ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第26話『超気圧の壁!脅威、メガタイフーン!!』

── 上空。

 

凛 「──莉嘉、ちゃんと着いてきてる?」

莉嘉「うんっ☆リーナ達のネオゲッターマシンは、しっかり見えてるよ」

加蓮「けど、資材が乏しい中で、艦長も気前がいいよね~。整備が終わったばっかのゲッターで、実機の訓練をさせてくれるんだから」

凛 「D2の方はともかくとしても、ネオゲッターは損傷は相当酷かったから。動作テストって名目もあるんでしょ」

加蓮「ちゃんと動かなかきゃ戦力外通告でもされちゃう?」

凛 「…どうだろ。少なくとも、ネオゲッターの装甲になる鋼G合金はもう予備がないって言ってたし、もしかしたらもしかするかも」

加蓮「本気で言ってる?…っと、視界にリーナが見えないな…?」

李衣菜「フンフンフ-ン♪ゲッターゲッターゲッター♪不滅のマシン~、ゲッターロボ~♪」

 

ギュルゥゥンッ グルングルンッ

 

凛 「……李衣菜。ネオイーグル号の調子はどう?」

李衣菜「調子も何も、絶好調に益々磨きが掛かってきたって感じ!不滅のマシン、ゲッターロボはここにありってね!」

加蓮「浮かれて調子に乗っちゃってまぁ…。勢い余って、そのまま真っ直ぐ地面に激突したりしないでよね」

李衣菜「分かってるって!流石にもう素人じゃないんだし、うっかり失速したりしないよ」 ピュ-ンッ

加蓮「あ、こら!隊列乱さないの、もうっ」

 

ビュ-ンッ

 

莉嘉「2人揃って行っちゃった…」

凛 「…はぁ」

莉嘉「どうしたの?溜め息なんか吐いて」

凛 「…このチームは、卯月達とは勝手が違うなと思って」

莉嘉「…?何でもいいから早く訓練しようよ!もう時間なくなっちゃうよ?」

李衣菜「莉嘉の言う通り!時間は有限、帰還命令が出るまでにやることやらなきゃね」

加蓮「まったく、誰のせいだと思ってんだか」

李衣菜「だからごめんって。それじゃあ早速…!」

 

艦長『──…聞こえているか?ゲッターチーム各員。応答せよ』

 

李衣菜「あり?」 ズコッ

加蓮「出鼻を挫かれたね」

莉嘉(コックピットの中で、器用にコケるんだなぁ…)

