ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第14話『ゲッター宇宙へ!未知なる遭遇!!』

 

~~~ 作戦指令室 ~~~

 

隊長「……」

 

オペレーター「迎撃ミサイル、まもなく目標に着弾します」

隊長「……うむ」

 

オペレーター「3…2…1……着弾!」

隊長「目標は?」

オペレーター「現在確認中…。目標の反応…消失…!やりました!」

隊長「━━…ふぅ」

 

緊張が解け、安堵の空気が拡がる。

 

隊員「いやぁ、隕石が落ちてくるなんて聞いた時は一瞬ビビりましたけど、何とかなるもんですね」

隊長「あぁ、我が国の防空能力も、日々進化していると言うことだな」

オペレーター「隊長、破壊した隕石の破片が、幾つか領土内に落下すると思われますが、そちらへの対応は?」

隊長「早乙女研究所がやってくれるそうだ」

オペレーター「早乙女研究所が?」

隊員「そう言えば、あそこも元は宇宙開発の研究施設でしたね」

隊長「落下物を是非とも研究したいそうでな。日本の防衛もあると言うに、忙しい連中だ」

隊員「そうっすよね。ぶっちゃけこの国、防衛をゲッターに任せっきりで、俺達必要ありませんもん」

オペレーター「それな」

隊長「こら。怠慢だぞ」

隊員「失礼しましたー」

隊長「我々は我々で警戒と監視を続ける。何かあってからでは大変だからな」

隊員「隕石にエイリアンなんて、SFの話でしょう?」

隊員「ふっ…。そうであってくれればいいがな━━」

 

━━。

 

~~~ 翌朝 早乙女研究所 談話室 ~~~

 

卯月「ふわぁあ~~…あふ…」

凛 「スゴい欠伸だね…」

卯月「昨日の夜は、隕石騒動もあったお陰で、結局寝られなくて…。寝不足です…ふわぁ~…」

凛 「少しだけでも仮眠をとったら?私達の警戒態勢は、もう解除されてるんだし」

卯月「そうなんですけど、せめて回収班の人達が帰ってくるまでは…、私だけ…休むわけには……すぅ…━━」 Zzz…

かな子「言いながら寝ちゃいましたね…」 アハハ…

凛 「もう、座りながら寝たら体に良くないよ。せめて部屋まで行ってから…」

卯月「ふみゃ…?がんばりま…ひゅ……」 Zzz…

かな子「…ダメみたい…ですね?」

凛 「…仕方ない。そっちのソファに寝かせよう。かな子、手伝って」

かな子「は~い」 トテトテ

 

2人で卯月を担ぎ上げ、ソファに寝かせる。

 

卯月「……」 スヤスヤ…

かな子「ホント、可愛い寝顔ですよね」

凛 「…そうだね。ロボットに乗って百鬼帝国と戦ってるなんて、そんな風には思えない」

かな子「あの…、ちょっとだけ聞いてみたい事があったんですけど…」

凛 「ニオンの事?」

かな子「ど、どうして…?」

凛 「ついこの間、アーニャ達が話してたしね。かな子は恐竜帝国との戦いの時の事、あんまり知らないし」

かな子「その…知り合いの人…なんですか?」

凛 「まぁね。1度だけ、顔を合わせた事があるよ」

かな子「恐竜帝国の人とですか…?そ、それで、どんな印象だったとか…」

凛 「印象…そうだね、冴えない、って感じ」

かな子「さ、冴えない…」

凛 「ホント、冴えない、普通の人だったよ。ただの通りすがりの、それだけの。人間に変装して、私達の目を誤魔化してたわけだけど」

かな子「……。凛さんは、もし次にその…ニオンさんに会う機会があるとしたら、どうしたいんですか?」

凛 「どうしたい……」

かな子「……」

凛 「どうもしないよ。ニオンは私達の…敵なんだ。私達はニオンの故郷を滅ぼもした。恨まれても仕方ないし、敵対するなら、また何度だって戦うだけだよ」

かな子「でもニオンさん、女の人といるって言ってましたよね?」

凛 「そう言えば、茜が言ってたっけ。『ダイノゲッターの通信から女の人の声を聞いた』って」

かな子「その人も、恐竜帝国の人…なんでしょうか?」

凛 「どういう事?」

かな子「…もし…。もしかしたら、ですよ?もしニオンさんが今私達みたいな人間と一緒にいて、もし私達と一緒に戦ってくれる…。そうなったら、凛ちゃんはどうしますか?」

凛 「そんな事になったら……」

凛 「━━…どうもしないよ」 フッ…

かな子「…ふふっ」

かな子(口ではあぁ言ってるけど、満更じゃないみたい…。素直じゃない、のかな?)

