ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第30話『北極原の戦い!!』

 

~~~ 戦艦テキサス 格納庫 ~~~

 

李衣菜「一体何が起きたの!?外の状況は!私達は待機ったって、敵襲があるんじゃ…!」

シュワルツ「ちったぁ落ち着けよ。ランドウ由来の戦略兵器で俺達が身動き取れねぇってんだろ」

李衣菜「うっ……」

ジャック「シュワルツの言う通りダゼ。ここでユーがPanicになっても仕方ないネ!」

李衣菜「でもさ!ここで待ち惚けなんて、落ち着かないよ!」

シュワルツ「ギャーギャー喚いた所で、ここから出られる訳じゃねぇだろうがよ」

リンダ「AV-58の格納庫の出撃口まで張り巡らされて、私達のマシンは例えゲットマシンだって出撃不能よ」

凛 「完全に動きは抑えられてるんだね」

加蓮「上手く嵌められたね~。AV-58なんて、そんなの今更出してくるとは流石に思わないっしょ」

メリー「完全に油断していたわ。もう全てのAV-58は、使い切ったと思っていたのに…」

ボブ「一つだけでも都市一つを吹き飛ばす破壊力の戦略兵器。それが一度に四つも…。一斉に爆発した日にゃぁ……ゾッとしねぇぜ」 ブルッ…

リンダ「けど、無力化自体は出来る筈よ。一つでも無力化させられれば、その包囲網にも穴は出来るわ」

サム「問題は、無力化するまでにどれだけ時間を使うか、さ。現状、AV-58に取り付く手段が限られている上、ここは海の上」

ボブ「当然、陸地のようにはいかねぇ。作業が難航しちまったら、それだけ時間を喰っちまう」

茜 「そんなに待っていられませんよ!クジラに乗った卯月さん達は先にランドウとの決戦に向かったんです!早く加勢しなくては…!」

アーニャ「アカネ、気持ちは、分かります。ですから、今はみんなで、状況を打破する手段を考えましょう?」

茜 「うぅ~!何も出来ないと言うのは、歯痒いです…!」

アーニャ「それにしても、少し……Странно、妙、ですね」

リンダ「妙?」

アーニャ「AV-58……やろうと思えば、相手の側からも、起爆させること、出来た筈です」

サム「あぁ、そう言えば。その通りだ」

李衣菜「出現と同時に起爆させられてたら、私達、今頃天国行きだったってこと?」

シュワルツ「違ぇ、そんな単純な話じゃねぇよ」

ボブ「じゃあ何でラセツはAV-58を起爆させねぇんだ?」

加蓮「単純に、今爆破させる必要がないって事じゃない?」

ボブ「だから、何で?」

加蓮「それは……えーっと、凛?」

凛 「……AV-58は、私達の動きを牽制するための抑止力だと思う」

リンダ「抑止力?」

凛 「ラセツにとっても、ランドウとの戦いに横槍を入れられるのは面倒な筈だから。三つ巴になれば、必然と戦闘での犠牲が増える。それを嫌ったって事はないかな?」

シュワルツ「ランドウとの決着が着くまでは、下手な動きはさせねぇってか」

加蓮「ない話じゃないかも。アタシ達の殺すのは、ランドウを倒してからの方が効果的だもんね。…見せしめとして」

ジャック「Goddamn! 全部ラセツの思い通りってカ!? 」

李衣菜「どうにか……どうにかして、ゲットマシンだけでも外に出せないのかな…?」

メリー「確かに、小型マシンに分離できるゲッターなら、この拘束を抜けられそうなものだけど」

ボブ「でも、いくらゲットマシンがロボットより小型だっつったって、10mもあるんだぜ?そんな隙間ったってな…」

李衣菜「う~……ん…。………ぁ」

加蓮「何かいいアイディアでも浮かんだ?」

凛 「碌でもない考え、の間違いじゃない?」

李衣菜「酷いな~。まぁ、確かにちょっと正攻法じゃないんだけどさ」

凛 「ほらね」

李衣菜「まぁまぁ。こんなところでくたばるのもなんだし、一つ、乗ってみない?上手く行けば、私達だけじゃなく、シュワルツ達もみんな出れるかもしれないよ!」

 

── 第一艦橋。

 

艦長「……クジラは行ったか」

副長「はい。敵の航空戦力は、クジラを追撃するようです」

艦長「敵を追撃するつもりが、まさかこちらが追われる側になるとはな」

副長「あの様子では、北極まで辿り着くまでも、無傷ではいられないでしょう」

艦長「全てラセツの思惑通りか?せめて一泡噴かせてやりたいところだな」

副長「ですが、テキサスが身動きが取れない以上、我々に出来る事は何も…」

艦長「せめてロボット戦力だけでも、彼女達の元に送り届けてやりたいが…」

 

李衣菜『艦長!聞こえますか、格納庫の李衣菜です!』

 

艦長「むっ。どうかしたかね」

李衣菜『えっと、まず状況を確認したいんですけど、テキサスはやっぱり動かすわけにはいかないんですよね?』

艦長「…遺憾ながらな。AV-58に拘束され、身動きは取れない状態だ」

李衣菜『やっぱり……』

副長「ついさっき、ラセツ・ランドウを打倒するためにクジラも先行させたところだ」

李衣菜『クジラを?じゃあ、外の敵は…』

副長「全て、クジラを追撃していった。ラセツは、現状で我々を無力化したと思っているらしい」

李衣菜『でも、こっちに敵が回ってこないって言うのはラッキーでしたよね!』

副長「むっ……ラッキーだと…?」

艦長「ふはははは…!この局面に於いては、リーナくんの方が前向きに物事を見ているようだ」

李衣菜『はいっ!その上で、私達が出撃する許可を出してほしくて』

艦長「ほぅ…。許可?」

副長「出撃…?一体どうするつもりだ?」

李衣菜『道を作ります。AV-58を刺激せず、私達が出られる道を。だから、その上で艦長に許可を!』

艦長「アレを刺激せずに、出撃する方法だと…?」

副長「危険です!万が一出撃できたとしても、ここから北極までは、まだ何千キロも離れているんですよ!プラズマ駆動のロボット戦力だけでは、例え北極に辿り着いても戦う力を残せません!」

李衣菜「そこは、外部ジェネレーターとか、エネルギーパックを大量に持っていって何とかします!艦長!!」

副長「………」

 

「戦艦テキサス、苦戦しているようだな」

 

副長「何だ?この通信は、どこから……」

オペレ-タ-「艦長!テキサスの後方から、こちらに接近する熱源があります!」

艦長「あれは……!」

李衣菜『えっ…?何?何が起こってるの……?』

 

──。

 

