ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第20話『決戦、ドラゴンタートル-2』

 

──。

 

オペレ-タ-「艦長!ドラゴンタートル、レーダーに捉えました」

艦長「そうか。戦況は分かるか?先行したロボット部隊は確認できるか?」

オペレ-タ-「敵対反応が多く、個々の識別までは…。ですが、作戦領域にて爆発光を確認!戦闘は継続されている模様です」

艦長「むぅ…。何とかなってはいるか…!」

副長「しかし、ボルガの反応が見られません。艦長、ここは我らは静観するべきでは?」

艦長「何を言う、副長」

副長「作戦の格子は、テキサスとボルガによる過重攻撃。つまり、ボルガ無くしては作戦の成功はありません。当然、テキサスが欠けるようなことがあっても…」

艦長「……」

副長「スーパーロボット部隊は、陽動としてその任務を全う出来ています。ここは、作戦の効率を優先し、我々は後方で支援を行うべきかと」

艦長「……」

副長「幸い、こちらに対するランドウの攻勢は手薄です。このままなら、本艦の損害を抑えることも出来るでしょう」

艦長「…このまま、ならばな」

副長「艦長?」

艦長「状況は常に変化する。戦場において、このままであるなどと言うことはあり得ん」

艦長「戦争において生き長らえるのは臆病な者だが、戦場においては勇敢に飛び込む者が、勝機を掴み得る」

艦長「機関最大!!第3、第4エンジンにも火を入れろ!!」

副長「艦長!?」

艦長「副長、君の言うことは正しいかもしれん。だが、効率だけで戦争には勝てん!」

副長「ですが…!」

艦長「前線で勝利を信じ、戦う者達を犠牲にするのが、正しいことと言えるかね?」

副長「……」

艦長「いや、この際善悪はどうでもいいだろう。大局的なモノの見方だ。ここで、このテキサスを生かすために犠牲を払ったとして、果たして、この先の戦いに勝てると思うかね?」

副長「それは…」

艦長「あり得んよ。我々には目の前に提示された手札しかないのだ。それを全て切ってしまえば、我々には敗北しかない」

艦長「この戦いで手札を使い切るわけにはいかん!その意味でも、この戦いは我々にとって最高難度の戦いとなるだろう。しかし、それに勝利出来れば、我々に憂いは何一つなくなる!」

副長「この戦いが、我々にとっての試金石ということですか…」

艦長「そうだ。だからこそ、リスクを覚悟の上で飛び込まねばならん!必ず勝つのだ…!自分自身を追い込んでも、この先の戦いに勝つために──!」

 

