~~~ 早乙女研究所 近域 ~~~
澄み渡る快晴の空を、3機のゲットマシンが行く。
凛 「かな子、機体が揺れてる。もう少し速度を落として」
かな子「は、はい…!」
卯月「大丈夫です!シミュレーター通りにやれば問題ないですから。もう少し肩の力を抜いて、リラックスしましょう!」
かな子「は、はい…!リラックス…リラックス……」
凛 「それじゃあ、はじめるよ」
卯月&かな子「「了解っ!」」
ギュゥゥゥゥンッ
凛 「ッ! ━━…1、2号機ドッキング完了…異常なし。卯月、そっちは?」
卯月「はい、こっちも大丈夫です!」
凛 「了解。後は…」
卯月「かな子ちゃん、行きます!」
かな子「い、何時でもどうぞ!」
卯月「!」
ガキンッ
かな子「げ、ゲッターチェンジ!」
問題なく変形が行われ、ネオゲッター3への変形を完了。
ネオゲッター3は眼下に広がった湖へと着水し、湖底に降り立つ。
かな子「…ふぅ……」
凛 「合体に成功したくらいで安心しない。次、直ぐ戦闘訓練に入るよ!」
かな子「す、すいません…っ!えっと…━━きゃあ!?」
視界の狭い湖底で、何処からか放たれた攻撃がネオゲッター3を揺らす。
かな子「うぅ…。相手の位置を……」
卯月「今の攻撃で、ポイントを捕捉しました!ここから2時の方向です!」
かな子「にじ…2時の方向…、えぇと……こっち!」
凛 「逆!」
かな子「すいません!」
言われた方に向きを変え、有視界で目標を捕捉する。
仮想標的<……>
かな子「見つけた…!この位置なら……」
かな子「ゲッタートルネード!」
首のファンを標的に向け、ゲッタートルネードが、湖底の泥を巻き上げて一直線に進む。
仮想標的<……> スカッ
かな子「あ、あれ…?」
卯月「発射角度がズレてます!修正して、もう一度…」
凛 「ダメだ、先に向こうの攻撃が来る。かな子!防御して!」
かな子「は、はい……きゃああ!?」
指示が間に合わず、ネオゲッター3を再び、魚雷の模擬弾が襲う。
かな子「す、すいません……!」
凛 「…いや、大丈夫。それよりも…」
卯月「射角誤差修正完了…。かな子ちゃん、もう一度!」
かな子「はいっ。ゲッタートルネェェードッ!」
仮想標的<!?!?!?>
ゲッタートルネードが命中し、破壊される仮想標的。
かな子「や、やった…?やりましたぁ~…」
卯月「はい!おめでとうございますっ!」
凛 「ちょっと手間取ったけどね…。まぁ、悪くないかな」
凛 「ともかく、これで訓練終了。お疲れ、かな子」
卯月「お疲れ様です♪早く帰投しましょう」
かな子「……」
卯月「? かな子ちゃん、大丈夫ですか?顔色悪そうですけど…」
かな子「卯月ちゃん、凛ちゃん…私…━━」
卯月「はい?」
かな子「訓練が終わって…安心したら、お腹が空きました…」 グゥ…
凛 「……」 ズルッ
卯月「うふふっ!もうお昼過ぎちゃいましたもんね。研究所に戻ったら何か食べますか?」
かな子「ホントですか!?」 パァァ
凛 「そんな事言って…。訓練の報告が先だよ」
かな子「そんなぁ~~!」
~~~ 早乙女研究所 所長室 ~~~
早乙女「初めての飛行訓練、ご苦労じゃったな。かな子くん」
かな子「あ、ありがとうございますっ!」
早乙女「改めて、ゲットマシンを操縦してみた感想はどうかね?」
かな子「はい…。何と言うか、その変な感じです。私、まだ車も運転したことないのに…」
卯月「そう考えると、私達、一段飛ばしにマシンに乗ってる気がしますね」
凛 「一段と言うか、階段飛び越えて違う階に行ったって感じもするけど」
早乙女「君達に非常識的な事をさせておるな。…ともかく、初飛行で何事もなくて良かった。それだけでも、かな子くんには素質がある」
晶葉「合体までの時間は8.6秒。実戦にはやや長いタイムだが、はじめてにしては要領良く出来ている。ネオゲッター3との相性も良さそうだ」
早乙女「卯月くんや凛くん、未央くんにつづくスペシャルかもしれんな」
かな子「そんな…、私はそんな…スゴい存在じゃないですよ」
晶葉「そう謙遜するな。ゲットマシンを怖がっていない時点で、君には才能が十分に備わっておる」
かな子「そうなんですか?」
晶葉「あぁ。あのネオゲットマシンですら、一体何人のパイロット候補生がやめていったことか…」
卯月「あ、あはは…」
凛 「偉い大学出ただけで、天狗になってた連中には良い薬だよ」
早乙女「それもそうじゃ。軟弱な奴にゲッターは操縦出来ん。それだけ、君は誇っても良いんじゃよ。かな子くん」
かな子「は、はい…!」
凛「だけど、これからは実戦も経験する事になるんだ。ゲッターに乗って日が浅いからって、ゆっくりしていい訳でもないからね」
かな子「はい!」
晶葉「良い返事だ。これからが期待出来るな。…それじゃあ博士、私はそろそろ……」
早乙女「うむ。気を付けてな」
卯月「晶葉ちゃん、これからお出掛けですか?」
晶葉「うん?あぁ、これから少し、静岡の方にな」
卯月「静岡?」