~~~ 蛇牙城 ~~~

 

コツコツコツ──

 

ラセツ「………」

 

恐竜兵「ラセツ様!」

ラセツ「ランドウを見つけたのか!」

恐竜兵「いえ、蛇牙城内を隈無く捜索しておりますが、未だ発見に至っておりません」

ラセツ「……妙だな…。静かすぎる」

恐竜兵「我々に恐れをなし、逃げ出したのでしょうか?」

ラセツ「世界に対して啖呵を切った男がか?奴の逃げ場所など何処にもないだろうよ」

恐竜兵「では……?」

ラセツ「何かを企んでいるのは違いない。しかし、その為に自らの根城をもぬけの殻にするとは、ほとほと底の知れた男よ」

恐竜兵「では、ランドウの行方が知れぬ今、人間共にトドメを!」

ラセツ「ふむ…?」

恐竜兵「連中の旗艦、テキサスは既に我らの手中。ランドウとの決戦に備えてこそ、後顧の憂いは断っておくべきです!」

ラセツ「ふぅ……」

 

ザシュッ

 

恐竜兵「え……?ラ……セ、ツさま…──」 ドサッ

ラセツ「身の程知らずが。我が戦いに意見するとは」

 

恐竜兵2「ラセツ様!クジラが、ゲッターが来ます!!」

ラセツ「ふん。身の程知らずが、まだいるようだ」

恐竜兵2「如何なさいます?ラセツ様!」

ラセツ「ふんっ。我ら新世界への見せしめは、テキサス一つがあれば良し!命知らずの無法者共には、その愚行を骨の髄まで教えてやれ!!」

恐竜兵2「ハッ!」

 

タッタッタッ──

 

恐竜兵3「ラセツ様ー!」

ラセツ「今度は何事か!?」

恐竜兵3「ランドウの発見には至りませんでしたが、”例のモノ”と思われる物体を発見したと、地下区画を捜索していた部隊から連絡が!」

ラセツ「おぉ…!そうか!……フッフッフッ!ランドウめ、あまりにお粗末じゃないのか?これは」

恐竜兵2「クジラ、戦闘空域に入ります。迎撃のメタルビースト、及び機械化恐竜部隊、展開。改造ウザーラ、中央に配置します!」

ラセツ「よろしい。クックックッ…!来るがいい、ゲッターロボ。貴様らのボディをズダズダに引き裂いて、この蛇牙城を彩る墓標としてくれるわ──!!」

 

──。

 

菜々「……スゴい、敵の数ですよ…?」

美波「ドラゴンタートル攻略戦の時と同じか、それ以上の数ね」

みく「ランドウとラセツは、戦闘をしてるって話じゃなかったの?」

瑞樹「その様子は見られないみたいね。ラセツが蛇牙城を制圧したか、それとも他の理由があるのか…」

ニオン「敵の事情など知るものか。奴等を全滅させれば話は済むのだろう!」

菜々「な、ナナ達だけで、この数を相手にするんですかー!?」

卯月「泣き言を言っても、弱音を吐いても、立ち向かうしかないんです!──マッハウィング!!」

かな子・美波「「卯月ちゃん!」」

 

ゲッターの速度を上げ、敵陣に切り込むゲッターD2に、ブラックゲッターと、真ベアー号が追随する。

 

卯月「かな子ちゃん、美波さん!」

美波「何時までも卯月ちゃんに先攻させるわけには行かないわ。頼りないかもしれないけど、フォローさせて!」

かな子「今は援護するくらいしか出来ませんけど、チームですから。卯月ちゃんに付いて行きます!」

卯月「……ありがとうございます!」

かな子「ミサイルを撃ちます!怯んだ隙に、2人は突撃を!」

卯月「はいっ!」

美波「分かったわ!」

かな子「えいっ!」

 

真ベアー号の大型ミサイルが放たれ、黒い爆煙が舞う。

 

卯月「ゲッタートマホーク!!」

美波「ゲッタースパイク!!」

 

そこに、2体のゲッターが黒煙を突き破ってメタルビーストやメカザウルスの軍勢を蹴散らした。

 

卯月「っ…!このっ!」

美波「やぁあああッ!!」

 

ゲッターD2は両手に携えたトマホークで、ブラックゲッターは右拳のスパイクと左腕のレザーブレードを使い、敵勢の首や胴体を切り裂き、打ち砕く。

 

美波「美波、1機撃墜!…ふふっ。……何て」

卯月「美波さん、こっちのメタルビーストを!」

美波「任せて!」

卯月・美波「「えぇぇぇいッ!!」」

 

殺到する敵勢を退け、道を切り拓いた先には、

 

卯月「ウザーラ…!」

 

ウザーラ『キヤァアアアアア──ッ!!!』

 

美波「…まさか、ゲッターGを苦しめた相手と、ここで戦うことになるなんてね!」

卯月「怖いですか?美波さん」

美波「ふふっ。卯月ちゃんが頼もしいのは、不思議な気分」

卯月「な、何ですか、それ?」

美波「大丈夫。ちょっと怖いけど、気持ちで負けているわけにはいかないものね!」

卯月「はいっ!」

 

