~~~ ??? ~~~
「晴明!晴明はおるかッ!!」
孔明「えぇい、晴明は何処だ!?」
晴明「……」
孔明「晴明…!こんな所で高イビキなどかきおって…!起きんか、晴明ッ!!」
晴明?「……」 スゥ…
孔明「!?これは…」
「ふっふっふっ…。私の分身が、如何なさいましたかな、孔明様?」
孔明「…晴明」
晴明「慧眼と謳われし臥竜とも称された御方が、我が術を見抜けぬ筈がありませぬなぁ?何か、余程の事がおありのご様子」
孔明「よくもぬけぬけと…!これを見ろ!!」
孔明が手にする水晶球。その中にゲッターアークの姿が映し出される。
晴明「ほぅ……これは…」
孔明「知らぬ存ぜぬとは言わせぬぞ。マクドナルを使い、わざわざ異界よりゲッターを呼び寄せた理由は何だ!」
晴明「理由、ですか。ふふふっ…」
孔明「晴明!」
晴明「いえ。ただ、鷹狩り等と……犬畜生を追い立てる趣味は持ち合わせてはおりませぬ故」
孔明「…どういう意味だ?」
晴明「将のいない馬など畜生も同じと、そう言うことです」
孔明「つまり、ただの狩猟では手柄にならぬ、と」
晴明「流石、戦国乱世に名を馳せた諸葛孔明殿。よく分かってらっしゃる」
孔明「今は、乱世の時代ではない。分かっているのか?大女王メルドウサ様の意に反する行いをしているのだぞ」
晴明「重々、承知の上ですよ。しかし、ゲッターを打倒せずして、本当に我々は奴らに勝てたと、本当にそう言えるのでしょうか?」
孔明「何ぃ?」
晴明「ゲッターを倒さなくては。でなければ、真にゲッターに勝利したとは言えぬでしょう」
孔明「その為の手柄と言うか。ふんっ、今で無くても良かったろうに。貴様の要らぬ横槍のせいで、我が策そのものが瓦解するところだったのだぞ!?」
晴明「だが実際に瓦解したわけではありませぬ。あれはゲッターとは言え、エンペラーではないのです。貴方様の策に我が術をもってすれば、打倒も差程難しいことでもありますまい?」 クックックッ
孔明「ふんっ。まぁ、貴様がやる気になったと言うのであれば不問にしておこう。だが、これからはより一層大女王様の為に励むのだぞ」
晴明「ふふっ…。御意に…」
孔明「晴明め……全く余計なことをしてくれる…」
孔明「ゲッターが現れたとなれば、最早一刻の猶予もない!因縁の地、早乙女研究所に残る最期の人類を掃討する!兎猿猴ッ!!」
兎猿猴「ここに!」
孔明「前線の指揮は任せる。憎きゲッター線の使徒、人類を始末し、この宇宙に我々の勝利を轟かせるのだァッ!!」
兎猿猴「御意ッ!我々の勝利を!!」
── そして、現在。
莉嘉「何、これ…!」
司令室の窓からも捉えることの出来る、夥しい数の敵が早乙女研究所全域、浅間山の全てを包囲している。
美波「これが、この世界の敵…!」
リン「私達はインセクターと呼んでる。アンドロメダ流国の尖兵さ」
かな子「インセクター…。あんまり昆虫っぽくは見えないですけど…?」
リン「夥しい数で群れてる姿が、虫みたいでしょ?」
かな子「成る程そう言う…」
莉嘉「見て!鬼獣もいるよ!」
そう言って指す地上には、鬼獣の群れが。
美波「本当…」
リン「あれが鬼獣…。はじめて見るな」
美波「え?」
リン「でも、これで話が繋がった」
かな子「私達の目指す先と、アンドロメダ流国は繋がっている…!」
莉嘉「まずはこの状況を何とかしなきゃ!……っ!?」
美波「今度は何!?」
インセクターの軍勢の遥か後方。そこに更に無数の小さな昆虫の群れが集まり、ひとつの影を成していく。それは、
リン「諸葛孔明!」
美波「孔明…!?あの…?」
リン「本物かどうかは知らないけどね。けどそう名乗ってる、アンドロメダ流国の司令官さ!」
かな子「あの人が…!」
莉嘉「アイツさえ、アイツさえやっつければ!」
孔明『愚かなる人類共よ』
莉嘉「……!」
