ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

58 / 101
第21話『決戦、ドラゴンタートル─3』

 

李衣菜「──…はっ!…と…、…ここは、天国…?」

凛 「だとしても、こんな殺風景な天国は願い下げだね」

加蓮「言えてる。折角なら、もっと気持ちの良さそうなところで楽になりたいもんね」

李衣菜「って言うことは、ここは…」

 

── ドラゴンタートル、内部。

 

凛 「無事突入できたみたいだね」

加蓮「一先ず第一段階は成功ってことね」

李衣菜「随分と中は広いんだね。もうちょっと区画整理されてると思ってたよ」

加蓮「電送管とかよく分かんないパイプとか、もうゴチャゴチャに入り組んじゃって…」

李衣菜「こんな煩雑に設計するくらいなら、もうちょっと整理しようとは思わなかったのかな?」

加蓮「美的センスの問題でしょ?こういう内装の方がほら、悪の巣窟っぽい」

李衣菜「あ、それは言えてるかも」

凛 「内装の感想はそこまで。もっと敵の迎撃とかあると思ったけど…」

李衣菜「みーんな外の戦闘に出てていないんじゃない?ま、運が良かったってことで」

凛 「不意打ちがあるかもしれない。二人とも警戒を怠らないで」

加蓮「は~い」

李衣菜「分かったよ」

凛 「晶葉、聞こえる?」

晶葉「あぁ、通信の感度は良好だ」

凛 「外と連絡手段が断たれてなくて良かったよ。で、バリアの発生装置の場所は分かる?」

晶葉「無論だ。エネルギー源はゲッター線。探知など出来ないわけがない」

凛 「流石。頼りになる」

晶葉「おだてるな。待ってろ……、今のお前達の位置から、東へ200m進んだところだ」

凛 「分かった。ありがとう」

 

言われた方角へ、ゲッターを動かす。

 

凛 「……」

李衣菜「……」

加蓮「……」

 

加蓮「…お腹空いた」

凛 「え」 ズコッ

李衣菜「あはっ!確かに、今回は長期戦だからね~」

加蓮「こんな時かな子がいたら、お菓子の一つでも持ってたんだろうなぁ」

李衣菜「ん~…。こっちのコックピットには非常食しかないよ…」

加蓮「ちなみに何味?」

李衣菜「ん~…っと、これはテキサスから支給された奴だから、カリフォルニアロール味だね」

凛 「何それ…」

加蓮「え~。今は芋羊羹味の気分かな~?」

李衣菜「もう、加蓮はいっつも芋ばっかり!芋羊羹なんて食べてると、巨大化してネオゲッター突き破っても知らないよ?」

凛 「……」

加蓮「リーナ、それは凛が分からない奴だから」

李衣菜「あぁそっか、ツッコミが何時もの奈緒じゃないから…って、振ったのは加蓮じゃん」

加蓮「あははっ。つい何時もの調子で、ね?」

李衣菜「なら、私と一緒だ」

凛 「…もぅ、ふざけてないで。早く装置を破壊しに行かなきゃ」

李衣菜「はぁ~い。えへへ…」

凛 「先に進むよ」

加蓮「OK。位置は分かる?」

凛 「うん。バリアのエネルギー源はゲッター線だからね。私達には反応は分かりやすい」

加蓮「そっか」

凛 「こっちだ。周辺の警戒を宜しく」

李衣菜・加蓮「「了解」」

李衣菜「……」

加蓮「……」

凛 「……」

加蓮「…あ」

凛 「もうお腹空いたはなしでね?」

加蓮「分かってるって。今、カメラになんか写ったと思う」

凛 「ホントに?」

加蓮「…一瞬だったから、見間違えかもしれないけど」

凛 「何なの?もう…」

李衣菜「…待って、見間違いなんかじゃないよ」

凛 「え?」

李衣菜「垂れ下がってるコードの隙間…。赤い眼だけが光ってるのが見えた…」

凛 「赤い眼?……」

加蓮「アタシのも、リーナが見たのと一緒だと思う」

凛 「けど、レーダーには何も…」

李衣菜「コンピューターばっか気にしてても仕方ないよ」

加蓮「技術の面ではランドウの方が上。こっちのコンピューターなんか当てになんないよ」

凛 「ここは、李衣菜と加蓮を信じた方がいいみたいだね」

李衣菜「……」

加蓮「……」

李衣菜「ねぇ、今の状況ってさ…」

加蓮「そうだね。このままだと、こっちが消耗するだけだ」

凛 「それは良くないね。だったら!」

凛 「──ダブルアームガン!!」

 

