シュワルツ「真ゲッタードラゴンだとぉ!?」
ボブ「こっちのゲッターとは似ても似つかねぇじゃねぇか!何処が真ゲッタードラゴン何だよ?」
晶葉『似ても似つかない、確かにその通りだな。だが、ランドウの言うことは事実だろう』
奈緒「晶葉?どう言うことだ?」
晶葉『ランドウが真ドラゴンと謳うマシン内部の炉心の反応、それは間違いなく、私達が開発したあのゲッターロボGのモノだ』
奈緒「何だって!?それじゃあ、あれが…!」
卯月「未央ちゃんと消えた、私達のゲッタードラゴン…!」
晶葉『あぁ。かなり大型化し、姿は見る影もなく変わってしまっているが。…ゲッター線は進化を促すエネルギー……あれが、ゲッターが変化した姿だとすれば、間違いなくそれは真ドラゴンと言えるだろう』
サム「どうしてそんなことになってしまったんだ?」
美波「進化…!早乙女博士の俗説が、真実だったなんて!」
芳乃「紛れもなく真実でしてー。この星に住まうわたくし達もー、元はゲッターによりその進化と誕生を促されましたー」
リンダ「その話が事実だったとして、あれが進化の行き着く先?まるで悪魔のようね」
芳乃「然りー。どらごんの進化はー、黒く醜い悪意を持つものの意思によって歪められてしまいましてー」
ニオン「黒く醜い悪意?」
鉄甲鬼「ランドウの事だな」
卯月「つまり、あれは真ドラゴンの、正しい進化の姿じゃないってことですね?」
芳乃「差し詰めー、邪真ドラゴンと言うところ、でしょうかー」
ランドウ『邪真ドラゴンとは、これは手厳しい』
茜 「真ドラゴンを返して下さい!それは、貴方の元にあって良いものではない筈です!!」
ランドウ『そうはいかぬな。ワシとてこの真ドラゴンを目覚めさせるのに随分骨を折ったのだ。その為に蛇牙城もくれてやったのだ、対価としては丁度いいだろう?』
シュワルツ「蛇牙城を、だと…?」
晶葉『この戦いそのものが、真ドラゴンを目覚めさせるための陽動だったと言うのか!』
卯月「そんな!」
ランドウ『此度の戦だけではない。ワシは元より、この力を手に入れる事こそが目的だったのよ。この真ドラゴンを!』
莉嘉「えっ!それじゃあ、アタシ達の前に偉そうに出てきた時から…!」
ランドウ『如何にも。ワシが起こした戦いは、貴様らの目を真ドラゴンから逸らす為のもの!』
卯月「そんな…!そんな事のために、どれだけの人が傷付いたか、分かってるんですか!どれだけの人が、住む町を、国を追われて…!大切な人と離れ離れになったか!」
ランドウ『ふんっ。貴様は日常、歩きながらに踏み潰す虫けらの数を数えた事があるのか?』
卯月「…!」
晶葉(しかし解せない…。何故ランドウはゲッタードラゴンの事を知っていた?しかも、真ドラゴンに進化する事まで…。そんな事、早乙女博士だって言ってなかった)
『何故ランドウが知っていたのか、分からないという顔をしているな?早乙女の後継者』
晶葉『!?』
『だがそれも仕方ない!教えられなければ学ばない、自らの考えで至るところはない!それが人間と言うもの。ボクらもかつてはそうだった!』
美穂「だ、誰…?」
茜 「ランドウに協力者ですか!何者です!姿は見せて、名乗ったらどうなんです!?」
スティンガ-『姿は見せよう』
コ-ウェン『だが、名乗る必要はあるのかな?んん?早乙女の後継者よ』
晶葉『……スティンガー博士、コーウェン博士』
美波「知ってる人なの?晶葉ちゃん」
晶葉『早乙女博士と共に、長きに渡ってゲッター線を共同研究していた科学者だ。かつては旧研究所にも籍を置いていた』
アーニャ「…? でも、アーニャ達が研究所に来た頃には、そんな人達の名前は、聞いたこと、ないですよ?」
晶葉『私達が訪れるずっと昔の話さ。私達が研究所で活動する頃には、彼らはより深くゲッター線の本質に迫る為、月に建造されたゲッター線研究施設にいたからな』
卯月「…待ってください!月の研究施設って…!」
晶葉『そう。人類が始めにインベーダーの襲撃を受けた、あの施設だ』
茜 「そんな…!それじゃあ、あそこにいるのは、幽霊ですか!?」
コ-ウェン『ふっふっふっ。実に人間らしい、短絡的思考だ。そう思わないか、スティンガー君?』
スティンガ-『そ、そう思うよ、コーウェン君!』
コ-ウェン『インベーダーに襲われた人間は等しく命を落とす。そう思い込んでいる。貴様らがインベーダーと呼ぶ彼らこそ、人類を滅びの危機から救う、神にも等しき力を持った救世主だと言うことも分からずに』
スティンガ-『無為に抗い、争いを生む!何時の時代も人類は、異質な存在に銃を突き付ける事しか知らん!』
コーウェン『そんな事だからゲッター線の意味にも気付かぬのだよ。…そう、進化!』
スティンガ-『進化なし!!』
美波「……どう思う?晶葉ちゃん」
晶葉『インベーダーに取り込まれたか、若しくはインベーダーを何らかの手段を用いて利用しているのか。少なくとも、まともな人間ではなさそうだ』
茜 「つまり、容赦なくぶちのめしてもいいと言うことですね!」
ランドウ「真ドラゴンを見ても臆せぬか」
シュワルツ「へっ、テメェら悪党の御託は聞き飽きてんだよ!」
ジャック「真ドラゴンかエセドラゴンかは知らないが、出てきた以上はKnock outダ!!」
ランドウ『はははっ。流石、ここまで戦い抜いて来たことはある』 スッ…
メリー「何をする気!?」
真ドラゴンの頭部に、エネルギーが集中する。
ランドウ『ゲッター!ビィームッ!!』
ズワァッ
卯月「っ!?──」
邪真ドラゴンの頭部から、真ゲッターのモノと比較しても数倍の威力はあろうかと言うゲッタービームが放たれる。
シュワルツ「ッ…!」
卯月「シャインスパーク……ううん、ストナーサンシャインにも匹敵する威力のビームですよ?あれ…」
ボブ「そんなもん何処に撃ったってんだ?」
リンダ「まさか、私達のいる、北極…」
メリー「そんな…!邪真ドラゴンが現れたのはハワイ沖よ?幾らなんでも距離が離れすぎているわ!」
