ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第24話『甦る帝王!!』

 

──。

 

橘 『──…聞こえているか!?敵は無敵戦艦ダイを主軸とする殲滅部隊だ!その戦力は計り知れん!実戦経験に乏しい君が相手をするには、あまりにも相手が悪すぎる!すぐに帰投するんだ!!』

 

莉嘉「あ~、もうウッサイ!!」

 

橘 『頼む…!応答してくれ、莉嘉くn…──!』 ブツッ

 

莉嘉「ふぅ…、やぁーっと静かになった☆もうすぐでメカザウルスが見えてくるって言うのに、今更後に退けるわけ無いじゃん!…さてと」

 

正面を見据える、眼前にメカザウルスの群れが大挙して咆哮を上げている。

 

莉嘉「…シミュレーターで見るのより大きい…。けど、全然怖くなんて無いんだから!」

 

グォンッ

 

莉嘉「ゲッタービィィーームッ!!」

 

先手必勝とばかりにゲッタービームを放射状に照射。爆炎が弾け、黒煙が巻き上がる。

 

莉嘉「どんなもんだい!……あれ?」

 

黒煙の中から、ゲッタービームなどものともせず、メカザウルスが進軍してくる。

 

メカザウルス’s『キシャァァアオォォンッ!!』

 

各メカザウルスが背負ったり、その両腕に備え付けたりした火器をゲッターD2めがけて一斉に放つ。

 

莉嘉「わわわわわっ!やばっ…!」

 

ゲッターD2の身を翻し、滅茶苦茶な飛行で襲い来る弾幕を掻い潜る。

 

莉嘉「あっぶなぁ~…。前に晶葉達が話してた、対ゲッター線装甲とか言うヤツ?くっそ~!ズッコいんだから!」

メカザウルス『キシャァァァアッ!!』

莉嘉「っ…このっ…!」

 

ジャキンッ

 

ゲッタートマホークを抜き打ち、目の前に迫るミサイル等の弾幕は切り払いながら強引にメカザウルスとの距離を詰める。

 

莉嘉「だぁっしゃあぁぁあああッ!!」

 

目前に捉えた、メカザウルスの一体の首を、トマホークでバッサリ切り落とす。

 

莉嘉「どうだ!ゲッターの武器は、ビームだけじゃないんだから!」

メカザウルス『……』

 

莉嘉の気迫に、メカザウルスの群れが一瞬怯む。

 

莉嘉「今だ!とぁあああああッ!!」

 

その隙を逃さず、トマホークを構え突撃。密集したメカザウルスの中で、敵を切り刻む。

 

莉嘉「このっ!このっ!このっ!このぉッ!!」 ガシャッガシャッガシャッ

 

がむしゃらに操縦悍を押しては引いて、その動きに連動するように、ゲッターD2は暴れるように立ち回る。

 

莉嘉「やれる…!出来る!私にも敵を倒せる!!メカザウルスくらいなんて事無いッ!!」

 

トマホークブーメランを放ち、2、3体のメカザウルスをまとめて切り伏せる。

 

「フハハハハハッ!!流石はゲッターロボ。メカザウルス程度では相手にも出来んか!」

莉嘉「っ!この声は…!」

ラセツ「やはり最後の壁となって立ちはだかるのは貴様か。ゲッターロボ!!」

莉嘉「あ、アンタ、ランドウのとこの…ってことは、やっぱり欧州を襲ったのもランドウ!?」

ラセツ「ふん…。あの老いぼれの利用価値などとうにないわ。今こそ我々、恐竜帝国が立ち上がり、この地上を一挙に手中に修める時が来たのだ!!」

莉嘉「ランドウを裏切ったの?」

ラセツ「裏切ったのではない。はじめから、狙いは奴の持つ科学力!それの奪取が済んでしまえば最早用済み。それだけの事よ」

莉嘉「うっわぁ~…。悪の組織っぽい悪どい台詞…。そうやって誰かを利用して、甘い汁を吸ってばっかだと、結局良いようには行かないんだよね!」

ラセツ「小娘が知ったようなことを!止められるものならやってみるがよい!この白銀の大地に、貴様の屍を晒してくれるわ!!」

莉嘉「やれるもンならやってみろぉー!メカザウルスをいくら集めたって、ギッタンギッタンにしちゃうんだから!」

ラセツ「ふふっ。我らの兵器がいつまでもメカザウルスだけと思うなよ、小童」

莉嘉「えっ!?」

ラセツ「冥土の土産だ!見るがよい!ランドウの持つ技術力を持って完成した、我が精鋭達を!!」

 

無敵戦艦ダイの格納庫から、”それ”は一斉に放たれた。

 

莉嘉「!!…あれって、ダイノゲッターロボ!?」

 

前方に無数に布陣する、ダイノゲッターロボの群れ。

 

莉嘉「ゲッター1も、2も3も…!こ、こんなに一杯…!」

ラセツ「ダイノゲッターロボのデータは、元より恐竜帝国のものだからな。無論、ただデータそのものを量産したわけではない。ランドウの技術によって、各形態にはそれぞれ手が加えられている」

ラセツ「キャプテン・ガルマ、ダイノゲッター軍団の指揮は任せるぞ」

ガルマ「はっ!我ら恐竜帝国に、今度こそ勝利を!!」

莉嘉「先頭のダイノゲッター1には、キャプテンまで乗り込んでるの?」

ガルマ「ゲッターの力を手にした今、貴様との戦闘力は互角…。否、我が武の誇りに賭けて、優劣において既に圧倒している!」

莉嘉「っ……」 ブルブル…

ガルマ「覚悟せよ!一人でのこのこ死にに来たことを後悔するがいい!!」

莉嘉「うぅ…っ。くっ…!」

 

グッ

 

莉嘉「……から…!だから何なの!?こっちだってゲッターだぁ!!」

 

