~~~ ウラル山脈 ~~~
李衣菜「──…ん~…しょ、っと…。ここを、…こうして…っと……」 カチャカチャ…
加蓮「リーナ~?調子どう?ネオゲッター、どんな感じー?」
李衣菜「加蓮~?あとは私のネオイーグル号の電送系をチェックしちゃえば、一先ずはOKかなー?」
加蓮「応急処置だけどね」
李衣菜「それは言わないでよ…。こっちだって、ネオゲッターが凛のやる機動に耐えられないとは思わなかったんだから」
加蓮「だね~。やっぱ、真ゲッター何て扱ってる人には、ネオゲッターは手狭なのかも」
李衣菜「分かってはいたことだけど。今の状態じゃ、凛には我慢してもらうしかないって言っておいて」
加蓮「りょうか~い」
李衣菜「じゃ、あと20分位で飛ばせるようにしておくから、もうちょっと待ってて~」
凛 「……」 ボ-…
加蓮「すんごい気の抜けた顔。こんなの、ファンの前じゃとても出せないね」
凛 「…加蓮」
加蓮「派手にゲッターを飛ばして気が抜けちゃった?はい、ココア」
凛 「ん。ありがと。ネオゲッターは?」
加蓮「今リーナが応急処置で何とかしてる。あと20分だって」
凛 「そっか…」
加蓮「関節のあちこちが悲鳴上げて、電送系が大変だってさ」
凛 「ごめん…」
加蓮「ま、凛のお陰で状況は打破できたわけだし、感謝はしてるけど」
凛 「……」
加蓮「そんな辛気くさい顔しない。この戦いは前哨戦。これから本番が本番なのに…、凛がそんなんでどうすんの」
凛 「…ごめん」
加蓮「また謝る。どうしたの?」
凛 「うん…。私、何にも出来てないな、何て」
加蓮「何言ってるの?」
凛 「これ、ネオベアーのエンジンの余熱で温めて来たんでしょ?」
加蓮「まぁね」
凛 「李衣菜の方も、ネオゲッターの処置が出来るし」
加蓮「そりゃ、リーナは整備の手伝いで、ある程度の応急処置くらいは、ね」
凛 「なのに、私は何の手伝いも出来なくて…。私のせいで、ゲッターがこんなになったのに…」
加蓮「何~?まだこれ以上何かしたいの?」
凛 「何かって…」
加蓮「戦闘も整備も、何でもかんでも出来るようになって、戦闘のプロでも自称するつもり?」
凛 「そう言うつもりじゃ、ないけど…」
加蓮「でしょ。リーナが整備が出来るのは、偶々出来るようになる切っ掛けがあったから。それなら、出来る人に任せなさいって」
凛 「…いいのかな、それで」
加蓮「いいに決まってるでしょ。アタシだってほら、整備手伝いもしないでココア飲んでるし」
凛 「それは言えてる」
加蓮「ね。凛が何に対してもストイックなのは知ってるけど、何にでも才能を発揮出来るほど、人間って万能じゃないよ」
凛 「加蓮にそう言われたら、何にも返せないね」
加蓮「今の状態でも、凛は十分強いよ。凛がいなかったら、きっとあのメタルビーストを倒せなかったと思う。それだけ頼りにしてるんだから、ちょっとの事くらいはアタシ達に任せて、ゆっくり英気を養っておきなさいって」
李衣菜「ふぅ~…。応急処置完了~、って…、何?何か話し中?」
加蓮「うぅん。今丁度終わったトコ」
李衣菜「ふぅん?そう…」
ジャック「Hey,リーナ。ゲッターの整備は終わったカ?」
李衣菜「ジャック!うん。ごめん、周辺の警戒させちゃって…」
ジャック「HAHA,余計な気遣いはNothing!動けなくなったゲッターを一機だけ残しておくわけにはいかないからナ!」
メリー「何処にランドウの伏兵がいるか分からないもの。慎重に動いておくに越したことはないわ」
凛 「その通りだね。けど、ゲッターの修理が終わったなら、ここに長居は無用だ」
ボブ「おう!いよいよドラゴンタートルをブッ飛ばしに行くんだな…!」
サム「ここからが本番だね。さぁ、早くゲッターに乗り込んでくれ!」
加蓮「うん、分かってる!」
各々のゲットマシンに乗り込み、起動させる。
凛 「発進したら、一先ずはネオゲッター2に合体するよ」