──。

 

~~~ 戦場 ~~~

 

美穂「卯月ちゃん…!みんな!」

卯月「美穂ちゃん!お待たせしました!」

李衣菜「みんなお疲れさま!これからは私達も参戦するよ!」

加蓮「ま、それで何とかなるって敵の量じゃないけどね~」

凛 「そうやって士気が落ちるようなこと言わない…」

加蓮「でも、事実でしょ?」

美波「そうね…。気合いで誤魔化しても、数の差は覆しようがないもの」

ボブ「まったくだぜ…。敵の数がこっちの想定を越えてやがる」

サム「どこから沸いてきてるんだって。ホント、ゲストの接待も楽じゃないよ」

李衣菜「どっちかって言うと、こっちがゲストな気がしないでもないけど…」

ボブ「じゃ、パーティーの主催者が最悪なんだな」

加蓮「なら、ガツンと言ってやらなきゃ」

卯月「ガツン、と…?」

美波「言うには、まだ招待客が足りないわね」

凛 「OK. ボルガとテキサスが合流するまで、死ぬわけにはいかないって訳だね」

メリー「少なくても、ドラゴンタートルをドーバー砲と超ウェポン砲を有効射程に収めるために、前線を押し上げなきゃならないわね」

ボブ「押し上げるったって、あの軍団をかァ!?」

ジャック「That's right!! Metal beastなんざ蹴散らしてやろうゼ!」

サム「これはもう、神技だね…」

凛 「神技…。悪くない、…やろう!」

李衣菜「凛の気持ちも盛り上がってきたところで、ここは一つ、ハートビートにやっちゃいますかぁ!!」

凛 「ッ!!」

 

烈帛の気合いと共にネオゲッター2を疾駆。

 

ジャック「Assault!? 何をする気ダ、リーナ!」

サム「馬鹿正直に突っ込んでったら狙い撃ちにされるだけだぜ!」

李衣菜「敵に統率の執れた動きなんかさせるもんか…!こっちは愚連隊だぁ!!」

凛 「ッ!!」

 

高速で駆けるネオゲッター2に、メタルビーストの銃口が向く。

 

メタルビ-スト《──》

李衣菜「2人共、やるよ!」

加蓮「オッケー」

凛 「任せて!」

メタルビ-スト《!!!》 ズドッ

凛 「オープンゲット!!」

 

バシュッ

 

李衣菜「ゲッターチェンジ!!」

李衣菜「ハンディミサイルキャノンを喰らえッ!」

 

ズドドドドドドドッ──

 

メタルビーストの集中砲火を、オープンゲットで巧みに躱し、敵陣の中央で再度合体し、ハンディミサイルキャノンを放つ。

 

李衣菜「へへっ、右も左も敵敵敵!狙いを定めるまでもない!」

 

照準も点けず、目の動きだけで敵を追い、両腕に搭載された火器を乱れ撃つ。

 

李衣菜「ウッヒョ~~~!!最高だぜぇ!!ロックンローールッ!!!」

 

バラララララララッ

 

凛 「…!李衣菜、後ろだ。避けて」

李衣菜「分かった!」

 

阿吽の呼吸で応えて、ヒョイと身を翻して攻撃を躱す。

ネオゲッター1を通り抜けた弾丸は、反対のメタルビーストに命中して爆発した。

 

李衣菜「あはっ♪乱戦になったら、下手に攻撃してこない方がいいよ?そっちの方が数は多いんだからさ!」

メタルビ-スト《──》

 

一瞬、メタルビーストが攻撃を躊躇するのを感じた。この時点で、敵の撹乱には成功していた。

 

李衣菜「みんな!今のうちに先に戦ってたグループと、美穂や茜達と合流するよ!」

サム「お、おう…!」

ジャック「言われるまでもないゼ! Here we go!!」

パスチャ-・キング『ヒヒィインッ!!』

ボブ「サム!俺達だって負けてられねぇ!全速力で突撃だ!!」

サム「分かったぜ、兄ちゃん!」 グイッ

 

ロボ・ストーンの上体を格納し、ローリング・アタックで、ランドウの敵陣に突撃。

 

サム「うぉおおおおお~~!!」

ボブ「おらぁっ!!馴らされてウラルのアスファルトになりてぇ奴はドイツだ!まとめて潰してやるぜぇ~!!」

 

ロボ・ストーンが地ならしのように走り、その上空をパスチャー・キングに跨がったテキサスマックが駆ける。

 

ジャック「Mac-rifle! Mac-riot! 出血大Serviceだゼ? Fire!!」

 