ゲッターD2、突貫。

 

莉嘉「うりゃぁあああ~っ!!」

 

水平に、トマホークを振りかぶる。

 

ガルマ「ふっ…、愚かな」 ガシッ

莉嘉「なっ…!」

 

ゲッターD2のトマホークを受け止めた量産型ダイノゲッター1が、そのままゲッターD2を宙へ放り投げる。

 

莉嘉「わぁっ!?」

ガルマ「優劣は既に圧倒していると言っているのだァ!!」

 

Dゲッタ-1’s「「「!!」」」

Dゲッタ-3’s「「「!!」」」

 

空中で体勢の整いきらないゲッターD2に降り注ぐミサイルとビームの雨あられ。

 

莉嘉「あぁ…っ!くぅ…!」

 

両腕をクロスさせ、攻撃を防ごうとするも、

 

莉嘉「うぁ…!」

 

ミサイルが弾けた黒煙から弾き出されたゲッターD2には明確なダメージが残っていた。

 

ガルマ「まだ終わらぬぞ…!行けぃ!我がゲッター軍団ッ!!」

Dゲッタ-2’s「「「!!」」」 ギュルゥゥゥウンッ

 

大きく身を仰け反らせたゲッターD2に、ドリルを唸らせ量産型ダイノゲッター2の群れが迫る。

 

莉嘉「そ…そうそう思い通りに何て…!」

 

辛うじて攻撃を躱していくものの、表面を掠ったドリルが、装甲を削っていく。

 

ガルマ「何時までそうしていられるかな?」

莉嘉「くぅっ!うぅ…!げ…ゲッタービーム!!」

ガルマ「ほぅ…!」

 

飛び込んでくる敵に何とか反撃。ビームが量産型ダイノゲッター2を貫き、粉砕した。

 

莉嘉「き、効いた…!そっか、こいつらにはゲッタービームが効くんだ!」

ラセツ「フッ…」

莉嘉「そうと分かれば…!ゲッタァアビィィームッ!!」

ガルマ「手の内を透かして…!同じ手が通じると思うのか!?」

莉嘉「!?」

ガルマ「防御陣形!!」

 

量産型ダイノゲッター達がスクラムを組むように重なり、その正面に不可視のバリアのようなものが現れ、ゲッタービームを弾いた。

 

莉嘉「ど、どうして…」

ガルマ「個々のゲッター炉心を共鳴させることでエネルギーを増幅させ、強固な壁を作り上げる。ゲッターエネルギーのバリアよ!!」

莉嘉「そんな!バリアなんてズルい!!」

ラセツ「卑怯などと!戦いに卑怯もラッキョウもあるものか!勝った者のみが官軍よ!!」

莉嘉「難しいこと言ってぇ~…!」

ガルマ「御託は終わりか?ならば、各機攻撃陣形!ゲッターにトドメを刺せぇい!!」

 

Dゲッター’s「「「!!」」」

 

莉嘉「きゃあぁあああ~~っ!!」

 

ビームが、ミサイルがドリルが、雨霰となって降り注ぐ。

 

ラセツ「フハハハハッ!!見ろ、我々はついにゲッターの力を手中に収めたのだ!出来損ないのゲッターなぞ、最早恐るるに足らず!!」

 

「それは!どうでしょうか!?」

 

ラセツ「何奴!?」

 

茜 「プラズマ~~~っ!ッノヴァァアアアッ!!!」

 

ドワォッ

 

莉嘉「え?きゃあっ!」

 

ゲッターD2の目の前でプラズマが閃光と弾け、押し寄せていた量産型ダイノゲッターの大群を呑み込んだ。

 

ガルマ「ぐぅ…!な、何事だ…!?」

ラセツ「っ……!このプラズマ砲…、ゲッターロボ飛焔とか言う奴か!」

茜 「そう…!その通りッ!!」

 

バンッ

 

茜 「真紅の体に闘志を乗せて!燃やせ勝利の真っ赤な炎!!」

 

ババンッ

 

茜 「勇壮合体!!ゲッターロボ、飛焔!!!!」

 

カッ

 

茜 「 ご期待通りにただ今参上ッ!!!!」

 

莉嘉「茜…!みんな!!」

 

ボブ「おっと!もちろん、ゲッターロボ飛焔だけじゃねぇぜ?」

ジャック「テキサスマックを添え物扱いは、No Thank you!まとめてクラッカーにしてやるゼ?」

リンダ「ハ虫類ごときに欧州を蹂躙させはしないわ!」

サム「テキサススーパーロボット連合、全員揃い踏み、ってか?」

シュワルツ「……」

奈緒「お前もちょっとは愛想よくしろよな」

シュワルツ「ウッセ」

シャトナ-「あと、雑魚が一匹な」

 

李衣菜「ザコって言うなぁ!!」 ピョンコ ピョンコッ

 

全長40メートル前後のスーパーロボットに囲まれて、10mのビィトが小さく跳ねている。

 

凛 「ま、ビィトじゃ何を言われても仕方ないね」

李衣菜「む~っ。ビィトだって、弱い訳じゃないよ!ビィトなりの個性と戦い方があるんだからっ」

加蓮「はいはい。ビィトへの熱意はあとで聞いてあげるから。余所見してる余裕なんて無いんじゃない?」

卯月「とにかく、今はD2に近付かないと!」

李衣菜「そうみたいだね。隙を見て、何て言ってる暇はなさそう…」

凛 「ダイノゲッターが、量産されてる」

サム「おまけに前線は、メカザウルスの大群だ。この群れを崩していくのは一筋縄じゃ無理だぜ…」

ジャック「Don't give up!!やるしかないゼ!!」

美穂「何とかして、莉嘉ちゃんを助けなきゃ!」

卯月「そのためにも、私達がいきます!お願いできますか?李衣菜ちゃん!」

李衣菜「モッチロン!任せてよ」

加蓮「しっかし、アタシ達が入り乱れた状態だと乱戦は確実。その状況で卯月をゲッターに乗せ換えるってのも、神業的な話だね」

シャトナ-「それでホントに状況が変わンのかァ?」

リンダ「実戦慣れしてない素人よりはマシ、程度の認識でも構わないわよ。貴方の場合はね」

シャトナ-「ま、兵士としての仕事はしてやるよ。あとは好きにやりゃいいさ」

加蓮「ホント、いけ好かない奴…」

李衣菜「まぁまぁ、戦ってはくれるんだから。こっちはこっちで集中すればいいじゃん」

サム「来るぜぇ…!構えろぉ!!」

 

