やはり私と同中の彼との青春ラブコメはまちがっている。   作:巣羽流

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ありがとうございます!

これからもがんばります!

では8話です!


8話

「よしっお疲れさま」

 

私が後輩の面々にそう言うとお疲れさまです!と挨拶をして来た。

 

「はぁ・・・今日も疲れた」

 

テクテクと駐輪場から自転車を取り出す。

 

すると校舎の方から見知ったあほ毛の男子生徒が歩いてくるのが見えた。

 

私に気付かずに自転車を取り帰ろうとする。

 

ほんとに気づいてないのかな?

 

後ろから声をかけてみる。

 

「比企谷君!一緒に帰ろ!」

 

「っ!」

 

ビクッと反応して振り向かずに歩こうとする。

 

「比企谷君?」

 

「・・・はぁわかったよ」

 

「じゃあ行こっか!」

 

ーーーー

 

「そう言えばこの前オススメしてくれた本読んだんだけどね!面白かった! 」

 

「だろ?あの本はなかなか考えさせられるよな」

 

「うん。あっち側の主張も正しいって思っちゃったしね」

 

以前読んでみた本の話をしている。

 

あそこのときの主張がー!何て話を繰り返してた。

 

「しかしもう読み終えたのか・・・早いな」

 

「面白かったからね~。またなにか読みたいんだけどさ、他にオススメとかある?」

 

「そうだな・・・あの本が面白かったなら他にもいくつか候補があるぞ?」

 

「おぉー!それは嬉しいね!」

 

面白い本を読んでいると私の知らなかった世界を感じ取れてとても楽しい気分になる。

 

だから嬉しい。

 

だけど・・・

 

「嬉しいけどそんなにいっぱい買うほどのお金はないんだよね・・・」

 

悔しいことに私はそんなにお金を持ってない。

 

バイトでもしなきゃだめかな・・・

 

「だったら俺の貸してやろうか?」

 

「え?」

 

比企谷君は私の想像してなかった提案をしてきた。

 

いや、

 

想像はしていたが比企谷君の方からそんな提案をしてくるなんて思わなかった。

 

「あー・・・そのなんだ。俺のが嫌なら別に構わないぞ?」

 

私が驚いた顔をしいたら比企谷君がマイナスな事を言っていた。

 

何かまた勘違いしてんのかな?

 

「そう言うんじゃないよ!是非貸してほしいな」

 

「ほんとか?比企谷菌とかついてるぞ?」

 

「なんだよ比企谷菌って」

 

「俺に付着してるバリアー無効のスーパーウイルスらしい」

 

「そんな気にしないから」

 

「そうか・・・じゃあいつ渡したらいい?」

 

「うーん・・・」

 

明日でも良いのだが明日比企谷君と会う可能性は低い。

 

教室に取りに行っても良いのだがそれはめんどくさいし荷物が増えるしなぁ。

 

そうだ!

 

「じゃあ今から取りに行くよ」

 

「は?なんで?学校で良いじゃねえか」

 

心底嫌そうな顔をする。

 

え?私に家教えるの嫌なの?

 

「それぞれのクラスに行くものめんどくさいしお互い荷物も増えるしね!今なら帰るだけだし家も同じ中学なら近いでしょ?」

 

「まぁ・・・そうだな」

 

「だからさ!ね!今!」

 

「えぇ・・・まじか」

 

どんだけ嫌なんだよ!

 

ほんとに嫌そうにするね・・・

 

泣いちゃうよ?

 

そんなことを考えたら観念したのかため息を吐いてわかったと了承した。

 

ーーーー

 

「ここだ」

 

「ここかぁ・・・」

 

これが比企谷君の家か・・・

 

そこは普通の一軒家。

 

一般家庭より少し裕福な感じだろうか?

 

「そ、それじゃあ」

 

ピンポーンとインターホンを押す。

 

男の子の家のインターホン押すのって少し緊張するなぁ・・・

 

「いや、お前なんで俺ここに居るのにインターホン押すの?」

 

「え?・・・あぁ!押す必要ないのか!」

 

し、しまった!緊張と興奮でわすれてた!

