ゲッターロボサーガ デレマス版   作:E.T.c

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第26話『真竜がいく』

 

──ここは、火山島。かつてゲッターGが邪真ドラゴンとして覚醒し、真ゲッターをはじめとするゲッター軍団の活躍によって再び眠りに着き、再度真ドラゴンとしての正しき覚醒を待っている場所。

 休眠状態となった真ドラゴンが放つ膨大なゲッター線に誘われ、常に無数のインベーダーが波のように押し寄せるこの島で、真ドラゴンを守る為にインベーダーの群れにたった1機で果敢に挑む影があった。それこそ、

 

李衣菜「ゲッタァァアーーバトルッ!!ウィィィングッ!!」

 

我らが、真ゲッターロボ。

 

李衣菜「うぅ…!りゃぁあああああッ!!」

 

真ゲッター1の全身を捻らせて錐揉み回転。ゲッターバトルウィングから真空波を断続的に放ち、インベーダーの群れを切り刻みながら吹き飛ばしていく。

 

奈緒「まったく!知性がないからって、毎日毎日懲りもせず!」

加蓮「けど良いんじゃない?お陰で対策を考える必要もなくって、リーナでも余裕じゃん」

李衣菜「ちょっと!何かバカにされてない!?こっちだってぇ!!」

 

長大なトマホークを構え、振り回した風圧でインベーダーの体勢を崩し、

 

李衣菜「ちゃんと考えて戦ってるつもりだけど!?」

 

トマホークの刃で斬り、穂先のランサーで貫きながら、次々に粉砕していった。

 

李衣菜「ふぅ…」

奈緒「ま、この1ヶ月くらいで、大分上達したよな。あたしら」

加蓮「そりゃぁ、ご飯食べる時と寝る時以外、ほとんど戦ってばっかなら、操縦も上手くなるって」

李衣菜「1ヶ月か…。もうそんなになるんだ」

奈緒「なぁ。寝て飯食って戦闘して。サラリーマンの方がもっとまともな生活してるって」

加蓮「ねぇ、せめてちょっとでもいいから、シャワー浴びたいわ」

奈緒「今のあたしら、絶対アイドルじゃないよな」

李衣菜「絶対アイドルじゃないね」

李衣菜・奈緒「「にへへへへへ…!」」

加蓮「絶対にファンに見せられないカッコで何笑い合ってんだか」 ハァ…

 

ピピッ ピピッ ピピッ

 

李衣菜「……ん?この反応…」

奈緒「インベーダー!?またかよ!」

加蓮「…確かに。これまでこの短いスパンで襲撃してきたことはなかった。多少は戦法を変えてきたって感じ?」

奈緒「勘弁してくれ!一息入れる間もないのかよ…」

李衣菜「言っても仕方ないよ。とにかく、真ドラゴンを倒されるわけにも、奴らの巣にさせる訳にもいかないんだ!」

加蓮「…で?その眠り姫様は、何時目覚めるって?」

李衣菜「それは…」

奈緒「風呂入れてないからってやっかむなよ。真ドラゴンとか、そう言うのは兎も角、あの中にいる凛はどうする?誰が守ってやる?」

加蓮「……」

奈緒「だから、凛に貸しを作ってやるつもりでやってやれ。あたしは、それで納得してる!」

加蓮「…まったく。ポテトセットだけじゃ済ませてやらないんだから!」

李衣菜「覚悟は出来た?なら行くよ!奈緒、加蓮!!」

 

真ゲッター1が再度襲来したインベーダーの群れに飛び立つ。

 

李衣菜「ゲッターレザー!」

 

両腕のレザーブレードを反り立たせ、拳を打ち出す構えで振りかぶる。

 

李衣菜「っ…!しゃあッ!!」

 

勢いよく腕を振るい、1体のインベーダーを斬り断つ。

 

李衣菜「よしっ、この調子で…!」

加蓮「……っ?!リーナ、足元!」

李衣菜「え?」

 

襲来したインベーダーに応じる為、空中に立つ真ゲッター1。その遥か下方、地中深くから伸びた1本の触手が、真ゲッター1の足に絡み付く。

 

李衣菜「これ…っ!」

 

勢いよく、地面に叩き付けられる真ゲッター1。倒れ伏す真ゲッターの前に、地中から巨大なインベーダーが姿を現す。

 

李衣菜「っ……こいつ、いつの間に…!」

奈緒「ここは高濃度ゲッター線地帯だ。仕留め損なったインベーダーは、時間が経てば復活するぞ!」

李衣菜「向こうにとっても有利なフィールドってこと…?い゛…っ!?」

インベーダー《!!!!》

 

インベーダーの口部から放たれた槍のように尖鋭な舌による一撃を、

 

李衣菜「オープンゲット!」

 

真ゲッターを分離させて回避。

 

李衣菜「チェンジゲッター1ッ!!」

 

即座に合体。

 

李衣菜「ダブルトマホーク、ランサァァーーーッ!!」

 

巨大なトマホーク、トマホークランサーを振り下ろし、一刀の元、インベーダーを斬り伏せた。

 

李衣菜「ふぅ…」

加蓮「一息入れない!まだまだインベーダーは5万といるんだから」

李衣菜「うへぇ…。テンション下げること言わないでよ、加蓮」

奈緒「流石に5万は言いすぎだけどな…。だとしても、この数はいい加減…!」

李衣菜「こっちだってもうお構いなしだ!どっからでもかかって……ん?」

加蓮「この反応って…」

 

真ゲッター1が、インベーダーと対峙した直後、そのインベーダーの群れに対し降り注いだのは、ミサイルや銃弾の雨霰だ。

 

奈緒「これは…」

加蓮「キングダム、ロボ・ストーン、テキサスマック…。ステルバー!」

李衣菜「スーパーロボット軍団のみんな!」

ジャック「Hi!リーナ!随分待たせたみたいダナ!!」

リンダ「私達も加勢するわ!今の内に体勢を立て直して!」

サム「久々のサプライズだ、出し惜しみすんじゃねぇぞ、兄貴!」

ボブ「おうよ!加蓮ちゃんにちっとは良いトコ、見せねぇとな?」

加蓮「もう充分魅せられたよ、カッコいい!最高!」

ボブ「……出血大サービスでいくぜぇ~~~ッ!!」

 

バオッ バオッ バオッ

 

シュワルツ「熱くなりやがって…。バカ共が」

奈緒「シュワルツもサンキューな。助かったよ」

シュワルツ「ハッ!別にテメェの為なんかじゃねぇ。勘違いすんな」

奈緒「あはっ。そう言うことにしといてやるよ」

ジャック「メリー!TargetはNo thank you!敵は向こうから向かって来る!片っ端から落としてやるゼ!!」

メリー「OK.兄さん。バックアップは任せて!」

ジャック「Mac-riot.fire!!」

 

テキサスマックのマックライアットから放たれる大口径の弾丸が、インベーダーの胴体を貫き、吹き飛ばす。

 

ジャック「Knock out! A-ha!!」

奈緒「嘘だろ…!?通常兵器は、インベーダーに効果ない筈じゃ…」

リンダ「通常兵器じゃないもの。劣化ゲッター線兵装よ」

李衣菜「劣化ゲッター線兵装…?」

ボブ「そ。リーナ達んトコの池袋博士が提唱して開発された、秘密兵器よ!」

李衣菜「私達の?池袋博士って言うと…」

奈緒「晶葉の事だよ」

李衣菜「あぁそうだ!博士~なんて言われても、ピンと来ないね…」

加蓮「一応スゴいらしいよ?現状ゲッター線研究じゃ、唯一だから」

李衣菜「それもそっか。その晶葉が提唱したとなると…」

メリー「威力はお墨付き。それは今見て、分かってもらえたかしら?」

李衣菜「…だね。こっちもうかうかしてられないや」

シュワルツ「こっちの事は良い。テメェらは研究所へ急ぎやがれ!」

李衣菜「へっ、早乙女研究所?何で、いきなり?」

奈緒「そうだ、こっちは今までずっと、ここで戦ってきたんだぞ?」

サム「おいおい…」

リンダ「その様子じゃ、本当に知らないみたいね…」

加蓮「知らない?何の事…?」

ジャック「池袋博士の予想、的中デース」

ボブ「空、見てみな」

李衣菜「空…?」

 

