整備員「ふわぁ~~…!」
整備員2「スゴい欠伸だな…」
整備員「そりゃ日が昇るまで働かされりゃあな。早くベッドで横になりたいぜ」
整備員2「真ゲッターもネオゲッターも激しい戦闘だったみたいだからな。ま、整備点検も一通り終わったし、これでしばらくゆっくり出来ればいいんだけどな」
整備員「まったくだ…。……ん?」
スゥ…
整備員「おい、今の見たか?」
整備員2「あっちは確か、食糧庫がある方か」
整備員「まさかつまみ食いか?」
整備員2「だったら見過ごせないな。行ってみよう」
タッタッタッ…
整備員「可笑しいな~、誰もいないぞ?」
整備員2「こっちの通路は食糧庫がある以外は行き止まりだぞ?…見間違えたのか?」
整備員「ははっ、徹夜明けで疲れてんのかな…。━━…あぁっ!?」
整備員2「…?何だよ、人の顔見て驚いてんじゃねぇよ」
整備員「あ…あ、違…っ」 ガタガタ
整備員2「? ホントに何なんだ?」
整備員「あ…う、うし…後ろ…!」
整備員2「あン?後ろだぁ?」 クルッ
『……』
整備員2「ヒッ!こ、こいつは…!」
整備員「あ…あ、ああわわわっ…!」
ゴール『……』 ニヤリッ
「「ひゃぁぁああああああ━━!!」」
━━。
~~~ 新早乙女研究所 談話室 ~~~
美波「……」
アーニャ「……」
みく「……」
菜々「……」
瑞樹「……」
茜 「!!」
美穂「……」
美嘉「……」
莉嘉「……」
かな子「……。あ、あの~…」
かな子「私の作った木苺のタルト、そんなに美味しくなかったですか!?」
ブホァアッ
美穂「あ、茜ちゃん…!大丈夫?」
茜 「ゲホッ…!ゴホッ!すいません…!お茶が!気管に!」
みく「にしても絶妙なタイミングだったにゃ」
菜々「あぁあ~、床まで溢しちゃってますよ!何か、拭くものを…!」 タッタッ…
かな子「……」
美波「だ、大丈夫よ、かな子ちゃん?かな子ちゃんの作ってくれたタルトは、スッゴく美味しいから!」
かな子「でも…」
瑞樹「美波ちゃんの言うとおりよ。甘さ控えめの生クリームに、木苺の酸味が絶妙に合っていて、美味しく出来てると思うわよ。紅茶にもよく合うし」
美嘉「うんうん。アタシなんて止まらなくなりそうだし」
かな子「あ、ありがとうございます…!もしかしたら皆さんのお口に合わなかったんじゃないかなって…」
アーニャ「そんな事ありません。かな子の作るお菓子はどれも美味しい、ですね」
みく「ま、もし不味かったとしたら、それは使ってる苺の問題だから、かな子ちゃんは関係ないにゃ」
菜々「研究所の敷地内で採れたものですからね~。変な物質は入ってないと思いますけど…」 フキフキ
莉嘉「実際美味しかったんだから気にする事ないって☆」
瑞樹「ま、みんなが静かにしてる理由て言ったら、別の理由よね」
一同「「「……」」」
美穂「……。何なんでしょう…ゲッターって…」
瑞樹「私達には、教えられている事しか分からないわね」
菜々「宇宙線の一つで、地球に降り注ぐ、ごく僅かな媒体から、何十倍にも増幅されるエネルギー体、ですか…」
瑞樹「尤も、晶葉ちゃんと凛ちゃんは、もっとずっと前から色々調べたりしてたみたいだけど」
かな子「知ってたんですか?その事…」
瑞樹「えぇ。夜遅くまで晶葉ちゃんの部屋の明かりが点いている事もあったし、2人で深刻そうに話しているのを、何度か見かけたりしてたもの」
かな子「……」
みく「何で手伝ってあげなかったの?」
瑞樹「あまりでしゃばるような真似しても仕方ないじゃない?晶葉ちゃんは早乙女博士仕込みのゲッター線の専門家。凛ちゃんはずっとゲッターに乗って戦ってきたパイロット」
瑞樹「最前線で私達よりもゲッターの中で戦ってきたんだもの。きっと私達よりも色んな事に気付かされる機会があったんだと思うわ。だからじゃないけど、2人に任せておけば、なんて思うところもあったのよ」
アーニャ「リンとアキハは、今も向こうの研究所、ですか…」
美波「地下に沈んだゲッタードラゴンを引き揚げるって言ってたけど…」
かな子「でも、乗ってたという、未央ちゃんは…」
「「「……」」」
茜 「皆さん、そんな暗い顔をして!どうかしたんですか!」
かな子「何って…、茜ちゃんは心配じゃないの?未央ちゃんの事」
茜 「はいっ!どうして心配するんです?」
かな子「だって…、それは…」
茜 「未央さんは無事ですよ?昨日、連絡もらいましたから!」
かな子「えっ?本当に?」
茜 「本当ですよ!履歴もあります!見ますか?」
瑞樹「…どう言うことなの…?」
~~~ 早乙女研究所 制御室 ~~~
晶葉「……」
凛 「良かったね。地上施設だけでも無事で済んで」
晶葉「だが、地下施設はご覧の有り様だ。ほとんどが同化されて、ドラゴンごと消えてしまった。残っている箇所も、ゲッター線の汚染が激しく、立ち入るにはこうして、防護服を着用しなければならない」
凛 「一部では、結晶化したゲッター線が確認されたみたいだね。それだけ高濃度に汚染されてるって事だけど」
晶葉「じきにこの研究所は閉鎖される。その前にゲッタードラゴンは回収しなくてはな」
凛 「そのドラゴンの様子は?」
晶葉「相変わらずだ。今も地面を吸収して削りながら、極々低速で潜行を続けている」
凛 「ゲッターエネルギーの塊か…。シャインスパークの数十倍、それ以上って感じ?」
晶葉「このまま潜行を続けて、マントルを抜けて内核に接触すれば何が起こるか分からん。その前に引き揚げたいが…」
凛 「進捗はよくないみたいだね」
晶葉「あぁ。引き揚げようと降ろしたアンカーが、全て同化されてしまう状況ではな。やはり真ゲッターによる引き揚げを考えなければいけないようだ」
凛 「真ゲッターも吸収されるんじゃないの?」
晶葉「同じゲッター線を使っているからこそ、抗えるかもしれん。どのみち賭けになる事は変わらんがな」
凛 「……」
ゲッタードラゴンが作った、巨大な穴を見下ろす。
凛 「この穴のずっと下に、ドラゴンが…」
晶葉「肉眼では確認出来ないところまで潜られたがな。これを見ろ」
手前のディスプレイを指す。
晶葉「ここから地下2000m…、そこに膨大なエネルギー溜まりがある」
凛 「地下2000…、随分な所まで落ちたね…」
晶葉「様相はまるで繭だ。ゲッタードラゴンを中心に、高濃度のゲッターエネルギーが拡散もせずに渦巻いている」
凛 「繭…。これから蝶か何かみたいに変態して出てくるって?」
晶葉「……。ゲッターの進化、か」
凛 「ゲッター線は人類を進化させた。早乙女博士のその仮説を信じるとしても、無機物のマシンまで進化させるの?」
晶葉「脅威に打ち勝つために。…或いは」
凛 「脅威?」
晶葉「先日現れた昆虫軍団のようにな。彼らだけでも、真ゲッターと互角に張り合うくらいの戦闘能力を持っていた」
晶葉「そう言った脅威と戦うためには、これからは人類の力だけでは間に合わないのかもしれない…」
凛 「戦いは続く、ね…。早乙女博士は?」
晶葉「あそこだ」
制御室のガラスの向こうに見える、より地下の一角を指す。
凛 「あんなところに…?」
晶葉「あそこでドラゴンを観察している」
凛 「早乙女博士は、こうなる事を予測していた感じあるよね」
晶葉「らしいな。私はそこにはいなかったが、ドラゴンに乗り込んだ未央に炉心の出力を上げるように指示したと」
凛 「未央…」
晶葉「……楽観的な事を、言うつもりはないぞ」
凛 「分かってる。これだけのゲッターエネルギーの中だよ。繭の中心温度は数千度を超えてる…。きっと未央は…」
晶葉「……」
晶葉「そういえばこんな噂を知っているか?」
凛 「噂?」
晶葉「あぁ、科学者としてこんな話は眉唾で終わらせたいが、幽霊の話だ」
凛 「幽霊?…それ、未央も言ってた」
晶葉「そうなのか?」
凛 「今考えてみれば、早乙女博士が真ゲッターを作り始めた辺りから言ってた…。あの時博士は、研究所地下のゲッター線量を通常空間の15倍にしてるって言ってた」
晶葉「ゲッター線の増加に関係あると言うのか?だが、作業員の噂で目撃されたのは恐竜帝国のゴール帝王という話だったぞ?」
凛 「ゴール…?」
晶葉「奴等はゲッター線を憎んでいたはずだ。そんな奴が何故こんなところに姿を現す?」
凛 「……」
凛 (…私もあの時、プロデューサーに会った…。プロデューサーもゴールも、死んだ時はゲッター線の中だった…。それに何か関係性が…?)