加蓮「こっちはオッケー」
李衣菜「分かった」
凛 「ゲッターチェンジ!!」
空中に飛び出して、ネオゲッター2にチェンジ。
ジャック「さ、今日は死ぬにはもってこいの日だゼ」
卯月「え?」
メリー「ネイティブ・アメリカンの考え方の一つよ。所謂死生観の様なものだけど、悪い意味じゃないわ」
ジャック「またこの言葉を言えるように、全力で生きル。必ず生きて帰ってこようゼ!」
李衣菜「死ぬにはもってこいの日…!そうだね!生きてるって言い続けるために、私達は勝ちに行くんだ!!」
──。
~~~ 戦場 ~~~
みく「う~にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ~~~っ!!」
ズドドドドドドドドドドッ
周囲をメタルビーストが包囲する中を、活路を見出だすようにゲッターマシンガンを乱れ撃つ。
カチッ カチッ
みく「チッ…。弾切れ…。──次ッ!!」
両側腕部の刃がそり立つ。
みく「ゲッターレザァァアーーッ!!」
ゲッターウィングで一気に加速し、擦れ違うメタルビーストを瞬間に斬り伏せる。
メタルビ-スト《──!!》
みく「ゲッタートマホークッ!」
メタルビ-スト《!!??!?》
ゲッター1の行く手を阻むように立ち塞がったメタルビーストを、抜き放ったトマホークで一刀両断。
菜々「ど、どんどん距離を詰められてますよぉ!」
みく「だったら手近な奴から吹き飛ばせばいいだけにゃ!ゲッター…!」
腹部の発射口を開く。
みく「──ビィィイーームッ!!」
ズ ワ ォ
メタルビ-スト’s《!!!!》
みく「うにゃぁ…!トマホークブーメラン!」
ゲッタービームで仲間が吹き飛ぶのも厭わず、殺到するメタルビーストを、トマホークを投擲して迎撃。
みく「ここは仕切り直しにゃ!──オープンゲット!!」
ゲッター1を分離。メタルビーストの群れの合間を縫うように飛び抜け、
瑞樹「チェンジ!ゲッター、2!!」
上空でゲッター2にチェンジ。
瑞樹「ドリルッ、アァァームッ!」 ギュルルゥゥウンッ
右腕のドリルを唸らせ、急降下と共に直下のメタルビーストを頭部から粉砕した。
みく「うにゃぁ…。グロいにゃあ~…」
菜々「ウプ…」
瑞樹「構ってる余裕なんてないから、一気に行かせてもらうわよ!ゲッタービジョン!!」
ゲッター2の高速機動。分身を幾重にも重ね、敵を惑わす。
瑞樹「ドリル、ストォォーームッ!!」
ゲッタービジョンで浮き足立ったメタルビーストを、ドリルストームで怯ませ、
瑞樹「やぁああああああッ!!」
背中のバーニアに全開で火を入れ、最大戦速で加速。
瑞樹「ゲッターアーム!」
左腕のアームでメタルビーストを抉り、破壊。
瑞樹「ドリルミサイルッ!」
トドメと言うようにドリルをミサイルにして撃ち出し、手近なメタルビーストを破壊。
メタルビ-スト・ビーン《!!!》
瑞樹「きゃっ!」
地上で戦闘を繰り広げるゲッター2に、上空からもメタルビーストは迫る。
みく「飛んでくる敵にはゲッター2じゃ不利だよ!」
瑞樹「そうみたいね。オープンゲット!!」
瞬時に判断を下し、ゲッター2を分離。
みく「うにゃあぁぁあ~!!カトンボ如き合体するまでもないにゃあ!!」
機首を上空に向け、寄ってくるメタルビーストをミサイルとバルカンで蹴散らす。
菜々「…あれが若さですか」
瑞樹「確かに、振り向いてる余裕はないわね」 ワカルワ
菜々「覚悟はしてましたけど、この敵の数は…。弾薬もエネルギーも切れたら不味いですよ?」
瑞樹「えぇ。だからそろそろエネルギーは節約しないと」
菜々「でしたら、またゲッター2ですか?」
瑞樹「あら、何言ってるのよ」
菜々「はい?」
瑞樹「こう言う時はよく言うでしょ。”手”がなければ力でゴリ押せって」
菜々「よく聞きませんし初耳なんですけど…」
瑞樹「どのみち耐久力の低いゲッター2じゃ長期戦は不利よ。と言うわけで、次は任せるわ、菜々さん」