晶葉『まさか…!軌道上の衛星、繋げるものはあるか?』
茜 「どうしたんですか!晶葉ちゃん!!」
晶葉『……』
美穂「晶葉ちゃん…」
晶葉『…今、邪真ドラゴンのビームの軌道から、衛星を利用して目標地点を弾き出した』
美波「その目標は…?」
晶葉『ランドウの目標は、おそらくハワイ本島…』
かな子「は、ハワイって……暮らしてる人達はどうなってるんですか?」
晶葉『今ハワイ近景を観測できる衛星を探している。だが、あの規模と出力のビームだ。恐らく…』
ランドウ『ぬぁ~っはっはっはっ!!思い知ったか!これがゲッターの力!ゲッターの恐ろしさ!やがて全世界の国々が地上から消滅する!』
シュワルツ「クソ野郎が…ッ!」
ランドウ『我がデモンストレーション、気に入ってくれたかな?』
茜 「貴方は!貴方と言う人は!!どこまで人の命を弄べば気が済むと言うんですか!?!」
美穂「こんな事したって……言う事を聞かない人はみんな消し去るようなやり方じゃ、誰も貴方に従わない!地球上から人が消えちゃったら、ただ寂しいだけなのに、どうしてこんな事…!」
ランドウ「ふふふっ…。ワシの行いを無駄と言うか。しかし、はじめにワシを、この世界から排除しようとしたのは、紛れもなく貴様らなのだよ!」
ボブ「ハブられた腹いせにしちゃぁやりすぎだぜ!」
ジャック「首を洗って待ってやがれ!必ず、償いをさせてやるッ!!」
ランドウ『出来るかな?貴様らに。この真ゲッタードラゴンを!!』
リンダ「何…?」
邪真ドラゴンの背から膨大なゲッター線が天に向かって放たれる。
サム「何をしたんだ?今…」
晶葉『ゲッター線を放出したんだ。それも高濃度のゲッター線をだ』
ボブ「高濃度のゲッター線?」
晶葉『餌を撒いたんだ。ここが餌場だと、仲間に知らせる為に』
莉嘉「餌…?仲間…?」
晶葉『来るぞ、インベーダーが!!』
ギャアッ ギャアッ ギャアッ ギャアッ ギャアッ…
虚空の彼方から、彼らは現れる。
サム「れ、レーダーがインベーダーの反応で塗り潰される…!?何て数だ!」
シュワルツ「くっ…!質の悪い奴等が手を組んだもんだぜ!」
リンダ「これじゃあ、ここを突破出来ても、エネルギーが保たないわ!」
メリー「それだけじゃないわ…。一体どれだけの数のインベーダーが、地球に現れたのか…!」
美波「ここだけじゃない、もしかしたら世界中に!」
ランドウ『ふっふっふっ…。楽しみに待っておるぞ?貴様らが私の元に辿り着くのをな…──』
スゥ……
ボブ「アイツ!言いたいこと言って消えやがった!」
メリー「ランドウの事を気にしてる場合じゃないわ!」
美波「迎撃を…!早くしないと、インベーダーに包囲されます!」
ジャック「…チッ!」
メリー「兄さん!?」
テキサスソードを大上段に構え、テキサスマックが躍り出る。
ジャック「ハァアアアアアッ!!」
インベーダーを両断。
ジャック「ここはミー達が引き受ける。ゲッター軍団、お前達はランドウのところへ行けッ!!」
卯月「えっ!」
かな子「ダメですよ!ここはみんなで力を合わせないと…!」
鉄甲鬼「そうだ。戦力の分散は、かえってリスクを引き上げる」
ボブ「けど、このまま戦っても共倒れだぜ!」
リンダ「そうね。頭を叩けば戦いは終わる、そんな単純な話じゃないかもしれないけど、真ドラゴンを取り戻せば、まだ生き残る方法はあるかもしれないのでしょう?」
ロボ・ストーン、キングダムもインベーダーに向かっていく。
茜 「皆さん…!」
シュワルツ「勘違いすんじゃねぇぞ。俺達は尻拭いをしろって言ってんだ。あの真ドラゴンは、テメェらの不始末が原因だろうが」
晶葉『…確かに、その通りだ』
卯月「晶葉ちゃん!」
晶葉『ここで力尽きてしまっては、どのみち未来は拓かれん。ならば1%でも可能性の高い方に賭ける。何時だってそうしてきたじゃないか』
卯月「それは、そうかもしれません。けど…!」
ジャック「一点突破だ!リーナなら真っ直ぐ向かうだろうゼ!ここで尻込みして、勢いを殺すな!!」
卯月「ジャックさん……皆さん…!」
晶葉『ゲッター各機、帰還だ。クジラの残る全てのエネルギーを使ったオーバーブーストで、北極圏から離脱する』
美波「…了解」
アーニャ「Да……アカネ、行きましょう」
茜 「…分かりました…!想いを、無駄にしてはいけませんね」
美穂「……」
李衣菜「お~いっ!」
美穂「えっ、李衣菜ちゃん?それに、凛ちゃんと加蓮ちゃんも!」
ニオン「あいつら、何をしているんだ?」
芳乃「おそらくー、ねおゲッターが壊れたのでー脱出してきたものとー」
美波「だからって生身で…!インベーダーも迫ってるのに!早く救助しなきゃ!」
莉嘉「だったら、アタシがいくよ!」
卯月「私も!まだ2号機のシートが空いてます!」
奈緒「ははっ、こんな状態でもしぶとい奴だな。相変わらず」
シュワルツ「……奈緒、お前も行け」
奈緒「はっ?何言って…」
シュワルツ「テキサスに置いてある1人乗りのステルバーの修理も終わってる。もうお前に乗ってもらう必要はねぇ」
奈緒「け、けど……アタシは…!」
シュワルツ「何時まで甘えるつもりだ?…テメェはもう、自分の足で立てるだろうが」
奈緒「シュワルツ…」
美波「奈緒ちゃん」
奈緒「ブラックゲッター…」
美波「話は聞かせてもらいました。クジラに戻るならブラックゲッターに乗ってください」
ブラックゲッターが、ステルバーのコックピットブロック付近に手を伸ばす。
奈緒「………」
シュワルツ「さっさといきやがれ!そっちには、テメェの力が必要な奴等がいるんだろうが」
奈緒「……うん」
シュワルツ「俺のようにはなるなよ。後悔はするな」
奈緒「…うんっ。ありがとな、シュワルツ」
シュワルツ「へっ、お互い様だ」
奈緒「え?」
シュワルツ「さっさと行けってんだ!」
奈緒「わっ!」
美波「危ない!」
サブ・シートの脱出装置を強制起動させ、奈緒をステルバーから排出。落下寸前のところを、ブラックゲッターが辛うじて受け止めた。