凛 「静岡と言えば、今そこでゲッターロボの量産用生産プラントを建設中だって聞いたけど…」
かな子「ゲッターの量産…ですか?」
早乙女「うむ。ネオゲッターは勿論、今開発中のゲッターロボGも元はその為に造られたものじゃからな」
卯月「それで、その生産プラントに晶葉ちゃんはどんな用事で?」
晶葉「あぁ、この度めでたく、そのプラントの生産ラインの一部が完成してな。試運転も兼ねて新しいゲッターロボを一機建造中なんだよ」
かな子「新しいゲッターロボ!?」
凛 「私達が戦ってる裏でそんな事を…」
晶葉「隠すつもりもなかったんだがな。だが、計画が上手く軌道に乗るまでは、下手に期待もさせたくなかった」
卯月「それで、どんなゲッターロボなんですか?」
晶葉「気になるか?フフン…幸いここに設計データがある。見たいか?」
卯月「はいっ!」
3人揃って、晶葉の提示した設計データに目を落とす。
凛 「これは…」
かな子「うわぁ~…。この新型は女の子の形なんですね?」
晶葉「名前はゲッターロボ斬。旧ゲッターロボの設計を基に、くノ一の意匠を付加して機体の柔軟性や運動性を重点的に向上させた。まぁ、旧ゲッターの発展型の一つだな」
卯月「成る程…。何だか今までのゲッターと雰囲気が違って…可愛いですね!」
晶葉「そうだろう?今までのゲッターはゴツくてイカツかったが、こちらは対照的に丸くしたから、デモンストレーションでも華がある」
凛 「そういう……。これ、晶葉が設計したの?」
卯月「えっ、そうなんですか?」
晶葉「あぁ、その通りだとも。と言っても、さっきも言ったとおり、初代ゲッターロボの設計データを参考にさせてもらったが」
かな子「それでもスゴいじゃないですか!私より年下なのに、ゲッターロボを作れちゃうなんて!」
晶葉「フフンッ。それは、天才だからな。これから、こいつの最終試験を兼ねたテストフライトが行われる予定なんだ」
卯月「そうだったんですか~。それじゃあ、引き留めちゃったりして、ごめんなさい!」
晶葉「いや、こっちもお前達に話す良い機会になったしな。構わんよ」
凛 「テスト、上手くいくと良いね」
晶葉「無論さ。この天才、晶葉博士の傑作なのだから、失敗などさせてたまるか」
晶葉「━━…しかし、なぁ……」
凛 「何か問題でも?」
晶葉「あぁ、実はまだ、正式なパイロットが決まってないんだ」
卯月「それは…そうですね。いずれ私達も、ゲッターGに乗ることを考えると…」
晶葉「専属となる、斬の正規パイロットが必要になる。今工場の方ではアーニャがテストパイロットになって各種テストを行ってくれてはいるが…」
卯月「アーニャちゃんが…」
凛 「最近見ないと思ったら…」
晶葉「アーニャを数に入れて、最悪私を入れたとしてもあと一人、メンバーが足りん」
かな子「加蓮ちゃんと奈緒ちゃんはどうなんです?」
晶葉「あの二人は…ネオゲッターの予備パイロットだろう?これから何が起こるか分からない以上、迂闊に専属には出来んよ」
卯月「最悪の事態も…って、晶葉ちゃん、ゲッターの操縦が出来たんですか?」
晶葉「失敬な。お前がいなくなってから1年間、私ももしもの時を想定して訓練を受けたさ」
晶葉「お前達程適正もなく、長時間の操縦には耐えられんが、それでも動かすことくらい出来る」
凛 「未央も怪我で操縦は無理らしいしね。今のメンバーじゃ、奈緒達を転換させた方が早い気もするけど…」
晶葉「やはりそれしかないか…」
卯月「あれ?そう言えば今日未央ちゃんが見当たりませんね?」
かな子「そうですね…。いつも訓練後は報告まで付き合ってくれるのに…」
凛 「自称・Gチームのアドバイザーらしいからね」
卯月「あはは…」
早乙女「未央くんなら、朝から君達の事務所へ向かったよ」
凛 「事務所に?」
早乙女「うむ。何でもアイドル復帰の第一歩とか言っておったが……」
~~~ プロダクション 1Fエントランス ~~~
未央「おっはようございま~~すっ!!」
ガヤガヤ オハヨウ オハヨウミオチャン ガヤガヤ
未央「ん~~!懐かしいなぁ、この空気。うん、ホントはこっちが本来居る場所なんだけどねぇ、っと」
「うふふ。相変わらずですね。未央ちゃん」
未央「むむっ!この声は…!」
藍子「お早う御座います。未央ちゃん」 ニコッ
未央「あーちゃん!久しぶりだね!何時振りだろう…?」
藍子「未央ちゃんが最後に私のラジオに出演した時だから……1年…ひょっとしたら、もっと前かもしれませんね」
藍子「私は、テレビで未央ちゃんの活躍、見させてもらいましたけど」
未央「えへへ…。何か恥ずかしいね」
藍子「その…怪我の具合はもう大丈夫なんですか?」
未央「へーきへーき!このとーり!アイドル活動するには、全く支障ないよ!」
藍子「だと良いんですけど…」
未央「ほらほら、あーちゃんそんな心配しない。って言うかさ、あーちゃんもここに居るって事は、あーちゃんも今日はお仕事の話か何かなのかな?」
