ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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今更ですが、敵キャラでない味方キャラが『』の時は通信を使って話しています。戦闘中は勿論通信で話し合ってますが同じ戦闘区域にいる時は「」、離れている時は『』です。ホント今更ですが。
それでは第一部最終回、はじまりはじまり~


第9話『最終決戦!!恐竜帝国の落日!』

~~~ 早乙女研究所 ~~~

 

閑静だった早乙女研究所内の廊下を、2台の担架が慌ただしく駆け抜ける。

 

卯月「……」

凛「……」

 

未央「しまむー、しぶりんっ!!」

瑞樹「落ち着いて、未央ちゃん!ここは医療班の人達に任せましょう」

晶葉「とは言ったものの…、この研究室にある設備では…。まず血液だけで足りるかどうか…」

未央「そんなこと言わないで、二人を助けてよ!天才なんでしょ!?」

晶葉「人体は専門外なんだ!私にはどうしようもない…っ!」

未央「どうしようもないって…!しまむー達は、命を懸けて戦って、こんなことになって…。晶葉はどうしようもないって!」

瑞樹「そこまでよ。晶葉ちゃんに当たっても仕方ないでしょう?」

未央「……」

菜々「あの、血液って卯月ちゃんと凛ちゃんの二人分ですよね?二人の血液型は…」

瑞樹「卯月ちゃんはO、凛ちゃんはB型ね」

みく「それならみくの血を使って!みくは卯月ちゃんと同じO型だから…」

菜々「それなら、ナナもB型です!」

晶葉「……それが最善か…。すぐに準備に取りかかる。こっちに付いて来てくれ」

菜々「はいっ」

みく「分かったよ」

美波「あの…、私達も…!」

アーニャ「何か…お手伝い、出来ることは…!」

瑞樹「貴女達は自分の傷の手当てに専念しなさい」

アーニャ「でも…っ!」

瑞樹「貴女達だって、軽傷って訳じゃないでしょ?きちんと手当てを受けて、これからに備えること。それが今の貴女達に一番重要なことよ」

美波「……。分かりました…」

所員「医務室は島村さんと渋谷さんの手術で使用中ですから、新田さんとアナスタシアさん、二人の手当ては談話室の方で。お願いします」

美波&アーニャ「「はい……」」

瑞樹「未央ちゃん、貴女も。二人の事が気になるのは分かるけど、今は体を休めなさい」

未央「瑞樹さん……」

 

未央(しまむー……しぶりん……。…私は━━)

 

卯月「……」

凛「……」

 

~~~ 早乙女研究所 会議室 ~~~

 

所員「これが、今から一時間程前に、千葉の都心部に出現した恐竜帝国のマシーンランドです」

早乙女「ふむ…。これまでのものよりも遥かに大きいな」

晶葉「直径は10km以上。都市一つを丸々飲み込んでます」

早乙女「恐竜帝国の本拠地と見て間違いはなさそうじゃな」

所員「はい。問題はそれだけでなく、マシーンランド内から大気組成を変化させる硫黄などの大気ガスが辺り一帯に散布されています」

晶葉「窒素52%、酸素8%、アルゴン1.4%…解析不能の5.2%も含めて、空気中の二酸化炭素の量も増え続けている」

早乙女「連中め……。大気の状態を白亜紀のものにするつもりか」

晶葉「そうすれば、地上は爬虫人類にとって住みやすい環境になるでしょうが、我々人類にとっては……」

早乙女「…政府の対応は?」

所員「依然、沈黙を続けています」

早乙女「ゲッターを当てにしているつもりか……。端から頼りには出来ん、か」

所員「ここで我々が何も出来なければ、戦術兵器の使用も考えられるでしょうか?」

晶葉「充分にあり得る話だな。日本政府が決断しなくても、より上の組織が、強行するかもしれない」

早乙女「もしそうなれば、例えマシーンランドを何とか出来たとしてもこの国は終わりじゃ」

晶葉「とんでもない過ちが強行される前に、私達で何とかしなくてはならない。問題は…」

早乙女「ゲッターの整備の状況はどうなっておる?」

整備主任「はい。ゲッターのダメージはかなり深刻です。作業員を総動員して、ゲッター1機の整備に集中したとしても、完璧に仕上げるには翌朝まで掛かります」

早乙女「我々にそんな猶予は残されてはおらん。完全でなくても、何とか今日中に仕上げるんじゃ」

主任「出来る限りの事は、やってみます」

晶葉「問題は、パイロットの方、だな」

早乙女「……」

医者「安部さん達の協力のお陰で、ここにある設備だけで、何とか手術は成功しました。ですが、渋谷凛・島村卯月両名ともの精密検査を出来ていません。ですから、外的な負傷は勿論、神経…精神、どこまでダメージを受けているかは、目が覚めてからでないと判断できかねます」

晶葉「外傷の具合は?」

医者「両者とも、全治1ヶ月以上は掛かります。医者の立場としては、直ぐに出動、というのは……」

晶葉「卯月と凛は勿論、二人に血液を提供してくれたみくと菜々も、出撃させるわけには行かないな。美波とアーニャに関しては、無理をすれば出撃させられないこともないが……」