凛 「……」
晶葉「ゲッター線…。どうやら秘密は、生物や機械を進化させるだけじゃなさそうだな」
タッタッ…
所員「池袋さん!」
晶葉「…何だ?騒々しい」
所員「いえ、大した事ではないんでしょうけど、念のため報告に」
晶葉「報告?」
所員「はい。早乙女博士は現在、面会や接触は禁止しているので」
晶葉「ふむ。それで?」
所員「はい…。何やら、研究所全体のゲッター線量が極々微量に上昇しているようで…」
晶葉「……。分かった」
晶葉「…どう思う?」
凛 「この状況で自然増幅はタイミングが良すぎるね」
晶葉「また何かが起きるのか━━」
━━。
早乙女「……」
早乙女「……」
「首尾はどうですかな?早乙女博士」
早乙女「……。また現れたか…。百鬼大帝、ブライ」
ブライ『ここは居心地がいい。博士、貴方の顔を見ていると心が和む』
早乙女「何故…、私の前に現れる…?それも、ここのところ毎日のように」
「それを尋ねると言うことは、やはり貴方はまだ、真理には辿り着いていないようだ」
早乙女「……」
ゴール『無理もない。生命が存在しているうちに理解できる事は限られている』
早乙女「ゴールにブライ…。2つの勢力の大将が揃いも揃って…。儂を呪いにでも来たのか」
ゴール『呪う?ふふ…。そんなものに興味はありませんよ』
ブライ『それは、貴方自身がよく分かっている筈だ』
早乙女「……」
ブライ『私は博士の力になりたい』
ゴール『貴方の助けになるために、私はここに存在しているのです』
ブライ『我々の時間は無限だが、未来を託すために残された時間は少ない』
ゴール『博士が今手掛けているもの、それは彼女達に遺すゲッターの設計図でしょう?』
早乙女「……!」
ブライ『この短時間の間にこれだけのモノを仕上げたのは流石だが、急場の作業で所々の計算に誤差が生じている』
ゴール『やりましょう。この力は、これからの生命に必要な力だ』
早乙女「……あぁ。そう言えば、ブライは人間だった頃、科学者だったのだな」
ブライ『ところで博士、真ゲッター炉心は残さなくても良いのかな?』
早乙女「良い。…アレは真ゲッターロボの1基があれば、それで良いのだ」
ブライ『そうか。余計な事を聞いてしまいましたな』
早乙女「構わん。儂の役目も、やがて終わる。後は遺される彼女達と、真ゲッター。そして、儂が最期に遺すこのゲッター達で切り開いていかなければならん」
ゴール『その道は、永く険しいですな』
早乙女「そうだ。無垢なる彼女達を、儂はこの手で地獄に突き落とさねばならん!ならばせめて、手向けぐらい用意しなくては、儂の数十年の研究には何の意味もない!その為に━━!」
━━。
━━━━━
━━━
━
━━ 大宇宙がある。
「━━バル艦隊、所定位置に着きました」
「うむ。各防衛線の動きは?」
「第1から第12073600防衛線まで異常はありません」
「空間振動多数検知!敵艦隊がこちらの星系にワープアウトしてきます!!」
「来たか…!数は?」
「第一波…およそ二千万…尚も増加中…!1億…1000億…!敵反応、増え続けてますッ!」
「我々の戦力を上回るというのか…!?」
「敵、無量大数を超えますッ!!」
「ぬぅ…!攻撃だ!攻撃開始ッ!!連中をこちらの星域に侵入させてはならん!!」
「敵は既に、第3984500防衛戦までを突破!本艦の射程圏内に入ります!!」
「総攻撃用意ッ!!全艦隊をあげて惑星ダビィーンを守るのだ!!」
「目標、射程圏内!!」
「主砲射撃開始ッ!目標は連中の旗艦━━」
「━━ゲッターエンペラーだッ!!」
━
━━━
━━━━━
~~~ 早乙女研究所 パイロット仮眠室 ~~~
卯月「━━…ふわ…?」
ムクリ
卯月「今の…夢は…?」
コンコン
卯月「はいー?」
奈緒「卯月ー?いるかー?」
卯月「奈緒ちゃん。はい、どうぞ?」
奈緒「そんじゃ入るぞー」
ガチャ バタンッ
奈緒「お、丁度寝起きって感じか?」
卯月「はい…。おはようございますっ。奈緒ちゃん、それに、李衣菜ちゃんに加蓮ちゃんも」
李衣菜「おはよ」
加蓮「おはー。スゴい寝癖だね」
卯月「えへへ…。朝はいつもこんなんで…。李衣菜ちゃんは、もうケガの具合はいいんですか?」
李衣菜「平気平気。あんなのケガの内に入らないよ」
卯月「そうなんですか?それでもあんまり無茶は…」
奈緒「平気だよ。李衣菜は体だけは丈夫だもんな?」
李衣菜「そう言うこと!ま、この研究所も私とネオゲッターに任せてよ!」
奈緒「あのなぁ…。そうやって天狗になってると、足元掬われるんだぞ?」
加蓮「ホント、2人共毎度の事飽きないよね~」
卯月「あはは…」
卯月「あ、未央ちゃんも来てたんですね。気づかなくてごめんなさい」
奈緒「あ?…何言ってんだよ…。未央は…」
未央『まったくだよ。みんなで仲良く話してー。私は仲間外れ?未央ちゃん寂しいな~』
李衣菜「え?」クルッ
未央『やほー』
「「「……」」」
加蓮「えっと…」
奈緒「で、ででで…出たぁぁあぁぁぁああああ!!?」
未央『何だよー。まるで幽霊か何かでも出たみたいに…』
奈緒「幽霊だろ!!?ああぁあ頼むから成仏してくれ…!南無阿弥陀仏…」
未央『だーかーらー!幽霊じゃないってば!』
奈緒「ほ、ホントか…?ホントに未央か?」
未央『ホントホント~。あ、でも体は触れないけど』
奈緒「やっぱ幽霊じゃねぇかよっ!!」
加蓮「ちょっと~、奈緒?少し落ち着きなって」
奈緒「加蓮はなんでそんな平然としてられるんだよ!?」
加蓮「信じられない事なんて、これまでいくらでもあったし。少しは落ち着かないと、未央の話も聞けないでしょ?」
李衣菜「目の前にある事が真実だよ」
奈緒「いやぁ、そう真面目に言われるとな…」
未央『まぁちょっとした幽体離脱みたいな感じかな?そういう意味では、幽霊って言うのもあながち間違いじゃないかも』
李衣菜「それじゃあ、今の未央の体は?」
未央『まだドラゴンのところにあるよ。私も卯月も凛も、まだゲッターには必要なんだよねぇ~』
加蓮(卯月…?)
