ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第2話『三大メカザウルス、襲来』

~~~ ??? ~~~

 

「おぉ、あの光…!あの輝き!紛う事なきゲッター線…!」

「うぅむ…。忌々しきゲッター線めぇ…。幾千万の時を越えて尚、我らに立ち塞がるかッ!!」

「いかがなさいます?ゲッター線をエネルギーとするあのマシン…。ゲッターの使徒が現れたとなれば、計画の一部修正もやむを得ぬと思いますが?」

「何、心配することはありませぬ。我が帝王よ。サル共の造った玩具如き、瞬く間に駆逐してご覧に入れましょう」

「油断してはならぬ。ゲッター線は我らが先祖を地下深くへと追いやった悪魔の力。いかにサル共が過ぎた力を持ったに過ぎぬとしても、我らにとってあれが忌むべき存在だと言うことは変わらぬ!」

「……よもや、ゴール様はサル共の造ったあのゲッターロボとやらを怖れておいでで?」

「これ!口が過ぎるぞ、バット将軍っ!!」

ゴール「良い、下がれ、ガレリィ」

ガレリィ「ご、ゴール様…!…ははぁっ!」

ゴール「━━…して、バット将軍よ。うぬの先程の問いだが…在るがままに答えよう。儂は、ゲッターを恐れている」

ガレリィ「!?…ゴール様っ!?」

バット「━━お言葉ですが…。恐竜帝国の王たるゴール様のその御言葉…。民の耳に触れらようものならば、兵達の士気にも関わるものですぞ?」

ゴール「…無論、それは承知の上としておる。しかし、現実ではどうだ?我ら恐竜帝国の科学の粋を集めたメカザウルスが、悉くも敗れ去ったではないか」

バット「それは…」

ガレリィ「データ不足の問題もあります…!奴等のゲッターロボを分析する時間さえあれば…!」

ゴール「サル共を一気にこの地上から排除出来ると申すか?」

ガレリィ「必ず…っ!」

ゴール「……。良かろう…。バット将軍!」

バット「はぁっ!!」

ゴール「直ぐにお主が誇る精鋭達を集め、直ちにゲッターに向かわせるのだ!ゲッターの力を見極めよ、徹底的にだ」

バット「御意っ!」

ゴール「我らの敵は只一つ!忌まわしきゲッター線の使徒、ゲッターロボ!…儂の怖れるこの仇敵、ガレリィの科学とバットの精兵で、見事討ち倒すことが出来たのであれば、うぬらにこの帝国、そして帝王の座を譲ろうではないか」

ガレリィ「ゴール様…!」

バット「…そのお言葉、二言はありませぬな?」

ゴール「当然。儂はこの恐竜帝国の王なるぞ」

バット「……。ガレリィ!貴様の造り出したメカザウルスを二、三体ほど借りるぞ」

ガレリィ「早速、出撃されるので?」

バット「無論。手負いの獣を狩るのは容易い。…しかし、尚も連中が追手を凌ぐほどの力を持っているとすれば…」

ガレリィ「とすると…?」

バット「恐竜帝国の闘将としてこの戦い、存分に楽しめると言うものだッ!」

ガレリィ「ふふ…。丁度良いのがあります。それを持って行かれるが宜しいかと」

バット「あい分かった!」

ゴール「ふふふ…!行けぃ!我が恐竜帝国の精鋭達よ!惰眠を貪り、地上の支配者を気取る愚かなサル共に真の地上の支配者が誰であるのか、その身を以て思い知らせるのだ!!」

バット「はっ!我らが帝王、ゴール様の為に!!」

ガレリィ「ゴール様の為に!!」

 

「「「「「ゴール様の為にぃぃぃいいっ!!」」」」」

 

第二話『三大メカザウルス、襲来』

 

~~~ 山岳部 森林地帯 ~~~

 

都心部を遠く離れ、眼下に山林を置く上空をゲッターとプロトゲッターが、並列して飛行する。

 

卯月「うぅ…。うっ…、グスッ……」

 