早乙女「現状、満足な状態で動けるのは未央くんと瑞樹くんだけか……」

晶葉「二人を同じゲッターに乗せたとしても、ゲッターを最大限発揮する事は出来ない。その状態では、勝算もありません」

早乙女「ぬぅ……」

 

~~~ 格納庫 ゲッターロボ整備ドック ~~~

 

未央「……」

瑞樹「まだ、こんなところにいたのね」

未央「……瑞樹さん」

瑞樹「駄目じゃない。キチンと体を休めてないと。卯月ちゃんと凛ちゃんが動けないのに、貴女にも何かあったら、大変よ?」

未央「ホント、…どうして私なんだろう」

瑞樹「……未央ちゃん?」

未央「私が一人残ってたって…、何が出来るわけじゃないんだ。それなら、しまむーかしぶりんが無事だった方が……」

瑞樹「それ、本気で言ってるの?だとしたら、お姉さん怒るわよ」

未央「だってさ、私じゃ何にも…出来ないんだよ」

瑞樹「未央ちゃん…っ!」

未央「本当ならさ、卯月達の仇討ちだー、って、一人ででもゲッターに乗って出撃して、戦えたらいいんだよ。でも、それが出来ない…━━」

 

未央「━━…怖い……」

 

瑞樹「……」

未央「卯月達を傷付けた恐竜帝国が怖い、あんな数で襲い掛かってくるメカザウルスが怖い、ゲッターに乗って戦うのが怖い……」

 

未央「死ぬのが、怖いよ……」

 

瑞樹「未央ちゃん…」

未央「だから、このままここにいて、何もしなかったら…死ななくていいのかな、って。痛い思いをしなくていいのかな、って。一人でずっと考えて、そんな自分が嫌で嫌で嫌で……」

未央「とんだ卑怯者だよね?リーダーだ何だって言って、卯月達に頼ってばかりで、一人になったら…こんな……。ただの臆病者だよ……」

瑞樹「……」

 

震える未央の体を、そっと抱き寄せる。

 

未央「瑞樹さん……?」

瑞樹「そんなの、当たり前の事じゃない」

未央「当たり前の…事……?」

瑞樹「そう。私の手、握ってみて?……分かる?」

未央「……震えてる」

瑞樹「えぇ、私も怖いのよ。未央ちゃんと同じ事を、同じように」

瑞樹「こればっかりは、きっとどれだけ年を取っても一緒よ。人は誰でも、死ぬのは怖いし、傷付くのが怖い。…一人ならね」

未央「一人なら……」

瑞樹「仲間がいるから、分かち合える友達がいるから、どんな困難にだって挑戦できる。そうでしょ?」

未央「…うん……」

瑞樹「だから、怖かったら頼ってのいいのよ。泣いてもいいの。私は貴女に、勇気をあげられる友達ではないかもしれないけど、痛みを分かち合える、仲間なんだから」

瑞樹「私と貴女で、今出来ることを考えましょ?それは単純に、戦うって事だけじゃないから。戦うのが嫌なら、卯月ちゃん達が目を覚ますの信じて待ってあげれば良い」

未央「瑞樹さん……!ありがとう……っ」

瑞樹「良いのよ、このくらい。…涙を見せない、何て言うのはね?もう少し大人の女がすることなんだから」

 

━━━━━。

 

晶葉「未央、瑞樹。ここにいたか。……ん?」

瑞樹「あら、晶葉ちゃん。どうかしたの?」

晶葉「いや、あぁ。卯月が目を覚ましたぞ」

未央「!しまむーが!?」

晶葉「あぁ。驚異的な回復力だな。今医者が軽い問診などを行っている」

未央「分かった!ありがとう!」

晶葉「あぁ、って、速いな……」

瑞樹「仕方ないじゃない?あの子にとって、大切な友達なんだもの」

晶葉「……それもそうか」

 

~~~ 医務室 ~~~

 

未央「しまむー!」

卯月「━━…あ……」

医者「ほ、本田さん……!」

未央「良かった……良かったぁ……!体は大丈夫?どこか痛いところはない?お腹減ってる?何か足りないものはない?スリランカの首都は言える?」

医者「本田さん、落ち着いて下さい……」

未央「しまむーは怪我人なんだから、ゆっくり休んでいいんだよ?そだ、スタドリ持ってくる━━!」

卯月「…あ、あのぉ~……」

未央「ん、何?どうかした?」

 

卯月「━━その…どちら様、ですか?」

 

未央「……え?」

 

~~~ 所長室 ~~~

 

早乙女「記憶喪失?」

医者「はい。恐らく、脳に強い衝撃を受けたことが原因と思われます。言語機能などに問題はみられませんが、気付いた時には自分が誰かも分からない状態でした」

早乙女「治るのか?」

医者「ショック性の記憶障害の為、一時的なものかと思われますが、何時記憶が戻るのか、などは……」

早乙女「ここに来て、このような障害が生じるとはな…」

医者「……。それに加えて、もう一つ、博士に報告しなければならないことがあるのですが……」

早乙女「何じゃ?」

医者「はい。島村さんは、ゲッターに関する記憶を拒絶している可能性があります」

早乙女「何じゃと?」

医者「私や、途中で訪れた本田未央とのやり取りの中で、ゲッターに関する話題が出た際に、一種のパニック障害と似たような状態に陥りまして…。ともかく、強い拒絶反応を本人が示していまして。リハビリの段階で、ゲッターに触れさせるのは危険かと」

早乙女「……本人は、今どうしておる?」

医者「はい。医務室で、今は本田さんが付き添って話し相手になっていますが……」

早乙女「……」

 

~~~ 医務室 ~~~

 

卯月「へぇ~、そうなんですか?私、アイドルだったんですねっ。アイドル……アイドル!何だかその響き、頭の中でびびっと来ます!」

未央「それは良かった。顔の傷も浅いみたいだし、これならアイドル復帰も大丈夫そうだね!」

卯月「うわぁ!私、アイドルやれるんですか?楽しみですっ!」

美波「えぇ。それはもう、飛びっきり売れっ子のアイドルだったんだから!」

アーニャ「Да。Наиболее…事務所一番のトップアイドルです」

卯月「そんな……。そうだとしたら、ファンの方々をガッカリさせないように、頑張らないと行けませんね……」

未央「大丈夫だよ!しまむーは努力家だったんだから!コツさえ思い出せれば、直ぐに上達間違いなしだって!私も手伝うし!」

卯月「ホントですか?それじゃあ、その時は、よろしくお願いしますね?本田さん!」

未央「……お、おう!この未央ちゃんにお任せあれ!」

卯月「……それにしても、どうしてアイドルがゲッターロボのパイロット何かに……━━」

アーニャ「!」

卯月「ゲッター……?」

未央「しまむー?……しっかり!」

卯月「う、あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ……!!?」

美波「卯月ちゃん!?ゲッターの事は考えちゃダメ!卯月ちゃん!」

卯月「う゛うあ゛あ……ゲッター……ゲッター……!あ゛あぁぁぁぁあああっ……!分からない!分からないよぉ!!」

未央「しまむー落ち着いて!」

アーニャ「Успокойтесь,пожалуйста!ウヅキ!!」

卯月「思い出さなくちゃいけない大切なモノが…、頭の片隅にあるものが出てこない……!」

未央「もういいよ!卯月ぃ!!」

卯月「どうして……どうして!ゲッターを思い出そうとすると、体はこうして震えるのに!どうして何も出てこないの!?」

 

みく「な、何の騒ぎなの!?」

菜々「これは……卯月ちゃん……!?」

瑞樹「待ってなさい!今医者を連れてくるから!」

 