未央『今の私は、ゲッター線って言うプールの中を、自由に泳いでるのに近い感じ。だからゲッター線濃度が濃くなってる研究所の中だと、こうして意識だけ自由に飛ばせるって訳』
加蓮「ふぅん?何だか便利そうじゃん」
卯月「そうでもないですよね。逆に言えば、研究所の外には出られないわけですし」
未央『そうだね~…。体がドラゴンの中にある以上、ドラゴンからは離れられないわけだし』
卯月「何時までここに居られそうですか?」
未央『ん~…。まだもう少しは。ここで起こるイベントが一通り終わるまでは、かな?』
卯月「そうですか…」
李衣菜「…分かる?」
加蓮「全然」
奈緒「って言うか未央がいるって気付いた時もだけど、何で卯月はいつも通り受け入れてんだよ?」
李衣菜「卯月は最初から知ってたの?」
卯月「知ってたって言うのかな…。何と言うか、無意識に受け入れてたと言うか…」
加蓮「何それ?」
未央『まぁ、卯月ってそういうとこあるよね。天然って言うかさ』
卯月「天然じゃありませんよ~!」
奈緒「……」
李衣菜「こういうの見てると、いつもの風景って感じだね」
加蓮「ホント。この間あんな事があったなんて嘘みたいで、ちょっと変感じ」
奈緒「あぁ、いつの間にか別の世界に迷い込んだみたいだな…」
未央『にしても酷い話だよね~。前回まともに出番もないままアレだったからって、急遽出番なんて言われてもさ~』
奈緒「お前は誰に何の話をしてるんだよ!!」
未央『いや、だって私この回終わったらしばらく出番ないんだよ?』
奈緒「知るかッ!!」
李衣菜「これもいつも通り…」
加蓮「だね。こっちは安心する」
奈緒「おい!!」
未央『あっはは~…っと、そろそろ凛がここに来る時間か』
加蓮「? 凛とは会わないの?」
未央『凛は自分で何とか納得させようとしてるからねぇ。そこに私が出てっちゃったら、余計混乱させちゃう』
加蓮「何か、分かる気がする」
未央『だから、李衣菜も加蓮も奈緒も、私がここに来たって事は内緒だよ?』
奈緒「お、おう…」
李衣菜「わ、分かった…」
李衣菜「? って言うか今凛が来るって、初めから分かってるみたいな言い方だったけど、どゆ事?」
未央『ははっ!━━もうすぐ祭りが始まるよ』
奈緒「祭りだァ?」
未央『そ。みんなの旅立ちを盛大に祝うんだよ。…3人はネオゲッターでスタンバっといた方がいいかも』
奈緒「おい!だからどういう事だってんだ!!」
未央『ごめん、タイムリミットだ。それじゃね━━』
スゥ…
李衣菜「消えちゃった…」
奈緒「一体何だったんだ…」
卯月「……」
ガチャ
凛 「卯月、起きてる?」
奈緒「あ…お…り、凛…」
凛 「? 奈緒も加蓮も李衣菜も…。ネオゲッターチームが3人揃って、ここで何してるの?」
李衣菜「え…?あ、いや…その…」
凛 「…?」
加蓮「別に~?忙しそうな凛に代わって、卯月を起こしに来ただけだよ」
凛 「そうなの?」
卯月「え…えぇ、はい…!そうみたいです」
凛 「…ふぅん」
李衣菜&奈緒「「あははは…」」
加蓮「2人共、もう少し上手くやんなさいよ」 ボソッ
李衣菜「ご、ごめん…。何て言うか、状況の変化に着いていけなくって…」
奈緒「加蓮こそ、何でそんな風に平然と出来るんだよ?」
加蓮「演技もアイドルの仕事の一つでしょーが」
凛 「……」
卯月「あ…え、で…えーっと、何か用事ですか?凛ちゃん」
凛 「うん。研究所周辺のゲッター線量が増加した。この流れだと、近い内にまた何か起こる」
卯月「そうですか。それじゃあ、早く出撃の支度をしないと…!」
奈緒「ゲッター線の増加で未来が分かるなんて、まるで占い師みたいだな」
加蓮「そんなこと言って、奈緒は自分の髪の毛で、明日の天気が分かるんでしょ?」
奈緒「なッ…!それはな…」
李衣菜「それじゃ、奈緒は気象予報士だ」
加蓮「言えてる」
奈緒「お前らなぁ…」
凛 (……)
卯月「凛ちゃん?どうかしたんですか?」
凛 「…ん?いや、ちょっとね」
卯月「?」
Prrrr Prrrr
奈緒「何だ?」
加蓮「備え付けの内線だよ。非常時以外滅多に鳴らないけど」
凛 「……」
ガチャリ
凛 「何かあったの?」
晶葉『おぉ、凛。まだ部屋にいたか。丁度いい、外を見てくれ。その部屋からでも見れる筈だ』
凛 「外…?」
李衣菜「何…あれ…?」
卯月「黒くておっきい…球体…?宙に浮いてますよ」
奈緒「黒き月か!」
加蓮「多分それは違うと思う」
晶葉『つい数分程前に、突然姿を現した』
凛 「何なの?あれ…」
晶葉『分からん。何せレーダーでアレを捉えることが出来ないんだからな。熱量、質量ともに反応がない』
奈緒「ウソだろ?あんなデカくて目立つのにか?」
晶葉『あぁ。事実、光を遮ってないだろう?』
加蓮「…確かに」
凛 「でも、現実には見えてる」
晶葉『そうだな。そこから導き出されるに、恐らくは空間の歪みが生んだ”像”なのだろうと』
李衣菜「空間の歪み…?空間って歪むの?」
奈緒「おい、今はバカが口出していい雰囲気じゃなさそうだから静かにしとけ」
李衣菜「バカって…。…はーい」
凛 「━━つまり、またあいつらが現れるって事か…」
晶葉『恐らくな。しかも、前回はこんな前兆はなかった』
凛 「前回以上の何かが現れる…」
晶葉『不確定な要素ばかりだな』
凛 「でも、分かりやすく教えてくれるならありがたいよ」
加蓮「方針は決まった?」
凛 「うん。加蓮達はネオゲッターで待機。あの球体の調査は、真ゲッターロボで行う。晶葉は新研究所の方に応援の連絡を」
晶葉『分かった』
凛 「卯月!準備できた?出撃だよ」
卯月「あ…あぁちょっと待ってください!ここの寝癖が…なかなか直んなくて…」
凛 「髪型より今は人類の危機だよ」
卯月「あぁ!そんなぁ~!」
ズルズル…
加蓮「……」
李衣菜「……」
奈緒「……。あ、あたしらもネオゲッターのトコに急ぐぞ!」
━━ 早乙女研究所上空。
芳乃「━━…ほー…」
芳乃「これはまたー、立派なものでしてー」
凛 「これだけ近付いても、計器は何の反応もなしか…」
卯月「でも、カメラにはしっかり映ってますよ」
晶葉『肉眼でのみ確認できる事象…。果たしてアレに実体はあるのか、それとも蜃気楼のような現象なのか…』
卯月「取り敢えず触れてみますか?」
晶葉『何が起きるか検討もつかん。用心してな』
卯月「…はい!」
スゥ…
卯月「……」
ゆっくりと、真ゲッター1の腕を球体に近付ける。
━━バチンッ
晶葉『何だ!?』
卯月「球体が割れて…何か出てきますっ!これは…ッ」
『ギィ~~~ッ!!』
凛 「昆虫軍団ッ!!」
球体の裂け目から溢れ出すように、巨大な昆虫の群れが真ゲッター1に群がる。
ギチ… ギチ…
凛 「コイツら…、ゲッターを喰い殺すつもり!?」
卯月「~~~…!━━ゲッターレザー!!」
両腕のレザーを広げ、取り付いた昆虫を切り払い、退ける。
卯月「そう簡単にはさせません!キャベツじゃないんですから!」
レザーを展開した腕を構え直し、自ら球体の中に突撃。
卯月「たくさん出てくるのなら、出てくる前に迎え撃ちます!」
凛 「いこう、卯月。コイツらが何者なのか、見極めるには丁度いい」
芳乃「……」
━━。
所員「真ゲッター1、球体内に侵入します!」
晶葉「ゲッターを見失うな!ゲッター炉心の反応から、常に位置を特定し続けろ!」
所員「はっ!」
