やはり私と同中の彼との青春ラブコメはまちがっている。 作:巣羽流
本当に忙しくて投稿できてませんでした。
まだしばらく忙しいので投稿のペースが落ちます。
本日は土曜日。約束通り私は千葉に向かってる訳だが・・・
「はぁ・・・」
ついにこの日が来たか・・・
菅原君がもしも私に好意を持っていたとしたら・・・非常にまずい!
今日は比企谷君もいるんだよ!?そんな状況でアタックされても嬉しくない!もしも比企谷君が勘違いしたら・・・
いやぁぁぁぁぁ!違うの!違うのよ比企谷君!
菅原君とはそんな関係じゃなくてお友達なんだよ!
今日はこんな感じで一日過ごすのかな・・・胃に穴が開きそう・・・
「あっ、愛川さん!おはよう」
「おはよう!二人とも早いね」
千葉についたところで愛しの比企谷君と葉山君が居るのを見つけた。
「あれ?まだ海浜組は来てないの?」
「あぁ。もうすぐ来るらしいぞ・・・あ、あれじゃないか?」
「お待たせ!」
「遅れちゃってごめんね」
「全然!」
この前会った二人は口々に挨拶をしてやって来る。その二人の後ろから体格の良い短髪の男の子が前に出てきた。
「やぁ、愛川さん。久しぶり」
「う、うん。そうだね」
菅原将太君。私の小学校からの学友だ。そして今回の私の最大な敵!
出来ればあんまり関わりたくないな。
「なんだか・・・前よりも可愛くなった感じだね?」
「そうかな?ありがと!」
うん。この人はすぐこうゆう事言うんだよね。軽薄とは言わないけどね。嬉しいんだけどそんなに嬉しくはないかな。
「お、本当に比企谷だ!なつかしー!」
「・・・うす」
「なんだよ、相変わらず愛想ねぇな・・・」
「・・・」
え?なにこの二人の雰囲気。もしかして私を巡って争ってる?
そ、そんな・・・私には心に決めた人が・・・だから菅原君はすっこんでて!
「じゃあ行こっか!」
「映画だよね」
「その予定だね」
そう言って菅原君は私のとなりを陣取る。そして最近はどうだのそっちは楽しいかとか世間話を振ってきた。私としては本命である斜め後ろを歩く彼と会話をしたいな。
正直そっちなほうが有意義な時間を送れるだろう。
はぁ・・・
映画では比企谷君の隣にいこ・・・
ーーーー
「映画面白かったな」
「そうだねぇ」
「あの爆発のシーンとか!めっちゃ派手でさ!引き込まれたな~」
「そうだねぇ。でも私としては終わりかたが物足りない感じがしたな」
「え・・・そ、そうだったよな」
あっ、これ菅原君無理に合わせてるな。せっかく映画後の感想の言い合いが、菅原君とじゃ出来なさそうだな。
「ねぇ!比企谷君はどう感じた?」
ならばこれはチャンス!自然な流れで比企谷君の隣にポジショニングできたぜ!
「そうだな・・・この映画は隠されたメッセージがあったように感じたな」
「えっ?どゆこと?」
「あの犯人グループの主張ってさ、今起きてるイギリスがEU離脱したことで出てくる問題をモチーフにしてると思う」
「うーん・・・確かにそうかも」
「それにあれを作った監督はそういうの好きだらな。前作は北朝鮮についてだったはずだ」
「ひゃー、相変わらず詳しいなー」
「そうでもねぇよ・・・」
「でもそれだけ良い映画ってだけにあの終わりはね・・・」
「あぁ。あと少し頑張ってほしかった」
あぁ・・・
「まぁ、仕方ないか。って言うか寒いね」
やっぱりこれだよ。
「もう冬だしな・・・仕方ないだろ」
「あーあ、マフラーとか欲しいな!」
「知らない、俺に振るな」
「冗談だよ」
この二人で軽口を叩いてる時間は楽しいな・・・私癒されてると思う。
「あっ、マフラー!俺の貸そおか?」
「ううん。大丈夫だから!」
菅原くん・・・ここで入ってきたか・・・やっぱり今日の障害だな。
「8時半って時間無いじゃん!急いで回ろ!」
「そんなに急ぐ位なら無理して回らなくても良いんじゃない?」
「え?ちょっと愛川。今みんなで回る流れだったんだから良いじゃん別に」
えぇ・・・だってめんどくさいじゃん。今日はなんだか疲れるんだよね・・・
てか今の発想比企谷君っぽかったかな?もしかして比企谷菌に汚染された!?もうこれは責任とってもらうしかないかな。
「ほら!愛川!行くよ!」
「わかったよ」
私は折本に急かされ店内に入っていく。ちらっと比企谷君の方を見ると菅原君となにやら話してるみたいだ。
あれ?比企谷君の目が濁りを増して・・・
「ほら!余所見するな!」
「ご、ごめんごめん」
何を話してたのだろうか。聞いたら教えてくれるかな?