卯月「うぅ……。一体何が……何が私の頭の中に……こびりついて離れない……っ!」

 

~~~ 医務室 外 ~~~

 

菜々「未央ちゃん……」

未央「な、菜々さん……。しまむーは……」

瑞樹「今、鎮静剤を打って落ち着いたところよ」

未央「……そうですか……」

みく「第一、今ここに居るのが良くないよ。早くちゃんとした病院に……」

未央「……」

菜々「みくちゃんっ!」

みく「うっ…!みくは、別に変なつもりで言ったんじゃ……。ただ、ここに居てもゲッターを思い出しちゃうんじゃないかって……」

未央「…大丈夫。分かってるって。みくにゃんがしまむーの事思って言ってくれてるって事くらい……」

みく「……」

未央「ただ、しまむーがゲッターと一緒に私達の事も忘れちゃったのって、やっぱり辛かったのかな、ってさ……」

菜々「そんな事は……!」

瑞樹「…未央ちゃん、あまり悪い方に考えるものじゃないわ。ネガティブな感情は別のネガティブも招いてくる。卯月ちゃんの事、ショックなのは分かるけど、貴女が貴女自身を責めたところで、卯月ちゃんの記憶は戻るものじゃないでしょう?」

未央「……」

瑞樹「今日は部屋に戻って休みなさい。貴女が眠って、目覚める頃には凛ちゃんも目を覚ますわ。そしたら、二人でしっかり、卯月ちゃんに寄り添ってあげればいいのよ」

未央「……。うん。そうする……」

 

おぼつかない足取りで、医務室を後にする未央。

 

菜々「……心配ですね、未央ちゃん……」

みく「にゃぁ……」

 

未央(今の私に…出来る、事……━━)

 

~~~ マシーンランド 指令室 ~~~

 

ゴール「状況はどうなっておる?」

ガレリィ「はっ。この辺り一帯の大気の置換は9割以上完了しております」

ゴール「早乙女研究所は?」

ガレリィ「主だった動きはみられておりません。奴等のゲッターも、無敵戦艦ダイとの戦闘でだいぶ損傷を受けた様子。そう易々とは動けますまい」

ガレリィ「その点に関しては、バット将軍も良い働きをした、と言うところでしょうな」

ゴール「うむ。しかし我らが宿敵ゲッターロボ。その痕跡を残しておくことは、後に至って憂いとなる。奴等を完膚なきまでに破壊し尽くすのだ!!」

ガレリィ「御意。直ぐにメカザウルス部隊を送りましょう。ゲッター亡き早乙女研究所など恐るるに足らず!」

ゴール「ゲッターに勝利し、我ら恐竜帝国に永遠の平和をもたらすのだぁ!!」

 

~~~ 早乙女研究所 ~~~

 

━━━━━ゲッターチーム自室。

 

未央「━━ふぅ…。…しまむーもしぶりんもいないと、部屋が広いね……」

未央(しまむー…しぶりん……)

 

ウゥゥゥゥゥンッ ウゥゥゥゥゥンッ

 

けたたましいサイレンと研究所全体を包む震動。

 

未央「な、何……!?」

 

所員『メカザウルス出現!繰り返す、メカザウルス出現!非戦闘員以外の所員は、速やかにシェルターに避難して下さい』

 

未央「…アイツら……。ゲッターにトドメを刺しに来たのか……!」

 

~~~ 格納庫 ~~~

 

みく「ほ、本当に一人で出撃するつもりにゃ!?」

瑞樹「えぇ。満足に動けるのは、私だけだもの。当然でしょ?」

菜々「だからって、無茶です!操縦桿握っているだけでも、ナナ達が……」

瑞樹「卯月ちゃん達に血を分けたんでしょう?だったら大人しく研究所で休んでなさい」

みく「大人しく出来るわけないよ!」

瑞樹「コックピットで気絶されるよりマシよ。分かるわね?」

みく「うにゅ~…」

 

━━タッタッ

 

未央「瑞樹さん……!」

 

瑞樹「未央ちゃん……。何しに来たの?ゲッターはまだ整備中よ」

未央「私も行く」

瑞樹「駄目に決まってるでしょう?」

未央「でも……!」

瑞樹「貴女にもしもの事があったら、誰がゲッターを動かすの?ゲッターが、私達人類に残された最後の希望なのよ?」

未央「それは…そうだけど……」

瑞樹「いい?今は大人に格好つけさせなさい?貴女が動くのは、そのあと」

瑞樹「ステージは暖めておくから、ゲッターが復活したら、バッチリ決めなさい!」

未央「っ……!私、は……!」

瑞樹「みく、プロトイーグル号借りるわよ!」

みく「分かった……。でもきっと、ううん、必ず生きて帰ってくるにゃ!」

瑞樹「当たり前じゃない!」

 

━━━━━。

 

主任『川島さん、ゲッターの整備に手一杯で、プロトゲッターは万全な整備が出来てねぇエネルギーゲインのリミットラインには注意してくれ』

瑞樹「分かったわ。…研究所もみんなも守らなくちゃいけないとはいえ、無茶はできないって事ね」

主任『そう言うこった。こっちが不甲斐ねぇばっかり…、すまねぇ!』

瑞樹「気にしないで。お互い、出来ることに全力で向かいましょう。━━プロトゲッターロボ、出るわよ!」

 

研究所のハッチが開いて、白亜のマントをはためかせたプロトゲッター1が飛翔する。

 

瑞樹「1、2、3…。大した数ね……。でもっ━━!」

 

ゲッターウィングの内側、背中へと手を伸ばしてミサイルマシンガンを取り出す。

 

瑞樹「こっちに負けるつもりなんてないわよ…っ!ゲッターミサイルマシンガンッ!!」

 

ボゥボゥボゥッ!

 

銃口から放たれたミサイル弾が、夜の森に赤の火線を描く。

 

瑞樹「ゲッタートマホーク!」

 

ミサイルマシンガンを左手で担って腰に据えて構え、右手でトマホークを抜き打ち、肉薄したメカザウルスを横一閃、両断する。

 

メカザウルス『キシャァァァッ!』

瑞樹「くぅっ…!死角から!?」

 

「危ない!」

 

バラララララ!!