凛 「何?1人でニヤニヤして」

かな子「何でもありませんっ♪」

凛 「? 変なかな子」

 

みく「たっだいまにゃ~ん」

 

かな子「みくちゃん、M3チームの皆さんも、おかえりなさい」

凛 「回収作業お疲れ様。結構時間かかってたみたいだけど?」

未央「たっだいま~しぶりんみむっち。いやぁ、落下物の破片がなかなか見つからなくてねぇ」

瑞樹「砕けた破片は、ほとんど大気との摩擦で燃え尽きてたみたいね」

みく「何にもない森の中を行ったり来たりするのは、もう勘弁してほしいにゃ…」

かな子「大変だったみたいですね。あっ、お茶の用意!すぐにしちゃいますから、待っててくださいねっ」

瑞樹「いつも悪いわね~。たまには手伝うわ」

かな子「ありがとうございます~」

未央「おやおや?しまむーはおやすみかい?」

凛 「うん。未央達が帰ってくるまで、頑張って起きてるって言ってたんだけど」

未央「そんな無理しなくてもいいのに。ほんとしまむーはいつも頑張ってばっかりなんだから…」

卯月「スヤァ……未央ちゃん…大雪山おろしは…レッスンに使えませんよ……」

未央「…どんな夢見てるんだろ」

凛 「…さぁ…」

かな子「お茶の用意が出来ましたよ~」

未央「お、待ってましたー!」

みく「今日はおはぎにゃ~!」

かな子「和菓子は初挑戦なんですけど、ついこの間、仕事でご一緒したアイドルの子に作り方を聞いて…」

瑞樹「あー、大体どの子なのか分かるわ」

みく「すーっごく美味しいよ!やっぱりかな子ちゃんはお菓子作りの天才にゃ!」

かな子「えへへ…。ありがとうございます!」

凛 「それで、回収した隕石の事なんだけど…」

瑞樹「…その事なんだけど」

凛 「? どうかしたの?」

瑞樹「私達が回収した物…、あれは隕石って言うよりは…」

 

━━ 格納庫。

 

李衣菜『…何です?これ…』

主任「何ってそりゃぁ…。人工物の外壁、だろうなぁ…。パッと見る限りじゃ…」

李衣菜『人工物の外壁…?』

主任「あぁ。月面に何個か作られてる、各国の研究施設の外壁に使われてる素材に似てる」

李衣菜『そんなのがなんで地球に降ってくるんです?』

主任「俺が知るかよ」

李衣菜『それになんか…黒いゴムみたいなのがこびりついてますし。これも外壁の素材かなんかですか?』

主任「いや、こんな妙なもんが使われてるなんざ聞いた事ぁねぇよ。ホント何なんだ?こいつぁ…」

 

グチュッ ギョロ

 

主任「!?」

李衣菜『しゅ、主任離れて!!』

 

?≪ウ…ウルシャァァァアアア!!≫ ガバァッ

 

主任「か、怪物だぁ!?」

李衣菜『こ、コイツぅ…!』 グシャッ

?≪ウギャッ!?≫

 

ビィトのアームが突如姿を現した未確認生物を潰す。

 

主任「な、ナイスだ…リーナ…。よくやった…」

主任「古田ぁ!古田はいるか!?」

古田「はいっ!何ですか大将!」

主任「倉庫から液体窒素持ってこい!いくらなんでも絶対零度で凍らせりゃぁ、この怪物もどきも大人しくなるだろ」

古田「了解ッス!!」

 

李衣菜「はぁ…はぁ…。何なの…?コイツ…━━」

 

━━。

 

━━ 数日後。

 

卯月「━━ッッ!」

凛 「……っ!」

かな子「~~!!!」

 

グォォッ

 