凛 「こちらネオゲッターチーム。どうかしたんですか?艦長」

艦長『おぉ、凛くんか。実はな、現在、我々はランドウの通信妨害から離れて交信可能な衛星との通信を試みていたのだが…」

李衣菜「ふむふむ」

艦長『そこで、欧州圏の気象衛星を確認することができた」

凛 「それは、おめでとうございます?」

莉嘉「それと、アタシ達を呼び出したことと、何の関係があるのー?」

艦長『あぁ、その衛星が、ドイツの国境線付近で不可解な気圧の変化を捉えていてな』

李衣菜「不可解な、気圧の変化?」

艦長『うむ。一見するとそれは、規模の大きいハリケーンのようにも見えるのだが、勢力が強すぎるのだ』

李衣菜「勢力が強すぎるって、どのくらい?」

艦長『観測されたハリケーンは、一つの都市をスッポリと覆い尽くしている。何の予兆もなく、これほどのハリケーンが起こるなど、欧州ではあり得ん』

凛 「欧州で勢力を拡大してるって言う恐竜帝国が、そのハリケーンを起こしてるって言うの?」

艦長『可能性は低くないと見ている。奴等の生み出す兵器には、我々の想像も越えた、突拍子もないものも存在しているのは事実だ』

加蓮「だから、偶々外にいて、ついでにドイツ側に近い位置にいるアタシ達に、実態を見てきて調べろ、って事?」

艦長『その通り。だがな…』

莉嘉「まだ何かあるの?」

艦長『実はな、ドイツでの異変と聞いた途端、シャトナー中尉がこちらの制止も振り切って出撃してしまったのだ』

加蓮「はぁ?何それ」

艦長『ドイツは彼の祖国でもある。無理もないと言えば仕方あるまい』

加蓮「……」

凛 「とにかく、シャトナーと合流して、そのハリケーンの正体を探ればいいんですね?」

艦長「うむ。もし万が一が起こった場合は、シャトナー中尉を強引にでも引き連れて、帰還してくれ」

凛 「了解」

李衣菜「何だか、そっちの方が本懐になってる気もするけど…」

加蓮「恐竜帝国も現れた今の状況で、戦力を欠くわけにはいかないし。仕方ないんじゃない?」

凛 「無理は禁物。整備が終わったばかりのゲッターに、戦力の少ない状況でメカザウルスの部隊と遭遇戦なんて、避けた方がいい」

艦長「では、頼んだぞ」 プツンッ

 

凛 「…厄介なことにはなったね」

加蓮「全く。こっちは訓練のつもりでまともな準備なんて、何にもしてないよ?」

李衣菜「ハンディミサイルキャノンはともかく、ソードトマホークとか、何時もの武装を載せてきたのは正解だったかも」

凛 「戦闘にならない事を祈るか、出来ることを最大限にやるだけだね。莉嘉、訓練は中止。莉嘉は先にテキサスに戻って…」

莉嘉「アタシも行くよ!」

李衣菜「え?」

加蓮「…本気?」

莉嘉「うっ…。そりゃ、戦闘じゃ足手まといになるかもだけど、最悪って時になったら、ネオゲッター1機で、グスタフを連れて帰ってこれるの?」

李衣菜「それは…確かにそうかも」

加蓮「リーナ!」

李衣菜「い、いやでもさ?テキサスの現在地からドイツの国境線までは結構距離あるわけだし、援軍って言うのも期待できないでしょ?頭に血が上ったシャトナーをフォローしながら、援軍を待つ方がリスクは高いんじゃない?」

加蓮「……」

凛 「今回は李衣菜の言うことの方が、一理あるかもね」

李衣菜「でしょ~!へへんっ」

加蓮「紛れ当たりで調子に乗らないの」

李衣菜「ちょっと!」

凛 「ともかく、グスタフが先行してるなら急ごう。ゲットマシンの私達は先に行くから、莉嘉はその後ろを付いてきて」

莉嘉「了解☆」

凛 「間違っても私達の前には出ないこと。調子づいて敵を追い掛けたり、一人で先走らないで。援護と、私達のフォローに徹して。いい?」

莉嘉「分かった…!」

凛 「よし。それじゃあ私が先頭になる。フォーメーションを変えて行くよ──!」

 

── ドイツ国境沿い。

 

李衣菜「──…いた、グスタフだ!」 グッ

凛 「待って、李衣菜」

李衣菜「え、えぇ?」

加蓮「ゲットマシンじゃ止まれないでしょ」

凛 「周囲を警戒しておく必要もある。ここは一旦合体するよ」

李衣菜「そっか、了解。それじゃあ私が先頭で…」

凛 「ううん。周辺を警戒するだけなら、ゲッター2で良い」

李衣菜「分かりました…」

凛 「それじゃあ2人とも、私に合わせて」

 

凛 「ゲッターチェンジ!」

 

ネオゲッター2にチェンジ。地上すれすれの低空飛行で、走行するグスタフを追走。

 

凛 「シャトナー!」

シャトナー「……」

凛 「待って、シャトナー!」

シャトナー「…ガキに呼び捨てにされる覚えはねぇな」

加蓮(何それ?…ホント何様?) ボソッ

李衣菜(加蓮、抑えて!) ボソッ

凛 「…止まってください。ヒム・シャトナー中尉殿」

シャトナー「……」

 

ピタッ

 

