ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第22話『辛勝』

── 数分前、ドラゴンタートル外の戦場。

 

メタルビ-スト《──!!》

パスチャ-・キング『ッ…!!?』

ジャック「goddamn!!パスチャー!」

 

メタルビーストの攻撃で、パスチャー・キングが爆煙に包まれる。

 

ジャック「大丈夫カ!?しっかりしろ!パスチャー・キング!!」

メリー「生体反応はあるわ、兄さん。けど、あの損傷じゃ戦闘は無理よ」

ジャック「…OK. メリー、お前はパスチャーを誘導してテキサスに戻ってくれ」

メリー「でも、それじゃあ兄さんがサポートを受けられなくなるわ!」

ジャック「それについてはNo,problem. どうせハイパワー・ライフルも弾切れ、もうサポートの必要もないネ」

ジャック「パスチャーはmechanicの言うことを聞きはしない…。ミーかメリーのどちらか行かないと治療もできない」

メリー「それは、兄さんの言う通りだけど…」

ジャック「だったら早く行けッ!!無傷の俺の事よりも、大切なのは家族の命だろう!!」

メリー「! …分かったわ、兄さん」

 

テキサスマックの頭部から、ハットマシンが分離する。

 

メリー「せめてこれだけは置いていくわ。使って、兄さん!」

 

ハットマシンから射出されたテキサスソードが地面に突き立つ。

 

メリー「Good luck. 兄さん」

ジャック「Thank you. My sister」

 

テキサスソードを抜き放ち、構える。

 

卯月「パスチャー・キングがやられちゃうなんて…」

美波「戦闘が大分長引いて来てるわね….。元々、無傷で勝てるなんても考えてなかったけど…」

卯月「これだけ敵に押し寄せられたら、いくら迎撃したってじり貧ですよね…」

美波「気を抜いてなんていられないわ。私達だって他人事じゃないんだもの!」

卯月「はいっ!パスチャーやメリーさん達の代わりに、私達がジャックさんのフォローをしましょう!」

美波「えぇ!互いに死角をカバーしあって、敵の動きに注視するのよ」

ジャック「頼むぜIdols. テキサスの護衛も忘れないでくれよ!」

卯月「はい!誰一人、欠かせはしません!必ず勝ちましょうね!」

 

 

オペレ-タ-「艦長!レーダーにボルガを確認!戦域に合流します」

艦長「ふむ。そうか」

 

スミノフ「戦況は通信で把握している!ボルガも砲撃を以て援護を行う!」

菜々「超ウェポン砲モードにはならないんですか?」

スミノフ「現状においてそれは、敵にこちらの無防備を晒してしまうことになります。ドラゴンタートルのバリアが何時解かれるかも分からない今、機動力を保っておいた方がいいでしょう」

瑞樹「確かに、テキサスにボルガ、こちらの護衛対象が増えるだけだものね」

スミノフ「自分の身は自分で守ります!対空迎撃用意、攻撃開始!!」

ボルガ・クル-「Ураааааааа!!」

 

ズズズ…

 

美穂「っ…!スゴい揺れ…」

アーニャ「ボルガに、テキサス…ドラゴンタートル。大きいマシンが、一局に集中してますから、ね」

茜 「さながら直下型地震のど真ん中と言ったところですか!」

美穂「それだけ、戦況も大詰めってことだよね」

アーニャ「Это…そうですね。あとは、ドラゴンタートルに突入したリーナ達が、バリアの発生装置を、破壊してくれれば、ワタシ達の勝ちは目の前、です!」

茜 「ですが、少し余裕がなくなってきたみたいですよ!テキサスとドラゴンタートルの距離が近付いてます!」

 

副長「艦長、これ以上は危険です!一度後退を!」

艦長「…止む終えんか。テキサス後退、ドラゴンタートルと距離を取るんだ!」

 

美穂「テキサスも後退を始めたみたい」

アーニャ「けど、何時までも逃げ切れるものでは、ありません」

茜 「何とかドラゴンタートルを足止めできればいいのですが!」

美穂「でも、あんなおっきなのをどうやって…。ボルガなら、受け止められるかもしれないけど…」

アーニャ「…危険、ですね。最悪、超ウェポン砲への変形の妨げになるかもしれません」

美穂「だよね…。う~ん……」

 