菜々「やっぱりそう言うことですかぁ~~!?」
みく「ナナちゃん!敵がそっちに行ったにゃあ!」
菜々「へっ?」
ビ-ン《──!!》
菜々「ひぃっ!!?」カチリッ
条件反射で放たれたミサイルが、迫り来るメタルビーストを爆散する。
みく「流っ石ナナちゃん!」
菜々「た、ただのまぐれですよぉ!!」
瑞樹「まぐれでも大したものよ。さ、この勢いに乗りましょう」
菜々「え゛?」
みく「向こうでリンダさんが敵に囲まれてるにゃ!!」
瑞樹「囲まれてる以上、ゲッター1や2の攻撃で巻き込むわけにはいかないわ。ゲッター3で強行突破して合流しましょう」
菜々「えぇええ~~!?幾らなんでも無茶苦茶すぎません!?」
みく「考えてる時間はないよ!瑞樹さん、先に行こっ!」
瑞樹「えぇ、分かっているわ」
ジャガー号が先行して高度を落とし、イーグル号が垂直にドッキング。
みく「さぁ、ナナちゃん!早く!!」
菜々「うぅ~…!分かりました!こうなりゃヤケです!やってやるだけです!!」
菜々「チェ~~ンジゲッターーッ3ィ!!」
勢いよく合体した衝撃で派手に地上に着地。轟音と土埃を巻き上げて周辺のメタルビーストを怯ませる。
菜々「~~~…やぁあああ~!ゲッタータックル!!」
固い岩盤の大地をキャタピラで穿って速度を上げ、土煙を上げてゲッター3が持てる最大の速度でメタルビーストの中を駆け抜ける。
菜々「ゲッタァ…!パァンチっ!!」
加速の勢いをそのまま、死角からキングダムを奇襲しようとしていたメタルビーストを全力のゲッターパンチで粉砕し吹き飛ばす。
リンダ「ゲッター3!?」
みく「リンダさん、まだ戦える?」
リンダ「えぇ、こっちの損傷はまだ軽微よ」
みく「良かった…。ここからはみく達と2機で何とか乗り切るにゃ!」
リンダ「えぇ、助かるわ。帰ったらたっぷりご褒美をあげる」
みく「ほどほどで大丈夫だよ」
菜々「ゲッターミサイルッ!連射連射連射~~っ!!」
両肩のミサイルを右も左も、上も下も関わらず乱れ撃つ。
瑞樹「大盤振る舞いで、遠慮は要らないわよ!」
菜々「瑞樹さんの方も撃ってください全弾一斉掃射です!」
瑞樹「了解!…何て言っても、機関砲だけどね!」
ズドドドドドドドドドッ
ゲッター3のミサイルと、ジャガー号機首の機関砲が火を放つ。
みく「しっかし、撃っても撃っても、次から次に出てきてキリがないにゃ!」
リンダ「まったくね。盛りのついたブ男でも、もう少し節操を弁えるわよ」
みく「そっちの方面、みくはよく知らないからツッコめないにゃぁ」
リンダ「ともかく、2機だけでもいずれ身動きが取れなくなるわね…。せめて味方の位置が把握出来ればいいのだけれど」
みく「そんな事言ったって、レーダーがこう敵機の反応に埋め尽くされてたら、近くにいる味方の反応だって見えないよ!」
瑞樹「こんな戦況じゃ、おちおち通信でコミュニケーション取り合うなんてのも出来ないしね」
リンダ「こうして、至近まで来てオープンチャンネルで会話するのがやっとじゃ、100m離れた味方機と連絡を取り合うのもの難しいかしら」
菜々「ま、まさかもうみんなやられちゃったなんて事ないですよね?」
みく「あり得ないにゃ!美穂ちゃんも茜ちゃんも、そんな簡単にやられるタマじゃないにゃ!!」
瑞樹「悲観的に考えを巡らせるのはやめましょう。心が折れたら、先に倒れるのは私達の方よ」
菜々「そ、そうですけど…!」
瑞樹「今は、味方を信じて、立って戦い続けましょう。大丈夫、必ず勝てるわ」
──。
通信士「メタルビースト、攻撃来ますっ!」
橘 「取り舵、回避運動!!」 ズォオオオッ
莉嘉「きゃあっ!!」
雨あられのように降り注ぐ砲撃の弾幕の中を、クジラが旋回して駆け抜ける。
通信士「こ、これ以上は限界です!」
橘 「と言って、何処に逃げると言うのかね?」
通信士「そ、それは…」