 

メカザウルス『グギャア!?』

 

木の影からプロトゲッター1を狙ったメカザウルスを後方から飛来した火線が弾いて怯ませる。

 

瑞樹「今ねっ!」

 

銃撃で怯んだメカザウルスをトマホークで真っ二つ。

 

晶葉「ふははは…っ!どうだ?とっておきの劣化ゲッター線弾の威力は!」

瑞樹「晶葉ちゃん!」

晶葉「何とか間に合ったようだな。援護する」

瑞樹「援護って、そのビィトで?」

晶葉「ビィトだと侮ってもらっては困るな。この私が改造に改造を重ねて完成させたその名も『BT‐23池袋カスタムSP・TYPE‐28EX』だ!」

瑞樹「心強いわ!少しでも戦力が必要なんだもの。これでもう百人力よ!」

晶葉「あぁ!私達で人類の希望を守る、素晴らしい題目じゃないか!」

 

~~~ 格納庫 ~~~

 

みく「あ、あのビィトは他にもないの!?」

主任「他に、ったってなぁ……。ありゃぁ晶葉ちゃんが個人的に手を加えてた奴だから、他には作業用のビィトしかねぇぜ?」

菜々「それでも構いません!ナナ達もここで燻っているわけには……!」

主任「馬鹿言っちゃいけねぇ!作業用で武器もろくについちゃいないんだぜ?それに、そもそもお前さん達は出撃しちゃ駄目だってさっき言われたばっかだろ!」

みく「うぅ~~!」

 

未央「戦ってる…。みんな。戦ってるんだ…!……私だって━━!」

未央「っ!」タタッ

 

菜々「…未央ちゃん?」

 

未央「私に…!今、出来る事!それは━━!」

 

~~~ 医務室 ~~~

 

卯月「……あ、本田さん」

未央「やっほ。どう?少しは落ち着いた?」

卯月「…はい、何とか……。その格好、出撃なさるんですか?」

未央「うん。敵が来てるからね」

卯月「そう、なんですか。気を付けて下さいね?」

未央「あんがとね。それと…」

 

凛「……」

 

未央「しぶりんは、まだ起きない、か」

卯月「はい。私はずっとここに居ますけど、それらしい兆候はない…ですね」

未央「そっか。ま、その方が丁度いいかな?」

 

ギュッ

 

卯月「?…本田さん?」

 

眠ったままの凛の手をそっと握る。

 

未央「しぶりん。しまむーをお願い。それと、勝手だけど、私に勇気を頂戴」

 

……。

 

未央「━━よし、っと。これでOK!それじゃ、迷惑かけたね」

卯月「本田さん!」

未央「……ん?」

卯月「あの、…死なないで、下さいね?━━絶対」

未央「……。うん…分かった!」

 

タッタッタッ……

 

卯月「本田さん……」

凛「……んぁ━━」

 

凛「未央……?」

 

~~~ 格納庫 ~~~

 

主任「古田ァ!2番と3番のケーブルはどうなってやがる!?」

古田「は、はいぃ!確認してくるッス!」

主任「ったく……!ゲッターの整備も終わってねぇって時に…メカザウルスなんかも来やがって……。━━ん!?」

主任「ゲッターに火が入りやがった…?まさか━━!」

 

整備のためにあちこちに繋げられたケーブルやパイプ管を引き千切りながら、ゲッター1が動き出す。

 

古田「うわっ!」

主任「ゲッターが動く!?やめろ!そいつはまだ動ける状態じゃねぇんだぞっ!?」

 

未央『そんなこと言っても、ここまでしっかり動く、流石の整備だよ、主任!』

 

主任「未央ッ‼お前、自分が何してるか分かってンのか!?ゲッターまだ完全じゃない!」

未央『だとしても、ここでじっとして、ただやられるのを待ってるだけなんて、ゲッターだって望んでないよ!』

主任「だからって、お前が急いだってなんにもなんねぇだろうが!いいからとっととゲッターから降りろ‼」

未央『ほら、早くそこどいて!ゲッターに踏み潰されちゃうよ!』

主任『未央‼』

未央『もう自分の目の前で、大切な仲間が傷付いて、それを黙って見てるだけなんて嫌なんだよ!こんなの、アイドルの私達がすることじゃない!』

主任「み、未央…お前ぇ……!」

未央『だからこんな戦いは早く終わらせるんだ!もう誰も悲しまないように、私の友達が、これ以上苦しまないようにする!そのために、私は行くって決めたんだ‼』

 

ゲッターウィングがはためく。

 

古田「た、大将…。どうするっスか?」

主任「……えぇい!これ以上格納庫を破壊されても面倒だ!ゲッターを出撃させろ!!」

古田「り、了解ッス!!」

 

未央(しまむー、しぶりん…みんな。私、ほんとは小心者だけど…だけどみんな、一生懸命頑張ってるんだもん!)

未央『私だって、今私に出来る事。精一杯やってみるよ!』

未央『だから、力を貸して…!行くよ、ゲッターロボ!!』

 

未央「ゲッターウィング!」

 

赤のマントを翻し、ゲッターは夜の空へと舞い上がる。

 

晶葉「あれは……!」

瑞樹「何!?ゲッターが出撃した?!━━…ッ!」

 

視線を反らした隙に肉薄したメカザウルスを、間一髪で斬り伏せる。

 

晶葉「何故だ!?どうしてゲッターを出撃させた!主任‼」

主任『すまねぇ‼けど、未央ちゃんは格納庫をぶっ壊してでも出撃するつもりだった。そんな事されるぐれぇなら、素直に出してやった方がいい』

晶葉「何だと…!」

未央「瑞樹さん、アキっち!」

晶葉「未央!研究所に戻れ!そんなゲッターじゃ、メカザウルスの相手だって出来はしない!」

未央「そんなの、やってみなくちゃ分からない!」

晶葉「分かりきっている!私だって、ゲッターの性能は把握しているんだぞ!」

未央「アキっち、戦いは1割の技術と、9割の気合いと根性だって!」

晶葉「バカなことを言うな!感情論で勝てるなら、恐竜帝国などとっくに滅ぼしている!」

未央「あっははっ、そうかもね」

晶葉「第一、3人乗りのゲッターにたった一人で…。まともな能力も発揮できないぞ!」

未央「一人じゃないよ!しまむー達は乗ってないかもしれないけど、二人の想いを乗せれば何時だって100万パワーだよ!」

晶葉「何を言ってる!?無茶苦茶だ!」

瑞樹「行きなさい!未央ちゃん‼」

晶葉「瑞樹!?何を言っている?!」

未央「うん!友達のため、仲間のために、私はやるよッ!」

瑞樹「そう。なら、貴女がしたいことを成しなさい。ここは、私達が守るから!」

未央「お願い!━━オープンゲット!」

 

ゲッター1が分離して、研究所を離れる。

 

晶葉「あっちの方角は、マシーンランドの…?瑞樹!何故行かせる!?」

瑞樹「見たでしょう?あの子の覚悟を」

晶葉「覚悟で状況は変わらん!勝算があるのか!?」

瑞樹「止めたって止まらないわよ。なら、行かせてあげましょう」

晶葉「っ!どうしようもないのか……」

瑞樹「私達も話している暇はないわ!次が来るわよ!」

晶葉「…了解!」

 

