東方存在録   作:大神 龍

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存在録初コラボ!!

今回は『生きる死神』様の『東方無集録』より、『全無 真也』君です!!


第十三話 コラボ 1‐1‐1

「よしよし。これで良いはずだ」

 

 何やら陣の様なものを書いていた迅真。どうやらそれが書き終わったらしく、迅真は起き上がってルーミアの元へと歩いて行く。

 

「何書いてたの?」

 

「異次元への門」

 

 さらっととんでもない事を言う迅真。

 

「そんなの作って大丈夫なの?」

 

「大丈夫…だろ。怒られはしないはず」

 

「いや、次元に喧嘩売ってますよね!?」

 

 突然現れる紫。

 

「なんだよ…世界線の壁は越えるためにあるだろ?」

 

「確信犯ですか!!」

 

 紫の言う様に、完全に確信犯である。

 

 だが、迅真は全く悪びれる様子は無い。

 

「次元の壁を超える!!」

 

「超えるなぁ!!」

 

「だが断る!」

 

 妙にキリッ!とした表情で言う迅真。

 

「それで壁が壊れたらどうするんですか!」

 

「『大嘘憑き(オールフィクション)』『次元の壁が壊れた事をなかった事にした』ってすれば良いと思ってる」

 

「そんなあっさり!?」

 

「つか、それをしていたお前に言われたくない」

 

「あ~もう!あーいえばこーいう!ルーミアさん!迅真さんってこんな人でしたっけ!?」

 

「安心して。迅真は目的達成の為に大体手段は選ばないわ」

 

「この人もダメだぁぁぁ!!!」

 

 紫の絶叫が響く。すると、さきほど書いていた陣が光り出す。

 

「おぉ、早速お客様だ」

 

「案外早いね」

 

「さっきの今で!?」

 

 完成してから五分も経ってない。紫が驚くのも無理はないだろう。

 

 出て来たのは、黒のズボンに白い半袖のワイシャツと灰色のカーディガン。黒いバラのペンダントを付けており、右手には黒い腕時計、左手には赤と黒のペンダントが付けられていた。

 

 そして、その傍らには薄く緑がかった癖のある灰色のセミロングをした、緑色の瞳をした少女。ハートの髪飾りで髪を後ろに結って、ポニーテイルにしていた。

 

「よぅ『真也(しんや)』。久しぶり」

 

「そんなに久しぶりじゃないでしょ~?」

 

 『全無(ぜんむ) 真也(しんや)』。数十年前、桜と戦った時に呼んだ人物の内の一人。たしか能力は『無を操る程度の能力』だったか。

 

「一応、こっちでは久しぶりだからな」

 

「あ~…なるほど~」

 

「まぁ、感覚としてはまた会ったなって感じなんだけどな」

 

 そう言って迅真は視線をそのまま横へと逸らし、

 

「で、今回は彼女連れか」

 

「そうだよ~。羨ましい~?」

 

「もぅ、真也ってば…」

 

 彼女とひっそり肯定されたのが恥ずかしいのか嬉しいのか、とにかく顔を赤くする少女改めこいし。

 

「ハハハ。まぁ、真也にとってはその子がお前の支えって事が良く分かるな」

 

 迅真は微笑みつつ、ルーミアを引き寄せる。ちなみに紫は真也が来た辺りでいなくなった。

 

「迅真の支えはその人なんだね~」

 

「あぁ、ルーミアが俺の支えだ。正直こいつがいなくなったら死ねる自信があるな」

 

「そこまで言うなら私を一人にしないでほしかったわ」

 

「うぐっ」

 

 鋭いルーミアの一言に思わず固まる迅真。

 

「い、いや、ほら、それは、その…ゆ、油断した俺のミスというか、腹に風穴開けられて能力消されたら終わりなんですよ…その…はい…すいませんでした!!」

 

 突き刺さる鋭い視線に耐えられず、謝る迅真。

 

「それで~…なんで僕たちはここに来ちゃったのかな~?」

 

「ん?あ~…あれだ。俺のノリと勢いによって作られた次元の門により、うっかり召喚されてしまったのだ!」

 

「僕は君を許さなくても良いかな~?」

 

「いいともー!」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ!!」

 

 ズパァンッ!と破裂音の様な素早い拳が迅真の腹部に刺さる。

 

「うぐぅ…ルーミア…なんでそんな本気の強烈な一撃が走るんですか…痛いですぅ…」

 

 どさりと倒れ込む迅真。

 

「全く…バカな事言うからこうなるのよ。そもそも人に喧嘩を売らない。貴方それでたまに危ない目に会ってるでしょうが」

 

「そんなに危ないことしてるの~?」

 