奈緒「痛たた……相変わらず強引なんだよ…」
シュワルツ「フンッ!」
奈緒「…ふふっ」
美波「奈緒ちゃん!早くコックピットの方に!」
奈緒「わ、分かった…!」
美穂「卯月ちゃん達は…」
卯月「こっちも、李衣菜ちゃん達の救助終わりました!」
李衣菜「危ない危ない…。もうちょっとで凍え死ぬとこだったよ…」
晶葉『よし、クジラ機関始動!5分後、オーバーブーストを掛ける!目標はハワイ沖の火山島!ランドウとの戦いに決着を着けるぞ!!』
「「「了解っ!!」」」
── 移動中。
古田「ハンガーに入った機体から整備開始してくださいッス!真ゲッターとプロト・ゲッターは大至急!クジラはオーバーブースト中だから、時間はそんなないッスよ!!」
加蓮「古田さん、張り切ってるなぁ」
李衣菜「うん…。けど、大将は何処に行ったんだろう?」
晶葉「その話は後だ」
李衣菜「晶葉!」
晶葉「すまないな、あんな戦いの後で。本当は労いの一つでもしてやりたいところなんだが」
李衣菜「それこそ気にしないでよ!遂に本命が出てきたんだ!」
加蓮「おまけに、探すつもりだったゲッターGまで引っ張り出してきてくれたんでしょ。一石二鳥じゃない?」
晶葉「あぁ。ゲッターG、真ドラゴンは何としても取り戻さなくてはいけない」
李衣菜「ジャック達だって命懸けで私達に託してくれたんだ。ここで立ち止まってなんていられないよ!」
凛 「…で、状況は?」
晶葉「現在、クジラの全エネルギーを注いでオーバーブーストを行い、何とかインベーダーの追撃を躱している」
加蓮「インベーダーに光線みたいな遠隔攻撃手段が無くて助かったってところ?」
李衣菜「けど、それでクジラのエネルギーは保つの?」
晶葉「保たんだろうな」
李衣菜「え!?それじゃあ…」
晶葉「安心しろ。お前達を火山島までは送り届けてやるさ。クジラは進路をこのままに、火山島付近の海域に着水する手筈になっている」
李衣菜「なんだ……そう言うことか…」
加蓮「けどそれじゃ、クジラが狙い撃ちにされたりしない?」
晶葉「その危険性はある。いざとなれば、乗組員は全員脱出すればいいだけさ」
加蓮「それでいいの?」
晶葉「命あっての物種だしな。何、全て勝てば、問題ない」
李衣菜「晶葉の言う通り!ランドウをやっつけて日本に帰る!それで万事上手くいくって!」
加蓮「お気楽だねぇ、ウチのリーダーは」
晶葉「その為に万全を期しておく必要がある。凛、お前には真ゲッターに搭乗してもらうぞ。異論はないな?」
凛 「うん。あんなデカぶつゲッターが相手だ。手段は選んでいられないよね」
李衣菜「えっ?それじゃあ私達は…」
加蓮「そもそも、私達には乗るゲッターも無いわけじゃん?」
李衣菜「え?でも、さっき卯月がネオゲッターを回収してたよ?」
加蓮「あんなの、もう動かないでしょ。それでも回収させたのは、晶葉なりに考えがあってだと思うけど…?」
晶葉「あぁ、それについて何だが…」
茜 「晶葉さ~~~んっ!!お待たせしましたぁ!!」
晶葉「来たか、飛焔チーム」
李衣菜「飛焔チーム?茜!」
凛 「先に手当てしてたんでしょ?応急処置で大丈夫なの?」
茜 「はいっ!掠り傷ですから!」
加蓮「包帯は重傷に見えるけどね」
美穂「ふふっ、でもホントに大丈夫だよ?」
アーニャ「美穂以外は、ですね」
美穂「あはは…」
李衣菜「それで、晶葉?茜達まで揃って話って?」
晶葉「あぁ、先の戦闘でゲッター飛焔も損傷し、ゲッター炉心を失っている」
凛 「……」
加蓮「それじゃあ、今のゲッター飛焔は、本来の半分くらいの性能しか出せないの?」
晶葉「まぁな。新たなゲッター炉心を用意するには、それなりの設備と時間が掛かる。そこで、現状の設備で、最大限とまではいかないがゲッター飛焔の性能を元通りに近付ける為…」
李衣菜「まさか……ネオゲッターのプラズマ炉を組み込むとか…?」
晶葉「……その通りだ」
李衣菜「やっぱり!」
晶葉「幸い、ネオゲッターのプラズマ炉の損傷は軽微と言っていい。それに同じプラズマ炉なら、ゲッター炉心よりも同期させやすい」
美穂「2基のプラズマ炉で、ゲッター飛焔の性能を補うってことだね?」
茜 「プラズマツインドライブですね!」
晶葉「この戦力でゲッター飛焔の性能低下は避けたい。少しでも希望を残す為だ。構わないか?」
茜 「私達はもちろん構いません!ゲッターエネルギーでもプラズマでも、使いこなして見せますよ!!」
アーニャ「アー……アーニャ達はともかく、リーナは…」
加蓮「別に構わないよね?もう、ネオゲッターの戦いは終わったんだ」
李衣菜「うん…」
晶葉「よし。直ぐに作業に取り掛かる。飛焔チームは待機していてくれ」
茜 「了解しました!行きましょう、アーニャちゃん、美穂ちゃん!かな子さんが保存してたお菓子を出してくれている筈です!!」 ダッ
美穂「あ、待ってよ、茜ちゃ~ん!」
アーニャ「ふふっ、お菓子、楽しみ…ですね」
凛 「私も、卯月達と合流するよ」
加蓮「うん。今までありがとね」
凛 「大したことはしてないけど」
加蓮「これから頼りにさてもらうから」
凛 「そっか。それじゃ…」
加蓮「うん」
タッタッタッ──
李衣菜「はぁ……結局、私達はお留守番か」
みく「なら、みく達のゲッターを使う?」
李衣菜「え?みくちゃん…」
みく「みく達は、さっきの戦いで先に帰還してたから、ゲッターの整備は済んでる。けど、みくはリーナちゃんや美穂ちゃんみたいに頑丈じゃないから…」
李衣菜「……」
みく「戦えるなら、みくのゲッターを使って」
李衣菜「…けど」
加蓮「アタシ達がゲッターに乗るのはいいとして、2号機はどうするの?そのまま瑞樹さんが乗る?」
「あたしがいるよ」
李衣菜「……ぁ」
加蓮「…奈緒」
奈緒「元は、チームだろ?いきなり組んだこともない奴と合わせるよりは安全なんじゃないか?」
みく「決まり、にゃ?」
李衣菜「……うんっ!奈緒が付いてくれれば心強いよ!」
奈緒「…お、おう!」