卯月「━━…ップハァ!!大気圏離脱、です!」

かな子「ふぅ~~、やっと息が出来ますよ~。出撃前にあんまり食べてこなくて良かったぁ~…」

凛 「ゲッタードラゴン単機で大気圏離脱できるのは知ってたけど、このやり方はあんまりしたくないね」

卯月「…ですね。……それにしても見てください!地球がキレイですよ!」

かな子「本当ですね…。ホントに青くて真ん丸で、宝石っていう意味がよく分かりますね」

凛 「…そうだね」

かな子「落ち着いて考えたら、宇宙に出たアイドルって、私達が初じゃないですか?」

凛 「そりゃあ、本当なら適正試験があって、何ヵ月だって訓練して、やっと宇宙に出れるんだから」

卯月「それを私達、数回のシミュレータで済ませちゃいましたけど…」

凛 「実際の無重力の感じはどう?」

卯月「う~…ん…。今は静止状態なので、よく分からないです。ただ、操縦桿がいつも飛んでる時より全然軽いかも…?」

凛 「そっか。戦闘になるかもしれない。月までの移動中に感覚は掴んでおいて」

卯月「分かってます。先ずは晶葉ちゃんと早乙女博士を乗せたシャトルを待ちましょう」

かな子「月面調査に同行ですか…」

卯月「博士の話だと、月にあるゲッター線の観測施設との連絡が途絶えた…んでしたっけ?」

凛 「うん。それで、李衣菜が言ってた未確認生物が着いてた落下物の破片が、その施設の外壁と一致したんだってさ」

卯月「その生物が観測施設を襲ったって事ですか?」

凛 「それをこれから調査しに行くんだよ」

かな子「破片にくっついてたのは、ビィトでも潰せるくらい小さかったらしいですけど?」

凛 「それがその生物の本当の大きさかも分からないし、ひょっとしたらもっと大きいのかも」

かな子「折角の宇宙進出だっていうのに、目的が怪物退治なのはちょっと残念ですね」

卯月「そうですね…。いつか、いつかきっと、怪物もいない平和な宇宙に出て、そしたら……」

凛 「そしたら?」

卯月「みんなで歌を歌いたいですね!スターライトステージですよ!」

凛 「…いいね。そうなるように、私達でしよう」

卯月「はいっ!」

かな子「博士達のシャトルが来ましたよ!」

卯月「よーし、それじゃあ月まで超特急でレッツゴーです!」

凛 「博士達を置いて行ったらダメだよ」

卯月「わ、分かってますよぅ…」

 

~~~ 月面 ~~~

 

晶葉「━━…人類宇宙開発の出発地点、月か…」

早乙女「人類の夢の出発地点。人類の宇宙への進出は、ここを目指すところから始まっている」

晶葉「早乙女博士がゲッター線を発見されたのも、月面だったそうですね」

早乙女「あぁ。全くの偶然じゃったよ。あの時の月面衛星の建設に携わってなければ、或いはゲッター線を発見する事もなかったのかもしれん」

晶葉「大気層のある地球とは違い、宇宙空間ではより多くのゲッター線を観測できる…」

晶葉「月面の観測施設は、そのために建設された施設でしたよね?」

早乙女「そうじゃ。観測施設には、ゲッター線を自然観測するための機材だけではなく、宇宙空間でのゲッター線の増幅量を測定するためのゲッターエネルギー炉もあった」

早乙女「もし観測施設が何者かに襲われ、壊滅していた場合、エネルギー炉の暴走の危険性も考えねばならん」

晶葉「ゲッターほどのロボを動かしているエネルギーですからね…。月で恐竜帝国との決戦の…千葉の二の舞はごめんです」

早乙女「せめて何事もなく終わってくれれば良いのだが…」

 

パイロット「博士、そろそろ観測施設が見えてきます」

早乙女「分かった。晶葉くん、着陸の準備をしよう」

晶葉「はい」

パイロット「━━? ちょっと待ってください」

早乙女「何事じゃ?」

パイロット「はっ。今一瞬だけ、レーダーに何かが…」

早乙女「何か、じゃと?」

晶葉「外には何も変化は見られませんが…」

 

凛 『こっちでも確認したよ』

 

早乙女「凛くん、ゲッターGもか」

卯月『はい!ほんの一瞬でしたけど、私達3人、それぞれのレーダーでも捉えてます』

晶葉「ふむ…。では間違いはないか…。この月面に、何かが潜んでいるという事か」

卯月『ゲッターを降ろして、確認してみます!』

早乙女「頼む。くれぐれも、無茶はせんようにな」

卯月『了解ですっ!』

 

━━。

 

卯月「━━っと!」

 

卯月「凛ちゃん、かな子ちゃん、何か気になるものはありますか?」

かな子「いえ、こっちの方には何も…。レーダーの方にも反応ありません」

凛 「こっちも同じだよ。これだけ静かなら、動いてるものがあれば分かりそうなものだけど…」

卯月「やっぱり誤作動ですか…?」

凛 「まさか、ゲッターとシャトルの両方で同時に…?」