ボブ「うわっと!」

サム「どうした?!大丈夫かい、兄ちゃん」

ボブ「お、おう…。ちょっと足を滑らせちまった…!」

サム「足を滑らせたって…。地滑りでも起こしたってのか?」

アーニャ「ここ…ウラルは、шахта…鉱山として開発されてきました。坑道があちらこちらに張り巡らされていて…、元々、地盤は緩いかもしれません」

サム「そこにこの戦闘で、山崩れに拍車を掛けちまったって訳か…」

リンダ「気を付けなさいな。ロボ・ストーンが脱輪なんてしたら、誰も助けてなんていられないわよ?」

ボブ「おう、気を付けるぜ…」

 

美穂「地盤…、地崩れ……。 それだ…!」

アーニャ「ミホ…?何か、стратегия…作戦、ありますか…?」

美穂「作戦って言うほど、立派なものじゃないけど…」

茜 「何でも構いません!出来ることは何でも試してみましょう!」

美穂「…そうだよね。このまま悩んでるくらいなら…!」 グイッ

 

プロト・ゲッター3を、接近してくるドラゴンタートルの正面、700mの位置に着ける。

 

副長「ゲッター飛焔、何をするつもりだ?」

美穂「ドラゴンタートルの足を止めてみます!」

副長「そんなことが出来るのか?」

美穂「それは…、正直に言うと、分かりません。あくまで、上手くいけば、ですけど」

副長「一か八かと言うわけか…。今の状況でリスクのある行動は許可できないが…」

美穂「けど、このままじゃテキサスがドラゴンタートルに踏み潰されちゃいますよ!」

茜 「手をこまねいているより、行動あるのみ!です!!」

艦長「副長、彼女達の言っていることは間違いではない」

副長「ですが、艦長!」

艦長「やりたまえ、君達の思うように。それが君達の力なのだろう?

美穂「はいっ!」

 

美穂「アーニャちゃん!」

アーニャ「Да!」

美穂「ゲッター飛焔の全部のゲッターエネルギーを、ゲッターの腕部に!」

アーニャ「リョーカイ、制御は、任せてください」

美穂「お願い。──茜ちゃん!」

茜 「はいっ!!」

美穂「プラズマエネルギーだけで、どこまで出来るか分からないけど、支えるのを手伝って!」

茜 「分かりました!思う存分、ぶちかまして下さい!!」

美穂「うん…っ!ゲッター飛焔、フルパワーッ!!」

 

プロト・ゲッター3の各間接の隙間から、淡い緑色のゲッターエネルギーが溢れ出す。

 

クルー「ゲッターとドラゴンタートルとの相対距離、300まで接近!」

スミノフ「まさか、単機でドラゴンタートルを受け止めるつもりじゃあるまいな…?」

ボブ「な、何だってぇ!?」

サム「いくらゲッターだって、そんなことが出来るのかよ?」

リンダ「サイズ差で考えても、踏み潰されるのがオチよ!」

ボブ「神風ってかよ…!」

サム「これが日本の専売特許ってかァ!?」

卯月「ふざけないで下さい!美穂ちゃんが考えてるのは、そんな事じゃ…!」

アーニャ「ゲッターエネルギー、移行終わりました!」

美穂「ありがとう…!全てのゲッターエネルギーを、右腕に!」

アーニャ「はいっ!」

 

カ ァ ッ

 

ゲッター線を纏った拳を天高く突き上げる。

 

美穂「大雪山おろしが使えなくても、私のゲッター3にだって、真ゲッター3に負けないパワーがある!」

瑞樹「渾身の一撃で、殴り止めるの?」

晶葉「だが、ドラゴンタートルには物理障壁がある。例え、真ゲッター3に匹敵するパワーとは言え…」

美穂「この拳を振り落とす場所はぁ──!」

 

プロト・ゲッター3の見据える、目標は、

 

ジャック「grand…?」

美穂「天地ぃ…!」 グググッ…

 

大きく、天を仰ぐように拳を振り被る。

 

美穂「轟……壊ッ!!!」

 

渾身のエネルギーを込めた拳を、大地目掛けて打ち下ろした。

 

ドワォオッ

 

拳を打ち下ろした地点を始まりとし、プロト・ゲッター3を中心として大地に亀裂が生じ、裂ける。

 

ズズズズズ…ッ

 

ボブ「ま、マジかよ…!」

リンダ「驚いてる場合じゃないわ!ここから離れないと、私達も危ないわよ!!」

サム「地割れに呑み込まれるぞぉ!!」

 

直下型地震のような激しい揺れは、亀裂を広げて地割れを生み、大地を隆起させ、岩塊の捻りを生んだ。

 

