ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第13話『彼方へ…』

 

~~~ ??? ~~~

 

ツカツカツカ──

 

マクドナル「……!」

 

???『ようやくか…。もう直ぐで寝入ってしまうところだったぞ』

マクドナル「既にお待ちであったとは。申し訳ありません」

???『良い。ほんの手遊びに、少々先行きを見通したまでの事。余興よ、余興』

マクドナル「は…」

???『して、趨勢はどうなっておる?』

マクドナル「急進派と言う勢力も、そう長くはないでしょう。グールめは充分な野心を持っておりますが、ゲッターに歯向かうには力が足りぬのです」

???『ふむ…。やはり蜥蜴風情に、ゲッターの相手は荷が重かったか』

マクドナル「対するゲッターは日が経つ毎に力を増しております」

???『ゲッターアーク…。繰り手は城ヶ崎莉嘉…ふっふっふっ』

マクドナル「……?」

???『美しい…。そうは思わんか?マクドナル』

マクドナル「は…?」

???『戦場に立つ姿は戦女の様に凛々しく、それでいて黄金に煌めく流れる髪に、決意と好奇心、そして隠しきれる悲哀を秘めた眼差し…。戦乱の中で完成された芸術とも呼べよう』

マクドナル「……」

???『幼いながらに強く、勇ましく、美しい。そこにゲッターと言う力が宿り、今の彼女と言う器が形作られている』

マクドナル「それには同意致します。年端の行かぬ小娘とは思えぬ程、獅子奮迅の力を見せつけております」

???『その器、この手で壊してやりたいものよのぅ。彼女の全てを奪い、心の枝葉一枚まで折り散らして屈服させ、我が手中で飼い殺してやりたいものよ…っ!』

マクドナル「では…」

???『予定通り、計略を進めよ。ゲッターを然るべき舞台へと誘うのだ』

マクドナル『ご随意のままに…──晴明様』

 

晴明『愉しくなってきたではないか。ゲッターアーク、城ヶ崎莉嘉…。早く相見えたいぞ?くっくっくっ──』

 

~~~ 急進派マシーンランド 近隣海域 ~~~

 

カムイ「第1、第2攻撃隊は前進!!同時、無敵戦艦ダイはマグマ砲を斉射せよ!突出してくる敵迎撃部隊の第一陣を、可能な限り砲撃で落とすのだ!!」

 

ダイ『ギャァアアオッ!!』

 

カムイの指揮に従い放たれる無数のマグマ砲。深海でも冷える事のない赤いマグマの砲弾が、カムイの戦力を削ぐ為に出撃した迎撃部隊の一団を穿ち、一瞬仄かな爆炎を生んで散らす。

 

バド『キシャァアアアッ!!』

ザイ『グォォォンッ!!』

ズー『ガァァァアッ!!』

ジガ『シャォォォンッ!!』

 

同時、左右から押し寄せるメカザウルスの群れがぶつかり合い、破壊、破壊の乱戦が展開される。

 

バイス「はぁぁぁッ!!」

ゾル「うぉぉぉッ!!」

ドロス「でぇぇぇいッ!!」

 

有人部隊も前線に切り込み、ゲッターザウルスと、ゾルの駆るギガスはダブルシュテルンやトマホークを振るって敵メカザウルスを粉砕し、その後方でゲドが魚雷を斉射。前進する2機を支援する。

 

莉嘉「スゴ…ッ!ランドウとの決戦でも、こんな激しくならなかったよ!」

かな子「正に大決戦…!気を抜いたら、ゲッターでも撃墜されちゃいますよ!」

莉嘉「そ~んなヘマ今更しないから大丈夫!ね、美波!」

美波「えぇ!作戦の規模は違っても、する事は前の交易マシーンランド戦の時と同じ。皇子救出の為にも、先ずはマシーンランドに突入しないと!」

莉嘉「一点突破なら、キリクの見せ場だね!やっちゃえ、美波~☆」

美波「やぁっ!」

 

ゲッターキリクの加速。水中の抵抗をものともせずグングンと速度を上げ、敵陣にそのドリルの切っ先を突き付け、飛び込んでいく。

 

美波「ドリル・アーーム!!」

 

渾身のドリルによる一撃。唸るドリルが周囲に海流の衝撃波を作り、複数のメカザウルスをまとめて撃破していく。

 

美波「このまま押し切ります!──っ!?」

 

ゲッターキリクの横を、一迅の旋風が駆け抜けていき、ゲッターキリクに肉薄していたメカザウルスを貫く。

 

美波「これは…」

カムイ「支援する。共に突破口を切り開くぞ」

美波「カムイ殿下…!」

カムイ「ゲッターキリクか…。何故だろうな、隣に立つと、不思議な気持ちになる」

美波「あ、ありがとうございます…?」

カムイ「実戦は初めてだが、足手まといにはならん!」

美波「心強いです。では、一緒に!」

カムイ「あぁ!!」

 

美波・カムイ「「ドリル、アターーーック!!」」

 

ゲッターキリクとカムイギガス。2つのドリルが1つの巨大な螺旋となって厚く展開した敵の防衛戦を穿つ。

 

ゾル「!?ゲッターキリク…!カムイ殿下!」

鉄甲鬼「道が拓いたな!」

ドロス「皆の者、2機の後に続けっ!!」

バイス「了解!!」

 

ゲッターキリクとカムイギガスが穿ち抜いた防衛網の穴に、後続が続いていく。

 

美波「…!殿下、危ないっ!」

カムイ「!?」

美波「きゃああっ!!」

 

突撃の姿勢にあったカムイギガスに放たれた横撃を、ゲッターキリクが庇い、代わりに受ける。

 

カムイ「大丈夫か!?」

美波「はいっ。損傷は軽微です!」

莉嘉「けど、ドリルアタック中に横から攻撃を仕掛けてくるなんて…!」

かな子「美波ちゃんを攻撃した相手の反応、捉えました!スゴく速い…!」

莉嘉「これ、水中の速度…!?」

かな子「反応がこっちに向かってくる…。戻ってきます!」

美波「っ…!」

 

敵の動きに合わせて機体を正対させ、ドリルを翳して敵の突撃を受け止める。

 