藍子「あれ?聞いてないんですか?」
未央「何を?」
藍子「私と未央ちゃんで、ユニットを組むことになったんですよ」
未央「えぇー!?」
藍子「ホントに聞いてないんですか?」
未央「うん。私、アイドル活動復帰に向けて話がある、って言われて呼び出されて来ただけだし…」
藍子「そうなんですか…。それじゃあ、私が教えちゃったのは何か不味かったかも…」
未央「いいよいいよ。どうせ知ることにはなるんだしさ。それよりもっと詳しく聞かせて?」
藍子「はい。と言っても私もあまり詳しくは聞かされてないんですけど…」
藍子「何でも、私と未央ちゃん。それに、新しく入ってきた新しい子の3人でユニットを組んでデビューする、らしいです」
未央「新しい子…?どんな子なんだろ?」
藍子「さぁ…。今日はその事の初顔合わせだって聞いてますし…、それまでのお楽しみでしょうか?」
「おっはようございまぁーーっすっ!!!」
未央「うおっ!?私を上回る声量の挨拶!?一体何者━━!?」
藍子「挨拶で判断するところなんですか…?」
「はじめまして!日野茜です!今日からこちらでお世話になることになりました!!よろしくお願いしますっ!!!」
藍子「スゴい…。茜ちゃん、かぁ…。体育会系なのかな…」
未央「多分ね。それよりもう~~ん…」
未央「何だか嵐の予感…」
~~~ 夜 早乙女研究所 談話室 ~~~
未央「ふひぃ……。疲れた……」
卯月「大丈夫ですか?未央ちゃん」
晶葉「しかし、ゲッターに乗っている未央をも凌ぐ体力とは。気になるな、その茜と言う人物」
凛 「晶葉、分かってると思うけど、これ以上アイドルからスカウトするのは…」
晶葉「分かっているとも。しかし、女性型のゲッターなんだ。むさ苦しい男連中を乗せると言うのも考えものだろう?」
凛 「それは…、そうかもしれないけど…」
未央「お二方、ちょっとは私を気遣ってくれてもいいんじゃないかな……?」
かな子「未央ちゃん、チョコレートでもどうですか?小さめなので、疲れていても口に入ると思うんですけど…」
卯月「温かい飲み物持ってきましょうか?少し体をリラックスさせた方が…」
未央「…おぉ、天使が見えるよ……。天国は地上にもあったんだ……」
凛 「何言ってんの。ふざけてないで、現実に帰ってきなよ」
未央「あぁんしぶりん酷い~」
晶葉「それで?その新人と言うのは、一体どんな破天荒な奴だったんだ?」
未央「破天荒って程でもないよ…、ただ━━」
━━ 数時間前。
茜 『高森藍子さんに、本田未央さんですね!はじめまして!日野茜です!これからよろしくお願いします‼』
未央『いや、それはさっき聞いたって言うか…』
茜 『あれ!?何処かでお会いしたことありましたか?初対面だと思ったのですが…!』
未央『そういう訳じゃ……まぁいいや…』
藍子『それで…、茜ちゃん、でいいのかな?』
茜 『はい!よろしくお願いします!先輩‼』
藍子『せ、先輩…』
未央『私達にそんな堅苦しい呼び方はしなくていいよ。これから同じユニットのメンバーとして活動するわけだし』
茜 『し…しかし!芸能界では、先輩を敬うことが大切と…!それが出来なければ生き残れない弱肉強食の縦社会だと…!』
未央『そんな殺伐とは……う~…ん…』
藍子『そこで悩んじゃうんですかぁ…?…す、少なくとも、私達の関係はそう殺伐としたものじゃないはずですから、ね?』
未央『そ、そう!私達、年も近いんだし…先輩後輩って呼び合うのはなしで!フラットにいこう!』
茜 『分っかりました!では、未央さん、藍子さんで!』
未央『うんうん。いい感じだよ、茜ちん!』
茜 『ちん…?』
藍子『あはは…。未央ちゃんの独特な呼び方です』
未央『独特なんて~。私なりに親しみを込めたソウルネームのつもりなんだけど?』
藍子『そ、ソウル…』
茜 『ソウル…つまり、魂ですね!ん~~!何とも燃え上がってくる感じです!』
未央『んぉぉ…。いい感じに熱血だね~、茜ちん』
茜 『はいっ!よく言われます!熱血最強!!何時でも全力全開です!!』
藍子『な、何だか本当にこの部屋全体が暑くなっていくみたいですね…』
茜 『うーー!体がウズウズしてきました…!そうだ!レッスン前に準備運動なんてどうですか?』
藍子『準備運動…?』
茜 『はいっ!私、今日がはじめてのレッスンですが、レッスンを受ける前に、体を動かして慣らしておきましょう!』
藍子『レッスン前の準備運動なら、ちゃんとトレーナーさんがしてくれますけど…』
未央『いいね』
藍子『未央ちゃん!?』
未央『まぁまぁあーちゃん。よく言うじゃない?親睦を深めるにはスポーツが一番!』
藍子『な、何かズレてる気もしますけど…』
茜 『決まりですね!では早速、ランニングに行きましょーうっ!!』 ダッ
未央『行っくぞ~♪』 タッ
藍子『えぇ!?あ、えぇ…っ!?二人供、待って下さい~~!みんなまだ私服なんですから~~~━━!!』 タッタッ
ボンバァァァァァアアアー!!
