やはり私と同中の彼との青春ラブコメはまちがっている。   作:巣羽流

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どうも!14話です!

今回は色々ばぱっと進めていきたいと思います!




14話

どうも!すっかりお馴染みの愛川花菜です!

 

私は文化祭の実行委員の会議をしています!

 

そして今やっているのは実行委員長を選出するための話し合いです!

 

てすが・・・

 

「・・・」

 

誰もやろうとしない・・・

 

まぁ私もやりたくないから他人の事は責められないけど・・・ヤバイでしょ。

 

推薦とか出来たらな・・・雪乃ちゃんにやってもらいたいのに。

 

雪乃ちゃんならきっと凄い文化祭を作れるはずだよ!

 

私たちをきっと正しく導いてくれるはず!

 

そう言う期待込めて雪乃ちゃんを見つめていると、彼女は諦めたようにため息を吐いた。

 

あれ?もしかして押しきれる?

 

「・・・あの」

 

よしゃっと心の中でガッツポーズをしていると自信が無さそうな声を出す人がいた。

 

「みんなやりたがらないなら、うち、やってもいいですけど」

 

えっと・・・どちら様ですかね?

 

全く知らない人が立候補してきた。

 

外見は可愛い方の部類ではないだろうか。基子とか美波の方が可愛いけどね。

 

あの人はどんな人なんだろう・・・仕事が出来る人なら別に誰でも良いけど。

 

「相模さん。ここからよろしくっ」

 

「え、うちですか?」

 

「うん、ここからはもう委員長さんの仕事だと思うし」

 

「はい・・・」

 

なんと言うか・・・頼りないなぁ。

 

城廻先輩に助けられながら役割を決めていく。

 

私?私はもちろん比企谷君と一緒☆

 

ーーーーー

 

「はぁ・・・」

 

「どうしたの?ため息なんてついて」

 

「俺の未来に仕事があるなんて考えただけでもう憂鬱だよ」

 

「ほんと比企谷君は仕方ないよね・・・」

 

一通り役割分担を終え、比企谷君と下校をしている。

 

「でもあの委員長見てると、ため息したくなるのも少し分かるかな」

 

「だろ?」

 

「あの人絶対に向いてないと思う・・・」

 

「それは分からんが何故俺がやつのスキルアップの手伝いなんか・・・」

 

「まぁ頼まれた訳じゃないし良いんじゃない?てか比企谷君自分のリーダーとしてのスキル微塵も無いのに手伝い出来るの?」

 

「そんなの知るかよ。あれじゃね?中学の時のリア充(笑)みたいに俺を省いて笑い者にすることで俺以外のやつの仲が良くなる、みたいな事なら自然と貢献できるな」

 

「またしょうもない事言って・・・って中学の時そんな事されたの?」

 

「ああ、でも愛川が知らんのも無理無いかもな」

 

「ふ~ん」

 

たまに聞く比企谷君の自虐ネタ・・・同じ中学にいた私にとってあまり良い思いをする話ではない。

 

「じゃあな」

 

気が付くといつもの分かれ道に差し掛かろうとしていた。

 

「比企谷君!」

 

「うおっ、なんだよ」

 

「私は比企谷君から離れたりしないからね!」

 

それを聞いた比企谷君は照れて頭を掻きながら視線を逸らす。

 

その顔を見ると胸がポカポカする・・・幸せ。

 

しかしその幸せは一瞬で無くなる。

 

彼の目の濁りを増え、真面目な顔になったのだ。

 

「・・・愛川」

 

「な、なに?」

 

「っ」

 

「???」

 

「カバンのチャック空いてるぞ」

 

「えぇ!?・・・ほんとだ」

 

「そんだけだ・・・じゃあな」

 

「う、うん!また明日ね」

 

そう言って彼は自転車に股がり走っていった。

 

あの時・・・私の胸の温かさが消えたとき嫌な感じがした。

 

それに何か言いそうになってたな・・・

 

なんの話なんだろう。

 

きっといつか話してくれるか・・・そうだよね。

 

「うん!私も帰ろ!」

 

ーーーー

 

「私たちのクラスの出し物を決めたいと思います!」

 

今現在J組ではクラスの出し物を決める会議を始めた。

 

我がクラスの代表を勤めるのはなんと基子!