美波「ぐぅ…!こ、この敵は…!」

かな子「メカザウルスじゃ、ない…!?」

ドラゴ「そうだ」

莉嘉「その声……ドラゴ!?そのマシンに……マシンなの?」

かな子「確かに、マシンって言うよりは怪獣……生き物みたいな…」

ドラゴ「そうだ。これこそが恐竜帝国に与えられし、究極の生物兵器・空魔獣グランゲンだ!!」

かな子「生物兵器…」

莉嘉「空魔獣グランゲン!?何かカッコいい!」

かな子「な、名前だけじゃないかな…」

ドラゴ「今日こそその首級をもらうぞ、ゲッターロボ!!」

美波「うぅ…!」

 

力づくで組み合うゲッターキリクを弾き飛ばす。

 

美波「っ…!何て、パワー…!」

かな子「これまでのメカザウルス以上……ううん、百鬼メカやメタルビーストなんかよりもずっと上です!!」

ドラゴ「そんな生半可な連中と一緒にされては困るな!」

 

シュルン、とグランゲンの右腕が触手に変わり、ゲッターキリクを捕縛。

 

美波「しまった!?」

ドラゴ「そのまま深海で潰れるがいい…!」

美波「くぅ…う…っ!」

莉嘉「こんな細っこい触手、パワーで千切れないの!?」

美波「ダメ…っ!キリクのパワーじゃ…!」

莉嘉「手も足も出ないの!?」

ニオン「うぉおおおッ!!」

ドラゴ「!?」

 

ダイノゲッター1のトマホークによる、大上段の一撃が、ゲッターキリクを拘束した触手を斬り断つ。

 

ドラゴ「ふん…。命拾いしたか」

美波「あ、ありがとうございます!」

鉄甲鬼「礼なら後回しだ!今は体勢を立て直せ!」

美波「は、はいっ!」

 

グランゲンから距離を取り、ダイノゲッターらと合流する。

 

ドロス「やれるか?美波殿」

美波「大丈夫ですっ!こんな損傷くらい…!」

ゾル「よし、ならば一気に敵のエースを…」

かな子「いえ、ここは…」

莉嘉「莉嘉達にお任せって!」

ニオン「何…?」

バイス「まさか、お前達だけで、あれの相手をするつもりか!」

かな子「確かに、敵の能力は未知数です。だからこそ、ここで時間を掛けられるわけには行かない筈です!」

鉄甲鬼「…確かにな」

ガンリュ-「正気ですか!?私達くらいでも、支援に残った方が…」

カムイ「戦いは始まったばかりだ。マシーンランド防衛に展開している部隊も、これが全てではない」

ゴズロ「マシーンランドに突入した後の戦闘も考えると、下手に戦力を割くのは危険、と言うことか…」

カムイ「美波、かな子、莉嘉」

3人「「「はい」」」

カムイ「任せたぞ」

美波「了解しました!」

莉嘉「へへっ、任された☆」

かな子「皇子を、お願いします」

カムイ「あぁ。皆、我に続け!」

ニオン「了解ッ!!」

芳乃「莉嘉さん達ー、よしなにー」

 

マシーンランドへと突撃を敢行する仲間達を見送る。

 

ドラゴ「……ふん」

莉嘉「カムイ達は追わなくていいんだ?」

ドラゴ「2兎は追わずだ。先ずは貴様との決着を着けるぞ、ゲッター!」

莉嘉「へぇ、意外と女々しいんだ。ま、向かってくるなら望むところだけど……美波!」

美波「えぇ!」 グンッ

ドラゴ「っ!」

 

ゲッターキリクが高速機動。グランゲンがそれに追随する。

 

美波「!?」

ドラゴ「遅いな!」

美波「きゃっ!?」

 

グランゲンの触手の鞭打が、ゲッターキリクを打つ。

 

ドラゴ「どうした?スピードが自慢なのではなかったのか?」

美波「くぅ…!」

ドラゴ「ふっ…!」

美波「なっ…!待って!」

 

突如、高速でゲッターキリクから距離を取ろうとするグランゲンを追撃。

 

美波「ぐっ…!」

ドラゴ「ふふっ…」

莉嘉「うぅっ…!」

かな子「美波さん、落ち着いて下さい!これ以上は、水圧でキリクがバラバラになっちゃいます!」

美波「くっ…」

莉嘉「ダメ…!止まっちゃ…!」

美波「え?」

ドラゴ「そうか、止まるのか」

 

ゲッターキリクが速度を落としたのは、敵陣の只中。

 

ドラゴ「やれ」

かな子「分離を…!」

美波「間に合わない…!」

 

集中砲火が、ゲッターキリクを襲う。

 

3人「「「きゃぁあああッ~~!!」」」

 

ドラゴ「他愛のない」

美波「くっ…!」

 

ギュンッ

 

ドラゴ「何…?」

美波「ドリル…!タイフーンッ!!」

 

ゲッターキリクを上昇させて弾幕をすり抜け、包囲していた敵陣に上部からの旋風を放つ。ドリルから放たれた旋風は海流のうねりを生み、周囲にいた敵メカザウルスを破壊した。

 

美波「はぁ…はぁ…はぁ…」

かな子「あのグランゲンっての相手に、周囲の敵も無視出来ない…。ゲッターキリクじゃ、流石に不利ですよ」

莉嘉「チェンジだよ、美波!アタシに代わって!」

美波「…未だ、全ての手を尽くした訳じゃない。もう少し…!」

かな子「悠長に出来る相手じゃないんですよ!……っ!?」

 

言うが速いか、高速機動でグランゲンに迫る。

 

美波(変形の隙を作ってくれるような相手じゃない…!先ずは何としても、気勢を削がなきゃ!)