かな子「━━…待ってください…!私の方に、今微かに…」

卯月「反応があったんですか!?」

かな子「はい!まだあります…、これって…ゲッターと同じ位置?」

卯月「? どういう事ですか?どこにも、何も見えませんよ?」

凛 「違う。上にも周りにも何も見えないなら、答えは1つ…」

 

凛 「━━下だよ!」

 

卯月「!?」

 

声に合わせて飛び上がった、ゲッターの足元があった場所に亀裂が走り、大地が割れ、それが姿を現す。

 

?≪シャァァァアア!!≫

 

かな子「で、出ました!…大きい…!」

凛 「ゲッタードラゴンと同等か…」

?≪キシャアアア!!≫

卯月「っ!」

 

突然飛び掛かってきた怪物を、両腕をクロスさせて受け止める。

 

かな子「近くで見ると余計に気持ち悪いです…」

凛 「こっちと話し合う気はないみたいだね。卯月!」

卯月「はいっ!ゲッタービームッ!!」 シュオッ

?≪!!≫

 

ゲッタードラゴンの額から放ったゲッタービームを、背を仰け反らせて躱す。

 

卯月「…ずいぶん身軽ですね…」

凛 「もしかして、コイツが観測施設を…?」

卯月「分かりませんが、ビームがダメなら…」 ヒュッ

卯月「トマホークで格闘戦です!」

 

両手に携えたトマホークを構え、一直線に加速。

 

卯月「えぇーいっ!」 ブォンッ

?≪!!≫ ドゥルンッ

卯月「!?」

凛 「コイツ…自分の体を液体みたいに変化させて攻撃を躱した!?」

卯月「トマホークブーメランッ!!」

?≪シャァア!!≫

 

上空へ逃亡した異生物に放ったトマホークブーメランも、液体のように体を軟化させ、躱される。

 

かな子「一体どんな体してるんですかぁ!?」

早乙女『卯月くん、相手は未知の宇宙生物だ。こちらの常識は通じないぞ!』

卯月「何とか動きを抑えられればいいんですけど…!」

凛 「卯月、ライガーにチェンジしよう」

卯月「ですけど、それじゃあ凛ちゃんがいきなり宇宙での実戦になっちゃいますよ?」

凛 「相手の動きを予想できないんじゃ、ドラゴンの機動性じゃついていけない。それならライガーの方がまだ勝ち目があるかもしれない」

凛 「宇宙戦の動きは、やりながら慣らす!」

?≪シャォォオオン!!≫ グワッ

卯月「ッ!考えてる時間はないみたいですね…」

 

卯月「オープンゲット!」

 

凛 「チェンジライガー!」

 

宇宙空間でゲッターライガーに変形、背中のロケットバーニアが火を噴き、ライガーを加速させる。

 

凛 「っ!確かに空気抵抗がない分操縦桿が軽い…。油断すると何処までも飛んでいっちゃいそう…!」

かな子「凛ちゃん!相手が正面に来ます!」

凛 「!?」

 

正面で待ち構えようとした異生物を軽く躱したつもりが、大きく逸れて月の岩肌にゲッターライガーを衝突させる。

 

卯月「あうっ!」

かな子「きゃっ…!」

凛 「2人共ごめん!直ぐに立て直す!」

?≪キシャアアア!!≫

 

素早く立ち上がったゲッターライガーに異生物が迫る。

 

凛 「何時までもそっちの都合のいいようには…!ライガーミサイル!」

 

正面から突っ込んできた異生物をライガーミサイルで迎撃。月の大地に黒煙を生む。

 

?≪!!?≫

卯月「やりました!」

凛 「いや、まだだよ…!」

?≪ウシャァァアア!!≫

 

黒煙の中から突っ込んできた異生物を跳躍で躱す。

 

かな子「た、高く飛び上がりすぎなんじゃ…」

凛 「やっぱりまだ上手く感覚が掴めないか…。なら!」

凛 「チェーンアタック!」 ジャララッ

 

ゲッターライガーの鎖を伸ばし、先端のクラブを月面に喰い込ませて、強制的に姿勢制御をとる。

 

凛 「…!」

 

そのままロケットを点火。喰い込ませたクラブを支点としてゲッターライガーを円運動で回転させ、

 

凛 「これで…!」

 

そのまま、ゲッターライガーの動きに翻弄されていた異生物を蹴り伏せる。

 

?≪フシャァァアア!?≫

凛 「今だ…!━━ドリルアァァーームッ!!」

 

ギュルゥゥンッ

 

地面に揉んどり打った異生物をドリルで穿ち貫き、粉砕。辺りに異生物の肉片らしきものを撒き散らす。

 

かな子「うぅ……っ」

凛 「…ふぅ」

卯月「……終わった、んですか?」

凛 「…多分ね」

かな子「それにしては何と言うか…、手応えが無さすぎる気が…」

凛 「でももう辺りに反応はないし。とりあえず博士達に合流しよう」

卯月「いよいよ目的地の観測施設ですね…」

 

~~~ ゲッター線観測施設前 ~~~

 

