年で新しく出来たお友達を大切にしてあげて?』

 

卯月「私は……!」

 

━━『卯月ちゃん自身で経験したことや、積み重なった思い出が、卯月ちゃんが何か大きな決意をする時、絶対に背中を押してくれる。大きな力になってくれる筈だから』

 

卯月「私は!」

 

ネオベアー号墜落地点。

 

卯月「はぁ…はぁ…はぁ…。……」

 

崩れた瓦礫を足場にコックピットへと駆け上がり、ハッチを開ける。

 

加蓮「……うっ」

卯月「大丈夫ですか!?」

加蓮「アンタは……。どうしてここに……?」

卯月「酷いケガ……。とりあえずコックピットから降ろします!動かないで下さいね」

加蓮「そっか…。アタシ、意識が遠くなって…、墜落したんだ……。情けないね」

卯月「そんな事ありません!私達の為に、立派に戦ってくれました!」

加蓮「アンタ……」

 

「卯月……?」

 

卯月「……凛ちゃん…」

凛 「どうして卯月がここにいるの?ここは危ないんだよ?早く避難しなきゃ…!」

卯月「お願いがあって、来ました」

凛 「……何?」

 

卯月「ゲッターに乗せて下さい」

 

凛 「っ……何を言ってるのか、分かってるの…?」

卯月「虫の良い話なんて言うのは、分かってます。自分からゲッターを降りて、今更なんて思うかもしれません。けど……」

卯月「ゲッターで、戦わせて下さい。その為にここに来ました」

凛 「っ……!何で…どうして!?今の卯月には、今の仲間だって、居場所だってある!ゲッターの操縦席が、卯月の居場所じゃないんだよ!?」

凛 「それなのに……、卯月は今の仲間を見捨てるつもり!?」

卯月「それは違います!見捨てません!その大切な仲間を守る為に行くんです!」

凛 「……。前にも言ったよね?こっちには、卯月の居場所はないって」

卯月「……はい、憶えてます。凛ちゃんの言うとおり、このゲッターに、凛ちゃんのチームに、私が入り込む余地なんて無いと思います。…でも、それでも」

 

卯月「私は、ゲッターから降りて、アイドルとして活動して…それを支えてくれた人達の為に、また戦います!!」

 

凛 「っ!…卯月……」

 

「卯月ちゃん!!」

 

卯月「……美穂ちゃん!?」

美穂「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……っ」

卯月「そんな…追い掛けて、来たんですか?危ないのに、どうして……!」

美穂「━━…れは、━……ま…から、だよ……!」

卯月「えっ?」

美穂「卯月ちゃんが、大切な仲間だからだよ!」

卯月「美穂ちゃん……!」

美穂「卯月ちゃんこそ、どうして…?一人にしないって言ったのに…。仲間だって、それなのに!」

美穂「私が、頼りないから?いつもみんなに頼ってばかりで、何も出来ないから…?」

美穂「イヤ…。イヤだよ……。置いていかれるのも、残されるのも……!」

卯月「美穂ちゃん!」

美穂「!?」

卯月「…一人になんて、させません」 ニコッ

美穂「卯…月、ちゃん……」

 

卯月「美穂ちゃんは、ゲッターから降りて、事務所に戻って来た時、私に一番最初に笑い掛けてくれた。それに、どんなときだって笑顔で、頑張ろうって言ってくれた」

 

美穂「……」

卯月「その笑顔があったから、また笑うことが出来たんです。私は、美穂ちゃんの笑顔に助けられたんです」

 

凛 「卯月……」

加蓮「完敗だね。これは」

 

美穂「……うぅ…グスッ……っく…。卯月ちゃん……!」

卯月「だから、今度は守らせて下さい。美穂ちゃんの笑顔と平和を!」

美穂「卯月ちゃん……。私は……」

 

美穂「卯月ちゃんには、遠くに行ってほしくない。辛い事とか、危ない事をしないでなんかしないで、一緒に逃げてほしい…」

 

美穂「━━だけど、言います!」

卯月「……はい!」

美穂「私達を…私達の街を……守って、下さい……!」

卯月「はいっ!!」

 

卯月「それじゃあ、この娘をお願いします」

美穂「は、はい…!大丈夫ですか…?」

加蓮「アタシは大丈夫じゃないけど…。アンタもよく言ったよ…普通友達に言えない。あんな事」

美穂「はい…。でも、帰ってきてくれるって、約束してくれましたから」

加蓮「そっか…、ちゃんと信頼してんだ……」

 

卯月「━━よし……!」

凛 「話はまとまった?」

卯月「凛ちゃん……あの…」

凛 「ほら、これ」

 