加蓮「はぁ……リーダーが言うんなら仕方ないか」
李衣菜「うん…!大丈夫、きっと大丈夫…」
加蓮「……?」
李衣菜「それじゃあ、ネオゲッターチーム、再結成だ!」
奈緒「ネオゲッターは壊れたんだろ?」
李衣菜「え?あー……そしたら…」
加蓮「どうでもいいんじゃない?名前なんてさ」
李衣菜「ははっ、そうだね!それじゃあ…!」
奈緒「おうっ!」
李衣菜「みく達の思いも乗せて、打倒ランドウだッ!!」
── 1時間後。
通信士「クジラ、エネルギー残量残り僅か!オーバーブースト、維持出来ません!失速します!!」
橘 「晶葉くんの予定通りか…。よし、クジラの姿勢を安定させろ!」
操舵士「了解!クジラ、水平を維持。海水面に接触します!」
橘 「総員、対ショック用意。衝撃に備えよ!」
盛大な水飛沫を上げ、クジラが海面に着水する。
橘 「くっ…!」
通信士「艦内の被害状況チェックします」
橘 「そんなものは後だ!目標は眼前、直ぐに出撃準備に掛かれ!」
通信士「り、了解っ!出撃レーン、解放します!」
橘 「ゲッター軍団、出撃せよ!!」
凛 (真ゲッターロボ…。この力、ホントに必要になる時が来るなんてね)
卯月「あの~、凛ちゃん?」
凛 「! ごめん、卯月」
卯月「大丈夫ですか?何か、ぼうっとしてたみたいですけど?」
凛 「3人で合わせるのは久しぶりだから緊張してるのかも。大したことじゃないよ」
かな子「ホントですか?凛ちゃんのコックピットにも、マフィンを入れておいたのでどうぞ?緊張してる時は、甘いスイーツでリラックスですよ!」
凛 「ありがと、かな子。いざとなったら頼らせてもらうよ。かな子もあんまり気を抜いて、私をサンドイッチにしないでよ」
かな子「そ、そんな事しませんよ!……多分」
凛 「そこは言い切ってほしいかな…」
卯月「も、もう行きますよ!ゲッターチーム、発進です!」
晶葉『茜。ゲッター飛焔のプラズマ炉の換装と同期は完了してる。感覚はどうだ?』
茜 「う~~…ん…。ゲットマシンの状態だと、よく分からないですね!」
晶葉『そ、そうか…』
茜 「けど、あまり変わりはないと思います!何時も通り、行けますよ!!」
晶葉『だが、ゲッター線と違ってエネルギーは無尽蔵と言うわけではない。何時も通りの感覚でやると、直ぐにガス欠を起こすぞ』
美穂「そこは私達が何とかするから」
アーニャ「私達も、やることは一緒、です。茜を支える……そして、勝って帰ります!」
美穂「だから、晶葉ちゃんも心配しないで見守ってて」
晶葉『確かに。お前達に任せておけば安心そうだ!』
茜 「心配事は何もなくなったところで!チーム飛焔、出撃しますよぉ!!」
芳乃「………」
鉄甲鬼「芳乃、お前にならこの戦いの行く末、分かっているのではないか?」
芳乃「以前にも申し上げた通りでしてー。わたくしに見えている未来などはー、視界を曇らせてしまう虚構に過ぎずー」
鉄甲鬼「だが、助言することも出来たのではないか?この状況を打破する為に。最善の手法を」
芳乃「流れ過ぎ行く時の中でー、最善を選ぶと言うことは、必ずしもより良き未来を見出だすとは限りませぬ故ー。今を生きる私達に出来ることはー、全力で抗う事でしてー」
鉄甲鬼「ふっ、そうかもしれないな」
ニオン「何を訳の分からない話をしている?ダイノゲッター、出るぞ!」
莉嘉「よぉし…!アタシだって!」
美波「莉嘉ちゃん、気持ちを強く持つのは大切だけど、心を落ち着けるのも大切なことよ」
莉嘉「美波…」
美波「いい?戦いには、熱いハートとクールな頭脳、なんて…」
莉嘉「熱いハートとクールな頭脳……うんっ、分かった☆」
美波(ホントに分かったのかな…?)
晶葉『ブラックゲッター、ゲッターD2、準備は出来たか?』
美波「は、はいっ!」
莉嘉「何時でも行けるよ!早く出して!」
美波「り、莉嘉ちゃん!この戦いは、私も上手くサポート出来ないと思うから…!」
莉嘉「うん…!アタシだって、足を引っ張るために出撃する訳じゃない!アタシに出来る、精一杯をやり遂げるために出撃するんだ!」
美波「ブラックゲッター!」
莉嘉「ゲッターD2!」
美波・莉嘉「「出撃(します)っ!!」」
李衣菜「初代ゲッターロボ、かぁ」
奈緒「卯月達も乗ったんだよな。ゲッターGもネオゲッターも、全部のゲッターの、始まりのゲッターロボ…」
加蓮「ま、改修や改装を重ねたお陰で、卯月達が乗ってた頃の面影はほとんどないけどね」
瑞樹『それでも、コックピット回りは当時のままよ!』
奈緒「瑞樹さん、菜々さんも!」
菜々『自動化が進んで簡略化されたネオゲッターのコックピットとは違います!一部の制御は複雑になってますから、気を付けてください!』
加蓮「確かに、ネオゲッターに比べてレバーやらボタンが多いけど…」
李衣菜「こっちがメインコントロールの操縦桿で、この握るとこが拳銃みたいになったのがゲッターマシンガン用の操縦桿……うん、何とかなるよ!」
加蓮「ホントに大丈夫?」
李衣菜「ま、為せばなる!成せばならぬ何事も、ってね?」
加蓮「不安だなぁ」
奈緒「……」
李衣菜「奈緒?久し振りのゲッターで緊張してる?」
奈緒「いや……えーっと、うん。あのさ…!」
李衣菜「うん?」
奈緒「その、こんな時にあれだけどさ…」
加蓮「何~?時間がないんだから、長話は勘弁してよね」
奈緒「茶化すなよ!…でも、そうだな…。ごめんっ」
加蓮「え?」
李衣菜「は?」
奈緒「あたし、ずっと怖かったんだ…。自分が死ぬのもそうだけど、それ以上に、あたしのせいで加蓮や李衣菜に何かあったらと思うと、怖かった」
加蓮「……」
奈緒「だから逃げたんだ。こんなあたしが、また同じゲッターに乗せてくれだなんて、おこがましい話だよ。だから、ごめん」
加蓮「……」
李衣菜「……」
奈緒「加蓮…?り、李衣菜…」
李衣菜「なぁ~んだ、そんな事!」
奈緒「そんな事って…お前なぁ!あたしは、真剣に!」