孔明『我らアンドロメダ流国に抗う為にゲッターを引き入れたつもりだろうが、それこそ大いなる過ちよ!』
美波「あの人、私達がここにいる事を知ってる?」
リン「随分な地獄耳。じゃなければ、昆虫の親玉らしく、虫の知らせでもあったか」
孔明『ゲッターこそ悪しき害悪、宇宙の癌細胞!それに依り従い生き延びようとする貴様らもまた、宇宙にとって不必要な存在!!』
莉嘉「好き勝手言っちゃってぇ…!ゲッターで叩き潰してやるッ!!美波、かな子!」
美波「う、うん…!」
かな子「えぇ!」
リン「待って!」
莉嘉「止めないで!さっき共闘の話はなしって言ったけど、こうなったら話は別だよ!ゲッターを敵に回したことを、後悔させてやるんだから!」
リン「そう言って貰えるのはありがたいよ。だけど、順番が肝心だ。このまま出ていったって、袋叩きにされるだけだ」
莉嘉「え、順番…?」
リン「そう、先ずは見て貰おう。私達の精一杯の、全身全霊の抵抗を」
司令室のデスクに歩み寄り、手元のコンソールで通信機能をオンに。
リン「総員、聞こえる?第一種戦闘配置。非戦闘員は避難を急いで、戦闘員は所定の位置に」
リン「やるよ、オペレーション『クジャク』!!」
──。
弁慶「急げッ!オペレーション・クジャクが発令されたぞ!!」
整備兵「は、はいぃ!!」
弁慶「敵はすぐそこまで迫っている。死にたくなけりゃぁ避難を急げ!號、テメェの担当はDブロックだった筈だ」
號 「車さん!それじゃあ、ゲッターは誰が動かす?」
弁慶「ゲッターの出番はもっと後だ。戦闘員が一人でも欠けたら、クジャクは成功しねぇ!」
號 「けどよ…」
弁慶「剴!號を引っ張って連れていけ!」
剴 「了解」
號 「ちょっ…!行動が早ぇな、苦しっ…!は、放せ!!」
剴 「作戦遂行が優先だ。さっさと来い!」
弁慶「渓!そっちはどうだ?」
渓 「整備班の避難はもうすぐ終わるよ!大将も配置を急いで!」
弁慶「了解だ!指示が出るまで出てくんじゃねぇぞ。……ん?」
???「親父ぃ~っ!」
弁慶「てめぇ…!何でこんな所に!?」
???「アタシも戦う!」
弁慶「はぁ?バカな事言ってる場合か!?」
???「バカなんかじゃないよ!だって、親父は…!」
弁慶「ヒヨッ子のてめぇよりは、こういう状況に慣れてる。危なくなっても何とかなるさ」
???「でも…」
弁慶「テメェには、チビ共の面倒を頼んでる筈だぜ?」
???「……」
弁慶「お前はチビ共の親代わりだ。そんなお前に何かあったら、チビ共はどうする?アイツらの気持ちは、お前がよぉく分かってる筈じゃねぇか」
???「うん…」
弁慶「分かったらさっさとシェルターへ行け。チビ共を安心させてやるんだ」
???「分かった。……」
弁慶「ん?」
???「必ず、必ず生きて帰ってきて!絶対だよ!!」 タッ
弁慶「……ったく。一番難しいことを言いやがる…。さて、と──」
孔明『……。何だ?静かすぎる…』
リン「来なよ。早乙女研究所の恐ろしさを見せてあげる」
孔明『!? 兎猿猴、退け!!』
兎猿猴「は…?」
リン「撃てぇ!!」
バ ォ オ ッ
兎猿猴「オォオオオっ!?」
要塞と化した早乙女研究所。その要塞部分、に留まらず浅間山の岩肌や周辺の森林部が盛り上がり、中からミサイルポッドやトーチカ、数々の機関砲が姿を見せる。針の筵のように宙に向かって突き出した砲台から無数の砲弾、ミサイルが一斉に放たれ、研究所を包囲していた敵勢を射抜く。
絶える間もなく弾丸が空を覆い、空中のインセクターは勿論、地上の鬼獣達までも爆炎の華に変え、空を大地をと深紅の色で彩っていく。
兎猿猴「うぉおおおおッ!!?これはァアッ!!」
孔明『おのれ、猪口才な…!』
兎猿猴「しかし…!幾ら弾幕で防御を固めようと、無限に続くものではあるまい。貴様らを守る弾薬、それが尽きた時が最期よ…!」
リン「これが全部だとは思わないでよね…」