2丁拳銃のように両手に構えたマックライフルとマックライアットで狙いを定め、上空のメタルビーストを撃墜させていく。

 

卯月「私達はどうしましょう?」

美波「そうねぇ…」

卯月「ジャックさんとボブさん達みたいに上と下に分かれますか?」

美波「敵の配置とこっちの戦力のバランスで言ったら、それが正しいと思うんだけど…」

メタルビ-スト《──!!》

美波「ッ!!」 ズバァッ

 

飛び込んできたメタルビーストを、ブラックゲッターのレザーブレードで真っ二つ。

 

美波「落ち着いて話し合ってる時間はないみたいね…!」

卯月「そうみたいですね…!」

 

ブラックゲッターと、ゲッターD2を包囲した敵陣に対し、両機背中合わせに構える。

 

卯月「向かってきてくれるなら、戦い方は考えなくていいかもしれませんね!」

美波「そうね。まずは敵の数を減らすことを考えましょ」

卯月「はいっ!」

メタルビ-スト《──!!》

美波「来るわよ、卯月ちゃん!」

卯月「はい!じゃあ、一緒に!」

 

卯月「ゲッタァアーー…!!」

卯月・美波「「ビィィイーームッ!!」」

 

ズ ワ ォ オ ッ

 

ゲッタービームを薙ぎ払い、包囲した敵陣を焼き払っていく。

 

美穂「卯月ちゃん…、みんな、スゴいなぁ…」

茜 「これで形勢逆転!ですかね?」

アーニャ「まだまだ、敵の方が多い、です。油断、は出来ません」

美穂「そうだね!私達も圧倒されてばかりじゃダメだよね!」

美穂「ナパームレインッ!!」

 

ナパームレインによって放たれたミサイル群が、地表で火柱を上げて、メタルビーストを焼いていく。

 

戦闘は、狙い通りの乱戦となった。敵味方入り乱れ、誰のもとつかぬ銃弾は飛び交い、ビームとミサイルで大地は焼け、ドリルやトマホークで穿ち、抉り叩き付けて、地面の上には破壊されたメタルビーストやメカザウルス、百鬼メカの残骸が屍の山のように幾重にも積み上げられていた。

少し離れた位置で戦闘していた旧ゲッターやキングダムも合流しても、戦域は縮まるどころか拡大していく。

ウラルの大地は火の海と化し、爆音と怒号は轟音となって木霊する。

 

 

ヤシャ「フンッ!!」

李衣菜「ッ!!」 ガギンッ

ヤシャ「つくづくしぶとい奴だ。これだけの戦力で、ここまで来ようとは」

李衣菜「戦力を増やしたくても増やせないんでね…!そっちこそ、この状況でわざわざ挨拶しに来てくれるなんて、義理堅いじゃん!」

 

ハンディミサイルキャノンの砲身で受け止めたジャコツの青竜刀を弾き返す。

 

隊士「ヤシャ将軍!お下がりください!!」

李衣菜「雑魚はスッ込んでなよ!!」 ズワッ

隊士「ぐっ…!」

李衣菜「おぉりゃぁあああッ!!」

 

間に割って入った量産型ジャコツをショルダーミサイルでまず怯ませ、左右のハンディミサイルキャノンを至近距離で放って粉砕した。

 

ヤシャ「おのれぇ…!」

李衣菜「そっちこそ、私達の相手をするには、味方の質が足りてないんじゃない?」

ヤシャ「言ってくれる…!各機、ネオゲッターを包囲せよ!」

隊士’s「「応!!」」 シュバッ

李衣菜「何?まとめてじゃ敵わないから、今度は一斉攻撃って?」

凛 「相手の動きがおかしい。そんな単純な手じゃないと思うよ」

ヤシャ「綱を撃てぃ!!」

 

シュルッ

 

李衣菜「お?」

 

ネオゲッター1の左右の腕を、量産型ジャコツが捕縛する。

 

アーニャ「あの陣形…。まさか…!」

美穂「李衣菜ちゃん、逃げて!」

李衣菜「え?」

ヤシャ「逃がさぬわ!包雷陣、放てぇい!!」

 

バリバリバリバリィッ

 

李衣菜「ッ!?」

凛 「ぁぅ…!」

 

ワイヤーから放たれた電流が、ネオゲッター1を打つ。

 

李衣菜「アバババババババババ──!」

ヤシャ「動けまい!これで終わりだ!」

卯月「李衣菜ちゃん!!」

李衣菜「ババババババババ──…なんちゃって」

ヤシャ「!?」

 

ズドンッ

 