李衣菜「ようやく止まった~…」

シャトナー「ガキ共が…。一体何のようだ?」

加蓮「何用もへったくれもないでしょ。一人で勝手に飛び出して…。艦長から首に輪を掛けてでも連れ戻すように言われてるの」

シャトナー「なら、手前ぇらだけで戻りな。こっちは今急いでんだ」

凛 「一人で暴走しても、何も解決しないと思うけど?」

シャトナー「あァ?」

凛 「故郷の事で熱くなるのはそっちの勝手だけど、それで足並み乱されるのは私達だって困るんだよ。テキサスに助けを求めてきたのは、そっちでしょ?」

シャトナー「はっ、半人前が。知ったような口でほざいてんじゃねぇぞ。手前ぇ、やっぱいけ好かねぇな」

凛 「……」

シャトナー「テキサスに我が物顔で居座ってる他のジャップ共もそうだが、手前はその中でも一番いけ好かねぇ。自分には怖いものは何もありませんって目ぇしてやがる。世の中の事を欠片も分かっちゃいねぇ、身の程知らずの目付きだ」

凛 「ご忠告どうも。こっちもギリギリで戦ってるつもりなんで。アンタみたいに、手前勝手する大人にはうんざりしてるよ」

シャトナー「んだァ?目上に対する口の聞き方が分かっちゃいねぇよな。おい」

 

ジャキ…ッ

 

李衣菜「しゃ、シャトナー…!」

加蓮「何のつもり?」

シャトナー「大人舐め腐ってるガキにゃ、キョーイクが必要だろ。なぁ?」

凛 「……」

シャトナー「撃たれたくねぇなら、黙ってそこをどきな。そしたら、今日のところは勘弁してやる」

凛 「……」

シャトナー「どした、銃口が怖くて返事も出来ねぇのか?」

凛 「……」 ハァ…

シャトナー「あン?」

凛 「さっさと撃ちなよ」

シャトナー「何ぃ…っ!」 ギリ…ッ

凛 「尤も、分かってるよね?先に撃ったのはそっちなんだから。その後は、自慢のグスタフが五体バラバラに切り刻まれようと、胴体に風穴開けられようと、文句は言わないでよね」

シャトナー「テメェ…!」 ジャキッ

凛 「私は本気だよ」 グッ…

 

シャトナー「……」

凛 「……」

シャトナー「……」

凛 「……」

シャトナー「……」

凛 「……」

加蓮「……」

李衣菜「……」 ハラハラ…

莉嘉「……」 ドキドキ…

シャトナー「……チッ」

 

李衣菜「……はぁ~~…」 ホッ

凛 「…異常もないみたいだし、テキサスと合流しよう」

加蓮「そう言えば、ドイツでの異常調査もあったんだっけ」

李衣菜「見た感じ、ハリケーンって言うほど荒れてる感じはしないし、特別天気が悪いようには見えないけど…?」

加蓮「寧ろ、雲一つない快晴。衛星のトラブルかなんかじゃない?」

凛 「衛星の観測ミスの可能性もあるか…。一度艦長に報告して、もう一回衛星にアクセスしてもらって…」

シャトナー「馬鹿ガキ共が。何にもねぇから、余計可笑しいんだろうが」

加蓮「だから、それを今から確認しようって言うんでしょ」

シャトナー「間違いねぇ。間違いなく、この間のトカゲ野郎が絡んでやがんだ…!どこに隠れてやがる?!」

李衣菜「あ、待って!」

加蓮「こっちの話なんか聞きやしない!全くなんなの?」

凛 「……」

李衣菜「凛、テキサスと交信とれた?」

凛 「…いや」

李衣菜「え?」

凛 「可笑しい。テキサスと通信できない」

李衣菜「どういう事?別に天気も悪くないし、周りに通信を妨害するものなんて…」

莉嘉「リーナ、凛!大変だよ!」

李衣菜「莉嘉!何があったの?」

莉嘉「メカザウルスの部隊だよ!真っ直ぐこっちに向かってる!」

李衣菜「えぇ!テキサスに連絡できない、このタイミングで…!?」

加蓮「やっぱり恐竜帝国の仕掛けた罠だったって事…!」

凛 「……」 ピッピッ

莉嘉「このままだと、飛び出してっちゃったシャトナーと正面から殴りあいだ!」

加蓮「結局そうなるの?全くどうしようもない!」

李衣菜「凛!シャトナーを追い掛けるよ!あんな奴だけど、今のテキサスには大切な仲間の一人だ!」

凛 「…分かってる。莉嘉も付いて来て」

莉嘉「了解☆」

加蓮「いいの?」

凛 「テキサスと通信できない以上、一人にする方が却って危険かもしれない」

凛 「私が先行する。莉嘉は先にライフルを構えておいて、後方から援護を!」

莉嘉「分かった!ゲッターライフル!!」 ジャキッ

凛 (敵の部隊はホントにメカザウルスだけ…。量産型ダイノゲッターはいない。明らかな陽動…。とはいえ、今は乗るしかないか…)

