~~~ 蛇牙城 ~~~
ランドウ「……」
「──…ロシアでの戦いは、連合軍が勝利を収めたようですな」
ランドウ「…コーウェン博士、それにスティンガー博士もか。わざわざ2人揃って、そんな話をするためにワシのところまで来たと言うのか?」
スティンガ-「そ、そうじゃないよ!ボクはただ心配だっただけさ!」
ランドウ「心配?」
コーウェン「少々ドラゴンタートルを切るのが早すぎたのではないかとね。連中に妙なところを勘付かれたりはしないかとね…」
ランドウ「フンッ、心配あるまい。連合軍の頭はワシらを征伐することに終始しておるようだからな」
スティンガ-「けど、向こうにもバカじゃないのはいるよ。特に、早乙女の後継者がいるのは厄介だ」
ランドウ「年端のいかぬ小娘など、簡単に目の前の勝利に酔いしれるものよ」
コ-ウェン「勝ちを奴等に譲ることで、油断させる、と?」
ランドウ「最終的に勝つのは我らだよ。連中は水面下で、自らの足元を見透かされていると気付かず、全てを悟った時には既に世界は我が手中よ」
スティンガ-「奴等の驚き、慌てふためく顔が、目に浮かぶようだよ」
ランドウ「その為にも、抜かるわけにはいかん。分かっているな?貴様らに掛かっているんだぞ」
コーウェン「承知しています。もう少しお時間を頂ければ、色好い返事を必ずお返ししますよ」
ランドウ「猶予はあると思っているのか?」
コ-ウェン「えぇ。そのために、利用できるものは何でも使うつもりです」
ランドウ「…欧州の件は、既に耳に入っていると言うわけか」
スティンガ-「ついに猫を被っていたトカゲが本性を現したって訳だ!」
ランドウ「ラセツめ…。ドラゴンタートル陥落で我々に見切りを着けたようだな」
スティンガ-「所詮は進化の爪弾き者。奴等が生き残る未来などありえないって言うのにね!」
コ-ウェン「ですが、それこそ我らにとって好都合。せいぜい連中の目を引く囮として、最後まで役に立ってもらいますよ」
ランドウ「フフッ…。そうだな。地球の支配者を気取るトカゲ共にはそれが相応しいかもしれんな」
ブワサァッ
ランドウ「この地球の支配者が誰であるか、奴等にもそれをすぐに教えてやる!」
ランドウ「もうすぐこの旧い世界は終わり、新たな時代を迎える──!」
ランドウ「その時こそ、ランドウ新世紀の始まりだ!!」
ランドウ「世界は!地球上のありとあらゆる生命は、このランドウに跪くのだァ!!」
ランドウ「フハハハハハハハッ!!アーッハッハッハッハッハッハッハッ──!!」
スティンガ-「……」
コーウェン「……」
コ-ウェン(我々が目的を達するための”囮”…。それは貴方も同じですよ、プロフェッサー・ランドウ)
スティンガ-(君がそのちっぽけな野心に支配されている限り、結局君も、君が嘲笑うトカゲ共と同じ範疇の存在であると言うことに代わりはない)
コ-ウェン(確かに非凡である、素質はある。だが、天才にはほど遠い…)
スティンガ-(何て御しやすい道化だろうね?コーウェンくん)
コーウェン(そうだね。だからこそ、今は自分の夢に陶酔させてあげよう。ね、スティンガーくん)
スティンガ-&コーウェン((真の支配者たるはランドウ、貴様に非ず!この宇宙を統べる、選ばれし者は──!))
──。
~~~ 戦艦テキサス・通路
凛 「……」 スタスタ…
加蓮「……」 スタスタ…
─ 数日前、ドラゴンタートル攻略戦直後。
李衣菜「──」 ピ-ッ ピ-ッ ピ-ッ
軍医「……」
凛 「先生、李衣菜の容態は?」
軍医「……。正直、息をしている方が奇跡的だよ」
加蓮「えっ」
軍医「左あばらの損傷が酷い。肋骨が粉々に砕け散って、何本かは肺に突き刺さっている。それが原因で左肺は破裂、機能は停止。全身に複雑骨折が2ヶ所、大小合わせた骨折が10ヶ所以上…。全身火傷と、凍傷を併発した患者なんて初めてだ」
加蓮「も、もう充分じゃない?」
軍医「……。正直に言えば、これだけの重傷、神経系統にもどれだけ被害を及ぼしているか分からない。然るべき場所で、然るべき設備で精密に検査をしたいところだが、今の我々の置かれた立場上、それは出来ない」
凛 「もし李衣菜が回復して、目が覚めてもどうなってるか分からないってこと?」
軍医「そうだ。特に精神状態は…。ひょっとしたらこのまま目覚めないかもしれない」
加蓮「そんな…!」
軍医「私には、それも幸せな選択肢だと思うがね。これだけ傷付き、英雄と讃えられても可笑しくないほど、彼女は戦った。医者として、このまま永久に休ませておくことも彼女のためなんじゃないかとも思うよ」
加蓮「リーナ…」