みく「どう?少しは落ち着いた?」

凛 「うん…。だいぶ…ありがと」

未央「……受け入れなきゃいけない事、なんだよね。ゲッターの事も、プロデューサーの事も全部…」

瑞樹「もし嫌なら、今から降りても構わないのよ?」

未央「うぅん…!今更降りるつもりなんてないよっ!ね、しまむー、しぶりん!?」

卯月「…グスッ……!…はいっ……!」

凛 「私達からプロデューサーを奪った恐竜帝国を倒すためにも、ゲッターから降りるわけなんてない…ッ!」

菜々「…皆さん、お強いんですね…っ」

みく「何で菜々ちゃんが泣きそうになってるにゃ…」

瑞樹「貴女達の気持ちは充分に分かるけど、無茶をしてはダメよ?」

凛 「…分かってるよ。ありがとう、瑞樹さん」

未央「そう言えば、何でみくにゃん達が私達より先にゲッターのパイロットやってるのさ?」

みく「にゃ?Pちゃんに聞かなかったにゃ?」

瑞樹「私達は、貴女達…というよりもアイドルね。アイドルがゲッターに乗っても問題がないか、それを計るために編成されたテストパイロットチームよ」

みく「面倒臭いから、気軽にテスターチームとでも呼んでくれれば良いにゃ」

未央「いや、それは分かってるんだけどさ、瑞樹さん達がそのチームに選ばれた理由だよ」

卯月「…そう言えば、ゲッターに乗るのにもある程度の適正が必要だって、プロデューサーが言ってましたよね?」

瑞樹「そうね。ゲッター線適性値の事かしら?勿論私達三人とも、その適性はクリアしているわ」

菜々「ただ、卯月ちゃん達にはほんのちょっと劣りますけどね!」

みく「それで確か…みく達が卯月ちゃん達よりもタフそうだから、とか言われた気がするにゃ…」

凛 「そう言えば、三人って結構バラエティとかで体張った仕事よくしてるよね」

みく「ま~ったくその通りにゃ!お陰で世間での認識も、すっかりバラドル扱い!」

瑞樹「良いじゃない?広く世間の人たちに知られている…スターっと言っても過言ではないわよ?」

みく「みくはお茶の間を笑わせる芸人系アイドルじゃなくて、みんなを癒す可愛い猫アイドルなの!方向性真逆にゃ!!」

卯月「あははは……」

瑞樹「まぁまぁ、恐竜帝国との戦いも激化していく現状、お茶の間を笑わせることだって大切な事じゃない。貴重な役回りをさせてもらってると、私は思っているわよ?」

菜々「そーですよっ!全く関係無いと思ってることでも、コツコツ積み重ねていけば、いつかビックな仕事に繋がるかも知れないんですから!不貞腐れないで頑張りましょ?ね!」

未央「流石ウサミーン!しまむーと同い年とは思えない説得力っ!」

菜々「えっ!?あ、あぁ…!ナナは、下積みも長いですからね!その分、卯月ちゃん達とは経験してきてることも違いますからねっ!」

卯月「そんなにずっとアイドルに憧れて来てるんですか!私より前から下積みしてるってことは…、大体小学生くらいから、ですか!?」

菜々「え…えぇ…!ナナは、思い立ったら一直線なので……キャハッ☆」

 

凛 「それで…乗ることになった理由は分かったけど、どうして戦闘まで?」

瑞樹「それは…やっぱり他人事じゃないもの」

みく「凛ちゃん達は、自分達が巻き込まれたことは仕方ないって思えるかもしれない。だけど、そんな凛ちゃん達を、みく達は放って置けなかったの」

菜々「乗り掛かった船って奴です♪一緒に戦わせてください。…足を引っ張るだけかもしれませんけど」

瑞樹「一言余計よ」

卯月「そんな理由で…?」

みく「大変な思いをするのは、卯月ちゃん達三人だけじゃないにゃ」

瑞樹「私達三人も、貴女達と一緒に行くわ。…だから、三人だけで抱え込まないで?」

未央「みくにゃん…瑞樹さん、ウサミン…!」

菜々「あはははっ!……あら…?」

 

プロトゲッターが一度大きく揺れて高度を落とす

 

未央「ど、どうしたの!?」

瑞樹「ゲッターウィングの調子が…」

みく「さっき最大出力出しちゃったからにゃぁ…。思ったよりも早く限界がきたみたい」

菜々「どうしましょう…!?一度分離しますか?」

瑞樹「いえ、ゲッターも私達も、損傷が激しいから、下手に分離しても墜落の危険性が増えるだけよ」

卯月「…分離?」

みく「にゃあ。ゲッターは元々、三機の飛行マシンが合体してるにゃ」

未央「そう言えば、プロデューサーがちらっとだけど言ってたね」

凛 「ゲッターが、その元のマシンに分離するのが、オープンゲット?」

みく「そんな感じ。まぁ、今の状況なら無理に飛行しなくっても、森の中を走っていけば研究所には着けると思うにゃ」

菜々「その分、研究所に着くのも遅れちゃいませんか?」

 

『その心配はいらない』

 

凛 「この声は…?」

未央「しぶりんあそこ、何かちっちゃいのがいるよ!」

卯月「あれは…?」

瑞樹「BTー23、通称ビィト。日本自衛隊で採用されてる防衛兵器ね」

未央「…何でそんなのがここに?それも一機で」

凛 「…一体誰が」

「私だ」

 

ゲッターとビィトとの映像回線が繋がる。

 

卯月「あっ…、晶葉ちゃん!」

未央「うん?しまむー知り合い?」

卯月「はい!…と言うより、同じ事務所に所属してるアイドル、晶葉ちゃんですよ!」

凛 「…。ごめん、全然分かんない」

晶葉「君達ニュージェネレーションとは違って、まだメジャーデビューすら叶っていないからな。覚えてもらっている方が不思議なくらいだ」

未央「…だってよ?」

卯月「え…?そんなことないですよ~。ほら、前に自己紹介してもらったじゃないですか!」

晶葉「確かに…半年も前の話だったがな。改めて自己紹介させてもらうと、私は池袋晶葉。…天才科学者だ」

瑞樹「…自称天才、ね。分かるわ」

晶葉「頭に自称をつけるな!」

菜々「それで、晶葉ちゃんはどうしてここに?ビィトなんかに乗って…」

晶葉「プロトゲッターの損傷の具合が気になってな。早乙女博士に許可をもらって、先に出迎えに来たと言うわけさ」

みく「そう言うことならちょっと待つにゃ。今ゲッターを降ろすから」

 

ビィトの前にゆっくりと降下し、そのプロトゲッターにビィトのマニュピレータが触れる。

 