晶葉「新研究所との連絡はまだ取れないのか?」
所員2「はっ…!それが、新研究所の方も、インベーダーの襲撃を受けていると!」
晶葉「何っ!?このタイミングでか!?」
所員2「はい。インベーダーの数が多く、新研究所に待機しているゲッターは全て出撃中との事です!」
晶葉(まさか…、偶然の筈がない。なら、インベーダーはこうなる事を予め分かっていたとでも言うのか?真ゲッターと、我々を孤立させるために)
所員「真ゲッター1、球体の中心に接触します!」
━━。
卯月「うあぁぁああああッ!!」
凛 「うぅっ…!?」
芳乃「……そろそろでしてー」
『━━…ゲッタ……━━』
卯月「!?」
『全てを悟れ…ゲッターロボ。全てを悟るのだ…』
凛 「何…?この声…、空間全体から響いてくる…!」
卯月「この空間の主ですか!?」
『貴様らは、宇宙の癌‼』
凛 「宇宙の癌━━!?」
芳乃「…そなたらの目的を教えませー?何故このような行いをー?」
『己の意識で確かめよ!』
卯月「己の意識…?」
『意識で見るのだ。そして知れ!宇宙の罪人‼』
卯月「…━━‼」
ズズズ…
凛 「何なの…?…見たことのない星…?」
芳乃「空間そのものが映写機のようにー。立体的に映像を写し出しているものとー」
卯月「まるで私達がその空間にいるみたいですね…」
凛 「見て。星の奥から、何か来る…。アレは……」
卯月「━━ゲッターエンペラー‼」
凛 「何て数の…ゲッター…?」
芳乃「アレはー、ゲッター艦隊でしてー」
凛 「ゲッター艦隊!?」
卯月「……」
━━『ゲッターエンペラー。サード・ムーンより敵が来ます』
━━『任せろ!月もろとも吹き飛ばしてやるッ‼』
芳乃「……」
凛 「!?」
ゲッターエンペラーの艦首から放たれた閃光が、月をまるごと吹き飛ばす。
凛 「何なのこれ…?私達は、何を見せられてるの!?」
芳乃「落ち着きましょー。心を乱せばー、敵の思う壺でしてー?」
凛 「…でも、今のは…。…くっ」
卯月「今度は奥から何か来ます!」
それは、巨大な幼虫のような影。
凛 「……今度のはレーダーにも反応がある…」
芳乃「実体のある存在と言うことですねー」
卯月「と言うことは、あれがこの空間の主…!」
「ようやく空間を安定させることが出来た。これでこの次元に自由に干渉できる!」
卯月「こ、昆虫人間…!?」
凛 「……成る程…、昆虫軍団を率いてただけはあるね…!」
「ここに来るまでに幾多の犠牲を払うことになった…。だがそれも終わる!ゲッターの滅びを以て‼」
卯月「あ、貴方達は!何が目的で、何の為にこんな事をするんですか!?」
「何の為にだと…?貴様らを消滅させる為にだ!その為に我らは時空を越えて来た‼」
凛 「時空を越えて来た…?」
卯月「一体どこから…?」
「戦場から来た!その戦争に終止符を打つ為に!ゲッターの起源を断つ為に‼」
卯月「ゲッターの起源を断つ…?」
凛 「本当に未来から来たなんて…」
「未来や過去など、時空を越えた今、それは無意味なものになった!ここがゲッターの起源…。その事実を消し去る」
「私、ギィムバグ軍曹が成す!この宇宙の未来の為、全ての生命の安寧の為!ゲッターの存在を、この宇宙から抹消する‼」
凛 「ゲッターが宇宙を滅ぼす…?ゲッターが…宇宙の敵…?」
卯月「凛ちゃん!あの人の言葉を全部信じちゃダメです!私達は、何時だってゲッターに助けられてきたじゃないですか!」
芳乃「卯月さんの言うとおりでしてー。今のはかの者が片方の側面から見た話ー。真実はー、また別のところにありましてー」
ギィムバグ「貴様らはこの星を出てはならぬのだ!ゲッター線にこれ以上宇宙を汚染させるわけにはいかぬ!」
グォン
卯月「━━!?何か来る…?大きい…!」
ギィムバグ「滅せよ!愚かなる眷属ッ‼」
ギィムバグの乗る昆蟲艦の背後から、真ゲッターを優に超える異形が姿を現し、ゲッターを掴み、そのまま球体を突き抜け地面へ叩きつける。
卯月「ぐっ…!?」
ギィムバグ「行けぃ‼ホグラムD7よッ!ゲッターを倒し、ドラゴンにトドメを刺せ‼」
ホグラムD7≪ギシャァアアアアッ━━‼≫
凛 「ど、ドラゴン…!?」
芳乃「かの者らはー、ドラゴンの進化を阻止するつもりでしてー」
卯月「そんな事は…!」
ホグラムD7≪グゥゥウウッ‼≫
卯月「…ッ!」
真ゲッター1の前に、ホグラムD7が立ちはだかる。
ギィムバグ「よし。クロノウォーム始動!目標、地下のゲッタードラゴン‼」
凛 「…こっちの相手はこいつに任せて、あっちは悠々と地下に向かうみたいだね」
芳乃「ともかくここはー、この異形を退ける事を第一に考えるべきかとー」
卯月「ネオゲッターに支援を要請しますか?」
凛 「そうだね…。これだけの相手…、戦力は多い方が…」
芳乃「いえ、そのような場合ではなさそうでー」
凛 「どう言うこと?」
芳乃「研究所内のゲッター線量が増大してましてー。恐らく内部でもー、一悶着が起きているかとー」
凛 「こんな時に!?」
芳乃「はいー。旅立ちの時を祝すー、祭りが始まりでしてー」
━━。
李衣菜「うおりゃああ‼」
ガンッ
奈緒「な、何が起きてるんだよ!一体!」
加蓮「敵に備えて待機してたつもりが、まさか暴走したゲッターの相手をすることになるとはね」
試作ゲッター群>…… ズンズン
李衣菜「はぁああっ‼」
徒党を成して襲い来る、廃棄同然の試作型ゲッターを拳を握り締め殴り倒していく。
李衣菜「くっ…!格納庫の狭さじゃ、思うように動けない!」
ガッ
李衣菜「しまった…!」
乱戦に乗じて、ネオゲッター1の背後に回った1機の試作型ゲッターが、ネオゲッター1を羽交い締めにして捕らえる。
奈緒「おいぃ!?」
正面に立った試作型ゲッターがトマホークを振り上げる。
李衣菜「…ッ!ショルダーミサイル‼」
何とか腰を落とし、ショルダーミサイルでトマホークを振り上げたゲッターを破壊。
李衣菜「こンのぉ…!」
肘打ちでこちらを羽交い締めしているゲッターを引き剥がし、蹴り倒す。
加蓮「倒しても倒しても、すぐに立ち上がってくる!」
李衣菜「下手なゾンビよりも質が悪いっ!」
晶葉「ネオゲッター!無事か!?」
奈緒「晶葉!?ここは危ないぞ!何しに来たんだ!?」
晶葉「そんな事は百も承知だ!だが、暴走の原因は究明する必要がある!」
加蓮「暴走…?」
晶葉「今、研究所のゲッターエネルギーで稼働してるものは全て暴走状態にある!」
李衣菜「ちょ、ちょっと待ってよ…!確かこの研究所のほとんどは、ゲッターエネルギーで動いてるんじゃ…」
晶葉「そうだ!だからほとんどのものはアウトだ!」
奈緒「マジかよ…」
晶葉「早乙女博士だ!博士ならこうなった原因を知っているに違いない!だから直接行って尋ねてくる!」
加蓮「成る程ね。つまりそこに行くまでアタシ達でエスコートすればいいんだ?」
晶葉「頼む!格納庫脇の非常用通路には入れれば、一応は安全の筈だ」
李衣菜「そうと決まれば…━━おりゃっ‼」
手近に寄ったゲッターから殴り倒していく。
李衣菜「ほらほらドンドン掛かって来なよ!アンタ達みたいな出来損ないのゲッターもどき、ネオゲッターがまとめて相手になってあげる‼」
ネオゲッターと試作型ゲッターの乱戦が始まる。
晶葉「よし…、今のうちに…!」
全力ダッシュ。
晶葉「はぁ…っ、はぁ…っ、はぁ…っ!」
晶葉(第一関門突破…!)