━━━━━。
━━ 現在。
未央「━━…その後事務所から10キロも走らされるとは思わなかったよ…。レッスンにも遅刻しちゃうし…」
卯月「じゅ、10キロも走ったんですか…?」
かな子「大変でしたね…。足、筋肉痛とかないですか?」
未央「あはは~…。それは大丈夫…。これでも鍛えてますから。ゲッターで」
凛 「まぁ、結局は走る距離を聞かなかった未央の自業自得でしょ」
晶葉「しかし…、10キロ走って顔色一つ変えずレッスンを受ける、か…」
未央「あぁ、その後帰る時もダッシュで帰ったような…」
晶葉「ふふ…!面白いじゃないか」
凛 「だから……。晶葉は…」
晶葉「何、これは科学者としての純粋な好奇心だよ」
晶葉「気になるじゃないか。私達に近い年で、ゲッターに乗っている訳でもないのに体力と身体能力に恵まれた人間と言うものも」
卯月「確かに…、そう言われれば、そうかもしれませんね…」
凛 「ちょっと…卯月まで……?」
晶葉「……よしっ」
未央「あはは。アキっちってば、良からぬ事企んでる顔だねぇ」
かな子「よ、良からぬ事って…、未央ちゃんも面白がってません?」
~~~ 数日後 スタジアム ~~~
晶葉「━━晴れ渡る青空……」
卯月「まさに運動日和ですね!」
晶葉「そして今日このスタジアムで、アイドル達の体力が試される、夢のスポーツの祭典が開かれる……!その名も━━!」
晶葉&卯月「「アイドル☆スポーツフェスティバル(~)!!」」
ギャラリー>ワァァァァァアア!!
晶葉「と言うわけで始まったアイドル☆スポーツフェスティバル。司会は私、アイドル界切っての頭脳派・天才科学者こと池袋晶葉と……」
卯月「島村卯月、はじめての司会も頑張りますっ!」
晶葉「我々二人が大いに盛り上げるぞ」
卯月「あ、アシスタントとして私のユニットメンバーの美穂ちゃんと響子ちゃんもよろしくお願いしますね?」
響子「はい!精一杯頑張ります!」
美穂「よ、よろしくお願いします!」
晶葉「では早速、選手入場と行こうか」
卯月「そうですね!それでは先ずは青コーナー!」
卯月「体力はまだまだ未知数!だけど、持ち前のチームワークで勝利を目指します!チーム・トライアドプリムスの入場でーす!!」
ワァァァァァアア!!
凛 「まさか晶葉の企画が通るとは…」 ボソ…
奈緒「凛、ここまで来たらやるしかねぇぞ。諦めろ」 ボソ…
加蓮「アタシ、こう言う体張った仕事って、ちょっと憧れてたんだよね~!」 キラキラ
奈緒「一人妙にテンション上がってる奴居るし…。ま、ゲッターに乗ってるからには普通のアイドルに負けるわけにもいかないよな!」
凛 「…結局奈緒もやる気満々じゃん…。私も、ここまで来た以上やるからには、負けたくないけど…!」
卯月「尚、トライアドプリムスにはゲストとして、アナスタシアちゃんがメンバーに加わります!」
凛 「ヨロシク頼むよ。アーニャ」
アーニャ「Да。よろしくお願い、します…。絶対、勝ちましょうね?」
晶葉「続いて赤コーナー。こちらは期待の新アイドルユニットがCDデビューに先駆け登場だ。チーム・ポジティブパッション!」
茜 「うおぉぉぉぉおお!!この場所!この空気!テンション上がってきますねぇ!!」
藍子「あ、あの…。何だか私、場違いな場所にいる気が……」 ウンドウニガテデスシ…
未央「あーちゃん大丈夫だって。もう少し気楽に気楽に」
茜 「未央さん!藍子さん!絶対に勝ちましょうね!!」
藍子「はいっ…!?そ、そうですね…」
未央「もっちろん!しぶりんのチームにだって負けないくらい、私達の絆パワー、見せつけてやろうじゃん!」
晶葉「そして、ポジティブパッションにゲストメンバーとして加わってくれるのは、我が事務所切ってのカリスマアイドル、城ヶ崎美嘉だ」
美嘉「やっほー。3人ともヨロシクー★」
未央「おーぅ!美嘉姉ぇヨロシクー!」
卯月「さて、両チームともやる気はバッチリみたいですね!」
晶葉「あぁ。では、ルールを説明しよう」
晶葉「チームは4人一組。両チームは各競技毎に代表者を一名選出し、計4つの競技に臨んでもらう」
卯月「そして最後に、4人全員で参加するリレー競争を行って、全部で5つの競技での勝敗の数で優勝を決めるんですね?」
