ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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今回は一応グロ注意という事で。別にタグに追加したりしませんが……。
それでは、はじまりはじまり~~


第6話『マシーンランド決死行!!』

激しい殴打音が早乙女研究所内に響き渡る。

 

菜々「み、未央ちゃん…!落ち着いて…っ!」

 

未央「っ…!黙って殴られて…!それで許して下さいって!?そう言うの、虫が良いって言うじゃないの?凛っ!!」

凛 「っ!……」

未央「あぁっ!?ちょっとは何か言ったらどうなの!?あのニオンってのは誰!?アンタはどうしてぇ…!頭では利口な癖に、そうして一人で抱え込んで!何とか出来るって!」

凛「……頭に血が上ってるだけの猿に、言うことはないよ」

未央「猿…?猿って言ったのか……えぇ!?」

 

強く握った拳で、凛の頬を殴り飛ばす。

 

未央「フーーーッ、フーーーッ、フーーー…ッ!!」

瑞樹「そこまで。ちょっとやり過ぎよ。未央ちゃん」

未央「瑞樹さん…!?止めないで」

みく「感情に任せたまま行動するのが、猿だって言うんじゃない?」

未央「……っ」

瑞樹「元々、お互いに不和があって、それが爆発したのは、分かるわ。けど、同じ思いがあるのは、それだけじゃないでしょ?」

未央「同じ、思い…」

菜々「卯月ちゃんを連れ去られて、悔しいってことです」

未央「…!」

みく「少なくとも、今は味方同士で争ってる場合じゃないんじゃない?」

凛 「…ニオンは、家の近くの公園で、偶々会っただけだよ」

瑞樹「偶々?」

凛 「うん。今思えば、変装して潜入してたんだと思う。ゲッターの情報を集めるために」

瑞樹「成る程…」

みく「偶々会って、それだけ?」

凛 「…それだけだよ。本当に」

菜々「…そのニオンさんは、卯月ちゃんを人質だって、言ったんですよね?」

凛 「うん…。返してほしかったら、私達のゲッターを渡せって」

菜々「ゲッターを!?」

瑞樹「恐竜帝国は、ゲッターに散々苦しめられているものね。対価としては、妥当と言ったところだけど…」

凛 「勿論、ゲッターを渡すつもりはないよ」

未央「それじゃあ、しまむーはどうするの!?」

菜々「それを、これから話し合うんです」

未央「……」

凛 「未央……ごめん…。卯月を拐われたのは、私のせいだ。私が、ニオン相手に、動揺したから」

未央「…何さ、いきなり」

凛 「それだけじゃない。大雪山おろしを覚えてから、勢いに乗ってる、未央が心配だった。だから、必要以上に辛く当たった。…ごめん」

未央「そんな…。いきなりしおらしくなって、謝らないでよ…。私だって、その、しぶりんに言われるの、しぶりんが私にやきもち焼いてるだけだって、そう思ってたんだからさ。だから、その…」

未央「ごめんっ!私も、しぶりんの気持ちを考えてなかった」

凛 「うぅん、良いんだよ。こっちだって…」

 

みく「一先ずは、一件落着かにゃ?」

菜々「はい…っ!良いですね…!青春ですねっ!!」 ジ-ン…

みく「にゃっ!?ナナちゃん鼻水!もう~、アイドルがしちゃいけない顔してるよ…」

瑞樹「さて、落ち着いたからと言って、ゆっくりしてる時間はないわよ。私達に考えてる時間は、そうない筈だから──」

 

──。

 

~~~ マシーンランド メカザウルス格納庫 ~~~

 

ニオン「……」

「ご苦労だったな、キャプテン・ニオン。ゲッターロボ強奪の任、大義である」

ニオン「…キャプテン・ランバ。このマシーンランドの指揮官、だったか」

ランバ「いかにも。しかし、直接本隊に合流せんとは、解せん話だな」

ニオン「地竜一族と言えどゲッター線の影響を全く受けんと言うわけではないからな。マシーンランド本隊に合流するよりも、こちらの方が近かったというだけの話だ」

ランバ「成る程。…して、後ろのそれは?」

ニオン「…不本意ながら、連れてきた人質だ」

ランバ「それで、サル共の手から逃げおおせたと言うわけか。分かった。本隊に合流する前に、その猿の身柄もこちらで預かろう」

ニオン「助かる。人間の小娘など、ゴール様のいる本隊には連れていけんからな」

ランバ「よし。おい、そこの!この猿を捕虜用の独房にぶちこんでおけ」

爬虫人兵「はっ!!」

 

── 独房。

 

卯月「うぅ……ん━━」

 

~~~ 早乙女研究所 談話室 ~~~

 

未央「痛ててて…!アーニャ、もっと優しく…」

アーニャ「アー……我慢、して下さい。もう少し、ですから、ミオ」

凛「ごめん、美波。こんなことに、手伝わせちゃって…」

美波「良いのよ。気にしないで?私達に今手伝えることって言ったら、怪我の手当てくらいだもの」

アーニャ「ダー。Оскорбительный…悔しい、です」

未央「あーにゃん…」

凛 「大丈夫。卯月は必ず、助けて見せるから」

アーニャ「リン…」

未央「それが、少なくとも私達の責任だよ」

 

晶葉「傷の手当ては、終わったかな?」

 

凛「晶葉!」

晶葉「みく達から聞いたぞ?随分派手にやったそうじゃないか」

未央「それは…」

凛「こっちのことは、いいよ。それよりも、卯月の居場所は?」

晶葉「あぁ。卯月の現在地については、既に把握済みだ。尤も、捕捉するまでには、大分時間がかかったが」

未央「捕捉?アキっち、一体どうやって…」

晶葉「これだ」

 

手にしたノートPCの画面をそこにいる面子に見せる。

 

未央「これは……」

美波「拡大された日本地図に、この赤い点は…発信器か何か?」

晶葉「その通り。ゲッターのパイロットである以上、何が起こるか分からんからな……。用心の為、各パイロットスーツにはGPSが内蔵されている」

アーニャ「と言う事は…この点がウヅキ?」

晶葉「あぁ。今卯月が身ぐるみ剥がされてさえいなければ、彼女がいるのは間違いなく、ここだ」

凛「ここ…。桜島?」

晶葉「そう。座標はそこの地下を指している」

未央「地下!?」

美波「爬虫人はゲッター線を嫌うから、妥当と言えばそうだけど…」

凛「そこに、敵の本拠地がある…?」

晶葉「今、早乙女博士と整備班が急ピッチでゲッターの整備を行っている。明日の早朝、05:00には修理完了予定だ」

凛「明日…」

晶葉「早乙女博士は……整備班の連中も、勿論私も。ゲッターの復活を信じている。大切な仲間、島村卯月の無事もだ。彼女を救う、その為に研究所は今一つになっている。…後は、ゲッターを動かすパイロット次第だ」