背後に振り返りながら、両腕の銃口からプラズマの弾丸を放つ。

 

加蓮「わ~ぉ、大胆」

李衣菜「敵がいる位置、分かったの?」

凛 「うぅん、手応えはないね。残念ながら」

李衣菜「じゃあ何で?」

凛 「元々敵のお腹の中だ。遠慮する必要なんて元からない」

加蓮「あはっ♪」

凛 「なら、敵が大人しく出てくるまで、破壊し尽くさせてもらうだけだ!!」

 

狙いも定めず、ドリルアームガンを乱れ撃つ。

 

加蓮「ヒューヒューッ!やっちゃえ~!」

李衣菜「プラズマエネルギーがちょっと勿体無い気もするけど…」

加蓮「じゃ、李衣菜が代わる?ここなら、ギリギリ合体できるだろうし」

凛 「──ッ!待って!」

 

? 「──!!!」

 

凛 「ぐっ…!」

 

横からの攻撃。ネオゲッター2を強引に下げて躱す。

 

加蓮「やっとお出ましって訳」

凛 「そうみたいだね。だけど…」

李衣菜「何…こいつ…?」

凛 「機械の獣…」

李衣菜「機械の獣でメタルビーストって、そのまんま…」

凛 「ランドウの戦力である以上、そうなんでしょ」

? 「グゥウウウ…」

加蓮「何て言うか、気持ち悪い…」

李衣菜「THE 悪党って感じだね!」

凛 「奴のスピードは侮れない。このゲッターで付いていけるか…!」

? 「ギャオッ!」

凛 「賭けだね──!」

 

ネオゲッタービジョンを発動。高速機動で相手の猛スピードに追い縋る。

 

? 「──ッ!」

凛 「ドリルアームガン!」

? 「ギャッ!?」

 

顔面に向かってドリルアームガンを発砲。相手は仰け反って地に倒れ伏す。

 

李衣菜「やった?!」

凛 「そんな簡単な相手じゃない。すぐに立ち上がってくるよ」

? 「!!」

 

言った目の前で、相手の姿が消えた。

 

加蓮「凛、後ろ!」

凛 「っ!?…ガッ!」

 

直後、衝撃。ネオゲッター2が吹き飛ぶ。が、

 

凛 「クッ…こ、のォ…!」

 

ドリルアームを地面に突き立て、強引に制動し、着地。

 

李衣菜「痛たた…。まさか一瞬で回り込んでくるなんて」

加蓮「これまでのメタルビーストとは、またひと味違うね」

李衣菜「ホント。……ん?見て、あれ!」

加蓮「あれ?」

李衣菜「あのメタルビーストの、右目のところ!」

凛 「右目のところ…?あれって…!」

加蓮「人間…!それに確か、さっきドラゴンタートルのところに来る前に戦った、ランバートって人!」

凛 「前の機体を破壊されたから、次のメタルビーストの生体ユニットにされたってこと…」

 

「ふほほほ…!左様。メタルビーストを動かすための核。所詮その程度の存在よ」

 

凛 「!? この声は…!」

李衣菜「直接会うのははじめてだね。ラセツ!」

ラセツ「ふふふっ…。そうであったな。だが、この邂逅もすぐ終わる。貴様らの敗北を以て!」

加蓮「簡単に決めてくれちゃって…。しぶとさじゃ、アンタら謹製のメタルビーストよりもずっと上だよ」

ラセツ「そのメタルビースト・邪鬼王を相手にして同じことが何時まで言えるかな?」

李衣菜「メタルビースト…邪鬼王!?」

ラセツ「そうとも。行け、邪鬼王。ゲッターへの恨みを晴らせ!」

李衣菜「ゲッターへの恨みって…?」

加蓮「ツッコんでる暇はなさそう」

ランバ-ト「ウゥ…ギャオオォォーー!!」

凛 「うぐっ…!」

 

ネオゲッター2めがけ跳躍し、邪鬼王が飛び付く。

 

凛 「このっ…!」

ランバ-ト「ギヤァアアアッ!!」

 

