「いやぁ…晴れたな。晴天だ」
「洗濯日和ね…!!」
そう言って、仲良く洗濯物を干す二人。
「仕事とか、面倒でやってられんよな」
「いや、頑張ろうよ」
「物売って行こうぜ…って、仕事してることになるのか。雑貨屋…?何でも屋…かな?なんていうんだろ…まぁいいや。とりあえずニートじゃない」
「…店舗にするの?」
「生産するだけだって。店開いたらルーミアとくっつく時間が減るっての」
「なら良し。ばっちりよ。迅真」
「当たり前だ。俺はお前と一緒にいるためなら何でもするぜ」
「迅真…!!」
手に持ってる洗濯物を物干し竿に干してから迅真に抱き着く。
「おっと。ふふふ。いくらでも頼ってくれて構わないんだぜ。出来る範囲の事ならいくらでも。出来ない事なら限界超えてやってやる」
「それは私をダメにするって宣言?」
「そう取って貰っても構わないぜ」
「わーい!でも私も働くからね?」
ルーミアの言葉に、迅真は硬直する。
そして、震える声で、
「え、マジで?」
「本気よ」
「……じゃあ、家事を頼むかな」
「それでも私は迅真の手伝いをするのよ」
「えぇ…仕方ない。じゃあ何かやる事考えるよ。とりあえず洗濯を終わらせよう」
「は~い」
そうして、二人は手早く洗濯物を干す。
* * *
「で、今日は服を作ろうと思うんだ」
「……私はもしかして採寸されるだけ?」
「いや、ちゃんとそれ以外の役目も用意してるから安心して。まぁ、今回の服作りはちょっと外に出せない奴だからな。趣味の範囲内だ。ルーミア。こっち来て」
「趣味の範囲内って…」
迅真の傍に行くと、バッグから取り出した巻尺で採寸を始める。
「ほいほいっと。ん~…やっぱり目測と少し違うな…まぁ、誤差の範囲内だな。んじゃあルーミア。このハサミでこの布のラインに沿って切って」
「分かった」
布は空色の布だった。赤いラインが引かれているので、それに沿って切り始めるルーミア。
「……今のルーミアに似合うか…?封印を解いたら多分似合うと思うんだけど…いいや。まだ修正出来るからちょっとだけ完成図を改編だな。ただ、この姿で外に出ない様にしないと…」
迅真はぶつぶつ呟いている間にもルーミアの作業は進み、
「終わったよ?」
「お。終わったか。よしよし。じゃあ、後は俺の仕事だな」
「え、私の仕事終わり?」
「終わり――――って言いたいけど、同じのをもう一回。封印解いた姿で採寸してまた布切って貰って良い?」
「仕事があるなら問題なしね。もう寝てるだけとかつまらないのよ」
「おぉぅ、すまんな。次からは何か仕事を考えとくよ」
「お願いね」
迅真は部屋から妖力が漏れない様に空間の存在を歪ませ、封印を解く。
闇が一度ルーミアを覆った後、迅真と同年代くらいの少女にまで成長した姿を現す。
「いつも思うけど、服変わらないよな。どうなってんだ?」
「ん~…封印が解かれた時に一度闇で覆うのは、服が消し飛んじゃうから、生成するまでの時間ね。五秒かかってないと思うけど…どういう風に出来てるのかは分からないわ。なんせ私も見えてないからね」
「数百年経って衝撃の事実だよ。驚きだよ」
「いやいや、迅真は知ってるんじゃないの?私の記憶のぞいてるでしょ?」
「フッ…なぜ愛しい人の記憶を探るのさ。そんなストーカーみたいなクズ行為に走る前にちゃんと聞くぜ」
「私的には別に見られて困るモノが無いから良いんだけどね?」
「そうなのか?じゃあ後で見る事にしよう。今見たらちょっとダメな気がする。記憶を見るなら寝る直前だな。夢の中で理解できるし」
「そう?じゃあそれで良いわ」
「おぅ。じゃあ採寸を始めるぜ」
「お願いね」
そう言って採寸を始め――――
「ルーミアって、封印を解くと一気に成長するよな。どこがとは言わないけど」
「全体的にすごくなってる実感はあるわ」
まさに理想の体型というレベルの体つきだった。
「いやぁ…コレは作り甲斐があるな。どうやって彩るか。今から楽しみだぜ」
迅真はそう言うと、いくつかの布を取り出して、一気に線を引いて行く。
「取りあえず、これをさっきと同じように切ってくれ。それが終わったら寝てても良いし、暇ならこの傷物の宝石を大玉にしておいてくれ。そうすれば後は売るだけだからな。任せたぜ」
「ん。了解」
迅真から渡されたのは、先ほどと同じような空色の布が二枚。濃い青色が一枚。
ルーミアはサクサクとそれを進めていき、迅真は迅真で別の事をする。
そして、
「「よし。出来た」」
二人、ほぼ同時に終わる。
「おぉ、ルーミアも終わったか。じゃあ、着てみてくれ」
「早くない?大丈夫なの?」
「安心しな。完璧だ。問題があるとしたら、もう一度封印をかけなおさなくちゃいけない事だな」
「最重要じゃない」
言いながら、ルーミアは自分から封印札を結び、小さくなると、迅真から服を受け取って着替えに行く。
「さて。着替え終わるまでの時間でもう一着くらいは出来るか」
サクサクと進めつつ、ルーミアが戻ってくるのを待つ迅真。
「迅真~…これ、どうなの?」
勢いよく扉を開き、入ってくるルーミア。腕の付け根の下部分から上は二本の紐でしか止まっていない、俗に肩紐ワンピースと呼ばれる部類の服だ。
空色の布を主体として作っており、下の部分に青色の花が
「うん。涼しそう。問題ないな」
「そう?私的には露出が多い様な気がするんだけど」
「安心しろ。外には行かせないから。この時代じゃあったらダメな奴だから。この屋敷の中だけだぞ」
「は~い。分かったわ。ていうか、私もこんな服で出たくないわ」
「そ、そうか…そこまでハッキリ言われると複雑なんだが、まぁ良い。ルーミアが着てくれただけで満足だ。ありがとな」
「うん。迅真が喜んでくれるならそれで十分よ。こっちこそありがとね」
迅真はルーミアの頭を撫でつつ、今日は何もしないことにした。