ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第2話『不滅のマシン、ゲッターと共に!』

~~~ 街中 ~~~

 

男 「何でだよ!コイツら…、戦いはもう終わったんじゃなかったのか!?」

男2「言ってる場合かよ!早く逃げないと、俺達も潰されちまうぞ!」

男 「畜生…っ!畜生畜生!畜生ッ!!」 ダッ

男2「あっ!待て…!」

男 「ふざけんなァーー‼こっちはやっとこさ復興して、昨日新しい就職先が決まったばっかで!これからって時に!お前ら何様だよ!?また街を破壊しやがってふざけんなァァーーッ‼」

男2「おいやめろ!死にたいのか!?」

男 「だけど…!」

 

メカザウルス『!』 ギロッ

 

男2「く、来る…!」

 

百鬼メカ『!!!』

 

男 「ふざけんな…!お前らホント、ふざけんなよッ!!」

 

百鬼メカ『━━!?』

 

百鬼メカの正面。男達の後方から、頭上を一直線に飛来した光線が、百鬼メカを吹き飛ばす。

 

男 「な、何だ…!?」

男2「まさか、ゲッター!?」

男 「あれは今使用禁止されてるんだろ?」

男2「なら…、…!?ありゃぁ、百鬼メカ!?」

男 「百鬼メカ同士が戦ってる…!どう言うことだ!?」

男2「俺が知るかよ!」

 

鉄甲鬼「……」

 

百鬼メカ『!!!!』

 

鉄甲鬼「一角鬼…。三頭鬼、飛竜鬼…、百鬼衆が誇りに掛けて駆った百鬼メカ。何者の仕業かは知らんが、好きにはさせんぞ‼」

 

トマホークを引き抜き、百鬼メカとメカザウルスの混成軍団に肉薄した。

 

~~~ 地下シェルター ~~~

 

奈緒「……」

比奈「ギリッギリ。何とか入り込めたっスねぇ~…」

奈緒「そうっスね」

比奈「ふふっ。口調、移ってるっスよ」

奈緒「え…。あはは…」

比奈「それにしてもホントに良かったっス。戦闘戦闘で都内にシェルターがたくさん作られたのはそうなんスけど、最寄りのってなると限られまスからね。ここが一杯だったら、また他のシェルター探して、三千里しなくちゃいけないとこでしたから」