促され、見上げた先。ハトやカモメの様にインベーダーが空中を泳ぐその向こうには、無限かのように続く青空と、

 

李衣菜「太陽みたいに、輝く星が……2つ…」

奈緒・加蓮「「太陽が2つ!!?」」

 

~~~ 新早乙女研究所 ~~~

 

李衣菜「はっ……はっ……はっ…!」

 

バァンッ

 

李衣菜「晶葉!!」

晶葉「……来たか」

李衣菜「大変だよ、晶葉!太陽が二つで……空がキレイで、兎に角大変なの!」

晶葉「こちらは重々に承知している。先ずは落ち着け」

李衣菜「え…?」

茜 「晶葉さんの思った通りでしたね?流石です!!」

李衣菜「茜…?ってか、飛焔チームのみんなも…」

奈緒「だから、焦んなって言ったろ?」

加蓮「ホント、アーニャも美穂もいるのに…。我らがリーダーながら、恥ずかしい」

美穂「えへへ…」

アーニャ「けど、これで全員、集合です。アキハ」

晶葉「あぁ。天体が大変なのは認識している。我々の方では、数日前からずっとな」

奈緒「数日前…。そんなに経つのか?」

加蓮「それだけ、あたし達が戦闘漬けだったってことでしょ」

李衣菜「違いない。で?何なの晶葉、あれは…」

晶葉「順番に説明する必要があるか…。太陽と共に浮かんでいるように見える恒星、あれは元々、木星と呼ばれていたものだ」

奈緒「木星だって!?」

晶葉「そう。太陽系5番惑星木星。そして今は、膨大なゲッターエネルギーを放出し輝く、ゲッター太陽だ」

加蓮「ゲッター太陽…?」

奈緒「ってことは何か?あの太陽みたいなのが木星で、真ゲッターや、ドラゴンのシャインスパークみたいなゲッター線の塊だってのか?!」

晶葉「理解が早くて助かる。そう言うことだ」

李衣菜「どうしてそんなことに…」

美穂「スティンガーとコーウェンって人……あの2人だよ」

李衣菜「!?あの人達が…!」

晶葉「これは10日前、フランスの月面展望台が捉えた映像だ」

 

そう言って、李衣菜達の前の正面モニターに1つの映像を写し出す。

 

李衣菜「これ…!ゲッタードラゴン…」

晶葉「正確にはメタルビースト・ドラゴンだ。この映像を観測後、木星の恒星化が起こった」

奈緒「奴ら、木星にドラゴンの炉心をぶつけでもして、木星をゲッター太陽にしたってのかよ…!」

晶葉「少し違うな。木星の周囲にある衛星群それらをぶつけ木星の核爆発を誘発し、そこにゲッター炉心をぶつけることで、ゲッター太陽を誕生させたのだ」

加蓮「御託は良いよ。地球にまで光が届く程の恒星、ゲッター太陽ってことは、インベーダーも呼び込んできちゃうんじゃない?」

奈緒「そうだよ…!今よりもっと多くの、それこそインベーダーの本隊みたいなのが、この地球圏に…!」

李衣菜「そんな…!そうなる前に、ゲッター太陽を何とかしなきゃ!!」

茜 「……」

アーニャ「……」

美穂「……」

李衣菜「……?どうしたの?3人共…」

晶葉「状況は、もっと逼迫している」

李衣菜「え?」

晶葉「木星に属するガレリオ衛生群第3衛星ガニメデ。それが今、木星の衛星軌道から外れ、地球に向かって移動している」

奈緒「なんだって…!?」

加蓮「まさか、大昔のパニック映画みたいに、地球にぶつける、何て言うんじゃないよね?」

晶葉「その通りだ。現在のガニメデの軌道をシミュレートしたところ、十中八九地球との衝突コースに入る」

李衣菜「それも、スティンガーとコーウェンの2人が…!?」

晶葉「ゲッター太陽…。連中にしてみれば、地球よりも優秀で、恒久的なエネルギーの供給源は確保出来たんだ。人類なんて厄介なおまけ付きの地球は、最早無用の長物なのだろうな」

加蓮「冗談じゃない!連中にとっては手近なガソリンスタンドかもしれないけど、こっちにとっては唯一無二の居住可能惑星だ」

晶葉「そうだ。だからこそ、連中の暴挙を許すわけにはいかん」

奈緒「だからってどうすんだよ?ガニメデって言やぁ、月よりデカいんだぞ…!」

李衣菜「折角莉嘉達がストーカ01を何とかしてくれたばっかりだってのに…!」

 

悔しげに右の拳を左の掌に打ち付ける。

 

茜 「悔やんでも仕方ありません!!兎に角目の前に迫ることを何とかしましょう!」

李衣菜「茜の言う通りだ!真ゲッターの力なら……直ぐに出撃しよう、奈緒、加蓮!!」

晶葉「おいっ、待て!」

 

ダダーーーッ

 

晶葉「…まったく、最後まで人の話を聞かない奴らだ…」

茜 「晶葉さん!私達も続きます!」

晶葉「…お前らは知っているだろう?この後、国連軍のリニアレールガンがガニメデに対して攻撃を行う。我々が動くのは、その結果を見てからでも遅くはない」

茜 「しかし、何かあってからでは、間に合いません!」

アーニャ「アカネの言う通り、ですね。地球の、存亡の危機、です」

美穂「私も、このままじっとしてるなんて出来ないよ!国連軍の作戦の邪魔はしないから、宇宙空間で待機だけでもさせて!」

茜 「行きましょう、アーニャさん、美穂さん」

アーニャ「ダー!」

美穂「うんっ!」

 

ダッ

 

晶葉「…はぁ。朱に交われば、何とやらか。アーニャはまだしも、美穂までとはな…」 フッ

通信士「晶葉さん、国防相からご連絡です」

晶葉「分かった。回してくれ」

 

受話器を取り、2、3相槌を打って電話を切る。

 

晶葉「……」

通信士「晶葉さん?」

晶葉「結果オーライか」

通信士「は…?」

晶葉「我々も発つぞ!準備しろ!!」

 

──。

 

李衣菜「ぅ……っく…!」

 

急上昇で重力圏を抜け、宇宙へと上がる。

 

李衣菜「……っと、ウッヒョー!何だか体が軽くなったみたい!これが無重力!」

奈緒「なぁ、勢いで出てきたのは良いが、ホントに大丈夫か?宇宙戦なんて、誰も経験ないぞ?」

加蓮「それを今ここで言うのはないっしょ、奈緒。それに、地球をどうにかしちゃう隕石が迫ってるんだから、悠長に訓練してる時間なんて、どこにもないじゃん」

奈緒「そりゃそうだけどさぁ…」

李衣菜「習うより慣れよって!卯月達だって、最初の宇宙戦で、インベーダーを倒してるんだ。何とかなる!」

奈緒「その能天気さを、ちょっとでも見習わなきゃならないのか…?」 ハァ…

李衣菜「能天気って…」

茜 「李衣菜さーーーんッ!!」

加蓮「ゲッター飛焔も来たの?」

アーニャ「当然、です。この星を守るためのゲッターロボ。リーナ達だけに、無理をさせません!」

美穂「木星とか、月より大きい衛星とか。規模が大きすぎて、よく分かんないけど。でも!やれるだけやってみようよ!力を合わせて!」

奈緒「だな。その為に、ゲッター乗ってるみたいなもんだしな!」

晶葉『まったくどいつもこいつも、気の早い連中ばかりだな。ゲッターのパイロットと言うのは』

李衣菜「晶葉!…と、早乙女研究所の管制室じゃ、ない?」

晶葉『あぁ。あそこでは衛星通信にも限界があるのでな。衛星軌道上にある、ムーンシャドーへ移動させてもらった』

李衣菜「…むーんしゃどー?」

晶葉『対インベーダー用に人類が総力を挙げて建造した、衛星前線基地さ。宇宙から飛来したインベーダーの動きをいち早くチェックし、世界の各都市に通信を飛ばすことが出来る。今回はガニメデ攻略戦の司令本部として使わせてもらうがな』

奈緒「そんなもんまで造られてたのかよ」

晶葉『結果から言わせてもらう』

加蓮「結果?」

晶葉『先頃、国連軍が保有する対インベーダー用決戦兵器”リニアレールガン”によるガニメデ迎撃作戦が展開された。その結果だ』

李衣菜「そんな作戦が展開されてたの!?」

