今回は『生きる死神』様の『東方無集録』より、『全無 真也』君です!!
「よしよし。これで良いはずだ」
何やら陣の様なものを書いていた迅真。どうやらそれが書き終わったらしく、迅真は起き上がってルーミアの元へと歩いて行く。
「何書いてたの?」
「異次元への門」
さらっととんでもない事を言う迅真。
「そんなの作って大丈夫なの?」
「大丈夫…だろ。怒られはしないはず」
「いや、次元に喧嘩売ってますよね!?」
突然現れる紫。
「なんだよ…世界線の壁は越えるためにあるだろ?」
「確信犯ですか!!」
紫の言う様に、完全に確信犯である。
だが、迅真は全く悪びれる様子は無い。
「次元の壁を超える!!」
「超えるなぁ!!」
「だが断る!」
妙にキリッ!とした表情で言う迅真。
「それで壁が壊れたらどうするんですか!」
「『
「そんなあっさり!?」
「つか、それをしていたお前に言われたくない」
「あ~もう!あーいえばこーいう!ルーミアさん!迅真さんってこんな人でしたっけ!?」
「安心して。迅真は目的達成の為に大体手段は選ばないわ」
「この人もダメだぁぁぁ!!!」
紫の絶叫が響く。すると、さきほど書いていた陣が光り出す。
「おぉ、早速お客様だ」
「案外早いね」
「さっきの今で!?」
完成してから五分も経ってない。紫が驚くのも無理はないだろう。
出て来たのは、黒のズボンに白い半袖のワイシャツと灰色のカーディガン。黒いバラのペンダントを付けており、右手には黒い腕時計、左手には赤と黒のペンダントが付けられていた。
そして、その傍らには薄く緑がかった癖のある灰色のセミロングをした、緑色の瞳をした少女。ハートの髪飾りで髪を後ろに結って、ポニーテイルにしていた。
「よぅ『
「そんなに久しぶりじゃないでしょ~?」
『
「一応、こっちでは久しぶりだからな」
「あ~…なるほど~」
「まぁ、感覚としてはまた会ったなって感じなんだけどな」
そう言って迅真は視線をそのまま横へと逸らし、
「で、今回は彼女連れか」
「そうだよ~。羨ましい~?」
「もぅ、真也ってば…」
彼女とひっそり肯定されたのが恥ずかしいのか嬉しいのか、とにかく顔を赤くする少女改めこいし。
「ハハハ。まぁ、真也にとってはその子がお前の支えって事が良く分かるな」
迅真は微笑みつつ、ルーミアを引き寄せる。ちなみに紫は真也が来た辺りでいなくなった。
「迅真の支えはその人なんだね~」
「あぁ、ルーミアが俺の支えだ。正直こいつがいなくなったら死ねる自信があるな」
「そこまで言うなら私を一人にしないでほしかったわ」
「うぐっ」
鋭いルーミアの一言に思わず固まる迅真。
「い、いや、ほら、それは、その…ゆ、油断した俺のミスというか、腹に風穴開けられて能力消されたら終わりなんですよ…その…はい…すいませんでした!!」
突き刺さる鋭い視線に耐えられず、謝る迅真。
「それで~…なんで僕たちはここに来ちゃったのかな~?」
「ん?あ~…あれだ。俺のノリと勢いによって作られた次元の門により、うっかり召喚されてしまったのだ!」
「僕は君を許さなくても良いかな~?」
「いいともー!」
「馬鹿言ってんじゃないわよ!!」
ズパァンッ!と破裂音の様な素早い拳が迅真の腹部に刺さる。
「うぐぅ…ルーミア…なんでそんな本気の強烈な一撃が走るんですか…痛いですぅ…」
どさりと倒れ込む迅真。
「全く…バカな事言うからこうなるのよ。そもそも人に喧嘩を売らない。貴方それでたまに危ない目に会ってるでしょうが」
「そんなに危ないことしてるの~?」
「んな馬鹿な…そんなアホみたいなことをしたのなんて…数えるくらいしか…ないぞ?」
「その間はなにかな~?」
「十分問題だよね」
「ひ、ひでぇ!!一体俺が何をしたっていうんだ!!」