凛&未央「「……」」

晶葉「今回の件は既に皆承知している。誰が悪いと言うものではないが、それでもまだお互いの間にわだかまりがまだあるのなら…」

凛「やるよ…。私は」

美波「凛ちゃん…」

凛「私のせいだからとか、そんな責任感は当然あるけど……それだけじゃない。卯月は大切な……友達だから!…友達は自分の手で助けなきゃっ!」

アーニャ「…ミオ?」

未央「私も、凛と同じだよ。卯月は代わりなんてない、大切な友達なんだから…。うん…無くしたくない!絶対に!!」

晶葉「ふっ…。心配する必要もなかったか」

美波「ふふっ。そうよ?ニュージェネレーションの絆は世界二なんだから!」

アーニャ「ダー!Наиболее…一番は、モチロン、ワタシとミナミ、ですね!」

未央「えー!何それ!?」

晶葉「ふふっ。一先ず、明日の朝までは動きたくても動けん。お前達は明日に備えて休んでおくんだな」

未央「うん!ありがとう、晶葉!!」

晶葉「…お前にちゃんと本名で呼ばれるのが、落ち着かなくなる日が来るとはな」

 

~~~ マシーンランド 独房 ~~~

 

卯月「う…う~~……ん…。ん?ここは…?」

卯月「私…。そうだ、量産型ゲッターの攻撃を受けて、コックピットから投げ出されて…」

 

記憶の回顧と共に、空中に投げ出された恐怖を思い出す。

 

卯月「あ、あぁ…っ!━━…うぅっ…!だ…大丈夫。私は生きてます。…生きてます」

 

卯月「はぁ…はぁ…はぁ…っ!…こ、ここが何処なんでしょう…?」

 

視線を向けた先、目に映った重厚そうな鋼鉄のドアに近寄る。

 

卯月「…あ、あの~。誰かいませんか~…?誰か~」コンコン

 

「気が付いたか」

 

卯月「その声は、量産型ゲッターを奪った……爬虫人さん?」

ニオン「あぁ。覚えていたか。その通りだ」

卯月「そ、そっか…!それじゃあ、宙に投げ出された私を助けてくれた…。本当にありがとうございますっ」

ニオン「……」

卯月「……?」

ニオン「…自分の置かれた状況の確認よりも、礼を言うのが先か?」

卯月「え?でも、助けていただいたのは事実ですし。だったら、一番先にお礼を言わないきゃ…。あの…」

ニオン「ん?…ニオンだ。キャプテン・ニオン」

卯月「キャプテン・ニオンさん!私は島村卯月です!よろしくお願いします!」

ニオン「あ、あぁ…」

卯月「それで…キャプテンさん」

ニオン「名前はそっちではない!」

卯月「え?違うんですか?」

ニオン「キャプテンと言うのは恐竜帝国の階級のようなものだ。だから俺の事は…ニオンと呼べ」

卯月「そうだったんですか~!ありがとうございますっ♪優しいんですね、ニオンさんは」

ニオン「っ…!?や、さしい…だと…!?」

卯月「はい!言われたことはありませんか?」

ニオン「ないっ!!」

卯月「そうなんですか?意外です!ふふふっ」

ニオン(な、何なんだ、この女…!?調子の狂う…!)

ニオン「ここは敵地だと言うのに、随分と余裕だな?」

卯月「あ…やっぱりここって、ニオンさんのお家だったんですね」

ニオン「お家…?意味は少し違うが、まぁそのようなものだ。回りにいるのは貴様の敵だらけ。助けなど誰も来ないぞ」

卯月「心配してくれるんですか?」

ニオン「誰が貴様らサル共など…っ!」

卯月「…正直、少しうぅん。結構怖いです。臭いだって、雰囲気だっていつもいた所と違う…。不安で、怖くて…泣き出しそうです」

ニオン「ならば、何故泣かん?叫ばん!?自分の命可愛さに命乞いをして、みっともらしく助けを求めん!?何故お前は、笑っている!?」

卯月「不安で怖いから、笑うんです!」

ニオン「意味が分からん!恐怖で精神がイカれたか?」

卯月「違います!笑顔は、私が持っている一番の長所なんです!笑顔は、私の…うぅん。私達人間の活力なんです!」

卯月「だから、笑えばどんな悪い事でも乗り越えられます!笑顔は、私に勇気をくれるんです!」

ニオン「勇気ぃ?くだらんっ!そんなもの、今何の役に立つと言うのだ?下手に意地を張って、殺されるだけだ。命よりも、笑顔が大事だと言うのか!?」

卯月「命は大事です!パパとママから貰った、世界に一つだけの欠け替えのないものです!だけど…、同じくらい笑顔だって大切なんです!私は、色んな人達が泣いたり、憎み合ったりする世界なんかより、みんなが笑顔で幸せに暮らせる世界の方が大好きです!!」

ニオン「くだらんっ!!くだらんくだらんくだらん!!これでも同じことが言えるかぁっ!!」

 

ニオンが独房の中に入ってくる。

 

ニオン「怖いだろう?貴様らから住む場所を奪い、大切な人を奪い…!全てを奪う爬虫人類だ」

卯月「っ…!大切な、人…!」

ニオン「泣けよ、叫べよ!ゲッターの無い貴様に、何が出来る!?己の無力を嘆けぇ!!」

卯月「……。━━私、ニオンさんの…貴方の事は怖くありません」

ニオン「何だと!?」

卯月「肌の色が違って、爪や体の形も少し違うかもしれないけど、そんなの人間だって同じです!人間だって、色んな肌の人や変わった姿をしてる人だって沢山います!ニオンさんは、それと何が違うって言うんですか!?」

ニオン「…違う!ハッタリを言っても分かるぞ!貴様が俺を恐れている事は!」

卯月「恐れません!だって……だって、凛ちゃんが心を開いた人ですから!」

ニオン「り…ん…?渋谷凛か!?」

卯月「そうです!正体を知らなかったからかもしれませんけど、それでも、凛ちゃんが心を開いて、ニオンさんだって、感じた筈です!心から人と接するって言う事を…!」

ニオン「黙れぇぇええぇぇぇぇぇっ!!」

卯月「っ…!?」

 

ニオンが卯月の首を締め上げ、腕に力を込めたまま持ち上げる。

 

卯月「…か……はっ!」

ニオン「これでもまだ、同じ戯れ言を言えるか?貴様のような小娘の首をへし折れるなぞ、簡単なことだぞ…!」

卯月「━━ッカ…!…や…め……て…」

ニオン「はははっ!良いぞ、ついに命乞いか!口程にもない」

卯月「…っり…ん…ちゃんが……ッカハ…!悲し……む……か…ら……」

ニオン「そうだな。貴様がここで俺に殺されれば、あの小娘もさぞ悲しむことだろうな」

卯月「違…う…っ!」

ニオン「違う、だと?」

卯月「ニオン…さん…が…!人を…殺し…ッハ…!ちゃ…たら……、ヒュー…ヒュー…悲しんじゃう…か…ら……」

ニオン「俺が?何故、俺が貴様らサル共を殺す事に、何故奴が悲しむ必要がある!?」

卯月「ア…貴方は…凛…ちゃんの……大、切な人…だか…ら…━━」

ニオン「俺が?馬鹿な!俺とあいつは爬虫人類と人間だぞ!?それなのに、何故大切な人と言い切る?答えろ!!」

卯月「ヒュー…ヒュー…ヒュー……━━」

ニオン「……クソッ!!」

卯月「うぁ…っ!」

 

半ば八つ当たりのように、乱暴に卯月を床に放り投げ、独房を後にする。

 