晶葉『しっかりと説明するつもりだったんだがな。お前達はそれを聞かないで、さっさと出撃してしまった』

李衣菜「あはは…」

加蓮「けどそんなの、晶葉がアタシ達に帰投指示を出さない時点で失敗したってことじゃん」

美穂「あ…」

晶葉『…まぁ、その通りだ』

茜 「やはり、ここからは私達の出番と言うことですね!」

晶葉『今度こそ話を最後まで聞け。ただ失敗したんじゃない。リニアレールガンが放った弾丸が、何者かに撃ち返されたんだ。リニアレールガンは、返ってきた弾丸で撃沈された』

美穂「そんな…!」

アーニャ「何者か、とは?」

加蓮「そんなの、もう名前を出すまでもない。”例の2人”でしょ」

奈緒「是が非でも地球を消したいんだな…!」

李衣菜「けど残念、地球にはまだゲッターロボがいる!」

晶葉『それは、相手だって承知しているだろうな』

美穂「私達の攻撃を防ぐための、インベーダーの群れがいるってこと…?」

晶葉『あぁ。それもこれまでに見たこともない数の、インベーダーが観測されたらしい』

アーニャ「これまでに見たことない…?」

晶葉『インベーダーを観測した天文台の所員曰く、インベーダーの数が多すぎて、ガニメデの姿を正確に観測出来ない、そうだ』

美穂「そんな数を…!?真ゲッターと、ゲッター飛焔だけで…」

晶葉『いや、お前達だけに無理は背負わせんさ』

茜 「どう言うことです?」

晶葉『直に分かる。…ほら、レーダーに見えてきた筈だ』

奈緒「これって…」

李衣菜「物凄い数の、ゲッタードラゴン!?」

晶葉『そう。インベーダーとの決戦を想定し、世界各国に生産と配備を急がせていた、量産型ドラゴン軍団だ!!』

 

弧を描いて視界から消える、地平線の向こう、東西南北四方八方から、無数の量産型ドラゴンが真ゲッターとゲッター飛焔の元に集ってくる。

 

奈緒「す、凄い数のゲッターだ…!」

晶葉『総数は11,934機。インベーダーの数に対してはまだまだ心許ないが、そこに集ったのは地球の危機を打開するために自ら立ち上がった者達だ。頼りにしてくれ』

伊賀利「李衣菜さん!皆さん!!」

李衣菜「伊賀利さん!もしかしてゲッターD2に乗ってるのが…」

伊賀利「えぇ。修理の完了したゲッターD2を自分が受領させていただきました。ドラゴン軍団の戦闘指揮も、自分が一任されています。まだまだ実力不足だとは思いますが…」

李衣菜「心強いよ!伊賀利さんのゲッターD2に、これだけの数の量産型ドラゴンがいれば…!」

晶葉『ガニメデを有視界に捉えるぞ』

李衣菜「あれが…」

 

地球に迫るガニメデを、肉眼に捉える。

 

李衣菜「まだ全然小さく見えるけど……距離感狂っちゃうね」

奈緒「そんなことよりもだ、そのガニメデの目の前を霧みたいに黒く覆って見えるのが、インベーダーってことで良いんだよな?」

晶葉『あぁ。間違いない』

奈緒「ははっ、目眩がしてきたぜ…」

李衣菜「なら、最大出力のストナーサンシャインで盛大に開戦といきますか?」

晶葉『待て。ストナーサンシャインはギリギリまで使うな』

李衣菜「え?何で…」

晶葉『最大出力のストナーサンシャインは、ガニメデを破壊する最後の手段だ。炉心に掛かる負荷を考えれば、連続使用は許可出来ない』

李衣菜「そんな!卯月の時はそんなこと言ってなかったのに!」

奈緒「そもそも、卯月はそんなストナーサンシャインを連打したりしなかったからな」

李衣菜「うっ…」

加蓮「そもそも、アタシ達はホンモノの真ゲッターのパイロットじゃないしね?」

李衣菜「ひ、人を偽物みたいに言わないでよ!」

茜 「兎も角、今回の作戦は具体的に言いますと!」

アーニャ「真ゲッターが直接ガニメデの中に突入、中心に向かって、最大出力のストナーサンシャインを撃って破壊…」

美穂「私達は突入する真ゲッターの護衛と…」

晶葉『突入ロの確保。と言ったところだが、忘れるなよ?ガニメデが地球の重力圏に入った時点で、作戦は失敗だ。砕け散った破片が、重力に引かれて地球に落ちるからな」

奈緒「制限時間付きかよ…!」

加蓮「ま、元より悠長にやってる暇も無さそうだけど」

晶葉「作戦名を”天の穹矢作戦”とする。どうだ?』

李衣菜「天の穹矢…」

奈緒「あたしらは星に向かって飛んでいく1本の矢ってところか…」

加蓮「無事に帰れる保証もなしって訳ね?」

李衣菜「勿論、文字通りの矢で終わるつもりはないよ…!私達が、真ゲッターの力でやってやるんだ!」

奈緒「おう!」

加蓮「負けたらアイドルも夢も、あったもんじゃない。久し振りに、本気を出しますか!」

茜 「私達も行きますよ、美穂さん、アーニャさん!」

アーニャ「ダー!行きましょう、みんなで地球を、守るんです!」

美穂「負けられない…!必ず、勝たなきゃ…!」

茜 「よぉし…!」

 

バンッ、と威勢よく宇宙空間に立ち、ガニメデを指差す。

 

茜 「世のため人のため!インベーダーの野望を打ち砕く、ゲッターロボ飛焔!!この日輪の輝きを恐れぬのなら、掛かってきなさいッ!!」

 

口上を掲げ、勢いよくガニメデ、そしてインベーダーの群れに向かっていく。

 

伊賀利「真ゲッターに続け!総員──!」

 

量産型ドラゴン軍団が身構える。

 

伊賀利「──突撃ッ!!」

 

連合兵’s「「「「「うぉぉぉぉぉおおおおッ!!!」」」」」

 

そして、戦端が開かれた。

 

茜 「李衣菜さん!先制攻撃です!ここはゲッタービームで!!」

李衣菜「いいねぇ!任せて!!」

茜 「いきますよ、ゲッター…!」

伊賀利「先鋒、ゲッターレーザーキャノン構え!目標、正面インベーダー群!!」

李衣菜「…ビィーームッ!!」

伊賀利「斉射ッ!!」

 

真ゲッター1とプロト・ゲッター1がそれぞれビームを左右に薙ぎ払い、その後を無数のビームが柱のように伸びてインベーターの群れを穿ち、爆ぜさせる。

 

奈緒「うひゃぁ!は、はじまったぁ!!」

李衣菜「よし、このまま勢いにのって、一気に…!」

奈緒「無茶はするなよ?真ゲッターがダメージを受けすぎると、作戦そのものがおじゃんだ!」

李衣菜「出来るだけのことはするよ!こっちだって新しい武装があるんだ!」

 

そう言って、真ゲッター1の腕を振る。その手に握られたのは、ライフルよりは小さく、ハンドガンよりは大きい銃器。

 

李衣菜「ゲッターブラストキャノン!!」

 

その銃先を、インベーダーの方へ向ける。

 

李衣菜「ジャックとシュワルツ仕込みの射撃センス!喰らってビビるなぁ!!」

 

ズワッ

 

銃口からゲッターエネルギーの弾丸が放たれ、インベーダーを射貫く。

 

李衣菜「ウッヒョー!なかなかの威力じゃん!これなら…!」

 

両手で構えていたブラストキャノンを片手で担い、素早い射線移動で次々にインベーダーを射貫いていく。

 

李衣菜「百発百中!どう?」

加蓮「全~然。敵の数が減ってないんですけど?」

李衣菜「そ、そんなことは…」

加蓮「これじゃあ、ガニメデに着く頃には、重力圏を越えちゃうね」

奈緒「なら、加蓮がやるか?」

加蓮「仕方ない。そう言うのは、ゲッター3の十八番だし。ね?美穂」

美穂「うんっ。今度は私達の番!」

李衣菜「もぅ、出番がないからって、はしゃいじゃって」

茜 「ですが、分かりました!」

李衣菜・茜「「オープンゲット!!」」

伊賀利「各機、ゲットマシンを援護!インベーダーを近付けさせるな!」

李衣菜「ありゃ?もしかして心配されてる?」

茜 「援護は感謝ですが!お手を煩わせるつもりは!」

 

ギュンッ

 

伊賀利「は、速い…!?」