橘 「すでに覚悟は決まっているはずだ。この戦いに参加する以上、我々に逃げることなど許されん」
橘 「ソルトガン、投射準備!テキサス合流まで、少しでも我々の力でランドウの戦力を削ぐのだ!!」
通信士「りょ、了解!」
橘 「ソルトガン、発射!」
クジラの艦底部から覗かせた砲門から、地面の敵機目掛けて無数の鍛造弾が降り注いだ。
かな子『ブリッジ、橘博士聞こえますか?こちら真ゲッターロボ、発進準備完了です』
── ハンガー。
晶葉「突貫作業だったが、どうにか間に合ったな」
主任「しかしよ、計器のチェックも出来てねぇ、この状態で出すのは危ないんじゃねぇのか?」
晶葉「問題が起これば騙し騙し使っていくさ。かな子にはそれだけの実力がある」
晶葉『かな子、通信機器のチェックだ。こっちの声は聴こえているか?』
かな子「あ、晶葉ちゃん。はい、ノイズもなくて良好ですよ」
晶葉『そうか。送受信は良好と。戦闘で孤立することはなさそうだな』
かな子「そっちは大丈夫ですけど、どうして真ゲッター3に合体した状態なんですか?」
晶葉『作業の手順を省くためにな。状況次第ではキツい戦いになるかもしれんが、分離と他の形態への合体はしないでくれ』
かな子「それって、真ゲッター3だけで戦うってことですか?」
晶葉『そう言うことだ。オーバーホールしていたものを無理に仕上げたわけだからな…。細かい部分は、どうなるか分からん。だから、お前が一番得意なゲッター3の状態で固定した』
かな子「…分かりました。やってみます!」
橘 『かな子くん、準備はいいかね?ハッチを開くぞ』
かな子「はいっ!何時でもお願いします!」
莉嘉『かな子…』
かな子「莉嘉ちゃん…。そんな暗い顔しないでください」
莉嘉『必ず、必ず帰ってきてよ!』
かな子「分かってます。またみんなで、一緒にお茶しましょうね」
莉嘉『うん。いってらっしゃい』
かな子「はい、いってきます!」
橘 『ハッチ開放!真ゲッターロボ、発進!!』
かな子「真ゲッター3、発進します!!」
弾幕飛び交う中を降下し、戦場に降り立つ。
かな子「っ…!みんなは…」
晶葉『すぐに敵が来るぞ!構えて!』
かな子「!」
メタルビ-スト《──!!》
かな子「っ…!ハンマァー…!パァンチ!!」
降下直後の真ゲッター3を狙ってきたメタルビーストを、その剛腕で殴打。
メタルビ-スト《──?!?》
かな子「…?」
かな子(思ったよりもパワーが上がらない…?)
かな子「なら…!」
メタルビーストにぶち当てた右の拳を引き戻して、すぐさま左の拳を放って今度こそメタルビーストを粉砕する。
かな子(…単独操縦でここまでパワーが下がるなんて)
メタルビ-スト《!!!!!》
メタルビーストが徒党を組んで殺到する。
かな子「っ…!ミサイルストームッ!」
真ゲッター3後部のミサイル・サイロを開き、周囲に放射して殺到したメタルビーストを蹴散らす。
かな子「パワー不足でも、贅沢なんて言っていられない。何とかやってみせなくちゃ!」
晶葉『かな子、3時の方角に爆発光を確認した。友軍の誰かがその近くにいるかもしれん。救援に向かってくれ』
かな子「え?でも、そしたらクジラが…」
晶葉『こちらの心配は無用だ。いざとなれば、追っ手を振り切って戦域を離脱するくらいの速力はある。こちらの戦力が整う前に犠牲が出る方を避けなければな』
かな子「…分かりました。真ゲッター3、行きますっ!」 グッ
群がるメタルビーストを蹴散らしながら、真ゲッター3は爆走。
橘 「よし、こちらも攻撃の手を緩めるな!己の身は己自身で守るのだ!!」
莉嘉「かな子…、みんな…」
晶葉「心配するな」
莉嘉「晶葉…」
晶葉「と言っても無理な話だろうがな。だが、大丈夫だ。皆、必ず帰ってくる」
莉嘉「……」
莉嘉(アタシには、ここで応援するしか出来ない…。けど、絶対、負けちゃダメなんだからね、みんな──!)