奈緒「……」

比奈「上の戦闘が気になるっスか?」

奈緒「それは…」

比奈「はいっス」 つスマホ

奈緒「これは…?」

比奈「現実にも命知らずっているンスね~。避難指示出てるのに、生放送っスよ。コレ」

奈緒「……」

比奈「百鬼メカと百鬼メカが戦ってるっスよ。どう言うことっスかね?」

奈緒「…鉄甲鬼…」

比奈「知ってる奴っスか」

奈緒「あたしの仲間を助けてくれたって。言ってた」

比奈「今も何か病院守ってる見たいっスね。ってことはこの百鬼メカは味方っスか」

奈緒「……」

比奈「でも、百鬼メカ同士でやるんなら、ここでやるなって話っスね」

奈緒「比奈さん…」

比奈「アタシは何も言わないっスよ。無責任なこと、言えないでスし、奈緒ちゃんは優等生っスから」

奈緒「……」

 

~~~ 中央病院 ~~~

 

手術中の灯りが消える。

 

夏樹「終わった…?先生!」

医者「こんな事態だから、なかなか難しいところだったが、何とか成功したよ」

夏樹「それじゃあ…!」

医者「うむ。傷が塞がるのに少々時間は掛かるだろうが、私生活に支障はない。再生手術を繰り返せば、傷跡も目立たなくできるだろう」

夏樹「…ありがとうございます!」

医者「いや。それじゃあ我々も早く避難しよう。彼女も、このままこの病院の地下シェルターに連れていく。それでいいね?」

夏樹「はい。よろしくお願いします」

医者「…?君達は?」

夏樹「アタシ達は大丈夫ですから、先に避難してください」

医者「そうかい?それじゃあ…」

 

李衣菜「……」

 

夏樹「早く避難しないと危ないぜ?」

李衣菜「なつきち…!拓海は…?」

夏樹「大丈夫だってさ。何とか助かったよ」

李衣菜「そっか…。良かった…」

 

戦闘の振動が院内に響く。

 

夏樹「…外の戦闘、だいぶ激しくなってきてるな」

李衣菜「鉄甲鬼が戦ってくれてるんだ。多勢無勢なのに、私達のために…!」

夏樹「なら、だりーはどうしたいんだ?」

李衣菜「私は…」

夏樹「ほら」 グイッ

李衣菜「な、なつきち…!何処に行くの?」

夏樹「今だりーが、一番欲しがってるモノがあるところさ」

李衣菜「そ、それって…!待ってよ!」

夏樹「っ!?」

李衣菜「ダメだよ…。これ以上、なつきちを巻き込めないよ…!」

夏樹「今更なんだよ?ここまで来たら、一蓮托生だろ?」

李衣菜「だけど、あの戦闘の中を行くってことだよ?拓海のケガくらいじゃ済まない…。ひょっとしたら、死んじゃうかもしれないんだよ?」

夏樹「だりーは何時だって命懸けてきたじゃないか。アタシだって、何の覚悟もなしに言ってる訳じゃないよ」

李衣菜「それに、ゲッターは今使えないんだよ!?」

夏樹「ならどうするんだ!」

李衣菜「え…」

夏樹「お前、ずっと戦闘気にしてただろ。病院の窓から、ずっと鉄甲鬼さんの戦闘を見てた」

李衣菜「……」

夏樹「多勢に無勢だって、分かってんだろ?このままアイツ一人に任せちまっていいのか?それでだりーは納得すんのかよ?」

李衣菜「…スゴいなぁ、なつきちは。私の事、全部分かっちゃうんだ」

夏樹「だりーはアタシとは違うからな」

李衣菜「え…?」

夏樹「さ、決まったら行くぞ!」

李衣菜「…うんっ!」 ダッ

 

駆け出し、病院の門を抜けて外へ。

 

夏樹「どっか、近くにないか…!」

 

メカザウルス『キシャアアアア‼』

 

李衣菜「メカザウルスがこんな近くに…!何か新鮮…」

夏樹「だりー!のんびりしてる場合じゃないぞ!」

李衣菜「う、うん…!」

 

鉄甲鬼『貴様ら!何をしている!?』

 

夏樹「鉄甲鬼さん!丁度いい!手伝ってくれ!」

鉄甲鬼『どう言うことだ…?』

夏樹「その辺に乗り捨ててあるバイクはないか?」

鉄甲鬼『バイクだと…?━━…チィッ!』

 

話している間に接近したメカザウルスを、チェーンアタックで打ち払う。

 

鉄甲鬼『くっ…!形はなんでもいいな?』

夏樹「出来ればスピード出せそうな奴!」

鉄甲鬼『まったく…!』

 

迫り来る百鬼メカとメカザウルスの群れをいなしならが、手にしたバイクを夏樹の路上に置く。

 

夏樹「サンキュー。鍵は着いてるな…。よしだりー乗れ!」

李衣菜「う、うん…!ヘルメットは?」

夏樹「振り落とされないように、しっかり掴まっとけ!」

李衣菜「分かった…!」

夏樹「それじゃあ行くぜ!」

 

ドルンッ

 

夏樹「最初からフルスロットルだ!」

 

ギアを全開に開け、加速。

 

李衣菜「メカザウルスが来るよ‼」

夏樹「聞こえてるから耳元で叫ぶな‼」

 

メカザウルス『ギャォォオオンッ‼』

 

メカザウルスの放ったミサイルが迫る。

 

キィンッ

 

李衣菜「鉄甲鬼‼」

鉄甲鬼『小娘には手出しさせんぞ!』

夏樹「相手頼むぞ‼」

 

メカザウルスに立ちはだかったメカ鉄甲鬼に背を向け、バイクを走らせる。

 

━━ 高速道路。

 

李衣菜「流石に走ってる車なんて一台もないね」

夏樹「こんな空いてる道なんて滅多に走れないな」

李衣菜「…ねぇ、なつきち。さっきの事…」

夏樹「……」

李衣菜「なつきち?」

夏樹「だりーがアタシらにゲッターに乗る理由を話してくれただろ?」

李衣菜「うん…」

夏樹「その時だりーが言ってた、メカザウルスに襲われたロックフェス…。アタシも参加してたんだ」

李衣菜「え…」

夏樹「その時アタシは、怖くて、どうしようもなくて、逃げるのに必死だった」

李衣菜「……」

夏樹「ははっ、カッコ悪いよな。でも、カッコ悪いアタシと違って、だりーはゲッターに乗れるだろ?」

李衣菜「うん…」

夏樹「なら、下手に気ぃ遣ったりしないで、やりたいことやってくれよ。だりーはアタシ達の誇りなんだからよ!」

李衣菜「なつきち達の、誇り…」

夏樹「おう!…跳ばすぜ‼」

 

━━。

 

~~~ 新早乙女研究所 正門前 ~~~

 

夏樹「…ホントにここまででいいのか?」

李衣菜「うん。流石にバイクでここ破っちゃったら騒動になるし…。ホントにありがとう!」

夏樹「大した事してないって。だりーこそ、ありがとうな?」

李衣菜「?」

夏樹「ゲッターで戦ってくれてさ。コレからも、今回も」

李衣菜「なつきち…。…ッ」

 

李衣菜「なつきちは、カッコ悪くなんかないよ!」

 

夏樹「え?」

李衣菜「なつきちは、歌だって上手いし、ダンスだって、私よりずっとカッコ良く踊れる。友達も一杯いて、アイドルを楽しんでるって、今日1日一緒にいて分かったよ!」

夏樹「……」

李衣菜「気配りもできるし、優しいし、えーっと後…、とにかくなつきちはロックだしカッコいい!だから、自分の事カッコ悪いとか、あんまり言わないで!」

夏樹「だりー…」

李衣菜「なつきちも拓海も、今日行ったゲームセンターもお好み焼き屋さんも!絶対守ってみせるから!私がなつきちをカッコ悪くさせないから!」

 

李衣菜「だから、なつきちはカッコいいんだよ!」

 

夏樹「……」

李衣菜「それだけ伝えたかったの!それじゃ!」

 

タッタッ

 

夏樹「……」

夏樹「…ははっ。恥ずかしい事臆面もなく言いやがって…。大した奴だよ、まったく…」

夏樹(…ありがとな、だりー…)

 

━━ 格納庫。

 

李衣菜「……」 ヒョコッ

 

シー…ン…

 

李衣菜「誰もいないよね…?よしよし…」

 

コソコソ…

 

「何処に行くつもりだ?リーナ」

 