ネオゲッター2の首筋に牙を立て、鮮血のようにオイルが弾け飛ぶ。

 

凛 「うぅ…!」

加蓮「ここまで近付かれたら流石に不利だよ」

李衣菜「一旦分離して!」

凛 「…分かった。──オープンゲット!!」

ランバ-ト「!?」

 

こちらを羽交い締めにしていた邪鬼王から、ゲッターを分離させて回避。

 

李衣菜「私が行く!2人とも合わせて!」

加蓮「分かった!」

凛 「また私が行っても状況は変わんないだろうし、合わせるよ!」

李衣菜「よし、ゲッターチェンジ!!」

 

ネオゲッター1にチェンジして、邪鬼王と相対する。

 

加蓮「それで、やると言ったからには作戦の一つでもあるの?」

李衣菜「ない!」

加蓮「そんなハッキリと言ってくれちゃって…」

李衣菜「考えるよりまず動く!ネオゲッター1なら、多少攻撃を受けたって!」

ランバート「ウワアァァアアアッ!!」

李衣菜「来いッ!」

 

両手を交差させたクロスガードで、飛び掛かってきた邪鬼王を受け止める。

 

李衣菜「ぐぅぅぅううっ!」

凛 「本当にやられるだけなのは勘弁してね…!」

李衣菜「そんなの分かってる!ネオゲッター1は、両手を塞がれたって…!」

李衣菜「ショルダーミサイル!!」

ランバ-ト「!!」

李衣菜「なっ!」

 

両肩から放ったミサイルを、邪鬼王は跳躍して回避。

 

ランバート「ウガァアアアア!!」

李衣菜「くっ…!」

 

手刀を放つように抉り込まれた一撃を、ネオゲッター1を捻り、辛うじて躱す。

 

李衣菜「私のショルダーミサイルを躱すなんて…!」

加蓮「あんな分かりやすいの、何時までも通用しないでしょ」

凛 「だとしても、あの距離で躱すなんて、やっぱり尋常じゃない…」

李衣菜「見た目通り、化け物って訳だ」

ランバ-ト「ウゴォオオオッ!!」

李衣菜「!」

 

飛び掛かるように放たれた爪の振り下ろしを、装甲板を削りながらも躱す。

 

李衣菜「ヒューッ!危ない危ない…」

加蓮「ねぇ、このまま奴に時間使っちゃっていいの?」

凛 「良くないね。ドラゴンタートルは、テキサスに向かって動いてる。早くバリアの発生装置を破壊しないと」

李衣菜「でもさ、こいつを放っておいて、発生装置探しなんてのも出来ないよ!」

凛 「単機で突入したのが、裏目に出た…?」

 

「ラァァセェツゥゥゥ!!!」

 

加蓮「な、何…?!」

李衣菜「聞き覚えのある…。この声…」

ラセツ「何事か。ヤシャ元将軍殿?」

ヤシャ「何故邪鬼王が動いている!?」

李衣菜「やっぱり…。あいつ、私達を追ってきたの?」

凛 「状況から言ってそうで違いないね」

ラセツ「これは異なことを…。あれも、ドラゴンタートルを守るために配備された戦力の一つ。ここまで攻め入られて使わぬ手はない」

ヤシャ「しかし、邪鬼王はまだ未完成だ!戦線に投入するには早すぎる!」

ラセツ「戦況は待ってなどくれんよ。もし邪鬼王の使用に問題があるとすれば、それは、ドラゴンタートルを防衛しきれなかった貴公にも責はあると言うことだぞ?」

ヤシャ「ぐぅ…」

李衣菜「ははっ、言葉がないみたいだね」

凛 「笑ってる場合じゃないよ。こっちも余裕がなくなった」

ランバート「ガァアアアッ!!」

李衣菜「!?」

 

バォッ

 

李衣菜「──…? あれ…?」

加蓮「邪鬼王が跳んだ…」

凛 「邪鬼王に攻撃…。誰が…」

シュワルツ「俺だ」

李衣菜「シュワルツ!」

加蓮「どうして…。うぅん、どうやって?」

シュワルツ「ドラゴンタートルへの入り口なら、そいつが教えてくれた」

ヤシャ「むぅ…」

ラセツ「これはこれは。不手際がまた一つ増えたようですな」

李衣菜「何にせよ助かったよ!これで形勢逆転だ」

奈緒「おいおい。数じゃ一緒になっただけだぞ?」

李衣菜「数が一緒になってくれただけでも…!」 バッ

ヤシャ「ぐっ…!」

 