非常用通路に入り、階段を下って地下へ。
晶葉(一体何が起こっていると言うんだ…?博士、ゲッター線は一体何をさせようとしている…?)タタッ
晶葉「━━ッ!?」
ユラァ…
晶葉「こんな時に幽霊騒ぎとは…。先を急ぎたいんだがな」
ブライ『……』
晶葉「そこを退いてもらおうか、ブライ!今はお前の恨み言を聞いている時間はない!」
ブライ『恨み言などどうでもよい!私は呼ばれたからここにいる!』
晶葉「誰にだ!?」
ブライ『決まっている!ゲッターにだ!』
晶葉「何だと!?」
ブライ『ここは今、ゲッター線が滞留していて、君達にとっては危険な状態にある』
ブライ『だから私が、比較的安全なルートで早乙女博士のところまで案内をする。着いてこい』
晶葉「それを信じろと言うのか?」
ブライ『私は君達を恨んでいないと言った。後は君自身がどうするかだ』
晶葉「……」スタ
ブライ『…賢明だ。では行こう。早乙女博士も待ち侘びている』
ツカツカツカ…
━━。
卯月「トマホォォーーク!ブゥーメランッ!!」
ホグラムD7≪グォオオッ‼≫ ガキンッ
速度を上げて迫るホグラムD7の表装に、投じたトマホークが弾かれる。
ホグラムD7≪グォオン‼≫
卯月「きゃあっ!!」
反撃のホグラムD7の拳の振り下ろしが、再び真ゲッターを地に叩き付ける。
凛 「くっ…。早くしないと研究所と未央が…!」
芳乃「焦りは禁物ですよー。ここはー、落ち着いて掛からねばー」
卯月「でも、真ゲッターのトマホークも通用しないなんて…」
凛 「こうなったら、ストナーサンシャインで一気に…!」
芳乃「それは悪手でしょー。すとなーさんしゃいんのえねるぎーがー、奥の時空の歪みに衝突すればー、何が起こるとも分からずー」
ホグラムD7≪ウォオオオッ‼≫
卯月「━━ッ!?きゃああああっ!?」
ホグラムD7の体当たりを直撃。
卯月「うぐっ…!うぅ~~~!!?」
衝撃がコックピットを震わせる。
凛 「このまま叩き付けられたら終わりだ!」
卯月「…お、オープンゲット!」
バシュンッ
卯月「チェーンジゲッター1!!」
ホグラムD7の背後で再合体。体勢を整える。
ホグラムD7≪グゥゥ…≫
卯月「はぁ…はぁ…はぁ……」
芳乃「大丈夫でしてー?」
卯月「はいっ…。一先ずはトマホークを…!」 ジャキッ
ホグラムD7≪グォアアッ‼≫
卯月「━━ッ!?」
ホグラムD7の口に、トマホークの柄を噛ませガード。
卯月「~~~…!」
「トマホークブーメランッ!!」
ホグラムD7≪ギャッ!?≫
卯月「今のは…」
凛 「今のトマホーク…、ダイノゲッター!?」
ニオン「大丈夫か?凛ッ!」
凛 「ニオン?どうして…」
ニオン「研究所で動けるのは俺しかいなかっただけだ」
卯月「新研究所の方は、みんなに任せたんですね?」
ニオン「そう言うことだ」
凛 「何にせよ助かったよ。ありがとう」
ニオン「…フンッ。そんな事より、このデカ物を何とかするぞ!」
卯月「はいっ!」
ホグラムD7≪グワァアアアッ‼≫
爪を立て突撃してきたホグラムD7を、左右に跳躍して回避。
ニオン「ゲッタービィィームッ!!」
卯月「ゲッタービーム!!」
左右からのゲッタービーム。
ホグラムD7≪グゥウ…ウガァアアア━━ッ‼≫
ニオン「チィッ…!この程度では焼け石に水か!」
凛 「地下に向かってる敵の事も気になる。時間は掛けてられないけど…」
ホグラムD7≪グォオオッ‼≫
ニオン「ぐっ…!」
ホグラムD7の打ち払いを、トマホークを構えて防ぐも、勢いで跳ばされる。
ニオン「お得意のストナーサンシャインとやらは使えんのか?」
卯月「出来ない訳じゃありません!でも、奥の時空の歪みに衝突したら…」
凛 「当たらないように地面に向かって撃っても、その時は地球がどうなるか…」
ニオン「…ならば俺に考えがある。━━プテラチェンジッ!!」
ダイノゲッター1が、翼竜へと姿を変える。
ニオン「ダイノゲッターにストナーサンシャインをぶつけろ!」
卯月「えっ!?」
ニオン「シャインスパークと同じ理屈だ。ダイノゲッターで直接奴にストナーサンシャインをぶち当てる!」
凛 「そんな事したら、アンタだって只じゃ済まないよ?」
ニオン「こちらのゲッター炉心をそっちに同調させる。それで少しの間ならダイノゲッターは持つ」
卯月「それでも、失敗したらニオンさんが…!」
ホグラムD7≪ギャォオオッ‼≫
卯月「…ッ!?…うっ…!」
2機の間に割り込んだホグラムD7の攻撃を回避。
ニオン「時間はないぞ。早くしろ!!」
芳乃「ニオンさんの言うとおりかもしれませんー。短時間に決着させるにはー、効率は良いかとー」
卯月「……。分かりました…!」
真ゲッター1が構える。
卯月「うあぁぁあああああ━━!!」
手の平と平を向かい合わせた空間に、ゲッターエネルギーを収束。
卯月「━━いきますっ!!」
ニオン「何時でも来い!!」
卯月「ストナァァーー!サァアアンッ!!」
遥か向こうの正面にホグラムD7を、その間にプテラモードのダイノゲッター1を置き、狙いをダイノゲッター1に定める。
卯月「シャァァアアイィィインッ!!」
ニオン「━━ッッ‼…ぉおおおおお━━!!」
ストナーサンシャインを身に纏い、ダイノゲッター1が突撃。
ニオン「しぃずめぇぇぇえええええ!!」
ホグラムD7≪!!!?≫
ドワォ
ダイノゲッター1が、ホグラムD7の胴体を貫いた。その体内に、高濃度に圧縮したゲッターエネルギーを残していく。
ホグラムD7≪ギヤァァアアアア━━!!!?≫
ゲッターエネルギーは内側からホグラムD7を包み、消滅させる。
芳乃「無事成功、でしてー」
卯月「ニオンさんは…!?」
凛 「生命反応はあるから大丈夫の筈…。それよりもギィムバグを追おう!ゲッター2にチェンジだ!」
卯月「はいっ!━━オープンゲット!」
凛 「チェンジゲッター2ッ!━━ドリルアーム!!」
━━。
凛 「…奴等、この短時間で随分地下に潜ったみたいだね」
卯月「早く追い付かないと…!」
芳乃「地下5000メートルとなりますとー、そう簡単には辿り着けませんねー」
凛 「放射性廃棄物を埋葬する深さか…。そんな深さまで追いかけるなんて、余程の執着心だね」
卯月「それだけゲッタードラゴンを進化させたくないんですね…」
凛 「……。連中をそんなに恐怖させる、進化したゲッタードラゴンって、一体…」
芳乃「凛さんー。詮索は後程にー。今はー、ゲッターを、未央さんを守りましょー?」
凛 「……分かってるよ」
ギュルルルル…━━
「ゲッタードラゴンを確認しました」
「ゲッター線量500!高熱により、周囲が溶解し、溶岩となっています!」
ギィムバグ「よし。例え我らが死滅しようとも、ゲッターGはここで滅ぼす!遥か未来の為に!!」
「ゲッタードラゴン、視認範囲に入りますッ!」
ギィムバグ「オォ!アレか!遂に…遂に辿り着いたぞ!ゲッターG‼」
ギィムバグ「クロノウォーム攻撃用意ッ!出撃可能な機体も発進準備だ!!」
「はっ…!し、しかし…!ここで攻撃を行えば、我が艦も被害を受けます!」
ギィムバグ「構わんッ!!元より帰るつもりのない戦いだ…。我らの死が、多くの生命を繋ぐことになる!」
クロノウォームの中央に、エネルギーが蓄積される。
ギィムバグ「━━撃てッ!!」
ゲッターエネルギーの塊と化した、ゲッタードラゴンに、光線が放たれる。
「主砲、目標に命中!」
ギィムバグ「やったか!?」
「…い、いえ!目標健在!」
ギィムバグ「━━ッ!?どう言うことだ!」
「こちらの攻撃が、ゲッターに吸収されました!」