晶葉「そう言うことだ。ではサクサク行こう。先ずは第一競技、パン食い競争だ」
卯月「それでは各チーム、出場する人を選んで下さ~い!」
奈緒「ホッ。競技内容は普通なんだな。研究所の訓練みたいなのをやらされるのかと思った」
凛 「流石にそこまでは……しないでしょ。…多分」
加蓮「それで?誰が行くの?ハンバーガーが吊るされてるなら、アタシが行っても良かったんだけど…」
奈緒「中身グチャグチャになるだろ…。吊るされてたら…」
アーニャ「あー、もし良かったら…私が行っても、良いですか?」
凛 「アーニャが?」
アーニャ「Да。実は、ずっと、やってみたかったんです。パン食い競争…」
凛 「……。そっか。いいよ、行ってきて」
アーニャ「Спасибо!有難うございます!リンッ!」 タッタッ
加蓮「良かったの?」
凛 「うん。まぁ、こんな事で時間を無駄にも出来ないしね」
加蓮「あぁ~、そう言う事」
奈緒「どう言う事だよ?」
加蓮「教えな~い♪」
奈緒「何だよ!?」
未央「おっ、向こうはアーニャンが出てきたみたいだね」
美嘉「可愛い顔してるけど、あれでもゲッターのパイロットやってるんだよね。アタシらの方はどうしよっか?」
茜 「では、先鋒は一番新米の私がっ!」
未央「あぁ、あぁ~!ステイステーイ。茜ちん落ち着いて」
茜 「むっ!未央さん!何故止めるのです!?」
未央「茜ちんは私達の最終兵器だからね~。ここは温存の方向で」
茜 「そ…そうなのですか?では…仕方ありませんね…」 ストン
美嘉(アレで納得出来ちゃうんだ…)
藍子「あの~…それなら、私が最初に行っても良いですか…?」
未央「お、あーちゃん行っちゃう?」
藍子「はい~。今回はあんまりお役に立てなさそうですし…」
未央「うっし、分っかりました!ドーンとぶつかる気持ちで行ってきなさい!」
茜 「ファイト!ガッツ!!何よりも最後まで諦めない心が大事ですよ!藍子さん!」
藍子「は、はいぃ…。それじゃあ、行ってきますね…」
未央「よぉし、アーニャンあーちゃん対決だ。気張っていこう!!」
美嘉「いや、意味分かんないし…」
卯月「両選手出揃ったようです!」
アーニャ「オー、アイコ。ヨロシク、お願いしますね」
藍子「は、はい…。や、やるからには全力で勝ちに行きますよ!」
アーニャ「Да。ワタシも、負けません!」
晶葉「それでは選手はスタート位置に着いてくれ」
アーニャ(……)
藍子(一番手だもん…。ここで恥ずかしいところなんて見せられない…!)
卯月「それでは位置について……よーい…━━」
卯月「━━どんっ!」
藍子「ヘブッ」
卯月「おぉーっと藍子ちゃん選手前のめりに突っ込んで行きましたぁ!」
晶葉「地面に、な」
美穂「あ、あの…。大丈夫ですか……?」
藍子「あぅぅ……」
カメラマン>スススッ…
卯月「動きのいいカメラマンさんがここぞとばかりに藍子ちゃん選手に寄って行きます…!」
晶葉「流石、動きが手慣れてるな…。倒れ込んで突き出た藍子選手のお尻を執拗に撮っている……」
奈緒「そこ実況してないで止めろよ!!」
未央「むっ、茜ちん!」
茜 「!! 何でしょうか?未央さん!」
未央「大事な私達のあーちゃんの最大の危機だ!」
美嘉「いや、最大の危機って…」
未央「こうなったら強行手段だよ!あーちゃんの恥ずかしい動画がスタッフに回収されて編集されて、ネットに拡散される前に、力ずくでカメラを破壊するしかない!」
茜 「未央さん…!これは……!!」
未央「茜ちんなら、この距離からカメラを狙って破壊できる筈だよ!」
茜 「成る程!このボールを使ってあのカメラを破壊するんですね!」
未央「任せた!」
茜 「分っかりました!!」ズシッ
茜 「では…━━いきます!!」
茜 「ストラァァァアアイクッ!!!」
ブンッ ゴシャアッ
美嘉「」
卯月「な、何と言うことでしょう!?ポジティブパッションチームから投げられたボールが、正確にカメラマンさんの担いだカメラを破壊しました!!」
晶葉「何、カメラの代わりならいくらでもあるさ。カメラマンに大事がないようで何よりだ」
美嘉(茜が投げたのってどう見ても砲丸投げの鉄球…だった、よね……?)