メカザウルスが咆哮を上げ、戦端は開かれる。

 

メカザウルス『グギャァアアアッ!!』

リンダ「美しくないのよ!貴方達は!!」

 

キングダムは両腕のヒートブレードを構え、鮮やかな動きでメカザウルスの群れの隙間を縫うように舞い、メカザウルスを両断していく。

 

ボブ「サム!構うこたぁねぇ!大盤振る舞いで歓迎してやりな!!」

サム「オラオラオラァ!!クラッカーになりてぇ奴から向かってきやがれ!!」

 

ロボ・ストーンはショルダーキャノンを連射。辺り一帯に爆炎の華を咲かせていく。

 

奈緒「あたし達はどうするんだ?」

シュワルツ「はっ!ゴタゴタに巻き込まれるのは勘弁だ。後ろから行かせてもらうぜ!」

 

ロボ・ストーンの後方から、ステルバーがST-ブラスターで撃ち漏らした敵を狙う。

 

奈緒「せこ」

シュワルツ「バカみたいに無駄弾撃つ方がスマートじゃねぇんだよ」

ジャック「シュワルツの言うことにも、一理あるネ!──ハッ!!」

 

姿勢を低く落としてメカザウルスの足を払い、

 

ジャック「Out!!」 BANG!!

 

転倒したメカザウルスの脳天にマックリボルバー一発で撃ち抜き、機能を停止させた。

 

ジャック「Fooo. 時にはCoolに決めるのもImpotantダゼ!」

メリー「兄さんにクールのイメージはほど遠いわね」

ジャック「HAHA! まさかMy sisterに一本取られるとハ!」

 

ガルマ「くっ、連合軍の奴等、意外に出来る…!」

ガルマ「ダイノゲッター各機、メカザウルスの支援に迎え!!」

Dゲッタ-’s「「「!!」」」

ガルマ「我々恐竜帝国の力に、ゲッターの力が加われば、如何なる相手にも負けはせぬっ!このゲッターの相手は、私一人で十分!」

莉嘉「ば…バカにしちゃってぇ~…!」

ガルマ「ゲッタートマホーク!!」

莉嘉「こっちだってぇ~!ゲッタートマホーク!!」

 

互いにトマホークを抜き放ち、対峙する。

 

ガルマ「ほぅ…。まだ向かってくる気概があるか」

莉嘉「当たり前じゃん!このまま逃げるなんて出来ないよ。このまま逃げたらアタシ…!アタシ、最高にカッコ悪いじゃん!」

ガルマ「カッコ悪い、か…。……フッ」

莉嘉「大きな顔してられるのも今のうちだぁ!やぁああああ~っ!!」

 

手斧サイズのトマホークを両腕で握りしめて、大上段に振り上げながら、ゲッターD2は飛び込んでいく。

 

莉嘉「とぉりゃぁあああ~~!!」

ガルマ「……」 グッ…

莉嘉「え…?きゃっ…!」

 

ガルマの量産型Dゲッター1は、静かな動きで飛び上がったゲッターD2の足を払い、気勢を崩す。

 

ガルマ「いかに力量差を見せられようと、臆せぬその気概は良し。しかし…」

莉嘉「…あ──」

 

トマホークの先端をゲッターD2の鳩尾に抉り込ませ、

 

ガルマ「戦う意志が脆弱ではなァ!!」

 

そのまま、ゲッターD2を地面に叩き付ける。

 

莉嘉「──カッ…!」

ガルマ「未熟な腕で己が面子を保とうとは、笑止千万!己と相手の実力の差を見極められぬ者に、守る底面などあるものか!!」

莉嘉「うぅ…ゲホッゴホッ…!うぁ~!口の中切っちゃった~…。気持ち悪ぅい」

ガルマ「死ねぃ!!」

ブォンッ

 

莉嘉「あわわっ!ま、マッハ・ウィング!!」

 

振り下ろされたトマホークの一撃を、慌ててマッハ・ウィングを開いて飛び立ち躱す。

 

ガルマ「ちっ…!往生際の悪い奴め…!」

莉嘉「あ、諦めたらダメだって…!こっちは人間、相手は…ハ虫類だけどコンピューターじゃないのは一緒のはずだもん!チャンスはきっとある…!」

ガルマ「ありもしない希望に縋るつもりか!」 シュバッ

 

量産型Dゲッター1も翼を開き、ゲッターD2を追う。

 

莉嘉「い゛ぃっ…!?速っ…!」

ガルマ「ゲッター!キィックッ!!」

莉嘉「ぅあぁっ…!!」

 

ゲッターD2が衝撃に吹き飛ばされていく。

 

李衣菜「莉嘉!早く莉嘉のところに急がなくちゃ…!」

加蓮「とは言っても、この敵の数じゃあ…。っ…!」

 

軽快に跳ね回ってメカザウルスの攻撃を躱す。

 

李衣菜「くらえっ!スピンアターック!!」

メカザウルス『?!?』

 

飛び上がった勢いに乗せたスピンアタックで、メカザウルスを吹き飛ばす。

 