李衣菜「……」 ピ-ッ ピ-ッ ピ-ッ──
─ 現在。
凛 「……」 スタスタ…
加蓮「……」 スタスタ…
凛 「……」 フッ…
── 格納庫・ネオゲッターロボのハンガー
?「チーフ!こっちは準備オッケーですよー!」
整備班長「おう、そうか!ならこっち手伝ってくれ、リーナ!!」
李衣菜「はーいっ!今行きま……あ…えっと……、凛…。加蓮も」
凛 「李衣菜…。こんなところにいた」
加蓮「り~い~な~?」
李衣菜「は、はいっ!」
加蓮「こ~んなところで何してるの?」
李衣菜「な、何って…、見ての通り、ネオゲッターの整備だけど…」
加蓮「……」
ズイッ
李衣菜「ヒィッ!」
加蓮「アンタ、全治何ヵ月の怪我したと思ってるの?自分の体のことも分かんないくらいバカなんだっけ?」
李衣菜「ちょっ…!バカは言い過ぎ…」
加蓮「違う?」
李衣菜「……違わないです…」
凛 「加蓮、その辺で一旦落ち着きなよ」
加蓮「凛…。……」
李衣菜「…第一、そんな大袈裟に騒ぐほどの怪我だったの?」
加蓮「っ…!」
凛 「左肩が裂けるくらいの重傷だったんだよ?忘れたの?」
李衣菜「それなんだけどさ、ほら」
患部を見せる。
加蓮「え…?」
凛 「どう言うこと?」
李衣菜「見ての通り、傷なんて跡形もなくてさ。ネオゲッターの中で気を失って、気付いたらテキサスの医務室。体は何ともないし、怪我してたのが自分の気のせいだったみたいで…」
加蓮「ねぇ、リーナの怪我って…」
凛 「全治に1年以上、それ以前に何時目覚めるかも分かんない状態って言われてたけど…」
李衣菜「え…、本当に…?…そりゃ、このゲッターの惨状を見たら流石にあの時の戦いまでは嘘じゃないってのは分かったけど…」
凛 「ホントに何ともないの?」
李衣菜「うん。この通り…痛たた…。ちょっと、筋肉痛かも…」
凛 (……)
加蓮「とーもーかーくーっ。いくらリーナが丈夫だからって、無茶して言い訳じゃないんだから。ほら、とっとと医務室戻って休む!」
李衣菜「そんな心配しなくても大丈夫…って、痛たたたたっ!」
加蓮「ほら、痛いんじゃない!」
李衣菜「そりゃぁ、そんな勢いで引っ張られたら怪我人じゃなくても痛いって…痛たたたたっ!」
ズウゥゥゥ…ゥン…
李衣菜「んあれ…?何…?」
凛 「ゲッターが入ってきたみたい」
李衣菜「あれって、ゲッターD2…?誰が乗ってるんだろ」 バッ
加蓮「あ、待ちなさいって!」 タッ
凛 「……はぁ」 タッ
タッタッタッ
「おーい!リーナーーー!!」
李衣菜「莉嘉ぁ!?莉嘉が動かして、乗ってきたの?」
卯月「そういう訳じゃありませんよ…っと、んしょ」
李衣菜「卯月…。ゲッターD2何て持ってきて、どうしたの?」
卯月「ドラゴンタートルでの戦闘で、ネオゲッターが大破しちゃいましたから…。修理の時間次第だと、テキサスの戦力が下がっちゃうかもって、晶葉ちゃんが」
李衣菜「それでD2をこっちに…。じゃあ、莉嘉は?」
莉嘉「リーナのお見舞いだよ~。かなりの大ケガだって聞いたから」
李衣菜「あ~、そっか」
莉嘉「でも思ったより元気そうじゃん☆」
加蓮「そうでもないよ。えいっ!」
李衣菜「いったぁ~~~ッ!!」
卯月「加蓮ちゃん、凛ちゃん。しばらくお世話になります!」
凛 「こっちこそ。……」
ゲッターD2を見上げる。
卯月「…? どうかしたんですか?」
凛 「……。別に。こっちの事もそうだけど、真ゲッターの方は?」
卯月「真ゲッターは、オーバーホールのやり直しだそうです。今回の戦闘でのダメージもありますから」
凛 「そっか…」
卯月「やっぱり、真ゲッターを使わない方がいいですか?」
凛 「…今はそう思ってる訳じゃないよ。ただ…」
卯月「ただ?」
凛 「……卯月の方は?ゲッターD2を使ってて」
卯月「ゲッターD2が、ですか?」
凛 「うん。どこか使いどころが悪かったり、しない?」
卯月「え…。どうして分かったんですか?」
凛 「え?」
卯月「使い勝手が悪い、って言う訳じゃないんですけど…。何て言ったら…。何となく、窮屈だなって…」
凛 「窮屈?」
卯月「…はい。ゲッターD2はいい機体ですよ?実際、ドラゴンタートルのとの戦いにも生き抜きましたし。でも…」
凛 「力不足?」
卯月「はい。力だけじゃありません。スピードも、反応速度も。操縦していると、少しずつズレてきて、何て言えったらいいのか…。とにかく、足りない、って感じちゃうんです」
凛 (……)
卯月「何て…。私の気のせいかもしれませんけど」
莉嘉「あっはは☆リーナも加蓮もー!どっちも頑張れ~!」