 

「は、恥ずかしい」

 

「はぁ・・・たく」

 

比企谷君は呆れ顔でため息を吐く。

 

うぅ・・・そんな目で見ないで。

 

しゃがんで顔を押さえていたら中から女の子が出てきた。

 

「どちら様で・・・ってお兄ちゃんか」

 

「おう、ただいま」

 

「チャイムなんか鳴らしてどしたの?」

 

「いやーそのなんだ」

 

比企谷君の目が泳いでる。

 

時おり私をチラチラ見てる。

 

え?自己申告しろってこと?

 

「わ、私が間違えて押しちゃった」

 

てへへと笑いながら手をあげると比企谷君の妹さんの驚いた顔が見えた。

 

え?めっちゃ可愛い!?

 

顔立ちは整ってるし目もキラキラとしてる。

 

そして兄弟である証のあほ毛が可愛いさをプラスしてる。

 

ほぇ・・・

 

「そうなんですか!ところでどちら様で?」

 

「は、はい!比企谷君と同じ学校に通ってる愛川花菜って言います」

 

「へぇ・・・」

 

何やら妹さんがじろじろと眺めてくるんですが・・・

 

「それでどのようなご用件で!?」

 

「本を貸す事になったんだよ」

 

比企谷君が口を挟む。

 

「へぇ!じゃあお茶いれますからどうぞ上がっていってください!」

 

「え?」

 

「おいなんでそうなる」

 

比企谷君の家におじゃまする?

 

凄く興味あるけど・・・なんか恥ずかしい。

 

「良いじゃん!小町愛川さんとお喋りしたい」

 

「はぁ・・・愛川への迷惑も考えろよ」

 

「あの!愛川さん!」

 

「は、はい」

 

「どうですか?」

 

比企谷君の家・・・

 

なんかよくわからないけど入りたい!

 

「おじゃましようかな」

 

「やったぁ!準備してきますね!」

 

トタトタと足音を立てて小町ちゃんは家に戻る。

 

「妹がすまんな」

 

ーーーー

 

「お、おじゃまします」

 

どうぞどうぞとリビングに通される。

 

へぇ・・・ここが・・・

 

キョロキョロと周りを伺ってると小町ちゃんに声をかけられた。

 

「ささっ!こちらに座ってください!」

 

「あ、ありがと」

 

そこにはコーヒーと皿に入れられたチョコレートが置いてある。

 

席につくと向いに小町ちゃん、その隣に比企谷君が座る。

 

「自己紹介しますね!比企谷小町っていいます!中三です!そこにいる目付きの悪い男の妹です」

 

「小町ちゃん・・・お兄ちゃんをそんな呼び方してはダメですよ」

 

「うん。よろしくね」

 

「え?愛川?今のスルーする方向で行くの?」

 

「私は愛川花菜です。比企谷君と同じ中学で、今も同じ学校に通ってます」

 

「へぇ!じゃあ小町の先輩なんですね!」

 

「そう言うことになるね」

 

「花菜先輩って呼ばせてください!」

 

「良いよ!私も小町ちゃんって呼ぶからね」

 

「はい!」

 

凄く人懐っこいな・・・

 

ほんとに比企谷君の妹なんだろうか?

 

兄弟でこうも違うとは不思議だよね。

 

「それで!お兄ちゃんとはどういう関係なんですか?」

 

「どういう関係?」

 

うーん・・・どういう関係なんだ?

 

前に友達と比企谷君に言ったら違うって否定されたしな・・・

 

「もしかして恋人ですか?」

 

キラキラとした目で聞いてくる。

 

こ、恋人!?

 

「ち、ちがうよ!恋人じゃない!」

 

比企谷君の家に来て緊張してるってのも重なって凄く恥ずかしい。

 

比企谷君と恋人か・・・

 

って私ぃ!比企谷君の家でなんて想像してんのよ!

 

恥ずかしい・・・

 

小町ちゃんは嬉しそうな顔をしてる。

 

顔を真っ赤にして俯くと比企谷君の目がいつもより少し腐ってるのに気付いた

 

「小町・・・変なこと言うなよ・・・あんな顔真っ赤になるほど愛川が怒ってるだろうが」

 

「え・・・」

 

お、怒ってないよ?

 

恥ずかしいだけだよ?