李衣菜「どうだ!」

凛 「ダメだ。これじゃキリがない!」

卯月「もっと何かこう、一撃必殺!みたいなのはないんですか?」

李衣菜「何て言われても、ビィトには斧も剣もライフルも、ヨーヨーもハンマーもないからなぁ」

加蓮「意外と、爆弾として使ったら、威力はありそうだけどね」

李衣菜「最後の武器は自爆って?冗談としてはいいかもね。笑えないけど」

メカザウルス『グギャァアアアッ!!』

李衣菜「わっ!」

シャトナ-「頭下げろ!!」

李衣菜「え?あっ、はい!」 ヒョコ

シャトナ-「!!」 バォッ

 

グスタフの腕部速射砲が、メカザウルスを撃ち貫く。

 

李衣菜「ありがと。ビックリしたなぁ…もう」

シャトナ-「足手まといなら黙って後ろに下がってろ!!」

李衣菜「確かにビィトじゃ戦力にはならないかもしれないけど、引き下がれない理由があるんです!」

 

莉嘉「きゃああああ~~~っ!!」

 

李衣菜「莉嘉っ!…早く何とかしなきゃ…!」

 

茜 「ゲッタァアーートマホォォオクッ!ブゥーーメッランッ!!」

 

ブ ォ ン ッ

 

茜 「メカザウルスは大したことはありませんが、量産されているダイノゲッターが厄介ですね!」

美穂「うん。一形態だけならまだ何とかって思えるけど、三形態全部がこれだけ量産されちゃってると…」

アーニャ「それぞれが、得意な領域で、波状攻撃…。поддержка…対応するのに、精一杯、ですね…!」

茜 「ゲッターD2に近付かれなければいいんですが…!動きを抑えられますからね!……っ!」

Dゲッター2『!!』 ギャルルゥンッ

茜 「このっ…!」

 

量産型Dゲッター2のドリルを躱し、その手で頭部を押さえつける。

 

茜 「離れて!くださいっ!痴漢~~~っ!!」

 

オーバースローのような動きで、量産型Dゲッター2を投げ飛ばした。

 

美穂「ち、痴漢は違うよね…」

李衣菜「それだ!」

美穂「え?」

アーニャ「痴漢が、どうかしましたか?」

李衣菜「そっちじゃなくて…、と悠長にしてる時間もない…!茜!友紀さん秘伝の必殺技だ!!」

茜 「えっ!?」

 

莉嘉「ゲッタービーム!ゲッタービーム、ゲッタービィーム!!」

 

シュパシュパシュパッ

 

ガルマ「ふん…」

莉嘉「もう!何で一発も当たらないの!?」

ガルマ「当てずっぽうな攻撃など当たるものか。良いか、攻撃と言うのは…」

莉嘉「っ…!」

 

逃げ惑うゲッターD2に追い縋り、拳で動きを制す。

 

莉嘉「あぁ…っ!」

ガルマ「こうして当てるものだ!!」

 

量産型Dゲッター1の腹部が光輝く。

 

ガルマ「ゲッター!ビームッ!!」

 

ズアッ

 

莉嘉「きゃあああああっ!!?」

 

至近距離でのゲッタービームの直撃。これまでにない衝撃が、ゲッターD2を襲う。

 

莉嘉「う…!あ…あれ…!?ど、どうしてっ…!」

 

操縦桿からの指示を一切受け付けず、ゲッターD2はそのまま地表に落下。

 

莉嘉「どうして…!?何で動かないの?!ねぇ!返事してよ、動いてよぉ!!」

 

ヒュウゥゥ…ゥン……

 

莉嘉「そんな…!シミュレータじゃ、こんな事…」

ガルマ「とうとう足掻きも終わりのようだな」

莉嘉「ひっ!」

ガルマ「一思いに逝かせてやる。せめて貴様の神にでも祈るが良い」 ジャキッ

莉嘉「い、いや…っ!」

 

ゲッターは動かない。脱出しようにも、体はすくんで動けない。

 

茜 「準備はいいですか!李衣菜さん!!」

李衣菜「オッケー!何時でもやっちゃって!」

卯月「ほ、ホントにやるんですかぁ…?」

加蓮「覚悟決めなよ。うちのリーダーは、やると言ったら絶対やるから」

卯月「加蓮ちゃんは何でそんなに落ち着いてるんですか?」

加蓮「ま、何時もの無茶に比べたらマシな方だし」

卯月「マシ、ですか…」

李衣菜「時間もない!思いっきりやっちゃって!」

茜 「分かりました!行きますよぉ~!!」

美穂「…卯月ちゃん、ごめんね」

 

ビィトを野球ボールのように握り込んだゲッター飛燕が、空中でさながらピッチャーのようにビィトを振りかぶる。

 

ガルマ「死ねぇい!!」

莉嘉「っ……!」

 

茜 「必殺!!アイドル魂完全燃焼ッ!!キャノン!ボールアタックでぇ~~すッ!!!!」

李衣菜「ウゥゥッヒョォォォオ~~~!!」

卯月「やっぱり無茶苦茶なんですけどぉお!!?!」

 

ビュゥワッッ

 

ボブ「うぉっ!?な、何だぁ?」

サム「ロボ・ストーンの頭上を、何かがスゴい勢いで飛んでったみたいだけど…」

メリー「今の、リーナ達が乗ったビィトよ!」

ジャック「What's? 人間砲弾カ?」

リンダ「確かに、人を乗せた砲弾、かもしれないわね…」

シュワルツ「あんなんコントロール出来んのか?ただの特攻兵器じゃねぇか」

奈緒(一緒に乗ってなくて良かったぁ…) ホッ

 

凛 「~~~っ!」 グルングルンッ

加蓮「~~~…っ!」 グルングルンッ

李衣菜「ィヤッッホォォオゥ!!このまま莉嘉のとこまで一直線だ!」

 