──。
ニオン「うわぁぁあああッ!!」
ザ ン ッ
トマホークを大上段に持ち上げたダイノゲッター1の一撃が、メタルビーストを一刀の元、斬り伏せる。
ニオン「しゃぁあああ!!」
そのまま、二の太刀を横に薙ぎ払い、先程切り裂いたメタルビーストを粉砕しながら周囲にまとわりつく敵陣を振り払う。
鉄甲鬼「敵が集まってきているな…。一度距離を取れ」
ニオン「この戦場に距離を取る隙間などあるかッ!!」
応じながら、ダイノゲッター1の手刀でメタルビーストの胴体を貫く。
ニオン「…フン」
芳乃「……ほー…」
鉄甲鬼「…?どうかしたか、芳乃」
芳乃「少々ー。二オンさんー、少し左へー、ズレて下さいませー」
二オン「左だと…?」
言われた通りに、左へ。
芳乃「もう少々ー」
二オン「一体なんだと言うのだ?」
芳乃「そのくらいでー、よろしいかとー。ではー…」
鉄甲鬼「?」
芳乃「頼みましてー」
ズ ド ド ド ド ド ド ッ
二オン「!?」
先程までダイノゲッターのいたポイントにミサイルの雨が降り注ぎ、殺到していたメタルビーストを吹き飛ばした。
二オン「何だ!?」
かな子「ダイノゲッター…!二オンさん達ですか?援護します!」
鉄甲鬼「真ゲッターロボ…!動くのか?」
かな子「はい。私一人の操縦なので、パワーは落ちますけど、このくらいのメタルビースト相手なら…」 ムンズッ
メタルビースト《?!?!?》
後ろから真ゲッター3を羽交い締めしようとしたメタルビーストの頭部を鷲掴み、反対のメタルビーストへと叩き落とす。
かな子「何とかなります!」
芳乃「……」
鉄甲鬼「頼りになるな」
二オン「問題ないのなら手を貸せ。ゲッター飛焔と合流する」
かな子「茜ちゃん達、近くにいるんですか?」
鉄甲鬼「あぁ、現状、尤も厄介な連中の相手をしている」
かな子「厄介な相手…?」
茜 「ド~ララララララララララララララッ!!!」
突き出した右腕に装着したガトリングガンから、無数の弾丸を周囲にばら撒く。
隊士「何の!」
隊士2「これを受けよ!」 シュバッ
茜 「っ!」
2機の連携でプロト・ゲッター1の射撃を躱し、投じられたクナイを反射神経で避ける。
茜 「危ないところでした!」
美穂「これまでの機械的な動きとは違うみたい…。茜ちゃん、向こうのペースに飲まれちゃダメだよ!」
茜 「分っかりました!向こうがこちらの間合いに入ってこないのなら…!」
ダッ
茜 「こちらから飛び込むだけです!」
アーニャ「Нет…アカネ!それは、ダメ…!」
美穂「え?」
アーニャ「左…засада、伏兵が、います!」
茜 「…っ!?ぅぁ…!」
横からの衝撃。プロト・ゲッター1が宙を舞う。
茜 「ガッ…!」
大地に落下し、衝撃が伝わる。
副官「左右の警戒が甘いようだな。まるで素人だ」
茜 「痛た…。伏兵とは、やられました!」
美穂「茜ちゃん、血が…」
茜 「少し口を切っただけです!まだ大したことじゃありません!」
アーニャ「メタルビースト、来ます!!」
茜 「オープンゲット!!」
倒れたプロト・ゲッター1にトドメを刺すべく飛び掛かってきたメタルビーストの群れを、ゲッターを分離させて巧みに回避。
茜 「チェンジゲッター1!!落ち着いて態勢を直している時間もありませんか!」
美穂「茜ちゃんが落ち着いてる時って、そんなにないような…」
茜 「あぁ!!それもそうでしたね!」 タハッ
副官「同志達よ!機を逃すな!!敵を包囲し、一気に仕掛ける!!」
隊士’s「「御意!!」」
アーニャ「アカネ…!」
茜 「はいっ!」 グンッ
前後、左右、斜めから次々に襲いかかる量産型のジャコツの攻撃をその合間を縫うようにいなしていく。
副官「彼奴、ちょこまかと…!」
茜 「アーニャさん!ゲッターエネルギーを!!」
アーニャ「Да!…何時でも、大丈夫、です!!」
茜 「それでは、ゲッタービィィイームッ!!」
左肩の砲身からゲッタービームを量産型ジャコツの一団に向け放つ。
副官「そんな大砲など、当たるものか!」
美穂「確かにそうかもしれない、けど!」
ズワッ
