ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第17話『渓、出撃す』

かな子「……はぁ」

かな子(莉嘉ちゃんの勢いに任せて来ちゃったけど、みんな大丈夫なのかな…?)

 

──マクドナル『ストーカ01は、やがてこの地球をも包む込み、全てを呑み込む』

──マクドナル『つまり、人間だろうとハ虫人だろうと滅びる運命にあると言う事だ!!』

 

かな子「……っ」 ブンブンッ

 

脳裏に沸いた”最悪の想像”を掻き消すように頭を振る。

 

かな子「今は弱気になっちゃダメ…!皆を信じて、頑張らなきゃ…!」

渓 「1人でブツブツ……格納庫で何やってんの?かな子」

かな子「ひゃあッ!?け、渓ちゃん…?!何時の間に…」

渓 「何時の間も何も、ここはアタシの職場だよ?かな子こそ、格納庫の隅っこ何かで、サボり?」

かな子「さ、サボりなんかじゃ、ないですよ?これは…」

渓 「ん?…へぇ、それがかな子達の世界のケータイなんだ?」

かな子「え?あ、こっちの世界にスマホは…」

渓 「スマホって言うんだ?ふぅん……で、男の待ち受け眺めて、ホームシック紛らわせてたんだ?」

かな子「……!み、見ないで下さいっ!」

渓 「別に隠すことじゃないじゃん。かな子も、意外に隅に置けないんだ~」

かな子「ちょっ……違…!この人は、そう言うんじゃなくて…」

 

???「どう言うつもりだ!?號ッ!!」

 

かな子「きゃっ…!何…?」

渓 「あ~、號達のチームが訓練から帰ってきたね」 ヤレヤレ…

かな子「え?けど、今の声、剴さんでも弁慶さんでもなかったみたいですけど…」

渓 「新しい補充要員だよ。今まで不在だった2号機のパイロット候補が、ようやく補充されたんだ」

かな子「それで、今まで飛行訓練をしてたってことですか」

渓 「うん。けど、あの調子じゃ、また號が問題起こしたみたいだね。こりゃまた徹夜かなぁ」 ウ~ン…

 

~~~ 格納庫 ゲットマシンドック ~~~

 

???「聞こえているのか、號!?貴様、俺を道連れに地獄に行くつもりかぁ~ッ?!」

號 「……。仰ってる言葉の意味が、よく分かりませんね。星一尉?」

星 「分からないぃ?!なら、俺をわざと殺すつもりだったのか!」

號 「だから、道連れだの殺すだの、そう言っている言葉の意味が分からないと、そう言ってるんですよ」

星 「しらばっくれやがって…!飛行中にわざと失速して高度を落としただろう?下手をすれば、編隊を組んでいた俺達が、巻き添えを喰らう所だったんだぞ!」

號 「それは…!」

剴 「お言葉ですが、一尉。それは、貴方の2号機の進入速度が速すぎた為の緊急措置です。あの時號が失速してでも強引に離脱していなければ、1号機はサンドイッチにされるところでした。號の判断は、間違ってはいません」

星 「なら貴様らは、俺がミスをしたと言うつもりか!?この俺が!!」

號 「アンタ意外誰がいるんだつぅーんだよ…」

剴 「號、今は抑えろ」

星 「俺はなァ、ずっと空軍で戦闘機に乗ってきたんだ!貴様らがおしめ履いていた頃からずっとだ!空軍のホープとだって呼ばれていたんだぞ!?」

號 「全部10年前の話だろーが」 ボソッ…

星 「それが、10年前の悲劇を生んだ悪魔の眷属のパイロットとやれと、わざわざ連れてこられたんだぞ?その意味が分かるか!?」

剴 「ですが、通常の戦闘機と、ゲットマシンとでは感覚は違います。特に合体のタイミングは、いくら航空機に乗り慣れていようと、簡単に掴めるものではありません。ですから、この訓練の間だけでも、我々の指示に従って…」