卯月「これは……」

晶葉「予測できた事とは言え、酷いものだな」

凛 「月に廃墟を作ったのは、日本が一番最初だね…」

晶葉「皮肉のつもりか?」

凛 「…ごめん」

卯月「これじゃあ、生存者なんて…」

早乙女「いや、最後まで諦めてはいかん」

早乙女「私と晶葉くんでエネルギー炉のある区画を調べてみる。卯月くん達は居住区域のある区画を頼む」

凛 「了解だよ」

卯月「それにしても、ホントに1人で残って大丈夫ですか?かな子ちゃん」

かな子『は、はい…。さっきの戦闘で、少し気分が良くないので…』

晶葉「あんな間近で、不定形生命体が飛び散るのを見たんだ。無理もないな」

凛 「うん。それにあぁいうのが他にまだいないとも限らない。ゲッターには誰か1人くらい残していかないと」

早乙女「いざという時は、シャトルとゲッターを頼んだぞ」

かな子『任せてください!それまでここでスイーツでも食べて気分転換してますから!』

凛 「あれを見た後で何かを食べようと思えるなら、十分神経が太いと思うけどね……」

 

━━ 施設内。

 

晶葉「━━博士はどう思われます?」

早乙女「この施設の惨状の事か?それとも…」

晶葉「先程遭遇した未知の異生体の事です」

早乙女「…何とも言えんな。地球上に生息する、あらゆる生物に類似しない特徴を持つ存在だ」

晶葉「こちらの常識がまるで通用しない相手でしたからね。私達の見識が、また覆された」

早乙女「うむ。百鬼帝国でも手一杯の現状、あんなものの存在を公表すればたちまち混乱の渦は拡がる」

晶葉「では、博士のは今回の発見を秘匿すると?」

早乙女「まさか。地球圏に現れた個体はあれで全てとは思えん。ここで存在を隠しても、いずれは明らかになる事じゃ」

晶葉「地球はまた、新たな脅威への対抗策を講じなければならないわけですか…」

早乙女「……一刻も早く、あれを完成させなくては…」

晶葉「あれ?あれとは何です?博士」

早乙女「何でもない。年寄りの戯言じゃよ」

晶葉「……」

早乙女「さて、動力室に入るぞ。ここにエネルギー炉もある筈じゃ」

晶葉「了解です」

 

ガシュゥ…

 

晶葉「これは…!」

早乙女「ふむ…。地球に落ちてきた破片に付着していたものと同じじゃな」

晶葉「それが動力室全体に…。博士!あまり近付いては危険です!」

早乙女「いや、動く気配がまるでない。完全に死んでおるようじゃ」

晶葉「どういう事です?」

早乙女「分からん。破片に付着していたモノは仮死状態で、何らかの原因…落着の衝撃などで活動が再開したのかもしれん」

晶葉「……。これだけ近付いても、触れてみても反応はなし、か…。確かに死に体のようですがどうしてここに、しかもこれだけの数が?」

早乙女「何もかもはこれからじゃ。晶葉くん、ここにある奴等の死骸のサンプリングを。破片に付着していたものと違いを比較したい」

晶葉「了解です。博士は?」

早乙女「儂はエネルギー炉の方を見てくる。何かあれば知らせてくれ」

晶葉「分かりました。お気をつけて」

 

━━ 居住区域。

 

凛 「……うん。この辺りはまだ酸素があるみたい」

卯月「良かった…。それじゃあちょっとマスク外しちゃいますね」スッ…

 

卯月「…ふぅ。宇宙空間に出るからって、この密閉型のマスク、少し息苦しくないですか?」

凛 「普段ハーフフェイスのヘルメット被ってる私達が、ヘルメットごと替えなくてもいいようにあるものだから。少しは我慢だよ」

卯月「それは分かりますけど…。あ、でも見てください凛ちゃん。月の重力は軽いから、体がこんなに」 フワー

凛 「もう…、はしゃがないで。一応、生存者の捜索を任されてるんだから」

卯月「えへへ…ごめんなさい」

卯月「でも、可笑しいですね?生存者はともかく、ここ、入ってから人がいた形跡が見当たらないって言うか…」

凛 「生きてるなら、もっと奥に避難したのかもしれないよ。ほらこれ見て。別れる前に博士からもらったこの施設の見取り図」

卯月「そんなのもらってたんですか?」

凛 「まぁね。ほら、これを見るとこの奥の方に避難シェルターって書いてある」

卯月「ホントですね。あ、もしかしてここに…?」

凛 「うん。生存者がいるとすればきっとここだ。だから先ずはそっちの方から探してみよう」

卯月「はいっ!誰か1人でもいてくれるといいんですけど…」

凛 「……くれぐれも、私から離れないでね?」

卯月「分かってますって♪」 フワー

凛 「言ってるそばから…。どこ飛んでくの卯月ー!」

 

