東方存在録   作:大神 龍

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更に引き続き生きる死神様とのコラボです!!

今回は戦闘編!!やったりますよぉ!!

では、どうぞ!


第十五話 コラボ 1‐1‐3

「進化した俺のスペルを見せてやる。罪火『千々に刻む焔(世界は皆、理不尽さ)』」

 

 瞬間、無数の直線が縦横に走り、猛烈に嫌な予感に襲われた真也は、瞬時にその直線から外れる。

 

 直後、生まれる炎の線。

 

 火の粉が生まれ、開いていた隙間を埋めるが如く迫ってくる。

 

「お~…コレは多すぎない~?」

 

「でも、避けられるだろう?」

 

「ん~…それはどうかな~?」

 

「んじゃ、もう少し威力上げるか」

 

 若干冷や汗を流しているように見えたが、気のせいという事にして、再び直線を張る。

 

「ん~…感情『悲しみの雨』」

 

 瞬間、降り注ぐ中型の弾幕の雨。

 

 迅真は不敵に笑い、虚空から黒いロングコートを呼び出して着ると、ゆらりゆらりと躱していく。

 

「炎に対し雨か。良い戦法だ。だが、少ない!!」

 

 ゴゥァ!!と音を立てつつ一気に出現する炎の格子。火の粉を散らし、真也に迫るが、しかし、火の粉は雨に打たれて消えていく。

 

「怖いのは火の粉だからね~。炎自体は怖くないよ~?」

 

「そうかそうか。それが分かってるなら良いぜ。怖いのは炎自体じゃない。火の粉だ。火の粉を振り払う手段があるならそれに越したことはない。が」

 

 迅真は右手を真也に(かざ)す。直後、背筋に寒気が走り――――

 

 

 

 キュゴァ!!!!

 

 

 

 狙ったようなピンポイントの炎が()()()()()()()を穿つ。

 

「へぇ…躱すか」

 

「それだけ殺気全開で見られればねぇ~…逃げるに決まってるでしょ~?」

 

「だよなぁ…いや、なんだ。むしろ今のに気付かずに直撃したら全力で殴ってたぜ」

 

「それは~…試したって事~?」

 

「そうとも言えるな。自らと、付き添うモノに降りかかる火の粉と危険を察知して、消せるか。それがこのスペルさ。まぁ、本来は対多数スペルだからな。能力を使われるのも、スペルを使われるのも考えていたが…正直一枚とはな…追加だ」

 

 螺旋を描くような直線の群れ。それは真也を囲んだ。

 

 真也は即座に逃げ場を探し――――何かに気付いたように、その場で止まる。

 

 迅真はそれに驚き――――容赦なく炎を生み出す。

 

 火の粉は真也に迫る。一斉に。

 

 しかし、だ。

 

 彼に火の粉は当たらない。

 

「やっぱり~…そういう事~?」

 

「ハハハ。気付いたか」

 

 真也の気付いた事。それは、どの直線の軌道の先にも、螺旋の中心に向く直線が無い事に。

 

「試練は~…洞察力と忍耐力かな~?」

 

「正解だ。冷静に観察し、自身を信じて嵐が過ぎ去るのを待つ。理不尽に抗う術の一つさ。お前も経験、あるんじゃないか?」

 

「…………どうだろうね~?」

 

 若干、笑ってない目で迅真を見る真也。しかし、迅真はそれをなんともないかのように受け流す。

 

「ん~…僕の弾幕は~…効き目が薄いみたい~?」

 

「このくらいの雨量なら銃弾の雨を避けるように容易い。分かり切ってた事だろ?」

 

「それはそうだけど~…納得いかないな~」

 

「ハハハ!だろうな!俺は、言わせて貰えば理不尽の権化とも言えるからな。相手を見ただけで手の内を知り、対策を無数に練り、自身の知りえる異常なほどの能力(スキル)で全部跳ね返す。納得の理不尽だ。相手に抵抗の隙すら与えねぇよ」

 

「それでも~、油断はしないんだね~…」

 

「当たり前だ。桜の事件の時に油断はしないって決めたからな。ほら、次行くぞ」

 

 迅真はそう言うとカードを取り出し、宣言する。

 

「必滅『全は敵(死神なんて生温い)』」

 

 瞬間、世界は黒く染まる。

 