加蓮・美穂「「チェーンジゲッター3ィッ!!」」

 

分離から目にも止まらぬ速さでインベーダーをも撹乱し合体。

 

連合兵「あれが本当のゲッターパイロットの実力…!」

連合兵2「俺達も負けていられねぇぜ!」

加蓮「どう?どっちが多く落とせるか、競争しよっか?」

美穂「えへへ…。遠慮しておきます」

加蓮「な~んだ、残念。なら、一斉に!」

美穂「ミサイルレインッ!!」

加蓮「ミサイルストーム!!」

 

真ゲッター3のミサイルサイロから、プロト・ゲッター3の全身からミサイルが、手前からインベーダーを射貫いて粉砕し、爆破の波を後方まで生んでいく。

 

通信士「敵損耗率、6%!」

晶葉「っ…!インベーダーの層が厚すぎるか…」

 

晶葉『加蓮、美穂!面の攻撃では、効果が薄い。攻撃を点に集中させるんだ!』

加蓮「ありゃりゃ…。ゲッター3の火力でもほとんど削れないか」

美穂「気合い入れたのに、ちょっと残念…」

アーニャ「大丈夫です。ナオ、ここはワタシ達で!」

奈緒「オッケー!出番終了だ、さっさと代われ、加蓮」

加蓮「や、強引」

美穂「オープンゲット!」

加蓮「オープンゲット!」

 

漫才の分、真ゲッターがやや遅れて分離。しかし合体のタイミングは遅れず、

 

アーニャ・奈緒「「チェーンジゲッター2ッ!!」」

 

アーニャ「アーニャが先行します。着いてきて下さい!」

奈緒「おう、水先案内、任せた!」

アーニャ「プラズマ・テンペスト!」

 

プロト・ゲッター2のプラズマ・テンペスト。プラズマを帯びた旋風で、眼前に迫ったインベーダーを吹き飛ばし、

 

アーニャ「プラズマ…!ドリル、アターック!!」

 

プラズマを纏ったドリルによる突撃で、層となったインベーダーの壁を穿つ。

 

奈緒「あたしもいくぞ…!ドリルアームッ!!おらぁっ!!」

 

プロト・ゲッター2の後に真ゲッター2が続き、突破口を押し拡げる。

 

連合兵「くっ…!真ゲッターとゲッター飛焔だけを突出させていいのか!?」

伊賀利「彼女らも歴戦の戦士です!奈緒さん達を信じましょう!」

連合兵2「何、背中は俺達が守ってやりゃぁいい!」

連合兵3「その通りだ!アイツらが活躍するとこをただ見てるだけなら、ここまで来た意味がないぜ!!」

伊賀利「皆さんの言う通りです!各機攻撃の手を緩めず、全てのインベーダーを殲滅するつもりで戦って下さい!!」

 

ピピッ ピピッ

 

伊賀利「……?何だ、この反応…。これまでのインベーダーより、ずっと速い!?李衣菜さん──!」

 

李衣菜「何…?!うわあっ!?」

奈緒「おわっ!」

アーニャ「ナオ!」

 

突然の衝撃に、真ゲッター2の動きが止まる。

 

奈緒「こっちは大丈夫!大した攻撃じゃない」

加蓮「ホント、大した攻撃じゃないんなら、しっかり避けてよねぇ」

奈緒「あのなぁ…」

茜 「しかし!突撃中の真ゲッター2を捉えて攻撃してくるとは…!」

美穂「…!見て、あれ…」

李衣菜「あれは…」

 

足を止めた真ゲッター2とプロト・ゲッター2の前に姿を現した3体のインベーダー。その姿は、

 

李衣菜「ゲッターロボ…?」

 

シルエットそのものはゲッター、真ゲッターロボと酷似している。しかしその表装、何より、全身に不揃いに並ぶ大小様々なオレンジ色の瞳似た部位が、それがインベーダーであることを実感させた。

 

晶葉『…恐らく、擬態の一種だろうな』

李衣菜「擬態?」

晶葉『そう。生物界の中には、自身とまったく異なる生物や、天敵に擬態する種も存在するとは聞くが…』

茜 「ならば、コイツらも…!?」

アーニャ「ゲッターと戦うため……ゲッターを倒すために…」

美穂「進化したって言うの…?この姿に…!」

晶葉『そうだな。敢えて名付けるとすれば、インベーダー・ゲッターキラーと言ったところか』

奈緒「インベーダー、ゲッターキラー…」

キラー1《……》

キラー2《……》

キラー3《……》

加蓮「わざわざ3体分に擬態してくるなんてね。それだけ、アタシ達のゲッターを恐れてるってことでオッケー?」

李衣菜「所詮姿を真似しただけの偽物なんだ…!あんなのに負けてられない!奈緒!」

奈緒「おう、分かってらぁ!!」 ギュンッ

 

真ゲッタービジョン。目にも止まらぬ高速機動でキラー2に迫り、ドリルを突き出す。

 

奈緒「おらぁっ!!」

キラー2《──》 ヒュンッ

奈緒「なっ…!?消えた…?」

加蓮「奈緒、後ろ!」

奈緒「えっ…」

キラー2《!!!》

 

真ゲッター2の後方、やや上部に姿を現したキラー2が構えたドリルアームのような部位が、触手のように伸びて真ゲッター2を狙う。

 

奈緒「うわっ!?こいつ…!触手のドリルアームかよ!?」

 

間一髪飛び退いて、初撃は躱すものの、その後も触手は執拗に真ゲッター2を追う。

 

茜 「奈緒さん!アーニャさん、直ぐに支援にいきましょう!!」

アーニャ「ダー!……!?」

 

真ゲッター2の援護に向かおうとしたプロト・ゲッター2の前に、キラー3が立ちはだかる。

 

茜 「…屍を越えていけと言うことですね!アーニャさん!」

アーニャ「…プラズマ・ファントム!!」

 

プロト・ゲッター2の高速機動。一瞬でキラー3に迫り、

 

美穂「ゲッターエネルギー、集束完了!アーニャちゃん!」

アーニャ「ドリル…!クラーッシュ!!」

 

ゲッターエネルギーを込めたドリルクラッシュを直撃させる。が、

 

アーニャ「…固い…っ!」

 

プロト・ゲッター2のドリルは、キラー3の甲殻に阻まれ、エネルギーも霧散した。

 

美穂「これ…!相手の中から高熱反応…?躱して、アーニャちゃん!」

アーニャ「!?」

 

プロト・ゲッター2が急いで交代すると同時、キラー3の体内から溢れ出す膨大な蒸気。そして中から飛び出したのは、

 

アーニャ「ミサイルストーム…。ううん、ミサイル型のインベーダー、ですか!」

 

体勢を変えて、高速で宇宙を駆けるプロト・ゲッター2の背後を、無数のミサイル・インベーダーがぴったりとくっついて来る。

 

美穂「こ、こんなの避けられないよ…!」

茜 「アーニャさん、一度分離を…!」

アーニャ「……!?」

 

回避運動を続けていたプロト・ゲッター2の眼前に、突如拳が現れた。

 

アーニャ「これは、ゲッターキラーの…!」

 

さながら、ゲッター3のパワーアームのように、プロト・ゲッター2の軌道を先回りして伸びたキラー3の拳が、強かにプロト・ゲッター2を打つ。

 

アーニャ「あぅ…!」

 

怯んだプロト・ゲッター2に、ミサイル・インベーダーが迫る。

 

アーニャ「お、オープンゲット…!」

 

辛うじてゲッターを分離させ、ミサイルの群れを躱す。

 

茜 「チェーンジゲッター1ッ!!」

 

そして、プロト・ゲッター1に合体し、

 

茜 「ドララララララララララッ!!」

 

両腕のガトリングガンで、先ずはミサイルを蹴散らす。

 

茜 「ただの擬態じゃありませんね!ゲッターの能力も、しっかり会得しているとは!!」

美穂「どうしよう…。あんまり相手をしている時間もないよ!」

茜 「兎に角、攻撃あるのみです!何か活路を見いだせるかも……!?」

 

直感でゲッターを仰け反らせる、その鼻先を白閃が薙いだ。

 

茜 「成る程…!ゲッター1と言うことは、貴方が相手、と言うことですか!!」

キラー1《……》

 