美波「シザーアーム!!」

ドラゴ「ふふっ…!」

 

シュルンッ

 

美波「?!」

 

触手の腕が絡み付き、ゲッターキリクの腕を絡み取る。

 

美波「くっ…!んん……ん…っ!」

ドラゴ「所詮は速度重視!パワーもなく、自慢のスピードも水中では生かせんのではなぁ!」

美波「きゃあっ!」

ドラゴ「攻略など容易いぞ、ゲッター!!」

 

投げ落とし、体勢の崩れたゲッターキリクに、腕の触手を鎌のように鋭く変化させたグランゲンが迫る。

 

ドラゴ「トドメだ!」

美波「っ……!」

かな子「オープンゲット!!」

美波「──きゃっ!」

ドラゴ「チィッ!」

 

3号機側からの強制分離。合体が解け、ゲットマシンが散る。

 

美波「っ!」

莉嘉「うぅ…!」

かな子「莉嘉ちゃん、美波さん……ごめんなさい」

莉嘉「うぅん。ナイス、ファインプレー☆……わっ!」

 

アーク号の正面に、グランゲンが立つ。

 

ドラゴ「パワーダウンしてみすみすやられるのが、ファインプレーか!」

莉嘉「くっ…!こンのぉ…!」

 

波状に押し寄せるグランゲンの触手攻撃を紙一重で躱していく。

 

莉嘉「っ!合体もさせてくれないなんて、ちょっと大人げないんじゃない?」

かな子「任せて下さい!」

莉嘉「かな子!」

かな子「えぇぇぇいッ!!」

 

加速したカーン号が、グランゲンの背中目掛け体当たりを仕掛ける。

 

ドラゴ「ぐぉ…!?」

美波「かな子ちゃんっ!」

かな子「痛ぅ……今の内です!莉嘉ちゃんと美波さんは合体して下さい!」

美波「え…」

莉嘉「アタシが先頭になる!美波続いて!」

美波「…分かった!」

ドラゴ「くっ…!させん!」

かな子「未だ相手をしてもらいますよ!」

 

カーン号のバルカンとミサイルを至近距離で放つ。

 

ドラゴ「ぐぅぅ…!カトンボが…!」

莉嘉「かな子も、早く!」

かな子「はいっ!」

 

射撃の反動を使ってグランゲンから離脱。既に合体したアーク号とキリク号に追随する。

 

莉嘉「チェーンジゲッターーーッ!!アーーック!!」

 

莉嘉「か~な~子~!すんごい頑張ったじゃん!お陰で助かっちゃった☆」

かな子「カーン号の装甲の厚さのお陰ですよ。ベアー号やポセイドン号だったら…」

莉嘉「まぁまぁ、お陰で形勢逆転!一気に決めるよ!!」

美波「……」

ドラゴ「アークへの合体に成功しただけで勝てる気でいるとは、舐められたものだな!」

莉嘉「さぁね!けど、下で見ててずっとウズウズしてたんだ!大人しくしてた分──!」

 

バド『キシャァァァッ!!』

 

莉嘉「っ!!」

 

瞬時に展開したバトルショットカッターで、肉薄したバドを切り刻む。

 

バド『!?!?!?』

莉嘉「暴れさせてもらうから!」 シュバッ

ドラゴ「!」

莉嘉「ダブルトマホークッ!!」

 

両手にトマホークを構え、敵メカザウルスの一団に飛び込んでいく。

 

莉嘉「ダブルッ!ラビリント~ス!!」

 

左右のトマホークを唸らせ、柄尻の部分を結合してツイントマホークを形成し、巻き起こすトマホークの旋風に巻き込ませ、一網打尽に破壊する。

 

ドラゴ「このぉ!!」

莉嘉「!!」

 

グランゲンの一撃を、受け止める

 

莉嘉「気が早いね!アタシは好きなものは最後に取っておくタイプなの!」

ドラゴ「戦場で舐めたことを…!何処まで人をこけにするつもりだ!?」

莉嘉「こけに何てしてないよ。それより、そっちこそいいの?ゲッターアークの武器、何か忘れてない?」

ドラゴ「何…!」

 

ゲッターアークのウィングが開く。

 

莉嘉「普通でも痛いけど、水中だともっと痛いよ!」

ドラゴ「──!」

莉嘉「サンダーボンバーーッ!!」

 

バリバリバリバリィ

 

ドラゴ「ぐっ…!」

 

サンダーボンバーが深海を眩く照らし、その雷撃によって周囲の敵を破壊する。

 

ドラゴ「くっ…!小ザル風情がァ…!」

莉嘉「ありゃ?意外にしぶといんだ」

ドラゴ「……殺すッ!!」

莉嘉「もう凄まれたって怖くないよ。散々アタシのこと舐めてるだこけにしてるだって言ってさ、結局人を見下してるから、足下掬われるんじゃないの?」

ドラゴ「……」

莉嘉「あはっ☆もしかして図星?」

ドラゴ「!!」 グンッ

莉嘉「っ!?」

 

グランゲンが高速で移動し、ゲッターアークの視界から逃れて深海の闇に消える。

 

莉嘉「…図星突かれて本気ギレってトコかぁ……きゃっ!」

 

死角から一撃。ゲッターアークが仰け反る。

 

莉嘉「あぅ゛…!ぐっ……がっ…!う゛っ…!」

 

高速移動からの一撃、そして死角外への離脱。断続的に行われる一撃離脱戦法に、為す術無く打ちのめされるゲッターアーク。

 

莉嘉「うぐぅ…っ!」

 

衝撃で弾み、正面のコンソールに頭部を打ち付ける。

 

美波「莉嘉ちゃん!?」

莉嘉「はっ…へへへっ…!」

 

額から鮮やかな赤い血の流れが下へと伝う。

 

莉嘉「面白くなってきたじゃん!」

美波「莉嘉ちゃん…。…!」

かな子「美波さん?どうかしたんですか?」

美波「……うぅん。大したことじゃ…」

 

ドラゴ「……ッ!!」

莉嘉「──!!」

 

ガギィンッ

 

ドラゴ「…!?」

莉嘉「隙を、狙ってくるんだもんね?だったら、そう言うのを作っちゃえば…!」

ドラゴ「こちらを誘い出したと言う気か!」

莉嘉「乗ってくれたじゃん!やぁああッ!!」

 

グランゲンの一撃を受け止めたバトルショットカッターを勢い良く払い、弾く。

 

ドラゴ「チィイッ!」

莉嘉「おりゃぁああああッ!!」

ドラゴ「甘いッ!!」

 

目から怪光線を放ち、一気呵成に出たゲッターアークを制する。

 