加蓮「李ぃ衣ぃ菜ぁ~!早くベッドに戻りなさいって~!!」
李衣菜「ひぃ~!分かった!自分で戻るから、力尽くはやめて~!!」
凛 「まぁ、今は加蓮達を大人しくさせよう。このままじゃ整備員の人達にも迷惑になっちゃうよ」
卯月「あはは…」
──。
── テキサス・艦長室。
艦長「──…そうか。では、ボルガはしばらくロシアに残るのか」
スミノフ「はい。ドラゴンタートルを倒したとは言え、ロシア全土のメタルビーストを殲滅したわけではありません」
艦長「ボルガが、ロシア反攻の旗印となるわけだな」
スミノフ「この広大なロシア…。各地に散らばった部隊を結集し、最後の反攻作戦を開始する予定です」
艦長「うむ。一日でも早く、ロシアがランドウの手から解放されるよう、健闘を祈っているぞ」
スミノフ「…可能であれば、テキサスの戦力にも反攻作戦に加わってもらえれば、と我々は考えているのですが…」
艦長「……」
スミノフ「我らとて、大局的なものを見ていないと言うわけではありません。故に、ロシアの反攻作戦を早期に終結させることが出来れば、我が軍の総力をもって、貴艦らを支援することが可能です」
艦長「…確かに。貴官の言う通りかもしれんが…」
スミノフ「ランドウの動きが気になりますか?」
艦長「……ランドウ、と言うのは違うかもしれんが」
スミノフ「…?」
艦長「ランドウにしてはあまりにも動きが不可解なのだ」
スミノフ「どう言うことです?」
艦長「先の戦い…。何故ランドウは援軍を送らなかったのか」
スミノフ「そうですね…。奴等は全世界に部隊を展開していた筈…。一局に戦力を集中させるまではいかなくても、欧州の部隊を此度の戦いに投入することはできた筈ですね」
艦長「我々を侮っていたのか、何か向こうに不測の事態が起こったのか…」
スミノフ「これまで用意周到に作戦を展開してきたランドウにしてはお粗末なのは理解します。テキサスは、そのために欧州へ?」
艦長「……」
ビ---ッ ビ--ッ ビ---ッ
艦長「何事だ!?」
オペレ-タ-「本艦に接近する機影を確認!」
艦長「ランドウの部隊か…?数は?」
オペレ-タ-「数は……1機です!」
艦長「単機でこのテキサスに向かってくる敵だと…?」
オペレ-タ-「…いえ、この反応は…、敵ではありません!データベースに該当あり。ドイツ軍のグスタフH24です!」
艦長「何…!?」
スミノフ「欧州のスーパーロボットがこんなところまで…?」
オペレ-タ-「待ってください、反応がまだ…。これは、メカザウルスです!」
艦長「メカザウルス…?ランドウの部隊か?」
スミノフ「追撃の部隊であることに変わりはありません。こちらから救援部隊を展開させましょう」
艦長「うむ。グスタフのパイロットがいれば、欧州の状況が分かるかもしれませんしな。すぐに救援部隊を出撃させるんだ」
橘 『では、こちらのゲッター軍団を動かしましょう』
艦長「橘博士。いいのかね?」
橘 『ランドウの陽動と言う可能性も捨てきれません。テキサスに戦力は残しておくべきでしょう』
艦長「助かる。…確か、ステルバーが周辺の警戒中だったな?」
オペレ-タ-「はい」
艦長「ならば、ステルバーだけでも現場に向かわせるんだ」
オペレ-タ-「了解。…哨戒中のステルバーへ。至急救援に向かわれたし。繰り返す、ポイントは──」
橘 「よし、こちらも出撃だ。チーム飛焔、発進スタンバイ!」
茜 「こちらは何時でも、スタンバイOKです!」
アーニャ「行きましょう…。ワタシ達で、仲間を守るんです!」
美穂「ここまで頑張ってくれたんだもん!ちゃんと助けてあげないと!」
茜 「ゲッターロボ飛焔、発進します!!」
── ロシア側国境線付近。
奈緒「しっかし、大したもんだな。敵からの追撃を受けて、ここまで逃げてくるなんて」
シュワルツ「それだけ、逃げてきた奴ァ命根性の汚ぇ奴ってことだろうよ」
奈緒「知ってそうな言い方だな。確か、機体はドイツ軍のグスタフって言ったか」
シュワルツ「あぁ、欧州と連絡が取れなくなって、今の今まで生き残ってたんだ。抜け目のねぇ、アイツに決まってやがる」
奈緒「抜け目ない、か…。別にスゴ腕って訳でもなさそうだな」
シュワルツ「あぁ。アイツのスゴさは、そういう技量的なものじゃねぇ」
奈緒「ここまで逃げおおせたのも、満更運だけじゃないってことか。ま、でも早く助けてやらないとな」
──ギュンッ
茜 「奈緒さ~ん!シュワルツさん!!おいつきましたよぉ~っ!!」
奈緒「ゲッター飛焔も追い付いたか…って、美穂達が来てないぞ?」
美穂「ご、ごめんね?茜ちゃんが茜ちゃんが先行してるの」
