「勝てなかったか……」
高攻撃力を売りとする銀河眼デッキは、こいつらにはとことん相性が悪い。
負けなかっただけ、良しとしておこう。
星々の契約が反則すぎた。
「フォトン・ショックに救われたな……」
とにかくここは一旦引こう。
こいつらの近くには、いない方がいい。
「待て、お前は何者だ⁉︎」
もう起きたか。
「何者でもないよ。
だから一般人だって言ってるじゃん」
「ふざけるな!一般人が…「そんじゃ、俺もう行くね」…待て!」
俺はその場からとりあえず逃げた。
「あいつは何者だ……?」
そんな会話が聞こえた気がした。
「ここまでくれば大丈夫だろう……
ここはどこだ……?」
とにかく逃げることに精一杯だったから、俺が今どこにいるのかは分からない。
だが目の前を見ると、いくつものテントが張ってあった。
「確か難民キャンプがこんな感じだったような……」
ユーリとデニスの回想に、こんなシーンがあった気がする。
てことは、瑠璃がここにいるのか⁉︎
瑠璃ちゃん可愛いんだよなぁ
不審者兄を倒したら、付き合えるかな?(鉄男並感)
俺はDTだ!
卒業させてくれ!
「よし、瑠璃ちゃんを探そう!」
「呼びました……?」
俺の後ろで、少女の声がした。
ん……?
ギギギ………
俺の首が、錆びた機械のような音を上げた。
油が足りてない俺の首を回すと、そこには紫の髪と瞳を持つかわいい少女がいた。腕には紫のブレスレットをつけている。
俺はただ呆然として、呆然としていると…
「あなたは……?
なぜ私を……?」
瑠ぅ璃とぅわぁぁぁぁん!
まさかこんなに早く会えるとは!
実際に見ると、100倍ぐらいかわいいよ!
ヤバいよ!
思ったよりも壁じゃない!
今すぐ押し倒したいが、流石にそこまでは腐ってないぞ!
ちゃんと正規の手順で拝んでやる!
さて、果たしてカイトくんは瑠璃ちゃんを落とせるのか?
GAME START‼︎
「いやね、ちょっとかわいい女の子を探してたら、君の噂を聞いて……」
うわぁぁぁ!
いきなり何言ってんだ俺ぇぇぇぇぇ!
意味不明だろ!
落ち着け!
ちゃんとイケメン設定にしたじゃないか!
「はぁ………」
ヤバい、完全に怪しい人だと思われてる!
俺は
年齢=彼女いない歴だ!
何か悪いか!
俺は前世では、ぼっちプレイヤーで暗い奴だった。
顔も、ブサメンだった。
だからかわいい女の子には耐性がない。
話し方もよく分からない。
ゲームでしょ?これ?
なんかゲームスタートって言った覚えがあるぞ?
こう、女の子の発言に対して、3択とか4択とかになってんじゃないの?
まぁゲームかどうかは問題じゃない!
こうなれば、当たって砕けろだ!
大丈夫だ!
俺はダイヤモンドの硬さを持っている!(錯乱)
「えーと……
とりあえず君、かわいいね」
★直☆球★
「⁉︎
は、はぁ……
ありがとうございます……」
「俺と付き合わない?」決めポーズ☆
★直☆球★(2回目)
「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎
えーと……
すみません!
では……」
「あっ、ちょ、ちょっと待って!
………………
行っちゃった………」
GAME OVER………
こんなにも女の子を落とすって、難しいことだったのか………
後ろに殺気を感じる。
逃げよう。
右側が、高めの崖になっていた。
そこに逃げた。
さっきまで俺がいたところを見た。
さっきまで俺がいたところには、不審者がいた。
危ねぇ!
落ち着いて失恋した悲しみにも浸れねぇのかよ!
もしさっきのシーンを見られてたら、俺の人生は終わってたな。
まぁいい。
待ってろ、瑠璃ちゃん!
