やはり私と同中の彼との青春ラブコメはまちがっている。   作:巣羽流

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久しぶりです!

読んでくれるかた要るか分からないですが書いたんで投稿します!


27話

みなさん!こんにちは!愛川花菜です!

最近は色々大変な事がありましたがなんとか解決することができました!

 

そして今回はなんと久しぶりに比企谷君とデートすることが出来るんです!

 

いやぁ・・・こんな清々しい気持ちで出掛けるのは本当に久しぶりだよ・・・

 

そして現在比企谷家の前。時間は午前9時50分か。集合時間の10分前に着いちゃった。ま、いっか。

 

ピンポーン

 

冬の乾いた空気の中にインターホンの音が響き渡ると、はーいっとなんとも可愛らしい声が家の中から聞こえてきた。

 

「花菜先輩!こんにちは!」

 

将来、私の義妹になる(予定の)女の子、比企谷小町ちゃんだ。

 

「こんにちは。比企谷君と約束して来たんだけど・・・」

 

「実はまだ兄は準備が出来て無いんですよ~。ちょっと待っててください!」

 

「そっか。了解」

 

まあ確かに集合時間よりも少し早いもんね。

 

「花菜先輩!花菜先輩!」

 

「ん?どうかした?」

 

「今日はやっぱりデートですか!?」

 

「えっ・・・わ、私はそのつもりで比企谷君を誘ったよ」

 

「へー!へぇー!」

 

今日はデート。改めて第三者に言われると結構恥ずかしい。しかも小町ちゃんなんだか知らないけどすっごいニヤニヤしながらこっち見てるし・・・ちょ、見ないで!はずかし!

 

「これはもう花菜先輩ルート一直線かな・・・でもこの前は他の二人も・・・」

 

え?なんて?

 

何やらぶつぶつ呟いてるがまったく聞こえない。

 

「玄関でなにをぶつぶつ言ってるんだお前は」

 

「あっ!やっと出てきた!」

 

「待たせて悪いな」

 

「ううん!まだ時間来てないし大丈夫だよ」

 

「ありがとな」

 

そう言って微笑む彼を見るとなんだかこちらの頬まで緩んでしまう。

 

「へぇ~」

 

そんな私たちの何て事のないやり取りをニヤニヤし生暖かい視線を送る女の子がいた。

 

「・・・なんだよ」

 

「べっつにー。ただこれがお兄ちゃんのまもrって!」

 

「余計なことは言うな」

 

小町ちゃんの頭にチョップをして喋ろうとするのを制止する比企谷君。

 

小町ちゃん何て言おうとしてたのかな・・・

 

「お兄ちゃんの・・・なに?」

 

「なんでもねーよ。行くなら早くいこうぜ」

 

少し頬を朱色に染めながらそそくさと歩き出す。

 

少し気になるな~。比企谷君、私の事家では何て言ってるんだろ。

 

「花菜先輩」

 

「どうかした?」

 

「あんな兄ですがよろしくお願いしますね」

 

「え?」

 

なんの事だろうか・・・比企谷君をよろしく?

 

「それじゃあ行ってらっしゃい!」

 

「う、うん!」

 

 

ーーーーーー

 

今日の図書館にはあんまり人が居なくて静かだ。私たちは隣に座りながら読書に興じる。互いにお薦めしあったもので後で感想を言い合おうって事になっていた。比企谷君は推理小説を私は恋愛小説をお薦めしている。

 

「・・・」

 

静まり返った空間でページをめくる音だけが響く。ちらっと隣を見ると愛しいあの人。

 

まつげ長いな・・・鼻も綺麗に整ってる。しかし残念なことにお世辞にもかっこいいとは言えない目。でもそんな目も今は真剣に本の文字を追っていた。

 

彼は恋愛小説を読んでなにを感じているんだろう。ドキドキしてるかな?キュンキュンしてるかな?少しは私の気持ちに気付いてくれてるのかな?