李衣菜「分かるよ。自分のせいで誰かが傷付くのって、耐えられない。まして、それで相手が死んじゃったら、ね」
奈緒「李衣菜…?」
加蓮「けど、そこで逃げたって、何にもならない。奈緒はそれを、逃げた先で教えてもらったんでしょ」
奈緒「…うん。シュワルツは、相棒の死を冒涜させないために、懸命に戦ってたよ。死んだ相棒にこれ以上罪を重ねさせないために、最後は自分で引き金を弾いたんだ」
李衣菜「……」
奈緒「あたしは、こうなっちゃいけないって思った。仲間の死に後悔して、敵になった仲間に銃を向けるなんて目に遭っちゃダメなんだ」
加蓮「……」
奈緒「仲間が消えてしまわないように。仲間を守れるなら、あたししかいない、そう思ったんだ」
加蓮「ふぅん…?」
奈緒「勝手な願いだってのは、分かってるよ。独り善がりだって言われても、仕方ない。けど、あたしは、2人を失うのが怖いんだ!李衣菜や加蓮達だけじゃない、凛や卯月、みんなだって!」
奈緒「あたしは仲間が死ぬので後悔したくない!だから、2人の命を背負いたいんだ。頼むっ」
加蓮「…勝手に殺さないでよ」
奈緒「え?」
李衣菜「今の言い方だと、私と加蓮となら、一緒に死んでいいみたいに聞こえたよ?」
奈緒「い、いや…!そうじゃなくてだな…!」
加蓮「分かってる、分かってるって。結局はアタシ達のところに戻りたいんでしょ?だったら素直にそう言えばいいじゃない」
李衣菜「加蓮の言う通りだよ。奈緒は奈緒なんだから。責任とか、後悔とかそんなの気にしてると、そのモフモフの髪も無くなるよ?」
加蓮「あ、それは勘弁」
奈緒「お、お前らなぁ…!」
加蓮「それじゃ、地球の平和と、奈緒の生え際の為にも行きますか!」
李衣菜「だね!この戦いをちゃっちゃと終わらせて守ろう!地球の平和と奈緒の生え際を!」
奈緒「勝手にあたしをハゲキャラ扱いするな~!」
李衣菜「あはっ、そのツッコミ、待ってた!凛が相手だと言葉がキツくて…」
奈緒「あたしはツッコミ担当かぁ!?」
李衣菜「帰ってきたんだって、安心するよ。またよろしく!」
奈緒「…ったくぅ」
加蓮「ふふっ!」
李衣菜「よぉし、心機一転!ネオゲッターチーム(乗ってるのは旧ゲッターだけど…)──」
加蓮「…っ」 グッ
奈緒(あたしが守るんだ。守ってみせる…!) グッ
李衣菜「発進!!」
ゴォッ──。
凛 「──…李衣菜達が来たね」
李衣菜「ごめーんっ。お待たせ!」
美波「ううん。けど、大丈夫?乗り慣れないゲッターで、いきなり実戦なんて…」
加蓮「その為のレクチャーは受けたよ」
李衣菜「何とかやってみるって」
卯月「頼りにしてます。お願いしますね?」
奈緒「お、おう…!任せろ!」
アーニャ「…相手も、敵陣を展開してます」
加蓮「おいそれとは近付けさせてくれないか。敵は…」
美穂「これ……ゲッタードラゴン!?」
凛 「ランドウが量産してたの?」
晶葉『いや、そんな雰囲気じゃないな。恐らく、百鬼帝国が造ったものを、回収して使っているんだろう』
かな子「そんな事までしてゲッターで戦力を固めてくるなんて…」
晶葉『余程ゲッターの威光に縋りたいらしいな』
ゲッタードラゴン?『──!!』
茜 「っ…!攻撃が来ますよ!!」
前方に布陣したゲッタードラゴンからのゲッタービーム一斉射撃を、ビームの網目を掻い潜るように、それぞれ散開して躱す。
李衣菜「お~っとっとぉ!?」
奈緒「ゲットマシンの状態で喰らったら一溜まりもないぞ!」
加蓮「なら、とっとと合体しよっか。リーナ、行ける?」
李衣菜「当然!」
卯月「私達も合体です!」
凛 「分かった。ゲットマシン各機、合体フォーメーション!」
茜 「了解です!」
卯月・茜「「チェンジゲッター1ッ!!」」
加蓮「奈緒~?久し振りだからって、とちらないでよ?」
奈緒「分かってる!感覚は体で覚えてるさ…!」
李衣菜「よぉし、ゲッターでの初合体だ!ゲッターチェンジッ!!」
──ドクンッ
李衣菜「──!!」
加蓮「ゲッターチェンジ?」
奈緒「それはネオゲッターだろ?合体出来たから良かったけど、間違えんなよな!」
李衣菜「……」
加蓮「リーナ?」
李衣菜「ぁ……う、うん…!ごめんごめんっ!気を付けるよ…」
奈緒「頼むぞ、ホント」
加蓮「……」
李衣菜(何だったんだろう、今の感じ…。ネオゲッターで合体した時とは違う…)
莉嘉「先ずはゲッタードラゴンを蹴散らせばいいんだよね?」
晶葉『あぁ。だが、ただのゲッタードラゴンである筈はない。くれぐれも注意してくれ』
莉嘉「よぉし!ゲッタートマホークッ!!」
美波「莉嘉ちゃん!」
忠告を半ば無視して、ゲッターD2が突貫。
莉嘉「どりゃぁあッ!!」
上段からゲッタードラゴンを切り裂く。
ゲッタ-ドラゴン?『……!!』
莉嘉「やった…?!」
ゲッタ-ドラゴン?『!!』 ウゾ…
莉嘉「い゛っ…!?」
切り裂かれたゲッタードラゴンの装甲の隙間から、黒い触手のようなものが飛び出してゲッターD2を鞭のように打ち、吹き飛ばす。
莉嘉「きゃあッ!」
美波「莉嘉ちゃん!」
茜 「でぇやぁあああッ!!」
吹き飛ばされたゲッターD2をブラックゲッターがキャッチ。代わり、上空からプロト・ゲッター1がガトリングガンでゲッタードラゴンにトドメを刺す。
茜 「あれは、間違いありません!インベーダーです!!」
美穂「ゲッタードラゴンが、インベーダーに侵食されてる…!」
晶葉『差し詰め、メタルビースト・ドラゴンと言った所か。厄介なことをしてくれる』
凛 「寧ろ、やり易くなったよ」
卯月「えぇぇいッ!!」
真ゲッター1が、メタルビースト・ドラゴンの敵陣に切り込む。
卯月「ゲッタァアートマホォォオークッ!!」
トマホークを水平に、全身を使って高速回転させ、発生した真空刃を含む巨大な竜巻で、密集したメタルビースト・ドラゴンを纏めて切り刻む。
かな子「相手がゲッターに乗ったインベーダーなら、負ける筈ありませんっ!」
晶葉『そんなものか』 ハハッ…
卯月「兎に角、邪真ドラゴンに辿り着かなきゃいけないんです!余計な力は使っていられません!」