シュワルツ「足並みの悪ィ奴等だ。それで本当にチームかよ?」
奈緒「そうじゃねぇよシュワルツ。個性が違うのが、チーム飛焔の強みなんだよ」
シュワルツ「どう言うことだァ?そりゃ」
アーニャ「アカネ、グスタフを追撃してる部隊は、レーダーに捉えられましたか?」
茜 「う~~~んっ!?……はいっ!頭一つ飛び出してるのに後ろから集団で迫ってる…これですか!」
アーニャ「アー、はい。それです、ね。データを送ってください」
茜 「分っかりました!ここをこうして、はいっ!送っ!信ッ!!」
アーニャ「……。メカザウルスは地上に展開しているのみ…ですね。ワタシが奇襲で仕掛けます。ステルバーは、支援を」
奈緒「な?」
シュワルツ「へぇ」
奈緒「アーニャ、援護は了解した。思いっきりぶちかましてやれ!」
アーニャ「Да…спасибо、お願いします。ミホ、アカネ」
美穂「こっちは何時でもいいよ!」
茜 「私も!速度を落として合わせます!!何時でもどうぞ!」
アーニャ「チェンジ!ゲッター2ッ!!」
アーニャ「行きます…!урааа──!」
ゲッター2にチェンジしたゲッター飛焔が、空中を滑空してレーダー上の敵陣へ迫っていく。
奈緒「な?」
シュワルツ「お手並み拝見だな。こっちは、グスタフと合流するぞ。レーダーの監視を怠るな」
奈緒「了解。メカザウルスは頼んだぜ、アーニャ!」
アーニャ「ドリルッ!アァァーームッ!!」
高速回転するドリルがメカザウルスを砕き、破砕音が響く。
「ッ…!だ、誰だァ!?」
茜 「それはこっちの台詞です!」
美穂「この周波数…。グスタフのパイロットだよ!」
アーニャ「テキサス連合軍のゲッター飛焔です。助けに、来ました」
パイロット「て、テキサス…!ゲッターロボってか!?噂で聞いたのと見た目が違うな」
茜 「ゲッター2形態だからでしょうか?1以外は、あまりポピュラーではありませんから!」
アーニャ「……」
美穂「あ、茜ちゃん…!ズバリ言い過ぎだよ!」
アーニャ「別に、気にしてません」
美穂(気にしてる言い方だよぉ…。それ……)
茜 「メカザウルスが来ますよ!」
メカザウルス『グワァアアアッ!!』
アーニャ「──プラズマナイフッ!」
プラズマのエネルギーを帯びた手刀が閃を描き、肉薄したメカザウルスの頭部が宙を舞う。
パイロット「へぇ、なかなかやるもんじゃないか。俺なんかより、随分若く見えるが、少年兵か」
美穂「そういうわけでもないですけど…」
パイロット「ま、女ばかりの少年兵ってのも聞いた事ぁねぇが」
茜 「女…?」
シュワルツ「聞き覚えのある声だと思えば、やっぱりテメェか。シャトナー」
パイロット→シャトナ-「へっ、テメェこそこんなロシアの辺境くんだりまで、ご苦労なことじゃねぇか。シュワルツ」
奈緒「やっぱ知り合いだったのか?」
シュワルツ「あぁ。奴の名はヒム・シャトナー。階級は少尉。生き残ることに関しては誰よりも執念深い、抜け目のねぇ野郎さ」
シャトナー「ご紹介どうも。お陰さまで、あの地獄のような欧州の中で生き抜いてやったぜ」
アーニャ「…”あの”欧州?」
シュワルツ「細けぇ事は後回しだ。今はメカザウルスどもをぶっ飛ばす!」
茜 「それには賛成です!!」
シャトナ-「気を付けな。連中のメカザウルス、これまで戦ってきたものとは性能が段違だぜ」
アーニャ「…見慣れない、メカザウルス…」
美穂「そうだね…。今まで出てきたのより、兵器感があるって言うか…」
茜 「新型と言うことでは!」
奈緒「けど、メカザウルスの新型なんてランドウが作る意味あるのか?」
シャトナー「へっ、奴等はランドウなんかじゃねぇよ」
美穂「え?」
メカザウルス『!!』
”大きなティラノサウルス”が、その背中に背負ったキャノンから砲を放つ。
奈緒「うぉわっ!」
シュワルツ「チッ…!詮索は後にしろ!どうせここでぶっ潰すのに変わりはねぇ!」
アーニャ「ファントム・ビジョン!!」
シャトナー「!? ゲッター、どこに行った?」
プロト・ゲッター2の高速機動。降り注ぐ砲弾の雨を掻い潜り、爆炎の中に姿を消す。
メカザウルス『グル…?』
美穂「アーニャちゃん、座標、送ったよ」
アーニャ「Спасибо…。サポート、ありがとうございます、ミホ」
奈緒「…成る程な。シュワルツ、あたしらは下がろうぜ」
シュワルツ「……連中に手柄を全部渡してやるのは癪だがな」
美穂「そんな…。大したことはしてないよ?それよりも、今は!」
アーニャ「Да! ──プラズマテンペスト!!」
シャトナー「うぉっ!?」
ギュオォオンッ