晶葉(砲丸の球を野球ボールみたいに投げるか…。フフフ…)
卯月「あ、騒動の裏でアーニャちゃんがちゃっかりゴールです!」
アーニャ「…クリームパン、美味しい、です」 キラキラ
晶葉「なら、勝敗はトライアドプリムスチームの勝ちだな」
卯月「そうですね!では、勝利したトライアドプリムスチームには1ポイントが入ります!」
奈緒「……納得いかねぇ…」
凛 「奈緒、何深刻な顔で唸ってんの?ほら、次の競技だよ」
晶葉「━━さて、次の競技は借り物競争だ」
卯月「両チームは代表者を決めて下さ~い!」
奈緒「そんじゃ、サクッと終わらせてくるか」
美嘉「お、奈緒がアタシの相手~?手加減なしだよ~★」
奈緒「当たり前だって。これでもアタシだって、ゲッターのパイロットなんだからな」
晶葉「双方共にやる気十分なところでルール説明といこう」
卯月「はい!先ずは50m。スタートしてからこちら、借り物の内容が記載された手紙が置いてあるテーブルまでの50mを走ってもらいます」
晶葉「手紙を開け、確認するまでのタイムラグがあるからな。ここで差を着けておくと、有利に働くかもしれないぞ」
卯月「そして、借り物競争と言えば、何と言ってもこちら!借りるものが書かれた手紙です!」
晶葉「一応、手紙はトライアドプリムスチームとポジティブパッションチームで分けられている。間違って相手チームの手紙を取ることの無いように、気を付けてくれ」
卯月「借り物が用意できれば、いよいよラストスパート!向こうの500mトラックを一周です!」
奈緒「無駄に距離遠くねぇ!?」
美嘉「何?自信ないの?」
奈緒「…まさか」
卯月「それでは選手の人は位置に着いて……」
奈緒&美嘉「……」 スッ…
卯月「よーい…━━ドンッ!!」
ダッ
卯月「ほぼ同時にスタートを切りましたね!」
晶葉「うむ。今のところはほぼ横並び…いや、奈緒の方がリードしてきたか」
卯月「はい!奈緒ちゃん選手が手紙ゾーンに先に到着したようです!」
晶葉「まぁ、50m程度だからタッチの差で美嘉も到着だが、どうなる?」
奈緒「さてと…アタシのは何だ……?」
『天使』
奈緒「……は?」
「あ、あの……」
奈緒「ん?」
智絵里「えと……」
奈緒(━━状況を説明しよう。紙に書いてあった内容が理解できず目を白黒させていたら、後ろから声を掛けられ、振り返ってみるとそこには天使の姿をした智絵里がいた)
奈緒(何を言っているのかさっぱり分からねぇと思うが、どういう状況なのかという説明を、アタシも誰かにしてもらいたい)
智絵里「あ、あの…!その…、私……!」
奈緒「━━…分かったよ」
智絵里「え…?」
奈緒「天使なんだろ!なら、一緒に行くぞ!」
智絵里「は、はい…!」
卯月「奈緒ちゃん選手、後ろに突如出現した天使の手を取って走り出しました!」
晶葉「あの天使のドレスというのか?アレは走り抜くそうだな…」
卯月「天使の手を引いて走るその姿はまるで、魔王の追手から逃れる勇者のようです!」
奈緒「へ、変な例え方すんな!」
晶葉「あの局面でも突っ込みとは…。して卯月よ、その手にある黒いノートは何だ?」
卯月「これですか?表現とか、何かの役に立つと思ってアイドルのお友達から借りた単語帳です!」
晶葉「……成る程…」
美嘉「えっと……アタシは……?」
『熱血乙女A』
美嘉「はぁ?何コレ…?」 キョロキョロ
美嘉「あ、アタシのトコには誰も来ないんだ…。だったら尚更何だろ……」
卯月「おっと、美嘉ちゃん選手は一旦チームの元に帰るようですね…」
晶葉「ふむ…。さては借り物の内容でチームメイトと相談するつもりか」
卯月「奈緒ちゃん選手は既に走り出しています。この相談が思わぬタイムロスにならないと良いんですけど」
未央「━━う~~ん…。『熱血乙女A』ね…。聞き覚えある?あーちゃん」
藍子「いえ私は何も…。何なんでしょう?」
美嘉「それが分かってたら苦労しないって。あちゃぁ…こうしてる間にも離されてるな…」
茜 「うーーーーん!!このままでは負けてしまいます!!仕方ありません!美嘉さん!私と共に行きましょう!!」
美嘉「へ?」
茜 「熱血!!それは正に赤く!熱く燃える私! 乙女!それも、私で合ってますね!! そして最後のA!!コレは間違いなく日野茜のAですっ!!」
茜 「すなわち!『熱血乙女A』…!コレはこの私、日野茜の事だったんですよ!!」
藍子「そ、そうだったんですか~!」
美嘉「いや、それで納得するのも可笑しいと思うけど…」
未央「ううん。あながち間違いないかもよ。美嘉姉ぇ」
美嘉「えぇ……」
茜 「そうと決まれば善は急げですっ!!」 ダッ
美嘉「ちょっ…!そんな引っ張らなくても……って、引く力強ッ!?い゛った!!痛たたた!!腕、腕千切れるよコレ!?ちょ、ちょっとスタッフさん止めてぇぇぇぇぇ……━━!」
藍子「……選手の筈の美嘉さんが引き摺られていきます…」
未央「晶葉の好奇心の為なんだ…。許して、美嘉姉ぇ」
茜 「トラーーーーーーイッ!!」
卯月「茜ちゃんが物凄い勢いで土煙を上げながら追い上げていきます‼」
晶葉「美嘉は…顔が青白いな。首が絞まっているのか」
美嘉「う゛ぅ…。もう…駄目……。莉嘉ぁ…ゴメンねぇ…━━」
卯月「さぁ!先を走ります奈緒ちゃん選手との距離を詰めていきます!」
晶葉「ゴールまでの距離は200m。奈緒選手はこのまま逃げ切れるか…」
茜 「うおぉぉぉぉおおっ!!」
奈緒「くっそ!爬虫人類か何かかよアイツ!!」
智絵里「はぁっ……奈緒…ちゃん。はぁ……はぁ……わた、私…もう……」
奈緒(智絵里はこれ以上は限界か…。走りにくい格好してるし、仕方ねぇ━━!)