李衣菜「じゃ、雑魚の相手はお任せ、ってね!」
卯月「李衣菜ちゃん!」
シュバッ
真ゲッター1の頭上を飛び越し、ゲッター1が躍り出る。
李衣菜「行っくぜぇ~っ!」
メタルビースト・ドラゴンが待ち構える。
李衣菜「ゲッターキック!!」
加速の勢いを殺さず、身を捻った水平蹴り。メタルビースト・ドラゴンを吹き飛ばす。
李衣菜「おりゃぁアッ!!」
蹴り倒したドラゴンの足をすかさず掴んでジャイアント・スイング。豪快な振り回しで周囲のドラゴンを吹き飛ばし、手掴みしていたドラゴンも最終的にに投げ飛ばし、他のドラゴンにぶち当ててまとめて破壊。
李衣菜「ゲッターレザー!」
腕のレザーを展開。人間の首筋の頸動脈を掻き切るように、正確にメタルビースト・ドラゴンの首を刈り取っていく。
奈緒「うぅ…っ!無茶苦茶だな……飛ばしすぎじゃないか?」
加蓮「調子いいじゃん、リーナ?」
李衣菜「うんっ!よく分かんないけど、このゲッターの使い方、ゲッター自身が教えてくれるみたい!」
奈緒「どういう事だ?」
李衣菜「ゲッターを、手足みたいに動かせる!」
ドラゴンを殴り飛ばし、破壊する。
李衣菜「さぁ、卯月!真ゲッターは真ドラゴンに向かって!」
卯月「え……はいっ!」
ウィングを拡げ、真ゲッター1は飛翔。
李衣菜「うん……よしっ!」
奈緒「卯月達を行かせて良かったのか?」
李衣菜「そりゃ、どんだけこのゲッターで粘ったって、邪真ドラゴンなんて化け物、倒せるのは真ゲッターだけだ!」
加蓮「なら、アタシ達にはアタシ達の、出来る仕事をしよ?」
李衣菜「やあああああッ!!」
向かってくるドラゴンを、ゲッターパンチで応戦。
李衣菜「…ゲッターウィングの応用法だ!」
言って、拡げたゲッターウィングをドラゴン目掛けて飛ばし、頭に巻き付ける。
李衣菜「ほら!」
それを一気に引き、相手の体勢を崩すと同時に手前に引き寄せ、
李衣菜「ゲッタートマホークッ!」
抜き打ったトマホークで一閃。メタルビースト・ドラゴンを上体と下体に断ち切った。
李衣菜「…へへっ」
加蓮「調子に乗らない」
鉄甲鬼「ゲッターライガー、ポセイドンの軍団も来るぞ!」
李衣菜「ゲッター総攻撃って訳…!なかなかロックな展開じゃん!」 グッ
卯月「スプリットビームッ!!」
メタルビ-スト・ポセイドン『!!?!』
立ち塞がったポセイドンを腕部からのビーム攻撃で撃破。
かな子「何か複雑です…」
凛 「今は敵だからね。割り切らないと」
卯月「見えました!真ドラゴンです!」
巨大な影が、真ゲッターコックピットのモニターを覆う。
かな子「実際に見ると、映像より大きいですね…!」
凛 「これが、私達のゲッターGなんてね」
卯月(未央ちゃん…!)
ランドウ「来るか、真ゲッターロボ!」
かな子「こんなおっきいの、どうやって攻めるんです?ストナーサンシャインを使いますか?」
凛 「……いや、ゲッターエネルギーによる攻撃は逆効果かも」
かな子「だったらどうやって?」
卯月「とにかく、攻撃してみるしかありません!」
真ゲッター1がトマホークを構え直す。
卯月「やぁあああッ!!」
ガギンッ
卯月「っ!」
ランドウ「ふはははっ!無駄な事だ!」
大上段から振り下ろしたトマホークの一撃は、真ドラゴンの装甲表面で火花を散らして終わる。
かな子「か、堅い…!」
卯月「この…っ!」
同じ攻撃箇所を何度か殴り、蹴りを入れる。
ランドウ「痒いわっ!」
卯月「きゃあっ!」
真ドラゴンの薙ぎ払い。真ゲッター1は地面に叩き付けられる。
卯月「つっぅ…!」
メタルビ-スト・ライガ-『!!!』
美波「ゲッターマシンガン!」
莉嘉「ゲッターライフルッ!!」
倒れ伏した真ゲッター1に殺到したライガーを、2体のゲッターの射撃兵装が撃ち抜いていく。
美波「大丈夫?卯月ちゃん!」
卯月「美波ちゃん、莉嘉ちゃん。まだまだ行けます!」
ランドウ「はははははっ!!無駄だ無駄!貴様らのゲッターでは所詮、焼け石に水なのだァ!」
ニオン「チッ…!言いたいように言ってくれる!」
鉄甲鬼「だが、このまま為す術がないままでは!」
李衣菜「そんなの誰が決めたの!私達はまだ誰一人倒れてない!倒れない限り、やり様はある筈だよ!」
ランドウ「圧倒的な力を前に絶望せん…。ならば、その身で想い知るが良いわ!!」
卯月「!?」
真ドラゴンの周囲の空間が歪む。
奈緒「な、何をする気だ…!?」
アーニャ「真ドラゴンの周りに……ゲッタートマホークが!」
美波「何もないところから、トマホークを出現させたの!?」
晶葉『違う!この島一帯の空間は、高濃度ゲッター線によって真ドラゴンが支配している!そのゲッター線を使って、トマホークを生み出したんだ!』
ランドウ「貴様らも得意だろう?トマホークブーメランと言う奴だ!」
奈緒「トマホークブーメランって……数が出鱈目じゃないぞ…!」
一帯の青空を埋め尽くすほどのトマホークが展開する。
ランドウ「行けぃッ!!」
加蓮「来る…っ!」
豪雨の様に降り注ぐ無数のトマホークが、木々を薙ぎ倒し、地面を抉り、空間を覆っていく。
奈緒「ど、どうすんだこんなの…!避けようないじゃないか!」
李衣菜「避けようがないなら…!」
両手にゲッターマシンガンを展開。
李衣菜「迎い撃つまで!!」
ゲッター1を襲う、トマホークの雨に対し、マシンガンの弾丸を撃ち放った。
卯月「やぁああああッ!!」
茜 「美波さん、莉嘉ちゃん、ニオンさんも!飛焔の後ろから離れないで下さいね!」
美波「え、えぇ…!」
莉嘉「きゃあっ!!」
ニオン「くっ…!仕方あるまい!」
真ゲッター1とプロト・ゲッター1は、それぞれの長柄のトマホークを回転させ、攻撃を弾く。
加蓮「この雨、何時まで続くの…?」
李衣菜「もう……少し!」
カチッ カチッ
マシンガンの弾倉が尽きるのと、雨が止むのは同時。
李衣菜「はぁ……はぁ……はぁ……」
奈緒「な、何とかなった……のか…?」