Dゲッタ-1『!!』

 

李衣菜「へっ、面白いじゃん!」

卯月「やるしかないんでしょうか?!」

 

さながらレーザービームのように、物凄い勢いで一直線に飛来するビィトの前に立ちはだかった量産型ダイノゲッター1を、

 

李衣菜「雑魚はスッ込んでやがれぇ!!」

Dゲッタ-1『!?!?!?』

 

勢いのまま胴体を貫き、破壊。

 

李衣菜「やりぃ!このまま一気に!!」

 

ビィトの視界に、今まさにゲッターD2に襲い掛からんとする量産型ダイノゲッター1を捉える。

 

ガルマ「これで終わりだ!……むっ!?」

李衣菜「あれぇえ~~~?」

 

真っ直ぐに飛行するビィトは、軌道を変更することもなく、量産型ダイノゲッター1の後ろを通過。

 

ガルマ「ふんっ。雑魚か」

李衣菜「~~~ッ!!ビィトをナメるなぁ!! 」 グンッ

 

ガガッ

 

卯月「わぷっ!」

 

着地と同時に急制動。落下の衝撃と、急制動の圧力がコックピット内部を襲う。

 

李衣菜「どおぉぉぉりゃぁぁあああああッ!!」

 

反動をバネに跳躍。向かう先は、トマホークを振り上げた量産型ダイノゲッター1の背中。

 

ガルマ「死ねぇぇィ……がぼァッ!!?」

 

ビィトの頭突き。鐘を打ち鳴らすような音が響き渡った。

 

李衣菜「へへっ!ビィトの底力、思い知った?」

卯月「あぅ~……。頭がクラクラしますぅ~…」

加蓮「けど、こんなんじゃやっぱ倒せもしないね。…チッ」

凛 「倒すのが目的で来たんじゃない。距離を離せたなら、それで十分だよ」

卯月「どうして何事もなかったみたいにお話しできるんですか…?」

李衣菜「私らにツッコむのはいいから。早く莉嘉のとこに行ってあげて!」

卯月「え?…あぁ、はいっ!──よいしょっと」

 

コックピットのハッチを開き、ホバリングで宙に滞空しているビィトから身を乗り出し、

 

卯月「いきますっ!」

 

勢いをつけて宙に身を投げ、自由落下でゲッターD2のハッチの上に着地。

 

卯月「……システムがダウンしてハッチが開かない?…仕方ありません。待っててください、莉嘉ちゃん!」

 

非常開閉装置のコックを勢いよく引いてハッチの風防をパージ。解放されたハッチから、コックピットへと滑り込む。

 

卯月「莉嘉ちゃん!大丈夫ですか?」

莉嘉「──…うぅん……」

卯月「良かった…。意識を失ってるだけみたい。起きてください、莉嘉ちゃん!しっかりして!」

莉嘉「うぅ…っ、ん……?…卯月?」

卯月「はいっ!怪我とか、痛いところはありませんか?」

莉嘉「…アタシは大丈夫。でもゴメン、アタシゲッターを……」

卯月「それなら、きっと大丈夫です」

莉嘉「え…?」

卯月「席、変わってもらっていいですか?」

莉嘉「あ、うん…」

 

シートからずれた莉嘉と交代。

 

ピッ ピッ

 

──ウゥゥゥ……ンッ

 

莉嘉「あ…」

 

慣れた動作でパネルを操作し、ゲッターD2を再起動。

 

卯月「戦闘でのダメージに、落下の衝撃が加わって、ちょっとだけ機能停止しちゃっただけです。私たちを守ってくれるゲッターはそう簡単に壊れませんよ!」

莉嘉「……」

卯月「さて…」

 

手元のサブ・モニターに機体情報を表示。各部のダメージを確認する。

 

卯月(…何て言っても、思ったよりもダメージは大きいかも…。関節部の負担が特に。でも…)

 

パージされたハッチの代わりに非常用シャッターを下ろし、ゲッターD2を再起動。

 

凛 「よし、無事にゲッターは再起動できたみたいだね」

加蓮「けど、まともに動くの?パッと見でも大分ダメージ受けてるみたいだけど?」

凛 「仮に戦闘は無理だとしても、卯月ならゲッターを持って帰ることくらいは出来るよ。卯月の方の心配よりも李衣菜、仕事を終えたんだから早く撤退しよう」

李衣菜「分かってる。さすがにこれだけのゲッターをビィトで相手にするのは死にに行くみたいなもんだもんね…」

ガルマ「大人しく逃がすと思っているのか?」

李衣菜「げっ…!隊長格、復活が早い…」

ガルマ「雑魚だからと情けを掛けてやれば、やってくれおったな!最早生きては帰さぬわ!!」

加蓮「なーにアタシ達が悪者みたいに言ってるんだか。勝手に情けを掛けようとしたのは、そっちじゃん」

凛 「たっぷりの油断付きでね。それでこっちに文句言わないでほしいよ」

李衣菜「2人とも、言いたいこと言い過ぎ」

ガルマ「黙れぇ!!雑魚が粋がりおって、その振る舞いがどのような結果を生むか、ここでその骨の髄に思い知らせてやる!」

李衣菜「ほらぁ、マジギレしたじゃん!」

卯月「そうはさせません!」

凛 「卯月?ゲッターD2は動くの?」

卯月「はいっ。思ったよりはダメージを受けてましたけど…」

 

グググッ…

 

両脚一杯に力を込め、ゲッターD2は立ち上がる。

 

卯月「ゲッターはまだ戦えます!!」

凛 「……。分かった。無茶はしないで、って言ってもしょうがないか」

卯月「えへへ…。ごめんなさい」

凛 「分かってるなら、謝らないで」

卯月「はい。今はとにかく、勝つしかないんです。今を生き抜いて、明日を掴むには。だから…!」

ガルマ「威勢はいいな。だが、そのボロボロのゲッターで我らのダイノゲッター軍団を前に、どこまで出来るかな?」

 