星 「バカにするなよ!経験も技量も、貴様らヒヨッ子共に負けるものか!!貴様らが俺に合わせてりゃぁ良いんだよ!」

號 「……。一尉、お言葉ですが…」

星 「特にお前だ!司令や戦隊長から、お前のことはよく聞いてる!規律を乱し、己の好き勝手行動する!貴様のような奴が、周りを殺していくんだっ!!」

號 「ははっ!そうですかい?ま、アンタの言うこたぁ否定しはしねぇが…!」

 

ガシッ

 

星 「むっ…!?」

號 「俺にデカく出たいなら、あんまり醜態晒すのはやめましょうや。ギャーギャーギャーギャー喚くのは、端から見りゃ、弱い犬が吠えているようなもんだぜ?」

星 「……!」 キョロキョロ

 

整備士「っ……」 スタスタ

整備士2「……」 スタスタ…

 

號 「お互い、マヌケをしないように気を付けましょうや。これ以上はただ”ハジをかく”だけですぜ?」

星 「ぐっ…!」 バシッ

號 「おぉ~、痛い」

星 「訓練結果を報告してくる!その後は、シミュレータで引き続き訓練だからなッ!!」

剴 「了解!」

號 「了解でありまぁすッ!!」

星 「フンッ」

 

スタスタ──

 

號 「…行ったか」

剴 「號。今回は助かったとは言え、あまり年上を挑発するような物言いは、するものじゃない」

號 「なら、アイツの好き勝手させても良いのかよ?」

剴 「ちっぽけなプライドが、生きていくために必要な者もいる。仕方ないさ」

號 「これからあんな奴とチームを組んでいかなきゃならないのかよ。…やってらんねぇぜ」

渓 「號~ぉ!」

號 「わっ、渓!?んだよいきなり……抱き着いてくんな」

渓 「ま~た怒鳴られて、今度は何したの?」

號 「何したってな~…」

剴 「今回は問題を起こした訳じゃない。ただ、一尉の考えにそぐわなかっただけだ」

渓 「一尉?あぁ、この間入ってきた?」

剴 「元空自隊員らしいな。だがまだ、ゲットマシンの勝手が分かっていないようだ」

渓 「ふぅん?ま、また號が無茶な操縦をして、ゲットマシンを壊したとかじゃなきゃ、あたしは何でも良いけど」

剴 「…マシンは壊れた訳じゃないが、大分負担を掛けはしただろうな」

渓 「え~!?もう、アンタは!!」

號 「耳元で叫ぶな。仕方ねぇだろ。こっちは死ぬかも知れないトコだったんだからよ」

渓 「だからってねぇ…。ここの資材だって無限じゃないのよ?もうちょっと自分の手足だと思って大切に扱ってよ」

號 「悪いが、俺は自分の体を大切にしたことなんざ、一度だって無いんでな」

渓 「むぅ~、あー言えばこー言う…」

號 「へっ、そんなにゲッターが大事なら、いっそお前が乗っちまえばいいんじゃねぇか?」

渓 「え、あたしぃ~?」

號 「ゲッターの整備を担当して、ゲッターのことは自分のことよりよく分かってんだろ?ゲットマシンにビビるようなへなちょこ乗せるよりよっぽどマシだぜ」

渓 「ムリムリムリ!そりゃぁ、腕っぷしなら普通の女の子よりあるだろうけどさ?大の男だって失神するようなマシンに、あたしが乗れないって」

號 「けどよぉ…」

 

リン『──ゲッターチーム、それにアークチーム。ゲッターパイロット各員は、至急会議室に集合。これからブリーフィングをやるよ。直ぐに集まって──』

 

號 「あン?ブリーフィングだと…?んな予定あったか?」

剴 「今後の方針が決まったんだろう。兎に角、会議室へ急ぐぞ」

號 「おう。…ん?」

 

タッタッタッタッ──

 

莉嘉「號~!早速新入りを病院送りにしたって本当?」

 

號 「莉ぃ~嘉ぁ~…!誰だ!?ンなこと言い出した奴は!!?」

剴 「普段の行い。自業自得だな」 ハァ…

 