プロト・ゲッター1に対峙するキラー1。その手には真ゲッターのトマホークをより禍々しく、より先鋭にしたトマホークが握られていた。

 

茜 「望むところですっ!!」

 

プロト・ゲッター1と、キラー1が飛び出すのは同時。瞬時に両手の鉤爪を展開し、インベーダーの群れを掻い潜りながら、キラー1のトマホークと鍔迫り合いを演じる。

 

茜 「はっ!やぁッ!!」

キラー1《……》

茜 「うりゃぁあああああッ!!」

 

勢いよく右の鉤爪を振り下ろし、キラー1のトマホークを弾く。

 

キラー1《!!!?》

茜 「よし…!美穂さん、エネルギーのチャージは!?」

美穂「何時でもいけるよ!」

茜 「それならば!!」

 

キラー1に接する距離まで飛び込み、再度トマホークを展開させないようにその両手を掴み制する。そして、

 

茜 「プラズマ・ノヴァアアアッ!!!!」

 

ほぼ零距離と言った間合いから、出力一杯のプラズマ・ノヴァを打ち込む。辺り一帯がプラズマの生む爆煙に包まれた。

 

美穂「やった…?」

茜 「……どうです」

 

爆煙から距離を置き、事態を静観する。煙が宇宙に霧散していった後、そこにあったのは、

 

キラー1《……》

 

ほとんど無傷の、キラー1。

 

アーニャ「ゲッター飛焔の…!最大出力の、プラズマ・ノヴァが…!」

美穂「効いてないなんて…!」

茜 「っ…!」 ジャコンッ

 

悠然と立ちはだかるキラー1に臆せず、再度砲門を開くプロト・ゲッター1。

 

美穂「待って!プラズマ・ノヴァのチャージには、まだ時間が…」

茜 「まだ完全には再生しきっていない筈です!その隙に波状攻撃を叩き込めば…!」

 

両肩の砲身にエネルギーを充填させる。

 

茜 「ゲッタービームッ!!」

 

至近距離から放たれたゲッタービームに、キラー1は無反応。直撃。

 

茜 「今度こそどうです!?」

アーニャ「待ってください、様子が…」

 

ゲッタービームを受けたキラー1の体内で、エネルギーが増幅している。

 

美穂「ダメ…!避けて!」

茜 「!?」

キラー1《!!》

 

プロト・ゲッター1のビームを吸収。跳ね返すように自身のゲッタービームとして撃ち出した。

 

茜 「ぐぁあああああッ!!」

美穂「きゃああああっ!!」

アーニャ「っ……!大丈夫ですか?アカネ!」

茜 「な、何とか…!致命傷ではありません!ですが!!」

美穂「こっちのゲッタービームを吸収して跳ね返すなんて!」

茜 「それもそうですが…!これでは…」

 

シュルシュルシュルッ

 

茜 「!?」

 

キラー1に気を取られた隙に、背後から忍び寄ったキラー3の両腕が、プロト・ゲッター1を捕縛する。

 

茜 「ぐっ…!しまった…!?」

奈緒「茜!……ぅあ!?」

 

キラー2の触手ドリルアームにドリルアームで抗っていた真ゲッター2も、触手に巻き付かれ捕縛される。

 

奈緒「これは……ぐぅ…っ!」

加蓮「うぅ…っ!!」

 

電流のような衝撃がコックピットに奔り、

 

美穂「きゃあああああっ!!」

アーニャ「これは、ゲッターのエネルギーが…」

李衣菜「吸収されてる!?このままじゃぁ…」

伊賀利「李衣菜さん!皆さん!!……くっ!」

 

インベーダー’s()!()!()!()!()

 

救援に向かおうとする量産型ドラゴンを、無数のインベーダー群が阻んでいる。

 

李衣菜「うあぁああああ…!」

茜 「ぐぅぅぅ…っ!」

キラー3《!!》

キラー2《!!》

キラー1《……?》

 

ズォッ

 

奈緒「っ…!?」

 

彼方からの攻撃により、ゲッターを拘束していたキラー3とキラー2が吹き飛ぶ。

 

奈緒「な、何だ…?」

加蓮「ドラゴン軍団が、助けてくれた…?」

美穂「けど、ドラゴンが展開している方とは、違う方向から来たような…」

 

晶葉「今の攻撃は…?この局面で援護できるような軍隊など、地球にはもう…」

通信士「これは…!」

晶葉「どうした!?」

通信士「地球側から熱源反応!この反応は、無敵戦艦ダイです!!」

晶葉「無敵戦艦ダイだと!?」

 

地球から、それは浮上してくる。

 

アーニャ「まさか…」

李衣菜「あれって…!」

 

「「「恐竜帝国!!?」」」

 

晶葉「バカな…!?ここは宇宙空間だぞ!?単純なゲッター線量で言えば、地球よりも遥かに多い筈…。なのに何故!?」

 

恐竜オペレーター「アンチ・ゲッター線フィールド、動作正常。本艦へのゲッター線の影響を70%カット。現状の対ゲッター線装甲で対応可能域です!」

カムイ「うむ。ギガス隊、随時展開。人類軍の援護を!」

晶葉『まさか王自ら戦場に出てこようとは…』

カムイ「これは、早乙女研究所の池袋博士」

晶葉『無敵戦艦ダイが宇宙に出たことも興味深いが、その前に、ハ虫人類の海上への進出は、停戦条約により禁じられている筈…』

カムイ「条約違反に関しては詫びをしよう。そこに責があるとすれば、この戦いの後、然るべき処罰も受けよう」

晶葉『全ては覚悟の上、と言うことか?』

カムイ「無論。我らとて地球に生きる生命の1つ。巨大衛生の衝突など看過できるものではない。何より…」

晶葉『何より…?』

カムイ「ここで起たぬは、地球を救うために旅立ったアークチームへ、不義を示すことになる!!」

晶葉『アークチームへの不義、か…』

 

「その通り!!」

 

ズシャァッ

 

茜 「うぉっ!」

 

回転しながら飛来したトマホークが、プロト・ゲッター1を捕縛していたキラー3の腕を断ち切る。

 

茜 「これは…」

美穂「見て、あれ!」

茜 「あれが…!恐竜帝国の…!」

バイス「精々、莉嘉達に感謝することだな」

アーニャ「ゲッターロボ!」

 

バイス「これが噂の真ゲッターロボか?聞いていたより、大したことないな!」

李衣菜「違う違う!真ゲッターはこっち!」

バイス「ん?だがこっちの奴の肩には、”真”とあるが?」

茜 「それはそのぉ…」

ガンリュ-「無駄話はその辺りにしておけ」

奈緒「まったくだ。結局、噂より大したことないのは事実だろ?」

李衣菜「むぅ…!」

ゴズロ「体勢を直せ。敵はすぐに来る」

加蓮「こればっかりは、向こうの言うことが正解だね」

 

恐竜オペレーター「マグマ砲、次弾装填完了!!」

カムイ「うむ。砲撃開始!我々の熱、血潮を、宇宙ごときが冷やすことの敵わぬことを見せてやれ!!」

 

無敵戦艦ダイから放たれるマグマ砲が、インベーダーを燃やしていく。

 

晶葉『……素晴らしいな』

カムイ「元より技術力では、我々恐竜帝国の方が秀でていたことは、申し上げておく」

晶葉『違いない。ここは素直に、援軍に感謝しておくべきだな』

 

救援に現れたゲッターザウルスを中心に、真ゲッター2、プロト・ゲッター1が体勢を立て直す。

 

李衣菜「アンタ達、もしかして莉嘉が派遣されてた先の…」

ガンリュ-「そう。かつては穏健派と呼ばれていた一派さ」

カムイ『急進派を制し、今は我々が支配権を握っている。莉嘉達の協力がなければ、ここにだってこうしていられなかった』

美穂「だから、一緒に戦ってくれるんですね?」

バイス「はっ!勘違いすんじゃねぇぜ。地球がなくなっちまったら、莉嘉と決着をつけることも出来なくなるって、それだけよ」

 

カムイ「聞けぇ!恐竜帝国の若き兵達よ!ゲッターは既に、我々の忌むべき敵などではない!隣に並び、共に脅威に立ち向かう同胞なのだ!」