隊士「~~~っ!?」
茜 「一瞬でも陣形を崩せれば十分です!!」
隊士「何と…っ!?」
ズァッ
回避行動で左右に散った量産型ジャコツの1機に肉薄し、鉤爪を突き出した拳をアッパーのように振り上げ、その上半身を大きく抉り剥がす。
アーニャ「上手く、いきました、ね♪」
茜 「先ずは1機!!」
副官「むぅ…!小娘と侮っていたと言うことか…!各機、5番機の抜けた穴を補え。すぐに陣形を立て直すのだ」
美穂「…やっぱり、向こうの方が落ち着いてるみたい」
茜 「ですね!ですが、落ち着いていようがいまいが、勝った方が勝者です!!」
副官「真理だな。が、常に勝者になれると思うな!」 バッ
アーニャ「来ますか…!」
茜 「右ですか?左ですか!?どこからでも受けて立ちますよ!!」
副官「その全てだッ!!」
シュバッ
美穂「3つの方向に別れた?!」
隊士「捉えた…!封縛!!」 シュルッ
茜 「…!?これは…!?」
左右と正面、3方向に分かれた量産型ジャコツが放ったワイヤーが、プロト・ゲッター1の手首と首に巻き付いて拘束。
茜 「ぐっ!?この…!こンのぉ!!」
アーニャ「бесполезный!アカネ!無理矢理、はダメ、です!」
茜 「ぬぐぐ…!ゲッターのパワーで千切れないなんて、頑丈ですね…!」
美穂「そ、空飛んだら強引にでも引き剥がせないかな?」
茜 「その手がありました!」
隊士「させると思うか!これで終いよ!!」
副官「受けよ、包雷陣!!」
バリバリバリバリバリィッ
茜 「ぐぅぅぅうぅぅぅッ!!?」
アーニャ「あ゛…アァ゛…っ!!」
美穂「うぁ…!きゃぁああっ!!」
プロト・ゲッター1を拘束したワイヤーを伝い、放たれた電流が全身を奔る。
茜 「ぐ……あぁあ゛ぁあああああ~~~ッ!!!」
副官「はっはァ!!コックピットの中で、全身黒焦げになるがいい!!」
茜 「ぁあ゛…!ぐ……グゥウウッ!!」 ギンッ
隊士「…?げ、ゲッターの様子が可笑しい…!?」
副官「まさか!この状態でも生気を失わない!?寧ろ、闘志を増しているとでも言うのか?!」
茜 「ウ…ガァアアアアア!!!」
隊士「ワイヤーが…。ふ、副官殿!!」
副官「えぇい、化け物め…!一思いにトドメを刺してくれるッ!」 チャキッ
小太刀を抜き放って、プロト・ゲッター1に突撃。
副官「ちぇあああああ!!」
茜 「──~~ッ!!フンッ!」
隊士「うわぁああっ!?」
副官「何とぉ!!」
両手の鉤爪を使い、ワイヤーを切断。
茜 「ッ!!」
突撃を仕掛けた副官の量産型ジャコツの頭部を、まず潰した。
茜 「フンッ!!」
隊士「ぎゃっ!!」
頭部を失い、力の抜けた量産型ジャコツを、左に分かれた量産型ジャコツに蹴り当てる。
茜 「ゲッタートマホークッ!!!」 ジャキッ
隊士「まずい…!離脱を──」
茜 「ダァアアアアアアアアアッ!!!!」
重なった量産型ジャコツを、まとめて一刀両断。
隊士「ふ、副官がやられた…!?」
ヤシャ「恐るべき相手だな。やはり、ゲッターの乗り手は危険、と言うことか」
隊士「ヤシャ隊長!」
ヤシャ「臆するな。まだ数の上では我らの方が上。決して陣形を崩すな。動揺を敵に悟らせるな」
隊士「は…はっ!」
茜 「──…はぁ…はぁ…はぁ…っ!わ、私は…」
美穂「うぅ~…。まだ手足がビリビリするなぁ…」
茜 「美穂さん!」
アーニャ「2人とも、大丈夫、ですか?」
茜 「は、はいっ!それより、今一体何があったんですか!?」
美穂「茜ちゃん、何も覚えてないの?」
茜 「…はい。一体全体、何が何やら…!」
アーニャ「ワタシ達も、痺れてたので…」
美穂「私も、一瞬だったし…」
茜 「…はぁ。ともかく、状況は打破した、ということでいいんでしょうか!?」
ヤシャ「副官を倒したところ程度で状況は変わってはおらんぞ!ゲッター!!」
茜 「!? …貴方は…どなたですか!?」
ヤシャ「っ…」 ズルッ
美穂「ほ、ほら…!李衣菜ちゃん達の方に付きまとってた…」
茜 「なるほど、ストーカーですか!」
ヤシャ「こちらを挑発する余裕はあるか。そうでなくては面白くない」 ジャキ…