隊士「ヤシャ将軍…!ぐわぁッ──!」

 

ネオゲッター1を捕縛していた量産型ジャコツの内の1機が爆ぜる。

 

凛 「電流が弱まった…!」

李衣菜「なんだかよく分かんないけど、えいっ!」

隊士「うぉっ!?」

 

爆炎を上げ、火だるまとなった量産型ジャコツを、反対側の量産型ジャコツに叩き付け、破壊。

 

李衣菜「これで脱出、っと」

ヤシャ「えぇい、何事だ!?」

李衣菜「確かに。今攻撃したのって?」

ジャック「ミーじゃないゼ!そっちをFollowしてやる余裕なんてないからナ!」

ボブ「こっちも同じく、な。ロボ・ストーンじゃ、そんな正確な砲撃は無理だ」

李衣菜「だとしたら誰が…」

 

「はっ、一人頭数を忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

加蓮「今の声って、シュワルツ?」

 

ネオゲッター1の頭上を、漆黒の機影が飛び去っていく。

 

李衣菜「ステルバー!そういうことか!」

加蓮「わざわざ助けてくれるなんて、しばらく見ないうちに丸くなったんじゃない?」

シュワルツ「へっ、俺が助けてやった訳じゃねぇよ」

李衣菜「? それってどういう…」

奈緒「こう言うことだ」

加蓮「奈緒!」

凛 「…どういうつもり?」

奈緒「凛…」

凛 「戦うのは嫌だって、死ぬのが嫌だって、奈緒は、自分からゲッターを降りたんだよね?それなのに、何してるの?」

奈緒「あたしだってさ、恥ずかしいことしてるって分かってるさ。でもさ、放っておけない奴がいたんだよ。目の前にな」

凛 「……」

加蓮「へぇ~…」 ニヤニヤ

奈緒「な、何だよ…」

加蓮「ま、いいんじゃない?惚れた腫れたも理由にはなるって、ね?」

奈緒「は、はァ!?何言ってんだよ!そんなんじゃねぇよ…。あたしは、ただなぁ!」

凛 「そうやって否定しても、加蓮は逆に面白がるだけだよ」

奈緒「うっ…!」

加蓮「ちょっと~、人の楽しみを奪わないで」

凛 「今が戦闘中じゃなきゃ、別に何も言わなかったけど」

加蓮「…はぁ~ぁ、そんじゃ仕方ないか」

奈緒「勝手にそっちで終わらせるなよ!」

凛 「いいよ、奈緒が戦うって言うなら、別にもう止めたりしない」

奈緒「……」

凛 「シュワルツには迷惑掛けないでよ。ゲッターに乗ってない以上、こっちだって責任は持てない」

奈緒「…分かった」

シュワルツ「勝手に付いてきといて、勝手なこと言ってくれるぜ」

李衣菜「奈緒を乗せて戦う自信はないんだ?」

シュワルツ「馬鹿言うんじゃねぇ。たかが小娘一人、ハンデにもなりゃしねぇよ」

李衣菜「ホントかな…?シュワルツ、一見クールだけど、すぐ暑くなるし」

シュワルツ「人に助けられといて、口の減らねぇ小娘だ」

李衣菜「いやいや。助けてくれたことには感謝してるけど、そもそもプラズマ駆動のネオゲッター、あのくらいの電撃何ともなかったよ?」

加蓮「じゃなきゃ、水中で堂々とプラズマブレイクなんて使えないしね」

ヤシャ「…ならば、包雷陣には掛かった振りをしたというのか!?」

李衣菜「まぁそんなトコ…って、まだいたんだ?」

ヤシャ「私を無視するな!」

李衣菜「やれやれ…。入待ち出待ちは、勘弁なんだけどな!」

ヤシャ「フンッ、そんな余裕なぞ、すぐに後悔させてくれる!」

加蓮「それはどうかな?」

ヤシャ「何!?

李衣菜「そっちこそ、気付くのが遅いんじゃない?」

 

ネオゲッター1が大袈裟に指を立てた腕を天に突き出す。

 

李衣菜「ここからが本当の、戦いだ!」

 

同時、戦場に無数に上がる轟音と爆音、衝撃。

 

メタルビ-スト《!!!!?》

隊士「や、ヤシャ将軍…!これは、ただの爆撃ではありません!戦艦の、砲撃です!!」

ヤシャ「艦砲射撃…!ということは!」

ジャック「やっと来たカ!──Texis!!」

 

ウラルの山々を掻き分け、戦艦テキサスが姿を現す。

 

副長「艦長、ドラゴンタートルを、肉眼で捉えました!」

艦長「よぉし、各砲座、スタンバイ!!これより、前線のスーパーロボット部隊を援護する!」

 