飛び上がって、ジャコツに襲い掛かる。

 

李衣菜「一番面倒な相手は任せた!」

シュワルツ「…!任せておけ!!」

李衣菜「よし。うわぁあああっ!!」

 

ジャコツを押し上げながら、ドラゴンタートルの奥へ。

 

李衣菜「腐れ縁だ。最期まで付き合ってあげるよ。ヤシャ!」

ヤシャ「ふふっ、ありがたい。だがここを墓場とするのは貴様よ!」

 

ガンッ

 

李衣菜「言うじゃん…!今までこっちにやられっぱなしだったくせに!」

ヤシャ「ほざけ!今まで運で生き残ってきた小娘が!」

李衣菜「運も実力の内!その分、実力はこっちの方が上だよ!」

ヤシャ「実力、か…。尚更負けられん!」

 

鍔迫り合っていた青竜刀を弾く。

 

加蓮「そう言うわりには、随分ボロボロじゃん」

凛 「卯月と美波に、相当やられたみたいだね。それでも、2人を突破して追ってきた執念だけは認めてあげるけど」

ヤシャ「黙れッ!例えこの身が滅びようとも、ドラゴンタートルを破壊などさせはせぬ!!そのために私はここにいるのだ!」

李衣菜「流石の忠誠心!だからって、ねぇ!!」

ヤシャ「ぐぅううっ!?」

 

水平に蹴りを放ち、ジャコツを突き飛ばす。

 

李衣菜「こっちにだって、負けられない理由があるんだ!」

ヤシャ「互いに賭けるものを賭けた戦い…。存分に楽しもうぞ!」

加蓮「ここまで佳境に来てて、戦いを楽しむって…」

凛 「流石に理解…、したくもないね」

李衣菜「楽しむも遊ぶもない!こっちは勝つために戦ってるんだ!とっとと退いて!」

ヤシャ「フンッ!」

 

ハンディミサイルキャノンが、ジャコツの片腕を吹き飛ばす。

 

李衣菜「やった!」

凛 「油断しないで!敵の雰囲気が何時もと違う!」

ヤシャ「腕一本なぞ…!」

李衣菜「ウソォ!?」

ヤシャ「なんのハンデにもならんわッ!」

李衣菜「ぅぐっ!」

 

放たれたストレートの拳を鳩尾に受ける。

 

李衣菜「このっ…!」

ヤシャ「クァッ…!」

李衣菜「!?」

 

ネオゲッター1が怯んだ隙に、ジャコツが飛び上がる。

 

ヤシャ「ガァアアアッ!!」

李衣菜「!!」

ヤシャ「死ぃぃねぇぇぇぇッ!!」

李衣菜「死んで…たま…るかァア…ッ!!」

 

ズアッ

 

落下速度を加えたジャコツの貫手が、ネオゲッター1の胸部を貫いた。

 

凛 「コックピットに直撃!?」

加蓮「リーナ生きてる?返事して、リーナ!」

李衣菜「へへへっ、そんな慌てなくても、直撃はしてない。ちょっと横を通り過ぎただけ。お陰で、コックピットの風通しは良くなったけど…」

加蓮「あ…良かった……」 ホッ

凛 「…怪我はないの?」

李衣菜「バイザーがふっ飛んで、血は出てる。あと、体の左側が…あれ?」

加蓮「どうしたの?」

李衣菜「左腕が、動かない…」

凛 「え…」

李衣菜「何…これ……」

 

左肩に触れた、右の手にべっとりと血糊が着く。

ジャコツが砕いたネオゲッター1の破片が左側に直撃し、左肩の肩口から脇腹の位置まで、パックリと大きく裂けていた。

 

李衣菜「あ…あ、あぁ…!」

凛 「とにかく落ち着いて!李衣菜!」

李衣菜「──゛ッ゛!!!」

 

声にならない悲鳴、絶叫。傷の深さを知覚すると同時、痛覚が脳に痛みを伝える。

 

李衣菜「うぁ゛っ!!あぁ゛っ…!ア゛アァ゛ァァァァァッ゛!!!!」

加蓮「リーナ!しっかりして!!」

 