~~~ 研究所内 会議室 ~~~

 

號 「何ぃ~!?昆虫共を殲滅する、だぁ!?」

剴 「話を大きくするな、號。あくまで、早乙女研究所近隣に位置している連中の巣であるコロニー、その1つを攻略する、そう仰ったのだろうが。司令官は」

號 「だがよ、1匹残らず始末しろってんだろ?結局の所はよ」

リン「まぁね。それがつまり、攻略するって事だからね」

號 「1つのコロニーを根城にしてる虫けら共は、少なくとも数千体だ。そんな所にゲッター2機だけでとは、流石姐さん。アンタ鬼だぜ」

リン「それくらいの事、難なくやっていけなきゃ、これから先は生き残れないって事だよ」

號 「どう言うことだ?」

弁慶「司令は、この戦いを黒平安京攻略への試金石にしようってんだよ」

剴 「黒平安京の…!?」

かな子「あの~…」

リン「うん、何?」

かな子「その、コロニーとか、黒平安京とか…。こっちに来て日が浅い私達には何が何だか」

弁慶「…だよな。アークチームには、その辺の説明も必要か」

リン「コロニーってのは、単純に巨大昆虫が生息して、繁殖してる根城さ。かつて人類が反映した廃墟の地下深くに根付いてる。だから”コロニー”」

美波「成る程…」

莉嘉「それじゃあ、黒平安京って言うのは?あの昔京都辺りにあったって言う?」

リン「それに似てるから、そう名付けたってだけ。正確には、そうアトランティス流国の本拠地って所」

莉嘉「アトランティス流国の、本拠地…!?」

弁慶「そう目されている場所、だがな。だが、これまでにそこに攻め込んだ部隊の戦闘結果などから、本拠地であることには間違いはねぇ」

莉嘉「本拠地だって分かってるのに、どうして攻め込まないの!?」

號 「おいおい、人の話はきっちり聞くもんだぜ?おチビちゃん」

莉嘉「…むっ」

號 「攻撃ならとっくにしたさ。俺達じゃねぇ、他の国の多くの軍がな」

莉嘉「……!」

リン「だが、その結果がどうなったかは、今私達が置かれている状況を見れば、言わなくても分かるよね?」

莉嘉「……」

リン「コロニーに存在する数千の巨大昆虫群…。これを殲滅することが出来なければ、黒平安京を攻略するなんて到底出来はしない!」

星 「しかし、それには少し……時期尚早ではないかと!」

リン「……」

星 「我々のチームは、まだ発足したばかりです。チームとしての練度も、合体の精度も、完全ではありません!この状況での命を賭した作戦など、リスクしかありません!!」

弁慶「……」

號 「あのなぁ…」

星 「この際ですから、上申致します!自分は、この若僧共とはチームは組めません!!」

リン「…ふぅん。何故?」

星 「何故…?!理由は、明白ではないですか!気が逸る若僧共とでは、まともなフォーメーションすら組めません!もっと熟練したパイロットに…」

リン「確かに、號と剴はまだ若い。だがゲットマシン、ゲッターロボの操縦経験に関しては一尉、貴方よりも上だ」

星 「し、しかし…!このままでは、自分の身がもちません!!」

リン「はじめのうちは、誰でもそうだよ。星一尉。経験が必要だと言うなら尚のこと、今回の戦闘でしっかりと積めば良い」

星 「~~~…っ!た、隊長……車戦隊長だって、何か思うところはある筈です!」

弁慶「…確かに、ゲッターの操縦に於いて、チームワークは重要だ」

星 「…!そう、だからこそ…!」

弁慶「だが、チームの信頼ってのは一方通行じゃねぇ。號達は勿論だが、お前さんもメンバーに歩み寄らなくっちゃぁな。得られるもんも出来ねぇたろうよ」

星 「ぐっ…!」

リン「心配するな」

星 「は…?」

リン「號も剴も、そしてアンタも。私が信頼して、選抜したメンバーだ。訓練でも気を失うこと無く帰ってきてる。今の3人は、間違いなく優秀なメンバーだよ」

星 「……っ」

リン「話はそれくらいで良いだろう。それじゃあ、細かい調整に入るよ。今回は攻撃部隊にも出撃してもらう。攻撃部隊にはコロニー入り口に布陣している防衛戦力を削いでもらう。ゲッター各機がその後に突入。それから──」

 

── 会議終了後、格納庫。

 

ツカツカツカ──

 

リン「……」

弁慶「…司令」

リン「…何?」

弁慶「司令は今のパイロット、今のチームで本当に完璧だと思っておいでで?」

リン「どういう意味?」

弁慶「確かに、星一尉を見つけ出すのには苦労した。ここだけじゃねぇ、他の地下都市を巡って歩き、貴重な戦闘要員を譲って貰うって言うんで、それなりに出すものも出した」

弁慶「だが、奴はゲッターのパイロットになる器じゃねぇ」

リン「……」

弁慶「本当は司令だって分かってる筈だ。星一尉と、號達じゃぁ、チームにはならねぇ」

リン「……渓」

渓 「うん?あ、お姉ちゃ……じゃなくて、司令官!」

リン「ゲットマシンの調子は?」

渓 「調子もどうも…。號の乗るゲットマシン1号は、今日は訓練でしか飛んでないのに、戦闘でもこなしたみたいにボロボロだよ…」

弁慶「星からも報告は受けてる。また無茶な軌道をしたみてぇだが…」

渓 「そうしなきゃ、マシンも號達もバラバラになってた。理屈は分かるんだけどさぁ~」

リン「號の機転で、マシンもパイロットも無事だったって訳だ」

渓 「司令?」

リン「號は一見無鉄砲に見えて、機転が利く。剴は、少し慎重すぎるけど、それでも冷静な戦術眼を持ってる。2人に足りないのは、3人目のパイロットってだけだ」

弁慶「なら、その3人目は誰だって良いって訳ですかい?」

リン「それは私より、貴方の方が分かってる筈だ、弁慶さん」

弁慶「……」

リン「けど、私達には時間がない。頭数を揃えている余裕なんて、当然。その場凌ぎでもやって見せなきゃ、滅びるだけだ」

弁慶「…死人が出ますぜ。必ず…!」

リン「この作戦で死ぬくらいなら、死なせてやった方が寧ろ親切じゃない?」

弁慶「……言っている意味は、分かりますがね」

渓 「司令……車隊長…」

リン「……。このマシンを乗りこなせるのは、神に選ばれた天才か、よっぽどのバカか。そのどちらか、だね」

渓 「……」

渓 (バカか、天才か、ね…)

 

渓 「あたしは…」

 