みく「…すっげぇにゃぁ……」

菜々「あれ、ホントにナナ達が乗ってるのと同じマシンなんですかね…」

卯月「見てください!ドラゴンタートルが…!」

美波「艦首が、上がっていく…」

瑞樹「隆起した岩に乗り上げて、地割れに呑み込まれた…」

晶葉「座礁した、とでも言うのか?…まったく」

艦長「はっはっはっ!面白いことをしてくれる!」

副長「笑い事ではありません!これでは、こちらの陣形も滅茶苦茶だ…!」

艦長「だが、結果としてドラゴンタートルの足止めには成功し、地上に展開していたメタルビースト部隊はほぼ壊滅…。彼女らの賭けは、大成功と言っても良いだろう」

スミノフ「件の少女達はどうなったのだ?中心地点にいたのだ、無事では済まないはず…」

クル-「いえ…、レーダーに反応。これは、ゲットマシンです!」

鉄甲鬼「呑み込まれる寸前、ゲッターを分離させて難を逃れたのか」

ニオン「…見た目以上に肝の座った連中だ」

芳乃「それがー、彼女らの強さの源でしてー」

 

美穂「お、思ったよりもスゴいことになっちゃった…」

茜 「ですが、思惑通りです!やりましたね!美穂さん!」

美穂「うん…!これでしばらく時間は稼げるよね」

アーニャ「Хорошее суждениею…素晴らしい判断…。それに、勇気、です!」

美穂「えへへ…/// そ、そうかなぁ…?」

茜 「美穂さんにしか出来ない戦い方でしたよ!ナイスファイトです!!」

美穂「ありがとう…。でも、まだ戦いが終わった訳じゃないんだよね…!」

アーニャ「その通り、です。空中から、敵が来ますよ!」

茜 「ここからは私がやります!任せてください!!」

美穂「茜ちゃん?大丈夫なの?」

茜 「はい!美穂さんの戦う姿を見ていたら、私だって黙っていられません!!」

茜 「今の私のハートは、熱く!激しく!!情熱的に!!!真っ赤に燃えているのです!!!!自分の体の不調なんて、気合いと根性で乗り越えてみせます!!」

美穂「…分かった!行こうよ!!」

アーニャ「いつでも、任せます!」

茜 「行きますよォ~~~!!チェンジ!ゲッッタァアアアーーッ!!ワァァァンッ!!!」

 

メタルビ-スト《──!!》

 

茜 「どこからでも掛かってきてください!今の私は、誰にも止められはしませんよ!!!」

 

クル-「戦闘、再開したようです」

スミノフ「よもや、このような方法で状況を変えてしまうとはな…」

クル-「艦長!」

スミノフ「分かっている!ボルガ、変形用意!超ウェポン砲発射用意!この戦いに終止符を打つぞ!!」

 

── ドラゴンタートル・内部

 

ラセツ「ッ…!…何だ、今の揺れは?何が起こった!」

ランドウ兵「ら、ラセツ様…!」

ラセツ「どうした!」

ランドウ兵「ドラゴンタートル、ざ、座礁…しました!」

ラセツ「座礁だとぉぉ~~!?」

ランドウ兵「陸地ではあり得ないことですが、そうとしか思えません!」

ラセツ「座礁…?このドラゴンタートルが!?…フフフッ」

ランドウ兵「ラセツ様…?」

ラセツ「フハハハハッ!まさしく、してやられたわ!まさか奴等がここまでの事をしてくるとは思わなんだ!」

ランドウ兵「い、如何いたしますか?ラセツ様!」

ラセツ「……ドラゴンタートルは放棄する。残った兵を集め、脱出せよ」

ランドウ兵「ドラゴンタートルを、放棄…?!」

ラセツ「あぁ。航行不能となれば、このドラゴンタートルとてここまでよ。動かぬガラクタと心中する謂れはない」

ランドウ兵「し、しかし…!それでは、ランドウ様への示しが…」

ラセツ「ふっ、誰がランドウの元などへ逃げ帰ると言った?」

ラセツ「もはやランドウの元になど退路はないわ。戻ったところで、処刑されるのがオチよ」

ランドウ兵「で、では…!」

ラセツ「直ちに脱出挺の準備をしろ。我々は戦場から離脱する!」

 

ヤシャ「敵前逃亡だと…!ラセツ、貴様ァ…!!」

ラセツ「時間稼ぎは任せたぞ。精々このドラゴンタートルのために命を張るがいい。それが貴様の、最後の務めとなるのだからな」

ヤシャ「元よりそのつもりだったな!?」

ラセツ「フッ、それがどうしたと言うのだ?」

ヤシャ「おのれぇ…!!」

 

ガンッ

 