莉嘉「隠し球アリって訳。そうこなくっちゃ!」

ドラゴ「…こいつ」

莉嘉「莉嘉達だって負けないよ!ぃやぁああああッ!!」

 

トマホークを構え、肉薄。

 

ドラゴ「くっ…!」

莉嘉「逃がさないッ!」

 

ヒュンッ

 

ドラゴ「何…!?」

 

距離を取る為離れた、グランゲンに瞬時に迫る。

 

莉嘉「やぁあああッ!!」

ドラゴ「何のぉおおお~!!」

 

振りかざされたトマホークを紙一重で受け止める。

 

莉嘉「ぐぎぎぎ…ィっ!」

ドラゴ「やられてなるものか…!俺は!」

莉嘉「ガッ…!」

 

鍔迫り合いに破れ、弾き飛ばされるゲッターアーク。

 

莉嘉「くっ…!このっ」

ドラゴ「互角…?ゲッターと互角…?聞いていた話と違う……いや…」

莉嘉「まだやるって言うの?いい加減、ケリを着けさせてよ!」

ドラゴ「全てはこいつのせいか!こいつが…!」

莉嘉「!」

 

ズァッ

 

ドラゴ「!?…ぐっ!」

 

一瞬、姿を消したゲッターアーク。次の間にはグランゲンの上空に立っており、そこから急降下で全重を乗せた蹴りを浴びせた。

 

ドラゴ「バカなぁ…!俺は、ハ虫人類だぞ!?サル共よりも、遥かに優れた身体能力を持つ、ハ虫人類を以てしても捉えない速度で動くなどと…!」

 

振り向き様に触手を鞭の様に払い、背後にいるであろうゲッターアークを狙う。

 

莉嘉「っ…!」

 

繰り出された一撃は、トマホークで受け止める。

 

シュルンッ ギュル…

 

莉嘉「…?何…?!」

 

ゲッターアークのトマホーク伝いに、グランゲンの触手が腕に絡み付く。

 

ドラゴ「獲ったぞぉ!!」

 

伸ばした触手の腕を引き戻し、グランゲンが迫る。

 

莉嘉「っ…!ゲッタービーム!」

ドラゴ「何の!」

 

真っ正面から向かってくるグランゲンに対して放たれたゲッタービームを、グランゲンも目からの怪光線で相殺し、尚迫る。

 

ドラゴ「でぇえやぁあああああッ!!」

莉嘉「うぅうううう~~っ!!」

 

グランゲンのもう片方の腕を変形させた鎌と、ゲッターアークのバトルショットカッターが打ち合う。

 

莉嘉「っ!」

ドラゴ「想定済みだ!」

莉嘉「!?」

 

グランゲンの鎌が、液状となって弾けるように蠢き、変貌し、バトルショットカッターを覆い尽くした触手として纏わり付く。

 

莉嘉「そんな…!」

ドラゴ「これで簡単には引き離せまい。終わりだ!」

 

両足をも触手に変化させて、ゲッターアークの胴体、そして両脚部を捕縛し、完全に拘束する。

 

ドラゴ「このまま捻り潰してやるわ!!」

 

ゲッターアークを拘束した触手の四肢に力を込め、ゲッターアークを締め上げていく。

 

美波「表装に亀裂…!?莉嘉ちゃん、脱出を……きゃっ!」

かな子「まだ浸水はしてないみたいですけど、このままじゃ…」

ドラゴ「倍返しだ!人をこけにした報いを受けるが良い!」

 

更に怪光線を放ち、ゲッターアークを追い詰めていく。

 

美波・かな子「「きゃあああああッ!!?」」

ドラゴ「ははははっ!苦しめ、苦しめぇ!真綿で首を絞められるような苦しみの中、少しずつ迫る死の恐怖に戦き、死んでいけぇエッ!!」

莉嘉「──」

 

──…dダ

 

ドラゴ「ふははははははッ!!」

 

──まだだッ!!

 

莉嘉「──…うん」

ドラゴ「ん?」

莉嘉「アタシは、約束したんだ。お姉ちゃんと、絶対に悲しませないって!だからッ」

 

グンッ

 

ドラゴ「何…っ!?」

莉嘉「ナーガ、ごめんっ!」

 

グォオッ

 

莉嘉「うぅぅぅあぁああああ~~~ッ!!」

 

ゲッターアークの手首や肘、体の各関節部からゲッター線の持つ淡い薄緑色の光が溢れ出している。

 

美波「な、何…?何が起こってるの?」

かな子「分かりません…。けどこの感じ、暖かくって、優しい感じ…」

美波「……!」

 

手元のディスプレイに計器を映し出す。

 

美波(何なの…?このエネルギー量の増大…。ゲッターアークの許容量を軽くオーバーしてる。なのに、ゲッターは暴走せず、安定してる…?)

美波「今ゲッターアークを包んでいるのは、アーク自身から溢れた、余剰ゲッター線…」

かな子「急激に増大したゲッター線を、自ら放出することで、炉心の暴走を抑えてるんですね!まさかアークにそんな機能が…」

美波(いや、アークにそんな機能は…)

莉嘉「今のゲッターアークなら…!えいっ!!」

ドラゴ「うぉおっ!?」

 

ゲッターアークを拘束するグランゲンの触手を、力任せに振るい、強引に引き剥がす。

 

ドラゴ「くっ…!先程とは比べ物にならんパワー…!オーバーブーストとでも言うか!?」

莉嘉「アンタを、倒すよ!」 グググッ…

かな子「……莉嘉、ちゃん…?」

美波「その、顔は…」

 

鋭い眼光でグランゲンを睨む莉嘉。その瞳の下から頬を伝い、そして手足の末端まで這うように、ゲッター線と同様の薄緑色の細い、脈の様な線が明滅して奔っている。

 

美波「莉嘉ちゃん、大丈夫なの…!?あれは、どう言うことなの…?かな子ちゃん!」

かな子「わ、私にも分かりません!卯月ちゃんも李衣菜ちゃんにも、あんな反応は…!」

莉嘉「ぅやあああああッ!!」

 

グンッ

 

かな子「きゃっ…!」

 