ポスン

 

卯月「これは……?」

凛 「1号機のヘルメット。3号機には私が乗る」

凛 「卯月には、1号機の方が似合ってるよ」

卯月「凛ちゃん…!ありがとうございますっ!!」

凛 「卯月の1年の意味…間近で見て分かったよ。一緒に行こう!」

卯月「はいっ!」

 

それぞれのマシンのコックピットへと収まり、2機のゲットマシンが瓦礫の中から大空へと飛び立つ。

 

美穂「━━行ってらっしゃい、卯月ちゃん」

 

━━━━━。

 

奈緒「チィ…!凛はまだかよ……っ!」

 

憤りを込めてミサイルを打ち込むがギロは巧みにそれを回避する。

 

美波「はぁああっ!!」

ギロ『グギャッ!?』

 

ギロが身を翻した場所へと先回りし、ゲッターQが組み付く。

 

奈緒「美波さん!?ゲッターQで無茶は!」

美波「無茶でも何でも…こいつを暴れさせるわけには…━━!?」

 

パワーの劣るゲッターQでは、直ぐに拘束を解かれ、投げ飛ばされる。

 

美波「きゃあああああ…!!?」

奈緒「美波さん!!…こいつ……!」

 

機首のバルカンを乱射しながら、ネオジャガー号を突撃させる。

 

奈緒「うぉおおおおお!!」

 

「奈緒、合体するよ!」

 

奈緒「この声……凛か!?」

 

ネオジャガー号の両サイドを2機のゲットマシンが上昇して通り抜ける。

 

奈緒「凛!加蓮は大丈夫だったんだな!?」

凛 「いや、加蓮は降ろしたよ」

奈緒「凛…?どうしてネオベアーのコックピットに……?そんじゃ、今ネオイーグルには誰が…!」

 

卯月「━━っ!」

 

美波「う、卯月ちゃん!?」

奈緒「どうしてアイツが……」

凛 「細かい説明は後でする!卯月は今パイロットスーツを着てないんだ!ゲットマシン状態じゃ、長くは保たない。早く合体するよ!」

奈緒「わ、分かった……!」

 

ネオジャガー号と、ネオベアー号が1列に直列する。

 

ギロ『グァァ…!』

美波「やらせないわよ!」

 

合体フォーメーションに入ったゲットマシンに攻撃を掛けようとするギロを、ゲッターQが阻止する。

 

美波「私だってまだ…!やれることがあるんだから!!」

 

凛 「奈緒、2号機と3号機を連結させたら、コントロールを私に」

奈緒「お、おう。その方がいいよな…」

 

順調にネオジャガー号とネオベアー号がドッキング。

 

奈緒「ゆ、ユーハブコントロール」

凛 「アイハブコントロール。卯月、今行く」

 

機体のコントロールを確認し、機首を勢いのまま上昇を続けるネオイーグル号へ。

 

凛 「卯月、聞こえる?機体を安定させて!」

卯月「~~~!!」

凛 「やっぱり無理か…マニュアルでやるしか……」

 

モニターにネオジャガー号からの映像を撮し、僅かに振動するネオイーグル号へ距離を詰める。

 

奈緒「ほ、本気かよ……?間でぺしゃんこは流石に勘弁だぜ…?」

凛 「━━━…っ!」

 

覚悟を決めて、僅かな振動の合間を縫って機体を連結させる。

 

奈緒「や、やった……!」

凛 「私に出来るのはここまで…。後は…、卯月!」

卯月(━━…ちぇ……んじ……)

 

精一杯の力を振り絞って、右腕を合体用レバーのへ。

 

卯月「ちぇ……チェェェエエンジゲッタァァァアアアーーーワァァァンッッ!!!」

 

強引にレバーを倒し、腹の奥から叫び、変形が始まる。

 

太陽の光の下、蒼い装甲を輝かせ、力強く!ネオゲッター1!

 

卯月「━━っぷっはぁ~~~~~!ようやく息が出来ます~!無事成功ですね?」

凛 「卯月もよく耐えたよ。大の男の人でも、まともに機体コントロール出来ないのに」

卯月「はい!正直内蔵が飛び出して顔が崩れるかと思っちゃいましたけど、何とかなりました!」

奈緒(何だ?その妙にリアルな例えは…)

卯月「あの…、私の顔、大丈夫ですか?ちゃんと島村卯月出来てますか?」

凛 「大丈夫。ちゃんとアイドルの、可愛い卯月の顔してるよ」

奈緒(そもそも致命的に傷残ってるけどな。化粧で隠してるらしいけど……)