ギィムバグ「何て奴だ…。えぇい、艦載機を出せ!ゲッタードラゴンをあそこから引きずり出し、バラバラに引き裂くのだ!!」
多数のメカセミが放たれる。
━━ギロッ…
「ひぃぃっ…!」
ギィムバグ「恐れるな!アレはまだ完全体ではない!生まれてもいない赤ん坊のようなものだ!必ず倒せるッ!」
「か、艦長…!」
ギィムバグ「今度は何だ!」
凛 「ドリルハリケェェーーンッ!!」
ギィムバグ「━━ッ!?」
岩層を打ち砕き、ドリルを最大限まで回転させた真ゲッター2が、ゲッタードラゴンに接触しようとしたメカセミ軍団を押し退けて姿を現す。
ギィムバグ「真ゲッターロボか!?」
凛 「やっと追い付いたよ…!昆虫軍団!」
メカセミの軍団を迎え撃つように正面に立ち、ドリルを突き出す。
凛 「プラズマドリルハリケーーンッ!!」
ドリルの回転によって生まれた旋風が、真空波のようにメカセミを切り刻み破壊する。
ギィムバグ「えぇい…!あと一歩のところまで来ておきながら…!」
凛 「アンタ達の思い通りになんてさせないよ」
ギィムバグ「ぐぐぐ…!殺せ!真ゲッターもろとも、我々の未来を消滅させる輩は、全て殺してしまえッ!!」
凛 「本性を出したね…!何処からでも掛かっておいで!」
『━━凛、下がって!』
凛 「━━!?この声は、未央!?」
卯月「いいえ、プロデューサーさん!」
芳乃「……」
ズォオオオ━━ッ
セミ『ギャアアッ!?』
『グォオッ━━!』
「うわぁあああッ!?」
ギィムバグ「何だ!?これは…、何が起きている!?」
凛 「どうなってるの…?これ…」
卯月「この光…。ゲッター線の光!」
芳乃「光がゲッターどらごんに向かって行きー、全てを吸収しているのでしてー」
凛 「吸収…!?喰ってる…。敵を喰ってるの!?」
卯月「ゲッタードラゴンが生きてるみたいに…。一体、何が起きてるんですか!?」
芳乃「まもなくー」
凛 「!?」
芳乃「時が始まりましてー」
━━。
晶葉「……」
ブライ『━━…ここだ。この部屋に早乙女博士はいる』
晶葉「そうか…」
ブライ『これからの君には期待している。ではな━━』
スゥ…
晶葉「……」
ガチャリ
早乙女「……」
晶葉「博士、お忙しいところを失礼します」
早乙女「…いい。私の仕事は、今丁度終わったところだ」
晶葉「そうですか。…今外では大騒動が起きています。何とか収めてはもらえませんか?」
早乙女「その事なら心配はない。騒ぎはすぐに収まる。上の騒ぎはエネルギーのウォーミングアップのようなものだ」
晶葉「ウォーミングアップ…?」
早乙女「そうだ。ここから旅立つためのな」
晶葉「旅立ち…。…早乙女博士、貴方はゲッター線の何を知っているんです?ゲッター線とは、一体…!」
早乙女「ゲッター線とは何か、か…。…正直なところ、儂にもよく分かっていないのかもしれん」
晶葉「何ですって?」
早乙女「人の人生の流れ…。運命のその全てを知るのは、一生命には難しい事だ。それと同じなのだよ」
晶葉「……」
早乙女「儂は、ゲッター線を何十年と追求してきたが、それもゲッターの意思だったのかもしれない」
晶葉「意思によって人の行動を左右する…。それではまるで神のようですね…」
早乙女「神か…。それとも悪魔か。それを決めるためにも、我々は進化を止めるわけにはいかんのだ」
晶葉「進化…。ゲッターの進化とは何なのです?」
早乙女「ゲッターの行き着く先…。それが気になるか?」
晶葉「…?」
晶葉「━━ッ!?」
目の前の空間が、宇宙に変わる。
晶葉「これは…?」
早乙女「ゲッターの記憶じゃよ。この空間に滞留した、高濃度のゲッター線を介して、晶葉くんの視覚にゲッターの記憶を映像として見せている」
晶葉「そんな事が…。━━…!」
そこで繰り広げられる、大宇宙の戦い。
晶葉「アレが…、ゲッター…?何て大きさなんだ…」
━━『突撃だ!これ以上奴等を前進させてはならんッ!』
━━『う、うわぁああ…!守れ…!惑星ダビィーンを守るんだ‼』
━━『ダメだ!奴等の力は強大だ‼…今の一撃で、艦隊の3分の2が吹っ飛んだ‼』
━━『せめて…、せめてゲッターエンペラーを覆うゲッター線シールドを何とか出来れば…!』
━━『ゲッターエンペラー、ダビィーン指揮頭直上に接近!皇帝一族は避難を…』
━━『ダメだ!間に合わん‼』
━━『『『うぎゃああああああ━━ッ!!』』』
晶葉「これは…!こんな事が!」
━━『見ろぉ!ゲッターエンペラーが陣形を変える…!』
━━『あのフォーメーションは…!』
━━『ゲッターチェンジだ‼』
晶葉「━━あぁ…!」
現実に引き戻される。
早乙女「見たかね。ゲッターの未来を」
晶葉「な…何なんです!?何であんな事が…!ゲッターは一体、何の為にあんな事を!」
早乙女「それが、全ての生命が生き残る為の戦いなのだ!」
晶葉「!」
早乙女「晶葉くん…。ゲッターは全てを消滅させるかもしれん。ゲッターは全宇宙の敵になるかもしれん」
早乙女「だが、我々の愛する者達は、愛すべき生命は、未来を消滅されてはいかんのだ!!」
晶葉「早乙女博士…、それは…!」
早乙女「晶葉くん。全てを理解しようと説明しても無駄なのだよ。全てを理解するには、永劫の時が流れてしまう」
晶葉「博士にも、分からないと言うことですか…?」
早乙女「そうだ。最初にも言った通り、儂にも全ては分からん」
早乙女「だが、我々は、ゲッターの進化の先頭に立つ我々は!愛する者がいる限り、その為にだけでも戦い続けなければならないのだ!!」
晶葉「……。今はその為に戦い続けろと、博士はそういうんですね…?」
早乙女「うむ。間もなく時が来る。その前に、晶葉くんにはこれを渡しておこう」
晶葉「これは…、データディスク、ですか?」
早乙女「ここでの事が全て終わったあと、それを開けてくれ。必ず、ここから先の人類に必要になるだろう」
晶葉「…分かりました」
早乙女「…それでは、晶葉くんを頼む」
晶葉「!?」
P 『……』
晶葉「この人は…」
早乙女「彼が、出口まで案内してくれる。晶葉くんはまだ人類に必要な人間だ。早く避難するんだ」
晶葉「ちょっと待ってください!私は…!」
早乙女「早く行くんだ!全てが取り返しの着かなくなる前に!」
晶葉「…!」
晶葉「最後に一つだけ、いいですか?」
早乙女「何かね?」
晶葉「博士は、早乙女博士は、これで良かったんですか?」
早乙女「……」
早乙女「あぁ、その中でも、君と出会えたことは、儂の人生で最大の幸福だった」
晶葉「…そう、ですか」
早乙女「ではな」
晶葉「はい」
晶葉「━━…さようなら、早乙女博士」
━━。
李衣菜「どわぁっ…!?」
壁際に押し倒されたネオゲッター1に、試作型ゲッターが、その鳩尾に鉄骨を連続で叩き付ける。
李衣菜「ぐっ…!ぐっ…!…うぅ…っ」
奈緒「だ、大丈夫なのか!?」
李衣菜「大丈夫じゃないよ…。けど…!」
試作型ゲッター≪━━!≫
李衣菜「━━…ッ!?」
鉄骨を大きく、振りかぶる。
……。
李衣菜「━━…ん?」
加蓮「このゲッター…、止まった…?」
奈緒「た、助かったのか…?」
李衣菜「…はぁ……」
ネオゲッター1が崩れ落ちる。
奈緒「うわぁっ!ホントに大丈夫か!?」
李衣菜「も、もうホントに限界…。私もゲッターも、もう動けない…」
加蓮「ま、こんだけ狭かったら、変形も出来なかったから、交代する事も出来ないんじゃぁ、仕方ないよね…」
奈緒「今回ばかりは、よく頑張ったよ」
李衣菜「あ…ありがと……」
━━ 逃げろ。
李衣菜「え…。何…?」