~~~ マシーンランド 通路 ~~~

 

ニオン「おい、そこの看守」

爬虫人兵「はっ!何でしょうか、ニオン様」

ニオン「妙な真似はせんようしっかり見張っておけ。いいな?」

爬虫人兵「はっ!了解致しました!」

ニオン「それと、絶対に独断で奴を傷付けるな。くれぐれも、頼むぞ?もしもあの人間に何かあれば、その時は…!」

爬虫人兵「は、はいぃ!!」

ニオン「分かれば良い。では頼んだぞ」

 

ランバ「おぉ。どこに言ったかと思えば。こんなところで何を?」

ニオン「ランバ。少し人間に尋問をな」

ランバ「そうか。それで首尾は?」

ニオン「…全くだ。何も知らん、人間のただの小娘のようだ」

ランバ「ふむ。それは残念だったな。だが…まぁ丁度良い」

ニオン「どういう意味だ?俺を探していたようだが…」

ランバ「あぁ。その用事も、ついでに済ませてしまおう。こっちだ」

ニオン「?」

ランバ「何、お前が本隊に帰還する前に、少し楽しんでもらおうと思ってな」

 

ランバを先頭に、マシーンランドの奥へと足を進めていく。

 

~~~ マシーンランド ??? ~~~

 

ニオン「これはっ……!?」

 

ニオンが目撃したのは、恐竜帝国に捕えられた、人間の捕虜達であった。捕虜達はガラス張りのケースの中に押し込められ、ある者の皮膚は焼け爛れ、ある者は脳や臓器といったものの一部をみっともなく晒して横たわっている。

 

ランバ「ふふふっ…!愉快だろう?地上の支配者を気取る、憎きサル共の苦しみのたうち回る姿は」

ニオン「これは…何をしている?」

ランバ「おや、ニオン殿のお気には召しませんでしたかな?何、私が指揮するこのマシーンランドは人間虐殺研究所も兼ねている、と言うことだよ」

ニオン「人間虐殺研究所……!?」

ランバ「そう。いかにすれば人間を簡単に手早く地上から一掃できるかと言う事を、各地から集めた捕虜共を使って実験しているんだよ」

ランバ「細菌、熱、毒、化学兵器…。どれもサル共を一掃するには十分なんだが……どれも地上支配後、恐竜帝国にも大きな障害となるのう」

ニオン「…こんなことを、ゴール様も認めていると言うのか!?」

ランバ「無論。むしろこれは、ゴール様直々の命によって遂行されている。何者も、口を挟む事は許されん」

ニオン「ゴール様が、直々に…!?」

 

もう一度、眼下の地獄絵図に眼を落とす。

 

ニオン「コレが恐竜帝国のやり方なのか…!?」

ランバ「ニオン殿。貴殿もあまり真面目に考えなされるな。このサル共に勝てば地上での暮らしは我ら恐竜帝国のものになるんだぞ?それに手段など選んでいてどうする?」

ニオン「これでは最早戦争ではない!一方的な虐殺ではないか!?」

ランバ「その通りだとも。それの何が悪い?手段は問わず、恐竜帝国が勝てば良いのだ。ふははははは…!!」

ニオン「っ…!聞くに絶えん!こんなもので得られる民達の平穏など…っ!」

 

卯月『笑顔は、私の…うぅん。私達人間の活力なんです!!』

 

ランバ「ふははは!愉快、愉快じゃ!実に愉快っ!!」

ニオン「これが活力だと言うのか…!?俺達、爬虫人類の…っ!」

 

──。

 

~~~ 格納庫 ゲットマシン発進カタパルト ~~~

 

アーニャ「ホントに、イーグル号には、誰も乗らなくて…いいんですか?」

凛「うん。イーグル号のパイロットは、必ず連れて帰ってくるから」

みく「トーゼンにゃ!卯月ちゃんを連れて帰ってこれなかったら…、ここに帰ってくる必要もないにゃ!!」

未央「分かってるよ。もし卯月を連れて帰れなかったら、…その時は、ゲッターを自爆させて、敵の拠点をお土産に卯月の後を追うよ」

菜々「未央ちゃん、それは…!」

瑞樹「貴女達の覚悟、しっかりと確認したわ。最悪の結果を残さない為にも、行きなさい!」

凛「うん!いってきます…!」

晶葉「いってらっしゃい。ただいまと言えるのを、待ってるぞ」

 

未央「ゲットマシン!発進!!」

 

~~~ 上空 ~~~

 

凛「そろそろ鹿児島湾…。桜島上空か。…未央」

未央「恐竜帝国の拠点は、もう目前、って訳だね」

凛「その割には、大分静かだけど…」

 

早乙女『━━ゲッターチーム、応答せよ』

 

凛「早乙女博士!」

早乙女『凛くん。そろそろ目的地上空だが、様子はどうだね?』

未央「様子も何も、以前変わり無しって感じ」

凛「本当に、この地下に敵の本拠地が?」

早乙女『拠点を悟られないように、息を潜めているのかもしれん。くれぐれも油断せんでくれ』

凛「了解」

早乙女『桜島は今尚活動している活火山だ。恐竜帝国も、もしかしたらその潤沢なマグマエネルギーを求め、そこに拠点を置いている可能性が高い』

未央「つまり、敵の拠点が置いてある場所は…」

凛「マグマ層の近く…!」

早乙女『ゲッターの装甲なら、マグマの熱にも数分なら耐える事が出来るだろう。しかし問題はパイロットの方じゃ。マグマの放つ熱によってコックピット内部も高温となり、幾らパイロットスーツで守られているとはいえ、長時間は耐えられるものではなかろう』

未央「うへぇ、水持ってくるんだったなぁ」

凛「そんな高温状態なら、水筒の水も直ぐに沸騰しちゃうよ」

早乙女『地下100mからはこちらの通信も届かん。だからこれが、儂からの最後の通信になる』

 

早乙女『くれぐれも、無茶はせんでくれ。君達まで失ったら、元も子もないからの』

 

未央「博士…。了解!」

凛「…地中を進むならゲッター2だ。未央、イーグル号の誘導は任せたよ」

未央「おう!任せたよ、凛!」

 

凛「チェンジゲッター!2ゥッ!!」

 

上空でゲッター2にチェンジし、桜島沖に飛び込む。

海底を数歩進み、一点で静止。

 

凛「卯月の反応は、大体この辺りか…」

凛「ゲッタードリル!」

 

勢いよくドリルを地面に突き刺し、潜行を開始する。

 

早乙女「…頼んだぞ。凛くん、未央くん」

 