晶葉「──ふむ…。予想以上に損傷が激しいようだな…」

みく「何だか、上手く飛べないみたいなの」

晶葉「何…?…ふむ、ゲッターウィングに問題はない。とすると、問題はゲッター炉心の方か?そうなると、研究所に戻らないとどうしようも出来んが…」

未央「ふぇ~…、スッゴい…。一回見ただけで、そんなの分かるの?」

晶葉「完全な状態のゲッターは頭で記憶してるからな。記憶の形と違うところが認識できれば、後は原因を探るだけ」

未央「ホントに天才なんだ…」

晶葉「私は事実しか口にしないが?……うむ、ゲッター炉心に問題はない。これなら何とか、応急処置で飛べるようには出来るだろう」

菜々「ホントですか!?」

晶葉「あぁ…。念のため、このビィトには応急処置の為の修理ユニットを積んでいるからな。…すまないが、ニュージェネレーションの三人は、周囲の哨戒に出てくないか?」

卯月「しょうかい?」

凛 「周りを偵察して来いってこと」

未央「確かに、修理中に敵に襲われたらたまったもんじゃないもんね」

卯月「あ、そう言うことですか。分かりました、島村卯月、哨戒に行ってきます!」

晶葉「あぁ、頼む」

 

~~~ 森林地帯 ~~~

 

未央「──にしても、大変なことになったね」

凛 「うん、昨日までは普通の一人のアイドル。それがロボットのパイロットになって地球を救うなんて…」

卯月「正直、未だに実感ないです……」

未央「だよねぇ…」

凛 「何?今更怖じ気付いた?」

未央「ま、まっさか~!やると決めたからには、一歩も引きませんよ!」

卯月「そうです!こうなったら、出来るところまでやりましょう?」

未央「そ、そうだよね!よぉし、トカゲでもサラマンダーでも、何でも掛かってこいってんだ!」

凛 「それ、全部は恐竜とは違うけど?」

 

ピコ-ン…

 

卯月「…あれ?」

未央「何?どったのしまむー?」

卯月「さっきレーダーに反応が…あれぇ?」

凛 「……上だ!卯月!!」

卯月「ふぇ…──?」

 

こちらから遥か遠くを飛び去っていくプテラノドンのような影。

 

未央「ホントだ!追おう、しまむー!」

卯月「え、えぇ…!そんないきなり…?」

凛 「あいつが市街地へ行けば、また被害が増えるかもしれない…。それを阻止するんだよ、卯月!!」

卯月「は、はい…!分かりましたっ!」

 

卯月「ゲッターウィング!!」

 

真紅のマントを翻し、ゲッターが宙に舞い上がる。

 

晶葉『━━どうした、敵襲か?』

 

未央「うん。敵のメカザウルスを見つけた!急いでやっつけてくる!」

晶葉『…罠かも知れない、深追いはするんじゃないぞ』

卯月「分かりましたっ!」

 

晶葉との通信を終えた後、飛行するメカザウルスの後を追った。

 

~~~ 山岳部 ~~~

 

卯月「━━追い付きましたよ!」

未央「流石ゲッターロボ!何とかより早ーい、って奴?」

凛 「真面目にやって未央。戦闘に入るんだから……ん?!」

卯月「どうかしたんですか!?」

凛 「目の前のメカザウルスと同じ反応が近くにある…。しかも二つ」

未央「合わせて三つ…。もしかしなくても、誘き出された?」

卯月「そんなぁ…!はじめから、罠だったって事ですか!?」

凛 「…だからって、このまま引き下がる訳にはいかないね」

未央「お~っと見た目の割りに熱いね、しぶりん!燃えてるね!しまむーは?覚悟良~ぃ?」

卯月「え、え~っとぉ…。…はいっ、頑張りますっ!」

 

目の前の飛行メカザウルスに狙いを定めて、戦闘態勢を取る。

 

卯月「い、行きますよ…!」

凛 「っ!ダメだ、卯月!」

卯月「え…?きゃあっ!」

 

死角から飛び込んできたミサイルもろに受けてよろける。

 

未央「う、うぅ……。一体どこから……?」

凛 「後ろからだよ!さっきの奴が回り込んできた!」

 

陸上メカザウルス『キシャアアァァッ!!』

 

未央「トリケラトプスみたいな奴…!あいつか!」

凛 「一体ずつ相手してくれる訳じゃないか…。当然だけど」

卯月「そんな…!挟まれました…!」

 

陸上メカザウルス『キシャアアァァッ!!』

飛行メカザウルス『ギャァァアア!!』

 

前と後ろに現れた二体のメカザウルスと睨み合う。

 

卯月「っ…!きゃあぁっ!?」

 

しかし、また別の方向からミサイル群がゲッターを襲う。

 

凛 「また…!」

未央「…っ!今度はあっち!湖の方!」

 

水棲メカザウルス『ガアァァァ!!』

 

卯月「さ、三体同時に…!?」

未央「敵さん、幾ら何でも本気出しすぎじゃないの…?序盤ステージなんだし、もうちょっと手加減してくれても…」

凛 「本当に序盤ステージだとしたら、もうちょっと敵いるでしょ」

卯月「ふ、2人とも何の話してるんですか~?」

 

三体のメカザウルスの一斉攻撃が始まる。

 

三人「「「きゃああああぁぁぁぁぁああっ!!」

 

━━━━━━

 

みく「卯月ちゃん達はどうなってるにゃ!?ここからじゃ、何が何だかさっぱり分からないにゃあ!」

晶葉「…複数のメカザウルスに囲まれているらしい」

菜々「そんな……!なら、こんなところでのんびりしてないで早く助けに行かないと…!」

晶葉「馬鹿言え。プロトゲッターは今修理中だぞ?応急修理が済んだとしても、その状態で行って何になる?足手まといになるだけだ」

みく「それなら…、みく達は無理でも晶葉ちゃんが行けば……」

晶葉「行ったところで、どうにもならん。言っただろう?足手まといにしかならないと」

 

卯月&凛&未央「「「きゃああああぁぁぁぁぁああっ!!」」」

 