「んな馬鹿な…そんなアホみたいなことをしたのなんて…数えるくらいしか…ないぞ?」

 

「その間はなにかな~?」

 

「十分問題だよね」

 

「ひ、ひでぇ!!一体俺が何をしたっていうんだ!!」

 

「無意識に面倒事に首を突っ込むからでしょうがぁ!!」

 

「うぎゃあぁぁぁぁ!!」

 

 勢いよくルーミアに蹴飛ばされ、迅真は倒れ込むと、

 

「うぐぅ…と、とりあえず、お茶とお菓子を持って来よう…自家製だぜ…」

 

「おぉ~!それは楽しみだ~!」

 

「どんなのが出て来るんだろうね~!」

 

「全力の料理スキルって奴を見せてやるよ…!!」

 

 迅真は真也とこいしを居間に入れると、台所に向かう。

 

「で、何作るつもりなのかな~?」

 

「楽しみだね~!」

 

「ん~…緑茶を置いてったし…たぶん…でも、どうやって作るんだろ?」

 

 三人がそれぞれわくわくしながら待つ事数分。

 

「よし!完成だ!!」

 

「早くない?」

 

 持ってきたのは和菓子。しかも、明らかに日持ちしないであろうもの。

 

「すご~い!!さっき作ったの!?」

 

「きれいな和菓子だね~…」

 

 おそらく餡子なのだろう。それが薔薇の様に整えられていた。

 

「ん~…黒薔薇?」

 

「イメージはそれだ頑張っては見たが、難しいな。さすがにこれが限界だった。次までにはもうちょっと腕を上げておくぜ」

 

「すでに十分な気がするけどなぁ~…まだ上達するの~?」

 

 作られているのは、もはや芸術と言えるほどの和菓子だ。ちなみに、ルーミアに出されたのは、今にも動き出しそうな白鳥だった。正直食べにくくて仕方がないが、ルーミアはそれを言わない。

 

「俺が限界だと思ったならそれが俺の限界だ。俺に限界は無い!!」

 

「そ、そうなんだ~…迅真ってそんなに熱い人だっけ~?」

 

「死んでからちょっと性格変わってるわ」

 

「え…そ、そんなに変わってるか?自覚無いんだが」

 

「そもそも最初から安定してないけどね」

 

「迅真って精神不安定なの!?」

 

「そうだったの~!?」

 

「んな訳あるか!!」

 

 言いつつ、これまでを振り返ってみると、ルーミアの指摘を否定しきれない事に気付き、一瞬凍るも、押し通す。

 

「今一瞬硬直した気がしたけど、気のせい?」

 

「気のせいじゃないわね」

 

「やっぱり不安定なんじゃんか~」

 

「ルーミアァァァ!?」

 

 あっさりと裏切られる迅真。最近ルーミアの態度がツンツンしている気がするが、気のせいだと信じたい迅真だった。

 

「まぁ、とりあえずくつろいでくれよ。帰りたくなったら言ってくれ。何時でも帰してやる」

 

「お~。じゃあ気が向くまでいようかな~」

 

「夜には帰った方が良くない?迷惑だし、お姉ちゃんたちも心配するよ?」

 

「あぁ、その事に関してだが、時間の流れはお前達がこっちに来ている間、お前らの世界の時間はほとんど進んでないぞ。こっちの一日が向こうの一分くらいの差だ。だから丸々一日居ても問題ないぜ」

 

「へぇ~。そんな事も出来るんだ~」

 

「無駄に万能な能力よねぇ…」

 

 モグモグと和菓子を食べつつ、ルーミアは言う。

 

「それで、どうする?布団も、たまにやってくる奴らの為にいくつか確保してるから余ってるし、泊まること自体に問題は無いぞ」

 

「妙に準備万端だねぇ~…何か企んでるの~?」

 

「せっかく異世界ゲート開いたんだぜ?全力で楽しみたいだろうが」

 

「その為だけにする準備じゃないと思うんだけど~…」

 

「何をするにも全力で。俺の座右の銘だぜ」

 

「前もそんな事言ってたわね」

 

「全力…楽しそうだね~!」

 

「じゃあ僕もそれを見習おうかな~。今日は泊まって行こ~!」

 

 という事で、と言わんばかりの表情で、三人は迅真に向かって一言。

 

「「「和菓子おかわり」」」

 

「今の会話の最中に食ったのかよ!っていうか、ルーミア!俺のも食ったな!?」

 

 驚きの声を上げつつ、作るために台所へと戻って行く迅真なのだった。




迅真の料理スキルは今なお向上中。留まるところを知らない模様。でも白鳥の奴だけはめちゃくちゃ食べにくいと思う。

後二話くらい続きますよ!!よろしくお願いします!!(`・ω・´)ゞ
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