~~~ 地底 ~~~

 

未央「うぅ~…。何だか蒸し蒸ししてきたなぁ」

凛「もうとっくに地下100mは過ぎてる。…私達はすっかり、孤立したわけだ」

未央「……」

凛「何?今更怖くなったの?」

未央「そ、そんなんじゃないやい!ただ、卯月を助け出すんだ、って、武者震いで…」

凛「頼りにしてるよ。未央が気を紛らわせてくれるから、こっちも落ち着いていられる」

未央「ちょっとちょっと~、私のボケにも返してくれる人がいなきゃ意味ないよ!」

凛「うん。大丈夫、全部返すから。言葉を絶やさないでもらって良い?そうしないと色々と、押し潰されそうで」

未央「しぶりん…」

凛 「ん…?」

 

ゲッター2のドリルが岩盤を砕いて、明るい空間が拓けてくる。

 

凛「ここは…」

未央「マグマの渓谷だぁ!!」

 

マグマに転落しないよう、微かに突き出た岩盤の突起を足場に歩を進める。

 

凛「…どうやら、硬い岩盤を避けて掘ってるうちに卯月の反応があるポイントから、だいぶ離れたみたいだ」

未央「それで、目的地はこっち?」

凛「うん。こっちで合ってる筈。…あれは」

 

凛と未央の目の前に巨大な影がそびえ立つ。

 

未央「あれは、地底なのに…山?」

凛「…間違いない。卯月がいるのは、あそこだ」

未央「えぇ!?あんな地獄の針山みたいなところに!?」

凛「反応はあの山の中からしてるんだよ。間違いがなければあの山…いや、あの要塞が…」

未央「恐竜帝国の本拠地!」

 

ゲッター2が近付くほど針の山の様相を見せていたその陰影はハッキリとしてくる。

 

未央「見れば見るほど、人工物には見えないけど…」

凛「私達とは文化が違うって事かな」

未央「入り口、何処から入れるか、分かる…?」

凛「普通見えるとこにはないと思うし、さすがに正面から堂々とは行けないよ」

未央「それはそうだけどさ~…。そうだ、裏に回ってみよう」

凛「分かった」

 

ゲッター一機がギリギリ通れる幅の道を回り、マシーンランドの裏側へ。

 

凛「…これは」

未央「水…?上から落ちてきてるみたいだけど」

凛「…この上って言ったら…」

未央「桜島沖の海水か……。そっか!この海水で中の熱を冷ましてるんだよ!」

凛「爬虫人類でも、このマグマに近い環境は過酷って事?」

未央「そ!もしそうだとすれば…」

 

ゲッター2のカメラを使い、海水の落ちる広大な水溜まりを注意深く観察する。

 

未央「…あった!海水を取り込む吸水口だ!」

凛「そこからなら、この中に侵入できる?」

未央「多分。この針山のどこに繋がってるかは分からないけど」

凛「冴えてるね、未央」

未央「そりゃ勿論。卯月の命が掛かってるかもしれないんだから。…それより2のままで大丈夫?ゲッター3なら、これくらいの潮流耐えられるけど…」

凛「今ここで合体すれば、敵に感づかれる可能性が高い。吸水口の潮流は激しいかもしれないけど、ゲッター2のまま侵入するよ」

未央「分かった。姿勢制御のサポートはするから、凛は前進することに集中して」

凛「うん。ありがと。…それじゃ、行くよ━━ッ!」

 

~~~ マシーンランド内部 冷却室 ~~~

 

爬虫人兵「交代だ」

爬虫人兵2「おっ、ご苦労さん。…にしても、このマシーンランドの中の見張りとか、ホントに必要なのか?」

爬虫人兵「仕事に文句言うなよ。万に一つってこともある」

爬虫人兵2「こんなマグマの近くまでわざわざ攻めてくる奴がいたら、そりゃ余程神経のブッ飛んでる奴だろうよ」

爬虫人兵「そう言うなって。お陰で前線に出なくていい、楽な仕事なんだからよ」

爬虫人兵2「はははっ!違いない。……ん?」

爬虫人兵「どうした?」

爬虫人兵2「いや、今貯水プールの中に、何かが…」

爬虫人兵「何だ?また魚でも紛れ込んだか?」

 

ズズズズズ……

 

ズォォッ

 

ゲッター2「!!」

 

爬虫人兵2「あ、あ、あぁ…ッ!!」

爬虫人兵「神経ブッ飛んだ奴が来たぞおおぉぉぉおおっ!!」

 

~~~ マシーンランド 内部 ~~~

 

凛「中に入れた!?」

未央「入って早々、敵に見つかったけど?」

凛「どのみちゲッターの巨体だったら遅かれ早かれ見つかってたよ。なら、堂々としてた方がいい」

未央「敵に見つかってこれから迎撃が出てきて、どうやって卯月を見つけ出すのさ?」

凛「派手に暴れる!そうすれば、卯月だって私達が来たのに気付くし、混乱に乗じて脱出できるかもしれない」

未央「え、えらくシンプルだね…?」

凛「そういう方が好きでしょ?」

未央「勿論!さ、そうと決まれば盛大に恐竜帝国の本拠地を破壊してやろう!!」

凛「うん!卯月と合流するまで力の限り破壊してやる……っ!!」

 

凛「ドリルミサイルッ!」

 

ゲッター2のドリルがマシーンランドの薄い外壁を破壊し、風穴を開ける。

 

未央「そうだ!手当たり次第にぶっ壊せ!!」

 

爬虫人兵3「て、敵襲!」

爬虫人兵4「ゲッターだ!ゲッターロボが攻めてきた!」

 

歩兵の爬虫人兵が、ゲッター2に対して携行したライフルを放ち、ゲッター2の表装に小さな火花を弾かせる。

 