後で聞いて見よーっと
ーーーーー
一通り店を回ったあと外に出てきた。
つ、つかれた・・・・・
なんなのあのサッカー部のマネージャー!めっちゃ怖いし!どうしたらあんなに冷たい声が出せるんですかね?
それと菅原君・・・めっちゃ話しかけてくるし、私のためにってマフラー買ってこようとするし・・・とにかく疲れた。
「ちょっとお腹減らない?」
「普通に私は空腹だよ~」
もう本当にお腹すいた。今日のお昼ご飯いつもより少なめだったからお腹すいちゃった。
「比企谷。なにか食べたい?」
折本が意地悪そうな顔で比企谷君に訪ねる。きっとシンデレラのお姉さんとかはこんな顔してるんじゃないかな?
「サイゼ、とかな」
はいサイゼ。千葉県民ならサイゼだよね!
「えー」
「えっ?」
折本が不服そうな顔をしたので思わず声が出てしまった。サイゼだよ?あのサイゼだよ?なんで嫌がるのか分かんないや・・・
結局葉山君の選んだカフェになってしまった訳だが・・・サイゼ楽しみだったな。
「しかし、サイゼはないわー」
「ないよね」
「比企谷、男ならもう少しは気の利いたこと考えようぜ」
海浜組は比企谷君を笑い出す。
・・・なんかこの3人、今日比企谷君の事バカにしすぎじゃない?
ちょっと反撃してやるかな。
「私はサイゼ好きだよ?」
「そうだね。俺も好きだな。サイゼ」
「でもデートで選ぶにはどうなの?って思うわー」
「それある!」
そう言ってまたクスクスと3人が笑い出す。
ちらっと比企谷君を見ると乾いた笑いをしていた。
こんなの・・・おかしいよ・・・
「そういうの、好きじゃないな」
「っ!」
葉山君!?まさか葉山君が比企谷君を?
「だよねー!」
「違うよ。俺がいってるのは君たちのことさ」
「っ」
は、葉山くん!グッジョブ!正直私もこいつらに胸くそ悪いって思ってた!
え?言葉遣いが悪い?
ごめんなさい。はい終わり。
とりあえず私も流れに乗るかな
「私も好きじゃないな。海浜ってこんな感じかな?」
「え、えっと・・・」
海浜組はどうしたら良いのか分からないようであたふたし始める。さて、この後どうしようかな?とりあえずさっさと帰るのを提案するよ。
「・・・来たか」
「え?」
私が帰り支度をしようとしたら見知った人影が目に入った。
由比ヶ浜さんと雪乃ちゃん。奉仕部のお二人さんですね。
「・・・なんで、ここに? 」
「俺が呼んだんだ」
そういうと海浜組に、明らかな敵意を持った口調で比企谷君を庇護する。
・・・葉山くん。この手は比企谷君には残念だけど悪手だよ?