指定された座標、敵勢を一網打尽にできるポイントで、プラズマテンペストを広域に放つ。
メカザウルス『!!??!!?』
プラズマを帯びた青白い旋風が、大地ごとメカザウルスの軍団を穿った。
茜 「気分爽快!ですね!!ボンバーーーッ!!」
マシンの壊れる爆発音が連なり、そのあとには静寂が訪れた。
アーニャ「……状況、終了…です。ふぅ…」
美穂「お疲れさま、アーニャちゃんっ」
シャトナー「たまげたもんだな。機体はトンでもねぇみてぇだ」
奈緒「機体は…?」
シュワルツ「そこまでだ。シャトナー、お前のグスタフも、もう限界だろ?」
シャトナー「へっ、こんなのばかりは、隠してても仕方ねぇな」
シュワルツ「テキサスまでは引っ張ってやるよ。そういうわけだ、テメェらは…」
アーニャ「了解。では、ワタシ達は、もうしばらく周辺をпатрульный…哨戒してから帰ります」
茜 「シュワルツさんは、グスタフをテキサスまで連れて帰還してください」
シュワルツ「頼むぜ。何かあればすぐに連絡をくれ」
シャトナー「へぇ…。お前、随分と丸くなったもんだな?確か親の片方の故郷は欧州だったか。紳士の遺伝子でも甦ったのか?」
シュワルツ「うるせぇ。その小うるせぇ口閉じねぇと、機体ごとロシアのツンドラに叩きつけるぞ」
シャトナ-「ははっ、怖いねぇ。くわばらくわばらっと」
美穂「なんか、独特な雰囲気の人なんだね…」
──。
~~~ 戦艦テキサス ブリーフィング・ルーム ~~~
艦長「──さて、着艦早々、マトモな手当てもなしに申し訳ないシャトナー少尉」
艦長「だが、我らとて時間を悠長に使っている余裕のない身の上なのでな…。我々の次の行動を決めるためにも、欧州の状況が知りたい」
シャトナ-「余計な気遣いは無用ですぜ、艦長さん。このテキサスと合流できただけでも、生きた心地を味わえるってもんだ」
ボブ「欧州はよっぽど状況が悪いみてぇだな」
サム「だな。シャトナーが単機で撤退してくるくらいだ。それだけ戦力が手一杯ってことだろ?」
シャトナ-「あぁ、欧州は今や地獄…。南極から侵攻してきたランドウと、あいつら…恐竜帝国のせいでな」
リンダ「恐竜帝国!?」
メリー「どういう事?」
シャトナー「訳なんざ知るかよ。俺たちヨーロッパ連合軍と、ランドウの連中とが争ってる中に奴等がいきなり襲ってきやがったんだ。奴等、マシーンランドまで出してきやがって」
副長「マシーンランド…!確か、日本からの報告では、あれには地上の大気組成を白亜紀以前のものに作り替える機能があったと…」
シャトナー「あぁ。お陰で欧州の半分以上は奴等の手に落ちちまった。白亜紀以前の大気だ。人間なんざ、生きていけるわけがねぇ」
卯月「そんな…!酷い…」
かな子「でも、どうして恐竜帝国が?」
加蓮「確か、アタシ達と停戦を結ぼうとしてるんじゃなかったっけ?」
凛 「どういう事か、分かる?ニオン」
ニオン「さぁな。以前にも言ったと思うが、恐竜帝国とて一枚岩ではない」
みく「ちょっと無責任すぎるんじゃない?」
ニオン「マシーンランドは複数存在していて、その一つ一つで思想や体制は違う。帝王ゴールが率いていたような強行派の恐竜帝国の一派がいたとして、何ら不思議なことではないな」
シャトナ-「へっ、だから、テメェは関係ねぇってかよ?このトカゲ野郎」
ニオン「……」
凛 「やめてよ。実際、ニオンは関係ないでしょ」
シャトナー「関係ねぇ事あるかよ!俺の故郷は、そいつのお仲間に踏みにじられたんだ!」
凛 「だから、ニオンは関係ないでしょ。同じハ虫人類だから仲間なら、ランドウだって私達のお仲間って事になるでしょ?」
シャトナ-「……っ」
ジャック「リンの言う通りだゼ。少しCool down. シャトナー。 ここでニオンを恨んでも、祖国は取り戻せないヨ」
シャトナ-「……へっ、レディにはお優しいんだな。どいつもこいつも、鼻の下伸ばしやがって」
ボブ「はぁ!?俺がいつ鼻の下伸ばしたってよ?」
リンダ「貴方は四六時中伸ばしてるでしょう」
ボブ「え?」
サム「そうそう。最近加蓮ちゃんだけじゃなく、茜ちゃんにまでカレーをご馳走して、節操ねぇよなぁ」
ボブ「そ、そうかぁ…?」
シャトナ-「…まるで牙の抜かれた狼だぜ。ここはホントに最前線か?」
加蓮「最前線だからって、いっつも気張ってても仕方ないと思うけど?」
李衣菜「そうそう。気を張って疲れてたら、いざって時に本気になれないしね。リラックスも大切だって」
加蓮「けどリーナは力抜きすぎ」
李衣菜「え?あはは…」