 

いったい何をするつもりなんだろうか・・・

 

「何かやりたいものがある人~」

 

「無難にカフェとかやりたい!」

 

「カフェな」

 

そう言って黒板に文字を書き出す。

 

「ほかは?」

 

「はい!お化け屋敷!」

 

「ほか!」

 

「コスプレ撮影所!!」

 

ーーーー

 

「ふぅ・・・こんなもんかな」

 

ある程度意見が出揃った感じだなぁ。この後どうするんだろう。

 

「とりあえずお化け屋敷はたぶん他のクラスがやるし変化を付け難いから却下。射的をやるにしても銃とか調達が大変だし景品とかも用意するのにお金がかかるからな~。利益を出すとなると厳しいから却下。次の焼きそばだけど・・・」

 

お、おお・・・基子凄いな。

 

こんなにリーダーシップ有ったっけ?

 

「って事で残ったのは[カフェ]と[コスプレ撮影所][デスティニー風な雰囲気のアトラクション]だな」

 

仕分けるのもはやっ!

 

十個以上あった候補を3つまで絞った・・・

 

「私はこれらの3つの中から多数決しようと思うんだけど・・・良い?」

 

「待って!」

 

「何かあるのか?」

 

「否定から入ってしまうのは良くない。皆の意見をくっ付ける事をしてみないか?」

 

「う~ん・・・確かにこの三つなら・・・」

 

藤塚君と基子の二人で何やら語り合い始めた。

 

なんか・・・一人一人のスペック高いなこのクラス。

 

ーーーーー

 

ホームルームが終わり部活中。

 

とりあえずクラスの出し物が決定した。

 

絵本の中のような装飾や衣装を着た店員によるカフェ。

 

装飾と衣装をメインに頑張るそうだ。

 

この出し物なら完成度次第で大きく評価が変わってしまう。

 

クオリティが高い物ならとても評価が高くなるだろう。

 

みんなのモチベーションも高いしなんとかなりそうだ。

 

私も手伝い頑張らなきゃ!

 

「愛川さん!」

 

「っ!」

 

ビックリした・・・誰だよもう。

 

振り替えるとそこにはこの汚れた現世に舞い降りた天使がいた

 

「ボーッとしてどうしたの?」

 

「な、なんでもないんだ」

 

「そう?なら良いんだけど」

 

「そうだ。戸塚くん、私文化祭実行委員になってさ・・・もしかしたらちょくちょく部活遅れたり休んだりするかも」

 

「そうなんだ・・・わかった!」

 

「うん!」

 

「じゃあ練習に戻って!サーブ練習だよ!」

 

「はい!」

 

ーーー

 

凄いことになった。

 

なんと雪乃ちゃんが副委員長になったのだ!

 

その手腕は本当に凄くてもうみんな恐縮しちゃってる。

 

相模さんなんか縮こまっちゃって・・・なんというかお気の毒だ。

 

その雪乃ちゃんの手腕を発揮した翌日、私は今日も頑張るかぞっと会議室に向かっていた。すると見慣れたアホ毛の男の子を廊下で発見した。

 

「比企谷君!」

 

「うおっ、愛川か」

 

「うん!一緒に行こ」

 

にっこりと微笑みながら言うと、比企谷君の隣に少し驚いた顔をしたイケメンさんがいた。

 

葉山くん?なんでリア充KINGが比企谷君と一緒に?

 

「やあ、愛川さんも実行委員なんだね」

 

「うん。葉山くんはどうしたの?」

 

「俺は有志団体の申し込みの書類を取りに来たんだ」

 

「へぇ・・・」

 

有志団体の数が足りない。なのでそれなら私たちにとっても良いことだ。

 

「頑張ってね!」

 

「ありがとう」

 

「たくっ・・・よく有志なんぞやるよな」

 

「ねぇねぇ比企谷君。私たちもバンドやる?」

 

「え?今の俺の言葉聞いてやると思った?」

 

「楽しそうじゃん!」

 

「俺は大人数の行動を好まない。バンドとなると四人くらいはほしいんだろ?嫌だよ」

 

「うーん・・・じゃあさ!私と二人でやろうよ!」

 

「二人でどうするんだよ」

 

「ピアノとギター!あとは二人で歌うの!」

 

「嫌だ。俺は人前なんかに出たくない」

 

「ちぇー。つまんないの」

 

そんな話をしていると会議室に着くとなにやら教室の前に女子が群がっていた。何かあったのか?

 

中に入ってみると見慣れない美人さんが居た。

 

え?どちら様でしょうか?

 

「姉さん・・・何しに来たの?」

 

姉さん?雪乃ちゃんのお姉さんなの?

 

確かに言われてみたら似ているような・・・

 

そのお姉さんはこっちを見て明るい表情をして挨拶してきた。

 

「あれ、比企谷君だ、ひゃっはろー!」

 

えぇ!?比企谷君と知り合いなの!?