凛 「行くよ…!ネオゲッター2!!」

 

ギュオッ

 

背中のバーニアに火を入れ、加速。瞬時に迫るメカザウルスの部隊を視界に捉え、左腕のドリルアームをメカザウルスに向けて突き立てる。

 

凛 「プラズマドリルストーム!」

メカザウルス『!?』

凛 「ドリルアァームッ!!」

 

プラズマの旋風でメカザウルスの動きを牽制し、脚を止めたメカザウルスをすかさずドリルアームで貫き、破壊する。

 

メカザウルス『グギュルァァアアアッ!!』

凛 「!」

 

牙を剥き出したメカザウルスの背後からの攻撃をタッチの差で躱し、

 

凛 「ドリル──!」

 

回転するドリルの側面を、メカザウルス目掛け振りかぶり、

 

凛 「──ラリアットォ!!」

 

文字通り、ラリアットの要領で腕を振り抜き、メカザウルスを打ち砕いた。

 

凛 「ドリルアームガン!」 ジャキッ

 

右手を収納して銃口を伸ばし、プラズマの弾丸で正確にメカザウルスを射抜きながら、敵陣中央で立ち回るグスタフに接近する。

 

凛 「やっと追い付いた」

シャトナー「何しに来た!?とっととテキサスに帰りやがれ!」

凛 「ここまで来たら、もう他人事じゃ済まないから。取り敢えずは、現状を切り抜けるよ」

シャトナー「足手まといなんだよ!分かんねぇのか!?」

 

ドゥッ

 

メカザウルス『ギャアッ!?』

 

ドゥッ

 

メカザウルス『グワァッ?!』

 

グスタフとネオゲッター2を包囲したメカザウルスを、遠方からゲッターD2のライフルが狙い撃つ。

 

莉嘉「そう言うのは、もっとこっちの実力を知ってから言ってよね☆」

シャトナー「…チッ」

凛 「いい射撃だよ、莉嘉」

莉嘉「へっへ~ん☆みんなが訓練に付き合ってくれるお陰で、今じゃ3発に1発は命中するようになったもんね!」

凛 「李衣菜よりは早い上達だ」

李衣菜「ちょっ…!どうしてそこで私の名前が出るの~!?」

加蓮「反動計算出来なくて、初弾を明後日の方向に飛ばした人じゃ、文句は言えないよね?」

李衣菜「うっ…」

シャトナー「手前ぇら!ちったぁ戦闘に集中しやがれ!!」

加蓮「そんなの分かってるっての。こっちは凛が優秀だから、凛メインの時はすることなくって退屈なんだから。…どっかの誰かさんがメインの時と違って」

李衣菜「最後まで返す言葉がない…」

凛 「この…っ!」

 

ドリルアームガンを単発射撃モードから連射モードに切り替え、群がるメカザウルスを一掃していく。

 

メカザウルス『キシャァアアアアッ!!』

 

莉嘉「! 逃げるの?」

シャトナー「逃がすか!待ちやがれ!!」

李衣菜「あ、待って…!凛!」

凛 「……」 クイッ

シャトナー「吹き飛びやがれぇ!!」

 

ズドンッ

 

メカザウルス『!!?』

 

背中から延びるロケット砲で、メカザウルスを撃ち抜く。

 