未央「…流石に生身の爬虫人を撃つのには、抵抗があるな~…」

凛「卯月の命と、天秤に掛ける気はないよ!」

 

凛「ドリルストーム!!」

爬虫人兵's「「「うわぁぁぁぁああっ!!?」」」

 

メカザウルスすら持ち上げるゲッター2のドリルストームが爬虫人兵の群を舞い上げ、下の貯水プールへと叩き落としていく。

 

凛「卯月…!どこにいるの…?」

 

~~~ マシーンランド メカザウルス格納庫 ~~~

 

ランバ「ええぇいっ!状況はどうなっている!?」

爬虫人兵「はっ!ゲッターロボは冷却室のある第三区画を抜け、メカザウルスの第二格納庫がある第五区画に侵入しようとしています!」

ランバ「よもやゲッター自ら襲撃してこようとはな…!面白いッ!」

 

ニオン「随分と慌ただしくなってきたな。ランバ」

 

ランバ「ニオンか。此度の襲撃、流石に驚いたが、何のことはない。そこで見ているが良い」

ニオン「ほぅ?」

ランバ「我がマシーンランドを、連中の墓場にしてくれるわ!私が帝王ゴール直々に賜りし、このメカザウルス・ギガでなぁ!!」

ニオン「……」

 

~~~ マシーンランド メカザウルス格納庫 ~~~

 

凛「ゲッタードリル!!」

 

ゲッター2がまだ誰も乗り込んでない無人のメカザウルスをドリルで打ち砕く。

 

凛「…っと、これで何体ぐらい倒したんだろ」

未央「さぁ?多分十機は超えてると思ったけど。取り敢えず、この格納庫にあるメカザウルスは全部やっつけたんじゃない?」

凛「そうだといいけど。金属反応が一つ、こっちに向かってる」

未央「…ホントだ!しかもこれまでに見たメカザウルスよりも圧倒的に金属反応が強い!」

凛「相対距離30!この壁一枚向こうだ来るよ!」

未央「先手必勝だよ!凛」

凛「分かってる!ゲッター1だけの武器と思われてるかもしれないけど…」

 

凛「━━ゲッタービームッ!!」

 

ゲッター2の両目からゲッター1のものとは質の異なるビームを放ち、外壁後と、向こうに現れたメカザウルスを攻撃する。

 

未央「やったの!?」

凛「まだだ!金属反応は消えてない!」

 

「クックックッ…!この程度か?ゲッターロボ!」

 

凛「何…?」

ランバ「この程度ならば、恐るるに足らず!」

未央「無傷……嘘でしょ!?爬虫人もメカザウルスもゲッター線には弱い筈なのに!」

ランバ「我らが何時までも、ゲッター線に怯え続ける種族だと思っていたか!このメカザウルス・ギガこそ、ゲッターを倒すために生まれた、ゲッター線を克服したメカザウルスなのだ!!」

未央「ゲッター線を克服した!?」

凛「今までにない強い金属反応はそれが原因って事だね。きっとあの全身を覆ってる装甲がゲッター線を中和してるんだ!」

未央「な、成る程…」

ランバ「中々に聡いな。しかし、それだけがこのギガが対ゲッター用のメカザウルスと言われる所以ではないぞ!」

凛「どういう事!?」

ランバ「見せてやろう!戦闘モード、対ゲッター2!」

 

メカザウルス・ギガの両腕が内部へと格納され、代わりにゲッター2のドリルとマジックハンドを模倣した腕が姿を現す。

 

未央「…何だよそれ!ただ武器を真似しただけじゃん!!」

凛「そんなので対ゲッター用何て、笑わせないで!」

ランバ「ならば向かってくるといい」

未央「凛!!」

凛「速攻でカタを付ける…!」

 

凛「ゲッタービジョン!」

 

瞬間的な高速移動で、ギガの背後へと回り込む。

 

凛「ゲッタードリル!!」

ランバ「━━ッ!」

凛「何…!?」

 

背後からのゲッタードリルをギガのマジックハンドが受け止める。

 

ランバ「貴様らの戦闘パターンは全てこのメカザウルス・ギガに記録されている…」

ランバ「貴様がゲッタービジョンを使ったあとに、こちらの死角に回り込むことは既に計算済みよ!!」

凛「ぅあっ…!!」

 

マジックハンドでゲッタードリルを掴んだまま、ゲッター2を投げ飛ばす。

 

凛「っ━━!うぅ…」

未央「凛!大丈夫!?」

凛「何とかね…。そっちはなんともない?」

未央「勿論!凛が上手い具合に受け身をとってくれたからね」

凛「…気づいてたんだ」

未央「当たり前じゃん!それよりも今は…」

凛「こいつをどうするか、だね」

未央「まさか私達の戦闘データが全部記録されてるんじゃ、下手に手は出せないね」

凛「こっちが動いた瞬間返り討ちだからね。…何か手はある?」

未央「…一個だけ。思い付いたことがあるんだけど」

凛「何?」

未央「これは三人揃わなきゃ…、卯月が揃わなきゃ使えない……!」

凛「そっか…。けど、今相手に背中を見せるわけにはいかないね」

未央「その通り!だから……卯月が来るのを信じて待つ!」

凛「分かった!」

未央「一先ずはゲッター3だよ!耐久力なら、あっちの方がある!」

凛「よし、オープンゲット!!」

ランバ「ほぅ……このスペースで合体する気か。だが、どの姿で現れようと無駄なこと」

 

未央「チェンジ!ゲッタァー3ィッ!!」

 

分離した三機のマシンがギガをすり抜けて背後で合体する。

 

ランバ「ふははは!知っているぞ!ゲッター3、貴様の必殺技は大雪山おろしだったな。だが、こんな狭い空間でそれが出来るかな?」

凛「相手の言うとおりだ。どうやって戦うつもり?」

未央「ふっふふ~ん!そんなのはやってみなくちゃ分からない!」

 

未央「パワーアーム!!」

 

ゲッター3の剛腕がギガを取り押さえる。

 

ランバ「むっ!?」

未央「そおおぉぉりゃあぁぁぁああ!!」

 

そのまま、大雪山おろしではなく、力任せに放り投げた。

 

未央「大雪山おろしには、こんな使い方だってある!」

 

ゲッター3を一気に回転させる。

 

未央「大雪山!おろしパンチ!!」

 