 

じっと眺めていたらその視線に気づいたのか比企谷君がこちらを見てきて目があった。

 

「どうかしたのか?」

 

「ううん。なんでもないよ」

 

「・・・本、面白くなかったか?」

 

「ううん。本当に何でもないから」

 

「そうか・・・」

 

「そういう比企谷君こそ、恋愛小説なんかって感じになってない?」

 

「そんな・・・いや、そう言うのは後でにしようぜ」

 

「ふふふ。そうだね」

 

微笑み合ってまた読書に戻った。今度こそ集中しなきゃね。

 

 

ーーーーーーー

 

「まさか犯人があの人だったなんてね。ほんとやられたって感じだよ」

 

現在帰宅中。私たちは本の感想で盛り上がっていた。

 

「だろ?トリックも中々のものだったよな」

 

「うん。あの作者の他の作品も読んでみようかなぁ」

 

「あの人のやつなら俺んちに面白かったのが三冊あるからまた貸すよ」

 

「ほんと?ありがと!」

 

「おう」

 

「なにかお返しがしたいんだけど…比企谷君はどうだった?」

 

「中々面白かったんだが…主人公に感情移入出来なかったな」

 

「えぇー!あれ私はすっごい気持ちわかるよ?」

 

ほんと比企谷君は女の子の気持ちがわかってない。

 

「比企谷君はもっと女心について学んだ方がいいよ」

 

「言っとくが俺は少女漫画を愛読してるんだぞ?女心についてならそれなりに心得がある」

 

「え…その結果がこれ?」

 

「ちょ、そんなゴミを見るような目で見ないでくれない?」

 

酷すぎるでしょ。全然私の気持ちにも奉仕部二人の気持ちにも気付いてないし。

 

「第一あれだろ?こういう女の子がされて嬉しい事ってのはイケメンに限るんだろ?」

 

「一概にそうとは言わないけど概ねそうだね」

 

「それなら俺が学んでも生かす機会なんてないだろ」

 

「そ、そうかもしれないけどさぁ…でも比企谷君にはきっとあるの!」

 

「は?なんでそんなこと分かんだよ」

 

「えっ…それはその…私が……」

 

私が比企谷君を好きだから女心を分かって!何て言えるわけない。

 

「???」

 

「あー!もう!比企谷君いちいち細かい!」

 

「えぇ…」

 

二人で他愛もない会話を楽しみながら帰路を進む。この時間が永遠に続いてほしい。そう考えてしまう私は向上心がないのだろうか。

 

もしも彼女になったら今よりも楽しくなるのかな?ドキドキするのかな?幸せになれるのかな?

 

分からないけど今は何も考えずにこの時間を楽しんでおこう。

 

 

ーーーーーー

 

図書館デートからそれなりに日がたったある日、比企谷君から一通のメールが届いていた。

 

「はぁ…」

 

内容はしばらく一緒に帰れなくなったというもの。

 

「花菜ちゃん?大丈夫?」

 

「大丈夫じゃないかも…せっかくまた一緒に帰れてたのになぁ…」

 

「クリスマスイベントの手伝いなんだよな。 それなら仕方ないだろ?」

 

「そうなんだけどさぁ…やっぱ頭で理解するのと納得するのとは違うよね…」

 

非リア充の代表を名乗ってそうなのに文化祭の時といいこんなに多忙なのは何なんだろうね。

 

「まぁそんなショボくれた顔すんなって」

 

「そうだ!じゃあ久々に三人で遊ぼうよ!部活終わりにさ!」

 

「うーん…そうだね。久々にいこうか!」

 

最近遊んで無かったし良い機会かもしれない。この二人との交友も大切にしたいしね。

 

「久々にあのカフェでも行くか」

 

「それ良い!じゃあ決定ね!」

 

 

ーーーーー

 

「…楽しかったな」

 

最高にいい気分転換になった。なんかカフェでも恋ばなになって色々公開処刑にされたけど…

 

でも今回、一番ビックリする事が発覚した。

 

美波の気になる人の話だ。

 

なんかあの娘、物理の先生に気があるみたいですよ~?

 

顔を真っ赤にしながらあの、あざとボイスで赤裸々に想いを語る彼女は正直可愛かった。恋する乙女はやっぱり綺麗になるんだろうか?

 

私も比企谷君の事考えてる時もあんな風に可愛くなれてた良いなぁ。

 

それにしても物理の先生か~。ほんと驚きだよね。好きな方程式は何ですかってクラスの人が質問したら、嬉しそうな顔しながら運動方程式について20分語るような人だよ?あんな変人のどこがいいんだろ。

 

「…なんか今の発言ブーメランじゃね?」

 

私の好きな人もかなり変人だったわ…ボッチ公言してるとかヤバイでしょ。どのくらいヤバイかって言うと目を見ただけでやばいって分かるレベル。

 

「…あれ?」

 

自転車を漕いでいたら前方の自販機の前に見慣れたアホ毛が…?