瑞樹「…私達が慌てても仕方ないわ。先ずは、ここから私達に出来ることを探すのよ」

菜々「私達に、出来ること…?」

瑞樹「そう。直接助けてはあげられなくても、何かサポートすることは出来る筈よ」

みく「で、出来ることって言っても…」

晶葉「……。いや、一つだけ手はある」

菜々「晶葉ちゃん、その手って、まさか…!」

晶葉「ゲッターチェンジだ…!敵も陸・海・空で一機ずつ、それぞれの地形に適応したゲッターにチェンジ出来れば…。今メインを張っている卯月の負担も軽減できるはずだ!」

みく「で、でもでも、ゲッターチェンジはタイミングを合わせるのが難しいよ!ゲッターに乗ったばかりの卯月ちゃん達が、実戦でいきなり成功させるのは…」

菜々「そうです!ナナ達だって自分達がアイドルであることを忘れるくらい地獄の特訓をして、半年掛かってやっと出来るようになったんですよ!?」

瑞樹「二人の言うとおりね。でも、私達と彼女達…違うところが一つだけあるわ」

みく「それはなんにゃ?」

瑞樹「彼女達は、ニュージェネレーションって言うアイドルユニットだった、って言うことよ」

みく&菜々「「……」」

晶葉「そうだ。アイドルとしてなら連携も団結力も君達より遥かに凌駕している筈…。それに賭ける」

みく「…天才科学者なんて自分で言っておきながら、とんでもない博打にゃ。計算もクソもあったもんじゃないにゃ」

晶葉「…言ってくれるな。確かに計算に裏打ちされたものじゃない。だが、確証はある!」

 

晶葉『卯月。ニュージェネレーションの三人、聞こえているか?』

 

━━。

 

晶葉『ニュージェネレーションの三人。まだ死んではいないな』

 

卯月「う、うぅ……。…晶葉ちゃん…?」

凛 「私も未央も、みんな無事だよ。未央の冗談に付き合ってたら、死にかけたけど」

未央「ちょっと!それって私のせい?私は少しでも戦闘の緊張を解そうと…」

晶葉『それだけ元気なら大丈夫そうだ。いいか、この状況を乗り越えるには、ゲッターを分離させしかない』

凛 「ゲッターを分離…、さっき言ってた…」

晶葉『ゲッターは状況に応じて三つの形態に変形できる。それは知っているな?』

卯月「は、はい……」

晶葉『そのために先ず、機体を分離させるんだ』

未央「そ、そんな事…、いきなり言われたって…。──…うわぁっ!!」

 

三体のメカザウルスの攻撃は苛烈さを増す。

 

凛 「くっ…!今は話し合っている時間はない……!晶葉、どうやったら分離できるの?」

晶葉『あぁ。まずは右の操縦桿、そのすぐ隣に三つの小さいレバーがあるだろう?』

卯月「……これ、ですか…?」

晶葉『あぁ、それだ。左から順に番号がふってあって、今はゲッター1形態だから、1のレバーだけ倒れている筈だ』

未央「そうみたいだね」

晶葉『そのレバーを一気に引き戻せ。分離コードは"オープンゲット"だ』

卯月「オープンゲット…」

晶葉『いけ!敵は待ってはくれないぞ!』

 

三大メカザウルス『グゥアアアアアッ!!』

 

凛 「──よし、やろう。…卯月、未央」

未央「おう!ここまで来たら、やるっきゃない!」

卯月「はい…!プロデューサーの為にも、こんな所で負けるわけにはいきません…!」

 

三大メカザウルス『『『キシャアアァァッ!!』』』

 

晶葉『攻撃が来る…!今だ!!』

 

卯月「オープンゲット!」

 

三大メカザウルスから放たれたミサイルを晶葉の声のタイミングで、分離して攻撃を躱す。

 

凛 「ぐっ……!」

未央「うおっ……!」

卯月「あうぅ……!」

 

三機のゲットマシンに分かれて、初めに感じたのは、驚異的な重圧。

 

未央「何…これ……?」

凛 「……意識が、持っていかれる…っ!」

晶葉『ゲットマシン形態時は、ゲッターロボの時よりもゲッター線による身体保護効果が薄い。本来のパイロットスーツを着ていれば、ある程度は大丈夫なんだが…。今は、耐えてもらうより他ない』

未央「そう言うことは予め言っておこうよ…っ!」

凛 「卯月、そっちの方は大丈夫?」

卯月「………」

未央「しまむー?もしかして気絶してる!?」

卯月「…いえ、でも……」

 

静かに、促されるようにゲットマシン用のハンドルに手を描ける。

 

ギュウゥゥゥゥゥゥンッッ!!

 

未央「すごい……!」

晶葉『とても初めて操縦しているとは思えんな』

凛 「卯月、どうして…?」

卯月「私にも分かりません…。けど、分かるんです!」

未央「ん?どう言うこと?」

卯月「何て言ったら…いいんでしょう……?でも、このゲットマシンは普通のマシンと違うんです!」

凛 「それは…合体してロボットになるマシンだからね…」

卯月「そうじゃなくて…!何て言うのか、普通にただ機械を動かすようにするんじゃなくて、その…心で動かす、みたいな……?」

凛 「心…?心で機械を動かす…」

卯月「はい…。私の言ってること、よく分かんないですね?えへへ……」

未央「……。…いや、ちょっと分かるな!」

 

ギュウゥゥィィィィンッッ!!