カムイ「そして人間達にも聞いてほしい…!これまでの恐竜帝国の行い、戦いの中で、多くの者が大切な家族を、仲間を失ったことは、紛う事なき事実であろう。これまでの我が同胞達の非道・非業を許してくれと頭を垂れたところで、到底許されるようなことではない事は承知している…!」

カムイ「だが!我々は1人の少女により、人とハ虫人類が歩み寄ることが出来る可能性を知った!その未来への大いなる可能性を、ここで失うわけにはいかないっ!!」

カムイ「人間達の憎しみも、ハ虫人類の怒りも、この皇帝・カムイが受ける!だから共に戦うのだ!共に戦ってほしい…!この地球の新たな未来の歴史を、これからも踏み標していく為に!!」

 

「「「うぉおおおおおッ!!」」」

 

烈火の如き勢いで、メカザウルス・ギガスの軍団が、量産型ドラゴン軍団の戦列に加わり、インベーダーの軍勢を押し返していく。

 

ハ虫兵「人間達に負けるなッ!我々の意地を見せてやれ!!」

連合兵「へっ!何だよ。折角の良いところ、恐竜帝国なんかに持っていかせるな!!人間の底力を、もう一度奴等に見せてやるんだッ!!」

 

ウォォオオオオオオオオッ

 

奈緒「…何か、スゴいな」

加蓮「うん…。当てられちゃうくらい熱くって、気持ちいい!」

奈緒「おっと!」

 

再度触手を伸ばしてきたキラー2の攻撃を、軽快なステップで躱す。

 

奈緒「そう何度も同じ手を喰らってたまるかよ!」

加蓮「油断しない。もう1体来る…!」

奈緒「何…?」

キラー1《……》

奈緒「くっそ…!何がなんでもあたしらを通したくないってか!」

バイス「なら、今度こそ真ゲッターに加勢させてもらうぜ!」

奈緒「!? 恐竜帝国のゲッターチームか!」

バイス「バイス。そしてコイツはゲッターザウルス。二度は言わん」

ガンリュ-「しかし、インベーダーが作ったゲッターが相手とは」

ゴズロ「腕が鳴るな。実力の見せ処だぞ、バイス」

奈緒「無茶だ!アイツはゲッター飛焔のビームだって跳ね返しちまう!生半可なゲッター兵器じゃ意味ないぞ!」

バイス「生半可、か。ゲッターザウルスの新兵器を試す相手には丁度良い!!」

 

ズワオッ

 

奈緒「うぉっ!?」

 

言うが早いか、ゲッターザウルスがゲッターの光に包まれる。

 

加蓮「この輝きは…」

李衣菜「ゲッターシャイン!?」

ガンリュ-「既にゲッター線は恐れるものではないと、カムイ様も申し上げた筈ですよ?」

ゴズロ「何も進化しているのはゲッターに選ばれた貴様らだけではない。見せてやれバイス、恐竜帝国の意地と技術の、進歩の力を!」

バイス「うぉおおおおおおッ!!」

 

ゲッターザウルスのゲッターシャインが、臨界を越える。

 

バイス「ザウル……スパァァーークッ!!」

 

ゲッターザウルス版シャインスパーク。ザウルスパークが、キラー1を貫く。

 

キラー1《!!?!?!?》

 

ザウルスパークのエネルギーを吸収しきれず、崩壊していくキラー1。

 

李衣菜「やった…!」

バイス「へへっ…!どうだぃ…?」

加蓮「…大丈夫なの?」

ガンリュ-「流石に、ゲッター線遮断服を着ていても、影響は免れきれませんか…」

奈緒「その状態で戦えるのか?!厄介なキラーを1体でも倒してくれたんだ。もう退がってくれても…」

ゴズロ「俺達の心配なら無用だ!それよりも早くガニメデへ!!」

茜 「そうです!キラーが残り2体なら!」

バイス「俺達で止めてやる!!」

李衣菜「奈緒!2人の言う通りだ!今のうちに!!」

奈緒「お、おう…!」

 

ガニメデに進路を向ける真ゲッター2に、キラー2とキラー3が迫るも、

 

茜 「真ゲッターの行く手は!」

バイス「邪魔させん!」

 

李衣菜「よし、このままガニメデまで直行だ!」

インベーダー’s《!!!!》

加蓮「流石に、ゲッターキラーは他には見当たらないか…」

奈緒「もう止められないからな!真ゲッタービジョン!!」

 

真ゲッター2の高速機動。幾つもの質量ある分身を生み、インベーダーを撹乱しながら、

 

奈緒「ゲッター!ミラージュドリルッ!!」

 

目にも止まらぬ速さのドリルの連続突きで、迫るインベーダーを貫きながら進路をこじ開けていく。

 

奈緒「ガニメデの表層が見えた!このまま突っ込むぞ!」

加蓮「OK!」

李衣菜「対ショック用意っと!」

 

激突音と砂塵が響いて、真ゲッター2の姿がガニメデの地中深くに消える。

 

ギャルギャルギャルギャルギャルギャルギャルッ

 

李衣菜「…これ、何処まで掘り進むつもり?」

奈緒「さぁな。適当なところで空洞でも作……ん?」

 

目の前を覆っていた岩盤が消え失せ、空洞に出る。

 

奈緒「何だ…?ここ…」

加蓮「奈緒、下を見て」

奈緒「下…?これって…!」

 

真ゲッター2の眼下に広がっていたのは、赤く煮えたぎるマグマのような、ガニメデの地層。

 

奈緒「どうなってやがんだ…?」

李衣菜「どうも何も、ガニメデの核でしょ」

奈緒「この距離で核なら真ゲッターでも溶けてるよ。それにこの空間…」

李衣菜「好都合だよ。急いで変形だ!」

加蓮「考え事してる余裕はないよ」

奈緒「…くそっ!オープンゲット!!」

 

李衣菜「チェーンジゲッター1ッ!!」

 

合体後、間髪をおかずにストナーサンシャインの発射体勢をとる。

 

李衣菜「これでチェックメイトだ!」

 

李衣菜「ストナァアアアアアッ!!」

李衣菜「サァァァァァンッ──!!」

 

奈緒「待て、何か来る!」

加蓮「ガニメデの方から…?あれって!?」

 

キラー1《!!!》

 

李衣菜「シャインッ!!!」

 

キラー1《!!!!!》

 

奈緒の制止が届かず、放たれたストナーサンシャイン。

 

李衣菜「ストナーサンシャインを受け止めた!?」

奈緒「よく見ろ!アイツの体!」

李衣菜「体…?……ガニメデの中に続いてる?」

加蓮「ってことは、ガニメデそのものがインベーダー!?」

奈緒「分析は後だ!躱せ!!」

李衣菜「って言っても、何処に避ければ…!」

奈緒「クッソ…!これもコーウェンとスティンガーの差し金かよ…!」

キラー1《!!!!》

李衣菜「うわぁ──ッ!!」

 

ガニメデと融合したキラー1が吸収したストナーサンシャインのエネルギーが、真ゲッター1に跳ね返ってくる。

 

3人「「「うわぁああああああああッ!!?」」」

 

ガニメデの外へと弾き出される真ゲッター1。しかし、それでも勢いは止まらず、

 

晶葉「真ゲッターが!?どうした!」

通信士「ガニメデ内部にエネルギー反応を確認!これは、インベーダーです!!」

晶葉「何…!?おのれ…!既にガニメデもインベーダー化させていたと言うことか!」

通信士「真ゲッターロボ、引力に引かれて地球に落下します!」

晶葉「マズい…!あの角度では、真ゲッターでも燃え尽きてしまう…!」

 

キラリ光って急降下。流れ星となる真ゲッター1。

 

通信士「……真ゲッターロボ、シグナル、ロストしました」

晶葉「…まさか」

 

李衣菜『大丈夫!』

晶葉「李衣菜…!生きてるのか!?」

李衣菜『そっちの観測圏内から出ただけ!こっちは大丈夫!』

 

奈緒「何が大丈夫だよ!?ゲッターも、あたし達もボロボロだ!」

李衣菜「あっはは~…。ごめんごめん。けど、バトルウィングをクッションにして、2人は守ったじゃん?」

奈緒「お前はなぁ~…!何時もそうやって、1人で傷付いて…!」

李衣菜「2人に何かあったら、凛に申し訳ないからね。…さて、と」

 