シャトナ-「こんなあまちゃん連中とこれから一緒にやってかなくちゃらねぇとはな」
ボブ「おいおい、いくらなんでもあまちゃん連中は言い過ぎだろ」
シャトナ-「違うかよ?尻の青いガキ共に学生気分なんか持ち込まれて、とばっちりなんて喰らった日にゃ死んでも死にきれねぇぜ」
サム「学生気分って…」
メリー「それでも、ここまで一緒に戦ってきた戦友よ」
ジャック「That's right! 実力は保証するゼ!」
シャトナー「実力、ね。ま、運も実力のうちって言うよな」
凛 「私達がここまで勝ち残ってこれたのも、全部運だって言うの?」
シャトナー「それか、乗ってるマシンの性能がいいんだな」
李衣菜「……あながち否定できないかも」
加蓮「リーナは黙ってて。話がややこしくなるから」
李衣菜「うっ…。でもさぁ」
加蓮「リーナ」
李衣菜「…は~い」
シャトナー「それとも何かい?これまで、自分達が実力で勝ち残ってこられたと、アンタらは胸張ってそう言えんのか?」
凛 「そこまで自惚れてる訳じゃないよ。私達が今ここにいるのは、みんなに実力があったから」
シャトナ-「ほぅ…。3人よれば何とやら、ね。ガキ共にはおあつらえ向きのマシンって訳だ」
凛 「いちいち癪に障る喋り方をするよね…!」
卯月「り、凛ちゃん、一旦落ちついて…!」
「イキりながら突っかかってきてバッカみたい。凛達に実力があるのはトーゼンじゃん!」
シャトナ-「あン?」
卯月「莉嘉ちゃん…」
副長「ミーティング中だ。関係者以外は立ち入り禁止だぞ」
艦長「よい。副長」
副長「ですが…!」
艦長「これをまだミーティングと言うかね?」
副長「でしたら、何故止めないのですか?」
艦長「…これから同士として共に戦うのだ。時には背中を預けることもあろう。互いにわだかまりがある状態では、信頼など生まれんよ」
莉嘉「ホントアッタマ来ちゃう!外で聞いてれば嫌味みたいにさ。大人げな~い」
シャトナ-「大人げない、ね…」
莉嘉「実力もなしに、ドラゴンタートルを倒せるわけないじゃん。オジサンこそ、実力がないんじゃないの~?」
シャトナ-「ア゛ぁっ!?」
莉嘉「スゴんだって怖くないよ。怒ったお姉ちゃんの方が百倍怖いもん!第一、それで怒るってことは、図星突かれてるってことだもんねぇ?」
シャトナー「テメェ…!」
莉嘉「祖国がーとか、恐竜帝国がー、とか色々言ってるけどさ、それも全部捨てて逃げてきたのはそっちじゃん。で、茜達にたすけられてさ。どの口が偉そうに言うの?」
シャトナ-「……」
莉嘉「ちょっとは感謝してほしいよね~。テキサスにがここにいなかったら、オジサンはどうなってたの?助けられたらありがとうって、お母さんから教わらなかった?」
卯月「莉嘉ちゃん、もうその辺で…」
莉嘉「何で?卯月はイラッとしないの?勝手に想像だけでペラペラってさ。何気に入らないことあったか知らないけど、こっちに当たらないでほしいよ」
卯月「それは…、そうかもしれませんけど…」 チラッ チラッ
シャトナ-「……」
莉嘉「何さ、言いたい事があるなら、ハッキリ言えばいいじゃん!」
シャトナー「…ッハァ-----ッ」
莉嘉「な…何…?」
シャトナ-「確かになぁ、お嬢ちゃんの言う通りだよ。確かに言い過ぎた。俺は大人げがなかったかもなぁ」
莉嘉「フフン!そうでしょ?」
シャトナ-「あぁ、悪かったよ。この通りだ」
ボブ「おいおい…。これはどうなっちまってンだぁ?」
サム「あのシャトナーがすんなり頭を下げるなんてよ」
シャトナー「人をひねくれ者みたいに言うんじゃねぇよ。お嬢ちゃんの言う通りさ。人を見掛けで判断しちゃいけねぇよ。なぁ?」
ボブ「ん…?」
シャトナ-「こんなお嬢ちゃんだって立派に戦って生き残ってんだ。そこはちゃんと見て、評価してやらねぇとな」
莉嘉「え…」
李衣菜「あ…、莉嘉は…」
シャトナー「あ?何だよ、ゲッターにも乗れねぇのに、ガキがこんなとこにいるわけねぇよな?」
莉嘉「……」
シャトナ-「どうなんだよ、お嬢ちゃん?」
莉嘉「…シミュレーターはやってるもん」
シャトナ-「ハッ!じゃあ何かい?まさか、マトモな実戦経験もねぇくせに偉そうに説教にきたってか!」
莉嘉「……」
シャトナ-「そういや、さっき副長に部外者みてぇに言われてたよな。そっか、そういうことかよ。くくく…、こいつぁいい」
莉嘉「っ…何さ…!実戦で戦って、結果残してればそんなに偉いの!?」
シャトナ-「偉いとかそういう問題じゃねぇだろ。ただ横で見てきただけの癖によぉ。そういうのあれだろ、日本の諺で虎の威を借る狐ってんだろ?」
莉嘉「……っ」