針山のように全身に備えられたテキサスの副砲から、火が放たれる。

 

艦長「ドラゴンタートルに対して牽制を仕掛ける!ドーバー砲、発射スタンバイ、エネルギー充填開始ッ!!」

副長「了解。ドーバー砲運転始め!」

オペレ-タ-「了解!ドーバー砲、砲身上げ」

オペレ-タ-2「第三、第四動力、バイパスへ。ドーバー砲へ直結」

オペレーター「ドーバー砲、エネルギー充填開始。充填完了まで、あと360秒!」

艦長「うむ。この戦場にいる、全ての友軍へ」

 

艦長「ここまでの戦いを耐え凌ぎ、よくここまで共に歩んでくれた。この無謀な、作戦とも言えぬ作戦に参加してくれたことに礼を言う。ありがとう」

艦長「我々は今、歴史の流れの中にいる。しかし、これが我々にとっての最後の戦いではない!」

艦長「これは前哨戦である。我々の力を過小評価するランドウに、その牙の鋭さと、一撃の重さを今一度再認識させるための、その為の戦いだ!!」

艦長「故に、負けることなど許されん!退くことなど許されん!我々の戦いが、人類全ての反撃の狼煙となることを信じて、諸君らの健闘を祈る!!」

艦長「必ず勝つぞ…!ここにいる者、誰一人欠かすことなく──!」

 

 

凛 「誰一人欠かすことなく、か…」

李衣菜「艦長も無茶言ってくれるよ。あんなの、マシーンランドや百鬼要塞落とすのと同じだってのに」

加蓮「ホント、誰かさんと気が合うんじゃない?」

李衣菜「まぁ、だからってもちろん死ぬ気はないんだけどさ。こっちには百鬼帝国と決戦した時とほとんど同じ戦力に、ジャックやシュワルツがいてくれるんだもん。負ける気がしないよ…!」

加蓮「ホント、似た者同士だよ…」

凛 「じゃ、加蓮は下がる?」

加蓮「まさか。ここで逃げるくらいなら、最初っからこんなところに来たりしないって」

凛 「…ふふっ」

加蓮「何よ」

凛 「いや、結局は似た者同士だなって」

加蓮「??」

ジャック「A-HA!! ミー達も全力でいくゼ!」

メリー「OK,兄さん。テキサス、ハイパワー・ライフルの使用を申請します」

副長「了解した。格納庫のスタッフは、直ちに準備を!」

ジャック「テキサスマックはテキサスのデッキに降ろすぜ!パスチャー!好きに暴れてきて下サ~イ!」

パスチャ-・キング『ヒヒヒィィインッ』

 

空中でも蹄の音を響かせて、パスチャー・キングが単身で駆けていく。

 

整備班「ハイパワー・ライフル、スタンバイ完了!!」

ジャック「Thank You!メリー、Target,Rock on!」

メリー「……兄さん、何時でもいいわよ!」

ジャック「Fiiireeeeee!!」

 

轟音を響かせ、立ちはだかったメタルビースト・ビーンを衝撃波で吹き飛ばしながら、ハイパワー・ライフルの弾丸が、戦艦級のメカザウルス・グダを一撃で葬る。

 

ジャック「YA-HA!!FoooOOO!!」

 

シュワルツ「…ったく、馬を一匹で遊ばせといていいのかよ」

奈緒「ツッコんでも仕方ないだろ。何なら、あたし達でフォローしとこう」

シュワルツ「馬に手柄取られんのはゴメンだ!突っ込むぞ!!」

 

戦闘機形態のステルバーが、敵陣めがけて突貫。機体上部や下部から無数のミサイルを放ち、群がるメタルビーストを一掃していく。

 

シュワルツ「ミサイルの配置は、ちゃんと覚えられたみてぇだな」

奈緒「現役女子高生ナメるなって言ったろ。正面と下方と側面の区別くらいはつくさ」

シュワルツ「上出来だ」

奈緒「アンタが素直に人を褒めるなんてな」

シュワルツ「勘違いすんな。お前が出来なきゃ、俺の命が危ねぇんだよ」

奈緒「へへっ、やっぱ素直じゃない」

シュワルツ「テメェにだけは言われたくねぇ」

奈緒「はいはい、と。にしても、コイツはホントにスゴいな。まさに全身弾薬庫だ」

シュワルツ「プロトタイプだからな。正規品より過積載なぐらい積んでやがる」

奈緒「これを一手に制御してたアンタの相棒ってのはマジでスゴい奴だったんだな」

シュワルツ「……」

奈緒「今のとこ、そいつのマシンは確認されてないけどな」