兎猿猴「!?」
リン「ゲッターチーム、出撃!!」
早乙女研究所の正面。3つ、縦に連なったゲートが開く。
莉嘉「オペレーション・クジャクって、この一斉砲撃の形がクジャクに見えるってこと!?」
美波「笑えないジョーク…。私達、この中に突っ込むのよね…?」
かな子「敵の攻勢も考えると、砲撃の手も緩められませんし、このまま行くしかないんじゃ…?」
美波「味方の砲弾に当たらないようにしなきゃ…うぅ…」
莉嘉「ここまで来たんだ、尻込みなんてしてる場合じゃない!覚悟決めて突っ込めてぇ~…!」 グンッ
ゲットマシンのエンジンに、火が入る。
莉嘉「突っ込めぇええええ~ッ!!」
美波「あ、莉嘉ちゃん!待って…!」
かな子「前回から、それ気に入ってますか?もしかして」
勢いよく飛び出していったアーク号に、キリク号とカーン号も続いていく。
莉嘉「チェンジ!ゲッタァアアーーッ!!アァァーーック!!」
──。
號 「何故だ!?どうしてアイツらを出撃させたんだ、車さん!」
弁慶「何故って……俺に言われてもなぁ」
リン「彼女達を出撃させたのは、戦術的な判断だよ、號」
號 「戦術的判断…?」
剴 「それは、俺達が頼りないってことですか?リンさん」
リン「お前達は、まだチームとして完成していない。そんな状態で、ゲッターを失わせるわけにはいかないね」
號 「パイロットが1人足りないくらい、ハンデにもならねぇ!俺達はやれるぜ、姐さん!!」
リン「自惚れるな!」
號 「……!」
リン「状況を見ろ。気持ちや気概で勝てるほど、戦争は甘くないんだよ」
剴 「だから、脇役をやれと?」
リン「脇役をやれと言うんじゃない。大人になれと言うんだ」
剴 「……」
リン「そして、よく見ておけ」
號 「見る…?」
リン「本当のゲッターチームの、戦いを──」
──。
莉嘉「へへっ、さっき見てた時より、大分敵が減ってるじゃん!」
かな子「ゲッターアーク単機だけじゃ厳しいのは確かでしたから、リンちゃ、司令官さんの言う通りだったかもしれませんね」
兎猿猴「現れおったな!ゲッターロボ!!」
莉嘉「!?アンタが隊長?」
兎猿猴「如何にも。ゲッター、宇宙の為に散れぇ!!」
莉嘉「!!」
金箍棒を構えた、兎猿猴の突進を空中でヒラリと躱す。
莉嘉「宇宙だ何だって、話をおっきくして!」
ゲッターアークがトマホークを抜き放つ。
莉嘉「ゲッターの首が欲しいなら、シンプルにそう言え~!」
兎猿猴「っ!」
ガギィンッ
兎猿猴「ぬぅううう~っ!!」
莉嘉「やああああッ!!」
兎猿猴「皆の者、掛かれぇ!!」
莉嘉「!?」
兎猿猴と鍔迫り合いを演じるゲッターアークの背に、薙刀や鉄球を構えたインセクターが迫る。
莉嘉「オープンゲット!」
インセクタ-『!?』
莉嘉「チェンジゲッター!アーク!」
ズワォ
莉嘉「おりゃぁあああっ!!」
インセクタ-「!?!?!?」
インセクターの攻撃を素早く分離して躱し、再度合体。反撃に転じ、トマホークで切り伏せる。
兎猿猴「ぬぅ?!」
莉嘉「雑魚が!寄って集ってさ!アンタ達とは──!」
一度高速で急上昇し、敵陣を見据える。
莉嘉「出来が違うんだぁあああッ!!」
そして、急降下と共にツイントマホークランサーを振るい、殺到していた敵勢を纏めて粉砕した。
兎猿猴「くっ…!やれ、掛かれぇ!!」
ゲッターアークを包囲するように、インセクターが襲い掛かる。
莉嘉「オープンゲット!!」
すかさず、ゲッターを分離。
兎猿猴「逃がすなァ!追えッ!!」
ゲットマシンとなった3機をインセクター達は追う。が、
莉嘉「美波、次は任せた!」
美波「分かった!」
かな子「行きますよ!」
それぞれが敵の動きを陽動するように動き、逃れ、正面には立たせず、しかし一瞬の隙を突いて1つに連なる。
美波「チェンジゲッターキリク!!」