李衣菜「っ゛…!大将…」

主任「……」

李衣菜「……。ッ」 キッ

 

李衣菜「街に敵が来てるんだよ。ゲッターで出撃する」

主任「言ってる意味分かってンのか?今ゲッターを動かせば、お前は犯罪者だぞ」

李衣菜「何で!?ゲッターは、たくさんの命を守るために造られたものでしょ?今出撃させなくてどうするんですか!?」

主任「それが法律って決まりだ。例え義理人情に反してたとしても、従わなきゃならねぇ。それが秩序を守るって事だ」

李衣菜「そんな理屈…!分かんないよ!」 タッ

主任「待ちなッ!」

李衣菜「!」

主任「どうしてそうやって危ねぇ事に首を突っ込みたがる?若ぇからか!?それとも、自分が特別だとでも思ってンのか!?」

李衣菜「……」

主任「お前は特別でも何でもねぇ。若いから無茶したがンのも分かる。だがな、心配する奴の気持ちが分かんねぇのか!?」

李衣菜「大将…」

主任「戦闘なんざ自衛隊の連中に任せりゃいいじゃねぇか!今は自衛隊だって、ゲッターに乗って戦える!リーナがわざわざ戦いに行くことなんかねぇんだぜ?」

李衣菜「……」

主任「リーナ。お前が優しい奴だってのは、整備班のみんなが知ってる。だから心配するがわの気持ちも分かるはずだ。それとも、誰かに言われて、無理矢理…」

李衣菜「違う。それは違うよ、大将」

主任「リーナ…」

李衣菜「確かに、私は戦いから離れる事は出来るよ?戦いから離れて、アイドルとして一人前になって、きっと幸せな毎日だと思う」

李衣菜「だけど、それってなんか違うんだ。上手く言えないけど…誰かが戦って、犠牲になって…。その裏で、私が幸せになったとしても、私は絶対嬉しくない」

主任「……」

李衣菜「やっぱりみんなが幸せにならなくちゃ。みんなの笑顔があって、やっとアイドルとして笑える気がするし…。後、何て言うんだろうな…。とにかくイヤなんだ」

主任「イヤだと…?」

李衣菜「うん。私が出来るのに、やらないって言うのがイヤ。イヤな事から目を瞑って、幸せだけって言うのが、イヤ」

主任「…ったく、欲張りな奴だぜ…」

李衣菜「へへっ…。あ、後、私自身がゲッターに乗りたいんだ!」

 

ダッ

 

主任「あ、待ちやがれ!」

李衣菜「もう待たないっ!」

 

タラップを駆け上がり、ゲッターを正面に捉える。

 

李衣菜「なつきちと大将と、2人のお陰で決心が出来たよ…!私はゲッターに乗る。ゲッターに乗りたいっ!」

 

李衣菜「行こう!ネオゲッター…。私のゲッターロボ!」

 

ギンッ━━。

 

━━。

 

タッタッ

 

橘 「はぁ…はぁ…はぁ…ッ!」

 