 月明かりも星明りも見えはしない。ここは夜ですらない。闇だ。何よりも黒い闇だ。

 

 真也は瞬時にそれを察した。そして、その事実に冷や汗が止まらない。

 

「さぁ、首狩りの時間だ」

 

 瞬間、大鎌の形をした無数の弾幕が出現し、回転しながら真也に襲い掛かる。

 

「っ!!!」

 

 驚きつつも必死で躱す真也。その表情に余裕はない。

 

 一切の油断も許さない大鎌の群れ。一斉に近づいて来るだけでなく、まるで待ち構えているかのようにそこに存在する大鎌もあり、逃げ場を塞いでいた。

 

「あぁ、言い忘れてたが、コレは別に耐久スペカじゃないぞ。俺は存在する。ただ、恐ろしく見え辛いだけだ。まぁ、頑張って探すんだな」

 

「う~…これでどう~?消えろ~!」

 

 瞬間、闇が晴れる。月明かりと星明りが帰って来る。

 

「へぇ…能力を使ったのか。良いな、その能力。それがあればもう少し攻撃の幅も広がったんだが…あぁ、ついでに、言わせてもらうぞ。お前の能力なんざ、全く怖くねぇ。恐ろしいとなんざ欠片も思わねぇ。そんな能力、見劣りするくらいの恐ろしい能力なんていくらでもあんだよ。これから見せてやる」

 

 迅真の不敵な表情。それを見て、真也は目を細める。

 

「こっちも~、反撃していくよ~!無神経『突き刺さる視線』!!」

 

 宣言。それと同時に迅真の周りを囲む様にレーザーが迫る。が、

 

「これくらいなら、問題ない。このスペルの元は無神経な視線って所か。興味、羨望、嫌悪、侮蔑、嫉妬、畏怖、憎悪。そんな目で見られて怖いさ。恐ろしいさ。だがな、それで折れたらキリがないぞ。まぁ、お前の場合は支えてくれる人がいなかったんだろうさ。それが俺とお前の大きな違いだな。だが…楽しく生きるのに周りの視線なんか気にするな!お前の道を突き進むのに後悔なんざいらねぇだろうが!障害は消し飛ばせ!喰らい尽くせ!奪い尽くせ!お前の求める者の為に!お前が求める存在の為に!遠慮なんかするな。お前の能力なら何も怖くないだろう?だから…………全力で、俺を倒してみろや!!」

 

 レーザーを、背中から闇の翼を生やしてはためかせることで一気にその場から離脱して回避。瞬間、大鎌が迅真の周囲に五つ生まれる。

 

 そのうちの一本を掴むと、残り四つが真也に向かう。

 

 その間にも真也のレーザーは止まらず、迅真を襲うが、容赦なく大鎌を振るってレーザーを切り捨てる。

 

「それを斬るの~!?」

 

「んなもん、斬れて当たり前だろうが。それより良いのか?その四つの大鎌は俺の操作機体だぜ?」

 

 真也が驚いている間に、周囲を囲む大鎌。一斉に迫って来た大鎌をより上空へと飛ぶ事で躱し、追撃してくる四つの大鎌をレーザーで打ち落とす。

 

 だが、この時、彼は意識の外に知らぬ間に出していた。否、()()()()()()()()

 

 気付いた時にはすでに真後ろに迫る凶刃――――!

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドゴォッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 地面に突き刺さる真也。

 

「真也!?」

 

「あ~…手加減なしね~…まぁ、いつもの結界張ってあるから大丈夫だろうけど…心配なら見に行ったら?たぶん戦っても良いと思うよ?」

 

「……ううん。もうちょっと見てる」

 

 こいしは若干不安そうに見ているものの、信頼しているという意志が見えた。

 

「そう…まぁ、それなら頑張って見守ってなさい。決して目を背けないで」

 

「うん。分かった」

 

 ルーミアに言われ、こいしはしっかりと真也を見つめた。

 

 真也は、地面から起き上がりつつ、上空の迅真を見て――――にやりと笑う。

 

「一回だよ~」

 

 迅真は、それを()()()()()()を感じながら聞いていた。

 

 迅真の刃が真也を捕らえた一瞬だ。その一瞬で、真也は迅真に向かって至近距離で一発霊力弾を放っていたのだ。

 