ゴール「ウガ……!来タ…!来た来た来た来タぁッ!!ゲッターロボ!!」

 

かな子「ゴールが乗ってる!?」

ゴール「殺スッ!!殺ス殺ス殺ス殺ス殺ォス!!!!ゲッターのォ!下僕共ォォオオオオッ!!」

 

頭部が三ツ又に分かれた改造ウザーラの、それぞれの口から上空に向かって放たれた重力光線が、落雷のように大地へと降り注いで地表を穿つ。

 

美波「きゃあああっ!?」

かな子「じょ、上空にまで衝撃が…!?何て威力!」

卯月「改造されているのは、見た目だけじゃないみたいですね!」

ゴール「フハハハハハハーーーッ!!どうだ?どうだどうだどうだ?!??思い知れッ!我が一族のぉ、屈辱と無念と憎しみとォ……!貴様らへの執念をぉぉおおおッ!!」

 

滅茶苦茶に暴れまわるウザーラ。

 

かな子「味方も私達も、お構いなしって事ですか~ぁ!?」

美波「結局、ゲッターを駆除出来れば同じって事ね…!」

卯月「そうそう思い通りにも…!」

 

トマホークを構え直し、突貫。

 

卯月「させませんッ!!」

 

ガギィンッ

 

ゲッターD2のトマホークは、改造ウザーラの表装で火花を上げる。

 

卯月「……っ!」

ゴール「何だ?雑魚か!雑魚がぁああああッ!!」

 

1頭の放つ重力光線が、ゲッターD2を狙う。

 

卯月「くっ…!」

 

浴びせられる光線を紙一重で躱していくが、掠り受けるダメージは蓄積していく。

 

卯月「う…ぐ……っ!流石に、受け流しきるのにも限界が…!」

ゴール「死゛ぃぃいねぇえエえエえッッ!!」

 

限界に達し、直撃を受ける。

 

卯月「あ゛ぁ…!あぁぁっ!」

みく「卯月ちゃん!」

 

体勢を崩して落下したゲッターD2を、ゲッター1がキャッチ。

 

卯月「みくちゃん…。ありがとうございますっ」

みく「みく達の事、忘れてもらっちゃ困るにゃ。みく達だって、ウザーラとは一度、戦ってるんだからね」

瑞樹「その時は一方的にやられてたけどね」

菜々「ヤケクソになって飛び込んで、卯月ちゃん達がやられる原因を作ったりもしましたよね?」

みく「だから!今度は迷惑掛けないよう、後ろから援護して確実に勝ちに行くにゃあ!」

卯月「そうですね!こんなところで、立ち止まるつもりはありません!」

ゴール「ぐぁあああっ!!煩いぞ蝿共めがァアアアッ!!まとめて消し去ってくれるぅッ!!!」

 

落雷のように重力光線が降り注ぎ、大地はうねり、その中心で荒れ狂う改造ウザーラは、さながら神話の龍の様。

 

みく「下手な鉄砲のサイズがデカ過ぎにゃ!」

美波「これじゃあ近付けないっ!」

みく「こうなったら…!下手な鉄砲には、下手な鉄砲で立ち向かう!」 バッ

 

ゲッター1がゲッターウィングをマントの様に纏う。

 

みく「スパイラルゲッタービィィームッ!!」

 

拡散させたゲッタービームで、降り注ぐ重力光線を迎え撃った。

 

みく「どうにゃ!?みく達のゲッターだって、あの頃からパワーアップしてる!やられたままの噛ませ犬もとい、噛ませ猫なんてならないんだからね!」

菜々「って言っても、防戦一方ですよ!」

瑞樹「そうね。このままでは反撃できない。…私達わね」

みく「敵の攻撃を迎え撃てば、道は作れる。後は任せたにゃん!卯月ちゃん、美波さん!」

卯月「はいっ!」

 

ビームが交わり合う中を、ブラックゲッターが先導し、ゲッターD2が続く。

 

ゴール「寄るなぁ!薄汚いサル共がぁあああッ!!!!!」

 

重力光線がゲッターを襲う。

 

美波「みくちゃん達と同じ要領で……行けるッ!」

美波「──ゲッタービィィイーームッ!!」

 

ブラックゲッターのビームが、重力光線を迎撃。

 

美波「攻撃は私が受け止めるわ!卯月ちゃん!!」

卯月「ありがとうございます、美波さん!」

 

トマホークを水平に構え、改造ウザーラに肉薄。

 

ガギィンッ

 

ゴール「グヒヒッ!効かん、効かンぞナマクラァ?如何なる攻撃の前デモ倒れル訳にはいかぬゥ!!それモ何億何千万ト言う、ハ虫人類のォ……未来の為にィィイイイっ!!」

卯月「一撃でダメって言うなら…!」

 

2本目のトマホークを抜き打ち、

 

卯月「何度でも、叩き込むだけです!!」

 

ダブルトマホークの連打を、一ヶ所に狙いを定めて叩き込む。

 

卯月「えいっ、やっ、はっ、たっ…!でぇぇぇいッ!!」

ゴール「無駄…!無駄無駄無駄無駄無駄!無駄ッ!!」

卯月「やっぱりトマホークだけじゃあ……次は!」

 

2本のトマホークがボロボロになったところで、

 

卯月「ダブルゲッターライフルッ!」

 

両腕でライフルを抜き打ち、連射。

 

卯月「えぇぇぇえいっ!!」

ゴール「小賢しい蝿…!サル!小娘ェ!!何をする気かァ!!」

卯月「例えどれだけ装甲が厚くても、これだけ攻撃を繰り返せば…!」

 

攻撃を続けた箇所が赤熱化している。

 