── 作戦までの準備と、偵察と思われる程度のアンドロメダ流国の部隊との戦闘を経て数日。巨大昆虫群殲滅の当日を向かえる。

 

~~~ 群馬県・前橋市市内 ~~~

 

巨大蟻《……》 ギチギチ…

巨大蟻2《……》 ギチギチ…

巨大蟻《……?》

 

空から、無数の砲弾と爆弾が降り注ぎ、JR前橋駅前に布陣していた巨大蟻の軍勢を吹き飛ばす。

 

號 「へへっ、ザマァーミロだぜ!!」

 

弁慶「よぅし、攻撃部隊は後退!ゲッター突入の障害になるなッ!!」

美世「後方支援の為に補給は済ませるよ!弾薬の尽きた車輌からこっちに来て!」

弁慶「おう、美世。助かるぜ」

美世「えっへへっ!私は私で出来ることやってるだけだから気にしないで?…と、そっちはもっとキビキビ動く」

友紀「ひぇ~…!」

茄子「友紀ちゃ~ん、ファイトですよ~」

友紀「美世、人使い荒すぎ!作戦中だと人変わりすぎだよ~っ!!」

美世「命懸かってるんだから真面目にもなるでしょうが。ほら、口よりも手を動かす!」

友紀「ひぃ~っ!」

 

號 「しっかし連中、駅の入り口をそのままコロニーの入り口に利用してるたぁ、洒落てんじゃねぇか?」

剴 「地下に広がる広大な空洞であることには変わりないからな。一から掘り進めるよりも、何かと便利だったんだろう」

號 「なら、とっとと返してもらうとしますか!行くぜッ!!」

剴 「待て!今回の俺達の役割は後方支援の筈だ。先方はゲッターキリクが務める」

號 「ちぇ…!出鼻を挫かれたぜ」

美波「ご、ごめんなさいね?何か…」

剴 「気にしないで下さい。それよりも突入を。我らの存在に気付いた昆虫群が後発を出してくる前に!」

美波「了解!莉嘉ちゃん、かな子ちゃん、行くよ!」

かな子「こちらは何時でも!」

莉嘉「美波のドリルをお見舞いしちゃえ~!」

 

ゲッターキリクがドリルを突き立て、駅の入り口をドリルで押し拡げながら突入していく。

 

星 「……」

剴 「……。顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?一尉」

星 「…問題ない。お前達は戦闘に集中しろ」

號 「まさか後方支援で良かったなんて、思ってないでしょうね?」

星 「う、うるさい…ッ!無駄口を叩いている暇があるなら、とっとと小娘共に続け!」

號 「分かってますよ。…ったく」

星 「いいか、小僧共。年齢で見ても経験で見ても、この俺がこのチームで一番高い。よってこの作戦でのチームの指揮は俺が執るっ!」

號 「だからそれは…」

剴 「號」

號 「……はいはい」

星 「いや、この作戦だけではなく、今後一切の指示は俺がする。異論は認めん。死にたくなければ、貴様らは黙って俺の言うことだけを聞け!いいなッ!!」

剴 「……了解」

號 「ちゃ~んとイニシアチブをとってくれれば、誰も逆らわねぇっての」

美波「!?」

剴 「どうした!?美波さん!」

 

巨大蟻’s()()()()()()()()!()!()

 

星 「ひぃっ…!?」

剴 「後発部隊か…!思ったより接触が早い…!」

美波「ドリルタイフゥーン!!」

 

空洞の深い暗闇から姿を表した巨大蟻の軍勢にドリルの旋風を放ち、敵の陣形を乱しつつ、体勢を整える。

 

美波「やぁあッ!!」

 

ドリルを突き立て、突貫。唸るドリルの一撃で、巨大蟻を粉砕する。

 

巨大蟻《ギィッ!!》

美波「…っ!」

巨大蟻《?!?》

 

サイドから襲撃してきた巨大蟻に、右腕のシザーアームを振りかざして怯ませ、

 

美波「これで…!」

 

正確に首の間接を切り落とし、沈黙させる。

 

星 「あぁ……始まった…!」

號 「戦闘開始ですぜ、一尉。指示を!」

星 「あ、あぁ…」

剴 「一尉、しっかりして下さい!」

星 「うぅ…っ!ま、マグフォース・サンダーだ…!まとめて吹き飛ばせっ!!」

號 「はぁ?この狭い空間でか?冗談だろ、ゲッターキリクまで巻き添えになる!」

 

言いながら、両肩背後のローターを手に取る。

 

號 「ブーメラン・ソーサー!!」

 

ゲッターキリクの両脇を通るようにブーメラン・ソーサーを投射し、ゲッターキリクの眼前に迫った巨大蟻を切り裂く。

 

美波「ありがとう、助かった!」

號 「礼を言ってる場合じゃ、ねぇんじゃねぇか?」

美波「!!」

 

巨大蟻’s()()()()()()()()()()!()!()

 

巨大蟻は次から次に襲い来る。

 

號 「こいつぅッ!!」

 

正拳突き。巨大蟻の胴体を貫き、沈黙させる。

 

剴 「距離を取っている余裕はないな。格闘戦になるぞ!」

號 「へっ、望む所だぜ!!」

巨大蟻《ギィッ!!》

號 「レッグブレード!!」

星 「うぅ…っ」

巨大蟻《!!!》 グシャッ

星 「あ……っ!」

號 「うりゃぁッ!!」

巨大蟻《…ッ!!》 バキッ