奈緒「どうした?」
李衣菜「今、声が…」
━━ もうすぐ時が来る。お前はまだ残るべき人間だ。ここから逃げろ。
李衣菜「逃げろって…、どう言うこと?」
加蓮「…?研究所のゲッター線量が増えていく…」
奈緒「何だって…?」
加蓮「ヤバイかも…。この間の比じゃないよ。シャインスパークとか、そんなレベルに上がってる…!」
李衣菜「じゃあ、ここにいたら…」
加蓮「マズいね。一貫の終わりって奴?」
奈緒「冗談じゃないぞ!なら、早くここから離れないと…!」
李衣菜「…!?…そう言うこと、なの…」
奈緒「どう言うことだ!?」
李衣菜「こっちの話…。…くっ…!」
奈緒「どうした!?」
李衣菜「ダメ…。ゲッターの状態じゃ、エネルギーが足りなくて動かない…!」
李衣菜「はぁ…はぁ……」
加蓮(口には出さないけど、リーナの方も限界…?戦闘の負傷が思ったよりも大きいみたい…)
奈緒「じゃあ、どうするんだよ?」
李衣菜「こっちから合体を強制解除すれば、ネオジャガーとネオベアーにはエネルギーが残ってるから、十分脱出に間に合うと思うよ」
奈緒「李衣菜はどうするんだよ!」
李衣菜「…へへっ、ま、何とかなるって!」
加蓮「ダメだよ」
李衣菜「へ?加蓮…」
加蓮「これ以上誰も失わせない。リーナが死ぬなら、チームメイトのアタシ達も一緒だよ」
奈緒「そうだ!1人で犠牲になろうなんて格好つけた真似はやめろよ!らしくない!」
李衣菜「らしくないって、私らしく、ロックでしょ?」
奈緒「違う形でロックを貫き通せよ!…このっ!」
李衣菜「奈緒…?」
操縦桿を握り締め、無理矢理ネオゲッター1を起こす。
奈緒「ぐっ…。バランスとるので精一杯だ…。足の操縦は任せたぞ、加蓮!」
加蓮「オッケー。上の重りがキツいけど、やってみせるよ…!」
ギギギ…
格納庫内のゲッター線の光が強さを増す。
李衣菜「ダメだ…!この速度じゃ、ホントに3人とも助からないよ!私の事はいいから!」
奈緒「言ってろよ!そっちのコントロールにはロック掛けたからな。強制分離なんて出来ないぞ!」
李衣菜「……」
加蓮「とは言ったものの、流石にヤバイかも…」
ガンッ
李衣菜「あうっ!な…何…?」
奈緒「ダイノゲッター!」
ニオン「…世話の掛かる奴等だ」
加蓮「助けてもらったのはこれで二度目だね」
ニオン「お前達は凛の仲間だからな」
李衣菜(私、違うんだけど…)
ニオン「何かあっては、アイツに会わせる顔がないからな」
李衣菜「私は?」
奈緒「何はともあれ助かったよ。サンキューな」
ニオン「…ふん。それより、早く脱出するぞ。これだけのゲッター線…。ゲッター線に耐性があると言っても、耐えきれるものじゃないからな」
加蓮「うん。リーナの支えは任せたよ」
ニオン「あぁ。一旦飛ぶぞ。しっかり捕まっていろ!」
李衣菜「ねぇ、私はー!?」
━━。
ギィムバグ「うぉおおっ━━!!」
ギィムバグ「まだだ!クロノウォーム最大出力!!ゲッタードラゴンに突撃をかけるぞッ!!」
凛 「アイツら…。自爆するつもり!?」
卯月「それくらいゲッターが驚異って事ですか…!」
芳乃「死力を尽くして参りますゆえー。ドラゴンを守らねばなりませぬー」
凛 「分かってるよ。こんな地下深くでドラゴンごと爆発されたら何が起こるか…」
卯月「その前に勢いを殺しましょうッ!!」
凛 「ドリルアームッ!」
ゲッターエネルギーを旋風のように纏い、加速。
凛 「ドリル、ハリケェェーーンッ!!」
特攻の為最大戦速で飛び込んでくるクロノウォームに、正面から激突。
凛 「うぉおおお━━!!」
ドリルの回転が、クロノウォームを砕いて穿ち、真ゲッター2をクロノウォームのブリッジへと誘う。
「「「うぎゃああああ!!?」」」
ギィムバグ「ぐぉっ…!?」
凛 「チェックメイト。これで終わりだよ」
ギィムバグ「ぐっふっふっふ…。ゲッター…、その力…やはり恐ろしい…!悪魔の力よ!」
凛 「そっちこそ。研究所をこんなにして、ドラゴンまで…。よっぽど悪魔だよ」
ギィムバグ「ふふふっ…。だが、我々の攻撃は作戦の第一段階にすぎない…」
卯月「え!?」
ギィムバグ「今、私の安定させたワームホールから、直に本隊がこの世界にワープアウトしてくる…。本隊の戦力を以てすれば、例え真ゲッターであろうと…!」
卯月「どうして…、どうしてなんです!?どうしてそこまでゲッターを狙うんです!?」
ギィムバグ「それが、我々が生き残る唯一の方法だからだ!」
卯月「そんな事…!」
ギィムバグ「進化の途上にいる貴様らにはまだ分からんだろう…。だからこそ知るのだ!その意識で、その目で!ゲッターエンペラーの為す所業を!」
凛 「ゲッターエンペラー…?」
卯月「…ッ━━!?」
━━━━。
━━『うおお…!ゲッター線の増大が止まらない…!』
━━『ダビィーンが押し潰される!もうお仕舞いだ!!』
━━『ビックバンを引き起こすだけのエネルギー指数だ!全艦後退!!』
━━『もうダメだ!間に合わない…!』
━━『エンペラーチェンジだッ!!』
卯月(ゲッターエンペラーを中心に、宇宙が震えている…。あの、あの声は…!)
━━『惑星ダビィーン、消滅!!』
━━『ダメだ…。最早、我々の全ての武器はゲッターエンペラーにとって無意味なものとなった!』
━━『これ以上戦闘を行っても、我々に勝ち目はないッ!!』
━━『ゲッター指数1250を突破!このままでは全てがゲッターに飲み込まれます!戦蟲甲長!後退許可を』
━━『支援艦隊の後退を許可する。我が艦は、ここで殿となり、後退する艦隊を援護する!!』
━━『し、しかし…!母星を失った今、奴等に太刀打ちできる手段がありません!』
━━『我が艦の後退はあり得ぬ!我々は指揮艦として、最後までゲッターエンペラーに抗うのだ!!』
━━『ゲッターエンペラーのゲッター指数、1800を越えますッ!!』
━━『…バケモノめ…!』
━━『艦蟲長!後退しましょう!後退し、戦力を整え、再戦の機会を伺うのですッ!』
━━『…いや、過去だ。我々は過去に飛ぶ!』
━━『過去、ですか…?』
━━『そうだ…。過去における時間軸で、ゲッターの起源を断つ!そうしなくては我々の勝利は永劫あり得んッ!』
━━『しかし…!それはあまりにも危険です!ゲッターエンペラーがここに存在していると言うことは、我々の過去への跳躍の失敗を意味しています!!』
━━『それでもだ!例え現在は変えられなくとも、未来は変えられる筈だ!』
━━『我らの命は、既に尽きたも同じ。ならば、この先の未来の命のために、我らの命の全てを捧げようではないか』
━━『…艦蟲長!亜空間内に、安定したワームホールが存在します!』
━━『我々のために繋いでくれた者達がいたのか…!よし、空間跳躍用意だッ!』
━━━━。
卯月「━━…うっ…!」
凛 「今の…、現実なの…?」
芳乃「まごう事無き現実でしてー。遥か未来のー」
凛 「地球ほどの大きさのゲッターに抗う敵が、時を越えて攻めてくる…」
芳乃「今確かに言えることはー、わたくし達が敗れてしまえばー、わたくし達の未来がー、失われると言う事ー」
芳乃「そしてそれはー、凛さんも望まぬところの筈ー」
凛 「……」
卯月「全部の答えはこの戦いを潜り抜けた先にあります!消滅か、生存か…!」
ギィムバグ「消滅するのは貴様らだ!ゲッターロボ!!」
凛 「…ッ!?」
卯月「オープンゲット!」
凛 「卯月…!」
卯月「チェーンジゲッター!!1ッ!!」
ギィムバグ「貴様らも地獄へ落ちろ!刺し違えても、ゲッターを終わらせるッ!」