ヤシャ「我を軽く見たことを後悔して死ぬがよいッ!!」 ダッ
茜 「正面からですか!これは受けて立たなければ…!」
ピリ…ッ
茜 「ッ…!?」
ヤシャ「でえぇぇええいッ!!」
茜 「!! ぐぅうううーっ!!?」 ガギィ…ンッ
ジャコツの腕の振り払いを、咄嗟に右腕でガードし受け止めるが、衝撃は殺しきれず、プロト・ゲッター1の体は吹き飛び、地面を転がる。
茜 「がっ…!」
美穂「きゃっ…!茜ちゃん、大丈夫?」
アーニャ「今のは、避けられない攻撃じゃ、ありませんでした」
茜 「すいません!反応が遅れてしまって…!」
ヤシャ「のんびりしている暇などないぞ!!」 ゴァッ
茜 「!!」
ジャコツが口から吐き出した火炎が、プロト・ゲッター1を焼く。
茜 「うぅぅううう~~…!」
美穂「あ…茜ちゃん…!」
茜 「お、オープンゲット…!!」
プロト・ゲッター1を分離させて、ジャコツの火炎から逃れる。
ヤシャ「ほう…」
茜 「美穂さん、アーニャさん!すいません!大丈夫ですか!?」
美穂「う、うん。こっちはなんとか」
アーニャ「こっちも大丈夫です」
茜 「良かった…!では、すぐに態勢を立て直しましょう!」
アーニャ「…アカネ、まだ、体…痺れますか?」
美穂「えっ?」
茜 「すこし手足がピリピリしているだけです!この程度で、皆さんに迷惑を掛ける訳にはいきません!」
アーニャ「ムリをしても、アカネの身に何かあっては、仕方ありません」
美穂「そうだよ!茜ちゃんだけで体を張らないで!私達だっているんだから」
茜 「美穂さん…アーニャさん…」
アーニャ「フォーメーションを、組み直します。アカネは後ろに下がって…」
ヤシャ「思い通りにさせると思うかァ!」
美穂「!!」
空中に飛び上がったジャコツが、3機のゲットマシンに襲い掛かる。
ヤシャ「悪く思うな。普段なら合体を待つところだが、こちらも決戦なのでな。好機は行かさせてもらう」
アーニャ「散って…!回避運動を…!」
ヤシャ「細いの!先ずは貴様からだ!!」
アーニャ「!!」
美穂「ダメぇえ!!」
ヤシャ「何っ!」
ジャコツと、プロト・ゲットマシン2号の間に、3号機が割って入り、ジャコツの攻撃を受ける。
美穂「きゃあぁ!!」
アーニャ「ミホ!!」
美穂「だ、大丈夫だよ…。私のマシンは、装甲が厚いから、盾の代わりくらい」
ヤシャ「大した度胸だ。そんなに死にたければ、先ずは貴様から…!」
かな子「ゲッターホーミングミサイル!!」
ヤシャ「ぬぅ?!」
プロト・ゲットマシン3号に対して、爪を立てた右腕を振り上げたジャコツに、飛来したミサイルが着弾し爆ぜる。
茜 「真ゲッター3?かな子さん!」
かな子「向こうの相手は私がします!その内に合体を!」
二オン「空中の雑魚共は俺に任せろ!」
茜 「皆さん…!ありがとうございますっ!!」
美穂「私が行くよ!耐久力のあるゲッター3で、みんなのフォローに回ろう」
アーニャ「Да…分かりました。合わせます!」
美穂「チェーーンジ、ゲッターーァ!!──3ィッ!!」
プロト・ゲッター3に合体し、着地。
美穂「かな子ちゃん!」
かな子「はいっ!同じゲッター3同士、力を合わせましょう!」
ヤシャ「フン。重戦車が2機に増えたところで何になる?」
かな子「その重戦車のパワーを…」 ジャコッ
美穂「バカにしないで!」 ジャキンッ
かな子「ゲッターホーミングミサイル!!」
美穂「フィンガーミサイルキャノン!!」
ズドドドドドドドッ
隊士「うぉわっ!?」
真ゲッター3とプロト・ゲッター3、2体の火器が同時に火を噴いて大地を震わせる。
ヤシャ「臆するな!こちらの間合いで戦え!距離を詰めれば向こうの大砲も役には立たん」
かな子「パワーアーム!!」
隊士「や、ヤシャ将軍、危ない…!」
ヤシャのジャコツを庇った、量産型ジャコツの首に、伸びた蛇腹の腕が巻き付き捕縛。
隊士「うわぁあああ~~?!!」
かな子「ハンマー…!パァンチッ!!」
捕縛した量産型ジャコツを勢いよく引き寄せ、待ち構えるように構えた拳で一撃の元粉砕。