 

凛 「未央!?」

未央「こんなじゃじゃ馬みたいなマシン、力任せに操ろうとしたって、言うこと聞いてくれないんだよ!…だったら……!」

 

空高く先を行くイーグル号に追い付くように、ベアー号も高度を上げる。

 

晶葉『早速、操縦のコツを掴み始めたか……』

凛 「二人とも…一体どうやって……」

未央「しぶりん!怖がっちゃダメだよ!」

凛 「……え?」

卯月「自分が飛ぶって思うんです!…ジャガー号はマシンじゃない、凛ちゃん自身ですっ!」

凛 「私、自身…。ッ!」

 

間一髪。陸上メカザウルスの側面スレスレを横切り、接触を避ける。

 

未央「しぶりんっ!しぶりんはいっつも物事を難しく考えようとするけど、今は難しく考えちゃダメ!」

卯月「考える、ではなく、思うんです!凛ちゃんっ!」

凛 「未央、卯月…。……」

 

眼を閉じ、肩の力を抜く。

 

凛 「考えず…思う……」

 

漆黒に落ちた意識は、一瞬でジャガー号のコックピットを離れて大空へ飛び立つ。

凛一人の体では、落下するだけの大空の中、その体にはあらゆるコードが巻きつき、鉄が全身を覆い、ジャガー号が一つになる。

ジャガー号が、飛ぶための翼をくれる。

 

卯月「凛ちゃんっ!」

未央「しぶりん!」

凛「!」

 

カッ、と目を見開き、眼前に迫った山肌を余裕で躱す。

 

ギュイィィィィィンッ!!

 

凛 「…そっか。そう言う事なんだ」

 

未央「やったじゃん!しぶりん!」

凛 「卯月と未央、二人のお陰だよ」

 

飛行メカザウルス『キシャアアァァッ!!』

 

晶葉『感動は後にしろ。メカザウルス・バドが来るぞ』

 

未央「…バド?」

晶葉『即興だが、相手にコードネームを着けてみた。名前が無いよりはやりやすいだろう?』

卯月「それは…、どうなんでしょう…?」

晶葉『ちなみに、陸上にいるのがザイ、湖に陣取っている奴がズーだ。中々だろう?』

凛 「…何か安直だね」

未央「この際何だっていいよ!私達を弄ぼうとしたのを、たっぷり後悔させてやろうじゃんっ!」

卯月「やりましょう!凛ちゃん、未央ちゃん!」

 

ギュィンッ!!

 

三機のゲットマシンが、隊列を整えてまずは飛行メカザウルス、バドに迫る。

 

バド『キシャアアァァッ!!』

 

未央「右!」

凛 「左!」

卯月「上!」

 

バドから放たれたミサイルを三方向に別れて躱し、すぐさま反転して隊列を整える。

 

未央「よぉーし、反撃だ!しまむー、しぶりん!3、2、1で同時にミサイル、行くよ!」

凛&卯月「「了解(です)!」

未央「3、2、1…発射!!」

 

三機のゲットマシンから放たれたミサイルがバドの体に当たって弾け、黒煙を上げる。

三機はその黒煙の中を抜け、バドの背後へ回った。

 

卯月「チェンジゲッター1ッ!」

 

卯月のイーグル号を戦闘に、三機のゲットマシンが一つとなり、今再び赤いマントを翻し、赤い姿を持ったゲッター1が姿を現す。

 

未央「一気にトドメだよ、しまむー!」

卯月「はい!ゲッタートマホーク!」

 

肩からトマホークを抜き打ち、構える。黒煙を翼で振り払ったバドは肉薄されまいと一度距離を取る。

 

凛 「そんな距離を取ったところで…!」

卯月「トマホークには、こんな使い方もあるんです!」

 

トマホークを一度水平に持ち、後方へ引き下げる。

 

卯月「トマホーク、ブゥーメラン!!」

 

後方に下げた腕を前方に振り扇いでスイングし、こちらに全速力で突っ込んできたバドにトマホークを投げ当てる。

 

バド『グギャアアァッ!?』

 

ブーメランのように回転し、投擲されたトマホークはバドの右翼を奪い、バドの飛行力を失わせた。

 

卯月「たあぁぁっ!」

 

戻ってきたトマホークを直ぐ様キャッチし、地面に墜ちるバドを一閃。墜落する前に斬り伏せた。

森の中へ墜落したバドが爆炎を上げる。

 

ザイ『ギャオォォォンッ!!』

 

卯月「オープンゲット!!」

 

仲間の仇討ち、とばかりに放たれたザイのミサイル連射攻撃をオープンゲットすることで巧みに躱す。

 

凛 「次は私がやるよ」

卯月「お願いします!凛ちゃん!!」

 

凛 「チェーンジゲッターー2ゥ!!」

 

ザイの攻撃が届かない上空で隊列を入れ替え、ジャガー号が先頭になりベアー号、イーグル号と続き、合体する。

空高くから地上に降り立ち、ザイと対峙するのは、左腕がドリル、右腕がハサミのようなアームになったジャガー号の白を基調とする細身の機体、ゲッター2!

 

晶葉(オープンゲットばかりでなく、他形態へのチェンジも難なくやってのけるとは…。やはり……)

凛 「サイか恐竜かよく分からない奴…!何処からでも掛かってきなよ!」

未央「お、いよいよマジになっちゃう?しぶりん!」

卯月「凛ちゃん、頑張って下さい!」

 

ザイ『ギャオォォォンッ!!』

 

自慢の角をゲッターに向け、力の限り突進してくる。

 

凛 「ふっ…!ゲッタービジョン!」

 

ザイの攻撃をまともに受けた…筈のゲッターの姿が消える。

 

ザイ『??』

 

驚き、辺りをキョロキョロと見回す。

 

凛 「こっちだ!」

 

地面から姿を現したゲッターは、そのままザイの背後を取り、右腕のアームを一発。

 

ザイ『ギャワアァッ!?』

 

完全に虚を突かれ、怯んだザイにゲッター2は容赦しない。

 

凛 「トドメだ…!ゲッタードリル!!」

 

ギュルィィィィィンッ!!