 それによって迅真は一発被弾した、というわけだ。

 

「ククッ…良いな…真也。中々やるじゃんか。まだ……終わらねぇよな?」

 

「もちろん」

 

 真也は起き上がる。そこには、傷一つ、汚れ一つない真也が立っていた。

 

「ダメージを『無かった事に』ってか?良いな…わくわくするぜ。それだと、無尽蔵にも出来るんじゃねぇのか?出来るなら、しろよ。でないと俺には勝てねぇぞ!!」

 

 迅真は鎌を消し、代わりにカードを取り出して宣言する。

 

「捕食『闇の断片(底の見えない恐怖)』」

 

 瞬間、真也と同じくらいの大きさの黒い口だけの球体の怪物が生まれ、真也に向かって突撃する。

 

 真也は無意識に、能力などを一切使なわない、本能的無意識で上空までの距離を『無』くして、一気に距離を取る。

 

 直後、黒い怪物がぶつかった所が消滅する。そして、一定の所まで進んだ後、黒い怪物も消え、惨状が露わになる。

 

「うわ~…純粋な高火力スペカ~?」

 

「正解。さぁ、追加してくぜ?」

 

 生まれる三体の怪物。

 

 真也はすぐに回避できるように身構え――――

 

 

 分散して不規則な軌道を描きながら飛んでくる三体の化け物に頬を引きつらせる。

 

 

「直線じゃないの~!?」

 

「誰もそんな事言ってねぇぜ」

 

 後ろから来てると思えば右から突撃してきて、上空に逃げれば上から降って来て。

 

 まるで移動したい方向が分かっているかのような――――

 

 

「!!」

 

 

 真也は気付いた。黒い糸のようなモノが化け物から出て、迅真に繋がっていることに。そして、迅真の右目が金色に輝いてい事に。

 

「未来予知って事~?」

 

「大正解だ。まぁ、こんな早くばれるとは思ってなかったがな」

 

「むぅ…未来予知をして当てないって事は、バカにしてるの?」

 

「は?本気で使ったら必中だからに決まってるだろ?」

 

「……その余裕~…引きはがすから~」

 

「やれるもんならやってみろ。哀愁『感情の檻(誰も、何も、知りはしない)』」

 

 宣言。化け物たちが消え、白と黒のレーザーが檻の様に迅真と真也を囲む。

 

 パンッ!と、一回迅真が手を叩く。

 

 生まれる黄の弾幕。その弾幕は、縦横無尽に檻の中を駆け巡る。

 

 パンッ!と、再度迅真は手を叩く。

 

 生まれる赤の弾幕。その弾幕は、先ほどの黄の弾幕より速く檻の中を駆け巡る。

 

 パンッ!と、三度(みたび)迅真は手を叩く。

 

 生まれる青の弾幕。その弾幕は、ゆっくりと檻の中を回る様に動く。

 

 パンッ!と、四度迅真は手を叩く。

 

 生まれる緑の弾幕。その弾幕は、先ほどの青の弾幕より速く檻の中を回る。

 

「喜怒哀楽の感情を押し込めた檻って事~?」

 

「そういう事だ。ただ…溜めこんだ感情がどうなるか――――お前が一番知ってるんじゃないか?」

 

 周囲を囲む四色の弾幕。それは、だんだんと数を増やして行く。

 

 真也は必死に避けつつ、しかし、自分の限界を感じ始めていた。

 

「うぐぐ~…なら~、これで~!感情『喜怒哀楽の折々』!!」

 

 上下に左右の手を分け、両方に大量の弾幕がばら撒かれる。

 

 それはある程度まで進むと、先ほどとは反対方向に一気に移動する。

 

「これくらいなら全然苦じゃないぜ?」

 

 高速移動する迅真自身のスペルのせいで、真也の弾幕自体がほとんど通って来ない。

 

 そして、通って来たとしても、迅真はそれを軽々とかわし、手を叩いて弾幕量を増やして行く。

 

「ほらほら。行くぜ?」

 

 増えて行く弾幕。それを見て、真也は弾幕を止め――――

 

 周囲に小さな弾幕が少量放たれる。それは迅真の隣をすり抜けて行き――――

 

 

 

 

 肥大化していき、真也に向かって飛んでいく。

 

 

 

 