 

なんで?なんで比企谷君が雪乃ちゃんの家族と知り合い?

 

も、もしかして・・・そう言う関係?

 

「あら?こっちの娘は誰?」

 

「あ、愛川花菜です。雪乃ちゃんと同じクラスです」

 

「ふぅーん・・・」

 

じっと見つめてくる。まるで私の価値を見定めているようだ。背筋に嫌な悪寒が・・・

 

この人はきっと怖い人だ・・・逆らってはならない。

 

「ヨロシクね」

 

「は、はい」

 

「ところで比企谷君とはどういう関係?ずいぶん親しげだけど」

 

「ど、どういう関係って・・・」

 

そう聞かれると何だか恥ずかしくなってしまう。

 

カップルに見えました!?だと嬉しいなぁ。

 

でも恥ずかしいぃ!

 

緊張で青くなっていた顔が赤くなっていくのを感じる。

 

それを見ていたお姉さんはふと言葉を漏らした

 

「・・・可愛い!」

 

「へ!?」

 

「君可愛いね~。お姉さん少し気に入っちゃった♪」

 

「えぇ!?」

 

ど、どういう事ですか?まさかこの人百合!?

 

いやぁぁぁぁ!私には心に決めた人がいるんです!

 

「私の事は陽乃ちゃんって呼んでね。花菜ちゃん」

 

「え?え?でも・・・」

 

「お願い」

 

「は、はい・・・陽乃ちゃん」

 

ついつい押しきられてしまった。

 

なんというか美人なお姉さんを名前で呼ぶの恥ずかしいな・・・

 

陽乃ちゃんと聞いて満足したのか雪乃ちゃんの所に戻っていった。

 

「ひ、比企谷君・・・」

 

「あの人に気に入られたら大変だぞ・・・ソースは俺」

 

「そんなぁ・・・」

 

うぅ・・・もっと平和に楽しく過ごしたいよぉ・・・

 

「はぁ取り合えず仕事するか・・・したくないけど」

 

「うん・・・」

 

私たちは自分の仕事を始める。

 

後から来た相模さんらと陽乃ちゃんは何やら楽しそうにお喋りしている。あの人たち自分の仕事しなよ・・・あっ次は比企谷君の所に行った。陽乃ちゃん自由すぎるよ。

 

「みなさん、ちょっといいですかー?」

 

そんな事を思っていたら委員長がいきなり声をあげた。

 

「文化祭を最大限、楽しむには、クラスの方も大事だと思います。予定も順調にクリアしてるし、少し仕事のペースを落とす、って言うのはどうですか?」

 

「相模さん、それは少し考え違いだわ。バッファをもたせるための前倒し進行で・・・」

 

それにたいして陽乃ちゃんが邪魔をする。それを見た委員長が前例があるのだと雪乃ちゃんの意見を打ち消す。

 

その時の相模さんの顔が雪乃ちゃんに勝ち誇った顔をしていた。なんだかその顔腹が立つな・・・よし!

 

「あの」

 

「えぇっと・・・愛川さん?どうかしたの?」

 

「前例があるって言ってもその時の委員長はそこの陽乃ちゃんです。彼女の仕事量は聞いた話によるとめちゃくちゃ凄いらしいじゃないですか。だから皆がクラスに顔を出す時間が出来た。雪乃ちゃんならともかく委員長は陽乃ちゃんと同じだけの仕事をこなせますか?それができないと言うのならこの案は少し無謀じゃないかな?」

 

「うっ」

 

相模さんの意見を否定した上であなたは陽乃ちゃんや雪乃ちゃんに激しく劣ると示す。

 

ふふん、どうよ?なんと言ってみなさい!

 

「副委員長は雪乃ちゃんだし、私もちょくちょく顔を出すし大丈夫なんじゃない?」

 

「う、うん!それなら大丈夫!」

 

「っ・・・分かりました」

 

くっ、陽乃ちゃん・・・邪魔しないでよ。

 

恨めしく陽乃ちゃんを見ると彼女も私の事を見ていた。

 

『へぇ・・・意外とやり手だね。楽しめそう』

 

彼女の目はそう物語っている。それを感じると背筋に嫌な汗が出てくる。

 

もうやだあの人!怖いよ!

 

「じゃあこの案は成立で良い?」

 

相模さんがそう言うとパラパラと拍手が起こった。本当に可決してしまったようだ。

 

はぁ・・・この先どうなるんだろ・・・

 

最初の頃抱いていた期待とは逆の感情を感じつつ私は仕事に取りかかるのだった。




ここまでです!

なんか内容薄くなったような・・・すみません。

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