その場に残像を残す速さで、ゲッターアークは動く。

 

ドラゴ「ぐっ…!このぉ!!」

 

迫るゲッターアークに、反撃として右腕の触手をブーメランとして飛ばす。が、

 

莉嘉「ふんっ」

 

容易く弾き、ブーメランを灰塵に帰す。

 

ドラゴ「この…!止まれぇ!!」

 

怪光線を受けても、ゲッターアークは止まらない。

 

ドラゴ「ゲッターを包むエネルギーが、バリアになっているのか?……うぁ!」

莉嘉「はぁああああッ!!」

 

ゲッターアークのパンチで、グランゲンが吹き飛ぶ。

 

ドラゴ「ぐぁあああああッ!!」

莉嘉「!!」

 

ゲッターアークは尚、追撃の手を弛めず。

 

ドラゴ「くっ…!あれは何だ…?俺は何と戦っている!?あんなもの、ゲッターロボなどでは…」

莉嘉「ッ!!」 ズォアッ

ドラゴ「ひっ…!」

 

左右のワンツー。膝蹴り、浴びせ蹴り。左の手でグランゲンの頭部を抑え、そこに膝蹴りを浴びせる。そして、グランゲンが怯んだところを、その鳩尾に直蹴りを放ち、再び吹き飛ばした。

 

莉嘉「ふぅ~~~~~っ──!」

ドラゴ「化け物だ…!奴は、化け物だ!!はじめから、俺達の手に負える筈がないっ!」

莉嘉「ゲッタァアア…!トマホーーーック!!」 ギュンッ

ドラゴ「っ……!来るな……来るなァ!!」

 

両手にトマホークを携え、尚迫り来るゲッターアークに、怪光線を乱れ撃つ。が、当然のごとく、効果はなく、

 

莉嘉「!!」

ドラゴ「あっ…」

 

気付いた頃には、ダブルトマホークによって、両腕が切断されていた。

 

莉嘉「必殺──!」

ドラゴ「ね、姉さん……助け…──」

莉嘉「二天一流ッ!!」

 

懐でトマホークによる乱舞を受け、グランゲンは粉微塵の海の藻屑となって、消えた。

 

莉嘉「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……っ」

かな子「り、莉嘉ちゃん、大丈夫…?」

美波「……」

美波(ゲッターロボ……うぅん、ゲッター線…。それに、莉嘉ちゃんは…)

美波「そっか。そう言うことなんだ…」

かな子「何か分かったんですか?美波さん」

美波「うぅん。大したことじゃないよ」

美波(私の考えている通りだとしたら、私と、かな子ちゃんの役目は…)

かな子「……?莉嘉ちゃん、本当に大丈夫?」

莉嘉「だ、大丈夫だよ…!このくらい…!」

かな子「とてもそうは見えませんよ。水中戦なら、本分はカーンの領域です。一旦代わって、休んで下さい」

莉嘉「……うん。ありがと」

かな子「いえいえ」

莉嘉「オープンゲット!」

かな子「チェーンジゲッターカーンッ!!」

 

ゲッターアークから分離し、素早くゲッターカーンに変形。

 

かな子「よし、っと。そうだ、シートの後ろに、クレープを置いておいたので良かったらどうぞ?」

莉嘉「うん…」

かな子「……。さて、今ので一番の難敵は倒したと思うけど…」

美波「まだ敵の勢力は残ってる。作戦を完遂するまでは、油断禁物だよ」

かな子「はいっ。…ニオンさん達の方、上手く行ってると良いんですけど……え?」

美波「何…?」

 

ズズズズズズズズズズ…

 