卯月「え…えへへへ~♪そうですか?私、可愛いですか?」

奈緒「っておいおい、二人で乳繰り合うのは勝手だけどよ…。今、絶賛落ちてるぜ?アタシら」

卯月「えっ?」

 

ズシンッ

 

卯月「うぅ……。スゴい揺れ……」

 

上空から豪快に着地して、ギロと対峙する。

 

美波「卯月ちゃん…」

卯月「美波さん……。美波さんは退がっていて下さい!」

美波「…分かったわ。お願いね、卯月ちゃん」

卯月「はい!任せて下さい!」

 

ギロ『ギャォォォオン!!』

 

卯月「━━いきますっ!!」

 

ネオゲッター1の姿に咆声をあげたギロに合わせ、ネオゲッター1を突撃させる。

 

卯月「っ!」

ギロ『ギィヤッ!』

 

ネオゲッター1の放った右ストレートをヒラリと躱し、ギロは蹴りを放つ。

 

卯月「うっ…!」

奈緒「何やってんだ!?1年振りにゲッター動かす奴にいきなり実戦なんて無理だったんじゃないのか!?」

凛 「……。私は、卯月を信じることにした。奈緒も私の事を信じて」

奈緒「…ったく……」

ギロ『グギャア!!』

卯月「くっ……!」

 

蹴りで横倒しになったネオゲッター1に馬乗りになり、ギロは爪を立てた連撃を打ち込む。

 

卯月「っ! っ! ~~~!」

 

防戦一方のネオゲッター1。

 

美波「卯月ちゃん!」

卯月「大丈夫ですっ!!」

 

卯月(最初のゲッターに乗ってた頃と違う…。敵が大きくて、怖い……!━━だけど……!)

 

前傾したギロの頭部に思いっきり頭突きを打ち、怯んだ隙に蹴り上げ、ネオゲッター1の上から弾き飛ばして空かさず立ち上がる。

 

卯月「守る為に戦うって、決めたんです!もう何処へも逃げませんっ!」

ギロ『ギヤッ!』

 

起き上がったギロはグルグルとネオゲッター1の周囲を高速移動で周回し、動きを封じる。

 

卯月「これは……」

凛 「動きに惑わされないで。奴の攻撃は単調だよ」

卯月「分かってます!こういう時は━━!」

 

卯月「チェーンナックル!!」

 

チェーンナックルを明後日の方向へ。手の形を貫き手にして放ったチェーンナックルは、地面へと深く突き刺さり、ネオゲッターとの間に鎖を張る。

 

ギロ『ガッ━━!?』

 

張りつめた鎖に引っ掛かり、ギロが空中で盛大に一回転して地面へと転げ落ちる。

 

卯月「今です!」

 

動きを止めたチャンスを逃すことなく、ネオゲッター1でギロを捕縛。

 

ギロ『グガガ……!』

凛 「卯月、そいつの尻尾が一番厄介だ」

卯月「尻尾ですね!分かりました!」

 

ダンッ

 

ギロ『グギャァァァア!!?』

 

ネオゲッター1の手刀で、ギロの尻尾を叩き切る。

 

ギロ『ギ…ギギ……』

 

大事な尻尾を失い、バランスが取れず、ヨレヨレとした動きでネオゲッター1から距離をとろうとする。

 

奈緒「アイツ、上手く動けないのか!」

凛 「トドメを刺すなら今だね…。奈緒!」

奈緒「お、おう!ネオベアーと、ネオジャガーのエネルギーをネオイーグルに送るぞ!」

凛 「卯月、使い方は……」

卯月「大丈夫です!先ずは…こう!」

 

自分の胸の前に、操縦桿を突き合わせるように持っていき、ネオゲッター1の手を打ち合わせる。

 

卯月「そして……」

 

少しずつ腕を開いていき、手と手の間にプラズマエネルギーを蓄積させる。

 

凛 「よく覚えてるね?」

卯月「前に凛ちゃんが、私の目の前で戦ってくれましたから」

奈緒(だからって、やったの一度きりだぞ!?)