シュワルツ「出てくるさ。奴はドラゴンタートルにいるんだ。出てこないわけはねぇ」

奈緒「もし、出てこなかったら?」

シュワルツ「こっちから乗り込んででも、引導を渡してやる」

奈緒「…分かった」

シュワルツ「頼むぜ、今はお前が相棒だ。今は目の前の敵の相手を叩く。行くぞ!!」

奈緒「おうっ!」

 

オペレ-タ-「ドーバー砲、充填率80%!!」

ヤシャ「フン…。動くだけの的が!飛んで火に入る夏の虫よ!貴様らの目論みも露と消してやろう…──む?」

かな子「ハンマーパンチ!!」

ヤシャ「ぐっ…!」

 

アームを伸ばして飛んできた真ゲッター3の拳を、青竜刀の腹で受け止める。

 

かな子「私達のテキサスには…!」

美穂「近付けさせません!!」

菜々「な、ナナだって付いてますよー!3対1ですよ~!!」

ヤシャ「有象無象共がァ…!」

美波「テキサスの護衛は、かな子ちゃん達に任せちゃっても大丈夫そうね」

卯月「はい!私達は、他の人達の援護と、遊撃を!」 ドシュゥッ

 

言いつつ、空中で二つ重なった敵の隙を逃さず、ゲッターライフルを撃ち貫く。

 

オペレ-タ-「ドーバー砲、発射準備完了!」

オペレーター2「ドラゴンタートルのとの相対距離に問題なし!」

副長「艦長!」

艦長「射線上の友軍機に退避命令!」

 

艦長「ドーバー砲、撃てぇいッ!!

 

ズ ワ ッ

 

李衣菜「うわっ!?…何、何の光!?」

凛 「落ち着いて!ドーバー砲が発射されたんだ」

加蓮「あれが、ドーバー砲…」

 

戦場を一直線に貫く青白い光が、敵陣に風穴を開けながら真っ直ぐドラゴンタートルへ向かっていく。

 

李衣菜「行け…!」

 

──命中。

爆発と轟音。衝撃によって空気が爆ぜ、衝撃波の拡がりに合わせて爆煙が立ち上った。

 

ヤシャ「くぅ…!」

副長「やったか!?」

オペレ-タ-「待ってください…!状況を確認中です!」

オペレ-タ-2「ま、まさか…!そんな…!?」

艦長「どうした!」

オペレーター「ドラゴンタートル、健在!」

艦長「なんだと…!」

 

爆発の黒煙が晴れた向こう、姿を現したドラゴンタートルは…、

 

副長「無傷…!ドーバー砲を直撃で受けてか!?」

艦長「…いや」

 

晶葉「ドーバー砲は直撃していません」

 

艦長「晶葉くん」

副長「直撃していないだと…?どう言うことだ!」

晶葉「簡単な話です。ドーバー砲が命中する寸前、ドラゴンタートルは物理障壁のようなものでこちらの攻撃を防いだのです」

副長「物理障壁…エネルギーバリアとでも言うのか」

晶葉「えぇ、概ねは。こちらの位置はテキサスからもドラゴンタートルからも離れていたので、その瞬間を肉眼で捉えることが出来ました」

艦長「むぅ…。何と言う…」

晶葉「更に、バリアが展開された後、ごく僅かですがバリアのエネルギー源となっているであろうエネルギーも検出できました」

晶葉「バリアのエネルギー源は、ゲッター線です」

 

── ドラゴンタートル・司令室。

 

ラセツ「──…くっ」

ランドウ兵「ラセツ様、ご無事で?」

ラセツ「私のことはどうでもいい。それより、状況を報告せよ」

ランドウ兵「はっ!予てより搭載されたバリアは正常に作動。ドーバー砲による本艦へのダメージはほとんどありません」

ラセツ「そうか。フフッ、衝撃に脅かされたが、ランドウの造った玩具もガラクタばかりではないらしい」

 

ツカツカ…

 

ラセツ「さて、次はどう出る?まさか力押しばかりが策と言うわけではあるまい?」

ランドウ兵「テキサスは脚を止めたようです。周囲に展開していた部隊も、早急にテキサスに向かわせます」

ラセツ「脚を止めて作戦会議か?敵陣のど真ん中で、悠長なことだ。貴公らが動かぬというのであれば、こちらから向かってやるまでよ」

ランドウ兵「ラセツ様?」

ラセツ「ドラゴンタートルを始動させろ!目標、戦艦テキサス!!」

ランドウ兵「は…?」