Dゲッタ-’s「「「!!」」」 ザッ

 

凛 「ダイノゲッターの量産なんて、面倒なことしてくれるよ」

加蓮「でもさ、連中ってゲッター線に弱いんじゃなかったっけ?そんな無茶して、体は大丈夫なの?」

ガルマ「大丈夫なものか。ある程度のゲッター線を中和できるとはいえ、 今この瞬間も我が肉体はゲッター線の侵食を受けている」

李衣菜「じゃあ、体を毒に侵されながら戦ってるって言うの…?そんな、死んじゃったら何も意味なんてないじゃん!」

ガルマ「それがなんだと言うのだ?恐竜帝国の再興と、再び地上の支配を手に入れるためならば、この命など惜しくはないッ!!」

加蓮「お国のために殉じますって?アホらし」

凛 「加蓮ならそういうと思った。私も、同感」

ガルマ「ぬかせ!所詮貴様らサル共に、我らの高貴な誇りなど分からぬ!」

李衣菜「そんなので偉そうにしないで!命を大切にできない誇りなんかより、ロックなハートビートの方が、ずっとスゴいに決まってる!」

凛 「張り合ってる場合?こっちの機体はビィトだよ」

李衣菜「この際機体なんて問題じゃない…!これは互いのハートとハート、プライドを賭けた戦いなんだ!」

加蓮「何か熱くなってる」

ガルマ「フンッ!小娘ながらに面白いことを言う!その脆弱なプライドとやら、粉々に打ち砕いてやるわ!!」

 

Dゲッタ-’s「「「!!」」」

 

凛 「一斉に来る!」

莉嘉「この二機だけじゃ勝てっこないよ!早く逃げよう?」

卯月「…莉嘉ちゃん」

莉嘉「卯月…?」

卯月「しっかり掴まっててください!」

莉嘉「……!」

李衣菜「よし、先ずは私達が!」

凛 「逃げるの?」

加蓮「威勢よく?」

李衣菜「今敵に背中を見せても、ただ的になるだけ。だったら…!」

 

バッ

 

李衣菜「先ずは突っ込む!!」

 

量産型ダイノゲッター軍団に向かって、ビィトを加速。

 

李衣菜「喰らえぇえ!!」 バババッ

 

両腕のバルカンを敵陣に向かってバラ撒く。

 

Dゲッタ-1『!』

加蓮「分かってはいるけど、この火力じゃ抜けないか…」

凛 「反撃が来るよ!」

李衣菜「オッケー!やってやろうじゃん…!」 グッ…

Dゲッタ-’s「「「!!!」」」

 

ズァオッ

 

李衣菜「ロックンロォオーールッ!ヒャッホゥー!!」

 

ビーム、ミサイル、銃弾。押し寄せる弾幕の波を、白銀の大地を滑らせて躱していく。

 

李衣菜「ほらほらぁ!どうしたの、私はこっちだよ!!」

ガルマ「調子に乗りおって…。望み通り、貴様から葬ってやる。各機チビに火力を集中せよ!」

李衣菜「!!」

 

ビィトの眼前で、爆煙で火柱が上がる。

 

李衣菜「…ふぅー!なかなかロックな攻撃じゃん。そうこなくっちゃ!」

加蓮「余裕かましてる場合?」

凛 「もうすぐ、敵に包囲されるよ」

李衣菜「そう、それでいいよ。ビィトはちっちゃいんだから、もっと近付かないと、そんな大砲なんて当たんないよ!」

 

四方をダイノゲッターに包囲される。

 

李衣菜「これはこれで威圧的な光景…」

ガルマ「観念したか?せめて一思いで楽になるがいい!」

李衣菜「へへっ!楽になる前に、ロックになりたい!」

凛 「上手いこと言ったつもり?」

李衣菜「これが奥の手中の奥の手!行くよ!」 ガシュッ ガシュッ

加蓮「って、何時ものカーゴ形態じゃない!」

ガルマ「防御を固めたところで、こちらの攻撃を防ぎきれるとでも!?」

李衣菜「この形態の目的は、それだけじゃない!えいっ!」

 

その場で、ビィトを回転。

 

ガルマ「何の真似だ……むっ…?」

 

ビィトの回転によって足元の雪が巻き上げられ宙を舞い始める。

 

ガルマ「こ、これは…!?」

 

ギュルン ギュルンッ ブォォオオオオオッ

 

ビィトの回転の勢いが増すごとに、巻き上げられた雪も勢いを強め、吹雪そして暴風雪へと変わり、視界を白く染めていく。

 

李衣菜「浜口流忍法・秘技”雪隠れの術”!!」

 

辺り一帯がビィトの起こした暴風雪により白く塗りつぶされ、その中にビィトの姿は掻き消える。

 

ガルマ「ぬぅうううっ!?所詮はこけおどし!各機、目標が中心にいるのは変わらん!一斉射撃で撃ち落とせ!!