━━ 施設外。

 

パイロット「━━…それでうちの嫁がね━━?」

かな子「あははっ。ホントですかー?それ」

パイロット「ホントホント。かな子ちゃんには嘘つかないって」

かな子「ふふっ。私は素敵だと思いますよ?」

かな子「あ、そちらのレーダー、異常はないですか?」

パイロット「大丈夫。さっきからにらめっこしてるけど変化なしで、俺の方が降参しちまいそうなんだから」

かな子「こっちも同じですね~…。博士達、何事もないといいんですけど…」

パイロット「それに関しちゃ問題ないと思うよ?みんな、タフなんですから」

パイロット「それよりも、さっきかな子ちゃんが差し入れてくれたこのカップケーキ、ホント美味しいよ」

かな子「ホントですか!?ありがとうございます!」

かな子「宇宙空間だと味覚を感じにくくなるって聞いた事あるので、少しお砂糖多めに入ってるんですよ~」

パイロット「え?」

かな子「お砂糖の摂りすぎはあまりよくないですけど、味覚感じにくくなるんじゃ仕方ないですよね?」

パイロット「あ…うん」

かな子「だからそう、これは仕方ない事なんです…。それにもしこれで体重に変化でてもその分またゲッターに乗れば…」

パイロット(ゲッターをダイエットに使ってませんかね…。この子…)

かな子「はぁ~…。それにしても、月から地球を眺めながらのスイーツって、特別な感じがしますね」

パイロット「まぁきっと、月まで来てお菓子食べようとする人は少ないからね」

かな子「卯月ちゃんにも言いましたけど、本当に青くて、丸くて…」

パイロット「……」

かな子「丸くて……丸い…。あ!次は大福とか作ってみようかな~!」

 

ピーン…

 

かな子「あら?今レーダーに、何か…━━」

 

━━。

 

卯月「ここが避難シェルターですか?」

凛 「その出入り口だね。…ハンドルで密閉するタイプみたい。卯月、手を貸して」

卯月「はい」

凛 「それじゃ、いくよ。…んっ!」 ギギ…

卯月「んしょ……んしょ…っと」

 

ギギ…ギ… プシュッ

 

卯月「開きました!」

凛 「中の方は…、だいぶ静かだけど…。っ!」

卯月「凛ちゃん?どうかしましたか?」

凛 「見ない方がいいよ」

卯月「え…?う…っ!」

凛 「手遅れ…だったみたいだね…」

卯月「凛ちゃんは平気なんですか…?」

凛 「平気じゃない。平気なわけないけど…。卯月は?」

卯月「私は……ごめんなさいっ!」 タタッ

凛 「無理もないよ。……」

 

凛 (研究所との通信が途絶えたのは数日前…。とすると、原因は餓死…?)

凛 (でも、普通シェルターって言うんなら、籠ることも考えてそれこそ何日分も食料を備蓄してあるはず…)

凛 (何かの原因で、食料が切れていた…?それにしても、何かが可笑しいって言うか…) スッ…

凛 「━━っ!?」

 

卯月「━━…はぁ。ダメだな…私…。凛ちゃんは我慢してるって言うのに…」

 

パァンッ

 

卯月「な…今度は何ですか!?」

 

パァンッ パァン パァン…

 

卯月「じ、銃声…!?凛ちゃんのいる方…。一体何があって……」

 

タッタッタッ

 

卯月「凛ちゃん!?」

凛 「逃げるよ、卯月!」

卯月「ちょっと待ってください!何があったって言うんですか!?」

凛 「理由が聞きたいならあいつに聞いて!」

卯月「あいつ…?」

 

?2≪フシャァァアア!!≫

 

卯月「ひっ…!さっきの…隠れてたんですか!?」 ダッ

凛 「寄生してた…」

卯月「え…?」

凛 「シェルターにいた死体に寄生してたんだ!」

凛 「密閉されたシェルターの中で、死体の中に潜んで息長らえて、誰かがシェルターを開けるのを待ってたんだ!」

卯月「そんな…そんな事って…!それじゃあ私達は…」

凛 「利用されたようなもんだね。少なからず、そのくらいの知能は持ち合わせてる敵って事だよ」

 

?2≪キシャアアア!!≫

 

卯月「お、追い付かれちゃいます!」

凛 「っ!」 チャキッ

 

パァン パァン パァンッ

 

?2≪キシャァァアアア…!?≫

 

凛 「今のうちだ!」

卯月「…鉄砲、撃てたんですね…」

凛 「護身用に、簡単なのだけね。生きて帰れたら、卯月にも教えてあげるよ」

卯月「私は……遠慮します…」

凛 「ふっ…。今はあいつから逃げることだけを考えよう。博士達も心配だ」

卯月「は、はい…っ!」

 