大破して装甲の殆どが剥がれ落ち、内部構造を剥き出しにした真ゲッター1を強引に立ち上がらせる。

 

晶葉『まさか…!まだやる気じゃないだろうな?』

李衣菜「当たり前!私達が何とかしないと、地球が粉々になっちゃう!」

晶葉『無茶だ!さっきの最大出力のストナーサンシャインで、真ゲッターの炉心も限界だ。それに、今の真ゲッターの状態で大気圏を離脱しようとすれば、そのまま空中分解で今度こそ終いだ!』

李衣菜「だからって、何もしない訳には…!」

 

晶葉「お前はよくやってくれたよ。ありがとう…」

李衣菜『晶葉…』

通信士「まもなく、ガニメデが地球の重力圏に入ります。晶葉さんも、早く避難を!」

晶葉「避難だと?今更何処に逃げ場所がある?」

通信士「それは…」

晶葉「ふっ…。この衛星から、地球の最後を見ることになるとはな…」

 

美穂「そんな…!作戦は失敗なの?」

アーニャ「終わり…?アーニャ達は…!」

茜 「まだです!まだここには、ゲッター飛焔の炉心があります!それを直接叩き付ければ…!」

バイス「はっ!人間にしては思い切ったことを考えるじゃないか!悪くない…!」

ガンリュ-「確かに、地球がなくなれば、どのみち失くなる命です」

ゴズロ「ならば、どこで、どのように使おうと、俺達の勝手だな」

伊賀利「当然、我々もお供させて頂きます!」

茜 「伊賀利さん…!」

伊賀利「ゲッター炉心なら、ここに幾らだってあるんです!遠慮なく使って下さい!」

連合兵「その通りだ!アイドルだけに、美味しいところ持っていかせるかよ!」

ハ虫兵「地球がどうにかなるって瀬戸際だ!やってみる価値ありますぜ!」

美穂「ん…?これ、無敵戦艦ダイが前に出てくる!?」

バイス「カムイ様!?」

カムイ「兵達ばかりには逝かせぬぞ!このダイで、貴君らの盾となろう!」

ガンリュ-「で、ですが…!それでは…!」

カムイ「恐竜帝国にも、まだ若き希望はある!その者の未来を、この星の明日を守るための戦いなのだ…!さぁ、皆の者、ダイに続けぇ!!」

 

ワァアアアアアッ

 

奈緒「クッソォ~…!戦場にいるのはバカばっかかよ…!」

加蓮「けど、皆の言う通りだ。結局死ぬならアタシ達だって…!でしょ、李衣菜?」

李衣菜「うん…!ゲッターがバラバラになろうが、私達が木っ端微塵になろうが!この星を守るためだってんなら何だってやってやる!こんなところで──!」

 

茜 「終わって──!」

バイス「負けて──!」

伊賀利「諦めて──!」

カムイ「終わらせて──!」

連合兵「インベーダーの無法を…!」

ハ虫兵「許して──!」

 

「「「「「──たまるかぁあああああああッ!!」」」」」

 

─────

───

─。

 

? 「──…ぁ」

? 「おはよ。ようやく起きた?」

? 「あ……はい。李衣菜ちゃんの……うぅん。もっとたくさんの声が聞こえました」

? 「みんなまだ戦ってるんだよ。私達も、眠ってばかりもいられない」

? 「はい。……大丈夫、ですよね?」

? 「大丈夫。自分を信じて」

? 「2人が力を貸してくれたんだもん。だからこの子も、きっと力を貸してくれる」

? 「後は、卯月の号令を待つだけだ」

? 「──はいっ。分かりました!」 スゥ…

 

卯月「チェェェーンジゲッタァァアアアー──ッ!!」

 

────。

 

ジャック「Fire!!」

 

BANG!!

 

ボブ「今ので最後か?」

ジャック「イエース!この島を襲ったインベーダーは、今のでLastだゼ!!」

サム「何だ。意外に呆気なかったな」

シュワルツ「…もうインベーダーを送る必要がねぇからかも知れねぇぜ」

ボブ・サム「「え?」」

シュワルツ「空を見てみな」

ボブ「空、だぁ?」

サム「あ、ありゃぁ…!」

リンダ「まさか、衛星ガニメデ…!?」

メリー「そんな!もうこんな近くまで…!?」

ジャック「Goddamm!!リーナ達は!?」

シュワルツ「さぁな。出来ることは、やっただろうよ」

メリー「何か、打つ手はないの…?」

ボブ「無理だろ。あんなもん見せられちゃ…」

サム「流石に何も手が出てこねぇよ。次元が違いすぎる」

シュワルツ「…一環の終わりってかよ…!」

リンダ「……ん?これは…」

ジャック「Hey!どうかしたか、リンダ?」

リンダ「ここ一帯のゲッター線濃度が上昇しているわ」

メリー「…本当!もうすぐ危険域を越えるわ!私達のマシンでも耐えられなくなるわよ!」

ジャック「Shit!直ぐに撤退だ!!」

ボブ「一体何が起こるってんだァ…!?」

 

通信士「──…これは!?」

晶葉「……今度はなんだ?」

通信士「超高濃度のゲッターエネルギー反応確認!これは、真ドラゴンが現れた、火山島からです!」

晶葉「火山島……真ドラゴン…?まさか目覚めると言うのか?このタイミングで!だが、どうする!?」

 

火山が火を噴く。高濃度のゲッター線が、大気に異常を引き起こし、空は風で吹き荒れ、海は荒波でうねり、嵐の様相をも越える、正に神話の天地創造のような光景の中、その渦中で、島そのものを吹き飛ばすかのような噴火を産声に、それは姿を顕す。

 

卯月「──真ッ!ドォォラゴォォォンッ!!」

 

姿そのものはゲッタードラゴンに酷似しているが、これまでのゲッターを凌駕する巨躯、全体的にマッシブで、雄々しいシルエット。嵐を統べるように、それらを従えて悠然と立つ、その姿こそ真ゲッタードラゴン!!

 

晶葉『卯月!卯月なのか!?』

卯月「晶葉ちゃん!はい、お久し振りです!!」

晶葉『最悪のタイミング過ぎるぞ!地球は、もう…!』

卯月「とにかく直ぐ、そっちに行きますね?──真・マッハスペシャル!!」

 

シュンッ

 

指の1本も動かさず、今までのものが蜃気楼かのように消え去った真ドラゴンの姿は、

 

通信士「わっ!?」

 

瞬時にして、晶葉達のいる衛星ムーンシャドーの眼前に現れた。

 

晶葉「……これが、真ゲッター、ドラゴン…」

バイス「何だ、あれは!?」

美穂「ゲッターロボGの反応…。もしかして、卯月ちゃん!?」

卯月「はいっ!ただいま戻りましたよ、美穂ちゃん!」

美穂「卯月ちゃん…?ホントに卯月ちゃんだぁ…!」

茜 「と言うこと、あれが噂の、真ゲッタードラゴン!?」

アーニャ「アー、何か不満が?アカネ?」

茜 「あぁいえ、何と言いますか…。もっとウザーラみたいなのが出てくると思ってまして…」

卯月「今回は人型で!その方が何かと使いやすいですから!」

アーニャ「はぁ…?」

ガンリュ-「油断するな!飛焔チーム!」

茜 「うぁ…!?」

バイス「くそっ!」

 

プロト・ゲッター1とゲッターザウルスが相手取っていたキラー2、キラー3が両機を押し退けて飛び出してくる。

 

ゴズロ「真ドラゴンに狙いを定めたか!」

美穂「卯月ちゃん!その相手は、只者じゃないよ!」

卯月「美穂ちゃん……ありがとうございます。確かに只者じゃなさそうですね…。けど…!」

 

それぞれにドリルと拳を構えて、キラー2とキラー3が迫る。

 

卯月「こっちも、ただのゲッターじゃありません!」

 

ガギィンッ

 

美穂「え…?」

バイス「な…っ!?」

 

真ドラゴンに向けて放たれた、キラー2とキラー3の攻撃を、真ドラゴンの胴体、そして下半身からその姿を覗かせたゲッターライガーとゲッターポセイドンの上半身がそれぞれ受け止めている。

 

キラー2《……!?》

凛 「真ゲッターにも出来る芸当だよ?真ドラゴンに出来ないと思わないで!」

キラー3《!??!…!?》