Dゲッタ-’s「「「!!」」」

 

ダイノゲッター軍団の一斉射撃によって、舞い散る吹雪を吹き飛ばすほどの爆発が生じた。

 

ガルマ「やったか!」

 

爆煙が収まると、そこにはクレーターが一つ。

 

ガルマ「…跡形もなく消し飛んだか?」

李衣菜「いいや、違うね!」

ガルマ「!」

卯月「上です!」

ガルマ「何とぉ!!」

 

上空から声が響くと同時に、ビームの雨が降り注ぎ、密集した量産型ダイノゲッターの軍団を一網打尽に破壊していく。

 

ガルマ「ぐぅ…!こちらの包囲陣形を逆手にとったと言うのか!?」

李衣菜「その通り!私は、狙いを引き付けるための囮って訳!」

加蓮「ホント、こんな豆戦車の挑発に乗ってくれて、助かったよ」

ガルマ「回転してこちらの目を欺いたのは、上空に逃れる瞬間を捉えさせぬためか!」

凛 「下に逃げるよりは安全だからね。先に上昇して待機してた卯月にキャッチしてもらったよ」

李衣菜「さぁ、これでこっちも準備が整った!卯月、派手にやっちゃって!」

卯月「ほ、ホントにまたやるんですかぁ~?」

加蓮「ビィトの全速力で逃げても、誰かに捕捉されるだけだからね。なら、一気に離脱出来た方がいい」

李衣菜「ほら、茜みたいに、気合い入れて。ヨロシク!」

卯月「よ、よぉ~しっ!頑張りますっ!!」

 

卯月「アイドル魂完全燃焼~!キャノンボールアターーック!!」

李衣菜「ウッヒョーーーッ──!!」

 

ヒュゥゥゥウン…ッ

 

卯月「ありがとうございました。李衣菜ちゃん」

ガルマ「ふっ、味方を逃がして一人で戦うつもりか。こちらにもまだ手勢は残っているぞ!!」

卯月「莉嘉ちゃん、大丈夫ですか?」

莉嘉「う、うん…。なんとか」

卯月「もうちょっとだけ、我慢してください!」 グッ

 

翼を翻し、急降下。

 

Dゲッタ-1「!」

卯月「ゲッターパァンチ!!」

 

地面に降り立ち、手近な相手の顔面に渾身の拳を打ち込む。

 

Dゲッタ-1「!?!?!?」

 

パンチを受けたゲッターは、一撃で頭部を吹き飛ばし、破砕。

 

卯月「ゲッターキィーック!!」

 

間髪入れず直蹴り。破壊された僚機を乗り越えて姿を見せた量産型ダイノゲッター2を頭部から粉砕し、左右に分断した。

 

Dゲッタ-3「!」

卯月「──! ゲッタートマホーク…!」

Dゲッタ-3「!!」 バオッ

卯月「ブゥーーメランッ!!」

 

こちらに対して距離を取った量産型ダイノゲッター3を、自ら放ったミサイルごと切り裂いて破壊。

 

ガルマ「こちらの攻撃に気付くとは、なかなかやる!だが、トマホークを手放したな!」

Dゲッタ-’s「「「!!」」」

 

得物を手放したゲッターD2に、無数のダイノゲッターが肉薄。

 

莉嘉「う、卯月…っ!」

卯月「……」

ガルマ「これで終わりよ!!」

卯月「マッハ・ウィング──」

ガルマ「!!?」

卯月「スライサァァーーーッ!!」

 

ヒュンッ ヒュンッ ヒュンッ

 

広げた背中の翼が目にも止まらぬ速度で動き、押し寄せた敵陣を縦横無尽に切り裂いた。

 

ガルマ「こ、これは…ぁ…!?」

 

ゲッターD2の周囲に広がる、ダイノゲッターロボの屍。

 

卯月「…あっと」

 

回転して戻ってきたトマホークをキャッチ。

 

ガルマ「ど、どう言うことだ…?これは……。たかが小娘が乗り換えただけで、これほど戦況が覆るものか…!?」

卯月「…まだ、つづけますか?」

ガルマ「何…?ふふふ…!攻め焦ってボロを出したな?最早そのゲッターで戦うことなど出来ぬのであろう!」

莉嘉「う、卯月…!」

卯月「……」

ガルマ「貴様からその問いを掛けると言うのが何よりの証拠!このキャプテン・ガルマ!手負いの獣は逃がさん!」

卯月「…っ」

 

ガクンッ

 

卯月「っ…!?ゲッターD2!?」

 

膝から崩れ落ちるゲッターD2。

 

卯月「お願いです…!もうちょっとだけ!もう少しだけですから!もって…!」

ガルマ「好機と見たぞ!各機、ゲッターD2にトドメを刺せぇえ!!」

 

アーニャ「УраааааааА!!」

 

卯月「ゲッター飛焔!」

 

ゲッターD2と量産型ダイノゲッター軍団の間に、プロト・ゲッター2が割って入る。

 

アーニャ「お待たせしました。ウヅキ!」

卯月「アーニャちゃん!ありがとうございますっ」

ガルマ「ゲッター飛焔か…!あと一歩のところでぇ…!」

アーニャ「おいしい所、持っていくのは、アカネだけじゃありません」

ガルマ「何を?!」

アーニャ「プラズマテンペスト!!」

 

ゴワッ

 

ガルマ「ぬぅ…!?」

アーニャ「ドリルアームッ!」

ガルマ「っ──!!?」

アーニャ「Урааааа!!」

ガルマ「何のぉぉおおお~っ!!」

 

プラズマテンペストの旋風で量産型ダイノゲッター1を怯ませ、その隙を突いたプロト・ゲッター2の鋭い攻撃は、ガルマの渾身の底力で直撃を避けられるものの、すり抜けたドリルアームの衝撃が、掠めた半身を穿つ。

 

アーニャ「……っ!」

美穂「お、おしいっ!」

ガルマ「うぅぅ…ぐっ!おのれぇい!」

茜 「まだやるつもりなんですか!」

アーニャ「向かってくるなら、手加減、しません!」

ガルマ「調子に乗るな!このキャプテン・ガルマ、小娘などに負けはせん!」

ラセツ「もう良い、ガルマ。撤退せよ」

ガルマ「はっ…!?しかし!私はまだ戦えます」

ラセツ「矜持や誇りの問題ではないのだ。メカザウルスもダイノゲッターも奴等を圧倒できるほど量産することはできる。しかし、お前と言う前線で兵を率いる長たる存在は、そう量産することなど出来ん」