ゲッターキリクに合体。シザーアームを振るい、密集した敵を弾く。
美波「っ!」 ギュンッ
大空狭しと駆け抜けるゲッターキリクを追走するインセクター。
美波「こっちのスピードに、付いてこれる!?」
と言うように、インセクターでは追い切れない。
美波「ドリルアームッ!」
ゲッターキリクを反転。こちらを追走する為、一列に連なっていたインセクターに、ドリルを構え飛び込む。
美波「ドリル…!アターック!!」
一直線にドリルで貫き、破壊。
美波「ダブルドリルタイフーンッ!!」
両腕をドリルアームに変形させ、発生させた旋風に巻き込みながら、殺到してくるインセクターの群れを撃退していく。
兎猿猴「ぬ、ぬぅ…!?」
孔明『兎猿猴!我らの本懐を忘れるな!』
兎猿猴「は……はっ!」
莉嘉「! 美波、研究所にインセクターが!」
美波「研究所の人には手は出させない…!ここは…」
かな子「私の出番ですね!」
美波「オープンゲット!!」
かな子「えぇぇぇいっ!!」
ゲッターキリクを分離。ゲットマシンの最高速度で、研究所に殺到するインセクターを追い抜く。
かな子「チェンジ、ゲッターカーン!!」
兎猿猴「構わぬ!纏めてやれぇいッ!!」
かな子「ゲッターバリアァアアアッ!!」
インセクターから放たれたレーザー攻撃を、ゲッターカーンから研究所全体を覆う様に展開したバリアで防ぐ。
かな子「ニードルミサイル!!」
敵の攻撃が止むのと間髪入れず、ゲッターカーンの左右の方からニードルミサイルを断続的に放ち、空中に無数の爆炎を咲かせた。
兵士「お、おぉ…!」
兵士2「ゲッターが、俺達を守ってくれるのか…?」
剴 「これが、ゲッターの戦い…!」
弁慶「流石に、伊達じゃねぇな。ゲッターの能力を、完全に引き出してやがる」
號 「何でぇ!あのくらい…!」
リン「出来るか?」
號 「……出来る!」
リン「そう。…ふふっ」
莉嘉「かな子!正面から来るよ!」
かな子「!」
牛鬼獣「ブォオオオオッ!!」
かな子「うぅ…!」
インセクターの爆発が生んだ爆煙の中から飛び出すような牛鬼獣の突撃を受け止める。
牛鬼獣「!!!!」
かな子「うぅっ!う~んっ!!」
牛鬼獣の動きを受け流し、持ち上げて、こちらの流れに持っていく。
弁慶「!? あ、あの技は…!」
かな子「直伝──!」
そのまま勢いに乗せ、ゲッターカーンを回転。
かな子「大雪山……おろしぃいいい~~~ッ!!」
大雪山おろしで放り投げ、牛鬼獣を打ち砕く。
莉嘉「よぉし、この調子で行くよ。やっちゃえ、かな子!!」
かな子「はいっ!早乙女研究所には、指一本触れさせません!」
前進するゲッターカーンが大地を振るわし、地上の敵を薙ぎ倒す。
ゲッターキリクは風と共に宙を駆け、敵を吹き飛ばした。
そして、ゲッターアークは烈火の如く。トマホークを振るい、バトルショットカッターを縦横無尽に振り乱し、向かってくる敵を切り伏せていった。
孔明「……!」
インセクターを手玉に取り、反撃を許さず、常に有効なポジションで反撃し、撃墜する。まるで舞いを踊るかのような鮮やかな動きは、早乙女研究所に残る全ての人々を魅了した。そして、
莉嘉「サンダーボンバー!!」
ゲッターアークの雷撃が、全ての敵を消し飛ばす。
莉嘉「さ、残るはアンタだけだ!」
兎猿猴「ぐっ…!ぬぬぬぅ…!」
ゲッターアークと、兎猿猴が対峙する。
兎猿猴「あれだけの数の我が配下を、ものの数分で倒すとは、恐ろしい奴…!」
莉嘉「…へへっ☆」
兎猿猴「だが、負けん!我らに敗北は許されんのだァッ!!」
莉嘉「やぁあああッ!!」
トマホークと金箍棒。それぞれ手にした得物を掲げ、交差と同時に振り下ろす。
ガギィンッ
快音一発。轟撃が響き渡り、2つの巨影が交差する。
兎猿猴「……」
莉嘉「……」
兎猿猴「……っ?」
兎猿猴の得物が、中央から真っ二つに折れる。