そして、落下してきたギガを大雪山おろしの回転と遠心力を込めた拳で、思いっきり殴り付ける。

 

~~~ マシーンランド 独房 ~~~

 

卯月「あぅぅ…!すごい揺れ……一体外で何が」

卯月「きゃあっ!!」

 

轟音と土煙を巻き上げ、卯月のいる独房の背後が崩れ去る。

 

卯月「ケホッ…ケホッ…。これは、量産型ゲッター…!」

ニオン『まだここにいたか』

卯月「ニオンさん…!」

ニオン『状況は大方察していると思うが、俺達にとっての敵……ゲッターが現れた。貴様を救うためにな』

卯月「やっぱり…。凛ちゃん、未央ちゃん…!」

ニオン『乗れ』

 

量産型ゲッターの手を卯月の前に差し出す。

 

卯月「凛ちゃん達と、戦うつもりですか?」

ニオン『まさか。今の俺の任務はこのゲッターを恐竜帝国本隊まで持ち帰る事だ。性能がゲッターロボより劣る今の状態では、勝てるものも勝てんしな』

卯月「だったら…」

ニオン『お前も俺と来い。お前には、まだ利用価値がある』

卯月「利用価値、ですか……?」

ニオン『そうだ。お前は、奴等からゲッターを奪うための人質だ。こんなところで失うわけにはいかない』

卯月「……」

ニオン『お前も命は粗末にしたくはあるまい。乗れ…!』

卯月「…どうして、そんな話を私にするんですか?」

ニオン『何…?』

卯月「私が人質だって言うのなら、黙って無理矢理、連れ出せば良いでしょう!?」

ニオン「……」

卯月「…やっぱり、貴方は優しい人です」

ニオン『どういう意味だ?』

卯月「私を、助けてくれるんですよね?この独房を破壊して、凛ちゃん達のところに、ゲッターのところに行かせるために…!」

ニオン『フッ…甘く見られたものだな。俺の言葉に偽りはない。第一、辺りは火の海。爬虫人の兵もいる。辿り着けると思っているのか?』

卯月「凛ちゃんと未央ちゃんが頑張って来てくれたんです!だから私も頑張らないと!絶対に…辿り着いてみせます!!」

ニオン『そうか……。━━ふんっ!!』

卯月「きゃあっ!!」

 

量産型ゲッターの拳が卯月の独房の扉を破壊する。

 

ニオン『━━行け』

卯月「ニオンさん…」

ニオン『勘違いするなよ。今の何の力も持たない貴様を倒しても意味がない。完全ではないゲッターを倒しても意味がないと思ったから、手を貸すだけだ』

卯月「……」

ニオン『尤も、貴様がここから無事にゲッターの元に辿り着けるとも思ってはいないがな』

 

爬虫人兵「な、何の音だ!?」

爬虫人兵2「み、見ろ!人間を閉じ込めた独房が……!!」

 

ニオン『━━はぁっ!!』

 

爬虫人兵's「「うわぁぁぁぁああっ!?」」

 

扉を破壊した拳を横にスイングし、集まった爬虫人兵を纏めて殴り飛ばす。

 

ニオン『さぁ早く行け!そして渋谷凛に伝えろ!貴様との決着は必ずこの手で付けるとな!!』

卯月「…分かりました!ありがとうございますっ!」

 

独房を飛び出して駆け出していく卯月。

 

爬虫人兵3「捕虜が逃げたぞーー!追えー!!」

ニオン『ふん…!』

爬虫人兵3「ぐへぇっ!」

 

卯月を追うため、仲間に召集を掛けようとした爬虫人兵を量産型ゲッターの拳を降り下ろし、潰した。

 

~~~ マシーンランド メカザウルス格納庫 ~~~

 

ランバ「ぐぬぬ…!中々やるではないか、ゲッターロボ」

未央「へへっ!そりゃね。卯月を助け出すまでは、負けるわけにはいかないって!」

ランバ「見上げた根性だ。…だが!」

 

メカザウルス・ギガの伸縮する両腕がゲッター3を拘束する。

 

未央「ぐっ…!今度はゲッター3のパワーアームのパクりぃ…!?」

 

キャタピラを逆走させて、ギガの拘束から逃れようとするもパワーが上がらない。

 

未央「くっそぉ~!どうなってんのさ、凛!?」

凛「…ダメだ!やっぱりいつもよりパワーが上がらない!卯月がいないと……!」

ランバ「これでどぅだぁぁぁああ!!」

二人「「きゃぁぁぁああっ!!」」

 

ギガのパワーによって軽々と投げ飛ばされる。

 

未央「くぅ…!強い…っ!!」

凛「ゲッターを真似した奴の戦法もだけど、性能もこれまでメカザウルスとは段違いだ…!」

ランバ「ぐっはっはっはっはっは!当然ではないか!貴様らよりも遥かに優れた科学技術を持つ我ら恐竜帝国が、ゲッターを超えるメカザウルスを造れんとでも?」

未央「何ぃ……!?」

ランバ「ふははははは!!このメカザウルス・ギガが量産された暁には、貴様らゲッターなど相手ではないわ!!」

凛「そんな事、あるわけない…!」

未央「凛の言うとおり!ゲッターと私達がいる限り、お前たち恐竜帝国の好きには…絶対にさせない!!」

 

アクセルを踏み締めて、ゲッター3を突撃させる。

 

未央「うおぉぉぉおおお!!」

 

ギガと組み合う。

 

ランバ「馬鹿が!パワーはギガの方が上だと言っておろう!」

未央「力比べなら、ゲッター3だってぇ…ッ!!」

ランバ「返り討ちにしてくれるはぁぁ!!」

 

簡単に投げ飛ばされ、外壁に叩き付けられるゲッター3。

 

未央「ぐぅ…っ!!」

ランバ「くらえぇぇいっ!!」

 

ギガの背中のミサイルが、容赦なくゲッター3を襲う。

 

未央「きゃあぁぁぁああっ!!?」

凛「うっ…!ダメージレベル上昇!…これ以上は!」

ランバ「ふははは!!遂にゲッターも年貢の納め時だぁ!!」

未央「っ!まだだまだ!!ゲッターは……こんなもんじゃ……!」

ランバ「死ねぇ!!」

凛「っ!」

 

「させません!!」

 

ロケット弾がギガの横っ面に当たり、爆ぜる。

 

ランバ「何だ!?」

未央「あれは…」

 

卯月「はぁ…はぁ…はぁ…!」

 

凛「卯月!」

卯月「凛ちゃん、未央ちゃん!」

未央「そのロケットランチャーは?」

卯月「そこに落ちてたのを、さっき拾いました!」

未央「拾ったって…」

凛「でも、無事でよかった…」

卯月「はいっ!二人も……助けに来てくれるって、信じてました……!」

 

爬虫人兵「いたぞぉ!脱走者だ!!」

 

未央「っ!パワーアーム!!」

爬虫人兵's「「「ぐわあぁぁ~~!!?」」」

 

卯月の背後に迫った爬虫人兵を勢いよく伸ばしたパワーアームで吹き飛ばす。

 

未央「卯月掴まって!」

卯月「はいっ!」

 