~~~ 千葉県 市街地 ~~~

 

ガレリィ『フッホッホッホッ……!ゲッターがいなければこうも容易いとは』

ゴール『興醒めだな。早急に地上の完全支配を進めなければ』

 

未央「調子に乗ってられるのもそこまでだよ!!」

 

ゴール『むっ…!』

ガレリィ『ゲッター…!?しかし、あの損傷では、まともに動けるはずがありません!!』

未央「この街で…これ以上の無法は!私と、ゲッターが許さない!!」

ゴール『ふっ!今さらゲッターが現れたところでどうにもならんわぁ!!』

ガレリィ『手負いでノコノコ出てきたことを後悔するが良い!』

ゴール『行けィ!メカザウルス軍団よ!今こそ憎きゲッターロボに引導を渡すのだ!!』

 

メカザウルス『ギャオォォォオオッ!!』

 

未央「来たな…っ!いけ!各機ミサイル一斉発射!!」

 

先頭を切って突出したメカザウルス・バドをゲットマシン3機のミサイル一斉攻撃で墜とす。

 

未央「よし!分離状態でも、無線でコントロール出来る!…あとは私の腕次第、だね!。━━行くよ!!」

 

メカザウルスの弾幕を掻い潜りながら、上空で編隊を組む。

 

未央「チェンジ!ゲッターァァ!スリィーーッ!!」

 

上空から、地上にいたメカザウルスを押し潰して、ゲッター3が降り立つ。

 

未央「さぁ…どっからでも掛かってきなよ!トカゲどもッ!!」

 

~~~ 早乙女研究所 管制室 ~~~

 

未央『うぉおぉぉぉっ!!』

 

アーニャ「…ミオ……」

みく「うぅ……!外の敵は!?まだ掃討終わらないの!?」

所員「は、はい……!断続的にメカザウルスが現れているようで……」

美波「本隊にあれだけの戦力を残しておきながら……こっちにもこれだけ戦力を送れるなんて……!」

菜々「底が知れないと思ってましたけど……。ここまで圧倒的な差では研究所も、未央ちゃんも!」

 

凛「……どういう、事……?」

 

みく「凛ちゃん……!」

アーニャ「傷の具合は……。まだ起きては、ダメです……!」

凛「私の事はいいよ。それよりも、どうして未央が一人で出撃してるのさ!?」

菜々「未央ちゃんから、言い出したんです……。恐竜帝国決着を着けるって」

 

未央『うわあぁぁ!?』

 

スクリーンの向こうで、ゲッター3が敵の猛攻を受けて大きく仰け反る。

 

凛「だからって、どうして一人で行かせたの!?」

美波「それは…、気付いたら未央ちゃんがもうゲッターに乗り込んでて……」

菜々「ナナ達には、どうすることも出来ませんでした…っ」

凛「何で……っ!」

アーニャ「リン…!」

凛「っ……!」

 

未央『━━…あ。えへへ……。これ、研究所に映ってんの?もしかして』 ピースピース

 

凛「っ!未央!」

未央『おっ、し~ぶり~ん!気が付いたんだ!良かったぁ…』

凛「今すぐ研究所に戻って!私も一緒に戦う!」

未央『あ~……、今ここでそう言われても、ねぇ……?』

凛「未央!!」

未央『まぁまぁ。心配しないで、そこで見てなさい、って!』

 

未央『パワー…!アァァーム!!』

 

ゲッター3の伸びた両腕がメカザウルスを捕らえる。

 

未央『これが未央ちゃん必殺のぉ…!大雪山っ!おぉろしぃぃぃぃぃいいッ!!』

 

周囲に展開したメカザウルスを巻き込むほどの凄まじい竜巻を起こし、多くのメカザウルスを吹き飛ばす。

 

美波「すごい……」

未央『一人で出てきたからには、いつもより上手くやってみせるから……━━うおっ!?』

 

放たれた2本のミサイルが直撃し、ゲッター3が土煙の中に消える。

 

凛「未央っ!?」

みく「待って、様子が変だよ……」

凛「……?煙幕が、晴れて……。ゲッターが……」

菜々「いない?」

 

未央『ゲッタードリルッ!!』

メカザウルス『ギャオ!?』

 

アスファルトの地面から突き出したドリルが、その場にいたメカザウルスを粉砕しながら地中に姿を現す。

 

アーニャ「ゲッター2!?」

凛「何時の間に変形したの……?」

未央『しぶりん、しまむーの事は……』

凛「……うん、分かってる。記憶喪失、何だよね?」

未央『そ。だからしぶりんは、しまむーの傍に居てあげて?お願い』

凛「そんな…、そんな遺言みたいなお願い…、聞けないよ!」

未央『そんなこと言わずに、さぁ?その代わりに、私もしぶりんと、しまむーの想いを借りて戦ってみせるから』

凛「嫌!そこから生きて、帰ってきてくれる、って。約束するまでは絶対に嫌!」

未央『あはは……。相変わらず強情だなぁー、しぶりんは。あ、でもその分愛されてると思えば、それでも良いか、っとぉ!?』

 

未央『うわぁぁぁぁぁああ!!?』

 

凛「未央ぉ!!」

 

~~~ 市街地 ~~~

 

一体のメカザウルスが、ゲッター2を羽交い締めにし、ビルへと押し倒す。

 

未央「ぐっ……!こんのぉ……!!」

未央「ドリルミサイィールッ!!」

 

メカザウルス『ギョワァ!!』

 

ドリルミサイルで吹き飛ばしながら破壊。

 

未央「ドリルハリケーン!」

 

メカザウルス's『クシャァァア!?』

 

メカザウルス・ウル『ガァオッ!!』

 

未央「っ…!コイツ……!?」

 

狼のような姿のメカザウルスに飛び掛かられ、押し倒される。

 

ウル『グルァァア!!』

未央「う…あ゛ぁぁぁぁああっ!!」

 

ウルの牙がゲッター2の右肩に食い込み、衝撃が未央のコックピット全体に響く。

 

凛『未央!撤退して!!未央━━!』

未央「それは出来ない……相談だぁ!!」

ウル『ガァッ!!』

未央「オープンゲット!」

 

間一髪、ゲッターを分離し、難を逃れる。

 

 

未央「行くよ……!しぶりん、しまむー……!!力を貸して……」

未央「チェェェエエンジ、ゲッタァァァーー!!ワァンッッ!!」

 

未央「ゲッタービィィームッ!!」

ウル『ギャアッ!?』

未央「うぅ…っ、えぇい!!」

 