パイロットの動きに呼応するように、ネオゲッター1が左肩を抑えて腰を落とす。

 

李衣菜「ア゛ア゛ッ…!アァァアアアアアアッ゛──!!」

ヤシャ「ふん。痛みで動けなくなったか。所詮はその程度の器だったと言うこと」

加蓮「アイツに好き勝手言われていいの?リーナ!」

ヤシャ「すぐに楽にしてやる。これで終わりだ!!」

凛 「李衣菜立って!じゃないと、ここまでしたこと、全部無駄になる!」

李衣菜「うぅ…ッ!」

凛 「李衣菜!」

ヤシャ「死ぃぃぃねぇぇぇぇいっ!!」

李衣菜「うぐ…っ!うがぁあああああっ!!」

ヤシャ「おぉ…っ!?」

 

突如動き出したネオゲッター1の右ストレートが、ジャコツの鳩尾を打つ。

 

ヤシャ「此奴…、息を吹き返しただとぉ…!」

李衣菜「へ…へへへっ…!」

凛 「李衣菜!」

李衣菜「流石は極寒の国ロシア。ドラゴンタートルの中に暖房効いてなくて良かったぁ…。お陰さまで、止血は出来たよ!」

凛 「そんな状態で戦えるの?」

李衣菜「もちろん!相手は腕一本、こっちも腕一本、これでイーブンでしょ?」

凛 「……」

加蓮「そこまでだよ。今のリーナは、興奮で痛みを半分忘れてる。下手に落ち着かせない方がいいかも」

凛 「そうかもしれないけど…」

加蓮「それに、今のリーナの状態で、合体の衝撃に耐えられるとも思えないよ」

凛 「…加蓮の言う通りかもね。李衣菜に賭けるしかないか」

加蓮「今は興奮で誤魔化せても、どの道長くは持たない。どちらにしても時間との勝負だね…」

凛 「頼むよ、李衣菜…!」

李衣菜「任された!何度も戦ってきた相手なんて、ここでブッ飛ばしてやる──!」

 

 

ランバート「グゥウウウ…ッ!」

シュワルツ「ランバート…。本気でランドウの犬になっちまうとはな…」

奈緒「やるのか?本当に…?」

シュワルツ「当たり前だ。そのために、来た!!」

 

距離を測り、旋回。

 

シュワルツ「おらァッ!!」

ランバ-ト「!!」

 

常人離れした動きで、ST-ブラスターの射撃を回避。

 

奈緒「来るぞ…!右だ!」

シュワルツ「分かってる!」

ランバ-ト「ギャオオァァーー!!」

シュワルツ「くっ!!」

 

ST-ブラスターを保持したステルバーの右腕が斬り断たれる。

 

シュワルツ「チッ…!」

奈緒「大丈夫か!?」

シュワルツ「ナメんなぁ!」

 

断たれた右腕を引き、左手にアサルトナイフを構え、邪鬼王に突き出す。

 

シュワルツ「オラァッ!!」

ランバート「!!」

 

突き出されたナイフを、邪鬼王は身を宙に翻して回避。

 

ランバ-ト「シャァアアアッ!!」

シュワルツ「…ッ!?」

奈緒「そらっ!」

ランバ-ト「!?」

 

背後に回り反撃に転じようとしていた邪鬼王に、腰部からミサイルを発射して迎撃。

 

シュワルツ「!」

奈緒「忘れんなよ。ロボット状態でもこっちから使える武器は何個かあるって」

シュワルツ「…助かった」

奈緒「そこまで言うなら、ありがとう、くらい言えないのか?」

シュワルツ「うるせぇ。来るぞ!」

ランバ-ト「カァアッ!」

 

跳ね上がり、大きく爪を立てた腕を振り上げて襲ってきたジャコツに、

 

シュワルツ「おらよ!!」

 

ステルバーの両肩の装甲板を投げ付け迎撃。

 

ランバート「!!」

 

邪鬼王は、二枚の装甲板の間をすり抜けてくる。

 

シュワルツ「見え見えだぜ!」

 

邪鬼王の爪を、アサルトナイフで受け止める。

 

シュワルツ「奈緒ぉ!」

奈緒「おっしゃぁああっ!!」

 

掛け声に合わせ、発射可能な火器を斉射。

 

ランバ-ト「!?」

 