「おっと。コレは俺狙いっていうよりも、真也に戻る弾幕。んで、さっきのが『喜』だとするなら、次は『怒』ってことで…おおよそ、怒りを抑え込んでるって感じか?」

 

 真也に集まった大玉の弾幕。それは、見様によっては怒りを抑え込むとも捉えられる。そして、さっき宣言したスペルカードは喜怒哀楽を示すもの。ならば、怒りをあらわし、尚且つ抑え込んでいるという事は――――

 

 

 

 直後、弾けるように飛来する小さな弾幕の群れ。

 

 

 

「やっぱりか!!!」

 

 迅真の弾幕にかき消されると思われたその弾幕の群れは、しかし、(おびただ)しい小さな弾幕を打ち消す事は出来ず、弾幕の隙間を縫うように迅真に向かって飛来する。

 

「ハッ!!良いぜ!!最高に燃えるじゃねぇか!!!」

 

 迅真はフクロウの様に目を光らせ、瞬時にどれをどう避けるか、策を巡らせてひらりひらりと躱していく。

 

 その速度は残像が生まれるほど。

 

 彼の場合、自身の横殴り、正面、背後からの四色弾幕すらも邪魔になる。自分の周囲に展開しているわけではないので、守ってくれるわけではないのだ。なので、真也の弾幕だけでなく、自身の弾幕すらも脅威の存在なのだ。

 

 ゆらりゆらりと揺れる様に動き、余裕があれば手を打ち弾幕を増やす。自分が苦しむだけでなく、相手も同じくらいには苦しむ。なら躊躇(ためら)う必要などなく、遠慮なく増やしていった。

 

 すると、真也は再び弾幕を止め――――

 

 空から雨の様に中型の弾幕が降り注ぐ。

 

「それは、最初に宣言した『悲しみの雨』と同じか?『哀』が入るのはそれだろう?」

 

「お~…気付いちゃう~?」

 

「まぁな。伊達に生きてねぇっつの」

 

 やはり迅真の弾幕の隙間を潜り抜けて降り注ぐ弾幕を、彼はまるで踊る様に躱す。

 

 くるりくるり、ひらりひらりと、楽しそうに。

 

「悲しみの中でも笑顔を忘れずに。それを忘れると、砕けるぞ?」

 

 手を叩き、踊る様に躱す迅真。だが、実際は両者とも、すでに集中力が切れ始めていた。

 

「じゃあ、最後だよ~!」

 

 雨が止むと同時――――

 

 

 

 バンッ!と弾けるように大型の弾幕が迅真の弾幕を消し飛ばしながら飛んでくる。

 

 

 

「うおっ!!弾幕をかき消すかッ!」

 

 大玉を躱し、手を叩いて弾幕を増やす。が、直後、弾幕が弾けて中くらいの弾幕が、生まれたばかりの弾幕を喰らっていく。

 

 迅真はそれに気付くと同時に連続で手を叩いて弾幕を増やしながら避けて行く。

 

「当たってよ~!」

 

「嫌だね!!お前こそ当たれよ!!」

 

「それは出来ないな~!」

 

 笑いながら言いあう二人。しかし、やはり一瞬気が抜け――――

 

「あぐっ!」

 

「ガハッ!」

 

 同時に被弾する。

 

「ハハハッ!!中々やるじゃんか!」

 

「迅真も粘るね~…もういいんじゃないの~?」

 

「いいやダメだな。ここで終わるとか、ルーミアに顔向けできないだろ?」

 

「あはは~…僕もこいしの前で負けられないからね~…勝たせてもらうよ~?」

 

 そう言って、二人はカードを取り出して宣言する。

 

「極光『全てを喰らう黒き光(俺のたった一つの希望)』!!」

 

「無情『手加減の無い力』!!」

 

 迅真の前に現れた、全てを吸い込む様な、まさに闇と呼ぶに相応しい黒い点。それは何かを喰らう様にゆっくりと大きくなっていく。

 

 真也の周囲に現れる八つの霊力玉。それは、迅真に向けて翳した右手の前に現れた黒いひときわ大きな霊力玉に向かって黒い線を伸ばし、繋がる。

 

 そして――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吹き荒れる二本の極光。

 

 

 

 迅真から放たれた黒き闇の極光は、真也の放つ超霊力砲と拮抗する。

 