茜 「真ゲッターロボ!流石のパワーです!!」
かな子「でも、今は単独操縦だから、パワーは大分落ちてるんですよ」
美穂「あ、あれで…?」
かな子「今のは引き寄せる勢いも利用しましたから…」
美穂「それでゲッターのパワーを引き出すなんて…。私も頑張らなくちゃ!」 グッ
美穂「プラズマキャノン、延伸!」
アーニャ「プラズマエネルギー、チャージ、始めます」
美穂「ゲッターエネルギーを制御に、茜ちゃん!」
茜 「はいっ!縁の下で支えているので、遠慮なくブッ放してください!!」
ヤシャ「そんなモノがこの距離で当たるものか!各機、散開だ!」
美穂「当てられないなら、当てられるようにするだけ!」
ヤシャ「何をする気だ?まぁいい。今だ!充填中のゲッターに攻撃を集中しろ!!」
隊士’s「「「御意ッ!!」」」
かな子「美穂ちゃん!」
美穂「大丈夫です!!」
グググッ…
美穂「ゲッター金剛、力を借ります!」
美穂「──破岩、掌ぉおっ!!」
渾身の力を込めた掌底を、地面に叩きつける。
ヤシャ「うぉお…!?これは…」
かな子「地震…?ゲッターの力で…!」
アーニャ「チャージ、完了!ミホ!」
美穂「プラズマキャノン、発射ぁあっ!!」
ズ ワ ォ ッ
破岩掌が生んだ局地的地震に怯んだ相手に、プラズマキャノンの青白い光線を放つ。
ヤシャ「ぐぅ~~~っ…!!」
美穂「うあぁああああッ!!」
プロト・ゲッター3自身を旋回させ、周囲に放射するようにプラズマの線を描き、大地もメタルビーストもまとめて焼き払った。
シュウウウゥゥ……
美穂「……」
アーニャ「プラズマキャノンの、稼働維持、限界…です」
茜 「ヒュゥ----ッ!!まさに一網打尽!!爽快感が違いますね!」
美穂「けど、あっちの隊長格を倒すことは出来ませんでした…」
茜 「ですね!油断大敵ですか…!」
アーニャ「プラズマキャノン、冷却始めます。エネルギーの再チャージと併せて、次に使えるのは10分後…くらいですね」
美穂「プラズマエネルギーは無限じゃないから、考えて使わないと…」
ヤシャ「くぅ…。残った者は…」
隊士「は、8番機、無事です」
隊士2「7番機の自分も…。それと、3番機と6番機も確認できます」
ヤシャ「一度に半数以上の同志を失うとはな」 グググッ…
隊士「た、隊長…!隊長の機体は、損傷が激しすぎます!ここは我らに任せ、一度後退を!」
ヤシャ「後退したところで、あのラセツが受け入れるものか。我らに既に退路など存在せん」
隊士「ですが…!」
ヤシャ「腕の一本や二本、ハンデとしては丁度いい…!それよりも陣を立て直せ。こちらが動きを乱して、勝てる相手ではないぞ!」
隊士「は…はっ!」
かな子「相手が態勢を整えて来ますよ!」
アーニャ「別のエリアにいた、メタルビーストも、次々、こちらに向かってます」
茜 「まだまだ、ランドウの方が優勢、と言うことですか!」
美穂「だとしても、怖がってなんていられない…!必ず、この戦いは勝たなくちゃダメなんだもん!」
「その通りだね!いいこと言うじゃん、美穂!」
ヤシャ「むぅ…?あの機体は、よもや!」
かな子「ネオゲッターロボ…!待ってました、李衣菜ちゃん!」
ジャック「おっと、ミー達も忘れてもらっちゃ困るゼ!」
卯月「お待たせしました!私達も合流して、戦闘に参加します!」
美穂「卯月ちゃん!みんなも、全員無事で…!」
ボブ「おいおい、そういう感動の仕方はまだちょっと早いんじゃないのかい?」
サム「そうよ!ゲストはどこだい?って、俺らがゲストか!」
美波「戦場をパーティー会場に例えるなら…。ランドウの布陣に、私達が飛び込んでかいくわけだから、確かにゲストかもしれませんね」
凛 「だったら、会場の事なんて気にしないで、盛大に暴れようじゃん」
加蓮「サンセー。主賓の態度は悪いみたいだし、遠慮しないでお灸据えちゃお」
李衣菜「みんな盛り上がってるじゃん!いいよ、みんなのハートビートをランドウの奴等に響かせてやろうじゃん!!」
つづく
次回
『決戦、ドラゴンタートル-2』
へつづく