 

左のドリルが唸りをあげ、ザイの分厚い表面装甲を貫いた。

 

ザイ『グギャアアァッ!?』

 

凛 「…しぶといね……。なら、これで…!」

 

一度ドリルを引き抜き、その穴にアームを引っかけ跳躍する。そのままゲッターの体を90度、ザイの体に垂直に立たせ、ザイの胴体中央に二撃目のドリルを叩き込む。

 

ザイ『ゴギャアァァッ!!』

 

堪らず、崩れ落ちるザイの体。ゲッターが飛び退くと同時に爆炎と化した。

 

ズー『キシャアアァァッ!!』

凛 「くっ……!」

 

すかさず、メカザウルス・ズーのミサイルがゲッターに降り注ぐ。

 

未央「次は私の番だ!凛、代わって!」

凛 「…そうだね、ここは任せるよ」

未央「おうっ!」

凛 「オープンゲット!」

 

再びゲッターから三機のマシンに分離。ズーが陣を取る湖を目指して飛行する。

 

菜々『未央ちゃん、聞こえてますか!?』

未央「ウサミンッ!」

菜々『ゲッター3にチェンジするつもりでしたら注意してください。ゲッター3への変形は、タイミングが一番シビアです!』

未央「ok、ウサミン!アドバイスありがとう!!行くよっ、しまむー、しぶりん!!」

卯月「はいっ!」

凛 「ok、やろう!!」

 

湖の中央で三機は一度急上昇。ジャガー号だけ隊列から離脱し、湖面の水上を低空で駆ける。

水上を行くジャガー号を捉えたイーグル号、ベアー号が垂直に重なり、

 

未央「チェーンジ!ゲッタァァー3ィッ!!」

 

合体を終え、水上に盛大な水柱を上げ、下半身にキャタピラを備え、独特なシルエットを持ったゲッター3がズーの前に立ちはだかる。

 

未央「へっへ~ん!満を持して、真・打・登・場!!…何ちゃって……」

凛 「もぅ…、ふざけてる場合?」

未央「えっへへ~☆ほんのジョークジョーク……うわっ!?」

卯月「きゃああぁっ!」

 

容赦なく繰り出されるズーの猛攻。

 

未央「痛たた…。うへへ…!こんな攻撃、ゲッター3にはなんてことないよ!」

卯月「うぅっ、未~央~ちゃ~ん!攻撃が全部こっちに当たってるんですけど…」

未央「あっははは~…。しまむー、ファイッ!」

卯月「そんなぁ~…」

未央「よし、そんじゃ一丁!行っくよ~、ゲッター3ッ!」

 

勢いよく操縦桿を倒し、ゲッターを最大戦速で前進させる。

 

未央「ダブル、ナックル!!」

 

ズーに肉薄し、ゲッターの両拳をズーに突き出す。伸縮自在の蛇腹状のアームが伸び、ズーの全身を湖の底へと叩き付ける。

 

ズー『グギャアアァッ!?』

 

未央「あ、こらっ!動くな!!」

 

ズー『ギャオッ!!』

 

立ち上がろうとするズーに伸ばしたアームに、ズーの二頭の首が絡み付く。

 

未央「お?」

 

ズー『キシャアアァァッ!!』

 

首を捻り、ゲッターの体を持ち上げ、放り投げた。

 

未央「うわぁぁ!!」

 

湖面に叩き付けても尚もゲッターの腕を手離さず、二度目の投げに移ろうとするズーの首に、ゲッターは手指を首に食い込ませてしがみついた。

 

ズー『グギャ!?』

 

未央「うおぉ…!しつこいの…ってぇ…!嫌いだよ!!」

 

ゲッターを立ち上げる動作で逆にズーを投げ返す。

 

未央「どっせい!!」

 

ズーを投げた勢いに乗り、ゲッターを中へと飛び上がらせ、そのままズーにのし掛かる。

 

ズー『ギャアアァ!!』

 

未央「ふっふっふ…っ!パワー、アームッ!フルパワー!!」

 

ゲッターの足元から脱出すべく暴れまわるズーに対し、トドメと言うように、ゲッターのアームに力を込め、

 

未央「──うりゃあぁ!!」

 

豪快にズーの二頭を引きちぎる。

 

未央「ゲッターミサイル!!」

 

最後の〆に足元のズーの体を放り投げ、両肩からゲッターミサイルを撃ち込み、メカザウルス・ズーを爆砕した。

 

晶葉「──周囲に残存する敵の反応は無いようだな」

瑞樹「一先ずは終わりってことで、良いのかしら?」

晶葉「あぁ」

みく「あ!卯月ちゃん達が帰って来たにゃ!」

 