肩に限らず、胸部や腰部、脚部から腕部まで、全身から放たれた火薬が、邪鬼王を爆煙の中にかき消す。

 

ランバ-ト「グゥォオオオオッ!!」

奈緒「やろう!」

 

爆煙を振り払って、尚も襲い来る邪鬼王を、胸部の機関砲で迎え撃つ。

 

ランバ-ト「グゥゥゥゥ…!!」

シュワルツ「タフな野郎だ」

奈緒「これだけステルバーの火薬を叩き込んでも、まだピンピンしてるもんな」

シュワルツ「長期戦になるな。…位置はあっているか?」

奈緒「……あぁ、もうちょっと右…で」

シュワルツ「分かった」

ランバート「ウワァアアアッ!!」

シュワルツ「──」

 

ザシュッ

 

ランバ-ト「ギャッ!?」

 

飛び掛かってきた筈の邪鬼王の体が仰け反る。

 

奈緒「へへっ、こっちがパージしたのが、ただの装甲板だとでも思ったかよ?」

シュワルツ「情けねぇぜ、ランバート。お前がコイツの武装を忘れちまうなんてよ」

奈緒「単純に出来てるように見えて、以外と計算されて作られてるんだぜ?ブーメランってのはさ!」

ランバ-ト「ウグゥウウウ……!」

シュワルツ「どうだ?ちったぁ目が覚めたかよ?」

ランバ-ト「ウゥ…!グォオオオオオッ!!」 バッ

 

ステルス・ブーメランを背後に受けて、一度は動きを止めた邪鬼王が、先程よりも勢いを増して来る。

 

奈緒「コイツ、強引に…!」

シュワルツ「ダメージ・コントロールだ!出来るな?」

奈緒「もうやってるよ!アイツ…こっちの攻撃が効いてないのか?」

シュワルツ「さぁな。倒れねぇ限り向かって来るってンなら、倒れるまで叩きのめしてやるだけだ」

 

残された左手でST-ブラスターを拾い上げ、構え直す。

 

シュワルツ「その為にここまで来たんだからよ!」

 

左へ跳躍し、水平にST-ブラスターを連射。

 

ランバ-ト「クァッ!!」

 

段幕が生み出す爆煙を掻き分けて、邪鬼王が迫る。

 

ランバート「ウラァアッ!!」

 

爪を突き出した邪鬼王の突きが、ステルバーの頭部を貫く。

 

奈緒「シュワルツ!!」

シュワルツ「ゲッターと違ぇんだ。ンなトコにはコックピットはねぇよ」

ランバ-ト「オ゛ォオオオ──!」

シュワルツ「うぉ…!?」

 

邪鬼王の肘打ちが、ステルバーの胸部へとめり込む。

 

シュワルツ「くそっ…!早く迎撃しろ!奈緒!!」

奈緒「バカ言え!この距離で撃ったら、ステルバーだって只じゃ済まない!」

シュワルツ「構うこたぁねぇ!今がチャンスだろうが!」

奈緒「チャンスと自爆を履き違えるな!」

シュワルツ「テメェは俺の邪魔するために来たのか!?」

奈緒「無茶してバカな真似させないために付いてきたんだ!忘れんな!」

シュワルツ「このままじゃ2人まとめてお陀仏だぞ?」

奈緒「手はある筈なんだ…。何か手が…!」

ランバ-ト「ウガァアアアッ!!」

奈緒「ッ!?」

 

ズズズズズ…ッ

 

シュワルツ「何だ…?」

 

ドラゴンタートルが揺れる。

 

シュワルツ「地震か…?」

奈緒「待てよ…。揺れがどんどんデカくなってるぞ!」

 

ドラゴンタートル全体を包むように始まった揺れは、やがて衝撃となって奔り、

 

ランバート「ウォオオオ!?」

 

やがて、ドラゴンタートル内にいる者達の視界は、反転した。

 

つづく

 




次回予告

ドラゴンタートルとの決戦の時が近付く。
傷付きながらも、勝利を目指した戦い李衣菜は、宿敵・ヤシャを突破し、バリア発生装置を破壊することが出来るのか? 
決着に向かい、ネオゲッターはソードトマホークを振り上げる──!

次回、ゲッターロボ×CG 第三部
第22話『辛勝』に、チェンジゲッター!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。