シャトナー「へっ、どんなもんだ!」

李衣菜「今ので、全部?」

加蓮「だとしたら、あんまり手応えが無いんじゃない?こっちをおちょくってるみたい」

凛 「…あながち間違いでもないかも」

李衣菜「え?」

莉嘉「あった!南西の方向にまだメカザウルスがいるよ!…何か逃げてくみたいだけど」

シャトナー「構うことはねぇ!トカゲ野郎は一匹たりと逃がしてたまるかよ!」

凛 「…余計なことを」

加蓮「凛?」

凛 「何でもない。ともかく、シャトナーを追うよ」 グッ

 

こうして、ドイツ国境沿いから、ドイツ国内へと進んでいった──。

 

── 市街地。

 

メカザウルス『……』 グルルゥ…

シャトナー「追いかけっこもここまでだぜ?これでトドメだ!」

メカザウルス『グギャッ!?!』

 

グスタフの腕から延びた鞭のようなヒートワイヤーが、メカザウルスの首に巻き付き、断ち切る。

 

シャトナー「はっ!余計な手間かけさせやがって…」

凛 「市街地…。どうやら、目的地には到着したみたいだね」

李衣菜「どういう事?」

凛 「敵の動きで気付かなかった?連中は明らかに、私達を誘い込んでた」

李衣菜「確かに、攻撃は散発的だったし、撤退のタイミングが不自然ではあったけど…」

シャトナー「丁度いいじゃねぇか。トカゲ共が何を企んでいようが関係ねぇ。蛇でもサラマンダーでも、何でも出てきやがれってんだ!」

加蓮「…ねぇ、凛が陽動に気付いてたのに、強引にでも引き留めなかったのって…」

凛 「概ね、シャトナーと同じだよ」

加蓮「やっぱり。それでいいの?」

凛 「テキサスと通信できない以上、リスクはあったけど、相手の手の内をギリギリまで見極めたかった。それが分からない内にこっちから退くのは、何か負けた気がして嫌だから」

加蓮「出た…。まったく、クールな振りして、すぐ熱くなる」

凛 「ごめん。でも、こっちだって乗っかってやったんだ。恐竜帝国の自慢の手品、見せてもらおうじゃん…!」

 

「フッフッフッフッフッ!やはり、猿とは後先を考えぬ、愚かな生き物よなぁ?」

 

莉嘉「だ、誰…!?」

凛 「…この声」

 

「私が用意した監獄に、わざわざ足を踏み入れるとは…!」

 

 

李衣菜「加蓮!声の発信元って分かる?」

加蓮「全っ然。って言うか、この街全体から、声が響いてきてる…!?」

李衣菜「街全体…?それじゃあ、あいつの言う監獄って…」

シャトナー「何もんだ!?こそこそ隠れてねぇで姿を見せやがれ!!」

「ハッハッハッ!まぁ、そう焦るな。今のはほんの、デモンストレーションだ。貴様らが足を踏み入れた地、その主が誰であるかを証明するためのな」

シャトナー「ふざけやがって!人のいなくなった街を勝手に間借りしやがって!とんだ狸野郎がいたもんだぜ!」

「狸とはご挨拶だな。よかろう、ならばしかと、その目に焼き付けるが良い。貴様らを処刑する、その執行人の姿をな」

 

ズズズズズズズ…ッ

 

莉嘉「な、何…っ?地震!?」

シャトナー「違う!そんなちゃちなもんじゃねぇ。コイツは…!」

凛 「加蓮、地下をスキャンして!」

加蓮「もうやってる。大きいのが来るよ!」

「ふはははははははっ!!」

李衣菜「あれって、でっかい塔…?中心に恐竜の頭が付いてる」

加蓮「いかにもハ虫人類らしい、悪趣味なデザイン」

「その余裕が何時までもつかな?貴様らには最早、何の猶予も残されてはいないぞ」

凛 「…やっぱり」

莉嘉「何が?」

凛 「ゴールが復活してたからもしかして、と思ったけど、まさかアンタまで蘇ってたとはね。──バット将軍!」

バット「久しいな。まだ生きておったか、ゲッターの小娘」

李衣菜「誰…?」

加蓮「将軍ってことは、元は恐竜帝国の偉い人だったんでしょ。で、何か因縁でもあったの?」

凛 「思い出すと胸くそ悪くなるって因縁が一個ね。そんな訳だからさっさと地獄に却ってもらうよ!」

バット「フハハハハッ!!そう邪険にするな。久方ぶりの再会、私は嬉しいぞ?こうして黄泉路より舞い戻り、ゲッター、今度は貴様らを地獄の釜の底に叩き落とせるのだからなぁ!!」