莉嘉「わひゃっ?!な、何…!」

かな子「この音、地震…?」

美波「違う…!揺れてるのは、地面じゃないっ!」

かな子「…! マシーンランド──!」

 

~~~ マシーンランド内部 指令室 ~~~

 

ダンッ

 

グール「どう言うことだッ!!」

ハ虫兵「ヒィッ!!」

グール「戦力は向こうの倍以上!メカザウルスを上回る兵器も、将の能力も士気も!全て穏健派ごとき連中を上回っている筈だ!!」

グール「なのに何故、こちらが圧されている!?我々が、追い詰められていると言うのだ!?」

ハ虫兵「ぐ、グール様、落ち着いて下さい…。まだ勝機を無くしたわけではありません…。体勢を立て直して、反撃を…」

グール「ワシに指図をするなぁ!!」 シュバッ

ハ虫兵「フグッ…」

グール「はぁ…!はぁ…!はぁ…っ!!」

 

マクドナル「どうやら、ここまでのようですな」

 

グール「ぐぬぬぬぅ…!マクドナルゥ~!よくも平然と、ワシの前にその顔を出せたものだな!」

マクドナル「貴殿との付き合いもそろそろ仕舞い。此度はお別れの挨拶をと思いましてね」

グール「別れだと…!?何の役にも立たん不良品を押し付けおって!貴様一人逃げ仰すとでも言うか!!」

マクドナル「我が主のご命令でもあるのですよ。それに、冷たく暗い海の底で蠢く蜥蜴共と最期を向かえるほど、ここに義理はありません」

グール「貴様ァ~…!端から我らを利用するつもりで!」

マクドナル「貴殿方がゲッターを倒せればそれで僥倖。しかしやはり、既に何もかも遅すぎたようだ」

グール「遅すぎた、だと…!?」

マクドナル「然り。故に我々は幾度と無く時間を超越し、抗い続けているのです。ゲッターの起源を断つ為に」

マクドナル「まぁ、今回ばかりは、多少事情が異なりましたがね」 ツカツカツカ──

グール「ゲッターの起源だと…?待て、何処へ行k……ぐぅ…!?」

 

グールに対して、背を向けたマクドナル。しかし、その後ろ腰にレーザー銃の様なものを構え、撃っていた。

 

グール「ま、マクドナル…!貴様何をし……うぐっ……が、はぁああああッ!!」

 

突如苦しみ、のたうち回るグール。

 

マクドナル「ご安心を。その光は貴殿を殺すものではありません。我々からの最後の助力、有意義に使って下さい」

グール「は…!はヒッ!ふ~……ふ、ふふ、ふぅざぁけぇるぅなァ~…!!マクドナルゥ!!」

マクドナル「王としての最期の姿。きっちり見送らせて頂きますよ。砂城の王の、憐れな最期の姿をね」

グール「うぅ…!うっ……うっ……う…っ!」

 

ツカツカツカ──。

 

──。

 

バイス「ここが指令室か!?」

ガンリュ-「ここに敵の司令官、宰相グールが!」

ゴズロ「だが妙だ。ここに来るまで、敵の抵抗が少なすぎる」

ガンリュ-「何かの罠かもしれませんね…。殿下は下がって下さい」

カムイ「…うむ」

バイス「…よし、ロックを解除した。開けるぞ」

 

電子ロックを解除し、開かれた扉の向こうには、

 

カムイ「!」

グール「……うぅ」

 

蹲って悶えるグールの姿。

 

ゴズロ「これは…」

ガンリュ-「惨い…。追い詰められて、味方同士で…?」

バイス「にしては、状況が妙だが」

カムイ「おいっ!しっかりしろ、グール!一体何があった!?」

グール「ぅぁ…?カムイ…?」

バイス「殿下、危険です!!」

グール「か……カァムゥイィィイイイッ!!」

カムイ「!?」

バイス「このっ…!」

グール「ぐっ…!」

 

自らを抱え上げたカムイに、そのまま襲い掛かろうとしたグールを、間に入って強引に引き剥がす。

 

グール「カムイィ…!貴様だ……元はと言えば貴様が!ワシに楯突かなければァッ!!」

カムイ「…グール。貴様のやり方は間違っている。相手の全てを破壊し、奪い尽くして支配しようとするのでは、我々の始祖である恐竜達の時代から、何も変わらない!」

グール「それの何が悪い!?勝利し、勝ち取ってこそのォ……栄光ぉおおおおッ!!」

カムイ「グール…?」

ガンリュ-「様子が可笑しい…。殿下、下がって!」

 

グール「うぐっ…!お……が、ぁああアアアアアッ──!!」

 

グールの体が、肥大化してゆく。

 

ゴズロ「これは…!」

カムイ「皆、退け…!彼奴はもう、グールではない。これは…!」

 

指令室を圧迫するほど、肥大化したグールを見て撤退を指示。一方で、グールの肥大化は収まることはなく。

 

バイス「奴め…!このままマシーンランドを破壊するつもりか!?」

カムイ「グールの身に一体何が…」

ガンリュ-「詮索は後ですよ。このままでは、我々も揃って、海の藻屑です」

ゴズロ「ゲッターへ急がなければ…!」

 

マグマの熱にも、深海の水圧にも耐えうるマシーンランド。その重厚な外壁や、隔壁にすら押し止めることは出来ず、肥大化を続けるグール。その体積、重量にマシーンランド全体が振るえ、そして遂に、卵の殻を破って生まれ落ちるように、自らのマシーンランドを破壊しながら、それは姿を現す。

 

巨大グール『ゥグォォォオオオオオオオオッ!!』

 

かな子「な、何なの……これ…!」

美波「自分達のマシーンランドを破壊してまで…。急進派の最終兵器なの!?」

ニオン「違う!!」

莉嘉「ニオン!無事だったんだ…!」

鉄甲鬼「あぁ、何とかな」

かな子「それより、兵器とは違うって……それじゃあ、あれは…」

ニオン「あれは、急進派の首領、宰相グールだ」

かな子「えぇ!?」

美波「それが、どうして、あんな…!」

ニオン「分からん!だが、どうなったところで、奴を討つと言う目的は変わらん!」

莉嘉「そうだ!あいつを倒せば、急進派の勢いを弱めることは出来る!」

かな子「そう言っても、あの大きさ……ざっと100m、それ以上あるかも…」

美波「……いや、この瞬間も巨大化を続けてる…!」

 

巨大グール「オォオオオオ…!グォオオオオオオッ!!」

 

苦しみ、悶えるように暴れまわる巨大グール。遮二無二振り回される腕に、周囲のメカザウルスが粉砕されていく。

 

かな子「敵も味方も、お構い無しですか…!?」

鉄甲鬼「と言うよりも、己の力を、制御出来ていないようだな」

莉嘉「ただその力のまま、暴れてるだけ…!?」

美波「どのみち、このままにはしておけないわ」

かな子「カムイ殿下や、ザウルスチームの皆は…?」