ウルを貫いた閃光を、横に払ってさらに複数のメカザウルスを巻き込んで葬り去る。

 

未央「ゲッタートマホォォークッ!!」

 

肩からトマホークを抜き打ち、メカザウルスの群れに果敢に飛び込む。

 

未央「━━えりゃぁあ!!」

 

━━━━━。

 

ゴール『ぬぅ……。ゲッターロボめ……これだけのメカザウルスを前に互角に戦うとは……』

ガレリィ『まさに窮鼠猫を噛むと言う奴ですな。ゴール様、ここはこのガレリィめにお任せを』

ゴール『何、貴様が?』

ガレリィ『はい。既に私の最高傑作となります、新種のメカザウルスの用意が出来ております』

ゴール『フッ、面白い。やってみせよ!』

ガレリィ『はっ!直ちに』

 

━━━━━。

 

未央「……!このっ……!!」

メカザウルス『ギャアッ!』

未央「ったく、次から次へと……。恐竜じゃなくて昆虫の間違いじゃないかね……」

メカザウルス『キシャァァァ!!』

未央「━━っ!」

 

トマホークが線を描き、メカザウルスを断つ。そのゲッター1の背後で、ビルが突然瓦解した。

 

未央「何!?……っ!」

 

崩壊したビルの土煙の中から伸びた透明な触手に、両手両足を拘束される。

 

未央「こ、これって……!動かない……っ!?」

 

『フッホッホッホッ……!ゲッターロボよ。私の開発したメカザウルスを相手に、よくも戦い抜いたと誉めてやろう』

未央「別にアンタに誉められても嬉しくないって!…って言うか誰!?」

ガレリィ『フホホホ……。この恐竜帝国一の科学者、ガレリィを前にしても臆せぬか』

未央「ガレリィだかガリレオだか知らないけど、知らない奴に怯えたりするもんか……!」

ガレリィ『だが、ここから先はこの私と、このメカザウルス・ゲラが相手だ。貴様の好きにはさせん!』

未央「へんっ!追い詰められてるのはそっちじゃんか!いいよ。ゲッターの力、その身にたっぷり思い知らせてやる!」

未央「ゲッタービーム!」

 

ゲッター1が放ったゲッタービームは、メカザウルス・ゲラに直撃する。しかし、

 

ガレリィ『ハン!そんなもの効かぬわぁ!』

 

ビームはゲラの中に消え、ゲラの体を大きく成長させる。

 

未央「嘘ぉ!?ゲッタービームを吸収したって言うの!?」

ガレリィ『フホホホ!このゲラこそ究極の対ゲッター用メカザウルスなのだ!』

未央「っ!ゲッタートマホーク・ブゥーーメラン!!」

ガレリィ『無駄と言うに!』

 

ゲッター1が投擲したトマホークも、ゲラの体内に入って消える。

 

未央「…っ!ビームみたいな光学兵器はダメ、トマホークの物理攻撃もダメ…。一体どうしたら……!」

ガレリィ『貴様に残された手などない!大人しくゲラの餌食になると良い!』

未央「うっ……!まさかコイツ、ゲッターを拘束した触手から、ゲッターエネルギーを直接吸収してるって言うの!?」

ガレリィ『行け!我らがメカザウルス軍団よ!今こそゲッターにトドメを刺すのだァ‼』

 

メカザウルス1『ギャアッ!』

未央「ぐっ……!」

メカザウルス2『キシャァァァアア!!』

未央「う゛ぅ……っ!」

メカザウルス3『グギャアァ!!』

 

首に、足に、腰に。メカザウルスが巻き付き取り付き、或いは噛み付いて、ゲッターの動きを封じていく。

 

未央「ぐぅぅぅぅぅぅ……!」

 

~~~ 早乙女研究所 管制室 ~~~

 

みく「な、何なのあれって!卑怯くさくない!?」

凛「くっ……!このままじゃ未央が……」

早乙女「問題はそれだけではない」

菜々「早乙女博士!」

アーニャ「Столько……?それだけ、とは……?」

早乙女「今、ゲッタービームを吸収した時の奴の増幅量を計算してみた。奴はエネルギーを吸収した分だけ巨大化しておる」

美波「確かに、ゲッターを拘束してる今も、ちょっとずつ大きくなってますけど……」

早乙女「そうじゃ!そして、このままゲッターのエネルギーを吸収され尽くされてしまえば、日本列島は巨大化したあのメカザウルスに覆われる!」

アーニャ「Такие……!そんな事が……!」

早乙女「あぁ…。微量で膨大なエネルギーになる。ゲッター故に、日本は滅びる事になるかもしれん!」

凛「っ……!未央!未央聞こえる!?今すぐ分離して離脱して!」

未央『━━しぶりん?そんな、今更尻尾巻いて逃げ出すなんて……イヤだね!』

みく「変な意地張らないで!このままだとゲッターのせいで日本が滅びるんだよ!?それでも良いの?」

未央『それじゃあ……、今離脱すればアイツが倒せるの!?アイツはゲッター線だって吸収するんだよ?そんな奴に立ち向かう方法、ある!?』

みく「それは……」

美波「それをみんなで話し合おうって言うんじゃない!未央ちゃんだけで結論を急がないで!」

アーニャ「ゲッターも…、もちろんミオも……失うわけにはいきません!」

菜々「だから大人しく帰って来て下さい!こんなところで意地の張り合いなんてしても、何にもならないですよ!」

未央『みんな……。…そうだね』

凛「未央……!」

未央『でも、ごめん。私、アイツを倒す方法、分かっちゃったんだ』

凛「…どうやって……!」

未央『ごめん…ごめんね、凛』

凛「待ってよ。どういう事?謝る意味が分かんないよ!」

 

━━━━━

 

未央「━━ふふ…。あははははは…っ!」

ガレリィ『どうした?己の死が迫って可笑しくなったか?』

未央「私は正気だよ。…いや、可笑しくなったのかもしれない」

 

キュイィィィィィン…

 

ガレリィ『何だ……。ゲッターが輝きだして……』

未央「ゲッターの力……。そんなにほしいなら、くれてやるよ!トカゲ野郎!!」

 

キュイィィィィィン!!

 

ガレリィ『こ、これは……!』

ゴール『ガレリィ!一体何が起こっている!?』

ガレリィ『め、メカザウルスが……私のメカザウルスが溶けていく……!』

ゴール『馬鹿な……!?マグマ熱にも耐えるメカザウルスだぞ!?それが地上で溶けるなど、あり得ぬ!』

ガレリィ『……ゲッター線━━!』

ゴール『何ぃ!?』

ガレリィ『ご覧なさい!メカザウルスが…メカだけを残して溶けていく……!』

ゴール『ゲッター線……!』

 

未央「へへっ……!どう?ゴール、ガレリィ!これが!アンタらの祖先を地下深くに閉じ込めた……!」

 

ゲッターの腕を自身の腹部に捩じ込み、腹部の装甲を押し広げて開き、切腹した侍がそのはらわたを引き摺り出すように掴み、掲げあげたのは、

 

未央「エネルギーの源だよ……っ!!」

 

ゲッターロボの、心臓。

 