たぶん比企谷君は助けてほしいなんて思ってないし、哀れんでんじゃねえよって文句言うと思う。
これじゃ逆に比企谷君を怒らせちゃうだけだよ。
葉山くんの気迫に負けて海浜組は3人とも帰っていった。菅原君が、別れ際になにか言いたげな顔をしていたが今はそれどころじゃない。現状を何とかしなくちゃ。
だけどその後は酷かった。奉仕部の中でもめてるのは一瞬でわかったし、陽乃ちゃんまでいるし、その3人が帰っても比企谷君と葉山くんも口論してるし、本当に胃に穴が開きそうだよ。
「気持ち悪い同情押し付けてんじゃなねえよ。そんなレッテル貼りは迷惑だ」
比企谷君はそう言って階段を下りていってしまった。
「ま、まって!比企谷君!」
私は彼を追いかけて駐輪場を目指す。たぶん同じところだな。
そこにつくと、比企谷君が倒れてる自転車を直してるのが目に入った。
「ざけんなよ・・・」
「・・・比企谷君」
その後一緒に帰ったがそんなに大きな会話はしなかった。
ーーーーーー
以前、唐突にとあるメールが届ていた。
部活が自由参加になったから暫く一緒に帰らない。
「はぁ・・・」
「花菜・・・なんて顔してるんだよ」
「いくら比企谷君と帰れなくなったからって、一週間一緒に帰れない位でそんな世界が終わるみたいな顔しなくても」
「だって・・・はぁぁぁぁぁ」
比企谷君は今奉仕部で大変な事が起こってるんだろう。今回の部活自由参加もその影響だと思う。だから今は比企谷君たちがその問題を乗り越えるのを待ってるしかない。それは分かってる。分かってるけど・・・
「やだやだ私と比企谷君だけの日課を無くしたくな~い~、毎日会いたい~、一緒に帰りた~い~」
「欲望に忠実だね~」
「うっさい」
本当にそう思ってるんだから仕方ないじゃん。好きな人との大切な時間が無くなるんだよ?そんなの嫌でしょ。
「で、花菜はどうするんだ?」
「どうするって何を?」
「何って・・・このまま何もしないつもりか?」
「うん」
確かに今のこの状態は嫌だけど比企谷君は私が干渉することを嫌がるだろう。そうなるのは私としても好ましくない。
「冷たいねー、そんなにモタモタしてたらあの二人と比企谷君との間に入り込む余地のない絆が出かちゃうよ?」
「そうだよ花菜ちゃん!恋愛はいつも攻めの一手に限るって!」
「うーん・・・」
「それにほら、比企谷君って誰がどう見ても奥手じゃん?少しは自分から行かなきゃ距離が縮むのがいつになるか分からないぜ?」
「・・・確かに」
一理あるな・・・出来れば三年生になる前に比企谷君に告白したい。このまま指をくわえて待ってるだけじゃ私も嫌だしね。
「よし!とりあえず情報だけでも集めてみようかな」
「おぉ!ついに動くか!」
「修学旅行からあんまり動きがないから気になってたんだよね~」
「なんであんたらが心配してんのよ」
「そりゃ私たちの友達の初恋だもん。心配にもなるってもんよ」
「これでも応援してるんだよ?」
「二人とも・・・」
なんて良い友達を持ったんだろう。花菜ちゃん感激です!
「で、何かわかったら教えてね?」
「うんうん!」
にやにやしながらこっちを見つめてくる二人。
こ、こいつら私の恋愛を完全に楽しんでるな・・・畜生!例え何か分かっても教えてやんないもんね!
「それでどうやって調べるの?」
「大丈夫。考えあるから」
そういって、電話帳からある人の名前を探す。
「えーっと・・・あった」
明日の昼休みに話があると一言メールをして・・・よし。
「準備おっけ!」
後は明日になるのを待つだけだ。
ーーーーー
時は過ぎて翌日の昼休み。私は屋上で呼び出しておいた人物を待っている。何を聞くかは決まっている。あとは来るのを待つのみだ。
ガチャリとドアが開く音が聞こえた。
そこに現れたのは頭につけたお団子がトレードマークの巨乳美少女。
そう、由比ヶ浜さんだ。
「おまたせー」
「ううん。それより急に呼び出してごめんね」
「そんな!大丈夫だよ?」
「良かった。じゃあ早速で悪いんだけど質問させてもらうね?」
彼女は何かを察したのか顔を強ばらせていた。緊張感が今の空気に走る。その思い空気の中私は意を決して口を開く。
「修学旅行からの奉仕部について・・・何があったの?」
なぜ彼女を選んだのか。理由は簡単だ。一番口を割りそうな当事者だからだ。雪乃ちゃんや比企谷君はクライアントのプライベートがどうたらこうたら言うけど、由比ヶ浜さんはきっとそんなこと考えてない。ましてや今の奉仕部の雰囲気が良くないならどうにかしたいと相談してくるかもしれない。
「・・・やっぱりね。ヒッキーの事聞いてくると思ってた」
「うん。比企谷君が部活動自由参加になったから一緒に帰らないってさ、そんなの言われたらどうなってるのか気になるじゃん」
「だよね」
「うん。だから教えて・・・」
「・・・わかった」
よしゃ!食いついた!ちょろがはまさんナイス!