ヤシャ「うおっ…!」

李衣菜「戦闘中に余所見なんて、余裕あるじゃん…?」 ギリギリ…

ヤシャ「リーナ、貴様…っ!」

李衣菜「何があったかは知らないけど、今の揺れで流れは変わった!このまま押し切らせてもらうよ!」

ヤシャ「簡単に言ってくれる!この程度で、状況が変わるものか!」

李衣菜「どうかな?何時だって、チャンスは自分で掴んできたよ!」 ブシュッ

凛 「(李衣菜の傷が開いて…)…李衣菜、無茶は禁物だよ。焦ったって何も変わらない」

李衣菜「けど、どっしり構えたって結果は同じ!なら、こっちから飛び込まなくちゃね!」

凛 「目的を忘れないで!コイツを倒すことが、私達の目的じゃない!」

李衣菜「そこまで熱くなってないよ。本当に、状況はこっちに傾いてるから…!」

凛 「…?」

李衣菜「立ち止まるわけには行かない!いくよッ!!」 グッ

 

全身を当てたジャコツを押し上げ、壁面に叩きつける。

 

ヤシャ「ぐっ…!」

李衣菜「うぁあああああッ!!」

 

ガゴッ ゴゴゴゴッッ

 

ヤシャ「破れかぶれか!見苦しい!」

李衣菜「フ---ッ!!フ---ッ!!」

ヤシャ「此奴…!」

李衣菜「ぐぅううう…!がぁあああああああ~~~!!」

 

壁面がひしゃげて、歪むほど、ジャコツを叩き付ける。

 

ヤシャ「ッッ…!暴れるだけでは、戦いには勝てん!!」 ゴォッ

 

ジャコツの口から放たれた熱線が、ネオゲッター1の全身を焼く。

 

李衣菜「うぅ…っ!こんな、こんなことでぇ!!」

ヤシャ「うっ…!」

李衣菜「負けてられないんだぁッ!!」

 

炎の中で、ネオゲッター1の瞳の輝きは失われず、

 

ガンッ

 

ヤシャ「むっ…?これは…」

李衣菜「へへっ、何だと思う?」

加蓮「ヒント① ただの盾じゃないよ」

凛 「……ヒント② ネオゲッターもゲッターロボだよ」

ヤシャ「この状況で、ふざけるつもりか?」

李衣菜「正解は、ゲッタービーム・キャリアだぁっ!」

ヤシャ「ぬっ…?!」

李衣菜「ゲッタァアアーービィイームッ!!」

 

ズォッ

 

ヤシャ「うぉおお~~~ッ!!」

李衣菜「これが奥の手ってね!最高にロックに決まったでしょ!」

凛 「作者が存在忘れてたみたいな唐突な使い方だったけど…」

加蓮「奥の手を最後まで残してたって、言ってほしいな~?」

李衣菜「このまま壁を…、突き破っちゃぇえ~ッ!!」

ヤシャ「~~~っ──!」

 

ジャコツをゲッタービームで押し上げ、外壁を突き破る。

 

李衣菜「どぉだ!!?」

加蓮「ここは…」

凛 「晶葉から送ってもらった反応が目の前に…。…そういうこと」

ヤシャ「外壁を突破するために、このジャコツを利用したと言うか!」

李衣菜「へっへ~ん! そっちは頑丈そうだし、手っ取り早く済ませるには、こうするのが一番でしょ?」

凛 「さっきの揺れで目的地が近付いたことを計算して…」

李衣菜「へへっ、戦いの時にはクールな頭脳とロックなハートってね!」

加蓮「ま、どこまで計算できてたかは怪しいけどね」

ヤシャ「ここまで到達するとは…!流石と言うべきか!だが、これ以上先へは進ません!」

李衣菜「あんたの覚悟は分かったよ。けどこっちだってもう一歩も引けない!」 ジャキッ

ヤシャ「無駄なことを!もうそんな豆鉄砲如きでは怯まぬぞ!」

李衣菜「これが豆鉄砲って言うなら…!」 カシュッ

ヤシャ「何…っ!?」

 

右腕のハンディミサイルキャノンを切り離し、

 

李衣菜「プレゼントしてあげる!」

 

左に残されたミサイルキャノンで、切り離した方を撃ち抜き、爆破。

 

ヤシャ「このっ…!」

李衣菜「やぁああああっ!!」

 

左のミサイルキャノンを破壊しながら、ジャコツを殴り飛ばす。

 

ヤシャ「ぐぉっ!!」

李衣菜「っし!」

加蓮「あ~ぁ、これでチーフが二丁用意してくれたハンディミサイルキャノンが、まとめておじゃん」

李衣菜「これまで充分役立ってくれたよ!礼は言っておく」

加蓮「あとで怒られても、付き合ってあげないよ?」

李衣菜「それはぁ…、まぁ仕方ない!でもお陰でこれが使えるんだ!遠慮はしない!!」

 