シャトナ-「テメェの言葉には説得力がねぇんだよ。分かったらガキが偉そうに吠えんじゃねぇ」 スクッ
副長「どこへいく?退室を許可した覚えはないぞ」
シャトナ-「喋りすぎて疲れたわ。こっちも退いてきたばかり。ちょっとは休ませてくれませんかね?」
副長「貴様…!上官に向かって!」
艦長「良い。詳しく事情を聞くのは後日としよう。少尉、ここまでご苦労だった。ゆっくりとはいかないかもしれないが、しっかり休息をとってくれ」
シャトナ-「労い痛み入りますよ、艦長。それじゃ、自分はこれで…」
ツカツカツカ…
ボブ「何なんだ?…ったく、相変わらず愛想のねぇ野郎だぜ」
サム「まぁ何だ、あんま気にすんなよ、莉嘉ちゃん。アイツがいけ好かねぇのはきっと生まれてからだからよ」
莉嘉「うん…」
李衣菜「ボブ達の言う通りだって。莉嘉は私達の事思って言ってくれたんでしょ?それは嬉しかったよ」
加蓮「確かに、シミュレーションじゃ何度もリーナを負かしてるわけだし?実力がないって言われるのは筋違いだよねぇ?」
李衣菜「う゛っ…。それは言わないでしょ…」
莉嘉「……そうだよ。アタシだって、出来るもん…」 ボソ…
李衣菜「うん?莉嘉?」
凛 「……」
── その夜、
晶葉『あははっ。それは災難だったな』
凛 「笑い事じゃないよ、まったく。艦長は放任するし、もしもの事があったら、私達に現役の軍人を止める力なんてないんだから」
晶葉『向こうも分別のある軍人なんだろう?なら、そこまで思い余ることもしないだろう。だからこそ、私達のような存在が許せないのかもしれんな』
凛 「どういう事?」
晶葉『そのシャトナーという軍人にとっても、戦闘は仕事のようなものだ。長年一つの仕事をこなしている人間には、相応のプライドのようなものがある。年端もいかない私達が同等の働きをするというのは、そのプライドを貶されたようなものだろう』
凛 「まぁ、私達もアイドルやってるし、分からない訳じゃないけど…」
晶葉『自分の気に食わないことを許容できる者もいれば、そうでない者もいる。戦闘で、実力を信じてくれるように祈るしかない』
凛 「そういうものかな。やっぱ…」
晶葉『問題は、寧ろ莉嘉の方だろうな』
凛 「…うん。シャトナーの言ったこと、相当気にしてたみたいだし」
晶葉『出来れば、莉嘉の事をしっかり気を配ってほしいが』
凛 「こっちもネオゲッターの整備があるから、四六時中とはいかないかも」
晶葉『無茶な行動を起こさないよう、信じるしかないか…』
凛 「そうだね…」
晶葉『それで?わざわざこんな時間に、そんな益の無い報告をするために、わざわざ連絡してきた訳じゃないだろ?』
凛 「益がない、って別に愚痴くらいは許してくれるでしょ?」
晶葉『まぁな。それで?』
凛 「……。真ゲッターの事だけど」
晶葉『真ゲッター?』
凛 「オーバーホール、早く仕上げることはできないかな?」
晶葉『……。…どうだろうな。こちらの作業員にも限りがある。それに、機体の不備をチェックするためでもあるオーバーホール、作業を急いで穴を残したくはないな』
凛 「そっか…」
晶葉『一応、理由を聞いてもいいか』
凛 「真ゲッターの力が必要になる時が近付いてる、そんな気がする」
晶葉『あの時の早乙女博士の様なことを言うんだな。根拠があるのか?』
凛 「卯月がね、ゲッターD2を窮屈、って言ったんだ」
晶葉『卯月が?』
凛 「その内、ゲッターD2じゃ足りなくなる。卯月にはきっと、真ゲッターロボの力が必要なんだ」
晶葉『そうか…。分かった確認程度だった幾つかの項目はチェックから外しておこう』
凛 「ごめん」
晶葉『それにしても意外だな。真ゲッターを使うのに反対していた凛が、そんなことを言い出すとは』
凛 「似たようなことを、卯月にも言われたよ。別に、使うこと自体に反対してたんじゃなくて、過ぎた力に頼ることはどうかと、そう思ってただけだよ」
晶葉『今の状況を見ていたらとてもそうとは思えなくなる、か。そうだな。この先、ランドウがどんな戦力を用意してくるとも限らない。真ゲッターを早いうちに使えるようにして間違いはないな』
凛 「お願い。莉嘉の事も、私達で出来ることは頑張るから」
── 翌朝。
ウウゥゥゥウッ
けたたましくサイレンが鳴り響く。
加蓮「んもぅ…。まだ朝早いってのに…!」
李衣菜「こんなサイレンで叩き起こされたんじゃ、おちおち寝てもいられないね…」
副長「敵の数は!?」
オペレ-タ-「数は…。計り知れません!戦艦級の反応があります!」
副長「戦艦級だと…?シャトナー少尉の追撃部隊にしては随分と大袈裟だな」