號 「おらおらおらおらおらぁッ!!」

星 「あぁ…!」

巨大蟻《ギイィィィィィ~~ッ!!》 ギチギチギチィッ

星 「うわぁあぁぁぁぁ~ッ!!」

剴 「星一尉!?」

星 「も、もう無理だぁッ!!助けてくれぇえ!!」

號 「どうしたんです?一尉!…くっ!」

 

意識を星へと向けた一瞬の隙に、ゲッター1号は押し倒される。

 

號 「こいつ…!」

星 「うあぁぁ…!何故だ…?!何故動かない…!?俺をここから出してくれぇ!!」

剴 「一尉!合体時は、全てのコントロールはメインが優先されるようになってます!忘れたんですか?!」

星 「何ィ?!?號ぉ~!コントロールをこちらに譲れぇ~!!今すぐにだぁッ!!」

號 「何を言ってるんです!?敵は目の前、今そんなことをすれば、一尉だって只ではすみませんよ!?」

星 「俺の命令を聞けと言った筈だ!!貴様、反逆罪で死にたいのかァ!?」

號 「言ってることが無茶苦茶だぜ…。…っぐ!?」

 

巨大蟻の顎が、ゲッター1号の首に噛み付く。

 

號 「こんにゃろ…!」

 

巨大蟻の鳩尾を数発殴り、トドメに膝蹴りを入れて、何とか切り離す。

 

星 「うわぁああぁぁぁ~~~っ!!ここから出せ、出してくれぇ~~!!」

號 「おっと、暴れんなよ、一尉!」

 

錯乱した星の影響で、ゲッターのバランスが崩れる。

 

巨大蟻《ギィィィッ!!》

號 「ちぃッ!!」

美波「やぁあッ!!」

 

体勢の崩れたゲッター1号に迫る巨大蟻を、ゲッターキリクがドリルでその背から打ち砕く。

 

號 「ゲッターキリク!」

美波「これで借り貸しなしに出来るかな?」

號 「へへっ…!」

剴 「號!俺達は一度後退しよう!一尉がこの状態では、戦闘の続行は不可能だ」

星 「あひゃひゃ……あは……っ」

號 「…実戦の空気に呑まれやがって。やっぱ素人じゃねぇか」

莉嘉「邪魔なものは降ろしてきた方がいいよ」

かな子「そうですね。万全を期すためにも!」

號 「…チッ。俺の獲物、独り占めすんじゃねぇぞ!!」

 

来た道を戻り、後退するゲッター1号。

 

美波「…手荒い激励だと思っておくわ」

かな子「ここでやられる訳にはいかないのは勿論、前線も後退させるわけにも行きませんよ…!」

美波「正念場なのは分かってる…!號の言葉じゃないけど、ゲッターキリクで、全てを殲滅させるつもりで、行くよ!!」

莉嘉「やっちゃえー!!」

 

──。

 

友紀「ゲッターが戻ってくるって?何で?どっか被弾したとか?」

弁慶「んや。どうもパイロットが、伸びちまったらしい」

友紀「パイロットが伸びたって……あの新人さんが?」

弁慶「訓練だけで実戦を知らなけりゃぁそうなる。ともかくゲッターの受け入れ準備だ!担架を用意しとけ!」

友紀「了解っ!!」

 

前橋駅入り口からゲッター1号が姿を現し、部隊と合流する。

 

星 「あ……あぁ…」

弁慶「…コイツはダメだな。後方の車輌に乗せておけ」

號 「ゲッターは直ぐに出るぞ!!」

弁慶「待て、状況が状況だ!パイロット2人じゃ、ゲッターの力は出せん!!」

號 「ならどうしろってんだよ!?」

弁慶「……俺が乗る」

友紀「親父が!?」

弁慶「おいおい…。俺を誰だと思ってやがる?元よりゲッターのパイロットだぜ?」

友紀「けど補欠じゃん」

弁慶「それを言うなよ。昔取った杵柄は、まだ腐っちゃいねぇ。サポートくらいは出来る筈だ」

剴 「確かにな。この場では隊長が一番適任だろうな」

號 「……いや、車さんはダメだ」

剴 「は…?」

弁慶「んだとぅ…?何がダメってんだ?!」

號 「車さんは隊長なんだから、後ろでドシッと構えてればいいんだ。危ないことは若いのでやる!」

弁慶「なら、誰を乗せる?!」

號 「それはだな……っと!」

 

1号機のコックピットから飛び降り、向かった先は、

 

渓 「は?」

號 「お前だ」

渓 「え?」

號 「お前が乗れ」

渓 「えぇ~~ッ!?」

友紀「何で!!」

茄子「どうして渓ちゃんが?」

號 「友紀義姉ちゃんは危なっかしいし、美世義姉ちゃんは車にしか目がねぇ。茄子義姉ちゃんは何つーか頼りねぇしよ」

友紀「危なっかしいって!?」

美世「車にしか……って、合ってるか…」

茄子「頼りない、ですかぁ~」

號 「その点、お前なら整備の手伝いもしてる分、ゲッターを知ってる。付け焼き刃だが、この中じゃ一番都合がいいぜ」

剴 「お前にしては考えたようだが…。本気か?」

號 「剴。その場凌ぎじゃ、ダメなんだよ。俺達が、莉嘉達に負けないチームになるには!分かるだろ?」

剴 「……」

渓 「嘘でしょ…?あれは、冗談じゃ…」

弁慶「渓を、本格的にパイロットに据えるってか?」

號 「そうだ。俺達はガキの頃から一緒にここまでやってきた!俺達に合わせられんのは、渓しかいねぇ!」

渓 「そんな、無理だよ…。あたし、女だし」