「ここにもいない………
どこにいるんだ……?」
俺はさっきの弁明という名の再告白をしに、瑠璃ちゃんを探している。
「さて、大体の場所は探したけど……」
あと探していないのは、 いくつかある裏路地だ。
そこにいるとは考えにくいけど……
「一応探してみるか……」
「どうしたの?鬼ごっこが好き?あんまり手こずらせないでよ」
「………」ガシャ…
「やろうって言うのかい?ジャジャ馬だな…
いいよ、やろう。君とデュエルして僕が勝ったら、言うことを聞いてもらう。いいね?…デュエル…!」
「‼︎いた………‼︎
⁉︎マズイ!」
「きゃぁぁぁ!」
瑠璃 LP 0
「さて、僕の勝ちだ。それじゃあ、僕と一緒に来てもらおうか」
「………‼︎」
「ちょぉっとまったぁぁぁ‼︎」
「……‼︎あなたはさっきの……‼︎」
「?…君は……?」
「俺の名はカイト……!さっきその子にフラれた、残念な男さ………泣泣」
「………は?」(°_°)
「あなたがなぜここに……?」
「なぁに、瑠璃ちゃんがピンチなら、地の果てまでも駆けつけるさ!」
なんか冷めた目を向けられた気がする。
「………それで君は格好良く登場した訳だけど、君は一体何しに来たの?」
「決まってるだろ!瑠璃ちゃんを取り返すためだ!」
「…私を……?」
「へぇ〜、じゃあ君はこの子のピンチに駆けつけた、王子様って訳だ」
「王子様……?」
「違うのかい?」
「いいや、違わないね!さぁ、俺とデュエルだ!俺が勝ったら、お姫様を返してもらう!」
「フラれてるのに、健気だねぇ〜…いいよ、やろうか」
「「デュエル‼︎」」
「降臨せよ!光の化身!銀河眼の光子竜‼︎」
「魅惑の香りで虫を誘う二輪の美しき花よ。今一つとなりて、その花弁の奥の地獄から、新たな脅威を生み出せ!
融合召喚!現れろ、飢えた牙持つ毒龍!レベル8!
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン‼︎」
「フュージョン・ドラゴン……‼︎」
「な‼︎あれは、瑠璃‼︎」
「その横でデュエルしている男は、俺にそっくりだ……‼︎」
「それにその相手は、こないだの……‼︎」
「ぐぁぁぁぁ!」
カイト LP 0
「こないだの男が負けた!」
「バカな!奴は仮にも、俺たち2人を相手に2対1で引き分けた男だぞ!それがあんなにあっさりと……!」
「信じられん……奴もアカデミアなのか?」
「‼︎ユートの偽物め、瑠璃を連れて逃げる気か!逃がさん!」
「ムダだ。もう奴の姿はない」
「くそっ‼︎……瑠璃ぃぃぃぃぃぃぃ‼︎」
「⁉︎こないだの男も消えたぞ!」
「どこへ……!」
「とりあえず、二手に分かれて探そう!まだどこかにいるかもしれない!」
「分かった!」
「くそっ、まさか負けるとは……‼︎」
はっきり言って、異常だった。
異様なほど、デッキが回らなかったのだ。
「しかもなんだよ、あの効果!ふざけてんだろ!」
ピン刺ししていたセブンスワンが初期手札とか、ないわー
OCGでの手札事故がかわいく思えたぞ。
今、俺はユーリを追って…というか探して歩いている。
瑠璃ちゃんを取り返さなければ!
このままでは、原作が………‼︎
ん?原作?