 

 

「喰らえ、喰らって真也をぶっ飛ばせ!俺の(希望)!!」

 

「吹っ飛ばせぇ~~~!!!」

 

 

 

 大出力の二本の極光は、しかし、真也の霊力砲すらも喰らって成長した迅真の闇に押されていく。

 

 

 

「ぐっ…ううぅぅぅぅぅううううあああああああ!!!」

 

 

 

 真也の叫び。それによって霊力砲は――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピタリと添えられた、見知った手と感触と共に威力を上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいし!?」

 

「大丈夫…真也なら勝てるよ!!」

 

「ッ!!……うん!!」

 

 

 二人は一度深呼吸をし、一気に力を込める。

 

 

「「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

 

 

 二人の渾身の霊力と妖力の籠った霊妖力砲。それは強く迅真の闇を押し返し――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでも、足りはしない」

 

 

 

 突如爆発した極光に、真也とこいしは頬を引きつらせて――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 * * *

 

 

「はぁ…完全にコレ、俺悪役じゃねぇか」

 

 迅真は飛び散った闇の断片を集め、衣のように纏う。

 

 本来は、ここから本番なのだが――――

 

「対象がいなきゃ、使いようは無いわな」

 

 そう言いつつ、しかしスペルを終わらせない迅真。まるで、何かを警戒しているような。

 

 そして、それは想像通り告げられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「無符『青い(黒い)薔薇のペンダントの誓い』」」

 

 

 

 無数の弾幕。

 

 円状に放たれる黒と青の弾幕。その弾幕には薔薇が走り、何者も寄せ付けぬ威圧感が垣間見える。

 

「やっぱり生きてたか…!!!」

 

「無双『全ての終わり』。僕の周囲のありとあらゆるものに勝つ。そんなスペルカードだよ」

 

「ハハハハハハッ!!それでアレを避けたのか!!良いぜ、最高だよ!!真也!!!!」

 

 迅真の纏っていた衣は瞬時に無数の弾幕となり、超高速で回転しながら真也とこいしの弾幕とぶつかる。

 

「無限の霊力と妖力に、どれだけ耐えられるかな~?」

 

「永遠に!いくらでも耐えてやる!!」

 

 迅真の瞳は、ルーミアのように紅く染まる。

 

「スペルカード宣言。終幕『原点回帰(全ては等しく闇へと還る)』」

 

 先ほど放たれた極光生み出す闇の点。それが瞬時に十。

 

「永劫の闇へ還る片道切符。滅ぼせ、闇の光よ!!!」

 

 

 

 ゴバッ!!!

 

 

 

 空気が急激に奪われ、眩暈(めまい)を引き起こす。

 

「うぐぅ!!」

 

「あぅぅっ!!」

 

 二人は同時に苦しむ。だが、弾幕へそそぐ力を緩めはせず、むしろ威力を上げる。

 

「消し飛ばせぇ!!」

 

「「いっけぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

 

 ぶつかり合い、相殺し合う弾幕とレーザー。威力の面だけで言えば、迅真のレーザーは相手の弾幕を喰らって成長するレーザーであり、競り合えば負ける。

 

 しかし、今この場においては――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んなっ!コレを押し返すのかよ!!」

 

 

 強大な意志の力で、威力をカバーし、しかも押し返す。

 

「ハハハッ!最高だ!良いぜ、その力!最高にかっこいいじゃねぇか!!」

 

 そう言いながら、迅真は弾幕の群れに飲み込まれ――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『黒く輝く闇の様に(汝、恐るる事無かれ)』」

 

 

 

 

 

 一拍。結界は解かれた。

 

 

 * * *

 

 

「ん、ん~……あれ~?ここは~?」

 

 目が覚めると、日が昇る時間。山の向こうが明るくなっていた。どうやら一日経ってしまったようだった。

 

「俺の家だ。まだ帰還させてないしな。お前の彼女は隣だぞ」

 

 言われるままに隣を見ると、こいしがすやすやと寝息を立てて寝ていた。

 

「おぉ~…運んでくれたの~?」

 

「当たり前だ。お前らを倒した代償は重いって事だよ」

 

「そっか~…でも、最後のアレ、何が起こったの~?」

 

 真也は、宣言と共にブラックアウトしたのを思い出し、迅真に聞く。

 