ランドウ「どうだ?少しは思い知ったか?越えられぬ力の差を!」
抉れ隆起し、荒れ果てた大地の上に、ボロボロになったゲッター1が立つ。
ランドウ「…致命傷への攻撃は避けたか」
李衣菜「2人も命を預かる身なんでね」
奈緒「お前は大丈夫なのか?李衣菜!」
李衣菜「大丈夫、ちょっと血が出ただけ。何時もの事だから!」
茜 「しかし……敵も味方も、お構いなしですか!」
鉄屑となって足元に散らばるドラゴンの頭部を蹴り飛ばす。
ランドウ「そんなもの、あとで幾らでも造り出せるからな」
美穂「どうして…!これだけの力、もっと多くの人を救うことだって出来るのに!」
ランドウ「救って何になる?未来に展望もなく、ただ漫然と命を食い散らかす愚かな人間なぞ、滅んで然るべきだろう?」
凛 「あんたも、その人間の一人だろうに」
ランドウ「一緒にするでない!ワシは、この地球と言う星が生き残る、最善を考えておる!!」
美波「その為に、人類は滅んでもいいと?」
ランドウ「資格はないのだ。人間共に地球を守る資格は!やがて宇宙全体に仇なす人間に、その資格は!」
茜 「何を訳の分からないことを!言っているんです!!」
ランドウ「必要ないのだ、この宇宙に!人間も、ゲッターも!故にワシが、この地球を正しく作り直す!」
加蓮「その為に人類を一度滅ぼすって?極論も良いところだね。一人の勝手な理屈で大勢の夢と未来が、奪われていい筈がない!」
ランドウ「その為に宇宙を滅ぼすか!」
李衣菜「秤に掛けるのが間違ってるんだ!宇宙の存亡とたくさんの人達の夢!そんなもの、推し量れるわけないじゃん!」
ランドウ「そうだとも!だからこそ、情に絆され同族以外は切り捨てる、人間共は滅ばねばならぬのだ!!」
ニオン「またトマホークブーメランを使うつもりか!」
卯月「そうはさせませんっ!」
ランドウ「むっ!?」
卯月「ゲッタービーム!!」
真ドラゴンの周辺、歪んだ空間にゲッタービームを放ち、出現前のトマホークを薙ぎ払う。
凛 「予備動作は分かり易いんだ。そう何度も撃たせたりしないよ」
奈緒「だからって、空間ごと撃ち抜くかぁ?ホント規格外が過ぎるよ」
芳乃「感心する暇も惜しまねばー。今こそ攻撃の好機、でしてー」
莉嘉「そうだ!味方も纏めて吹き飛ばした今なら!」
李衣菜「真ドラゴンを守るものは何もない!」
ニオン「ゲッタートマホォォオークッ!!」
各ゲッター1が、それぞれのトマホークを構え、突撃。
茜 「うりゃっ!」
李衣菜「たぁっ!!」
莉嘉「えいっ!」
美波「はっ!」
ニオン「フンッ!」
卯月「てぇぇぇいッ!!」
大木を薙ぎ倒すように、同じ箇所に連続してトマホークを打ち付けていく。
ランドウ「ふははははッ!何だ?それで攻撃のつもりか?」
茜 「くっ!トマホークでは、ダメージを与えられている気がしません!」
美穂「それなら私が!茜ちゃん!」
加蓮「こっちも攻め方を変えてみよ。ミサイルとパワーで!」
李衣菜「分かったよ!」
李衣菜・茜「「オープンゲット!!」」
美穂・加蓮「「チェンジゲッター3ィッ!」」
美穂「いくよ、加蓮ちゃん!」
加蓮「ミサイルの数じゃ劣るけど、合わせるよ!」
美穂「ミサイルレイン!!」
加蓮「ゲッターミサイル、連射!」
プロト・ゲッター3の各発射サイロからミサイルを一斉に放ち、ゲッター3は肩部からミサイルを連射。真ドラゴンは黒煙に包まれる。
美穂「どう?」
黒煙が晴れ、姿を覗かせた真ドラゴンは、
加蓮「無傷…。冗談でしょ」
美穂「っ…!アーニャちゃん、茜ちゃん。ゲッター飛焔のプラズマエネルギーを、フルパワーで!」
アーニャ「了解!」
茜 「託しますよ、美穂ちゃん!」
美穂「ゲッターエネルギーなしで、どれだけ出来るか分かんないけど、やらないよりなら!」
腕部にエネルギーを集束させて、突撃。
美穂「天地!轟壊ッ!!」
天地轟壊。渾身の拳を、真ドラゴン目掛けて放つ。
ランドウ「ぬぉ…っ!」
茜 「真ドラゴンが、動きました!」
美穂「揺るがせただけ…。やっぱり、プラズマエネルギーだけじゃ…!」
ランドウ「今のは流石に驚いたぞ?」
美穂「!」
プロト・ゲッター3の頭上から、真ドラゴンの腕が押し潰しに掛かる。
美穂「くっ…!うぅ…っ」
ランドウ「そのパワーでどの程度持ち応えられるかな?」
美穂「うぁ…!あぁっ!」
真ドラゴンの腕を抑えるプロト・ゲッター3の両腕に亀裂が奔る。
凛 「ドリル、ハリケェーーンッ!!」
ランドウ「ぐっ!?」
真横から飛来した真ゲッター2のドリルが、真ドラゴンの腕部を大きく抉る。
凛 「何とか、ドリルの一点突破なら傷を付けられるみたいだね」
ランドウ「おのれぇ…!」
凛 「今だよ、加蓮!」
ランドウ「?!」
加蓮「ゲッターパンチ!」
真ゲッター2の攻撃で怯んだ真ドラゴンの腕部を、ゲッター3の拳による横撃で浮かせる。
美穂「オープンゲット!」
その僅かな隙を突いて、ゲッターを分離させ脱出。
茜 「ありがとうございます!凛さん、加蓮さん!」
加蓮「いいっていいって」
ランドウ「ふんっ……これしきの、事!」
真ゲッター2に傷付けられた部分が瞬時に回復。
かな子「何て回復力…!」
卯月「これじゃあ、幾ら攻撃しても…!」
美波「それなら!」
アーニャ「美波ィ!」
ブラックゲッターが肉薄。
美波「一か八か、攻撃してみるだけ!ゲッタービーム!!」
至近距離から、ゲッタービームを放つ。
美波「っ!?何…!」
真ドラゴンに直撃したビームの様相が変わる。
凛 「どうしたの?美波!」
美波「え、エネルギーが……吸い取られる!」
莉嘉「えっ!?」
美波「きゃあっ!!」
エネルギーを根こそぎ奪われ、力を失ったブラックゲッターは海中に没する。
アーニャ「ン美波ィッ!!」
ランドウ「ふははははっ!愚か者共め!ゲッター線を支配する真ドラゴンに、ゲッター線による攻撃が効くと思うか!」
かな子「こ、これじゃあ…!本当に打つ手なしじゃないですか!」
卯月「一体どうすれば…」
(──しまむー!)