 

「って比企谷君!?」

 

「っ!」

 

びくっと肩を動かした後、ジト目をしてゆっくりと此方を振り向いてきた。

 

「いきなり大きな声をだすな」

 

「あっごめん」

 

よかった本物だ。

 

好きすぎて比企谷君の事を考えただけで幻が見えたのかと思ったわ。

 

「こんな時間までお前なにやってたんだ?」

 

「今日は友達と遊んでたんだ~。最近暗くなるの早いじゃん?たまが見えないからテニス部ってこの季節になると活動できないんだよ」

 

「へぇ。なるほどな」

 

「比企谷君はこんな時間に制服でどうしたの?」

 

「メールで言ってたやつだよ」

 

「メールって…クリスマスのイベントの手伝い?」

 

「ああ」

 

「えっ…それってこんな時間までやってるの!?」

 

「…そうだよ」

 

あの仕事嫌いな比企谷君がねぇ…

 

でもよくよく考えたら文化祭の時も何だかんだで頑張って働いてたし当然なのかな?そういう真面目なところも比企谷君のいいところだと思う。

 

「ほぇ~。こんな時間までやるってことはかなり忙しいんだ」

 

「忙しいって言うか…色々問題があってな」

 

比企谷君はそう言うと目をいつもより濁らせて辛そうな顔をしていた。

 

その顔をみたとき心臓がどくんっと跳ね上がる。

 

私は知っている。いったいどんな時に比企谷君はこの顔になるのかを。

 

「比企谷君。クリスマスイベントの手伝いってさ、どんな感じなの?」

 

だからこそ聞かずにはいられない。

 

「まぁ拗れてるかな」

 

「…詳しく教えて欲しいな」

 

「えぇ…別に良いよ。愛川に言っても解決にはならんだろうし」

 

「それでも話したことで少しはスッキリするかもしれないじゃん!」

 

「そうかもしれないが…うーん」

 

そっと顎にてを当て考えるそぶりを見せる。しかしすぐに顔を上げてこちらをみた。

 

「少し長くなるけど良いか?」

 

「うん。大丈夫。その代わり全部話してよね」

 

「わかってるよ。まずは新生徒会長の…」

 

ーーーーーー

 

「って感じで今に至る」

 

「…」

 

やっぱりまた比企谷君は困難な仕事をしてるんだね。それに今回は奉仕部を頼ることができない。比企谷君の意地、奉仕部の雰囲気が頼ることを許さないんだろう。

 

奉仕部の関係は戻ってなんか無かった。未だに拗れたまま。

 

「…ほんとに時間がヤバイんだね」

 

「そうだな。海浜高校のやつらのやり方で行くなら絶対的に時間が足りない」

 

「どうしようか」

 

「そうだなぁ…本当にお手上げって感じだよ」

 

「うーん…」

 

何か策はないか。何か…何かっ。

 

いくら考えても良い案は出てこない。

 

「……あのさ」

 

「なに?」

 

なにやら神妙な面立ちでこちらを見ている。

 

な、なんのはなしだろ。

 

「もし…時間があるなら愛川。手伝ってくれないか?」

 

「え?」

 

今なんて?比企谷君が手伝ってくれって言ったの?

 

「正直俺一人だけじゃきついんだ。仕事を手伝ってくれる人手がほしい。頼む」

 

「……」

 

あの比企谷君が…私を頼ってくれた。

 

「無理なら良いんだが…」

 

「無理じゃない!」

 

無理じゃない。こんなの答えは決まってる。やっと好きな人に頼られたんだもん。

 

「手伝うよ」

 

「…ほんとか?」

 

彼の顔には驚いた表情。

 

自分から頼んでおいてその顔はなによ…もう。

 

「ほんとだよ」

 

ついつい微笑みがこぼれる。前なら絶対に頼られることはなかったはず。

 

やっぱりこの変化は嬉しい。

 

「ありがとう」

 

ぽりぽりと頬を掻きながらお礼を言うがどこかぎこちない。本当に不器用な人だな。

 

「いいのいいの!任せて!それで?詳しい日時とか教えて」

 

「あぁ」

 

文化祭に引き続きまた仕事をやることになっちゃったけど、今度は比企谷君のためなんだ。頑張らなきゃ!




ここまでです。最近忙しくてあまり書けません。

時間あるときにちょくちょく書こうと思うので気長に待っててください!

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