卯月「━━皆さーん!お待たせしました!」

未央「いやぁ、流石に二度目の戦闘、なかなかハードだったよ~…!」

菜々「でも、スゴかったじゃないですか!ゲッター3での合体を一発で成功させるなんて…」

みく「みく達はなかなか上手くいかなくて、シミュレーションで50回は死んだにゃ」

未央「ふっふーん!そこはまぁ、チームとしてのコンビネーションの違いですかな?」

凛 「もう…。未央ってば、すぐに調子にのって……」

瑞樹「…でも、それは事実かもしれないわよ?実際、私達は3人でチームを組んではいても、アイドルとしてはみんなソロだもの」

晶葉「それを見越しての3人アイドルユニットであったわけだしな。…さ、長居は無用だ。次の攻撃が来る前に、一度研究所へ行くとしよう」

6人「了解(にゃ)」

 

~~~ 早乙女研究所 屋外 ~~~

 

晶葉「さ、着いたぞ。ここが早乙女研究所だ」

凛 「ふぅん…。民間の研究施設って聞いてたけど、結構大きいんだ」

卯月「すごく立派ですね!」

晶葉「ふっ…。当然さ。ゲッター線の研究には、政府も大きく期待を寄せているんだ。政府以外にも、出資しているところもあるしな。私たちのプロダクションのような、な」

みく「なんでそこで晶葉ちゃんが威張るの…?」

未央「……それにしても、ビィトって自力で飛べたんだね」

晶葉「あぁ、このプロペラか。…でなければ飛行するゲッターを迎えに行こうとは考えないさ」

卯月「あっ!研究所の入り口に誰かいますよ?」

瑞樹「あれは、早乙女博士!」

凛 「…あれが!?」

菜々「はい!ゲッター線研究の第一人者で、ゲッターロボの開発者…」

晶葉「付け加えるとすれば、卯月達3人をゲッターのパイロットとして選び出した張本人、早乙女博士だ」

 

ゲッター、プロトゲッター、ビィトの3機がゆっくり研究所の敷地に降下する。

 

晶葉「早乙女博士、ただいま帰還しました」

早乙女『うむ。プロトゲッターは、直ぐに格納庫に運んでくれ。直ちに修復作業に入る』

晶葉「了解」

みく「やぁーっと今日のお仕事完了にゃ……」

瑞樹「一息入れられるわね。…こう言うのは嫌だけど、流石に疲れたわ」

菜々「何だか久し振りに、一日がすごーく長く感じましたよ……」

晶葉「…ゲッターの方は?」

早乙女『無論、直ぐに各部のチェックじゃ。だが、パイロットの3人はここで降ろしてくれ』

卯月「えっ?」

早乙女『ゲッターに選ばれた3人、この目で直に見てみたい』

凛 (……選ばれた?ゲッターに…?)

晶葉「了解、博士。それじゃ、ゲッターは私のビィトで運ぶから、三人はここで降りてくれ」

未央「はぁーい」

 

~~~ 早乙女研究所 正面玄関前 ~~~

 

凛 (晶葉に言われた通り、ゲッターから降りて来たわけだけど…)

未央(どうしよう、この人間近で見るとスッゴく怖い…!)コゴエ

凛 (ダメだよ未央、そんなこと言っちゃ)コゴエ

未央(でもだってさ~、実験のためとか言って2、3人は殺してそうな悪人顔じゃん)コゴエ

凛 (未央!)コゴエ

卯月(でも、さっきから全然何も喋りませんけど…)

 

早乙女「……。君が、島村卯月君だね?」

卯月「は、はいっ!」

早乙女「渋谷凛君」

凛 「っ……はい!」

早乙女「本田未央君」

未央「え…はい!」

 

早乙女「………」ジーッ

 

卯月「あ、あの……何か……?」

早乙女「……ふっ」ニコッ

3人「「「!?」」」

早乙女「いやいや、怖がらせてしまってすまないな?この年にもなると、アイドルなんてものにはほとほと無縁でな。物珍しくもある」

未央「は、はぁ…」

卯月(以外と…気さくな人、なのかな?)

早乙女「いきなりこのようなことに巻き込んでしまって、本当に申し訳ない……」

卯月「そんな…!博士の責任じゃないですから…。頭を上げて下さいっ!」

早乙女「そう言うわけにもいかん。…巻き込んでしまった者として、ケジメは着けなければ」

凛 「本当に良いですから。…最終的に、乗るって決めたのは私達だし」

早乙女「…そうは言うが、本当であれば儂の息子、達人のゲッターチームが担当する筈だったんじゃ」

卯月「…そのゲッターチームの皆さんは?」

早乙女「恐竜帝国が初めて現れたときの戦いで壊滅した」

卯月「っ…!それじゃあ、博士の息子さんは…!」

早乙女「…恐竜帝国に殺されたようなものじゃな」

卯月「そんな…!」

早乙女「恐竜帝国に対し、復讐心が全くないと言えば嘘になる。…だが、君達に儂の復讐の代替わりをさせようとしているのかと言えば、それもまた違う」

凛 「…どう言うこと?」

早乙女「儂は純粋に、このゲッターの力で人類を救うきっかけになってくれればと思っておる。復讐は、二の次じゃ」

未央「きっかけ?私はてっきり、ゲッターで人類を救え、なんて大それたこと言われるのかと思ってたよ」

早乙女「それは土台、無理な話じゃよ。いかに人類科学が発展しようとも、たった一つの機械で万人が救える訳ではない」

早乙女「ただ一つ、きっかけを作るだけだ。ゲッターの活躍が、人々に希望をもたらしてくれれば、軍の士気を高めることに繋がれば…。些細な状況変化の起爆剤に過ぎん」

凛 「………」

早乙女「だから、あまり無理はせんでくれ。彼との約束もあるからの」

卯月「彼…?」

凛 「プロデューサー、だよね」

早乙女「あぁ…。全く、惜しい男をなくしてしまった」

未央「プロデューサーのこと知ってるの?」

早乙女「些細なきっかけじゃが君達3人を彼が預ける時、一度だけな。立派な夢と、それに対する誠実な姿勢を持つ、素晴らしい男じゃった」

凛 「プロデューサーの、夢…」

早乙女「…来るべき未来、人々が宇宙へ飛び出し、新たな生活圏を獲得する新時代…。その時代に相応しい、宇宙(そら)を舞台に踊るアイドルを育てる。彼はそう、儂に話してくれたよ。まるで、途方もない夢を抱く少年のようにな」