卯月「ゲ…ッタァァーービィイーームッ!!」

 

至近距離で、ゲッタービームを撃ち込む。

 

ゴール「グギギ…!小賢しい!小賢しいモノで、私はァ…!倒れんッ!!」

卯月「ッ…!火力が、足りない…ッ!」

 

キュオッ

 

ゴール「!?」

 

後方から、もう一筋のゲッタービームが飛来する。

 

卯月「!……ダイノゲッター!」

ニオン「フッ…。行くぞ!」

卯月「はいっ!」

 

卯月・ニオン「「ダブルゲッタービームッ!!」」

 

タイミングを合わせた2機のダブルゲッタービームにより、遂に改造ウザーラは爆ぜる。

 

ゴール「ぐぉおおお……ッ!?」

美波「やった!?」

芳乃「否ー。表装を穿ちー、手傷を負わせただけでしてー」

みく「だとしても、大きな進歩にゃ!」

瑞樹「直ぐに立ち上がるわよ!気を抜かないで!」

ゴール「やらせるかァァアアアッ!!恐竜帝国の夢をォォォオオオオッ!!」

みく「まぁだ言ってるにゃ?恐竜帝国なんて、とっくに滅んでるよ!」

ニオン「………」

鉄甲鬼「色々と、複雑だな。お前も」

芳乃「然りー。今は苦境を乗り越えねばー、先はなくー」

ゴール「ウルァアアアッ!!滅びぬゥ…!恐竜帝国は滅びはせぬゥウウウッ!!」

卯月「!?」

瑞樹「来るわよっ!」

 

放射状に拡散して放たれるウザーラの重力光線を散開して回避。

 

菜々「ゲッター2体がかりでも倒せない相手、これ以上どうすればいいんですか!?」

美波「2体でダメなら、それ以上の数を合わせれば!」

卯月「態勢を立て直して…!ゲッターD2を中心に、陣形を作りましょう!」

みく「…!卯月ちゃん、危な…っ!」

 

突進の勢いで突っ込んできたウザーラの、テールスイングが割って入ったゲッター1を打ち飛ばす。

 

みく「うにゃああああッ…!?」

卯月「みくちゃん!」

 

海中に落下するゲッター1。

 

卯月「みくちゃん!?大丈夫ですか?応答してください、みくちゃん!」

ニオン「余所見をしている暇はないぞ!」

卯月「っ!」

 

周囲に放散するように放たれた重力光線を寸でのところで躱す。

 

卯月「くっ…!」

美波「これじゃあ、みくちゃん達を助けてる暇もない…!」

芳乃「今は信じましょー?みくさん達もゲッターに選ばれし者の身ー。そう易々と倒れる筈はないのでしてー」

鉄甲鬼「ウザーラがまとめて消してくれているとはいえ、メタルビーストとメカザウルスも残っている。周囲に気を回していると、不意を突かれるぞ」

卯月「一度態勢を立て直しましょう。お互いに死角をカバーして、ウザーラの攻撃にも、離れすぎないように!」

美波「了解っ!」

 

── 海中。

 

みく「うぅ~……ん…」

瑞樹「みく?みく!しっかりなさい!」

みく「ん……にゃ…?ここは……目の前お魚が一杯……勘弁して」

瑞樹「いい加減にぃ……目を覚ましなさいっ!」 グンッ

みく「ぶにゃっ!?」

 

2号機のコックピットからの操作で、強引にゲッターを立ち上げる。

 

菜々「目が覚めましたか?みくちゃん」

みく「ん……ナナちゃん…?そうだ、ウザーラ!」

菜々「大丈夫ですよ。今上で卯月ちゃん達が戦ってくれています!」

みく「そっか、ならみく達もここで休んでなんていられない!早く戦闘に戻らないと…!」

瑞樹「落ち着きなさい。今迂闊に飛び出しても、ウザーラの的になるだけよ」

みく「的…?そういえば…」

瑞樹「気付いたようね」

菜々「ウザーラの攻撃、海中までは届かないようです」

瑞樹「おまけに、展開してる敵の部隊も空中や陸上からの迎撃がメインで、海中戦を得意としている敵はいないわ」

菜々「思わぬ穴、見つけちゃいましたね!」

みく「でも、ここにずっといたって何の解決にもならないよ」

瑞樹「だからこそ、突破口を見つけ出すのよ」

みく「突破口?」

瑞樹「幸い、ウザーラからの攻撃も止んでいるわ。こっちが出ていかないから、後回しにするつもりなんでしょうね」

菜々「他の敵さんも、海中まで来てナナ達を討とうとする人はいません。これなら、落ち着いてウザーラの観察が出来るって事ですよ」

瑞樹「ウザーラを仕留める事が出来るウィークポイント。そこを見つけて、反撃の機転にするのよ」

みく「成る程ーって、ウィークポイントなんて、そう都合よく見つかるものなの?」

瑞樹「さぁ?探してみないことには始まらないわ。大丈夫、こっちには目が6つあるし、亀の甲より年の功、頼りになる頭脳だってあるわ」

菜々「ちょっと、自分の事褒めすぎですよー?瑞樹さん」

瑞樹「……さぁ、冷静に状況を分析するわよ!」

 

みく「……」 ジ-ッ

瑞樹「……」 ジ-ッ

菜々「……」 ジ-ッ

 

………。

 