ガバッ
智絵里「あ…!」
卯月「こ、コレは…!奈緒ちゃん選手、智絵里ちゃんをお姫様抱っこしましたぁ!!」
晶葉「日頃の訓練の成果が出たな。意外過ぎる形で」
加蓮「奈緒やるぅ~♪」
卯月「その姿は正に、傷ついた女神を必死に守り抜こうとする勇者…いえ、女騎士ですっ!!」
奈緒「輪を掛けて茶化しにくるんじゃねぇ!!」
智絵里「あ、あの……!」
奈緒「しっかり捕まってろよ。振り落とされんな!」
智絵里「は、はい…!」 ギュッ
凛 (しかも無駄に決まってる…)
茜 「あと少しで追い抜けます!ボンバーーーーーーーーッ!!!」
奈緒「おりゃぁぁぁぁぁぁああ!!」
卯月「ご、ゴォォォーールッ!!勝ったのは……」
卯月「━━ポジティブパッションチームですっ!!」
ワァァァァァアア!!
奈緒「っはぁ~~!負けたぁ~~…」
智絵里「あの、すいません…!多分、私のせい…ですよね…」
奈緒「そんな事ないって。智絵里だってそんな動きづらい格好して、頑張ってたじゃんか」
茜 「いやぁ~ギリギリの勝負でした!お陰で、良い試合が出来ました!ありがとうございますっ!!」
奈緒「……おう」 ヘヘッ
響子「それでは、手紙の内容と借り物があっているか、確認するします!」
奈緒「確認って…、する必要あんのか?」 ペラ
響子「はいはい…と……。それでは『天使』さん?自己紹介お願いします」
奈緒(…ん?自己紹介…?)
智絵里「は、はい…っ!うぅ……」
奈緒「うん…?」
響子「ほら、恥ずかしがらないで?あんなに練習したじゃない!」
智絵里「はい…!あ、あの……えっと…、私…━━」
智絵里「━━…だ、大天使チエリエル…です……!」
奈緒「」
響子「はいっ♪手紙内容通り、正解ですっ!」
奈緒「…って、それがやりたいだけじゃねぇか!!」
美穂「えと、ポジティブパッションチームは…『熱血乙女A』…。はい、正解です」
美嘉「」
美穂「って、それどころじゃなかった…!担架を…スタッフさん早く担架を~~!」
卯月「2戦目から熱戦でしたね~……晶葉ちゃん?」
晶葉「…どうだ?」
スタッフ(研究所所員)「はい。やはり計算に間違いありません」
晶葉「そうか。500mの距離を1分足らずで走りきるとは…」
スタッフ(所員)「平均時速は40kmを切ります」
晶葉「短距離走のアスリートか?…どんなスプリンターでも500mも全力で走りきれるのは、そうはいないと思うが」
スタッフ(所員)「脚力は勿論ですが、体力、持久力どれを取っても群を抜いています」
晶葉「ふふふ…。ますます面白くなってきたな」
卯月「…えぇ~…と……」
かな子「あの…卯月ちゃん?」
卯月「? かな子ちゃん…?」
かな子「……」 オドオド…
卯月「! ……」 コクリ
凛 「……ん」 コクッ
晶葉「……。やれやれ…。面白くなって来たところ何だがな…」
晶葉「では、選手の皆さん。ギャラリーの方々も。盛り上がってきたところ申し訳ないが、ここで一旦休憩に入る」
? ザワザワ ザワザワ… ?
晶葉「再開は後ほど。では、解散!」
~~~ スタジアム外 輸送車輌内 ~~~
凛 「━━状況はどうなってるの?早乙女博士」
早乙女『うむ。メカザウルスが現れたのはつい先程。場所は群馬県の山奥じゃ』
凛 「山奥か…。ここからじゃ時間が少し掛かるか…」
早乙女『今は自衛隊が出動して時間を稼いでおるが、とても敵う相手ではない』
凛 「分かってる。古田さん、群馬県に入ったらそこでネオゲットマシンを発進させて。そこからなら、飛んでいった方が速い」
古田「了解ッス!それじゃあ飛ばしていくッスから、酔わないで下さいね~!」
ギュルゥゥゥゥゥゥウンッ!!
