やはり私と同中の彼との青春ラブコメはまちがっている。 作:巣羽流
たぶんあと10話ほどです!
それまでお付き合いお願いします!
では修学旅行編スタート!
10月。季節は変わりあれだけ私を苦しめた熱風は少し寒いと感じるくらいの風に変化していた。
文化祭が終わり、体育祭も色々とあったが無事終了した。今年の体育祭は決して忘れることは無いだろう。
あんな負けかたしたら流石に忘れないよね・・・
比企谷君・・・あれは無いよ・・・
とりあえず数多くの学校行事を終わらせ、今学期に残る行事はあと1つ。
高校生活において最大の行事、修学旅行だけだ。
どうしよう凄い楽しみ。
みんなと色々回ったり、夜は寝ないでお喋りしたり・・・
それに出来れば比企谷君とも回れたら楽しいだろうな・・・
比企谷君は文系科目に強いから神社とかがどんな神社なのかとか教えてくれながら回れそう。もちらん一緒に回るときは手を繋いだままでね!
そんでそんで・・・最後の夜には告白とかしちゃったり!?
なんだそれなんだそれ!
「なぁ花菜、気持ち悪い顔になってるぞ」
「え!?な、なにが?」
「たく・・・何考えてたんだか」
「どうせ比企谷君との事でしょ~」
「ち、違うよ!修学旅行の事を考えてたの!」
「修学旅行?そう言えばもうすぐだな」
「修学旅行と言えばさ、班はどうする?」
「え?班?私たちで行けば良いじゃん」
基子の疑問に私も同意する。
「二人は知らないの?班編成は四人一班。私たちとあと一人が必要なの」
「つまり一人足りないって事か・・・」
「うん!それであと一人誰が良い?」
うーんっと唸りながら基子と考えてみる。
この場合、私たち三人と行っても問題なく楽しめる人。尚且つ私たちも楽しい人か・・・
うーん・・・
「っ!ねえ」
居た。私と仲が良くて、私の好きな人の事に詳しい。
「ん?」
「私、誘いたい人が居るんだ!」
彼女がどれ程、彼と進んだ仲なのか夜の部屋で聞けるし・・・今回は良い情報を得られそう。
ーーーーー
時は流れて修学旅行当日!今は新幹線に乗るために東京に向かっています!
え?一人?
ふふふ・・・そんなわけ無いじゃないですか!
「楽しみだね!比企谷君!」
「俺は先の事考えると憂鬱なんだが・・・」
勿論マイダーリンこと比企谷君と来てますよ!
一緒に行こうって誘った時はめちゃくちゃ渋られたけど根気よく誘ったら何とか陥落させる事ができたんです!
誘ったからってあの比企谷君が二人で東京駅まで来るとは・・・もうこれって私に惚れてんじゃないかな?
浮かれた気分になっていたが比企谷君がどこかを見てることに気付く。その視線の先に居たのは・・・青みがかった髪をポニーテールにしてる美女が居た。
総武高校の制服を着ているところをみると、比企谷君と知り合いなのかな?
まぁそんなことはどうでも良いか。
「・・・」
私のちょっとした自信が砕けました・・・
二人で居るのに比企谷君はずっとあっち気にしてるし・・・なんならもうポニーテール美女しか見てないレベル。
はぁ・・・負けた。
「愛川?どうかしたのか?」
「え?な、なにが?」
「なんか急激に元気が無くなったから・・・酔ったか?」
ちゃんと私も見ててくれてたのか・・・しかも気を使ってくれてるし。
「ううん!全然大丈夫!」
「修学旅行だからって体調悪いのに無理するなよ?」
「うん!本当に平気だから!」
優しいな・・・好きな人に言われるこういう言葉ってかなり嬉しいよね。
だからって、さっきの事が無くなるわけじゃないけどね!
よーし!気持ちをまた盛り返すために仕掛けるぜ!
「比企谷君」
「ん?」
「三日目の自由時間さ・・・良かったら私と二人で回らない?」
「なっ」
彼は目を見開き顔を赤くした。もう比企谷君私の気持ちに気付いてんじゃないかな?
ふふふ・・・今は比企谷君の目に写ってるのは私だけだ。
あれ?もしかして私って独占欲強いのかな?