兎猿猴「バカな…!?我が神珍鉄、金箍棒が!?」
莉嘉「シンチンだかチンチンだか分かんないけど、只の棒っ切れって事!」
美波「り、莉嘉ちゃん…!」カァッ///
莉嘉「終わりにしてあげる!」
兎猿猴「何とぉッ!!」
莉嘉「遅い!」
金箍棒を失いながらも、反撃の為構えを取る兎猿猴。しかしゲッターアークは、その背後を取る。
兎猿猴「──ッ!!」
莉嘉「!!」
トマホークの連撃。首を胴をと兎猿猴を姿形も残らぬほど切り刻み、塵芥に変えて風に散らせた。
莉嘉「へへっ、どんなもんだい!」
リン『油断しない。まだ敵を全滅させた訳じゃないんだからね』
莉嘉「うへぇ。って言っても、もう粗方やっつけちゃったはずだよ?」
かな子「いえ、まだ厄介なのが残ってますよ」
美波「諸葛、孔明…!」
ゲッターアークを振り仰ぎ、ゲッターよりも更に巨大な孔明の影に向き直る。
孔明『ぬぅ…!』
莉嘉「何さ!名前ばっかりで、仲間は大したこと無いんじゃない?」
孔明『聞きしに勝るゲッターロボ!流石と言わざるを得んか…』
莉嘉「降参するなら今の内だよ。さっさと負けを認めちゃえば?」
孔明『その言葉、今は噛み締めておこう。だが必ずや、我々は貴様に勝利する!』
莉嘉「…降参する気はないって?」
孔明『終わらせぬ。終わりはせぬ!この戦いは聖なる戦いなのだ。我々がゲッターを凌駕し、この宇宙全てを手中に収める為の!!』
莉嘉「ふざけんな!そんな馬鹿げた事、させるもんか!!」
孔明目掛けゲッタービームを放つ。が、
莉嘉「ビームがすり抜ける!」
美波「あれは、立体映像みたいなものだから、幾ら攻撃しても意味ないよ」
莉嘉「クッソ~。卑怯者ぉ!出てきて戦え~!!」
孔明『ふふふっ…』
???『孔明様、此度の所は、もう宜しいでしょう。孔明様が欲していたゲッターのデータも充分でしょう』
莉嘉「!? あれは…!」
美波「孔明の後ろ、あの人って…!」
かな子「カーター・マクドナル!」
マクドナル『我が招待を受け、よく来てくれました。ゲッターアークチーム、いや……城ヶ崎莉嘉』
美波(っ…!?莉嘉ちゃんを、名指しで…)
マクドナル『存分に歓迎して差し上げましょう。貴殿方の死を以て!』
孔明『控えよ、マクドナル。退くのだろう?』
マクドナル『はっ…──』
莉嘉「あ、待て…!」
空中に映し出されていた孔明達の姿が消え、青空が戻る。
莉嘉「くぅ~…!言いたいこと言うだけ言って逃げるなんて…!サイッテー!!」
リン『話は繋がったみたいだね』
かな子「はい。そちらの敵、アンドロメダ流国に、マクドナルはいる」
莉嘉「直ぐにでも突っ込んでやっつけてやりたい…!けど…」
かな子「恐竜帝国での戦いから、ろくに整備もしないでここまで来ましたから…。流石のゲッターアークも限界ですよ。せめて、まともな整備を受けさせられれば良いんですけど…」
リン『任せて。研究所を守ってくれたお礼ぐらいは、させてもらうつもりだよ』
かな子「ありがとうございます。それと、話があるんですけど…」
剴 「なかなか降りてこないな…。もう戦いは終わったんじゃないのか?」
弁慶「通信で司令と話をしてるみてぇだな。ま、連中にも連中の事情があるってとこだろ」
號 「けっ、ちったぁ出来るかもしれねぇが、俺だってゲッターに乗ってりゃ、あのくらい…!」
弁慶「ヒヨッ子が。命があっただけマシだったろうが」
號 「何ぃ!?」
剴 「……」
剴 (あれだけの戦力…。恐らく、俺達の力だけだったならば、苦戦を強いられていた。それをたった1機で…)
號 「俺達のゲッターだって奴に負けちゃいねぇ!そうだろ、剴!?」
剴 「…本当にそう思うか?號」
號 「んぁ…?お、おぅ…!ったりめぇだろ!」
剴 「……。隊長、奴は真ゲッターロボと同じです」
弁慶「……」
剴 「あの力は、あまりにも危険すぎます。強すぎる力は、より強大な力を呼び寄せる…」