芳乃「彼らも容易くやられる程ー、か弱き存在ではないのでしてー。持てる力をー、グールに向けましょー」

 

グール「ゥオオオ!?ゲッタ…?オオオオォ!!ゲッタァアアアアアアッ!!」

 

かな子「くっ…!?」

 

ゲッターカーンに向かって突き出された腕部の一撃を受け止める。

 

かな子「ぐっ……うぅ…!」

鉄甲鬼「かな子!」

かな子「大丈夫です…!何とか……ゲッターニードルミサイルッ!!」

 

体勢を立て直し、巨大グール目掛けニードルミサイルを放つ。

 

巨大グール「…!?ゥオオオオオッ!!」

かな子「これじゃあ効かない…!?……っ!」

 

振り下ろされた巨腕を、辛うじて躱す。

 

かな子「このっ!」

 

ゲッターカーンを横切る巨大グールの腕を殴り付ける。

 

莉嘉「効いた!?」

かな子「いえ…。ゲッターカーンのパワーでも、後何万発殴れば良いか…」

鉄甲鬼「大樹を揺るがすようなものだ。簡単にはいかんぞ!」

ニオン「くっ!ゲッタービームッ!!」

 

ゲッターカーンの後方から、ダイノゲッター1がビームを放つ。が、

 

ニオン「効かんか!」

芳乃「むー」

鉄甲鬼「どうした?芳乃」

芳乃「ゲッターの力を吸収しているのでしてー。彼の者ー、異端なる者共の力を手にしていましてー」

鉄甲鬼「…異端なる者の意味は、よく分からんが…」

ニオン「ゲッターエネルギーは吸収されていると言うことか!」

美波「それじゃあ、迂闊に攻撃するのは不味いんじゃ…」

鉄甲鬼「あぁ、生半可な攻撃では、奴を増長させるだけだ」

莉嘉「なら、もう一気に攻めるしかないってことだよね?」

ニオン「奴もハ虫人類。如何にゲッター線への耐性を付けようと、一度に高濃度のゲッター線をぶつければ、耐えられるものではあるまい!」

芳乃「然りー。しかしそれはー、だいのゲッターだけでもー、ゲッターあーくだけでも、厳しいものでしょー」

かな子「力を合わせるって事ですか」

巨大グール「グゥオオオオォッ!!」

かな子「!?」

ニオン「くっ…!」

 

巨大グールからの攻撃を躱す。

 

美波「幸い巨大化したグールに、特別な攻撃手段はないみたい」

莉嘉「なら、今の内にチェンジだ!かな子、アタシに代わって」

かな子「え?でも、莉嘉ちゃんは…」

莉嘉「もう十分、休憩出来たよ。ゲッターエネルギーを使うならゲッター1で、ゲッター1に合わせるならゲッターアークだ!」

かな子「…了解です。──オープンゲット!」

莉嘉「チェンジゲッターアーク!」

 

ゲッターアークに変形し、ダイノゲッター1と並ぶ。

 

ニオン「莉嘉、やることは分かってるな?」

莉嘉「うん!ゲッターアークで、何処まで出来るかは不安だけど…」

鉄甲鬼「実際にやってみるしかないな…!」

かな子「…どう言うことです?」

美波「……ここは水中だから、単純にゲッタービームを合わせても、威力が減衰されてしまう」

かな子「それじゃあ、ゲッタービーム以上の方法で、エネルギーを高めるしかない……まさか!?」

美波「ゲッターアークに想定された方法じゃない。だけど、やるしかない…!」

ニオン「チャンスは一度だ。いくぞッ!!」

莉嘉「ゲッタァアアアーッ!!シャァアィインッ!!」

 

ゲッターアークがゲッターエネルギーを解放して、光輝く。

 

巨大グール「オォオオオオ…!?げった……ゲッター線…!忌むべきィイイイッ!!」

ニオン「やらせんッ!!」

 

ゲッターアークを襲う巨大グールの眼球目掛け、ダイノゲッター1がトマホークを突き立てる。

 

巨大グール「ギィャアアアアアッ!!」

莉嘉「こっちは準備OKだよ!」

ニオン「よし、プテラ・チェンジッ!!」

 

ダイノゲッター1がプテラノドンをモチーフにした形態に変形する。

 

莉嘉「ゲッターアーク…!お前も真ゲッターの弟なんでしょ!なら、お兄ちゃんが出来ることくらい、同じくやって見せてよね!」

 

ゲッターアークが構える両手の狭間に、高めたゲッターエネルギーを集束する。

 

莉嘉「出来た…!」

かな子「気を抜かないで、莉嘉ちゃん…!意識を集中させないと、全部持っていかれちゃう…!」

美波「うっ…!このゲッター線の流れは、確かに…」

かな子「これを使うのに必要なのは、強い心です!心の、意思の力で、放って下さい!!」

莉嘉「心の、意思の力で、放つ…!」

ニオン「こちらは何時でも良いぞ!」

莉嘉「うぅううううう──ッ!!」

 

圧縮したゲッターエネルギーの光球を構える。

 

莉嘉「ストナァアアアッ!!サァァァンッ!!シャァイィィィンッ!!」

ニオン「うぉおおおッ!!」

 

ゲッターアークの放つストナーサンシャインに、プテラ・モードのダイノゲッター1が飛び込む。

 

ニオン「高濃度のゲッター線、扱いは任せるぞ、芳乃!」

芳乃「芳乃にお任せあれー」

ニオン「ウァアアアアアッ!!」

 

ダイノゲッター1がゲッターエネルギーを纏い、巨大グールに向かっていく。

 

ニオン「シャイン──!スパァァァーークッ!!」

 

ゲッターアークのストナーサンシャインと、ダイノゲッター1のシャインスパークの合わせ技。ストナーサンシャインスパークが、巨大グールの体に突き刺さる。

 

巨大グール「うぉおおおおッ~~~!?」

 

ダイノゲッター1が巨大グールの体を貫き、その体内から、ゲッター線が広がっていく。

 

巨大グール「う、ううぅぉぉぉおオ!!ゲッッッタァアめぇええええ!!我は……ワシは恐竜帝国の王のぉオオオオオオッ!!」

 

ゲッター線の光の中に、巨大グールは消滅していった。

 

美波「倒、した…?!」

莉嘉「今出来る最大限を叩き込んだんだもん。やったよ!」

かな子「ダイノゲッター……ニオンさん達は…!」

鉄甲鬼「無事だ。何とかな」

芳乃「多量のゲッター線を使用した為にー、ニオンさんは意識を失っておられますがー

かな子「そうなんだ。良かった…」

 

???「見事な勝利だ。ゲッターロボ」

 

莉嘉「誰!?」

???「我らの科学力で巨大化したグールすら、一撃の元に葬り去るその力、やはり脅威となる悪魔の力よ!!」

かな子「グールのいた所に、小さい生命反応……これ、人間?」

美波「ウソ…!ここは深度6000m以下の超深海よ!?」

かな子「けど、うん。間違いなんかじゃありません!見て下さい、あれ!!」