主任「はぁ~あ…。行っちまったか」

橘 「ネオゲッターロボを…!どうして出撃させた!?」

主任「博士だって分かってたでしょう?アイツは止めて聞くような奴じゃありませんよ」

橘 「だが…、これでは…!」

主任「いいじゃないですか。時間稼ぎにも丁度いい」 スッ

橘 「何処に行くのかね?」

主任「班の連中を叩き起こしてきます。アレの仕上げをやっちまいましょう」

橘 「しかし…!」

主任「橘博士。リーナは覚悟を決めたんです。今度は俺達が覚悟を決める番だと思いませんか?」

橘 「……」

主任「俺はアイツを死なせたくねぇ。アイツには俺より未来がある。だから、アイツのために出来ることをしてやりてぇ」

主任「博士はどうなんです?国のためとか面子のためじゃねぇ、誰かのためには動けんのですか!?」

橘 「…分かった」

主任「なら!」

橘 「まったく…。昔気質には敵わんな」

主任「へへっ。それが、法律も道理も蹴飛ばしちまう。正真正銘の義理人情って奴よ‼」

 

~~~ 市街地 ~~~

 

鉄甲鬼「喰らえッ!」

 

チェーンアタックでメカザウルスを押し出し、背後にいた百鬼メカに打ち当ててまとめて倒す。

 

メカザウルス『……』

百鬼メカ『……』

 

ゾロゾロ…

 

鉄甲鬼「っ…。有象無象が…!」

 

トマホークを構え直し、群れに飛び込む。

 

鉄甲鬼「━━フンッ!」

 

上段からトマホークを振り下ろし、メカザウルスを両断。

 

鉄甲鬼「でぇぇいっ!」

 

続く二の太刀で、複数の軍勢を薙ぎ払う。

 

鉄甲鬼「━━ッ!?ぜいッ!」

 

背後からの気配に、トマホークを振るう。その先には、

 

鉄甲鬼「…っ!?牛剣鬼殿…!」

メカ牛剣鬼『……』

 

メカ鉄甲鬼とメカ牛剣鬼の鍔迫り合い。しかし、メカ牛剣鬼の姿に僅かな動揺を見せた鉄甲鬼の姿勢が揺らぐ。

 

鉄甲鬼「ぐ…がァ…!」

 

力押しで、競り負ける。

 

鉄甲鬼「貴様らぁ…!許さん、許さんぞ…!」

 

鉄甲鬼の怒りに反し、敵勢が周囲を包囲する。

 

鉄甲鬼「…くそっ」

 

李衣菜「ショルダーミサイルッ!」

 

メカザウルス『!!??』

 

包囲していたメカザウルスの一体が、ミサイルの直撃を受けて爆ぜる。

 

鉄甲鬼「ネオゲッター1だと…!?」

李衣菜「お待たせ鉄甲鬼!時間稼ぎご苦労様!」

鉄甲鬼「何故来た!?」

李衣菜「そんなの、敵が出たからに決まってるでしょ?」

鉄甲鬼「だがお前は!何をしたか分かっているのか?」

李衣菜「分かってるよ。だけど、鬼が戦ってるのに黙って見てるなんて、出来ないよ!」

鉄甲鬼「お前…」

李衣菜「さ、立って」

鉄甲鬼「…うむ」

 

差し出されたネオゲッター1の腕を嫌って、一人で立ち上がる。

 

李衣菜「素直じゃないんだ」

鉄甲鬼「小娘に遅れをとるつもりはない」

李衣菜「へへっ、それじゃ━━」

 

敵勢に向かい、拳を握る。

 

李衣菜「チェーンナックル‼」

 

一番手前の百鬼メカにチェーンナックルを撃ち、怯ませ気勢を削ぐ。

 

李衣菜「やっ!えいっ!」

 

腕を振り鎖をしならせ、チェーンナックルの拳を百鬼メカの頭上に叩き下ろす。

 

李衣菜「右の次は、左!」

 

手を手刀の形にした左のチェーンナックルを、百鬼メカの胸部に突き刺し、百鬼メカを破壊。

 

李衣菜「えぇぇぇええいッ!」

 

チェーンナックルを引き戻し、ネオゲッター1で突撃。

 

李衣菜「うりゃっ!」

 

加速の勢いに乗せて、水平に蹴りを。打ち終わり、空かさず逆脚からの後ろ回し蹴りでメカザウルスを粉砕。

 

李衣菜「へへへっ、どんなもんだい!」

鉄甲鬼「下がれ、李衣菜!」

李衣菜「おっと!」

 

反射で操縦桿を引いた直後、ネオゲッター1の眼前をメカザウルスの尻尾が通りすぎる。

 

鉄甲鬼「━━でいっ!」

 

メカ鉄甲鬼の破壊光線が、そのメカザウルスを破壊。

 

李衣菜「あはは…。助けられちゃった」

鉄甲鬼「敵陣に飛び込んで油断などするな」

李衣菜「リョーカイ。…それじゃ、一緒に!」

鉄甲鬼「…付き合ってやる!」

 

ネオゲッター1が両手を打ち、メカ鉄甲鬼が構えを正す。

 

鉄甲鬼「破壊光線ッ!」

李衣菜「プラズマサンダァァーーーッ‼」

 

ネオゲッター1とメカ鉄甲鬼から放たれた二筋の閃光が、敵勢を焼き払い、破壊する。

 

李衣菜「やった!手応えあり!」

鉄甲鬼「いや、まだ来るぞ」

李衣菜「アレ…、メカ牛剣鬼…。今ネオゲッターは剣が使えないのに~…」

鉄甲鬼「大丈夫か?動きが鈍いぞ」

李衣菜「うん。やっぱり一人乗りだとね。他の形態になろうにも、感覚なんて分かんないし」

 

李衣菜(奈緒と加蓮はいないけど、頑張るって決めたんだから。しっかりしないと…!)

 

━━。

 

~~~ 地下シェルター ~~~

 

「おい、見ろよ。ネオゲッターロボだぜ」

「え?でも確か、ゲッターは今使用禁止なんじゃ…?」

「バカだなぁお前。ネオゲッターはプラズマエネルギーで動いてるんだから、暴走事件には関係ないだろ?」

「あ、そう言えばそうか…」

 

奈緒「…李衣菜の奴…」

比奈「気になるっスか?」

奈緒「…いや」

比奈「……そっスか」

 

「しかし、ネオゲッター、動き悪くないか?」

「だなぁ。案外、素人でも乗ってるのかもな」

「でも、素人の割りにゃぁ動きは戦い慣れしてんだよな」

 

奈緒「……」

奈緒(アイツ…。一人で…。無茶しやがって)

比奈「ゲッターって確か、3人が乗ってはじめて真価を発揮するんスよね?」

奈緒「あ…うん…」

比奈「難儀なロボットっスよね~。バシッと一人乗りに出来ないんスかねぇ」

奈緒「……」

比奈「でも、そういうのも悪くないっス」

奈緒「え…」

比奈「助け合える仲間がいるって、素敵じゃないっスか?生きてるから、喧嘩できるし、分かち合えるっス。1体のロボットでそれが出来るのって、何かロマンがあって燃えるじゃないっスか」

奈緒「…っ!」

 

ダッ

 

比奈「……。行っちゃったスか。余計な事言っちゃったっスかね…。後で責任取らされたり…」

比奈「大丈夫っスよね。奈緒ちゃんなら、きっと上手くやってくれると思いまスし…」

 

比奈「……」

 

比奈「話し相手がいないと、流石に寂しいっスね…。プロデューサーに連絡でも…あ」

比奈「通信規制されてるっス…」

 

━━ 外。

 

奈緒「━━…っは!」

 

「奈緒」

 