早乙女『よろしく頼んだぞ。3人とも』
凛 「了解」
卯月「それにしても…メカザウルスはどうして何もない山奥に現れたんでしょう?」
凛 「さぁ…。ひょっとしたら陽動の可能性もあるけど、山の麓には町もある。どのみち放ってはおけないよ」
かな子「……」
卯月「かな子ちゃん……緊張してます?」
かな子「は、はい……」
凛 「初の実戦だからね。緊張と恐怖、両方か…」
卯月「…やっぱり、怖いなら無理しなくても良いんですよ?」
かな子「それは良いんです…。自分で決めた事ですから。それより、あの…」
卯月「何ですか?」
かな子「…お菓子を食べれば、少しは緊張が解れると思うんです…!」
卯月「お、お菓子…?」
凛 「けど、そんなの何処に…」
かな子「こんな事もあろうかとコックピットの中に日持ちするお菓子を置いてあるんです」
卯月「え…?」
かな子「あ!心配しなくても卯月ちゃん達のコックピットにも入ってますよ?シートの後ろです」
凛 「ホントだ……」
かな子「ですから、その…今の移動中だけ、コレを食べても良いですか?そしたら、きっと初陣も大丈夫だと思うんです!」
卯月「はぁ……そう言う事なら…」
かな子「ありがとうございまふ♪」 モッシャモッシャ
凛 (言いながら食べてる…)
凛 「……コレなら、初陣も大丈夫そうだね…」
~~~ スタジアム 控え室 ~~~
未央「美嘉姉ぇ大丈夫?」
美嘉「うぅ~~…ん……」 ナイゾウガトビダス…
未央「…こりゃしばらく駄目そうだ…」
藍子「それにしても、どういう事でしょう?」
未央「あーちゃん…どういう事って?」
藍子「確か打ち合わせでは、休憩はもう少し後、でしたよね?」
藍子「それがいきなり休憩になるなんて……。まさか…」
茜 「何です!?どういう事なんですか!?」
未央「まぁまぁ、二人供。あーちゃんが考えるほど、深刻なことでもないって」
藍子「でも…」
未央「撮影が順調なら、休憩の時間が早まることだってあるじゃん?そう言うもんだって」
藍子「……」
ガチャ
晶葉「未央、いたか」
未央「アキっち…。どったの?」
晶葉「ちょっと、な」
未央「……。分かった」
藍子「未央ちゃん…」
晶葉「すまんな。少しの間、未央を借りるぞ」
未央「大したことじゃないから、すぐに戻るよ。あ、あと茜ちん、落ち着かないからって部屋から出て走り回ったりしないでよ?」
茜 「分っかりました!!」
未央「ははっ。良い返事!それじゃアキっち、行こっか」
晶葉「あぁ」
ガチャ バタン
藍子「未央ちゃん…」
茜 「藍子さん、そんな心配そうに、どうしたんですか?」
藍子「…うぅん。何でもないですよ?」
茜 「そんな風な顔じゃありませんよ!何か思っていることがあるんでしたら、一人で抱え込まないで、私に打ち明けてください!!」
藍子「茜ちゃん…。ふふっ、茜ちゃんは優しいですね」
茜 「優しい、ですか?そんなこと言われたのは初めてです…!//活発とか、暑苦しいならよく言われるんですけど…!」
藍子「ふふっ…。私も、茜ちゃんくらい元気があって、活発だったらなぁ…」
茜 「…何か、悩み事ですか!?」
藍子「……うぅん。悩み事では…ないんです。ただ、心配、というか……悔しいって言うか」
茜 「悔しい、ですか…?」
藍子「はい。今未央ちゃんが晶葉ちゃんと出ていきましたけど…。きっと私達に心配させないようにしてくれたんです」
茜 「…どういう事です?」
藍子「未央ちゃんは、ゲッターのパイロットで戦っていたから…」
茜 「げったー…?あの、ゲッターロボですか!?」
藍子「未央ちゃん…、普段明るくして、笑って…。私達が気に掛けないようにしてくれてますけど、前にゲッターで戦って怪我をして…、その後遺症がまだ残ってるんです」
茜 「そ、そうだったんですか!?」
藍子「未央ちゃんはそんな素振り全然見せてくれませんけどね…。そんな辛い思いをしてまで、もう戦わなくたって良いのに…」
茜 「藍子さん…」
藍子「私達が、未央ちゃんにしてあげられる事って、何もないんでしょうか?」
茜 「それは……分かりません!!」
藍子「……」
茜 「あ!あぁぁああぁぁぁああ!!その、えっと!あの!!ですね!?藍子さんが未央ちゃんの事を心配しているのは分かりました!そして、未央さんも私達に心配してほしくないって事も!」
茜 「でも、それなら…!やっぱり笑ってあげるのが一番なんではないでしょうか!?」
藍子「笑って、あげる…?」
茜 「それが、未央さんが一番望んでいることなんじゃないですか!?どんなに心配でも、私達が暗い顔をしていたら駄目だと思うんです!」
茜 「だから笑って、何でもないって未央さんが帰って来たら、笑顔でおかえりと!言ってあげましょう!!」
藍子「茜ちゃん…」
茜 「あ!あぁぁっ!!け、結局何の解決にもなってませんね…!すいません!」
藍子「ううん。そんな事ないよ」
茜 「え!?」
藍子「茜ちゃんの言うとおりです。未央ちゃんは、いっつも笑顔で帰ってきてくれるんですよ?だから私達もちゃんと笑顔でお帰りなさいって、言ってあげましょう?」
茜 「━━! はいっ!合点承知です!!」
スタジアムの外から、けたたましい破壊音が響く。
藍子「きゃっ!?」
茜 「藍子さん!窓の外を!」
藍子「あ、アレって━━!」
つづく
次回予告!!
山奥に出現したメカザウルス。しかしそれは、恐竜帝国残党の卑劣な罠だった!
ゲッター不在の都心で暴れまわるメカザウルスに、晶葉は開発中のゲッターロボの投入を決意。
一方、メカザウルスの襲撃を目の当たりにした茜は、1つの熱い思いを胸に秘め、ゲットマシンへと走り出す━━!
次回! ゲッターロボ×CG 第2部
第5話『飛翔、熱きその名はゲッター烈火!!』に、チェンジゲッター!