卯月「! 今の声…」
凛 「どうかしたの、卯月?」
卯月「凛ちゃんにも聞こえませんか?」
凛 「聞こえるって…」
(──しぶりん!)
凛 「! これって…」
卯月「未央ちゃんの声です!」
かな子「未央ちゃん!?そんな声、私には何も…」
凛 「いや、確かに聞こえた…。これは、あの時と同じ…」
卯月「あれが私達の真ドラゴンだとすれば、あの中にまだ未央ちゃんはいるんですよ!」
凛 「未央が、ゲッターを通じて私達に呼び掛けてきた…?」
(──お願い、力を貸して!)
卯月「えっ」
凛「え?」
邪真ドラゴンの口から放たれた触手のような針が、真ゲッター2の2号機と1号機のコックピット部に直撃する。
凛 「ぐぁっ!」
卯月「きゃあっ!!」
かな子「卯月ちゃん、凛ちゃん!」
「………」
かな子「凛ちゃん!?卯月ちゃん!!」
ランドウ「何だ…?今の攻撃は…」
李衣菜「かな子、どうしたの?」
かな子「そ、それが、いないんです」
奈緒「いない?」
かな子「はい!卯月ちゃんと凛ちゃんが、コックピットにいないんです!」
加蓮「ウソっ!?」
かな子「さっきの、真ドラゴンの攻撃を受けた時から、姿がなくなってたんです。まさか…!」
奈緒「バカ!そんなことある筈ないだろ!晶葉!そっちからなら、卯月達のコックピットをモニター出来るだろ。どうなってんだ?」
晶葉『あぁ、こちらでもモニターしていた。しかし、攻撃の瞬間は映像も乱れて、何が起こったか…!』
李衣菜「卯月……一体何処に…」
奈緒「はぁ!?そんな事が、あり得るのか?」
ランドウ「はははっ、頼みの真ゲッターも、まともに動かんようだな?」
かな子「きゃあっ!?」
邪真ドラゴンが攻撃を開始する。
李衣菜「ともかく、パイロットが2人欠けたゲッターで、ここに留まるのは危ないよ。一回下がろう」
かな子「で、でも…」
晶葉『李衣菜の言う通りだ。全機帰還してくれ』
ニオン「何だと!?」
アーニャ「カナコや、リーナはともかく……アーニャ、達も?」
晶葉『そうだ。今のまま攻撃を続けても意味はないだろう。体勢を立て直す必要がある。だから一度下がるんだ』
美穂「そう言っても、邪真ドラゴンが…」
ランドウ「そうだ!忌まわしき眷族共よ!何処へも逃がさぬ……うっ!?」
茜 「何です!」
突如、邪真ドラゴンが苦しみ出すように空を仰ぐ。
ランドウ「何事だ…!何が起こっている?コーウェン、スティンガー!」
スティンガ-「わ、分からない…!」
ランドウ「分からないだと…?」
コ-ウェン「真ドラゴン、制御不能です」
ランドウ「制御不能、だと…?!真ドラゴンのコントロールは、確かに手中に納めたのではなかったのか!」
コ-ウェン「確かに、真ドラゴンの全ての力は制御下に起きました。今はただ、不測の事態が起こったとしか」
ランドウ「そんな事で納得できるか!」
スティンガ-「ボク達も全力で原因を調べているところさ。そうだよね、コーウェン君?」
コ-ウェン「そうだよ、スティンガー君」
ランドウ「おのれぇ…!ぐぅおぉおッ!!」
天を仰いだ姿勢から一転、巨大な両腕を抱え込み、内側に収縮していき、やがてマシーンランドにも似た繭を形作った。
加蓮「何だったの?」
晶葉『さぁな。しかし、連中にとっても不測の事態だったことは確かなようだ』
鉄甲鬼「取り敢えず攻撃は止んだ、か。体勢を立て直すなら、確かに今だな」
晶葉『あぁ。皆、急いでくれ。時間に猶予があると言うわけでもないだろう』
李衣菜「…うん、分かった」
加蓮「ま、このまま戦闘続けてても無駄っぽいし。浮き足立っても仕方ないか」
莉嘉「待って、アタシは美波を救助してくるよ」
アーニャ「あ……リカ、お願いします」
莉嘉「うん☆任せて!」
李衣菜「………」
李衣菜(卯月、凛…。私達は…──)
つづく
次回予告
突如として活動を停止した邪真ドラゴン。その理由は卯月達ゲッターチームの尽力であると、晶葉推測した。
卯月達が邪真ドラゴンを止めている間に、何としても邪真ドラゴンを打倒したい晶葉は、邪真ドラゴンの核・ゲッター炉心の破壊を、李衣菜達に命じるのだった。
敵中枢への単独突入、ランドウとの最後の戦いに向かうため、李衣菜・奈緒・加蓮の3人は、遺された真ゲッターロボに乗り込む──!
次回、ゲッターロボ×CG 第3部最終回
第34話『切り拓け!私達の未来!!』に、チェンジゲッター!