號 「莉嘉達だって同じだろうが!その上、莉嘉はまだ13だ!今だってアイツらは俺達が戻ってくるのを信じて戦ってる!お前だって、命は懸けられるだろうが!?」

渓 「……」

號 「やれるさ!そのためのフォローはする!俺を信じろ!!」

渓 「……」

 

── 2号機コックピット。

 

渓(パイロットス-ツ) 「結局、こうなっちゃうんだから。あたしも押しに弱いと言うか、何と言うか…」

剴 「渓、大丈夫か?」

渓 「剴。あたしは大丈夫だよ。ちょっとシートが湿っぽいけど」

剴 「それは…」

渓 「戻ったら整備のおっちゃん達に言って全取っ替えさせる。じゃないと、気持ち悪くてしょうがないもん」

剴 「…落ち着いてるんだな」

渓 「そう見える?なら良かった」

剴 「……?」

渓 「大の大人が、ビビってチビるくらいだよ?実戦って。緊張とか恐怖とか、何かもうゴチャゴチャで、自分でも意味分かんない」

剴 「無理なら無茶するな」

渓 「ううん、無理じゃない。ゲッターには少なくとも、アンタと號が乗ってるからね。その分は、少し安心出来るよ」

剴 「……成る程な」

渓 「何が?」

剴 「號がお前を誘った理由だよ」

渓 「ふぅん?」

號 「お前ら、準備は出来たか?」

剴 「こっちは何時でもいける」

渓 「出来なくてもやれって言うんでしょ?ったく人使いの荒い!」

剴 「早く美波さん達のところに戻ろう」

號 「いや、先ずはゲッター2にチェンジだ」

渓 「はぁ!?」

剴 「何故だ、號!?」

號 「理由は単純明快さ、ゲッター1じゃ、今回の戦闘じゃ役に立たねぇってことだ」

號 「マグフォース・サンダーは、動きを止めるのには良いが、エネルギーを食い過ぎる!この作戦にレディコマンドの支援はないんだ。後方で支援するにせよ、ゲッター2の方が効率がいいぜ」

剴 「だが、渓はゲッターの操縦ははじめてなんだぞ?」

號 「何、実戦になったら俺達に任せてくれりゃぁいい。合体も、剴が間に入って、フォロー出来る。だからゲッター2なんだ!」

剴 「だがな…!」

渓 「あぁもう分かった!話が進まない!こっちも泣き言は言わないよ。號のやりたいようにやりな!」

號 「いい覚悟だぜ。それでこそだ!いくぜ!」

渓 「おうッ!!」

號 「オープンゲット!!」

 

ゲッター1号を、分離。3機のゲットマシンが宙高く舞う。

 

剴 「渓!機体がブレている。先ずは安定させるんだ!」

渓 「そんなこと言ったってぇ!これでも精一杯頑張ってるの!」

號 「剴!お前が先輩なんだ、リードしてやんな」

剴 「簡単に言ってくれる…!」

渓 (今はとにかく、剴と、號を信じて…!)

剴 「……そこだ!」

 

2号機と3号機がドッキング。

 

號 「やりゃぁ出来んじゃねぇか。──んじゃ、行くぜ!」

渓 「チェーンジ、ゲッタァァーーッ!!渓っ!」

 

合体。赤いボディを持つゲッター2号が、空中に誕生する。 

 

渓 「出来た…!あたしにも、合体が…!」

號 「喜んでる場合じゃねぇぜ。本番はこれからだ!」

渓 「分かってるよ。ドリルアームで、一気にキリクに追い付く!」

號 「その意気だ!行けッ!!」

渓 「ドリルアームッ!!」

號 「アークチームの奴等、俺達が行くまで死ぬんじゃねぇぞ~~ッ!!」

 

地下深くを目指し、ゲッター2号は行く。

 

──。

 

かな子「……?!美波さん、何か、広い空間に出ましたよ!」

美波「えぇ…。随分奥まで来たみたいだけど…」

 

巨大蟻”s()()!()!()!()

 

美波「歓迎会は、終わってないみたいね…!」

 

ゲッターキリクの周囲に布陣する巨大蟻の群勢に対して、両腕をドリルアームに変えて、迎え撃つ体勢を取る。

 

美波「──やっ!」

 

広がった空間に躍り出るように、跳躍。

 

美波「タイフーン・ランブルッ!!」

 

左右の腕から放つドリルタイフーンをそれぞれ上下、左右に乱れ撃ち。空間一体を旋風で満たして、巨大昆虫の群れを吹き飛ばす。

 

美波「まだまだぁあああッ!!」

 

テキィ--ンッ

 

莉嘉「!? 気を付けて、美波!」

かな子「どうしたの?莉嘉ちゃん!」

莉嘉「感じる…。こんなの、今まで出逢ったこと無い……こんな大きな…」

 

巨大兜《ギギィィイイイイッ!!》

 

莉嘉「カブトムシ☆!!」

かな子「そのセンサー、巨大昆虫相手にも有効なんですね…」

美波「頼りになるよ!…莉嘉ちゃんには悪いけど…」

巨大兜《!!》

美波「ゲッターイリュージョン!」

 

ゲッターキリクの着地を狙って、逞しい一本角を掲げて迎え撃ちに来た巨大兜を、高速機動で躱す。

 

美波「ドリル…!アターック!!」

 

巨大兜の上空に回り込み、重力落下と共にドリルを突き込み粉砕する。

 

莉嘉「あぁ…!アタシのカブトムシ…」