~~~ 早乙女研究所 ~~~

 

卯月「?…えっと…、ここは…?あ~…、トイレに行っただけなのに、広くて迷っちゃった…」

 

早乙女「━━待て!それ以上は危険じゃ!早まるんじゃない!!」

 

卯月「!? うん?ここは……」

 

凛「早乙女博士の言う通りだよ!エネルギーを臨界まで引き上げて、自爆でもするつもりなの!?」

菜々「そこで未央ちゃんがそんな事しても誰も喜びませんよぉ!!」

アーニャ「Подумайте еше раз!!ミオッ!」

 

卯月「管制室…?それに…今、自爆って……!?」

 

未央『ははは……。博士の言う通り、危ないかもしれない。けど、あのバカでっかいマシーンランドを吹っ飛ばすには、これが一番手っ取り早いかもしれないよ!』

美波「本気で言ってるの…?今自分が何をしようとしているか……っ!」

未央『ゲッター炉心をわざと暴走させて、膨大なゲッターエネルギーを拡散させる!幾らあのクラゲメカザウルスがエネルギーを吸収するからって、これだけの量のエネルギーを、一度に吸収できる訳じゃない!』

みく「それで、あのメカザウルスと、恐竜帝国を一度にやっつけるって言うの?ふざけたこと言わないで‼」

瑞樹『こちらプロトゲッター!研究所周辺に出現したメカザウルスの掃討が終わったわ。今から未央ちゃんの救援に向かう━━!』

 

晶葉『いいや。その必要はない』

 

凛「晶葉……!?」

晶葉『こちらからもゲッターの炉心のスキャンを行った。…ゲッター炉心は直に炉心融解し、エネルギーを放出して爆発する……』

晶葉『今からプロトゲッターで行っても、…もう間に合わん……っ!』

美波「そんな……っ」

瑞樹『……。でも、だからって黙って見ているなんて出来ないわ』

みく「瑞樹さん!みく達も連れてって!」

菜々「もう自分の体の事なんて言ってられません!だから、ナナ達も乗せて下さい!」

瑞樹『……分かったわ。表で待ってるから、急いで来なさい』

 

みく&菜々「「はいっ!」」

 

晶葉『━━行かせて良いんですか?』

早乙女「…本人達の、納得のいくようにさせてやれば良い」

晶葉『……』

 

みく「……っ!卯月ちゃん!?」

凛「…えっ……?」

 

卯月「え…あの……」

 

みく「……みく達は先を急ごう!菜々ちゃん!」タッタッ

菜々「え…!?あ、はいっ!」タッタッ

 

未央『しまむー…。どうしてそこに?』

卯月「え、あの……私は、ただ道に迷っちゃって……」

未央『あははっ、しまむーらしいや』

卯月「そうじゃなくって……!自爆って、聞こえてきましたけど、ど、どういう事ですか!?」

未央『そっか、聞いてたんだ…』

卯月「そんな、どうしてですか?どうして、そこまでして……!」

未央『どうして、か……。それは、ある人の為、かな?』

卯月「ある、人……?」

凛「……っ」

未央『そ。ある人が、私にとって、大切な人達がもう二度と辛い思いをしなくても良いように。ずっと笑顔で、平和に暮らしていけるようにする為に、だよ?』

凛「だったら……」

凛「だったらその為に、違う大切な人を傷つけても良いって言うの!?」

卯月「渋谷、さん…?」

未央『たはっ……!それを言われると、ちょっとキツいんだけど……ね?』

卯月「本田さん……。約束したじゃないですか、絶対に生きて帰って来て下さいって」

未央『あははは……!しまむーにそんな顔されると、決心が揺らいじゃうなぁ……でも』

 

未央『ごめん、しまむー。約束、守れないや』

 

卯月(本田さんが死ぬ決意をした…?ゲッターで戦って勝てないと分かって、それで……!)

卯月(私…?私は、どうして…そんな事…━━)

卯月「う…あ、あぁぁぁぁぁぁああっ!!」

凛「卯月しっかり!未央!卯月にこんな思いさせて…、アンタそれでも……!」

未央『ホントごめん。生きて帰れたらこの埋め合わせは幾らでもするからさ!…もし、それが出来なかったら、その時は……』

 

未央『私のお墓に、線香の1本でも供えておいてよ♪』

 

凛「ふざけないで!未央……!未央ぉ!!」

 

「未央ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」

 

━━━━━。

 

未央「━━さぁて、お・待・た・せ☆爬虫人類……!!」

ガレリィ『いかん……!このままでは……ッ!』

ゴール『は、早くゲッターにトドメを刺せぇ!!』

ガレリィ「と、トドメを刺そうにも、ゲッターから放出されるゲッター線が膨大で、通常のメカザウルスでは近付く事すら出来ません!」

 

ドロォッ

 

ガレリィ『げ、ゲラの触手が溶けてゆく……!?増大するゲッター線の量をゲラが処理出来ないのか!?』

未央「ははっ!アンタの自慢のメカザウルスも、ゲッター相手では歯が立たないみたいだね!」

ガレリィ『さ、さ、さ…サルめがぁ!貴様らなどに私のメカザウルスが負けるなど……!」

未央「ふふふ……!ちょっとは驚いた?そうこなくちゃ困るんだよねぇ!こっちだって命懸けてるんだからさ‼」

未央「私だって、ゲッターエネルギーを臨界まで引き上げたら、こんなスゴい事になるなんて思ってもみなかったよ!でも……!」

未央「コレが、これこそが!貴様ら爬虫人類が最も恐ろしがった、ゲッターの光だ!!」

 

━━カァッ

 

ゴール『ぬぅ…!?』

未央「ここでもう一度…、ゲッター光線で滅ぶんだよ…ッ!ト、トカゲ野郎……っ!!」

ゴール『そ、そんな馬鹿な……!人間より優れた……優良種たる我らがここで終わる筈がない━━!』

未央「温かい心も、涙も持たない冷血野郎の爬虫人類!!ここで終わるんだ…アンタらはぁ!」

ゴール『おのれぇぇぇぇぇええ!!』

『やめてぇぇぇええええっ‼』

 