「修学旅行の前にね・・・依頼が来たんだ。私たちの関係がおかしくなったのはその依頼からで・・・・・・」
ーーーーーーー
「って感じかな」
「・・・雪乃ちゃんが立候補?」
「うん。今日ゆきのんが平塚先生とそれっぽい話してるの聞いちゃって・・・」
まさか雪乃ちゃんが誰かの代わりになるために生徒会長に立候補する?そんなことしたら奉仕部はどうなるの?彼女の・・・奉仕部の理念は?
「もう私どうしたら良いかわからないよ・・・ゆきのんもヒッキーもみんな勝手だよ・・・」
由比ヶ浜さんは俯きながら涙声でそう漏らす。
私は今回の事を聞いて驚き、困惑、そして言い知れぬ失望感などいくつかの感情が沸き上がってきた。
「確かに勝手だよね。みんな勝手だよ」
「・・・」
「修学旅行に関しては比企谷君は大暴走だ」
「・・・だよね」
「でもね、知ってる?比企谷君の事情」
「ヒッキーの・・・事情?」
「うん。なんであんな事をしたか。その真の理由」
私は姫菜ちゃんに聞いた事を簡単に由比ヶ浜さんに説明をした。それを聞いていた彼女の表情はみるみる変化していく。
やっぱり彼女たちは姫菜ちゃんの依頼を分かってなかったんだね。
「じゃあヒッキーは・・・依頼を達成したってこと?」
「うん。だと思うよ」
「・・・」
ショックだろうな。何も知らないとはいえ、彼は悪だと思い込んでいたはずだから。その考えは相模さんと変わらない行為だしね。
「だとしても・・・」
「えっ?」
「だとしても勝手だよ!」
「由比ヶ浜さん・・・」
「分かってたなら私たちに教えても良かったはず!あんな行動をとる前に事前にこうするつもりだって教えても良かったはず!そうしたらこんなことにはならなかったかも知れない!」
「ゆきのんもゆきのんだ!私に相談なく立候補?そんなの身勝手すぎるよ!相談くらいしてよ!」
どんどん荒くなってくる息づかい、そして潤んでいる目。彼女が今まで貯めてきたのも全てを吐き出しているのではないだろうか?
「みんな・・・みんな勝手だよ・・・」
糸が切れた操り人形のようにその場に座り込んでしまった。その顔は俯いてしまっていて表情がよめない。だが良い表情をしてないのは確かだろう。
「そして私も・・・勝手だよね」
彼女の気持ちは分かる。私も自分勝手に色々やってるから。痛いほど伝わってきた。周りが我道を行く二人だからそれを上手くまとめる役を担ってた。だから彼女は自らの意見で行動する事は無かったんだろうな。
「由比ヶ浜さん」
「・・・なに?」
だがまとめるのも限界。ならば彼女も・・・
「由比ヶ浜さんも何かやってみたらどうかな?」
「・・・私が?」
「うん。現状が嫌なら行動しなきゃダメだよ!なにもしなかったら良い方には変わらないはずだから」
「・・・」
「今まで散々二人に振り回されたんだ。行動を起こしてさ!私もいるんだぞ!勝手するなって二人に教えてやれば良いんだよ!」
「私が・・・いる」
「そう。あなたが居る」
「・・・」
最初は困惑の色が濃く現れていたが次第に由比ヶ浜さんの表情は確固たる決意を感じさせるものに変わっていった。
「・・・私やってみるよ」
「そのいきだ!あっでも二人を傷つけるやり方はダメだよ?」
「うん!愛川さんありがとう!」
「どういたしまして」
「じゃ!私戻るね!」
「ばいばーい!」
由比ヶ浜さんはガチャンと扉を締めて戻っていく。
「はぁ・・・」
姿が見えなくなったら急に気が抜けた。
なんで私、敵にアドバイスしてんのかな・・・
結局余計なお世話しちゃったよ・・・由比ヶ浜さんにだけど。
まぁとにかく情報は手に入ったし良かった・・・のかな?
それとこれからどうするか。答えはもう出ている。やっぱり私比企谷君にもお節介しよう。このまま待っててもチャンスは来ないかもだしね。なによりじっと待ってるのは私には合わない。
「よーし!」
これから頑張るぞ!
終わりです。
評価が気がついたら黄色に・・・けっこうショックですね。
今回は長めになってしまいました。
少し時間空くかも知れませんが次も投稿するつもりなのでそれまでお待ちください!
今回もお付き合いいただきありがとうございました!