・・・重い女って思われないように気を付けよう。
「今のところ一緒に回れるか分からないな・・・」
「え?どういう事?」
「実はこの修学旅行の間にやらなきゃならん依頼が来てな・・・それが片付かない事には三日目の自由が無いんだ」
「あぁ・・・そう言うことか」
修学旅行に来てまで依頼か・・・あんなに仕事したくないって普段から言ってるのに、本当に真面目だよね・・・
「そっか・・・分かった!仕方ないね!」
「悪いな」
「気にしなくて良いよ!」
「あぁ・・・さんきゅ」
「うん!」
元気よく返事をする。
そうは言ってもやっぱり一緒に回れないのはショックだな・・・
ーーーー
新幹線に乗り二時間ほど経って京都に到着。そこからバスに乗り清水寺まで向かった。
ここが京都か・・・これから私たちの高校最大の行事が始まる!
最初は清水寺か・・・
「見て見て!凄いおっきい門だね!」
「これは仁王門ね」
「へぇ・・・」
「はやく本堂に行こうぜ!」
「えぇ」
本堂まで人がたくさん居たがなんとかたどり着いた。
ちなみに雪乃ちゃんは既にお疲れ気味です。
「ここが清水の舞台よ」
「綺麗・・・」
「うん。紅葉がばっちり見えるね~」
清水の舞台に着くとそれはビックリだ。思わず言葉が漏れてしまった。今まで見たこと無いのでは?と思うほどの紅葉がる。この時気の京都はやっぱり最高だね!
「にしてもやっぱり高いね!」
「ほんとだなぁ・・・清水の舞台から飛び降りるって言うのはここから飛び降りるって事だろ?無謀すぎる・・・」
「ここで自殺しようとした人が何人も居たそうよ。それでも死ねずに足の骨折だけで済んだ人が居たとも言われてるわね」
「へぇ・・・雪乃さん詳しいね~」
「事前学習はしっかりしたのだからこれ位は当然よ」
口ではそう言うが美波に誉められてかなり嬉しそうにしている。雪乃ちゃんも基子や美波との距離がかなり縮まって来てると思う。
やっぱりそう言うのは嬉しいよね。
「と、とりあえず次に行こうぜ。人の波に乗るぞ」
「四人で固まっておこうね。離れるとはぐれるかも」
「うん!雪乃ちゃん!行くよ」
「え、えぇ・・・」
雪乃ちゃんの手を握り人の波に乗る。雪乃ちゃんは体力面で不安が残るからしっかり握っておかなきゃね・・・
「愛川さん?手を握る意味はあるのかしら?」
「勿論!はぐれないための最善の策です!」
「でも・・・」
「それと私が雪乃ちゃんと手を繋ぎたいからかな~」
「そ、そう」
顔を赤くして快く私に手を握られる雪乃ちゃん。
あれ?もしかして比企谷君よりチョロいんじゃ・・・
「おっ!音羽の滝それなりに並んでるな」
「まぁ清水寺の名所だからね。仕方ないし並ぶか」
「そうね」
並んで少したったら中学生の団体が一気に押し寄せてきた。
「あの団体が来る前に並んでよかったねぇ~」
「そうね。流石にこれを並ぶのは骨が折れそうだわ」
それだけは本当に勘弁してほしい。流石に京都で殆どの時間並んでましたーなんて嫌だしね。
「基子ちゃんはなに飲むの?」
「学問成就かな。美波は?」
「私もそうしようかな~。二人は?」
「私?私は勿論恋愛成就だよ」
雪乃ちゃんを見ながら挑発的に言ってみる。
今の雪乃ちゃんは比企谷君に何もしてないっぽいからね。これくらい煽り入れなきゃ駄目だと思う。
「私も、学生なのだし学問成就」
「そっか・・・だよね」
「雪ノ下さんらしいね」
雪ノ下さんらしい。確かにその通りだ。
雪乃ちゃんが急に恋愛成就とか言ってたら笑っちゃうかも。いや、笑うな、うん。
「あっ、やっと私たちの番だな」
「うん!じゃあさっそく・・・」
水を手に汲んで啜る。
おぉ・・・美味しい。思ってたよりも良い水だな。これでコーヒー淹れたら美味しいかも?
「思ってたよりも美味しかったね~」
「だな!ビックリした」
「そうね。私も初めて飲んだけど良かったわ。」
皆も同様の感想を抱いたようだ。
「そろそろ集合場所に行きましょうか」
「その前にお土産屋とか覗こうぜ!時間はあるんだしさ」
「そうだね!そうしよ。雪ノ下さんも良いよね?」
「えぇ。問題ないわ」
「じゃあ行ってみるか」
あれぇ?私には聞かないんですかね?