未央(凛…卯月……。後は、頼んだよ……━━)

 

カッ━━

 

卯月「未央ちゃぁぁぁぁぁああんっ!!」

 

━━━━━。

 

瑞樹「━━…ゲッター炉心の爆発光を確認したわ…っ」

みく「そ、そんな……!」

菜々「この距離からでも、ハッキリと確認出来るなんて……。あの緑色の光が、広がって……」

瑞樹「ゲッター線の爆発光よ。全て燃やして、消してしまうのよ。ゲッター線が、…全て━━」

みく「こんな…こんなキレイなのに……っ!残酷すぎるよ……!!」

瑞樹「━━爆発光が消えたわ。…行くわよ」

菜々「行くって……何処に?」

瑞樹「まだ希望を捨てては駄目よ。……生存者は、いるかもしれない」

みく「そ、そうにゃ!スゴい爆発だったけど、脱出装置で上手く脱出したかもしれないよ!」

菜々「そ…そうですよね!未央ちゃんなら、要領よく出来ているかもしれません!」

みく「そうと決まったら一秒でも速く救援に急ぐにゃ!」

菜々「はいっ!!」

瑞樹「……」

 

~~~ 早乙女研究所 ~~~

 

卯月「あ…あ、あぁぁ……!」

 

卯月「未央、ちゃん……」

美波「卯月ちゃん……記憶が……」

卯月「はい。ハッキリと思い出しました……。未央ちゃんは、私の為に……記憶を無くした私の為に……っ!!」

凛「う……っ…っく……!未央…馬鹿……っ!」

 

晶葉「博士。現地に到着したテスターチームから、映像送られてきます」

早乙女「うむ。正面モニターに出してくれ」

晶葉「了解」

 

美波「━━!これって……」

アーニャ「酷い……」

早乙女「…一都市は壊滅か……」

晶葉「はい。住民のほとんどは疎開して、人的被害は皆無だったかと思われますが……」

早乙女「その人々は故郷を無くしたと言うわけか……」

晶葉「衛星からの映像では、半径7kmに渡って巨大なクレーターが出来上がっています。…クレーターの範囲内には、何も残されてはいないものと」

 

凛「何…っで……!」

 

凛「何で、どうしてそんな落ち着いてられるの!?私達の仲間が!未央が!あそこで……!」

早乙女「甘ったれるな!!」

凛「!?」

早乙女「儂らは今、人類防衛の最前線にいる!人類の未来を背負って戦う者が、例え少女だったとしても、仲間の死に涙を流している暇があるのか!?いや、ある筈がない!!」

凛「でも、大切な仲間だったんだよ……?」

早乙女「ならばその者の名を胸に刻め!二度と忘れぬように!お前自身が明日を行き、人々を守り、平和を取り戻す!その糧とする為に!!」

凛「糧なんて……そんな言い方……!」

晶葉「落ち着け。博士の言う通りだ。今の私達には、悲しんでいる時間なんてない」

凛「晶葉まで…!」

晶葉「…こんな惨劇を、もう二度と繰り返さない為に、私達は一日も早くゲッターをより深く知らねばならん」

晶葉「ゲッター線の研究が進めば、今日のような悲劇を回避出来るかもしれない。そうだろう?」

凛「それは……」

晶葉「それに、まだ死んだと判断するのは早いんじゃないか?今は現場の調査に行ったテスターチームの報告を待とう」

凛「……うん」

 

早乙女「━━すまんな、晶葉くん」

晶葉「良いんですよ。科学の発展には、犠牲は付き物。そうやって、割り切る事は……で…きます……から……っ!」

早乙女「晶葉くん……」

 

みく『た、たたた大変にゃ~~!!』

 

早乙女「っ!どうした!?」

卯月「みくちゃん !?」

 

みく『一面焼け野原で……何にも見当たらなかったけど、見当たる筈ないんだけど……!レーダーが探知で、察知して…生体反応を……!』

晶葉「えぇい、要領を得ん!落ち着いてゆっくり、要点だけ話せ。いいな?」

みく『わ、分かったにゃ!えぇとぉ……んと……━━』

 

みく『未央ちゃんが生きてます!!』

 

凛「えっ……!?」

早乙女「何!?」

晶葉「それはホントか!?」

みく『ホントもホント!みくも信じられなくって、レーダー3回確認しちゃった!!』

瑞樹『私達も確認したわ。ホント、九死に一生って奴なのかしらね』

菜々『とにかく、この映像を見て下さい!』

晶葉「これは……!」

凛「イーグル号……。いや、ゲッター1の頭部!」

菜々『そうです!未央ちゃんは出撃する時イーグル号に乗ってましたから!微かですけど、生体反応もそこから出ています!』

凛「は……ははっ……!前から大した奴だとは思ってたけど……!」

晶葉「素直に脱帽だな……。大した生命力だ」

美波「良かったわね……!凛ちゃん!」

アーニャ「Хорошо!!」

凛「うん…うん……っ!!」

晶葉「よ~し、そうとなったら直ぐに未央を回収してくれ。私は、念の為病院の手配をしておく」

みく『了解っ!待ってるにゃ未央ちゃ~ん!』

卯月「……」

 

卯月「━━良かった……っ!本当に…未央ちゃんっ……!」

 

━━━━━

 

早乙女(あの爆発で、生き残るだと……?)

早乙女(爆発の直前で上手く脱出装置を起動出来たか?……いや、あの時の未央くんにそんな余裕はなかった筈……)

早乙女(ならば……"ゲッターが助けた"?)

 

早乙女「……」

 

早乙女「知らねばならんか。もっと、ゲッターと言うものを」

早乙女「ゲッターよ。お前は儂に、儂達に一体何をさせるつもりだ?この戦いも、まだ始まりに過ぎないとでも言うつもりか……?」

 

早乙女「ゲッターロボ……!!」

 

 

 

第一部 完




予告!!

未央の決死の行動で辛くも恐竜帝国を退けた人類。
それから一年。しかし、戦いは終わっていなかった!
アイドルとして復帰した卯月の目の前に現れる、恐竜帝国の残党。そして、謎の蒼いスーパーロボットの正体とは!?
新たなゲッター、新たな仲間。そして、新たなる敵を前に、卯月達の、次なる戦いが火蓋を切る!

ゲッターロボ・サーガ デレマス版 第2部"G"編

第1話『新たなる力!!ネオゲッターロボ、発進!』

近日公開!!
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