李衣菜「ソォォォドトマホォォーークッ!!」

 

青白い閃光と共に、ソードトマホークを抜き放つ。

 

ヤシャ「ようやく来たか!尋常に勝負と行こう!」

凛 「奴もここで決着を着ける気?」

李衣菜「ここまで来たんだ!付き合うつもりはないよ!」

加蓮「あら意外」

李衣菜「こっちだって、余裕ないんだから。速攻で片を付けてやるから!!」

ヤシャ「簡単にあしらえると思うな!うおおおおおっ!!」

李衣菜「自分から飛び込んだ役目くらい果たしてみせる!行くぞぉおおおッ!!」

 

 

ランバ-ト「ウォオオオッ!!」

シュワルツ「チィッ!」

 

爪を突き立てた邪鬼王の突撃を、アサルトナイフで弾いて流す。

 

奈緒「状況変わってるのか…?これ」

シュワルツ「甘えんな。流れは自分で掴んでみろ」

奈緒「…チックショウ!」

 

目の前のパネルを操作して、腕や脚からミサイルを乱れ撃つ。

 

ランバ-ト「アァアアアアッ!!」

奈緒「くそっ!素早しっこいなぁ、もう!」

シュワルツ「上等だ、奈緒!うぉおおっ!!」

 

ミサイルを掻い潜ってきた邪鬼王の首筋にアサルトナイフを突き立てる。

 

ランバ-ト「グッ…!」

シュワルツ「これで終わりにしてやるぜ!」

ランバ-ト「ウォ…!ウゴォオオオオ!!」

シュワルツ「ッ!」

 

邪鬼王の牙が、ステルバーの頭部を押さえ、噛み砕く。

 

奈緒「シュワルツ!」

シュワルツ「心配すんな!ステルバーのコックピットは頭部にはねぇ!…ゲッターと違ってな」

奈緒「そ、そういやそうだったな…」

シュワルツ「それよりもだ…!おりゃあ!」

 

邪鬼王の腰にしがみつき、動きを抑える。

 

ランバ-ト「オォッ!?」

シュワルツ「今だ、奈緒ッ!撃てぇ!!」

奈緒「ほ、本気か?この距離じゃ、ステルバーだって只じゃ済まないぞ!」

シュワルツ「悩んでる場合じゃねぇ!ここが引導を渡してやる時だ」

奈緒「だったら、尚更…!」

シュワルツ「構うことはねぇ!終わらせてやるんだ…!この意味のねぇ、奴の戦争をな!!」

奈緒「……分かった!」

ランバ-ト「ウゴォオオオッ!!ガァアアアッ!!」

シュワルツ「終わりだ…ランバート!」

奈緒「全砲門、一斉射撃!!」

 

バォオッ

 

ランバ-ト「ウギャァアアアッ!!」

 

至近距離でミサイルが弾け、衝撃と熱量で邪鬼王の表装が爆ぜ、体を打ち砕いていくが、邪鬼王の動きを抑えるステルバーの装甲も熱量で歪んでいく。

 

奈緒「やったか!?」

シュワルツ「いや…」

ランバート「アァ…ウア゛ァアァアアアアアッ!!」

奈緒「まだ動けるのかよ!しつこいったらないぜ!」

シュワルツ「チッ…!」

奈緒「シュワルツ!?どうするつもりだ!」

シュワルツ「ランバートォ!!」

 

コックピットのキャノピーを開け、拳銃を構えて直接邪鬼王の右目の位置にいるランバートを狙う。

 

シュワルツ「!」

 

パァンッ

 

ランバート「う…!?うぅ…──」

 

ランバートが人形の糸が切れたように力を失い、それに合わせるように邪鬼王もその場に崩れ落ちる。

 

奈緒「お、おっと…」

シュワルツ「……」

奈緒「終わった…のか…?」

シュワルツ「…ランバート…、お前の戦いは終わったんだ。ゆっくり眠れ…」

奈緒「もうランドウの奴等に利用されることもなんだな」

シュワルツ「一人乗りのステルバーだったら、こうはならなかった。あいつを仕留められたのは、お前の協力があったからだ」

シュワルツ「それだけには、礼は言っておくぜ」

奈緒「…へへっ」

 

ズズズ…

 

奈緒「李衣菜の奴…、まだ戦ってるのか」

シュワルツ「さ、感傷に浸るのは仕舞いだ。さっさとあのじゃじゃ馬どもの援護に向かうぜ」

奈緒「おう!終わりが見えてきたんだ、このまま駆け抜けて終わりにしようぜ!」

 