號 「ハンッ!上等じゃねぇか。どのみち勝たなきゃ生き残れねぇ戦いだ。向こうから来てくれるなら大歓迎だぜ!」
剴 「お前の言うことは、ただの楽観視だ。あのゲッターと、真ゲッターロボと同等の力を持った敵相手に、何の用意もなく勝てると思っているのか?」
號 「やってやらなきゃならねぇんだろが。今更怖じ気付いたかよ?」
剴 「……」
弁慶「心配するな、剴」
剴 「車隊長…」
弁慶「號のバカを見習えとは言わん。だが、お前は心配しすぎだな」
剴 「…そうでしょうか」
號 「誰がバカだ、誰が!」
弁慶「余計な事に頭を取られて、体が強張っちまうと、いざって時に力を出せねぇ。今は目の前の事に集中しとけ」
剴 「ですが、隊長も見たでしょう?あの力は…」
弁慶「確かに、人類が恐れるべきモノかもしれねぇ…。けどな…」
「「「ゲッターッ!!」」」
號 「!?」
弁慶「あの姿に、魅入られちまった者がいるのも確かだ」
剴 「あれは…!」
號 「ガキ共…!避難させたんじゃなかったのか!?」
弁慶「あぁ、だが…」
???「ヒューッ!ゲッター!カッコイイッ!!」
弁慶「あのバカ…」
美波「あれは…」
リン『ウチで預かってる孤児達だ。何分、地下居住施設じゃ、賄いきれないんでね』
子供「ありがとーっ!ゲッターロボッ!!」
かな子「ありがとう…。あはは…」
リン『大人はどう思うか。それは1人1人に聞いてみなきゃ分からないよ。けど子供には、ゲッターはヒーローとして映ったみたいだね』
莉嘉「ヒーロー、か…」
リン『どうだろう?子供のヒーローを追い出す真似は、大人としてはしたくないんだけど』
美波「ここに残れ、って事ですか?」
リン『大人だって生き残るには必死だよ。その為に、手段は選んでいられない。君達が力になってくれるなら、心強いよ』
かな子「…私達を狙って、今まで以上にアンドロメダ流国が攻め込んでくるかもしれませんよ?」
リン『変わらないよ、結局。ゲッターアークがここにいても、いなくても。アンドロメダ流国は襲ってくるんだ』
莉嘉「アタシ達がここを離れても、リン達の戦いは終わらない」
リン『なら、一蓮托生だ。私達なら、3人の力になれる。どうだろう?』
美波「……」
かな子「そうですね。今回の戦いで、アンドロメダ流国の規模は分かりました。正直、ゲッターアークだけじゃ、厳しい相手です」
美波「かな子ちゃん!」
かな子「事実じゃないですか。今回はたまたま、運が良かったかもしれないですけど、次がそう行くとは限りません」
美波「……」
莉嘉「アタシ達にも、協力してくれる人がいたらもっと心強いって、そう言うことだよね。かな子!」
かな子「はい。それで、余計な戦いを増やしてしまうかもしれませんし、迷惑を掛けちゃうかもしれませんけど…」
リン『決まりだね。そのゲッター用に格納庫のハンガーを空けさせる30分待って』
かな子「分かりました」
莉嘉「ヨロシクね☆」
リン『こちらこそ。それじゃあ、また後で──』 プツンッ
美波「……本当に、これで良かったのかな…?」
かな子「勝手に話を進めちゃって、ごめんなさい。だけど、何処で戦っても同じなら、私達も万全な状態で戦えるようにしておくのは、大事だと思ったんです」
かな子「これは、私達だけの戦いじゃない。私達の地球の運命を背負った、戦いでもあるんですから」
美波「…そうだよね。私達も、手段なんて考えてられない、か」
莉嘉「暗い顔しない、しない!温かいご飯に、ベッドで寝られるんだよ?それだけでも最高じゃん☆」
美波「莉嘉ちゃん、もしかして野宿しなくて良かった、とか、思ってないよね?」
莉嘉「えっ?…えへへ☆」
かな子「あはは…」
── その夜。
~~~ 早乙女研究所 ゲッターアーク格納庫 ~~~
カツカツカツカツ──
リン「……」 フッ