みく「……うぅ~…!ダ~メにゃぁ~~っ!」

瑞樹「以外と気が短いわね」

みく「そもそも、ゲッターGも苦戦させた相手に弱点があるとか、本気で考えてるの!?」

瑞樹「諦めてしまったらそれこそ何もかも終わりよ。死中にこそ活を見出だすの」

みく「根性論じゃ結果は出せないにゃ」

瑞樹「計算だけでは、勝利は掴めないものよ」

菜々「あぁもう!こんな時に喧嘩しないで下さい!言い争ったって問題は解決しませんよ!」

みく「それは分かってるけど…!だったら、菜々ちゃんは何か、打開策見つけた?」

菜々「うぇ!?あっ、え~っとぉ……。あ、ほら!卯月ちゃんとニオンさんが空けた穴がありますよ!」

みく「穴…?ダブルゲッタービームの?そんなんで…」

瑞樹「……その手があったわね」

菜々「え?」

瑞樹「考えなくても良い話だったわ。私達で、その穴を広げるのよ」

みく「穴を広げる?けど、みく達のゲッタービームじゃ、大したダメージを与えられないよ」

瑞樹「だから、私が行くのよ」

みく「にゃ?……あぁ、そう言う…」

菜々「まぁた難題をしれっと言ってきますね…」

瑞樹「大丈夫。私達なら、出来るわ」

菜々「根拠のない信頼は、時として人を不安にさせますよ…」

みく「ま、賭けてみるのは、悪くないんじゃにゃい?」

菜々「やるからには、ちゃんと成功させてくださいよ!」

瑞樹「当然じゃない。それじゃあやるわよ、みく!」

みく「うにゃ!オープンゲット!!」

 

海底でゲッター1を分離。

 

瑞樹「──チェンジ!ゲッター2ッ!!」

 

海面に接する海中ギリギリのタイミングで合体。海面にはゲッター2の姿を覗かせ、飛び上がる。

 

瑞樹「ドリルッ、アームッ!!」

 

そのまま加速して速度を上げ、ドリルをウザーラめがけて突き立てる。

 

ゴール「うぬぅ!?」

瑞樹「やぁあああああッ!!」

 

ドリルの切っ先を、ダブルゲッタービームの命中した箇所、ウザーラの歪んだ装甲板へと突き立て、穿ち削っていく。

 

美波「ゲッター2!?」

卯月「瑞樹さん!」

鉄甲鬼「ドリルでウザーラの傷穴を拡げるつもりか!」

瑞樹「ぐっ…!」

 

ドリルと装甲の摩擦で生じる激しい火花が、ゲッター2を包む。

 

ゴール「ぬぅウ…?小癪なサル……五月蝿いハエがァアアアッ!!」

鉄甲鬼「不味い…!反撃が来る、それ以上は危険だ!離れろ、瑞樹!」

瑞樹「まだよ…!もう少し…っ!!」

ゴール「消エテナクナレェエエエ!!」

 

重力光線が、ゲッター2を襲う。

 

菜々「きゃああああッ!!」

みく「うにゃああああっ!?」

鉄甲鬼「瑞樹!」

卯月「っ…!美波さん!」

美波「えぇ、卯月ちゃん!」

 

ゲッターD2のゲッターライフルと、ブラックゲッターのゲッターマシンガンで、ゲッター2を攻撃するウザーラの頭部を攻撃し、重力光線を停止させる。

 

ゴール「サルめが…!」

菜々「か、間一髪でした」

瑞樹「後30秒攻撃を受けていたら、ゲッター共々木っ端微塵だったわね」

みく「冗談じゃないにゃ…!流石に天国まで付き合うつもりはないよ!」

瑞樹「分かってるわ。これでもう、十分よ!」

 

一度、ドリルアームの腕を大きく引き、

 

瑞樹「ドリルパンチ!」

 

拳を打ち出すような動作と共にドリルを射出。ドリルを根本まで深く突き刺し、ゲッター2は射出時の反動を使って後方へ。

 

菜々「うわぁああああ~っ?!」

瑞樹「オープンゲット!」

 

体勢を崩したゲッター2を即座に分離させ、

 

みく「チェーンジゲッター!1ッ!!」

 

ゲッター1に合体。ゲッターウィングを広げ、宙で制動する。

 

瑞樹「今よみんな。ドリルを狙って!」

かな子「ドリルを…?」

ニオン「成る程。分かりやすい的だ!」

みく「みく達のゲッターの力を合わせるにゃあ!」

芳乃「よしなにー。心得まして?ニオンさんー」

ニオン「ふんっ、言われるまでもない!」

美波「ゲッター2の攻撃に、4機分のゲッタービームなら!」

卯月「やりましょう、皆さん!せーのっ、で!」

 

みく「ゲッター!」

ニオン「ゲッター!」

美波「ゲッター!」

卯月「ゲッター──!」

 

4人「「「「ビィィイーームッ!!」」」」

 

ズ ワ ッ

 

束ねられた4本のゲッタービームが、先ずはウザーラに突き刺さったドリルに命中。ドリルは爆発し、その熱と衝撃によって更に開かれたウザーラの傷を、ゲッタービームが貫き、その内部までも等しく破壊し、ダメージを深く、重く与えていく。

 

ゴール「ウギャァアアアアアッ!!」

 

内側からゲッターエネルギーを溢れさせながら、崩壊していく改造ウザーラ。

 

かな子「やった…!」

みく「ゲッターGを倒した相手に、みく達だけでホントに勝てちゃった…!」

ニオン「気を抜くのは早いぞ。まだ全ての敵を倒した訳ではない!」

芳乃「………」

鉄甲鬼「どうかしたのか、芳乃?」

芳乃「…邪気はー、今尚そこにありましてー」

鉄甲鬼「? ニオンの言ったことか?それならば皆理解して…」

芳乃「否ー、その事ではなくー」

鉄甲鬼「?」

美波「み、みんな!ウザーラの様子、ちょっと可笑しいわ!」

みく「え!?」

芳乃「邪気は潰えておらずー。深く禍々とその闇を濃く湛えていくのでしてー。ゲッターを恨みし者の闇ー。ゲッターを討ちー、その力で世界を手に入れんとするー、帝王の邪気はー…」

 

ゴール「ア゛……ア、ア゛ァッ…!」

 