 

李衣菜「うりゃあああッ!!」

ヤシャ「おぉおおおおッ!!」

 

ガギィインッ

 

凛 「っ…! 李衣菜、コイツ相手に時間掛けすぎだよ。一旦適当にあしらって、装置の破壊を優先して!」

李衣菜「あしらって何とか出来るなら、始めっからそうしてる…ってぇ!!」

 

フルスイングでソードトマホークを振るい、ジャコツの青竜刀を跳ね上げる。

 

ヤシャ「分かっているではないか!」

 

跳ね上がった青竜刀を構え直し、大上段に振り下ろす。

 

李衣菜「そりゃ、これだけしつこく付き纏われたらね!」

ヤシャ「訂正しておく。我が牙城のドラゴンタートルを追撃し、攻め込んできたのは貴様ら。つまり、付き纏っているのは貴様と言うことだ…!」

 

ソードトマホークと青竜刀が鍔迫り合う。

 

李衣菜「ははっ、面白いこと言うじゃん!ま、アンタをアラスカで逃したのは私だから、ケリを着けるのも何も、私に責任があるのは間違いないけど!」

ヤシャ「ほざけ!その首を断って貴様の血でアラスカでの汚名を注いでくれるわ!!」

李衣菜「私の血潮は、アンタのちっぽけな名誉を挽回するための洗浄液じゃないッ!!」

ヤシャ「ッ…!」

 

ネオゲッター1を突撃させ、ジャコツの体当たり。ジャコツを仰け反らせる。

 

ヤシャ「このっ…!」

李衣菜「プラズマソードッ!!」

 

バチンッ、とプラズマが弾け、ソードトマホークがエネルギーを纏って青白く輝く。

 

李衣菜「これが、アンタの運命だぁあああ~~ッ!!」

ヤシャ「そんなものぉ!」

 

エネルギーを纏ったソードトマホークの一刀が、身を守るために盾としたジャコツの青竜刀を断った。

 

ヤシャ「バカな…!私の、青竜刀が……!」

李衣菜「えいっ!」

ヤシャ「ぐぉ!」

 

怯んだジャコツを蹴りで突き飛ばし、その反動で跳躍。

 

李衣菜「ソードトマホーク…!」

 

ソードトマホークを水平に構え、身を捻り、

 

李衣菜「──ブゥーメランッ!!」

 

全身をバネに、ソードトマホークをジャコツに投げた。

 

ヤシャ「ぐわぁあああ~~~!!?」

 

凄まじい回転エネルギーを以て放たれたソードトマホークは、ジャコツの胸部を深く抉り破壊。そのままジャコツを壁面まで叩き付け静止させた。

 

加蓮「やった!」

李衣菜「よし、このまま次の目標に行くよ!」

凛 「準備は出来てる。エネルギー送るよ」

李衣菜「流っ石、話が早い!」

 

中空からの落下時間。ネオゲッター1が両手を打ち合わせる。

 

李衣菜「これがネオゲッターのホントの必殺技!プ~ラ~ズ~マ~!サンダァアアアーーーッ!!」

 

オーバースローのスローイングで投射されたプラズマサンダーは、ドラゴンタートルのバリア発生装置を貫き、破壊した。

 

李衣菜「よぉっしっ!任務完了!!」

凛 「そうだね。──…テキサス、聞こえる?バリアの発生装置は壊したよ。これでこっちの攻撃が無効化されることはなくなった」

加蓮「これでドラゴンタートルも、チェックメイトだね」

凛 「敵の要塞と心中するのはゴメンだよ。さっさと脱出しよう」

李衣菜「へへっ、分かってるって。けどその前に!」

 

ヤシャ「おのれぇ…!おのれおのれおのれっ!おのれぇ!!」

李衣菜「へへっ、随分悔しいみたいだね」

ヤシャ「何故だ…!?何故こうも貴様らの思うままになる?!」

加蓮「そりゃ、アタシ達が主人公だから…」

凛 「それは言ったらダメでしょ…」 ハァ…

李衣菜「私は、アンタとは違う!私の戦いは、一人のちっぽけなプライドを守るためのものじゃない!」

凛 「ほら、あんな風に」

加蓮「お~、正統派だねぇ」

李衣菜「ドラゴンタートルを破壊するにしたって、まだ時間はある!アンタにも、ここで引導を渡してあげるから!」

ヤシャ「ほざけ!ならば貴様も道連れにしてくれるわァッ!!」

 