かな子「莉嘉ちゃん、もしかして捕まえるつもりだったんですか…?」

莉嘉「ごめんよ、大和不動丸…」

かな子(名前まで付けてる…!?)

美波「別の部屋に行くよ。…ここは」

かな子「これは……巨大昆虫の卵、ですか…?」

美波「目標の1つの、繁殖室に付いたみたいね」

莉嘉「これ全部が連中の…。……うげぇ、キモォ~」

美波「無抵抗の卵を破壊するのは、ちょっと忍びないけど…!」

 

繁殖室と呼ばれる、床から天井まで昆虫の卵がびっしりと詰まった空間に、両のドリルアームを向ける。

 

美波「ダブル・タイフゥゥーンッ!!」

 

巨大な旋風を繁殖室全域に伝わるように放ち、詰まった卵を粉々にした。

 

かな子「これで、作戦の第一目標は完了、ですか?」

美波「繁殖室が、1つとは限らないけど…」

莉嘉「1個破壊出来ただけでも十分だよ!あとは女王格の破壊だ!」

美波「そうね。號くん達のゲッターと合流する前に、無茶をするのは控えましょう」

 

道中に襲い来る巨大昆虫を蹴散らしながら、最奥を目指して進む。

 

かな子「思ってたけど、結構広い巣ですよね。百鬼帝国の要塞以上かも…」

莉嘉「百鬼要塞に突入したかな子が言うんだもんね…。コロニーって言われてるのも、大袈裟じゃないんだ」

美波「女王格は何処に…!?──…っ!?」

かな子「美波さん?!」

 

女王蟻《ギィイャァアアアアアッ!!》

 

莉嘉「他のアリさんと違って、一際大きくて、羽がある!」

かな子「間違いありません!女王格です!これを倒せば…!」

莉嘉「周りの巨大昆虫も一網打尽!って、簡単にはいかないけど…」

かな子「はい。巨大昆虫は、指揮中枢を失ったことになります!」

莉嘉「つまり、恐竜帝国での戦いと同じ状況…!」

美波「コイツさえ倒せば…!たぁッ!」

 

跳躍。ドリルアームを構え、女王蟻に突撃する。

 

美波「やぁあああああッ!!」

女王蟻《キィイイイイッ!!》

美波「っ…!?」

 

女王蟻は口から液体を噴霧。ゲッターキリクを迎え撃ち、怯ませた。

 

美波「くっ…!」

かな子「美波さん、止まっちゃダメです!」

美波「え?」

女王蟻《!!》

美波「きゃあッ!」

 

女王蟻の長い前肢が、ゲッターキリクを強かに打ち付ける。

 

美波「あ゛ぁあッ…!!」

 

地面に落下し、土煙を上げる。

 

莉嘉「痛~い…!」

美波「ごめんなさい、莉嘉ちゃん、かな子ちゃん…」

莉嘉「も~ぅ、しっかりしてよね!」

美波「何とか切り返す!とりあえずはそれで!」

かな子「次が来ますよ!」

美波「!!」

 

続けざまに放たれた液体を、跳躍して回避。

 

かな子「……。あれは、強力な酸みたいです!受け続けたらゲッターキリクでも危ないですよ!」

美波「分かったわ!」

莉嘉「下手には近付けないよ!どうするの?」

美波「…キリクなら、高速移動で!」

 

ヒュン、と残像も残さないキリクの高速機動で、一気に女王蟻に肉薄する。

 

美波「ドリル・アタァァーック!!」

 

ガギィ……ンッ

 

女王蟻《…!!》

美波「ぐっ…!固い…ぃ!」

女王蟻《!!!!》

 

女王蟻の羽根が高速で振動し、発生したソニックブームがゲッターキリクを吹き飛ばす。

 

美波「くっ…!」

巨大蟻《ギィイイイッ!!》

かな子「!? 美波さん!」

美波「っ…!まだ…?!」

 

「やぁあああああッ!!」

 

ズギャォォオンッ

 

美波「何っ!?」

號 「まだ死んでねぇな?アークチーム!」

莉嘉「號…!遅いよ!遅すぎて、全部アタシ達で持っていくところだった☆」

號 「へっ、そうかい?じゃあ、残りの獲物は頂くぜぇ!!」

渓 「ちょ、ちょっと待ってよ…!」

かな子「え?渓ちゃん…!?どうして…」

渓 「へへっ、色々あってね…。うぅ…!」

 

襲い掛かってくる巨大蟻の攻撃を往なす。

 

渓 「こ、攻撃が……来る…っ!ご、號…!」

號 「慌てるなよ。コントロールをこっちへ移せ。大体の戦闘は剴が、足回りは俺がやってやる」

渓 「りょ、了解…!確かコンソールを……こう!」

剴 「よし。ゲッターの挙動はこちらでコントロール出来るが、武装の使用はそっちからの音声入力が必要になる。使う時は指示を出すから、対応してくれ」

渓 「分かった…!」

莉嘉(コックピットで、叫ぶだけなんだぁ…)

號 「それじゃあ、行くぜぇ!!」

剴 「ドリルアームだ、渓!」

渓 「さ、早速…!?…ど、ドリルアームッ!!」

 

ゲッター2号のドリルが唸る。

 

剴 「行くぞぉッ!!」

 

ゲッター2号が、巨大蟻達に躍り掛かる。

 

剴 「たぁッ!!」

 

正面に捉えた巨大蟻をドリルで穿ち、次から次に粉砕していく。

 

剴 「キリク!雑魚の相手は自分達がやる!!」

號 「メインディッシュは譲ってやる!女王格は任せたぜ!!」

美波「…了解!」