李衣菜「一々言い方が大仰なんだよ!歌舞伎か日本舞踊の人なの?!」

加蓮「もしくは、舞台志望の人だね。ミュージカルの」

凛 「気にするところが違うよ、2人共」

バット「見るがいい!メカザウルス・メガタイフーンの力を!!」

凛 「!」

 

ウウゥゥゥゥゥ……ンッッ

 

加蓮「…? 何が起こってるの?」

莉嘉「あ!空を見て!」

加蓮「え?」

莉嘉「空が、さっきまであんな晴れてたのに!」

李衣菜「急に雲が出てきて…。これは…!」

 

市街地をすっぽりと覆うように、巨大な竜巻が周囲を包む。

 

バット「見たか!これこそがメガタイフーンの能力!貴様らを囚える大竜巻の監獄よ!!」

加蓮「テキサスが観測した、局地的なハリケーンの正体…!」

シャトナー「けっ!たかが竜巻一つで大仰に!こんなもん!」 ジャキッ

 

威勢よく放たれたロケット砲が、竜巻の壁に激突して、しかし霧散して消える。

 

シャトナー「何!?」

バット「はははっ!!どこまでも愚かな種族よ!メガタイフーンの引き起こす竜巻は神の暴風をも凌駕する!絶対にして不可侵の超気圧よ!!」

李衣菜「グスタフの火力がダメなら、私のゲッター1のプラズマサンダーで!」

莉嘉「ゲッターD2のゲッタービームも!」

凛 「2人共止めた方がいい。エネルギーを無駄に消耗するだけだよ」

莉嘉「けど、それじゃあアイツの思い通りじゃん!」

凛 「そうかもしれないけど、それなら竜巻にぶつけるエネルギーを、別の相手にぶつけた方が手っ取り早い」

李衣菜「そっか!竜巻を発生させてる大本を叩けば…!」

バット「ふん…。力の差を見せつけられても闘志を失わぬとは。流石の蛮族!良かろう──」

 

メガタイフーンの周囲から小さなメガタイフーンと、量産型ダイノゲッターが姿を現す。

 

バット「貴様らがここで処刑される運命は変わらん!矢尽き剣折れ、最期の闘志の一片が枯れ果てるまで、付き合ってやろうぞ!!」

凛 「言われなくっても、どうせ逃げ場なんてないんだ。やれる限りの事はさせてもらう!」

シャトナー「ケッ!仕方ねぇ、やってやらぁ!!」

バット「往け!メカ・タイフーン共、ゲッターを処刑するのだ!!」

莉嘉「ひっ!」

 

小さなメガタイフーン、メカ・タイフーンが大蛇のように体をくねらせ迫る。

 

凛 「…胴体の部分が触手みたいになって、それで自由に動けるのか」

莉嘉「うぇ~!何か気持ち悪~い!」

凛 「莉嘉は下がって。相手は予測出来ない動きで迫ってくる。落ち着いて敵が見える位置で、射撃で応戦して」

莉嘉「う、うん…!分かった!」

凛 「よし、何とか狙いをこっちに…」

 

ガク…

 

凛 「…?」

メカ・タイフ-ン《──!!》

凛 「くっ…!」

 

頭部まるごと使ったメカ・タイフーンの突進を紙一重で避けるが、メカ・タイフーンが地面に激突した衝撃で生じたアスファルトの断片を浴びて、ネオゲッター2のバランスが崩れる。

 

凛 「うぁ…っ!」

莉嘉「凛!」

凛 「大丈夫!こっちは平気…!」

李衣菜「でも、何かあった?」

加蓮「今の攻撃、凛ならギリギリじゃなくても躱せた筈じゃない?」

凛 「……。ゲッターの動き、左半身の挙動が鈍い気がする」

李衣菜「ホント?ちょっと待って、ゲッターをスキャンしてみる…」 ピッ ピッ

メカ・タイフ-ン《!!!》

凛 「この…!」

 