ちょっと比企谷君の気持ちになってしまったじゃないですか。
「じゃあ、また人の波に乗るか」
「うん」
「愛川さん」
「ん?どうかした?」
「え?・・・さっきのはもう良いの?」
少し頬を赤くして雪乃ちゃんは聞いてくる。
えっと・・・さっきの?
「・・・もしかして手を繋ぐこと?」
「・・・」
顔真っ赤にして黙っちゃった。
かわいいな畜生。告白しちゃうぞ~!
じゃないや。雪乃ちゃん拗ねちゃう前に行動しなきゃ!
「繋ぐに決まってるじゃん!」
「そう」
雪乃ちゃん本当に可愛いな・・・うかうかしてたら負けちゃうよ・・・
ーーーーーー
1日目の見学はほぼ終わり、既に宿屋の自室にいる。
荷物も整理して明日の行動も確認は終了してる。
・・・さて
「雪乃ちゃん!実際比企谷君とどうなの?」
「そうだそうだ!どうなんだ実際!」
「・・・特に彼とは何かあるなんて事は無いわ」
「えぇ!文化祭での私のライバル宣言に受けたじゃん!」
「それは・・・」
「文化祭で二人で回ってたしね~」
「あれは彼がサボらないか監視するためよ」
「またまた!なんか比企谷君の袖掴んでたじゃん!」
「あ、あれは・・・・・そう言えば貴方達あの時見てたの?」
「まぁな。あの時の花菜の顔ったら凄かったぜ?めちゃくちゃ崩れた顔になって折角した化粧台無しにしてやがんの!」
けらけらと笑いながらこっちを見てくる。
あれ?なんで私にも攻撃が来るの?
「そ、そんなことはどうでもいいの!実際雪乃ちゃんは比企谷君をどう思ってるの?」
「・・・わからないわ」
「え?」
「ごめんなさい。本当に分からないの」
「そっか・・・」
「ただ彼は私には出来ないことが出来る。そう言うところは尊敬できると思ってるわ」
「え?」
「おいおい・・・かなり好感度は高いってことだよな?」
「・・・そうね。でもこんなこと本人には絶対には言えないわ」
「あはは・・・雪ノ下さんって意外と奥手なんだね」
「だから・・・」
そういいかけて雪乃ちゃんは何か言いやめる。
「どんなエピソードあるか教えてよ!雪ノ下さんと比企谷君の素敵な思い出!」
「ちょっと下に飲み物買いに行ってくるわ」
「あっ!逃げた!」
雪乃ちゃんはそそくさと財布を取り出ていった。
は、はや・・・
「逃げられたか。まっ!そのうち帰ってくるだろ」
「だね」
「にしても花菜は大変だな。ライバルは強力だぞ?」
そうなんだよなぁ・・・最近私もモテるとは言え雪乃ちゃんや由比ヶ浜さんは強敵。私よりも格上なのだ。どうしたものか・・・
「取り敢えず頑張るよ」
それしかないね。私にはそれしかできないし
「ねぇねぇ。雪ノ下さん来るまで暇だしトランプでもやろよ」
「だな。やるか」
ーーーー
「おっ!帰ってきたな!」
「遅かったねぇ~」
「平塚先生の話に付き合わされたの」
「お疲れ~」
「雪乃ちゃんもトランプやろうよ~」
「遠慮しておくわ」
「そう言わずにお願い!3人だけだと面白さが半分なんだよー!」
「・・・はぁ、少しだけね?」
「やった!じゃあ、大富豪ね!いくよー!」
こんな感じで最初は和気あいあいと大富豪をやる予定でした。でも一時間後には・・・
「8切りで7渡し!上がり!はい雪乃」
「橋本さん・・・こんなカード要らないわ。だから・・・7のダブル。上溝さん」
「そのまま渡された!雪乃ちゃん酷い!」
「勝負なのだから仕方ないわ。世の中は残酷なのよ?」
「くぅ~!悔しい~!」
「私は貧民・・・愛川さんと橋本さんに負けた・・・」
雪乃ちゃんは負けるときっと睨んでくる。
なんだか回数を重ねるごとにみんな本気度が増してくるんですよねぇ・・・
まぁ私も負けたの嫌だし絶対に勝つけど?
こんなに白熱してるのは実力も近いからってのもあるのかな?
それにいつからか、基子も美波も雪乃ちゃんの事下の名前で呼んでるし・・・
「じゃあ始めるよ!5のダブル!」
こうして私たちの修学旅行一日目の夜は更けていった。
というか私、比企谷君とぜんぜん絡めてない・・・
終わりです!
お付き合いいただきありがとうございました!