ラセツ「所詮小蟻程度の抵抗では、この要塞は崩せんと言うことを奴等の身を以て思い知らせてやろう。逃げ場を失い、刻一刻と迫る死の恐怖の中で、後悔に濡れて悔やむがいい!!」

 

──。

 

ヤシャ「くっくっくっ…!残念だったな!ゲッター共」

李衣菜「こいつ…!知ってて黙ってたの?ホント性格悪い!」

ヤシャ「敵に奥の手を教える奴が入るものか!」

李衣菜「あ、それもそっか」

加蓮「けど、実際あのバリアは厄介だね」

凛 「ドーバー砲を受け止めるくらいには強力。しかもゲッター線だからね…」

瑞樹「エネルギーは無尽蔵。外部から攻撃を集中させても突破は難しいと言うことね」

卯月「真ゲッターの、ストナーサンシャインなら、もしかしたら…」

かな子「けど、今の真ゲッターは、3以外の形態じゃ使えないって、晶葉ちゃんが言ってましたよ!」

美波「力に頼っても仕方ないわ。何か突破口があるはずよ!」

ジャック「そうは言うガ、ドーバー砲でも抜けないんじゃ、ミーのハイパワー・ライフルでも到底Impossibleな話だゼ!」

オペレ-タ-「艦長、ドラゴンタートルに動きあり!艦首をこちらに向け、速度を上げています!」

艦長「連中め…!その質量で我々を押し潰すつもりか!」

ボブ「色んなとこから敵が殺到してるぜ!このままじゃ、俺達も身動き取れなくなっちまう!」

鉄甲鬼「どうする?このままでは、ボルガが合流したとて勝算は薄いぞ」

艦長「…手がないわけではない」

リンダ「艦長?」

艦長「いかに強大なバリアと言えど、戦艦テキサスほどの質量全てを受け止めることなど出来ん」

副長「艦長、それは…!」

艦長「敵も仕掛けてきているのだ…!ここで動かなくては勝機はない!」

副長「ですが!」

美穂「そんなのダメですよ!テキサスがなくなったら、この先の戦いはどうするんですか?」

茜 「テキサスを失うわけにはいきません!!それなら、私達の炉心をぶつけた方がマシです!!」

凛 「……」

芳乃「何か考えがありましてー?」

凛 「…晶葉。ドラゴンタートルのバリアは、こっちの攻撃をシャットアウトするんだよね?」

晶葉「あぁ、そうだ」

凛 「それって言うのは、物理的なものもドラゴンタートルには触れられない、そう考えていいのかな?」

晶葉「そうだな。あらゆるモノの干渉を阻止する。そうでなくてはバリアの意味はない」

鉄甲鬼「外部からドラゴンタートルに侵入するのを阻止する目的もあるのか」

晶葉「あれをドラゴンタートル全周に張られてしまっては、内部に突入して、バリアの発生装置を破壊することは出来ない」

ニオン「それを確認するとしても、リスクがあると言うことか」

晶葉「何とか内部に潜り込めればいいんだがな」

凛 「出来るよ。多分だけど」

晶葉「何?」

艦長「何か方法を思い付いたと言うのかね?凛くん」

凛 「思い付いたって言うか…。もしドラゴンタートルのバリアが、物理的なものも弾くって言うなら、一ヶ所だけ、どうしてもバリアを張れないところがあるんじゃないかって」

副長「その場所とは?」

凛 「地面。地中までは、バリアは張れないでしょ」

晶葉「…確かに。バリアの有効範囲を計測できない以上、確証は持てんが」

凛 「なら、上手くいけばドラゴンタートルの足元から、内部に突入できる」

艦長「ふむ…」

サム「おいおい、本気かよ?」

ボブ「ドラゴンタートルだって、地面の上を浮いてる訳じゃねぇ。奴を動かす移動ユニットが足元にはあるんだぜ?」

リンダ「もし運悪く移動ユニットに接触すれば、木っ端微塵じゃ済まないわよ?」

凛 「それでも、敵の攻撃を警戒しながら、ドラゴンタートルの突入箇所を探してるよりは、時間も手間も掛からないよ」

艦長「確かに、乗ってみる意味はあるか…」

副長「艦長…!」

艦長「では、今凛くん以上の案を出せるものはいるかね?」

 

「「「……」」」

 

艦長「では、凛くん達に賭けてみるとしよう」

凛 「分かった。任せて」

美穂「え?凛ちゃん達が行くんですか?」

加蓮「そりゃ、言い出しっぺだしねぇ」

凛 「言い出した責任は取るよ。…二人は巻き込んじゃうけど」