かな子「あれは……帝王ゴール?どうして、ゲッター線の中で生きてるんですか!?」

美波「確か、ゲッター線に耐性のないハ虫人類は、ゲッター線を浴びて消滅する筈…」

菜々「な、何が起ころうとしているんですか…?」

 

ゴール「ァ……アァ…!我が神ユラーよ、申し訳ありません…!貴方から賜りしこの命を以てしても、ゲッターを倒すことは叶いませんでした…!」

 

瑞樹「ユラー…?」

ニオン「恐竜帝国で信仰されていた神の名だ。…追い詰められて、とうとう頭が可笑しくなったらしいな」

 

ゴール「ですがッ!このゴール決して只ではくたばりませぬ!我に残りしこの力…!我が生涯の力を掛けて、必ずやゲッターめを道連れにィイイイ!!」

 

グニャッ

 

みく「…!何にゃ!?」

瑞樹「ゴールの体が、崩れていく…?」

鉄甲鬼「いや、違う…!」

かな子「ゴールの体が崩れて、塊になって、大きくなって…!これって!」

卯月「インベーダーと同じ!?」

 

???『グァアアア~~~──!』

 

菜々「うっ…!気持ち悪い…」

ニオン「黙って見ている場合か!奴の思い通りにさせてはいかんッ!」

美波「けど、あんな状態のを、一体どうやって攻撃したら…」

鉄甲鬼「迂闊に攻撃してしまっては、ゴールに餌を与える事になるかもしれんぞ」

ニオン「くっ…!」

 

そして、ゲッターと同等、それ以上までに肥大化したゴールの肉は左右上下前後へと延びて形を作る。それは、

 

かな子「な、なんなんですか、これは!?」

美波「巨大化したゴールの背中から出ている姿、あれって!」

鉄甲鬼「百鬼大帝、ブライだと!?」

 

四つん這いになったゴールの背中から、ブライの上半身が生えた、異形の姿。

 

ゴール&ブライ『グゥゥゥ……』

 

卯月「これは……この敵は…!」

 

ラセツ「どうだ?私の用意した余興は。なかなかのモノだったろう?」

 

ゴール&ブライの後ろから、ブラックダイノゲッターに乗り込んだラセツが姿を現す。

 

ニオン「っ!キャプテン・ラセツ!!」

ラセツ「インベーダー技術のちょっとした応用だよ。ランドウの協力者とやらも、なかなか面白いものを造り出すものだ」

瑞樹「インベーダー、技術?」

菜々「ランドウの協力者って、一体誰の事なんです?!」

ラセツ「貴様らが知る必要はなかろう。どうせここで朽ち果てるのだ」

ゴール&ブライ『!!』

瑞樹「!! みく、避けて!」

ラセツ「行け」

ゴール&ブライ『ガァ!!』

みく「──!?」

美波「──ぇ……?みくちゃん!?」

 

一瞬の出来事のようだった。地上にいたゴール&ブライが、数百m離れた上空にいたゲッター1を捉え、気が付いた時にはゲッター1はゴール&ブライの足元で地面に叩き伏せられていた。

 

かな子「な、何て速さなんですか?!」

ニオン「俺達が動く隙さえなかったとは…」

卯月「………」

瑞樹「みく!返事をして、みく!!」

みく「………」

菜々「ダメです!完全に気を失っちゃってますよ!」

ラセツ「どうだ?インベーダーの同化能力により生まれた、恐竜の獰猛さと百鬼の戦闘力を併せ持つ究極の兵器の力は!もはやゲッターなど、道端の雑草も同じよ!!」

美波「恐竜の獰猛さと、百鬼の戦闘力!?」

鉄甲鬼「成る程、そう言うことか。はじめからブライの遺伝子をゴールに埋め込んでいたんだな!」

ラセツ「そう、素晴らしいだろう?かつて世界征服を夢見た二大帝王が力を合わせ、今まさに憎き仇敵を倒そうとしているのだぞ?」

芳乃「醜悪の間違いでしてー。生命を弄びー、尊厳を穢すとはー」

ラセツ「何とでも言うがいい。勝つために、世界を制するために。方法などは些末な問題でしかない」

かな子「いけない…!みくちゃん達が!」

鉄甲鬼「トドメを刺すつもりか!」

菜々「ゲッター1コントロール不能です!ナナ達のコックピットからじゃ、制御を受け付けません!」

瑞樹「こうなったら、一度強制分離させるしか……」

ラセツ「やれ」

ゴール&ブライ『!!』

菜々「い゛っ…!」

瑞樹「っ…!」

 

ブライの爪が、ゲッター1に振り下ろされる──。

 

瑞樹「……」

菜々「……」

ゴール&ブライ『……!』

菜々「え……ぁ」

瑞樹「卯月ちゃん…」

卯月「……」

 

振り下ろされたブライの巨腕を、ゲッターD2が両腕のスピンカッターで受け止めている。

 

卯月「長くはもちません!今のうちに!」

瑞樹「! わ、分かったわ…!」

 

言葉で正気を取り戻し、1号機のコントロールを自動操縦に設定。

 

瑞樹「オープンゲット!!」

 

ゲッターを分離させ、速やかに離脱。

 

ゴール&ブライ『…!』

卯月「追わせませんよ!」

 

ゴールの前脚を蹴倒し、体勢を崩して注意を削ぐ。

 

卯月「ゲッタービーム!」

 

そして至近距離からゲッタービームを浴びせ、生まれた爆煙に紛れて、自身も相手と距離を取る。

 

美波「大丈夫なの、卯月ちゃん!」

卯月「な、何とか…」

 

軽く誤魔化すが、手元のディスプレイの表示で、両腕の損傷具合はイエローゾーン。

 