ゲッター3の中指辺りにしがみついたのを確認し、腕を引き戻して胴体にあるイーグル号のコックピットへと運ぶ。

 

ランバ「私を忘れてはおらぬかぁ!?」

未央「ゲッターミサイル!!」

ランバ「ぐわっ!!」

 

ゲッターミサイルに怯んでいる隙に卯月はイーグル号のシートへと滑り込む。

 

凛「大丈夫?いけそう?」

卯月「はい!大丈夫です!!」

凛「分かった。もう少しだけ頑張って。それと、…ごめん」

卯月「…全部、無事に脱出できてからお話ししましょう。今は恐竜帝国を倒します!」

ランバ「おのれ…!捕虜をみすみす取り逃がすとは…。こうなれば、ゲッターごと纏めて始末してくれる!!」

 

未央「よし、三人揃ったからにはこっちのもんだ!」

凛「さっき言ってたね。卯月が揃えば、奴を倒す秘策が出来るって」

卯月「秘策、ですか?」

凛「奴は今までの私達の戦闘データを分析して開発されたメカザウルス…。単純に変形しただけじゃ勝ち目は薄いよ?」

未央「だから、まずはチェンジゲッターを繰り返して敵を撹乱する!」

卯月「何だか分かりませんけど、分かりました!」

 

未央「オープンゲット!」

 

三機のマシンがギガの周囲にまとわり着くように飛び、ギガの動きを牽制する。

 

ランバ「小癪な…!ゲッター1へ変形する気だな!」

 

卯月「チェンジゲッター1!」

ランバ「やはり!戦闘モード、対ゲッター1……」

卯月「オープンゲット!」

ランバ「何ぃ!?」

 

凛「チェンジゲッター2!」

 

凛「オープンゲット!」

 

未央「チェンジゲッター3!」

 

未央「オープンゲット!」

 

ランバ「な、何だこいつら……!?」

 

卯月「チェンジゲッター1!」

ランバ「ふふ…っ!また分離するつもりだろう?そんな事繰り返しても意味はな…」

卯月「ゲッターキック!!」

ランバ「ぐふぅ……!!?」

卯月「オープンゲット!」

ランバ「く、くそぉ…!こやつら、これではどの形態で仕掛けてくるかまるで分からん!!」

 

未央「ふふっ!行動パターンが三つもあれば、流石の爬虫人類も反応出来ないでしょ」

凛「で、次はどうするの?」

未央「先ずはゲッター2のドリルとスピードで撹乱攻撃!」

凛「分かった!チェンジゲッター!2ゥッ!!」

 

凛「ゲッタードリル!!」

ランバ「ぬぅ!?」

凛「ゲッタービジョン!」

ランバ「こいつ……正面に……!」

凛「アンタが教えてくれたからね。死角ばかりがいいわけじゃないって!!」

ランバ「どわぁっ!!」

 

ギガの周囲をゲッタービジョンで高速移動しながら、真っ正面にゲッタードリルを突き込む。

 

凛「オープンゲット!」

未央「チェンジゲッター!3ィッ!!」

 

未央「ゲッターミサイル!!」

ランバ「のわっ!?」

未央「パワーアーム!!」

 

ミサイルで怯んだギガをパワーアームで縛り上げる。

 

凛「未央、思いっきりやって!!」

未央「合点!━━必殺、大雪山おろしいぃぃいいいっ!!」

 

マシーンランドの中央で大雪山下ろしが竜巻を起こす。

 

未央「オープンゲット!」

 

投げ飛ばされ、マグマの海に落ちたギガをゲットマシンが追う。

 

凛「トドメは!」

未央「卯月のゲッタービームで!!」

卯月「分かりました!」

 

卯月「チェエェェェンジゲッタァァァー!!1ッ!!」

 

ランバ「ふんっ…!馬鹿め……このギガにゲッター線は効かぬ事を忘れたか!?」

卯月「未央ちゃん凛ちゃん!二人も一緒に!」

未央「オッケー!やってやろうじゃん!!」

凛「三つの心を一つに…ッ!!」

 

未央「ゲッター!」

凛「ゲッター!」

卯月「ゲッタァー…ッ!」

 

三人「「「ビィィーーームッ!!」」」

 

三人の心を合わせた極大クラスのゲッタービームがギガの全身を貫く。

 

ランバ「ぬ、ぬおぉぉ!?これは…!我らの計算を凌駕しておる!!?こんな、こんな事が…!!?」

 

凛「100%計算できない力…」

未央「それが私達の友情パワーって奴?」

卯月「終わりです…!これで!!」

 

ランバ「お、おわああぁぁぁぁあああぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ……!!」

 

マグマの中で爆散して消えるメカザウルス・ギガ。同時に大地が激しく鳴動を始めた。

 

未央「な、何…!?」

凛「…桜島は活火山!今のゲッタービームで活動が刺激されて…噴火が早まったんだ!」

卯月「そんな…!早く脱出しなきゃ…!」

 