艦長「我々の位置を特定したことで、殲滅に乗り出した、と言うところか」
副長「遊軍を助けるためとはいえ、部隊を動かしたのは些か迂闊だったようですね」
艦長「今更言ったところでどうにもならん。総員、第一種戦闘配備、全待機中のパイロットへスクランブル要請。通達急げ!」
副長「はっ!」
オペレーター「戦艦級の識別判明。これは…無敵戦艦ダイです!!」
艦長「無敵戦艦ダイ、だと…?」
副長「日本における恐竜帝国との決戦で、猛威を振るったと言う…!」
オペレ-タ-「無敵戦艦ダイ、艦載機を展開!その数多数、いずれもメカザウルスです!」
副長「メカザウルス…!」
艦長「シャトナー少尉の言う通り、敵は恐竜帝国と言うことで間違いはなさそうだな」
副長「しかし、そうなると厄介なことになります。我々にはランドウと言う脅威もあると言うのに」
艦長「この相手に時間をかけていられないと言うのならその通りだ。かと言って、このまま連中が勢力を拡大させるのを放っておくわけにもいかん」
スミノフ『──…艦長』
艦長「スミノフ大佐。騒がしくさせてしまってすまない」
スミノフ『いえ、それは。それよりも、ボルガで貴艦を援護します』
艦長「いや、貴官らにもこれからの戦いが控えているだろう。この戦い、ボルガの援護は無用だ」
スミノフ『しかし…』
艦長「案ずる必要はない。我々テキサスの乗員も、部隊も、この程度の相手に後れを取るような者など一人もいない」
スミノフ『……了解しました』
艦長「うむ。こんな形の別れになってしまって申し訳ない」
スミノフ『いえ、…ご武運を』
艦長「お互いにな。また生きて、再会できることを期待しよう」
オペレ-タ-「スーパーロボット部隊、発進準備完了しました!」
艦長「よぉし!テキサス機関始動!!スーパーロボット部隊の出撃と同時に、本艦もロシアの地を発つ。次なる目的地は欧州、かの地を我が物顔で支配する恐竜帝国を撃退する!」
艦長「一度は勝利した相手とはいえ油断はするな。我々の次なる戦いだ…!総員、気合いを入れ直せッ!!」
「「「──了解ッ!!」」」
艦長「スーパーロボット部隊、出撃!」
卯月「待ってください!」
艦長「君は、島村卯月くん」
副長「何をしている?そこは、ゲッターのコックピットではないのか?」
卯月「はい。今は格納庫の隅っこで…、って違うんです!ゲッターD2の出撃は待ってください!」
副長「どういう事だ…?おい、ゲッターD2の状況はどうなっている?」
オペレ-タ-「はっ…。既にパイロットは搭乗しており、出撃待機中となってます」
卯月「そうなんです!今のゲッターに乗ってるのは、私じゃないんです…!莉嘉ちゃんが…」
艦長「何っ!?」
オペレーター「げ、ゲッターD2、出撃します!」
副長「なっ…!相手は無敵戦艦の異名を取る敵の大型要塞だぞ!?すぐに発進を止めさせろ!」
オペレ-タ-「無理です!後続機が控えて…出撃を中止できません!」
目の前で飛び出していくゲッターD2。
艦長「何と言うことだ…」
── 格納庫。
卯月「そんな…、莉嘉ちゃん…」
凛 「ごめん。気を付けてたつもりだったけど、止められなかった」
卯月「いえ、凛ちゃんが謝ることじゃないです。けど、どうしたら」
「卯月ッ!」
卯月「ひゃっ…!このマシンって…」
凛 「BT-23…李衣菜が乗ってるの?」
李衣菜「細かい話は後の後!D2が出撃したのに、卯月がここにいるってことは、ただ事じゃないってことでしょ。取り敢えず乗って!」
卯月「でも…」
凛 「李衣菜の言う通りだ。ちょっと危ないかもしれないけど、戦場にいれば、ゲッターD2に乗り移るチャンスがあるかもしれない」
加蓮「とにかくこんなところで考えてるよりは建設的だよ。行こ」
卯月「…分かりました!お願いします!」
ビィトに乗り込む卯月と、凛。
加蓮「あ、凛も一緒に行くんだ?」
凛 「ここに一人残されても、やることもないしね」
李衣菜「ビィトは3人乗りだけど…」
凛 「無駄に広いんだから文句言わない。ほら、早く追いかけないと」
李衣菜「それもそうだ!莉嘉…。頼むから無茶だけはしないで、頼むよ──!」
つづく
次回予告
ゲッターD2で出撃してしまった莉嘉。立ちはだかるのは、無敵戦艦ダイと、メカザウルス軍団を率いる、かつてランドウに与していたキャプテン・ラセツ。
ランドウから盗み出した技術を用い、ダイノゲッターロボをも量産して連合軍に相対するラセツが配下として呼び出したのは、まさかの人物であった──!
次回、『ゲッターロボ×CG』第3部
第24話「甦る帝王!!」に、チェンジゲッター!