卯月「プロデューサーが、そんな事…」

未央「私達に言ってない。そんな事」

早乙女「さぁ、今日は色々なことがあって、もう疲れたじゃろ?この研究所は君達を歓迎する。君達のための部屋は既に用意してある。ゆっくりとはいかんかもしれんが、今は休めてくれ」

 

~~~ 早乙女研究所内 通路 ~~~

 

3人「「「………」」」

 

未央「……。あ、あのさ……」

 

「アー…!ミオ…!」

 

未央「……え?」

 

「卯月ちゃんに、凛ちゃんも!」

 

卯月「あっ、美波さんに、アーニャちゃん!」

アーニャ「Да……。お久し振りです」

未央「こちらこそだよ~!元気してた?」

美波「勿論よ。三人とも、元気そうで良かったわ」

凛 「二人ともどうしてここに?」

卯月「もしかして、美波さん達もゲッターのパイロット、なんて…」

美波「えぇ、そのとおり」

未央「ホントに!ホントのホント?」

美波「と言っても、あなた達の予備パイロットだけどね」

未央「予備パイロット?」

アーニャ「Да、ゲッターは、3人乗り…。だから、誰か…一人でも欠けてしまえば、性能が、落ちてしまいますね」

美波「そんな時の為の予備パイロット、って訳」

未央「へぇ~…。つまり二人は、私達のために?」

美波「えぇ。3人は、あんまりお世話になりたくないと思うけど」

凛 「でも、どうして?ゲッターに乗って戦うって、すごく危険なことなのに…」

美波「それは、凛ちゃん達だって同じことじゃない?」

凛 「そうだけど…」

美波「だから、私達も何かの力になれればって、見て見ぬ振りなんて出来ないもの」

アーニャ「…ワタシにも、ミナミにも、ゲッター線…高い適正があります。なら、ΠреДВариТеЛЬНЫЙ…予備、のパイロット、やりたい、自分の意思で!」

卯月「…それが、美波さんとアーニャちゃん、二人の考えなんですか?」

美波「えぇ。だから、これからよろしくね?卯月ちゃん、凛ちゃん、未央ちゃん?」

卯月「…はい、よろしくお願いしますっ!」

凛 「よろしく」

未央「えっへへ~♪こちらこそ、よろしく!ミナミン、アーニャン!」

アーニャ「Да。宜しく、お願いしますっ」

美波「さ、アーニャちゃん。私達は訓練に行こ?」

アーニャ「Да、それじゃあ、アーニャは、ここで…」

美波「今日は色々あっただろうけど、ゆっくり休んでね?」

卯月「はい、それじゃあまた…」

美波「うん。またね」

 

~~~ 早乙女研究所 所員宿舎 一室 ~~~

 

未央「っはぁ~!疲れたぁ~……」

 

部屋に入るなり、手前のベッドに寝転がる。

 

凛 「…だらしないよ?」

未央「いーじゃん!今は誰も見てないんだしさぁ~。ね、しまむー?」

卯月「…え?あ、あぁ…。そうですね…!」

未央「あ~ぁ。どうしたのボンヤリして?」

卯月「いえ…。これから私達、どうなっちゃうんでしょう…?」

未央「う~…ん。そんなの、なるようにしかならないと思うけど……?」

卯月「えぇ…」

凛 「未央の言うとおりかもね。今はとにかく、目の前で起きていくことを一つずつ片付けていくしかないと思う」

卯月「やっぱり、…そうですよね」

未央「も~ぅ!しまむーは難しく考えすぎ!シンプルに行こう、ね?今日は離ればなれになってたミナミン達とも再会できたんだしさ!」

卯月「…そうですよね!また、みんなで一緒に活動できるんでよね!」

未央「そーだよ!みんな集まれば、こんな不安だってなくなるし……」

凛 「……プロデューサーも一緒にいてくれたら、なんて」

卯月「………」

未央「んー…!あぁ、はいはい!!そうやってネガティブになるのはなし!このノリおしまい!」

未央「今一番にやんなきゃなのは、しぶりんもしまむーも、親に連絡すること!…私もだけど。今日からはここが私達の拠点になるわけだし、ね?」

卯月「未央ちゃん…」

凛 「…そうだね」

未央「分かったならさっさと行った行った!電話で連絡するなら、部屋じゃなくて、外でしてきてよね!私が部屋でするから!」

凛 「また、そんな勝手な…」

卯月「い、いいじゃないですか!ほら、みんな個人で伝えなきゃいけないことは違うんだし。ね、凛ちゃんも行きましょう?」

凛 「う、うん…」

 

二人が部屋から出て行き、その足音が遠ざかっていく。

 

未央「……はぁ。まったく…。二人揃って、本当に危ういんだから……」ボフン

 

未央「ん~…!ベッドはふかふか!これは新品だねぇ」

 

ベッドにうつ伏せになり、枕に顔を埋める。

 

未央(……プロデューサー……)

未央「…しまむーは、気、遣ってくれたのかな?……まさか、ね…」

未央(でも…)

 

「う……うぅ…っ。く……っ。ごめん、ありがと。しまむー──」 グスッ…

 

つづく




次回予告!!

ゲッターのパイロットとして、卯月、凛、未央の3人。3人に待ち受けていたのは、アイドル、学生、パイロット、驚異の三重生活であった!
あまりの過密スケジュールに体調を崩し、倒れてしまう卯月。その姿を目の当たりにした凛と未央の二人は、一つの決意を固める━━!

次回!ゲッターロボ×CG

第3話『ニュージェネレーション解散!?』に、チェンジゲッター!!
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