カチャカチャカチャ…
リン「どう、捗ってる?アキハ」
アキハ「ん?おぉ、リンか。まぁ、ボチボチな」
リン「悪いね。こんな夜更けまで、たった1人で」
アキハ「気にしないさ。この研究所で、こいつに触りたがるような奴も私くらいなものだろう」
リン「…まぁ、ね」
アキハ「それに、今はこいつを私以外に触れさせたくはないな。何たってゲッター科学の宝の山だ。爪先から指先まで、この手で調べ尽くさない限りはなぁ…!」
リン「へぇ……興味深いね。アキハがそう言うほどなんだ?」
アキハ「あぁ、あぁ!これは正しく、本当の真ゲッターと言うべきものかもしれんぞ!」
リン「本当の真ゲッター?」
アキハ「そう、ゲッター炉心の構成を見てみろ。我々が知るどのゲッターのものよりも緻密で、洗練されている」
リン「…マシンの専門的なことはよく分からないけど、それってつまり?」
アキハ「我々が目指すゲッター炉の完成形と言うことだよ!10年前のあの日に、この炉心が完成していれば、あんな悲劇は起きなかっただろう」
リン「成る程ね。私達の技術で、再現出来るかな?」
アキハ「どうだろうかな…。我々からすれば、何十年も先の技術のようにも見える。これを一朝一夕で再現すると言うのは…」
リン「そっか…」
アキハ「それに、ふむ…」
リン「どうしたの?」
アキハ「詳しくは、この炉心をばらしてみなければ分からないが…。恐らく、この炉心は未完成なのではないか?」
リン「未完成?」
アキハ「あぁ、この炉心は芸術だ。緻密で、繊細で、洗練されている。だからこそ、専門家の目からは一点だけ欠けている面が際立ってしまう」
アキハ「形として美しく見える。だが、完成されているわけではない。さながらミロのヴィーナス像のようだ」
リン「そんな状態で動いてるのか…。大丈夫なの?暴走の心配は?」
アキハ「その心配ないだろう。寧ろ、ゲッターエネルギーを安定的に扱う、その一点にのみ集中して、この炉心は設計されていると言っても過言ではない」
リン「じゃあ、欠けている部分の意味は…」
アキハ「このゲッターからすれば些細な問題なのだろう。若しくは、欠けている部分を補う何かが、何処かに存在しているのかもしれんな」
リン「何処かって、何処に…」
アキハ「さぁ、そこまでは。それより、パイロットはどうしてる?」
リン「とっくに寝たよ。まだ味方として、信頼出来るって訳でもないだろうに。余程戦い続けてきたんだろうね」
アキハ「明日には身体検査出来そうか?」
リン「気が早いね」
アキハ「当然だ。ゲッターから離れて暮らしてきた我々とは違う、ゲッターと共に戦い続けた者達だぞ?ゲッターの申し子かもしれん」
リン「ゲッターの申し子、か」
アキハ「えぇい、無理なら血液検査くらいさせろ!このゲッターだけではない。あいつ等の体にも、ゲッターのメカニズムを解く鍵があるかもしれんのだ!黙ってなどいられん!」
リン「その前に、アキハには頼んだことがあるでしょ?」
アキハ「分かっておる。その完成の為にも!」
リン「取り敢えず、このゲッターのデータがあれば、ちょっとは進められるでしょ。私達も急がないと」
アキハ「…このゲッターがあるのに、まだアレに拘るつもりか?」
リン「当たり前でしょ。その為に、ここまでやってきたんだ」
アキハ「ふんっ。完成したところで、乗りこなせる奴がここにいるとは思えんが」
リン「心配要らないよ。パイロットには検討を付けてある」
アキハ「何だと…?」
リン「このゲッターを分析して、完成を急ぐんだ」
リン「私達の新ゲッターロボを──」
つづく
予告
力と力。
似ているからぶつかり合うのか。それともそれは、力への恐れか。
異なるゲッターを操る莉嘉と號。
それぞれの力に己の思いを乗せるからこそ、ぶつかり合う2人。
世界線を越えたゲッターの出会いの意味とは…。
次回『犬と猿と』