美波「本当に人なの…?」

莉嘉「あの肌にあの顔、ハ虫人類じゃない。只のおっさんにしか見えないけど…」

???「1つの時間に数多のゲッターが集う……あのお方が仰る通り、やはりここも危険な世界」

???「危険分子となりうる、その芽は1つでも潰しておかねばなるまいっ!」

莉嘉「いきなり出てきて偉そーに!こっちに喧嘩を売るつもりなら、名前くらい名乗ったらどうなの!?」

???「私など名乗る程でもないが、いいだろう」

 

マクドナル「私はマクドナル。カーター・マクドナル!」

 

美波「カーター・マクドナル…」

かな子「やっぱり、私達と同じ、人間……何ですか?」

美波「だとしても、どうして私達に敵対するような事…」

マクドナル「ゲッター、そして城ヶ崎莉嘉」

美波「え?」

莉嘉「アタシ?」

マクドナル「我が主が貴様に会いたがっている」

莉嘉「マクドナルの、主?」

かな子「つまりこの人は、莉嘉ちゃんを迎えに来た遣い…?」

マクドナル「主は待ちかねている。さぁ、共に行こうぞ!」

美波「あれは…!」

 

マクドナルの背後の空間が歪む。

 

莉嘉「何時も鬼獣が出てくる、ワームホール…」

かな子「それじゃあ、あの人の主って…!」

美波「私達の世界に、鬼獣を送り込んでくる張本人!?」

マクドナル「如何にも。鬼獣は我らが尖兵の1つである」

莉嘉「それじゃあ、急進派が鬼獣を戦力として使ってたのも!」

マクドナル「全ては、我が主の仰せのままに。己の使命を果たしたまでの事」

かな子「酷い…!鬼獣のせいで、私達やハ虫人類の人達にどれだけ犠牲を生んだか…!」

マクドナル「酷い…?なれば、貴様らの戦いは全て、正当化されるものだと言うのか?」

莉嘉「当ったり前でしょ!戦う力もない人達を犠牲にして!それで平然としていられるアンタ達が正義だなんて事があるもんか!!」

マクドナル「…ほぅ」

莉嘉「アンタの後ろにいるのが、鬼獣の親玉って言うんだったら話が早い!直接乗り込んでアタシが倒してやる!」

美波「迂闊よ!こんな用意周到に出てくるんだもの。何か罠が仕掛けられてる筈…」

莉嘉「うっ…」

マクドナル「残念だが、是が非でも来て貰う。その為の手筈も整えたのだからな」

かな子「手筈…?」

マクドナル「これが視えるか?」

莉嘉「…?」

 

マクドナルの手元に現れたのは、小さな漆黒の球体。

 

莉嘉「それが、何だって言うのさ!?」

美波「待って。可笑しい……あの球体、熱も何も、計器には反応してない!」

かな子「え…?でも、ちゃんと目に見えてますよ?」

鉄甲鬼「美波の言う通りだ。磁場にもセンサーにも、あらゆるレーダーにすら、あの球体は捉えられていない」

莉嘉「じゃあ、あれは…」

マクドナル「貴様らには分かるまい。物体としては捉えられぬが、物質として確実に存在する。云わばこれは、小銀河の種よ」

莉嘉「それが何だって言うの!?」

マクドナル「それも分からぬか。まぁ良い、教えてやろう。この種……ストーカ01としておこう。これは自身の周囲にある物体を蝕み侵しながら、少しづつ巨大化していく」

マクドナル「巨大化を止めぬストーカ01は、やがてこの地球をも包む込み、全てを飲み込む」

マクドナル「つまり、人間だろうとハ虫人だろうと滅びる運命にあると言うことだ」

美波「…っ!?」

かな子「そんな…」

莉嘉「そ、そんなのっ、そのストーカって奴を破壊すれば、済む話じゃん!」

鉄甲鬼「無理だ…。レーダーに映らぬモノをどうやって破壊する?」

莉嘉「それは…」

マクドナル「ストーカ01の制御装置は我が主の手元にある。貴様達の選ぶ道は2つに1つだ。貴様達が拠り所とする地球と共にストーカに呑み込まれて消滅するか、貴様らがワームホールと呼ぶ、このゲートを潜り抜け我が主と対峙するか」

莉嘉「…ッ!」

マクドナル「先に行って待っているぞ。懸命な判断をするのだな」

莉嘉「待て!──んもぅ、言いたいことだけ言って消えた~!」

かな子「…で、どうするの?莉嘉ちゃん」

莉嘉「決まってる!罠でも何でも、相手の根城にかちこんで、ふんぞり返ってる大将の首を獲る!」

美波「けど、今の状態で飛び込むのは危険すぎるわ!せめて、体勢を立て直さなくちゃ」

莉嘉「そんな悠長なこと言ってる間に、ゲートが閉じちゃったらどうするの!?今追わなきゃ、チャンスが2度も来てくれるとは限らないんだよ!」

美波「でも…!」

鉄甲鬼「無論、我らも堂々するぞ。莉嘉」

莉嘉「うぅん。ダイノゲッターはここに残って」

鉄甲鬼「何故だ!?」

かな子「ダイノゲッターは、ゲッターアークのストナーサンシャインを受けた影響で、大分損耗してる筈です」

鉄甲鬼「お前達とて、無傷ではないだろう」

莉嘉「それでも、崩れちゃったマシーンランドから、カムイやザウルスチーム、ドロス、ゾルを探さなきゃいけないし、まだ抵抗してる急進派の勢力も残ってる。ダイノゲッターの力は必要だよ」

鉄甲鬼「……此奴らだけで行かせても良いのか?芳乃」

芳乃「莉嘉さんの仰る事にも筋は通っておりましてー。敵の大将に肉薄する機会を逃す手はないかとー」

鉄甲鬼「しかし…!」

芳乃「大丈夫でしてー。運命は莉嘉さん達に味方してくれていましてー。必ずやー、勝って勝鬨を上げるものとー」

莉嘉「芳乃にそう言って貰えたら、安心だよ☆」

 

莉嘉「──…よし」

 

目の前に拡がる、ワームホールに向き直る。

 

莉嘉「覚悟はいいよね?美波、かな子」

美波「…考えている余裕はない、か」

かな子「こっちは何時でも……あ、やっぱりマシーンランドに置いてきたお菓子の調理用具を取りに…」

莉嘉「タイムオーバー!覚悟決めて!」

かな子「あ~~んっ!莉嘉ちゃんの意地悪ぅ!」

莉嘉「ははっ……突っ込めぇえええええッ!!」

 

美波「やぁあああああッ!!」

かな子「うわぁあああああッ!!」

 

3人「「「おぉおおおおお──ッ!!」」」

 

つづく




予告

Dr.マクドナルに誘われるまま、ワームホールを向けたゲッターアーク。
そこで莉嘉達を待ち受けていた光景は、ゲッター線に汚染された地上、荒れ果てた東京の街、荒廃した世界──。
果たして、莉嘉達の目の前に拡がるこの世界は、ゲッターが導いた未来の姿なのか?それとも…。

次回、『異界変』
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