卯月「あれの相手は私がします」

かな子「え…?」

ニオン「正気か?一人で勝てる相手ではないぞ」

卯月「それでも、皆さんのゲッターをこれ以上傷付けるわけには行きません」

鉄甲鬼「何を今更。元より貴様らに拾われた命、捨て去る覚悟ならば出来ている」

ラセツ「フフッ、感動的だな。だが、役割など分けても意味はないぞ」

美波「何ですって!」

ラセツ「貴様ら全員、ここで死ぬ運命なのだ!!」

 

その言葉に合わせるように、北極の氷の大地が割れる。

 

かな子「こ、今度はなんですかぁ~!?」

鉄甲鬼「地下から何か来るぞ!」

美波「地下深くから熱源反応……サイズの推定、200m以上!?何、これ…!」

ラセツ「元は、ランドウが用意していた決戦兵器らしいのだがな。もはや不要になったようだ。だから、貴様らを処刑するためにここで使ってやろう」

 

大地を裂き、氷河を砕き、それは現れる。

 

美波「これが、ランドウの決戦兵器…?」

芳乃「怨念、憎悪、復讐ー…。禍々しきー、悪意の塊でしてー」

ニオン「悪意の塊か。それらしい、醜悪な姿だ」

 

全体は細身のシルエットをしているが、所々が歪に隆起し、異常に発達している。全身は黒く、その姿は悪魔そのもの。

 

ラセツ「最終兵器、デビラ・ムウよ!!」

デビラ・ムウ《──!!!》

卯月「うっ…!」

かな子「きゃっ…!」

美波「何……これ…!」

 

デビラ・ムウが、形容も出来ないおぞましい雄叫びを上げる。

 

ラセツ「デビラ・ムウも逸っているようだ。早く貴様をズタズタに切り裂き、葬ってやりたいと」

卯月「デビラ・ムウ…!あんなものに、やられるわけには行きません!」

ニオン「どのみち、逃げ場はなくなったな」

卯月「…美波さん、トマホークを」

美波「え?」

卯月「私のトマホークは、ウザーラとの戦いで全部使っちゃいましたから」

美波「分かったわ。…はい」

 

ブラックゲッターの予備のトマホークを受け取る。

 

卯月「ありがとうございます」

ラセツ「覚悟は出来たか?」

卯月「はい。と言っても、死ぬ覚悟じゃないですよ?」

ラセツ「何?」

卯月「この戦い……必ず乗り越えて、貴方達を倒して、生き残る。そのための覚悟です!」

 

トマホークの先をブラックダイノゲッターに向け、宣誓するように告げる。

 

ラセツ「ほとほと理解出来んなぁ?愚かしさも勇猛と捉えて計る。こんな程度の低い生物が、本当に地上の支配者足り得ると思うか?なぁ、元キャプテン・ニオンよ」

ニオン「ふんっ。支配者かどうかなど問題ではない。少なからず、虎の威を借りて居丈高になっている貴様なんぞより、真っ当な思考回路は持っているだろうさ」

ラセツ「…所詮は貴様も、ハ虫人類の爪弾き者」

ニオン「弾かれたのはお互い様だろう。精々息巻いているがいい。今に吠え面をかかせてやる」

ラセツ「やれるものならば、楽しみにしてやるよ。ゴール、ムウ。ゲッターを粉砕するのだ」

ゴール&ブライ『!』

デビラ・ムウ《!》

美波「く、来る…!」

かな子「……? 待ってください……後ろから何か…」

卯月「何か…?」

芳乃「皆様ー、芳乃に合わせて左へー。悪しきを裁く鉄槌が下されるでしょー」

かな子「鉄槌…?……これ、スゴい速さで近付いてくる熱源反応!?」

鉄甲鬼「いいから、ここは芳乃の言うことに従え!巻き込まれたくはあるまい!」

かな子「は、はいっ!」

 

急いで飛翔する物体の予想進路から外れ、時を待つ。やがて、ゲッター軍団の眼前を通り過ぎていったそれは、

 

デビラ・ムウ《──!?》

 

デビラ・ムウに直撃した。

 

ラセツ「むぅ?!」

 

轟音と衝撃が轟き、北極の氷原が隆起して砕け散る。

 

卯月「い、今のは…!」

美波「ボルガの超ウェポン砲!まさか!」

 

???「待てぃ!」

 

ゴール&ブライ『……?』

 

???「生きている限り!辛いこと、哀しいこと、厳しい現実!人は常に、あらゆる困難と逆境に晒されています!」

???「どんな逆境も、いかなる困難も払い除ける心の力──」

 

???「人それを、『根性』と言います!!」

 

ラセツ「何…?何者だ!?」

 

李衣菜「貴様に名乗る名はないッ!」 ビシィッ

茜 「あっ!李衣菜さん!それは私の台詞ですよ!」

李衣菜「いいじゃん、いいじゃん!何時も茜ばっかり名乗ってるんだから、たまには横槍入れても、ね!」

茜 「…むぅ、ならば仕方ありませんね!」

アーニャ「仕方ない、でいいんですか…?」

シュワルツ「…相変わらず締まらねぇ奴等だ」

 