加蓮「ホーントね。何でこんな時だけ都合よくネオゲッターなんかに乗ってるんだか」

李衣菜「まぁまぁ、お陰で大役だよ!気合い入れて行こうじゃん!!」

加蓮「こっちはこっちでやる気だし。あれ?もしかしてアタシが貧乏くじ?」

奈緒「ははっ、たまには苦労しろよ」

加蓮「…仕方ない。アタシも賭けにベットしますか!」

凛 「先ずはチェンジだ。乱戦状態だけど…」

李衣菜「隙は見つけないとね…──っと!」

 

ブォンッ

 

振り下ろされた青竜刀を後方に飛び退いて躱す。

 

李衣菜「やっぱり突っ込んできた!ヤシャ元将軍!」

ヤシャ「ここは戦場だぞ!思い通りにさせると思っているのか?」

李衣菜「まいどまいどご苦労様ですっとぉ!!」

 

距離を詰めてくるジャコツに、ハンディミサイルキャノンで応戦。

 

ヤシャ「くぁッ!!」

李衣菜「このぉ…!」

 

ハンディミサイルキャノンの弾丸を切り払って、尚もジャコツが来る。

 

李衣菜「しつっこいッ!!」

凛 「こんな奴に時間は掛けられないって言うのに…!」

美波「だったら!」

卯月「私達にお任せです!」

ヤシャ「ぬぅ…!?」

 

飛び込んでくるジャコツを、二本のトマホークが制する。

 

ヤシャ「雑兵共めが…!」

卯月「今度はこっちが見送る番ですね!」

凛 「卯月…」

卯月「行ってください!ここは私達が守ります!!」

凛 「…分かった!」

加蓮「何にせよ、分離するなら今だね。リーナ!」

李衣菜「オープンゲット!!」

 

ネオゲッターがマシンに分かれ上昇。

 

ヤシャ「おのれ、行かせん!」

 

ドシュゥッ

 

ヤシャ「!」

卯月「それはこっちの台詞です!」

ヤシャ「出来損ないのゲッターが!そんな機体でこのジャコツを止められると思うな!!」

 

バララララッ

 

ヤシャ「ぬぉ!?」

美波「私がいるのも忘れてもらったら困るわよ?」

卯月「例え出来損ないでも、二人力を合わせれば、十分一人前です!」

美波「凛ちゃん!今の内に!」

凛 「はぁあああああっ!!」

 

凛 「ゲッターチェンジ!!」

凛 「──ドリルアァァーームッ!!」

 

ネオゲッター2にチェンジし、急降下を使ってドリルアームで地中に突入する。

 

 

ヤシャ「このっ…!行かせん!」

卯月「ゲッタービーム!!」

ヤシャ「!!」

 

ネオゲッター2の空けた穴に向かったジャコツの目の前で、ゲッタービームで穴を埋める。

 

卯月「追わせませんって、言ったはずです」

ヤシャ「むぅ…。こうなれば…ぁ!」

 

── 地中。

 

ズズズ…

 

凛 「──…そろそろドラゴンタートルの真下だ」

李衣菜「ホントに?思ったより近くない?」

凛 「ドラゴンタートル目指して、真っ直ぐ掘ってきたし、地下には敵もいないからね」

加蓮「恐竜帝国の地中機雷があったら分かんなかったけど」

凛 「流石にそこまで用意周到に準備してないでしょ」

凛 「……ん。直上から振動を検知。規模からいって間違いない。着いたよ」

加蓮「さぁて、それじゃあ最初のチャレンジと行きましょうか?」

凛 「このまま真上に上がって、移動ユニットに当たればそれでおしまい」

加蓮「なーんにも出来ずに犬死にって訳ね」

李衣菜「それは恥ずかしいね…」

凛 「この中で運に自信のある人いる?」

加蓮「一回諦めた人生が、目の前で継続してるんだから、幸運かもね」

李衣菜「それなら任せてよ!悪運には自信あるから!」

加蓮「言えてる。リーナってば、いつも悪運に頼ってばっかだから」

李衣菜「頼ってばっかって…。ちゃんと私なりに考えてはいるよ?」

凛 「…李衣菜のを頼りにしていいのか分かんないけど、今は宛てにさせてもらうよ」

加蓮「んじゃ、土の中で長話もなんだし、行きますか~!」

凛 「そうだね。一斉一代の大博打。行くよ──!」

 

つづく




次回、
第21話『決戦、ドラゴンタートル-3』に、つづく
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