━━。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

早乙女「むっ。何じゃ!?」

晶葉「博士!」

早乙女「晶葉くん!」

晶葉「振動が地下から迫ってます!」

早乙女「付着物のサンプルは?」

晶葉「バッチリ、十分な数を採取してあります!」

早乙女「よし、長居は無用じゃ。早く卯月くん達と合流しよう」

 

タッタッタッ… ガタンッ

 

凛 「早乙女博士!」

早乙女「凛くん!卯月くんも、無事だったか!」

卯月「この揺れは…?」

晶葉「良くない事が起こる前触れだよ。早く退散しよう」

 

?3≪グアァァアア!!≫ ゴシャァァ

 

晶葉「…ふぅ、間一髪だったな」

卯月「また出てきた…!今度は地面から、さっきより大きい…!」

凛 「私達を追っていたのとは、別の個体だ」

晶葉「何?お前達も追いかけられていたのか?」

卯月「はい…。もうそんなに距離ないですよぉ!追い付かれちゃいます!」

早乙女「何、心配することはない━━」

 

?2≪キシャァァアアア!!≫

?3≪グアァァアア!!≫

 

ギュアァァァアア…ッ

 

早乙女「ふむ、やはりゲッターチームは、全員優秀じゃな」

凛 「ゲッターライガー!」

かな子『卯月ちゃん凛ちゃん!皆さん!大丈夫ですか!?』

晶葉「あぁ、ベストタイミングだ」

かな子『今のうちです!卯月ちゃん達はコックピットに、早乙女博士達は、ライガーの手に!』

凛 「分かった。卯月、行くよ!」

卯月「はいっ!」

晶葉「シャトルの方はどうなってる?」

かな子『もう発進準備は終わってます!あとは晶葉ちゃん達が乗り込むのを待つだけです』

 

━━。

 

かな子「凛ちゃん、コントロールをお返しします」

凛 「ん。2号機の操縦もいけるんじゃない?」

かな子「そんな…。凛ちゃんほどじゃないですよ」

卯月「凛ちゃん、かな子ちゃん見てください!相手の様子が…」

 

?2≪━━≫ ズゾゾ…

?3≪━━≫ ズゾゾ…

 

かな子「一ヶ所により集まって…」

凛 「合体してる?いや、どちらかと言えば吸収、同化…?」

 

?≪フシャァァアアアア!!≫

 

かな子「さ、最初に戦った奴ですか!?」

卯月「いいえ!最初に戦ったのより大きいです!」

凛 「仲間を吸収して、より大きくなったってトコ?とにかく、さっきの戦闘では倒しきれなかったみたいだね」

 

早乙女『卯月くん、聞こえるか?』

卯月「早乙女博士!そっちは大丈夫ですか?」

早乙女『あぁ、こちらは大丈夫だ。無事、離脱できた』

晶葉『残るはGチームだけだ』

凛 「すんなり月から離脱できればいいんだけど…」

?≪シャァァアアアッ!!≫

凛 「━━っ!」

 

異生物の攻撃を跳び上がって躱す。

 

早乙女『敵は明らかにゲッターを標的にしておるぞ!』

凛 「大人しく返してはくれないみたいだね」

卯月「そもそもこんなのを月に残していけません!」

凛 「相手するしかないか…!」

 

凛 「━━ライガーミサイルッ!」 バシュッ

?≪…ギャア……?≫

かな子「効いてない…!?」

凛 「大きくなって、打たれ強くなったって訳…?」

卯月「代わって下さい!あのくらいの大きさなら、ライガーよりドラゴンの方が戦いやすいかもしれません!」

凛 「卯月の言うとおりかもね」

?≪キシャァァアアア!!≫ シュッ

 

凛 「オープンゲット!」

 

異生物から突き出した触手を躱してゲッターを分離。相手の背後で1つに。

 

卯月「チェーーンジ!ドラゴンッ!!」

卯月「ゲッターレーザーキャノンで…!」

 

異生体の背後を回りながら、構えたレーザーキャノンの狙いを定める。

 

卯月「えいっ!」 バシュゥ

 

ゲッタードラゴンの放ったレーザーキャノンは、異生物の胴体に命中する。が、

 