奈緒「加蓮っ!」

加蓮「良かった。こっちのシェルターにいたんだ。次の避難先にいなかったら、どうしようかと思ってた」

奈緒「…いいのかな?」

加蓮「…何が?」

奈緒「…迷惑じゃ、ないのかな…?なぁなぁなあたし達が、なぁなぁなままゲッターに乗っちゃって」

加蓮「……」

奈緒「あたし、アレからずっと考えてたんだ。ゲッターに乗る理由…。でも、分かんなくてさ。ゲッターに乗る理由なんて見つからなくて、でも、ゲッターに乗らないって決めようとすると、何かもどかしくて…」

奈緒「なぁ加蓮。あたしはどうすればいいんだ?こんな気持ちのままゲッターに乗っても、アイツに迷惑、掛けないか?」

加蓮「…意外。奈緒もそうやって、正直に自分の感情見せることあるんだ」

奈緒「茶化すなよ!こっちは真面目に…!」

加蓮「分かってるよ。そんな事」

奈緒「加蓮…?」

加蓮「アタシだって奈緒と一緒。前にも言ったでしょ。正義なんてかざすキャラじゃないし、大義名分なんて重すぎ。フザケんなって感じ」

奈緒「……」

加蓮「でもね。リーナが戦ってるの見て、何か分かったんだ」

奈緒「何が…」

加蓮「リーナは今、がむしゃらに戦ってる。それはリーナが、守りたいものとかを守るためだと思う」

加蓮「だけど、それだけじゃないんだよ。きっとリーナには、今アタシ達が考えてるみたいな正義とか、大義名分とかそんなの関係ない」

加蓮「自分を貫くために戦ってる。自分の信じた道とか、自分が望んだ未来とか。そういうのまとめて全部、自分で決めたことを曲げないために」

奈緒「…ロックな奴だな」

加蓮「きっと不器用なんだよ。本当は探せばいろんなやり方があるのに。でもリーナって、頑固だから」

奈緒「なら、あたしらもその頑固に付き合うのか?」

加蓮「まさか。リーナの熱さに充てられるのは、奈緒だけで十分でしょ」

奈緒「おい、そんな言い方…」

加蓮「アタシは、アタシのために戦う。誰かにアタシの人生を左右されるなんて真っ平」

奈緒「……」

加蓮「アタシは、アイドルで何かを残したい。それを邪魔する連中がいるなら、アタシは許さない。許したくない」

奈緒「…ははっ。加蓮も充分、李衣菜の側だと思うぜ?」

加蓮「えぇ~、そんな事ないよ?アタシにあんな疲れる生き方、ムリだって」

奈緒「…っは~~!ったく、身近に無鉄砲と激情ロマンチストがいると、苦労するよな」

加蓮「何ぃ~?奈緒はアタシとリーナに流されて乗るって言うの?」

奈緒「いいや!あたしもあたしのためだ!落ち着いてアイドル活動も出来ないんじゃ、何やっても面白くないからな!」

加蓮「ふふっ。何か吹っ切れたみたいだね?」

奈緒「あぁ!もう難しく考えるのはやめだ。理由なんて、後からいくらでも着いてくるし、来なかったら、その中で見つけ出す!」

 

「ふむ…。なかなか思いきったな…。だが、聞かせてもらったぞ」

 

奈緒「え…」

加蓮「晶葉…?」

晶葉「2人共、今の言葉が、2人の決意の言葉だと聞かせてもらったがそれでいいな?」

加蓮「…うん。ウチのリーダーをこのままほっとけないしね」

奈緒「だな。まったく、困ったリーダーだよ」

晶葉「了解した。…先程整備主任から連絡があった。2人には私に着いてきてほしい」

加蓮「どこ行くの?」

晶葉「決まっている。私達の、ゲッターロボの元だ」

 