 

「はぁ・・・ほんとごみいちゃんだなぁ」

 

「え?俺なんか悪いことしたっけ?」

 

「花菜先輩に本貸すんでしょ?取りに行ってきたら」

 

「へいへい」

 

か、家族にごみ扱いされてる・・・

 

なんだか悲しくなってきたよ。

 

でも、今の勘違いは確かにごみだな。

 

そんなことを考えてたら視線を感じた。

 

小町ちゃんが嬉しそうな顔をして見てくる。

 

「どうかしたのかな?」

 

「いやー、小町は義姉ちゃん候補ができて嬉しいなって」

 

「候補?」

 

「おっと!間違えた!お姉ちゃんが出来たみたいで嬉しいです!」

 

「・・・まぁ良いけど」

 

「ところで花菜先輩も奉仕部の一員なんですか?」

 

「ううん・・・私は違うよ」

 

「へぇ・・・じゃあ一体どこでお兄ちゃんと仲良くなったんです?」

 

「出会いか・・・」

 

「はい!気になります!兄のような人間と本の貸し借りをするくらいですからね!」

 

「凄い信頼だね」

 

比企谷君・・・みんなに酷い信頼の仕方されてるよ。

 

「えへへ♪教えてくださいよ」

 

「まぁ別に良いよ。今年の4月にね・・・」

 

ーーーー

 

「って感じかな」

 

「へぇ!」

 

あれから出会いだけでなく今までのこと全て話してしまった。

 

小町ちゃん・・・恐るべし!

 

「お兄ちゃん・・・やるなぁ」

 

「うるせぇ」

 

比企谷君も途中から戻ってきて話に参加していた。

 

基本的に嫌な顔をしたり照れたりばっかりだけどね。

 

「花菜先輩!お兄ちゃんはこんななんで遊びに誘ってあげてください!」

 

「余計なことを言うな」

 

「お兄ちゃん二人で遊んできた日の夜いつもより機嫌がよかったんですよ!」

 

え?楽しんでたって事だよね。

 

なんだろ・・・すごく嬉しい。

 

自分で顔がにやにやするのを感じる。

 

ふと比企谷君の方を見ると照れ臭そうに頭をかきならがら目をそらしてる。

 

「小町・・・」 

 

「はーい」

 

「んで、愛川」

 

「は、はい」

 

「ほら、これが言ってた本だ」

 

そう言って比企谷君は2冊の本を渡してくる 。

 

そう言えば本を借りに来たんだった!

 

「ありがとう!」

 

「おう・・・」

 

「じゃあ、そろそろ帰るね」

 

「もう時間も遅いしな」

 

今日は楽しかった・・・

 

下校時間がこんなに楽しかったのは初めて・・・

 

「また一緒に帰りたいな・・・」

 

「は?」

 

「い、いやその・・・今日は楽しかったからまた一緒に帰りたいなって思って」

 

もじもじと指をいじりながら言う

 

顔があつい恥ずかしい上手く喋れない!

 

何か変だぞ私!

 

恋する乙女か!

 

恋する・・・まさかね?

 

「良いじゃん良いじゃん!もう毎日一緒に帰ってきたら!?」

 

「普通に嫌だけど?」

 

え?嘘?

 

なんで?比企谷君は楽しくなかった?

 

何だか悲しい・・・

 

うるうると涙ぐんだ目で比企谷君を見ると彼は気まずそう頭をかく。

 

「私と帰るのは・・・つまんない?」

 

「そういう訳じゃない・・・」

 

「なら一緒に帰ろうよ」

 

「・・・はぁ。わかった」

 

「うん!」

 

観念したように彼は了承した。

 

やった!毎日一緒に帰れる!

 

えへへ・・・ってなんでこんなに喜んでんの!?

 

なんだかよくわかんないや・・・

 

というか疲れた・・・

 

「じゃあほんとに帰るね」

 

「あぁ・・・じゃあな」

 

「さようならー!」

 

早く家に帰って本でも読も。

 

 




今回はここまでです!

今回は小町と絡ませました

そんで花菜ちゃんはヒッキーと毎日下校が決定です!

少しずつヒッキーを、攻略させねば・・・

とにかく今回もお付き合いいただきありがとうございました!

感想とか意見とか質問待ってます!

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