最高速で、火山の噴火口から脱出するゲッター1。

程なくして、地下のマシーンランドを巻き込んだ桜島の大噴火が始まった━━。

 

~~~ 早乙女研究所 談話室 ~~~

 

菜々「あ、あわわわ…!」

 

卯月「……」 ツ-ン

凛「……」

未央「……」

 

菜々「ど、どうすればいいんですか?あれ…」

瑞樹「ま、私たちじゃどうしようもないわね」

みく「あ~れは卯月ちゃん、珍しく切れてるにゃ。何と言うか、そう言うオーラで分かるにゃ」

瑞樹「分かるわ」

晶葉「帰ってきて早々。正座させられる羽目になるとはな。あの二人も…」

 

卯月「……。いいですか?凛ちゃん、未央ちゃん。私は怒ってます」

未央「…はい」

卯月「私が敵に捕まったとか、戦闘で喧嘩した事を怒ってるんじゃありません。それで周りに迷惑を掛けたことを怒っているんです。分かりますか?」

凛「…重々、反省しています」

 

アーニャ「ウヅキ…、スゴく、怒ってます。ワタシのМать…ママより恐いです」

美波「普段滅多に怒らない人ほど、怒らせると恐いものなのよ(私も気を付けよう……)」

 

卯月「今回は私一人で済んで、お二人が助けてくれたから、何もなくて済みました。…でも、コレがもっと沢山の人だったら、もっとたくさんの犠牲に繋がっていたら…っ?」

凛「卯月…」

卯月「私……イヤ、なんです…。もう、プロデューサーみたいに大切な人の誰かがいなくなるのは!だから…!」

 

ギュッ

 

未央「あ…!う、卯月…?」

 

卯月にキツく抱き締められる凛と未央。

 

卯月「もう絶対、こんな喧嘩しないで下さいっ…!凛ちゃんでも、未央ちゃんでも居なくなったら……私、私っ…!!」

凛「…ごめん。私、自分の事しか見てなかった。本当にごめん」

未央「私も。自分勝手にみんなを引っ張って、ごめん。絶対に、卯月の前から勝手に居なくなったりしないから」

卯月「約束、ですよ…?」

未央「うん。約束」

凛「私も、約束する」

未央「だから、またよろしく頼むよ。━━しまむー、しぶりん!」

卯月「…はいっ!未央ちゃん!凛ちゃん!」

凛「やっぱり、未央にはそうやって呼ばれた方がしっくり来るかな」

未央「ふふっ。何それ…あははは!」

卯月「ふふふっ♪」

凛「ふふっ…!」

 

瑞樹「━━やれやれ、やっと一段落ね」

早乙女「じゃが、まだ予断は許されんぞ」

みく「早乙女博士!?」

晶葉「…しかし博士。今回の件で敵の本拠地…マシーンランドは倒せたのでは?」

早乙女「それだが、ゲッターの記録した映像を見る限り、あれが連中の本隊ではないだろう」

アーニャ「えっ…?」

早乙女「敵の本拠地にしては規模が小さすぎる。それに、もし敵の本拠ならば、簡単に発見されるようなことはせん筈じゃ」

菜々「もし、あそこがホントに敵の本拠地だったら、捕まってた卯月ちゃんを殺すなり…、それなりの措置をとってたって事ですか!?」

早乙女「うむ。儂はあれは、無数にある恐竜帝国の侵略基地の一つだと考えておる」

美波「それじゃあ…!侵略基地の一つを失った敵は…!」

瑞樹「…勝利に焦って一大攻勢を掛けてくるかもしれないわね」

 

『ふははははは──!!』

 

卯月「っ!?」

早乙女「この声は……!?」

研究員『は、博士……!至急、管制室に来て下さい!』

晶葉「一体何が起ころうと言うんだ!?」

凛「未央、卯月!私達も行こう!」

未央「お、おう…!」

卯月「分かりました!」

 

~~~ 早乙女研究所 管制室 ~~~

 

早乙女「何事じゃ!?何があった!?」

研究員「さ、早乙女博士…!あれを…空を見て下さいっ!」

卯月「あれは…!」

 

研究員の指す空に映っていたのは巨大な爬虫人類の影だった。

 

『驕り高ぶる人間共よ。我が名は恐竜帝国帝王、ゴール!!』

 

みく「恐竜帝国…!」

菜々「帝王…っ!」

瑞樹「ゴールですって…!?」

 

ゴール『これまで貴様らに散々煮え湯を飲まされ続けてきたが…、それも今日で最後だ!!』

ゴール『我ら恐竜帝国は、これより人類に対し、最終作戦を開始する━━!!』

 

美波「さ、最終作戦ですって!!?」

凛「勝手なことを…!卯月、未央出撃だよ!」

晶葉「待て。行っても無駄だ」

卯月「晶葉ちゃん!」

晶葉「よく見ろ。あいつの姿は、積乱雲に投影した立体映像だ。今ゲッターで出撃しても意味はない」

未央「くっ…!それじゃ、どうしろって…」

アーニャ「落ち着いて下さい。…今は、話を最後まで聞きましょう」

 

ゴール『これより一週間。貴様ら人類に猶予をやろう…』

ゴール『大人しく恐竜帝国の軍門に下るか、我らが誇るメカザウルスに蹂躙されるか。貴様らにとって尤も相応しい最後を選ぶが良い』

ゴール『今から何処へ逃げようと、我らに倒される結末は変わらんのだからな。ふははははは──ッ!!』

 

空に霧散して消えていく帝王ゴールの影。

 

未央「畜生!言いたいことだけ言って消えやがってぇ!!」

美波「今から一週間後に、恐竜帝国の一大攻勢が…」

瑞樹「最悪の状況になったわけね」

みく「美波ちゃんも、瑞樹さんもそんな弱気でどうするにゃ!」

卯月「そうです!私達にはまだ、ゲッターロボがあります!負けるかなんて、まだ分かりませんよ」

菜々「でも、ホントにナナ達で勝てるんでしょうか…?」

凛「やってもないことで答えは決めたくない。私は最後まで諦めないよ…!」

 

早乙女「…今のゴールの宣戦布告、来たのはここだけか?」

研究員「いえ。正確ではありませんが、あの宣告は日本全国に発せられた可能性があります。現に内閣府と防衛省から早乙女研究所に緊急の連絡が入っています」

早乙女「ぬぅ…!ここに来て正念場とは…、タイミングが悪すぎる…!」

晶葉「ですが、やらなくてはなりません」

早乙女「晶葉くん…!」

晶葉「帝王ゴールが作った猶予一週間。それで講じ得る対策を考え、万全の状態で敵を…。それが出来なければ、人類は滅ぶだけです。そうでしょう?」

早乙女「……。ふふふ……。晶葉くんの言うとおりかもしれん。瀬戸際はとうの昔に迎えていたのかも知れんなぁ」

晶葉「早乙女博士…!」

卯月「私達も、覚悟は出来てます!」

凛「プロデューサーを失った、あの日にね」

未央「恐竜帝国はこの手で滅ぼす!だからこんな日が来るのも、分かってたよ」

 

みく「勝つか負けるかなんて、そんなのどうでもいいにゃ!」

瑞樹「ただ、何か出来るのに何もせずにいるのは落ち着かないわよね。分かるわ」

菜々「ナナだって、ナナだって…!恐いですけど……このままアイドルに続けることが出来なくなる方が、ナナにとってはもっと怖いんです!」

 

美波「恐竜帝国に見せなくちゃね。人間の底力って奴を!」

アーニャ「Да。ワタシ達だって、負けません!!」

 

早乙女「諸君…。……」

 

早乙女「これより早乙女研究所は、恐竜帝国との決戦に備える為、非常事態宣言を発する!」

早乙女「アイドル活動をしている者も、この一週間の活動を休止し、研究所での活動に専念してもらう!」

早乙女「ここが人類と、恐竜帝国との正念場じゃ。すまんが、諸君の命を預からせてくれ!!」

 

全員「「「了解(にゃ)っ!!」」」

 

 

つづく




次回予告!!

陸に、空に、海に!襲い来るメカザウルスの軍勢に、ゲッターチームは各地に別れて奮闘を開始する。
激戦を繰り広げるゲッターロボの前に、恐竜帝国の改造を受けたダイノゲッターロボが迫る━━!

次回 ゲッターロボ×CG 第7話

『決戦!ゲッター対ゲッター!!』に、チェンジゲッター!
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