「無意識に面倒事に首を突っ込むからでしょうがぁ!!」
「うぎゃあぁぁぁぁ!!」
勢いよくルーミアに蹴飛ばされ、迅真は倒れ込むと、
「うぐぅ…と、とりあえず、お茶とお菓子を持って来よう…自家製だぜ…」
「おぉ~!それは楽しみだ~!」
「どんなのが出て来るんだろうね~!」
「全力の料理スキルって奴を見せてやるよ…!!」
迅真は真也とこいしを居間に入れると、台所に向かう。
「で、何作るつもりなのかな~?」
「楽しみだね~!」
「ん~…緑茶を置いてったし…たぶん…でも、どうやって作るんだろ?」
三人がそれぞれわくわくしながら待つ事数分。
「よし!完成だ!!」
「早くない?」
持ってきたのは和菓子。しかも、明らかに日持ちしないであろうもの。
「すご~い!!さっき作ったの!?」
「きれいな和菓子だね~…」
おそらく餡子なのだろう。それが薔薇の様に整えられていた。
「ん~…黒薔薇?」
「イメージはそれだ頑張っては見たが、難しいな。さすがにこれが限界だった。次までにはもうちょっと腕を上げておくぜ」
「すでに十分な気がするけどなぁ~…まだ上達するの~?」
作られているのは、もはや芸術と言えるほどの和菓子だ。ちなみに、ルーミアに出されたのは、今にも動き出しそうな白鳥だった。正直食べにくくて仕方がないが、ルーミアはそれを言わない。
「俺が限界だと思ったならそれが俺の限界だ。俺に限界は無い!!」
「そ、そうなんだ~…迅真ってそんなに熱い人だっけ~?」
「死んでからちょっと性格変わってるわ」
「え…そ、そんなに変わってるか?自覚無いんだが」
「そもそも最初から安定してないけどね」
「迅真って精神不安定なの!?」
「そうだったの~!?」
「んな訳あるか!!」
言いつつ、これまでを振り返ってみると、ルーミアの指摘を否定しきれない事に気付き、一瞬凍るも、押し通す。
「今一瞬硬直した気がしたけど、気のせい?」
「気のせいじゃないわね」
「やっぱり不安定なんじゃんか~」
「ルーミアァァァ!?」
あっさりと裏切られる迅真。最近ルーミアの態度がツンツンしている気がするが、気のせいだと信じたい迅真だった。
「まぁ、とりあえずくつろいでくれよ。帰りたくなったら言ってくれ。何時でも帰してやる」
「お~。じゃあ気が向くまでいようかな~」
「夜には帰った方が良くない?迷惑だし、お姉ちゃんたちも心配するよ?」
「あぁ、その事に関してだが、時間の流れはお前達がこっちに来ている間、お前らの世界の時間はほとんど進んでないぞ。こっちの一日が向こうの一分くらいの差だ。だから丸々一日居ても問題ないぜ」
「へぇ~。そんな事も出来るんだ~」
「無駄に万能な能力よねぇ…」
モグモグと和菓子を食べつつ、ルーミアは言う。
「それで、どうする?布団も、たまにやってくる奴らの為にいくつか確保してるから余ってるし、泊まること自体に問題は無いぞ」
「妙に準備万端だねぇ~…何か企んでるの~?」
「せっかく異世界ゲート開いたんだぜ?全力で楽しみたいだろうが」
「その為だけにする準備じゃないと思うんだけど~…」
「何をするにも全力で。俺の座右の銘だぜ」
「前もそんな事言ってたわね」
「全力…楽しそうだね~!」
「じゃあ僕もそれを見習おうかな~。今日は泊まって行こ~!」
という事で、と言わんばかりの表情で、三人は迅真に向かって一言。
「「「和菓子おかわり」」」
「今の会話の最中に食ったのかよ!っていうか、ルーミア!俺のも食ったな!?」
驚きの声を上げつつ、作るために台所へと戻って行く迅真なのだった。
迅真の料理スキルは今なお向上中。留まるところを知らない模様。でも白鳥の奴だけはめちゃくちゃ食べにくいと思う。
後二話くらい続きますよ!!よろしくお願いします!!(`・ω・´)ゞ