「『黒く輝く闇の様に(汝、恐るる事無かれ)』。それがスペルカード名ってのは分かってるな?」

 

「うん。それは聞こえたよ~?」

 

「よし。じゃあ、コレの説明だが、超圧縮した霊、妖、魔力を細いレーザーにしてぶっ放す。初見必殺の弾幕だ。周囲にばら撒くが、基本的に対象選定で放つから左右移動で避けれるけどな。難関は予測線が出た時にはすでに放たれてる状況だって事だ。まぁ、それ以外にも小さな弾幕をばら撒くから回避は至難の業だけどな」

 

「うっわ~…ひどい弾幕~。それ避けれる人居るの~?」

 

「私は大丈夫かな~」

 

 そう言って迅真に後ろから抱き着くルーミア。

 

「正直、コレを初見で避けられたのは泣きそうだった。まぁ、常人なら反応できないが――――次は反応できるだろ?」

 

「ん~…どうだろうね~?」

 

「そう言える時点で大丈夫じゃねぇか?っと、どうする?朝食食べて行くか?」

 

「ん~…いいや~。お昼を食べる前に来たから帰ったらすぐごはんだと思うしね~」

 

「そうか。じゃあ、これでお別れか?」

 

「そうだね~。こいし~?起きて~」

 

「ん、んん~?真也ぁ~?」

 

「おはよ~、こいし~。じゃあ、そろそろ帰るね~」

 

「おう――――っとと。そうだ。コレ、やるよ」

 

 迅真は自室から転移させたバッグの中から二つのヘアピンを取り出す。

 

 精巧につくられた青い鳥のそれは、今にも飛び出しそうだった。

 

「コレは~?」

 

「『思いを運ぶ鳥』。まぁ、名前の通り、思いを運ぶ――――テレパシーだな。霊力または妖力を込めている間、もう片方を付けている相手の脳内に直接声を届けてくれる道具だ。寝ている間に漏れてた真也とこいしの霊力と妖力を少し貰って改良した。お前らしか使えないが、劣化しないっていう特典つきだ。まぁ、お前らの場合使う時なんか来ないと思うけどな」

 

「そうだね~…でも、貰っておくよ~」

 

「ありがとね~!」

 

「良いさ、楽しかったしな。感謝の気持ちとでも考えて気軽に使ってくれ。本当はおそろいの服でも作ってやれれば良かったんだが…それはまた今度だな」

 

「うん。楽しみにしてるよ~」

 

「僕も楽しみに待ってるね~。じゃ、迅真もルーミアも、楽しかったよ!ありがと~!」

 

「バイバ~イ!」

 

 真也とこいしが手を振り――――魔法陣の光と共に消えた。

 

「ふぅ…帰っちまったか」

 

「帰したのは迅真でしょ。まぁ、止める気なんてなかったけども」

 

「俺も止める気なかったがな。あいつらはあいつらの世界で生きるべきだからな。よし、いつかの為にドレスを作る事にしよう」

 

「あ、本当に作るんだ」

 

「俺は約束を守る男だぞ。特に自分から言ったことはな。全部は守れてる気はしないが」

 

「…まぁ、私の手の届かない所に行かなきゃいいわ。だから、ちゃんと生きててね」

 

「当たり前だ。もう二度と死ぬかよ」

 

 そう言うと、迅真はルーミアの手を引いて、家の中へと入って行った。




迅真。最後のスペカは使っちゃいけない奴だよ。

はい。すいません。最後のあれはどうかと思いますね。でも、まだ魔王は倒せないのですよ!真也君が次来たら負ける気しかないけれども。たぶんその頃には最終進化をしてるはず…

あ、プレゼントは良いのを思いつかなかったので安定のテレパス系アイテムです。前回のブラックボックスよりは使いやすいかなと。まぁ、あの二人が別行動をする様子を思い浮かべる事が出来ないんですけどね。






 今回はありがとうございました!!次回もあればお願いします!!

 次回は『十六夜やと』様の『東方神殺伝~八雲紫の師~』から『夜刀神 紫苑』君です!!


ただ…全力スランプなので、もしかしたら来週は投稿できないかもしれません。すぐに平常運転に戻れるように努力しますので、少々お待ちください。よろしくお願いします<(_ _)>
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