━━。

 

~~~ 市街地 ~~~

 

メカ牛剣鬼『‼』

李衣菜「うわぁ!」

 

メカ牛剣鬼の剣圧に押され、ネオゲッター1が尻餅をつく。

 

鉄甲鬼「立てるか?」

李衣菜「大丈夫。すぐ立て…、…!?」

 

ガクン、と膝が崩れ落ちる。

 

李衣菜(脚の関節に力が入らない…。3号機の自動制御だと、やっぱり…)

鉄甲鬼「どうした?無理なら下がれ!」

李衣菜「ここまで出て来て、簡単に引き下がれないって!」

 

ビル伝いに、強引に機体を立ち上げる。

 

李衣菜「おっと…」 グラッ

李衣菜(オートバランサーじゃ、今のはキツかったかな…?)

鉄甲鬼「構えろ!敵はすぐに来るぞ」

李衣菜「分かってる…!」

 

右腕を体のやや後方に引き、

 

李衣菜「チェーンナックル!」

 

突き出すと同時にチェーンナックルを放つ。

 

李衣菜「ッ…こうだ!」

 

チェーンナックルの鎖をメカ牛剣鬼の剣に絡め、手から奪おうと腕を引く。

 

メカ牛剣鬼『…‼』 ググッ…

李衣菜「ぐぐ…!」

鉄甲鬼「いけるか!?」

李衣菜「ッッ~…無理っぽい…」

鉄甲鬼「何ッ!?」

李衣菜「踏ん張りが…利かな…、…うわぁ!?」

 

メカ牛剣鬼に鎖を引かれ、ネオゲッター1が宙を舞う。

 

李衣菜「うわぁあああ~!!?」

 

落下地点には、切っ先が突き立てられた剣。

 

ザンッ

 

メカ牛剣鬼の剣が、ネオゲッター1の腹部に深々と突き刺さる。

 

鉄甲鬼「…ッ!」

李衣菜「…な、奈緒が乗ってなくて良かった…わっ!?」

 

乱暴にアスファルトの上に転がり落ちる。

 

メカ牛剣鬼『!!!』

李衣菜「わ…、ぅわ…!…ウグッ……」

 

倒れ、動かないネオゲッター1に、メカ牛剣鬼の蹴りや剣撃が浴びせられる。

 

李衣菜「ッ!…ッ!ゲッターが動かない…?さっきので、バランサーがやられた!?」

鉄甲鬼「待ってろ、今助け…」

 

メカザウルス『グォォォンッ‼』

 

鉄甲鬼「くっ…!邪魔をするなぁ!」

 

メカ牛剣鬼『!!!!』

 

トドメ、と言わんばかりに、切っ先をネオゲッター1に向けた剣を高く振り上げる。

 

李衣菜「ッ━━!」

 

ザシュッ

 

李衣菜「━━…。…?……て、鉄甲鬼…!」

 

ネオゲッター1とメカ牛剣鬼の間に割って入ったメカ鉄甲鬼が、ネオゲッターの代わりに、メカ牛剣鬼の剣を胴体に受けている。

 

鉄甲鬼「ぐはっ…!」

李衣菜「ど、どうして…?」

鉄甲鬼「未来ある者を、死なせるわけにはいかないからだ…!」

李衣菜「そんな…!」

 

メカ牛剣鬼『!』

 

メカ鉄甲鬼から剣を引き抜き、蹴り飛ばす。

 

鉄甲鬼「ガッ…!?」

 

凄まじい衝撃と破壊の音。ビルを一棟薙ぎ倒し、その瓦礫の中に、メカ鉄甲鬼は崩れ落ちる。

 

李衣菜「鉄甲鬼!」

メカ牛剣鬼『……』

李衣菜「大丈夫鉄甲鬼!?返事して!」

 

トドメを邪魔された腹いせか、メカ牛剣鬼はメカ鉄甲鬼に迫る。

 

李衣菜「くっ…!ネオゲッター!動いてよ!アンタ、コレでもゲッターなんでしょ!?」

李衣菜「お願い…!守られっぱなし、助けられっぱなしはイヤなんだ!助けてもらったお礼も言わないまま、鉄甲鬼を死なせたくないっ!」

 

メカ牛剣鬼『━━…!』

 

メカ牛剣鬼が、剣を振り上げる。

 

李衣菜「お願い!動いてよォ‼」

 

爆発音がした。

 

李衣菜「…!!」

 

だが、次の瞬間目に映ったのは、黒煙を揚げ、後方に崩れていくメカ牛剣鬼だった。

 

李衣菜「…ミサイル…?攻撃…援軍…。どう言うこと…?」

 

「どーだ!ドンピシャだったろ?」

「はいはい。上手上手~」

 

李衣菜「奈緒!加蓮!?どうして…」

加蓮「お待たせ~、リーナ。準備に時間掛かっちゃった」

奈緒「李衣菜にお届け物だぞ!」

李衣菜「お届け物…?」

 

倒れ伏したネオゲッター1の上空を、3機のマシンが飛び去っていく。

 

李衣菜「アレって…!ネオゲットマシン!何で!?」

『最終調整に手間取ってしまった。遅れてすまない、李衣菜くん』

李衣菜「橘博士!」

橘 『君が今乗っているネオゲッターは、元々私が開発したロボットに、ゲッターの技術を組み込んで改造した、謂わば急造品だ』

李衣菜「急造品…。ってことは!」

橘 『そう。あのゲットマシンこそ、設計データを見直し、君達の戦闘データを組み込み、一から造り出した、正真正銘のネオゲッターロボだ!』

李衣菜「正真正銘の、ネオゲッターロボ…!」

奈緒「そー言うこと!橘博士がネオゲッターの出撃を禁止にしたのは、あたしらの戦闘データを吸い出す目的もあったんだ!」

橘 『正直、私は完成を躊躇った。もし本当に君達のデータを反映させてしまえば、コンピュータが君達の癖も学習して、君達にしか動かす事が出来なくなる』

橘 『それは、君達を完全に戦いの中に巻き込んでしまう事を意味する。それだけは避けたかった』

加蓮「でも、アタシ達は今そのゲッターに乗ってる。アタシ達の戦い方を、癖を全部生き写したゲッターに。アタシ達の意思で」