卯月「決着を着けます!ここで!」
『ダメだよ!卯月━━!』
卯月「…!?未央ちゃん…?」
グワッ
凛 「これは…。ゲッター線の腕…?」
『卯月達をここで死なせるわけにはいかない!』
ゴワァッ
ギィムバグ「うぉ…!?」
膨大なゲッター線で形作られたゲッタードラゴンが、クロノウォームをゲッタービームのような閃光で焼き払う。
ギィムバグ「おのれぇ…、おのれゲッタァァー…あぁー━━!」
卯月「未央ちゃん…」
『さぁ、行くんだ!もうじきアイツらの本隊がこの時間に雪崩れ込んでくる。それを阻止して、見るんだよ』
凛 「何を…?」
『ゲッターの導く未来を!!』
ズオッ━━
卯月「━━きゃあっ!」
凛 「━━ッ!?…ここは、地上に戻ってきたの?」
ゲッター線が全身を包み、真ゲッター1は地面を抜けて、地上、ワームホールの眼前へと。
凛 「地下5000mの深さから、一瞬で!?」
芳乃「驚いている時間はないようでしてー」
卯月「ワームホールから、何か出てきます!」
凛 「未央が言ってた、昆虫軍団の本隊!?」
「ゲッター指数2000!!ゲッターエンペラー、我が艦に向かってきます!」
「時空間砲、発射用意ッ!座標距離、前方12ギャロ!」
「ゲッターの存在する時空は分かっている。何としてもその空間を破壊する!!その為に、死出の旅路に、いざ行こうぞ!!」
ズズズズ…
卯月「来ますッ…!」
凛 「大きい…!こんなの、一体どうやって…!」
芳乃「これはまだー、船の先端でしてー」
卯月「例え無茶でも、やってみせますっ!」
真ゲッター1が、ストナーサンシャインの構えを取る。
「おぉ…!時空を越えたぞ…!これで未来は救われる!」
「待ってください!ゲッターエンペラーが、亜空間を潰そうとしているようです!」
「時がない…。機関最大!何としても亜空間を抜けるのだ!!」
「加速の影響で、時空が不安定になります!」
「艦が歪む…!」
「構わんッ!!ゲッターエンペラーから逃れ、未来を救うのだ!」
「本艦前方に熱源反応!真ゲッターロボです!!」
「過去の真ゲッターか…!まるごと押し潰せ!真ゲッターごと、あの星を宇宙から消し去るのだ!!」
卯月「ストナァァーーサァァアン!!シャァァアアイィィインッ!!」
「真ゲッター、ストナーサンシャインを使い、本艦に特攻!!」
「速度を緩めるな!!何としてもゲッターを破壊するのだ!」
「亜空間突破率50!」
「ゲッターエンペラー接近!」
卯月「何としても、戦艦を止めなくちゃ…!」
艦首を破壊して、突きだした右手にストナーサンシャインを維持したまま、真ゲッター1は艦の深部を目指す。
「亜空間突破80!」
「勝った…!このまま行けぇ~~~!!」
「か、艦長…!ゲッターエンペラーが…!」
「!?」
グワァア━━ッ
卯月「な、何ですか…!?」
凛 「戦艦が崩れていく…!」
卯月「向こうの宇宙に放り出される…!?」
「ぐぅ…!ゲッターエンペラーめぇ…!」
「艦後部消失!機関静止!加速が止まります!!」
「問題ない!これだけの質量が転移したのだ…!早乙女研究所は潰せる!ゲッターの起源は断たれるのだ!」
「艦蟲長!あれを…!」
「あ、アレは…!」
「真ゲッタードラゴン…!」
真ドラゴン『━━!!』
早乙女研究所を覆い尽くすほど巨大な、ゲッターの姿をしたエネルギーの塊が、昆蟲艦を呑み込んでいく。
「うわああああ…!!ゲッターに飲み込まれるぅ━━!!」
「おのれぇ…!もうここまで進化していたのか━━!」
ズワォオオオ━━ッ
早乙女「……」
所員「あぁ…!」
所員「そうか…。そう言うことだったのか…!」
ブライ『そう…。全てはこうなる』
ゴール『全ては初めから決していたのだ…。生命がこの宇宙に誕生する以前から…』
早乙女「またみんな、一つの形に戻る」
ゴール『行きましょう』
ブライ『我々がここで為すべき事…。全ては遺る者達に託された』
早乙女「うむ。時は来た。旅立ちの時だ」
早乙女「未来へ向かい、更なる飛躍を迎えるために行くとしよう━━」
ドワォオオオ━━…
━━━━━。
卯月「…ここは、未来の宇宙!?」
凛 「そうなんだよね。さっきまでゲッターと、アイツらが戦ってた…」
芳乃「そしてー、アレがー」
卯月「ゲッターエンペラー!!」
ゲッターエンペラー『……』
凛 「これが、ゲッターの行き着く先…」
卯月「私達は、ここまで来るって事ですか…!?」
凛 「壮大…。あまりにも壮大すぎて、私達の想像の及ばない世界…!」
(━━見てみたい…。ゲッターがどこから来て、どこまで行くのか…!)
凛 「……ッ!?」
ゲッターエンペラー『島村卯月、そして渋谷凛』
卯月「…!」
ゲッターエンペラー『よくぞ来た』
卯月「何なんです!?貴方は…!これから私たちに何をやらせようって言うんです!?」
ゲッターエンペラー『それを、これから知るのだ』
━━ズズズ…
卯月「…!?後ろに…!?」
凛 「ワームホール…!?」
卯月「真ゲッターが、引き寄せられていく…!」
凛 「離脱できないの!?」
卯月「ダメです!飲み込まれる…!」
「「きゃあああああ━━!!?」」
ゲッターエンペラー『旅立ちの時は来た。これよりお前達は、ゲッターの真実を目の当たりにする』
ゲッターエンペラー『全てを知るのだ。そしてお前達が、空間をも支配する領域に達した時━━』
ゲッターエンペラー『また、会おう』
ズズズ━━
━━━━━。
~~~ 早乙女研究所 跡地 ~~~
ゲッター1、ブラックゲッター、ゲッター烈火が飛行している。
美波「…一体何が起こったの…?」
みく「早乙女研究所がまるごと消えてるにゃ!」
茜 「事故とか事件とかいうレベルではないですね!!」
美穂「卯月ちゃん達は…!?誰か、生き残ってる人はいないの!?」
アーニャ「……。生体反応、検知。すぐ近くですね」
菜々「脱出できた人がいたんですね!良かったぁ~…」 ホッ
瑞樹「見て。研究所の方から、ダイノゲッターとネオゲッターが向かって来るわ」
みく「リーナちゃんとニオンも無事みたいにゃ」
菜々「でも、ネオゲッターの方は損傷が激しいみたいですね…。救助にいきましょう!」
みく「合点にゃ!」
美波「……いた!道路の方、アレは…晶葉ちゃん!」
茜 「生存者がいて、不幸中の幸いのようですね!」
アーニャ「ですね。でも、これからが、大変ですね。きっと…」
美穂「……卯月ちゃん、みんな…━━」
晶葉「━━…っは!はぁ…はぁ…っ!あれは、ブラックゲッターに、ゲッター斬…。救助は間に合ったか…」
晶葉「研究所は…。まぁ当然の結果か…」
晶葉(研究所だけじゃない…。あそこに留まった人間や、早乙女博士はきっと…)
晶葉「……」
博士から手渡された、メモリーディスクに目を落とす。
晶葉(早乙女博士…。これを私に残して…)
晶葉「……。ゲッター…。お前は一体何者なんだ…?一体何を考えている…?」
晶葉「一体私達に…、これから何をやらせようとしているんだ━━?」
幕間 完
つづく
次回予告
早乙女研究所の消失に伴い、ゲッターに政府から使用禁止命令が出された。
ゲッターから解放され、平和な日常に戻る李衣菜、奈緒、加蓮。アイドル達。
その日常の中で、彼女達が見出だすものとは何か?
何者かに修復され、襲い来るメカザウルス、百鬼メカが予見する、新たな敵の存在は?
真ゲッターと、卯月達が不在の中、人類は、三度の戦いに突入する━━!
次回! ゲッターロボ×CG 第3部”大戦”編
第1話『Beat Soul,& Rocking my Heart』に、チェンジゲッター!