ラセツ「スーパーロボット軍団だと!?」

卯月「ネオゲッター…!李衣菜ちゃんに、みんな!」

李衣菜「へへっ、卯月!助けに来たよ!」

美波「一体どうやって?」

凛 「普通のやり方じゃ、テキサスからは発進できない。だから、横穴を開けたんだよ」

かな子「横穴?」

加蓮「横穴って言うよりは、下穴?ビィトを使ってさ」

李衣菜「回転させたビィトの切削力なら、テキサスに衝撃を伝えずに穴を開けられる。艦底にまでは、AV-58の粘糸は張り巡らされてなかったしね!」

ボブ「後はゲッター2のドリルを使って穴を広げりゃぁ、この通りロボ・ストーンまで発進可能って訳よ!」

鉄甲鬼「なんと…。無茶をする」

ニオン「相変わらず面白い奴だ」

サム「おまけに、最強の助っ人付きさ」

スミノフ「ロシアのランドウとの戦いにはケリを着けた。我々も参戦させてもらうぞ」

ラセツ「ちぃ…!雑兵風情が!雑魚がいくら増えたところで!」

リンダ「ふぅん?幾らでも相手してくれるって訳?」

ラセツ「何を!」

メリー「今北極に向かっているのは、私達だけじゃないわ!」

奈緒「アフリカ、中国、オーストラリア。各地でランドウとの戦いを終わらせたスーパーロボット達が、ここに向かってる!」

シュワルツ「もう、数でも質でも、優位はなくなるってことだぜ?トカゲ野郎!」

ラセツ「ぐっ…!」

卯月「スゴい…!こんなに、世界中からこんな数のロボットが、私達の所に向かってる!」

凛 「まだ世界には、これだけの味方がいたって事だよ、卯月」

美穂「負けられないよね。うん、倒れるわけにはかないよ!」

卯月「み、美穂ちゃん!?ゲッター飛焔に乗ってるんですか!」

美穂「えへへっ…。AV-58で艦内が混乱してる内に、来ちゃった」

美波「来ちゃったって、怪我の具合は?」

美穂「大丈夫。操縦桿を握るのと計器を見てるくらいなら、何てことないよ!」

卯月「よろしくお願いしますね、美穂ちゃん。チーム飛焔の皆さん!」

茜 「はいっ!3人揃ったゲッター飛焔は無敵です!」

ラセツ「クククッ!粋がるなよ、サル共こちらにはゴール&ブライ、それに決戦兵器デビラ・ムウがいるのだぞ」

シュワルツ「知るかよ。こっちはとっくに、テメェをブッ飛ばす準備出来てんだ」

ジャック「俺達をナメた代償は高くつくゼ!覚悟しナ!」

リンダ「私達が前線を形成するわ。ボブ、サム貴方達はボルガの直衛に付きなさい」

ボブ「おう!連中の動きを抑える役目、任せたぜ!」

スミノフ「対空迎撃用意、他国のロボットに遅れをとるなよ!!」

「「「Урааааа!!」」」

加蓮「盛り上がってるなぁ。アタシまで熱くなっちゃう」

凛 「ふっ、たまには派手にいくのも悪くないんじゃない?」

李衣菜「なら、私達が狙うのは敵の頭だ」

加蓮「え?」

凛 「……」

李衣菜「私達でラセツを倒すよ」

加蓮「…これはまた、大きく出たね」

凛 「向こうはただのブラックダイノゲッターじゃない。何か勝算はあるの?」

李衣菜「それは……分かんない!」

加蓮「分かんないって、分かんないかぁ」

李衣菜「けど、相手はゲッターの姿を真似しただけのパチモノだよ。紛い物以下の相手だったら、ネオゲッターロボが負けるわけにはいかない!」

凛 「ま、こっちも相手に散々紛い物だなんだって言われてきたからね」

李衣菜「ネオゲッターだってゲッターだよ!それをあそこで、デカイ顔してるラセツに教えてやるっ!」

加蓮「まったく…。このリーダーさんは、熱くなる方向を間違えてるんじゃない?」

凛 「でも、悪くない」

加蓮「……まぁね」

ニオン「リーナ!」

李衣菜「ニオン!悪いけど、ダイノゲッターの偽物の首は、私がもらうよ」

ニオン「好きにすればいい。だが気を付けろ。奴は不死の命を持つ、シ竜一族の生き残りだ」

加蓮「シ竜…?不死なんてまた厄介そうな」

ニオン「ふふっ、だが不死などとは名ばかりだ。奴もハ虫人類。高濃度のゲッター線の前には為す術などない」

凛 「高濃度のゲッター線……ネオゲッターでそれが撃てるのは…」

李衣菜「ゲッタービーム・キャリア!」

ニオン「使いどころを誤るなよ。貴様がいれば大丈夫だろうがな、凛」

凛 「任せてよ。恐竜帝国の因縁、私が断ち切ってくる」

ニオン「お前の武勇、拝見させてもらうぞ」

李衣菜「あのー、一応私達もいるんだけど…?」

加蓮「でしゃばらない。今は敵を倒すことに集中するよ」

李衣菜「なーんか釈然としないけど、やるよ!凛、加蓮!」

凛・加蓮「「了解!」」

 

ネオゲッター1が敵陣に飛び込んでいく。

 

卯月「………」

卯月(戦線が拡大してる…。まだランドウの姿も見えてないのに、これじゃあ損害が増えるばかり…)

奈緒「卯月!」

卯月「奈緒ちゃん!」

奈緒「大丈夫か?」

卯月「はいっ。ゲッターは少し損傷してますけど、まだ戦えます!」

奈緒「そっか。けど無茶するなよ。ここはステルバーで何とかするから、一旦下がって体勢を立て直すんだ」

卯月「…そうですね。頼みます!」

奈緒「おう!」

シュワルツ「お前が安請け合いしてんじゃねぇ」

奈緒「なんだよ。戦うのは一緒だろ。卯月はずっと戦ってたんだ、その代わりくらい簡単に出来るだろ?」

シュワルツ「ケッ!簡単に言ってくれるぜ!…ったく」

卯月「……」

 

卯月(このままじゃいけない…。このままじゃ…!)

 

つづく




次回予告

ランドウ・ラセツの誇る最大兵力を前に、決戦の火蓋は切って落とされた。
これまでに例を見ない強敵を相手に死力を尽くして戦いに挑むスーパーロボット軍団。
果たして、彼らに勝機はあるのか?この戦いの勝者は、一体誰か?

次回、ゲッターロボ×CG 第3部
第31話『北極圏を血に染めて』に、チェンジゲッター!
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