橘 『本当にいいのかね?君達はもう、後戻りは出来なくなるぞ?』

加蓮「くどいよ。例え後悔しても、仲間がどうにかなるのを黙って見てるよりはずっといいよ」

李衣菜「仲間…。加蓮…、奈緒…!2人共、なかなかロックだね!」

奈緒「ロック~?勘違いすんなよ。お前が無茶ばっかするから、見てないトコで倒れられたら寝覚めが悪いって。だから付き合ってやるだけだからな!」

李衣菜「うん…!嬉しいよ、ありがとうっ!」

奈緒「……。ホントに分かってんのか、アイツ」

加蓮「いいじゃん。リーナの万分の一でも、奈緒が素直だったらもっと良かったのにね」

奈緒「うるせぇよ!アイツは素直なんじゃなくて、単純なだけだ!」

李衣菜「酷っ!」

加蓮「あははっ」

橘 『……。君達の気持ちは良く分かった。ならばこれ以上、言うことはあるまい』

李衣菜「うんっ。橘博士もありがとう!新しいネオゲッターロボ、ちゃんと使ってみせるよ!」

橘 「あぁ。君達のゲッターロボ、確かに託したぞ」

 

プツン━━

 

メカ飛竜鬼『━━‼』

奈緒「うおっ!?」

 

ネオゲットマシンの隊列に、メカ飛竜鬼が飛来する。

 

奈緒「…っとと!これじゃあ落ち着いて着陸も出来ないな…」

加蓮「先に始めちゃおっか?」

奈緒「だな。それじゃあ加蓮、行くぞ!」

加蓮「何時でも」

 

ネオジャガー号が先行し、連なる。

 

奈緒「ゲッターチェンジ‼」

 

ネオゲッター2に合体。スラスターが火を放ち、高速でメカ飛竜鬼に迫る。

 

奈緒「ダブルアームガンッ!」 ジャキッ

 

左右の腕から銃口を覗かせ、プラズマの弾丸を連射。

 

メカ飛竜鬼『━━!』

奈緒「っるさいっ‼━━プラズマブレード!」

 

咆哮を上げるメカ飛竜鬼に対し、プラズマブレードを逆手に構え、距離を詰める。

 

奈緒「うおらっ!」

 

ブレードを横一閃。一刀両断の元、仕留める。

 

加蓮「次は地上でリーナを回収するよ。アタシに代わって」

奈緒「よっしゃ、任せたよ、加蓮!」

奈緒「オープンゲット!」

 

加蓮「ゲッターチェンジ!」

 

空中で合体。アスファルトの地面を破壊し、土煙と地響きをあげ、豪快に着地する。

 

メカ一角鬼『!!!』

メカザウルス・ドバ『キシャアアアッ‼』

 

加蓮「さて、たまには派手に行っちゃっていいかな?!━━タンクモード!」

 

ネオゲッター3の脚部を、無限軌道に変形。

 

加蓮「パンツァー・フォー!」

 

勢いよく加速し、突進。

 

加蓮「はぁッ!」

 

加速に乗せた拳を振り抜いて、メカ一角鬼を一撃で葬り、

 

加蓮「ゲッタートルネード!」

 

立ちはだかった残りの軍勢を、ゲッタートルネードでまとめて吹き飛ばす。

 

加蓮「さ、今のうち」

 

敵が消えてクリアになった地面を滑走し、倒れた旧ネオゲッターの前へ。

 

加蓮「お待たせ~」

 

旧ネオゲッターを抱き上げ、ハッチを近付ける。

 

李衣菜「…よし」

 

タイミングを見計らって、ハッチへ飛び移る。

 

李衣菜「…今までありがとね」

 

地に降ろされた旧ネオゲッターを見送りながら、中へ。

 

李衣菜「……」

 

コックピット。シートに座り、操縦桿を握る。

 

李衣菜「…ゲッターだ。ずっと使ってた」

奈緒「あぁ、ゲッターロボだ」

加蓮「ちょっと~、お二人さん?感傷に浸るのはいいけど、戦闘中なの忘れないでよ?」

李衣菜「うん…!分かってるよ!加蓮!」

 

鉄甲鬼「……」

 

李衣菜「…鉄甲鬼は、気を失ってるの?」

加蓮「元々ここまで頑張ってもらったんだし、ここからはアタシ達で返していこ」

李衣菜「そうだね。人類を守るのは、人類の仕事だ!」

加蓮「それじゃ、後はリーダーに任せるよ。━━オープンゲット!」

 

3機のゲットマシンに分かれ、再び上空へ。

 

李衣菜「行くよ。奈緒、加蓮!」

奈緒「おう!」

加蓮「は~い、っと」

 

李衣菜「ゲッタァァーーチェェェィンジッ‼」

 

新生、ネオゲッター1。

 

李衣菜「これが、私のゲッターロボ!」

奈緒「おいおい…、私達の、だろ?」

李衣菜「ははっ。そうだね。橘博士が造って、大将が調整して、加蓮と奈緒が乗ってくれる。みんなのゲッターだ」

奈緒「…ま、そう言うことにしとくか」

李衣菜「例え倒れたって、逆境だって乗り越えてまた立ち上がる。ゲッターロボは不滅のマシンなんだ!」

加蓮「敵が来るよ!リーナ、奈緒!」

李衣菜「━━不滅のマシンだって言ってるんだぁッ!」

 

左脚で地面を蹴り、跳ね上がって膝蹴りをメカザウルスの顔面に当てる。

 

李衣菜「…っし!」

 

着地。動きを止めず。拳を振り抜きメカザウルスを倒す。

 

李衣菜「チェェエーーンナックルッ‼」

 

チェーンナックルを放ち、連なった敵を2体まとめて葬る。

 

李衣菜「すンごい…。感動の嵐!新しいネオゲッター、何てパワーなんでしょ!」

奈緒「李衣菜!ソードトマホークで決めちまえ!」