?≪キシャアアアアアアアアアッ!!≫

凛 「レーザーキャノンが効いてない!?むしろ吸収した?」

かな子「相手が、さっきよりも大きく…!」

早乙女『なるほど、そう言うことか!』

卯月「どういう事ですか!?」

早乙女『ゲッター線じゃ。奴等の狙いは最初からゲッター線だったんじゃ!』

凛「だから、数ある研究施設の中で、ここだけ狙われたって訳」

かな子「そんな…!ゲッター線をエサにする相手と、どうやって戦えって言うんですかぁ!?」

晶葉『いやある。ゲッター線をエサにするなら、たらふく食わせ続けてやればいい』

凛 「…過剰摂取ってやつだね」

卯月「でも、相手に限度がなかったら…?」

晶葉『無論、ギャンブルなのは百も承知だ。だが、このまま何もせず、手をこまねいているわけにもいかないだろう?』

?≪キシャアッ!!≫ ブォンッ

卯月「ッ!?」

凛 「卯月、他の手を考えている時間はない!」

卯月「……。分かりました…。なら、シャインスパークを使います!」

かな子「しゃ、シャインスパークですか!?」

早乙女『確かに、シャインスパークなら、一度に与えるゲッター線量が多い。ゲッタービームより確実かもしれん』

かな子「でも、シャインスパークは、今までシミュレーションでしか試した事がありませんよ!」

晶葉『あぁそれに、シャインスパークはゲッターGの全てのエネルギーを使い切る』

晶葉『加えて、発動には3人それぞれのコックピットに備えたペダルを同時に入力しなければならない』

早乙女『3人のタイミングが10分の1秒でもずれればシャインスパークは失敗だ!』

晶葉『よりリスキーな賭けになるぞ…!』

凛 「どのみち一か八かだ。やるなら倒せる確率が高い方がいい」

卯月「凛ちゃんの言うとおりです!それに、ここで成功できないと、これからも成功させるなんてできないですよ!」

かな子「それはそうですけど…。…分かりました!私も覚悟を決めます!」

卯月「はい!3人の心を1つに合わせるんです!」

 

グンッ

 

ゲッタードラゴンを急上昇させる。

 

卯月「ゲッタァァーシャインッッ!!」

 

両腕を大きく開き、ゲッターの力を解放する。

 

凛 「!!」

かな子「~~~!!」

卯月「━━…!いきますっ!!」

 

ゲッター線の色に光り輝くゲッタードラゴン。そのまま月面で身構える異生体に向けて急降下する。

 

凛 「…タイミングは分かってるね!?」

卯月「はい!バッチリです!!」

かな子(3…2…1……)

凛 「それじゃあ頼むよ、卯月!」

卯月「はいっ!」

 

異生体が目前に迫る。

 

卯月「シャイン…!スパァァァーーク!!」

 

タイミングを、心を合わせてゲッタードラゴンから放たれた光を放つシャインスパーク。

 

?≪シャアッ━━!!?≫

 

果たして、その破壊力は━━!

 

ド ワ オ

 

凛 「や、やった!?」

卯月「はい…!これが、ゲッター線の輝き…」

かな子「…キレイ……」

凛 「そうだね。だけど、たくさんの命を一度に奪う事もできる、危険な光だ」

卯月「だから、3人の心が揃って、初めて使える力なんですね」

凛 「それを使う私達は、使い方を誤らないようにしないとね」

 

シュゥゥ…

 

かな子「光が消えていく…」

卯月「敵は…」

凛 「直撃したのは確認したんだ。だとしたら、あれで生きてるわけ……おっと」

 

ゲッタードラゴンが力を失う。

 

早乙女『Gチーム諸君、皆、生きているかね?』

凛 「早乙女博士。私も卯月も、かな子も全員無事だよ」

卯月「シャインスパーク、成功しました!」 ブイッ

晶葉『こちらでもゲッター線の爆発光を確認した。よくやったな』 フッ

凛 「まぁね。私達、チームだから」

かな子「えへへ…」

早乙女『それで、相手は倒せたのか?』

凛 「月に新しいクレーターを1つ作っちゃったんだよ?直撃したんなら、逃げられないと思う」

早乙女『ふむ…。一先ずは退ける事ができたか』

晶葉『問題はこれからだぞ』

卯月「はい…!百鬼帝国と戦いながら、あの相手とも…━━」

 

つづく




次回予告!

月面で遭遇した新たな敵、インベーダーの襲来を受け、政府は、ゲッターロボG量産計画を推し進める。
量産型ゲッターGの完成を祝う記念式典でプロパガンダ・ライヴを行う事になった卯月達アイドル。
そこで、これまで研究所で研究三昧だった晶葉にも、デビューの話が舞い込む。
果たして、晶葉はアイドルとしての自分を取り戻すことができるのか、無事に、アイドルとしてデビューを飾る事ができるのか!?

次回! ゲッターロボ×CG 第2部

第15話『晶葉デビュー、アイドルの道!』に、チェンジゲッター!
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