のし掛かった瓦礫を吹き飛ばして、ジャコツが来る。

 

ヤシャ「うぉおおおおお~~~ッ!!」

李衣菜「チェーーーンナックルッ!!」

ヤシャ「ふんっ!」

 

真っ直ぐに飛んだチェーンナックルを躱し、そのチェーンを握り掴む。

 

ヤシャ「バカめ!!」

 

チェーンを引き、ネオゲッター1のバランスを崩し、引き寄せる。

 

李衣菜「うわぁああっ?!」

ヤシャ「終わりだぁッ!!」

 

ジャコツの拳が、ネオゲッター1の割れた一号機のコックピットを突く。

 

李衣菜「うぐっ…!」

ヤシャ「ふはははっ!!このまま押し潰してくれる!」

李衣菜「ま…まだだ!このくらいで!」

ヤシャ「強がりを!コックピットが潰れてしまえば、ゲッターも動かせまい!」

加蓮「…バカだね、アンタ」

ヤシャ「ぐっ…!?」

 

ネオゲッター1の蹴りが、ジャコツを打ち、吹き飛ばす。

 

ヤシャ「な、何故だ!?」

凛 「別に、私と加蓮は、アンタと李衣菜の戦いを観戦してるだけのギャラリーじゃないよ?」

加蓮「リーナがどうしようもないんなら、アタシ達で戦うだけだ!」

 

ガンッ

 

ヤシャ「グフッ!」

 

ジャコツを蹴り飛ばす。

 

李衣菜「…本当なら、私の手でケリを着けてやりたいんだけどね」

加蓮「いいから。折角だから休んでなさい。凛、ソードトマホークを拾って」

凛 「分かった。これだね」

 

チェーンナックルをスイングさせ、突き立ったソードトマホークを拾い上げる。

 

凛 「さぁ、じっとしてなよ!」

 

チェーンを引き戻した勢いのまま、ソードトマホークを投擲。

 

ヤシャ「ぐっ…!」

 

ジャコツを串刺しにする。

 

凛 「今だ。やるよ、加蓮!」

加蓮「OK!」

 

ネオゲッター1の手の平を打ち合わせる。

 

加蓮「プラズマ!」

凛 「サンダーーーッ!!」

 

ジャコツに突き立ったソードトマホークが避雷針のように、放たれたプラズマサンダーを引き寄せ、ジャコツの全身にそのエネルギーを迸らせた。

 

ヤシャ「うぉおおおおおおッ!!」

凛 「終わりだよ」

加蓮「もうしつこく付きまとってこないでよね~」

ヤシャ「まだだ!まだ終わらん!この程度で…こんなところで──!!」

 

爆散。青白い稲妻の光と共に、メタルビースト・ジャコツは爆炎の中に消えた。

 

李衣菜「へへへっ。終わりだね」

凛 「うん。けど、ネオゲッターも限界だ」

 

ガクンッ

 

加蓮「おっと」

 

ネオゲッター1が膝から崩れ落ちる。

 

加蓮「ギリギリだったね。ネオゲッターも、私達も」

凛 「うん。何だかんだ言って、危ない橋だった」

李衣菜「早く、ここから脱出しないといけないのに…」

 

ガンッ

 

李衣菜「っ…?何?」

シュワルツ「へっ、悪運の強ぇ野郎だ」

李衣菜「シュワルツ…。野郎は違うよ…」

シュワルツ「流石のお前ぇも、そんだけボコボコにされりゃぁ、何時もの元気はねぇみてぇだな」

加蓮「お互い様でしょ。ステルバーの頭はどこへやったのよ」

奈緒「ははっ。確かに、お互い様だ」

凛 「みんなボロボロで、マシンも限界…。けど、勝ちは見えた」

シュワルツ「後は、正解して祝杯にありつけるか、だな。先ずは脱出する。しっかり掴まってろよ」

李衣菜「分かった…。よろしく──」

 

 

──。

 

オペレーター「ドラゴンタートルから反応二つ。ステルバーと、ネオゲッターです」

副長「両機共に無事…。激戦にして、上々の戦果だと判断します」

艦長「ボルガの様子は?」

オペレ-タ-「既に超ウェポン砲発射態勢への以降を済ませ、待機中。こちらの合図で攻撃を開始するようです」

艦長「そうか」

オペレ-タ-「ゲッターを含め、航空部隊の活躍で、上空に残っていた敵戦力も減少。目下、こちらの障害になる要素は存在しません」

副長「ランドウの地上部隊もゲッター飛焔によってほぼ壊滅。艦長、機は今でしょう」

艦長「よし、戦場に展開する部隊に後退命令。至急テキサスのドーバー砲と超ウェポン砲の射線上から退避させろ」

艦長「ドーバー砲、最大出力でエネルギー充填開始!!」

オペレ-タ-「了解。各機後退、テキサスとボルガの射線上から退避せよ。繰り返す──」

 