李衣菜「え…、ソードトマホーク?」

奈緒「どういう理屈かは知らないけど、ネオゲッターに内蔵されてるんだ」

李衣菜「そうなんだ。よし…!」

加蓮「要領はプラズマサンダーと同じ。拳を突き合わせて…」

李衣菜「ソォォードトマホォーークッ‼」

 

左右の拳を突き合わせて、武器を呼ぶ。手首の基部から青白いスパークが弾け、内蔵された金属チップがプラズマエネルギーによって爆発的に増幅し、ソードトマホークを形作る。

 

李衣菜「…物理法則もあったもんじゃないね…!」

奈緒「ゲッターは元からだろ」

李衣菜「それじゃ…!」

 

ソードトマホークを両手に構え、肉薄。

 

李衣菜「どりゃぁあああ‼」

 

上段から袈裟斬り。百鬼メカを一刀両断。

 

李衣菜「邪魔だよッ!」

 

持ち上げたソードトマホークを真横に水平に振るい、百鬼メカの上半身と下半身を切り離す。

 

李衣菜「ったぁッ‼」

 

メカザウルスの開いた口部に、ソードトマホークを突き込み、メカザウルスから炎を噴き出し爆破。

 

李衣菜「おりゃぁあッ‼」

 

大回転斬り。周囲に接近した敵勢をまとめて断ち切った。

 

奈緒「…まったく、無茶しやがって…」

加蓮「ホント、動きを合わせるこっちも一苦労だよ」

 

李衣菜「さァ、残るはアンタ一人だっ!」

メカ牛剣鬼『……』 バシュッ

李衣菜「わっと…!」

 

放たれたミサイルを、腰を落として躱す。

 

李衣菜「このっ…!」

奈緒「待て!アレって…!」

李衣菜「っ…!メカ鉄甲鬼!?」

メカ牛剣鬼『……』

鉄甲鬼「…」

 

動けないメカ鉄甲鬼を盾のように掴み、晒す。

 

奈緒「人質代わりってかよ…?畜生…!

加蓮「鬼なんだし、無視しちゃっても全然いいんだけどね」

奈緒「それじゃああんまりすぎるだろ!」

李衣菜「私達が来るまで、時間稼いでくれたんだしさ」

加蓮「分かってるよ。鬼だろうとなんだろうと、アタシ達を助けてくれたことには変わりない」

メカ牛剣鬼『……!』

李衣菜「うわぁ!」

 

再び放たれたミサイルが直撃。周囲に濃灰の爆炎が舞う。

 

李衣菜「痛ててて…」

奈緒「何やってんだ」

李衣菜「人質取られてるんだし、勝手に動けないでしょ。…!」

 

周囲の黒煙が視界に入る。

 

李衣菜「これだ!」

加蓮「いい案?」

李衣菜「相手の攻撃をもう一発もらうよ!」

奈緒「は?」

李衣菜「もう一回ミサイルを爆発させるんだ!」

奈緒「何考えてんだぁ~!?」

メカ牛剣鬼『‼』

 

そうこうしている内に、メカ牛剣鬼からのミサイルが来る。

 

奈緒「うわぁあ~~!!?」

 

爆炎に包まれるネオゲッター1。

 

鉄甲鬼「…ッ!」

メカ牛剣鬼『……』

 

ビルの屋上まで立ち上る黒煙が揺らぐ。

 

李衣菜「油断した!?」

 

黒煙を抜けて、遥か大空にネオゲッター1が飛び上がる。

 

メカ牛剣鬼『!』

 

咄嗟に間にメカ鉄甲鬼を置こうとする。

 

李衣菜「これで、どうだぁあ‼」

 

それより速く、ネオゲッター1がソードトマホークを投じた。

 

李衣菜(ゲームで拓海にやられた戦法の応用だけど…)

 

真っ直ぐに落ちていったソードトマホークは、メカ牛剣鬼の胸に深く突き刺さる。

 

メカ牛剣鬼『!?!?!?』

 

火花を上げて爆発し、火柱となるメカ牛剣鬼。

 

李衣菜「やった…!鉄甲鬼は?」

加蓮「大丈夫。爆発の衝撃で飛ばされたみたいだけど、マシンの方は無事だよ。生体反応もあるから、鉄甲鬼自身も生きてはいるみたい」

李衣菜「そっか…。良かった…」

奈緒「あのなぁ、先にこっちの心配する方が先だろ?」

李衣菜「あ、奈緒。大丈夫そうだね。ケガはない?」

奈緒「よく見ろよ、頭から血出てるだろ!」

李衣菜「そんなの何時もの事じゃん」

奈緒「お前と一緒にするな‼」

加蓮「はいはい2人共~。漫才はその辺にしといて、鉄甲鬼連れて研究所帰ろ」

李衣菜「分かった。研究所まで、もう一踏ん張りだね」

 

━━。

 

~~~ ??? ~~~

 

「うぬぅ…。ゲッターロボめ…。やはり立ちはだかるか…!」

「しかし、ネオゲッターロボ以外のゲッターは未だ出撃できないようです。真ゲッターロボも確認されない今、特に恐れる事はないかと…」

「恐竜帝国と百鬼帝国…。二大の帝国との戦いに勝利した、ゲッター相手に油断はならんぞ。ヤシャ将軍よ」

「…はっ」

「ゲッター…。貴様らに私が抱いた長年の夢、世界統一の夢は邪魔させんぞ…」

 

つづく




次回予告

生まれ変わったネオゲッターロボと共に、再び戦う決意をした李衣菜、奈緒、加蓮の3人。
平穏を乱す、新たな敵は何者なのか?
真ゲッターと卯月達を欠いた中、李衣菜達は新たな敵に勝利することは出来るのか━━?

次回 ゲッターロボ×CG 第3部
第3話『新たなる支配者、我が名はランドウ‼』に、チェンジゲッター!
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