剴 「ブレストボンバーだ。この空間なら、敵を一網打尽に出来る!」

渓 「りょ、了解…!ブレストボンバーッ!!」

 

ゲッター2号の胸部から、一対のミサイルが放たれ、爆発と共に舞い上がる火柱が、巻き込んだ巨大蟻を焼いていく。

 

女王蟻《……!!》

美波「っ…!」

 

ゲッターキリクめがけて放たれた酸を回避。

 

美波「ドリル…!パンチッ!!」

 

ドリルアームに変化させた腕を、ジェットの噴射に乗せて女王蟻に放つ。が、

 

美波「やっぱり弾かれる…!」

かな子「ドリルで貫けないとなると…。カーンのパワーで圧倒するか、アークで突破するか…」

莉嘉「なら、アタシにやらせてよ!!」

美波「莉嘉ちゃん…?」

莉嘉「號も仲間を連れて、ここまで戻ってきたんだ。アタシだって、やれることやらなきゃ!」

かな子「ふふふっ。随分やる気になってるみたいですね」

美波「それじゃあ、莉嘉ちゃんに任せるよ。──オープンゲット!」

號 「むっ!?」

渓 「この空間で合体するつもり!?」

剴 「迷いなくその判断を下せるとは…。兎も角、合体までの間、邪魔させるわけにはいかないぞ!」

號 「なら、どうする!?」

剴 「ゲッターストリングだ、渓!」

渓 「ゲッターストリング…。了解!」

 

ゲッター2号の腕から、細いワイヤーが放たれる。

 

剴 「號!奴等を囲むように動け!」

號 「あン?」

剴 「早くッ!!」

號 「…あいよ!」

 

ゲッター2号はやや後退。そこからグルっと水平に回り、射出したワイヤーで、巨大蟻を囲うように移動していく。

 

剴 「ここで……こうだ!」

 

ゲッター2号の腕を引き、ゲッターストリングのワイヤーを以て、巨大昆虫を締め上げる。

 

剴 「今だ、プラズマショックを!」

渓 「え?う、うんっ!」

 

操縦桿のトリガーを引き、ゲッターストリングに超高圧のプラズマエネルギーを注ぐ。流されたプラズマによって、縛り上げられた巨大蟻達を焼き尽くす。

 

剴 「よし、今だ!」

莉嘉「援護ありがと☆美波、かな子!」

美波「えぇ!」

かな子「はいっ!」

 

莉嘉「チェーンジゲッターアーック!!」

 

巨大昆虫の巣窟に、ゲッターアークが立つ。

 

渓 「本当にゲッターを合体させた…!」

剴 「流石の練度だな。俺達の目指すべき姿とも言えるだろう」

渓 「あたし達も?あんな風に…」

號 「違うな。あいつ等を越えるくらいになるんだ…!」

渓 「あの合体を越える…!?それは流石に…」

剴 「無理じゃないさ。彼女達だって、ぶっつけ本番で、いきなり出来た訳じゃないだろう」

渓 「……」

 

莉嘉「さぁ、一気にケリを着けるよ!ゲッタートマホークッ!!」

美波「え!?」

莉嘉「うぉおおおおおッ!!」

美波「ゲッターキリクのドリルでも貫けなかった相手に、トマホークじゃ…」

かな子「いえ、いけるかもしれませんよ。今の莉嘉ちゃんなら」

莉嘉「やぁあああああ~ッ!!」

 

トマホークを掲げ、女王蟻に迫るゲッターアーク。そのトマホークの刀身が、ゲッター線の輝きを纏う。

 

莉嘉「うぅりゃぁあああ~~~ッ!!」

 

女王蟻に肉薄した、刹那の間にゲッターエネルギーを纏ったトマホークは縦横無尽に振り回し、女王蟻を切り刻んだ。

 

莉嘉「トマホォォーク!ハリケェェエーーンッ!!」

 

女王蟻を切り裂きながら、ゲッターエネルギーが竜巻のように弾け、女王蟻を粉微塵に吹き飛ばした。

 

かな子「やった…!」

美波「トマホークハリケーン?」

莉嘉「うん。前にも似たようなこと出来たから、名前着けてみたの。カッコいいでしょ?」

美波「う、うん…」

美波(似たようなことが出来た…?莉嘉ちゃんが、よりゲッターとの親和性を高めてるってことなの?)

莉嘉「って言っても、何時でも出来る訳じゃないけど。何て言うか、やれる!って思った時に出来る……みたいな?」

かな子「けど、これで女王格は倒せました。後は…」

莉嘉「雑魚を殲滅させるだけ!そっちもいけるよね?號!」

號 「当ったり前ぇよ!剴、渓気張れよ!」

渓 「やれなくても、やんなきゃいけないんでしょーが!」

剴 「これが出来なければ、黒平安京の攻略はない!やってやるさ!!」

美波「辛くなったら、私でもかな子ちゃんでも代わるから、無理はしないで!」

莉嘉「うんっ☆それじゃあこのまま一気に、行けぇーーーッ!!」

 

つづく 

 




予告

遂に3人、チームとなったゲッター號チーム。リーダーを任命された剴は、1日も早くチームを一人前のモノと完成させようと、逸る。
そんな中、戦いの新たな展開を予測したリンは、莉嘉達を連れ、ある人物が囚われた場所へと向かっていた。
號達3人に、はじめての危機が訪れるとも知らずに──。

次回、『集う者達』
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