未央「しっかし、インベーダーの分際でゲッターを真似しようとは、フテー奴らだ!」

アーニャ「リン…!それに、ミオ!」

未央「チャオ!アーニャン!不肖本田未央!長い沈黙を破りただいま帰還しました!!」

茜 「本当に、本当に!未央ちゃんなんですね!?」

未央「やだなー茜ちん!正真正銘、本物の私さ!今回はちゃんと、足も付いてる!」

美穂「足…?」

凛 「お喋りはそこまで。先ずはこのゲッター擬きをやるよ!」

未央「アイサーしぶりん!いっちょ派手に、やったりますか~!」

キラー2・3《!!!》

 

真ドラゴンの気配を察知して、即座に距離を取るキラー2、キラー3。

 

凛 「逃がさないよ。チェーンアタック!!」

未央「フィンガーネット!!」

 

シュルシュルシュルッ

 

ゲッターライガーの腕から伸びたチェーンアタックと、ゲッターポセイドンのフィンガーネットが、キラー2と3をそれぞれ捕縛する。

 

キラー2・3《……!!》

未央「それじゃあしぶりん?1、2~?」

凛 「仕方ない。……3っ!」

 

未央のカウントに合わせた凛の掛け声に合わせ、それぞれの獲物を振るい、真ドラゴンの正面で打ち合わせる。

 

凛・未央「「今だ、卯月!」」

卯月「ゲッタービームッ!!」

 

正面でもつれ合うキラー2とキラー3を、まとめて額からのゲッタービームで蒸発させる。

 

バイス「…何て威力だ」

茜 「飛焔のビームでは倒せなかった、ゲッターキラーを…!」

凛 「さて、残るは…」

卯月「…はいっ」

 

視線を上げて、ガニメデを睨む。

 

卯月「こちら真ドラゴン!真ドラゴンの正面、戦場にいる友軍は、直ちに退避してください!」

 

カムイ「…何?」

伊賀利「退避…?」

卯月「ゲッタービームを撃ちます!」

 

真ドラゴンの両手を拳で強く握り、腕を左右に大きく開いてゲッタービームの発射体勢を取る。

 

バイス「ゲッタービームでガニメデを破壊するだと!?」

晶葉『真ドラゴンなら、出来るかもしれん…。だが、既にガニメデは地球の重力圏に入っている!破壊したとして、砕け散った破片が地球に降り注ぐぞ!』

カムイ「それくらいならば、我々の総力を上げて可能な限り粉砕すれば良い!」

茜 「何も手がないよりましです!」

晶葉『手段は選んでられんか…!』

卯月「──!!」

 

ゲッターエネルギーが、真ドラゴンを中心に集束していき、真ドラゴンの全身をも覆うような巨大なエネルギー場を形成していく。

 

卯月「ゲッター…!」

 

パリパリと稲妻のように、真ドラゴンの周囲でゲッター線がスパークし、エネルギーが臨界を迎える。

 

卯月「ビィィーーームッ!!」

 

そして放たれる、超特大級のゲッタービーム。真ドラゴンの全長を優に凌ぐ直径の光線が、真っ直ぐにガニメデに向かっていき、その前に展開するインベーダーすら塵芥のごとく消し飛ばして、ガニメデの地表に激突した。

 

晶葉「…む?これは…」

 

そして、放出され続けるゲッタービームは、ガニメデを貫通はせず、その表面を覆うように広がっていき、

 

伊賀利「あぁ…!?」

 

ガニメデの全体をすっぽりと呑み込んだ。

 

連合兵「何が起こってんだ?」

ハ虫兵「信じられん…!俺達は、何を見せられている!?」

 

ビームに覆われたガニメデが、飴玉を溶かすように少しずつ、少しずつその径を小さくしていき、

 

バイス「……」

カムイ「……」

茜 「……!」

 

先程まで地球に迫っていた危機が、まるで幻だったかのように、木星の第3衛星ガニメデは消滅した。

 

通信士「……」

晶葉「……完全に、消し去ったのか…?破片も、ほんの一片の欠片も残さず、月以上の質量を持つ、あの衛星を?…あっはは」

加蓮「確かに、もう笑うしかないかも」

卯月「李衣菜ちゃん!真ゲッターチームのみんな!」

凛 「奈緒も加蓮も、お疲れ様」

奈緒「お疲れ様、じゃねぇよ!」

李衣菜「ホント!美味しいとこだけ持ってっちゃってさ!」

卯月「あはは…」

未央「まーまー。未央ちゃんの快気祝いなんだし、これくらい派手にやっても、ね?」

加蓮「ね?って、可愛く言われても、ねぇ?」

奈緒「いくらゲッターがトンデモだとは言ってもよぉ、流石にトンデモが過ぎねぇか?」

卯月「すいません…。あんまり時間を掛けてるわけにもいかなかったので…」

李衣菜「? どう言うこと?」

卯月「莉嘉ちゃん達を迎えに行ってきますね?」

美穂「えぇ!?」

奈緒「出来るのか!?」

卯月「はいっ!何処の世界に行ったのかは、ゲッター線が導いてくれますから!後は、そこと空間を繋ぐだけです!」

奈緒「空間を繋ぐって、しれっととんでもないことまた言ってないか?」

李衣菜「私達も行くよ!」

卯月「大丈夫です。直ぐに帰ってきますから」

美穂「直ぐって…」

卯月「ビックリさせないために先に言っておきますけど、ここの時空では、今から大体5分後くらいです」

アーニャ「そんなに早く…?」

未央「いやいや。その間に向こうでは結構な時間を使っては来るんだよ?」

アーニャ「……?よく分かりません」

凛 「まぁ、何事もなければ、無事にアークチームは連れて帰ってくるだけだから。それだけを覚えててくれれば良いよ」

卯月「ゲッタートマホーク!」

 

肩口から長大なゲッタートマホークを取り出し、何もない空間を切り裂く。

 

アーニャ「空間が…」

晶葉『自在に時空間を切り開けるのか?』

卯月「そんなところです。時間と空間のメカニズムは、ゲッターには解明されてますから。それじゃあ、ちょっと行ってきますね?」

美穂「う、うん……いってらっしゃい…」

凛 「急ごう。向こうの時間にも限りはあるよ」

卯月「はいっ!」

 

ズワッ

 

真ドラゴンが突入すると同時、裂かれた空間は閉じ、通常の空間が戻る。

 

茜 「……」

アーニャ「……」

美穂「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

李衣菜「…あー、何か、嵐みたいだったね?」

奈緒「あたし、キツネにでも化かされてるんじゃないかって思った」

李衣菜「あははっ!確かにそうかも」

美穂「でも、地球の危機は去ったんだよね?取り敢えず…」

晶葉『あぁ。私も、これまでのことがで全部冗談のように思えてきたが…』

加蓮「とにかく帰ろっか?これからまた忙しくなりそうだし。少しくらい、ゆっくりしてもバチ当たらないんじゃない?」

李衣菜「そうだね。…うん、帰ろう。私達の地球へ──!!」

 

── 異空間内。

 

卯月「…間に合ってくれれば、良いんですけど」

未央「大丈夫。卯月が心配しなくても、莉嘉達はちゃんと乗り越えてくれるはずだし、ゲッターアークだって、莉嘉達を守ってくれる筈だよ」

卯月「そうですよね。…うん」

凛 「少なくとも、神を騙る無法者は、黙ってみてられないよね」

卯月「はいっ!そのためにも…!」

 

卯月(莉嘉ちゃん、美波さん、かな子ちゃん…!待ってて下さいね──!)

 

つづく

 




予告

人は愚か故に裁きを受けるのか。死こそが救済であり贖罪であると言えるのだろうか。
その答えを神のみぞ知るとすれば、神が求める人の滅びは避けられない必然か。
わだかまりを捨て去り、チームとして完成した莉嘉達の前に、神を騙る最後の試練が立ちはだかる──。

次回、『四神降臨』。
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