動きの鈍ったネオゲッター2に、構わず突撃を続けるメカ・タイフーン。

 

ズガンッ

 

凛 「!」

メカ・タイフ-ン《!!??》

シャトナ-「言うまでもねぇ!足手まといは下がれ!!」

加蓮「こっちはゲッターのご機嫌も伺わなくちゃいけないってのに、こんな時までやっかんでこないでよ!」

凛 「李衣菜、原因は掴めた?」

李衣菜「電送系統でエラーが起きてる…。間違いなく原因はこれだと思うけど…」

凛 「今何とか出来そう?」

李衣菜「コンピューターのスキャン結果だから、こればっかりは…。一度マシンを止めて、直接見てみないと分かんないよ」

凛 「こんな状況で、止めるって言われても…」

メカ・タイフ-ン《!!!》

凛 「ちぃっ…!」

莉嘉「うおぉぉぉおおっ!!」

加蓮「莉嘉!!」

 

ネオゲッター2に襲い掛かったメカ・タイフーンとの間に、ゲッターD2が割って入る。

 

莉嘉「ゲッタービーーームッ!!」

メカ・タイフ-ン《!?!?!?》

 

正面からゲッタービームを放ち、撃墜。

 

凛 「来ないで言ったでしょ!」

莉嘉「だからって、後ろで黙って見てるなんて出来ないよ!」

凛 「混戦になれば莉嘉だって危険だ!今は自分の安全を考えて!」

莉嘉「卯月もリーナも、みんな乗り越えてきた道なんだ!アタシだって、やってみせる!」

凛 「感情で言ってるんじゃない!このままじゃ、こっちも莉嘉も!」

シャトナー「ガキ共!喧嘩してる場合じゃねぇぞ!!」

李衣菜「凛、飛んで!足元が!」

凛 「何…?」

李衣菜「崩れる…!」

 

グラァ…

 

ネオゲッター2とゲッターD2が揉み合っていた地面が沈下し、瓦解していく。

 

莉嘉「な、何これ!?」

凛 「ゲッターが、落ちていく…?!」

加蓮「早く離脱して!」

凛 「…ッッ!ダメだ、バーニアに火が入らない…!」

加蓮「こんな時に、マシントラブルって…」

莉嘉「きゃああぁぁぁああああ──!!?」

 

突如出現した大穴に呑み込まれていくネオゲッター2とゲッターD2。

 

シャトナー「チッ…!言わんこっちゃねぇ」

バット「…彼奴らめ…!よもや地下空間に落ちるとは…」

シャトナー「……ほぉ。この先にゃ、余程見られたくないもんがあると見たぜ」

バット「ネズミが!行かせると思うか?」

シャトナー「はっ!こういう暗くて湿っぽいとこに潜り込むから、ネズミってんだろが!」 ドシュッ

バット「むぅっ!?」

 

グスタフの放った弾丸が宙空で弾け、眩い光が周囲を包む。

 

バット「閃光弾…!?目眩ましなど、猪口才なぁ!」

シャトナー「へっ、センサージャミングのおまけ付きよ。AI制御だって追えやしねぇ。手前ぇらとの遊びを一旦お預けだ」

 

大穴に飛び込んで消えるグスタフ。

 

バット「おのれぇい!追え!連中を逃がすな!草の根分けても見つけ出し、必ず血祭りに上げてくれるわぁッ──!!」

 

つづく




次回予告

地盤沈下により、地底へと落下した李衣菜達。そこでは、恐竜帝国が地上侵略の足掛かりとするための前線基地の建設を着々と進めていた。
ネオゲッターにトラブルを抱えながら、戦艦テキサス、引いては人類全体の危機を退けるため、基地の破壊を目論む李衣菜達。最強のメカザウルス・テラの猛攻の前に、李衣菜達は基地を攻略できるのか──?

次回、ゲッターロボ×CG 第3部
第27話『戦いは誰が為に』に、チェンジゲッター!
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