ガルマ「むぅ…」

ラセツ「大局のために、ここは退くのだ。何、此度の屈辱など、これから幾らでも返すことはできよう」

ガルマ「…了解致しました」

ラセツ「撤退を支援するために、”あれ”を出撃させる。くれぐれも巻き添えを喰わぬようにな」

ガルマ「あれ…!?あれはまだ調整中の筈なのでは…!」

ラセツ「操縦桿を握って動かすくらいのことはできよう。今こちらから出撃させる事の出来る戦力は、あやつしかおらぬからな」

ガルマ「……」

ラセツ「では頼むぞ。私の期待を裏切ることがないようにな」 プツンッ

ガルマ「…おのれ……。恐竜帝国再興のためとは言え、あのような不埒者に頭を下げなければならんとは…」

 

アーニャ「…?敵の空気が、変わった?」

茜 「まさか、逃げるつもりですか!」

美穂「それはそれで助かるんじゃないかな?こっちも、色々不測の事態があったわけだし…」

アーニャ「Капитанская машина…隊長機くらいは、落とします。その方が、後々楽…ですね」

茜 「アーニャさんに賛成です!向こうは手負い、ここは一気呵成にいきましょう!!」

美穂「悪くないとは思うけど…。……ちょっと待って」

アーニャ「どうかしました、か?」

美穂「うん。無敵戦艦ダイから、何か出てくる…。数は…一機だけ?」

茜 「それならば余裕ですね!たかだか一機、まとめてやっつけてやりましょう!」

美穂「でも、それって可笑しいよ。もし援軍を送るなら、もうちょっと数を出すはずだし、この状況で、撤退を支援するだけにしても、一機だけなんて…」

アーニャ「アー…、強力な敵…。ということですか?」

美穂「多分…。何にせよ、警戒はしておいた方がいいと思う」

茜 「考えすぎでは?ほら、増援を有視界で捕捉しますよ!あれは、ダイノゲッターです!」

美穂「ダイノゲッターロボ…。だけど、あれって……」

アーニャ「ブラックダイノゲッター…!」

茜 「ブラックダイノゲッター!?」

 

悠然と、それは姿を現す。

 

茜 「それは、普通のダイノゲッターと何か違うのですか!」

アーニャ「かつて、日本での恐竜帝国との戦いの時も、同じものを見ました。その時は、恐竜帝国の幹部が乗り込んだ識別みたいなもの、でしたけど…」

美穂「あっ、手前のダイノゲッターが逃げちゃう!」

ガルマ「後は任せたぞ」

???「……」

ガルマ「くっ…!」

茜 「おめおめと逃がすものですか!アーニャさん!」

アーニャ「ファントム・ビジョン!!」

 

プロト・ゲッター2の高速機動。周囲に分身を生み出す動きでブラックダイノゲッターを撹乱しつつ、量産型ダイノゲッターに迫る。

 

アーニャ「そこです!」

ガルマ「ぬぅ!」

アーニャ「やぁあっ!!」

 

量産型ダイノゲッターの背後を取ったプロト・ゲッター2の攻撃はしかし、

 

ガギンッ

 

アーニャ「!?」

???「……」

茜 「こっちの…ゲッター2の動きに追い付いた!?」

美穂「見た目はゲッター1なのに、速い…!やっぱり仕様が他のとは違うの?」

 

???「──…rす」

 

アーニャ「?」

???「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すッ!!」

美穂「ひっ…!な、何…?この人……」

???「殺すぅぅぅうううううっ!!!殺してやる!絶滅させてやる!!ゲッタァアーー!!サル共ぉぉおおおおおおおお~~~!!!」

アーニャ「!!?……ア゛ァッ…!」

 

突如咆哮を上げ、暴れだすブラックダイノゲッター。

 

茜 「ぐぅ……ッ!?ッ…すいません!大丈夫ですか?アーニャさん、美穂さん!」

美穂「う、うん。こっちは大丈夫…。でも、どうしたの、急に?私達を見た途端、堰を切ったように暴れだしたけど…」

アーニャ「……」

美穂「? アーニャちゃん?どうかした?」

茜 「まさか、何処かお怪我を!?」

アーニャ「それは…、大丈夫、です。でも…」

美穂「でも?」

アーニャ「ブラックダイノゲッターのパイロット…。あの、声は…」

卯月「アーニャちゃんも、覚えてますか?」

アーニャ「えぇ…。忘れるはず、ありません。忘れようがありません」

茜 「どう言うことです?恐竜帝国のパイロットに知り合いでも……ッ!?」

 

ガッ

 

???「ゲッター!ゲッター!!ゲッタァアアア!!!サル共めがぁああああああ~~っ!!」 

茜 「アーニャさん!回避を!!」

アーニャ「…!」

 

グォオオッ

 

美穂「何とか引き剥がせないの?!」

アーニャ「ッ…ッ……!」

茜 「どうなってるんです!?こっちの機動の、先を回られてしまいます!」

アーニャ(間違いない…。この声、その主は…!)

アーニャ「やぁあッ!」

 

しつこくすがり付き、滅茶苦茶に暴れまわるブラックダイノゲッターの顔面に、右腕の拳を叩き込んで殴り飛ばす。

 

???「うぎゃぁあああああああッ!!!?」

 

卯月・アーニャ「「帝王ゴール!!」」

 

つづく




次回予告

地獄の底から甦った恐竜帝国よ帝王ゴール。ゴールの駆るブラックダイノゲッターの前に、ゲッターD2は傷付き、パイロットも消耗していく。
目の前で展開される生死を賭けた戦いを目の当たりにする莉嘉の胸に沸き上がる思いとは──!?

次回、ゲッターロボ×CG 第三部
第25話『強くなりたい』に、チェンジゲッター!
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