凛 「なら、最後も言わなくても分かるね。これは、全部のゲッター共通かもしれないけど」

卯月「はいっ!トドメを刺します!」

 

蓄積され、巨大なエネルギーの塊となったそれを頭上高く持ち上げ、

 

卯月「プゥラァァズゥマァァァ…!サン、ダァァァァァアアアーーーッ!!」

 

叫び、プラズマエネルギーをギロへと投げつけた。

 

ギロ『ガッ…━━!』

 

ギロの体を貫き、プラズマの力で全てを破壊し、ギロは爆散した。

 

~~~ 市街地 廃墟 ~~~

 

卯月「酷い……」

凛 「こうやって市街地が戦場になったのも、久し振だね…」

卯月「また一からの復興になるんですね…」

凛 「うん。恐竜帝国が…、メカザウルスがこの世に存在する限り、戦いは続く」

卯月「はい。だから、一日も早く戦いを終わらせなくちゃならないんですね。私達と、ネオゲッターが…!」

 

美波「卯月ちゃん……」

 

卯月「美波さん…!」

美波「…戻るのね?ゲッターの所に」

卯月「……はいっ!美波さんの言った通り、この1年で失いたくない大切な人が、たくさん出来ましたから♪」

美波「そう…。ふふっ、良い笑顔。それなら、もう大丈夫そうね?」

卯月「はい、後は…━━」

 

新P「……島村」

卯月「プロデューサー。…みんな」

響子「……」

美穂「……」

卯月「皆さん、無事でしたか……。良かった……」

新P「他人の心配ばっかだな、お前は。自分の事は良いのか?」

卯月「はい。覚悟は出来てますから」

新P「ほぅ…そうか?なら、何を言われても良い覚悟は出来てんだな?」

卯月「……はい」

新P「そうか。んじゃ、島村」 スッ…

卯月「っ━━!」

 

ポン

 

卯月「……え?」

 

卯月の頭に優しく手が置かれる。

 

新P「━━必ず、生きて帰ってこい」

卯月「プロデューサー…!良いんですか?」

新P「ただし!人様に見せられる顔で、姿で帰ってこい。…これが条件だ」 ニッ

卯月「プロデューサー……!はい━━」

 

卯月「島村卯月、頑張ります!」

 

響子「卯月ちゃん!」 ダキッ

美穂「卯月ちゃん!」 ダキッ

 

卯月「わぷっ……。き、響子ちゃん…美穂ちゃん……苦しい……」

 

響子「ケガしないでなんて、無理な話かもしれませんけど、絶対…絶対無茶しないで下さいね?」

美穂「私達3人でピンク・チェック・スクールで、何時まででもここが卯月ちゃんの居場所だからね!」

卯月「二人とも…。はいっ♪」

 

奈緒「へへっ、見てるこっちが恥ずかしくなるな」

凛 「…そうだね」

奈緒「何だ?凛はやきもちとか妬かないのか?」

凛 「まさか。あれは、卯月が1年で得た、大切なものだから」

奈緒「へぇ~…って、どこ行くんだよ?」

凛 「私達の大切な仲間のトコ。奈緒だって、内心心配で気が気じゃないんじゃない?」

奈緒「ばっ…!べ、別に気が気じゃないとか…そこまで心配してないし…。加蓮は、大切なチームメイトだけど…」

凛 「別に誰も加蓮のトコに行くなんていってないけど?」

奈緒「な゛っ……!」

凛 「ま、加蓮の所に行くんだけどね」

奈緒「~~~!もう何なんだよ!行くならとっとと行くぞ!からかったからって仕返ししやがってぇ……」

凛 「あ、待ってよ奈緒。ここでそんな急ぐと、瓦礫に躓いて転ぶよ?」

奈緒「知るか!どいつもこいつも、アタシをオモチャにして……!」

凛 「あ、待ってってば、奈緒!……」 クルッ

 

凛 「良かったね。卯月━━」

 

新P「おい、お前ら!お前らでよろしくするのは分かるがよ…、俺まで巻き込むなって!こら、くっつくな!!」

卯月「良いじゃないですか!今日は私達ピンク・チェック・スクールの新しい出発の日なんですから♪」

新P「やめろ!瓦礫の山で祝うなんざアイドルのすることじゃねぇ!」

美穂「な、仲間外れは寂しいですし…ね?」

新P「何が、ね?、だ!俺とお前らじゃノリが違うんだよ!!」

響子「私も負けてられない……!」

新P「おい、お前今妙なこと言わなかったか!?」

 

新P「と、とにかく…!お前ら密着し過ぎなんだよ……!色んなもん当たって……チックショウ!!」

 

ウガ━━━━━━━━━━!!

 

笑い声はどこまでも響いて━━━━━。

 

つづく




次回予告!!

ゲッターの元へと帰って来た卯月は、1年のブランクを払うため訓練に明け暮れる。
そんな中、卯月は開発中のゲッターロボGも存在を知り、凛は、ゲッターロボGの正式なパイロットを選び出そうとしていた。
果たして、最後、3人目のシートに着く事になるのは誰か!?

次回、ゲッターロボ×CG 第2部

第3話『結成、Gチーム』に、チェンジゲッター!
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