アーニャ「アカネ、テキサスから、退避命令…です。ここは下がりましょう」

茜 「ですが!まだ、敵が…!」

美穂「ほとんど壊滅状態だよ。ドラゴンタートルを破壊したら、きっと退いてくれると思うよ。だから私達も、安全なところに一旦下がろう?」

茜 「後退…。私達は、勝ったんですか?」

アーニャ「アー、それはまだ、これから……」

 

オペレ-タ-「ドーバー砲、発射準備完了!射軸固定、射角問題なし」

副長「艦長!」

艦長「ボルガに繋げ。本艦はこれより、ドーバー砲を使用する。こちらに合わせよ!」

スミノフ「了解です!既に超ウェポン砲は、何時でも発射できます!」

艦長「よぉし──!」

 

卯月「ボルガの超ウェポン砲と、テキサスのドーバー砲…!」

美波「ゾッとしない光景ね。本来なら街一つも平然と吹き飛ばす戦略兵器クラスの大砲が、二つも」

卯月「それでも今は、一つの目的に向いています!今この瞬間だけは、正しいことに使われてるって、信じてます!」

美波「…そうね」

美波(本当なら、私達も他人のことは言えないかな…?)

 

スミノフ「超ウェポン砲」

艦長「ドーバー砲」

 

「「発射ァッ!!」」

 

ド ワ ォ オ ッ

 

放たれた二筋の超弩級の砲撃。空を地を、ウラルの山々を震わせ、その砲撃はたちまちに衝撃となった。

鼓膜をつんざくような壮大な爆音が響き、太陽と見間違うような眩い光炎の爆発が怒って、ランドウが誇る超大型移動要塞は、消滅した。

 

 

シュワルツ「おぉ…!」

奈緒「わぷっ!何て衝撃波だ!今のステルバーで持つのか…?」

シュワルツ「心配すんな。アメリカのメカはそこまでヤワじゃねぇ」

奈緒「どんな自信なんだ…って、まぁいいか。これで終わったんだな。ドラゴンタートルも、お前の後始末も」

シュワルツ「…そうだな」

シュワルツ(ランバート…。もう誰も、お前も起こすような真似はしねぇ。先に地獄で待ってろよ……)

 

李衣菜「……はぁ…、はぁ…はぁ…」

凛 「李衣菜、見えてる?」

李衣菜「うん。スッゴいね。今頃、ジャックだったらジーザス、とか言ってるかな?」

凛 「そうかもね。作戦が成功したのは李衣菜のお陰だよ」

李衣菜「どうしたのさ?いきなり褒めるなんて…」

凛 「いきなりって訳でもないよ。辛い戦いだった。勝算の見込めない賭けだった」

凛 「それで勝利を引き寄せられたのは、李衣菜のお陰だよ」

李衣菜「へへっ、そうかなぁ…。と、うん。何かドッと疲れて来ちゃったよ」

加蓮「リーナ?」

李衣菜「何かスッゴい体重たい……。悪いけど、少し…眠ら……せ…て…──」

加蓮「リーナ!」

凛 「眠っただけだよ。大丈夫。ここまで大丈夫だったんだ。李衣菜の生命力なら」

加蓮「…うん…。そうだよね。きっと、そう──」

 

──。

 

う…ん……?ここは、どこだろう…。

真っ暗で何もいない…。何も見えない…。

私、死んじゃった?

うぅん、違う。

真っ暗だけど何もいないんじゃない。何も見えてないんじゃなくて、すぐ近くにいるんだ。

あれは……そう。

 

ゲッターロボ──。

 

「うわぁああああ~っ!!!」

 

つづく 

 




次回予告

ドラゴンタートルのとの戦いに辛くも勝利した連合軍。
ロシアの軍事拠点に立ち寄り、戦いの傷を癒す彼らだったが、欧州から撤退してきたスーパーロボット・グスタフを操るドイツのパイロット、シャトナーが伝えたのは、欧州に現れた恐竜帝国の侵攻だった。
終わることのない戦乱に、新たな闘志を燃やす李衣菜達だったが、シャトナーを追って現れたメカザウルス部隊を前に、シャトナーの挑発を受けた莉嘉がゲッターD2で出撃してしまい──?

次回、ゲッターロボ×CG 第3部
第23話『欧州恐竜帝国』に、チェンジゲッター!
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