………………………
確か原作だと、瑠璃ちゃんはアカデミアに囚われてたような………
「そうだ、あそこでユーリに渡さなければ、原作が狂うところだった……」
危なかった……
すっかり忘れてた。
まさか原作通りに進むように、神がイタズラしたんじゃ……
まぁともかく、そろそろ時間だ。成り行きを見届けて、スタンダードに戻るとするか……
少し歩いていると、ユートを見つけた。その目線の先には、ユーゴもいた。ちょうどデュエル中のようだ。
「ユートー!」
そこへ不審者たちが来た。
「チッ…」
ユーゴが舌打ちをして、Dホイールで何処かに消えた。
「瑠璃は⁉︎」
「………いや………」
「くそ‼︎」
メッチャ不審者が悔しがってた。
だけど、あれはユーゴだからね。ユーリじゃないよ?
よく見ると、物陰にユーリがいた気がする。
まぁいいや、もうスタンダードに帰るとするか……
ユーリ、次会った時は、必ず倒してやる!
スタンダードに戻った俺は、まずは家に帰って寝た。よほど疲れていたのだろう、起きた時には24時間時計が2時間逆戻りしていた。
まだ頭がクラクラする。寝すぎたかも。
「とりあえず、社長に報告に行くか……」
帰ってきたところを捕まって、報告するように言われていたのだ。寝てから報告すると言ったからには、行かねばなるまい。
「ふぁ〜ぁ…ねみぃ……」
てか報告って、何を言えばいいのだろうか?
とりあえず参上しよう。
「社長、カイトがエクシーズ次元より帰還しました」
「そうか………
ここへ呼んでくれ」
「はっ」
3時間後……
「今来たよ……
ナカジマさん……」
「カイト!おそいぞ!」
「うるさいなぁ、別にいいじゃん……てか電話で呼びつけるか?普通……」
「おまえな……!」
「中嶋、まぁいい」
「ですが…!」
「カイト、エクシーズ次元はどうだった?」
「ひどかったよ。ハートランドのシンボルの巨大なハートマークは落とされてたし、何人もの人がカードにされてた。俺もかなりの人数を倒したけど、アカデミア兵の数はとてつもなく多かった。しかも、進撃の巨人ばりのロボットまで居たし……
たぶん近いうちに、ハートランドのほとんどの人がカードにされるんじゃないかな?」
「そうか………とにかくお前が無事でなによりだ」
「カイト!お前、人がカードにされるって分かってるなら、なぜもっと多くの人数を狩って来なかった!」
「やめろ、中嶋」
「ですが……!」
「もともと彼の任務は、ハートランドの状況調査だ。カード化の解除法も、必ずあるはずだ。それに………今はまだ、動くときではない」
「………わかりました……」
「カイト、ご苦労だったな。次の仕事が入るまで、ゆっくり休んでくれ」
「そんじゃ、俺は帰るよ」
「待て、ディスクを置いて行け」
「ディスクを?」
「ああ。予備は持っているだろう?デッキは持って行って構わない」
「んじゃ、ここに置いておくよ。じゃあね〜」バタン
「社長!このまま手をこまねいて見ていていいのですか⁉︎彼の言った通り、すでにアカデミアは動き出してます!」
「さっきも言っただろう。今はまだ、動くときではない」
「ですが、彼らはもう動き始めています!敵は待ってなどしてくれません!このスタンダードも、いつ奴らに襲われるか……!」
「私は勝てる勝負しかしない。今のLDSの戦力では、奴らには敵わない」
「そんなこと、やってみなければ……!」
「私が、なぜ新たにランサーズの結成を計画し始めたのか、忘れたのか?」
「それは……」
「今、メンバーが1人見つかった。言っていなかったが、エクシーズ次元から無事に戻って来れるかどうかでランサーズの入隊試験を行っていたのだ。結果は見事に合格。私の期待以上の結果を持ってきてくれた」
「期待以上の結果ですか?」
「このディスクには特別な加工が施してあってな。一言では言い難いが、ある基準を元にデータを蓄積するようになっている」
「そんな機能が……!」
「この結果は、とても素晴らしいものだ。今のLDSのトップチームをも軽く凌ぐほどのな」
「……分かりました。…ですが、私は今のLDSの生徒の力も信じています。では」
「ああ、ご苦労」バタン
「今の生徒の力か………」