ユリに恋した鬼   作:幸運 タク

10 / 12
十話

「モモンガさん…何してるんですか?」

ゼロは空中で手で円を描いたり振り回しているモモンガに尋ねる

「遠隔視の鏡ですよ、なんか使い方難しくて」

「へぇ~」

そこそこの時間鏡の前で手を振っている骸骨を見ていて飽きてきたゼロだったが近くにセバスやユリもいるのでだらけることもできないでいた。

「ふぁ~」

ウトウトしていると

 

「おっ!!」

ついに遠隔視の鏡を使うことが出来て感嘆の声を上げるモモンガ

「おめでとうございます、モモンガ様。このセバス、流石としか申し上げようがありません!」

「流石でございます」

「ありがとうセバス、ユリ長く付き合わせてて悪かったな」

「おぉ~やっと映ったんですか?」

「ゼロさんもすみません」

「いやいや~見てただけなんでって、それって…」

「祭りか?」

「いえ、これは違います」

セバスの口調にいやなものを感じながらよく鏡を見る

全身鎧を着た騎士のようなものが粗末な服を着た村人のような人に切りかかろうとしていた。

「ちっ」

殺戮の現場を見て不快な気分になったモモンガはこの村にはもう価値がないと思い画面を変えようとする。冷酷な判断を下した自分が人間をもう同族と判断していない事に戸惑っていると

 

 

 

 

「モモンガさん!!早く助けに行かないと!!」

ゼロは焦りながらそう叫んだ

「ゼロさん…ゼロさんはこれを助けないといけないと”普通”に感じましたか?」

「当たり前ですよ!ってモモンガさんは…?」

「正直あまり何も感じなかったです。アンデットになった影響かと…」

ゼロは言葉を失った。しかし”あまり”何も感じなかったと聞きアンデットになっても少しは人間の心を持っていることに安堵した。そして

「じゃあ!行ってきます!!」

<転移門>

ゼロはスクロールに込められた魔法を使って移動した。

 

 

 

 

「ゼロさん!!あのバカッ」

モモンガは焦ったこの世界での自分たちの実力もまだわからない中突っ込んでいったゼロに。人間を同族とみなさない自分の考え方について。

 

 

 

なにより根本的にゼロとの考え方の相違があるという事実に焦った。

そんな中思い出したことは。

ー誰かが困っていたら助けるのは当たり前ー

(たっちさん…そうだ!考えていてもしょうがない!)

「セバスナザリックの警戒レベルを最大まで引き上げろ!そしてアルベドに完全武装で来るように伝えろ!」

「はっ!」

<転移門>

モモンガが移動しようとした時

「モモンガ様!私も連れて行っていただけないでしょうか!」

ユリが言った

「相手の強さは未知数だ。レベルの低いお前はここで残っていろ」

冷たいように聞こえるが、最悪の可能性を考慮してモモンガは答える。

「私はゼロ様の側近ですお願いします!」

モモンガはユリが一度で引き下がらなかったことに驚いた

(NPCだったとはいえ、今は感情があるんだな…)

「ユリ・アルファ、モモンガ様の命令に従いなさい」

セバスはユリをたしなめる

「よい、ユリよついてこい」

「よろしいのですか?」

セバスが言う

「ゼロさんの暴走をとめて説教をする役を連れて行かないといけないからな」

「ありがとうございます!」

「行くぞ」

モモンガとユリはゼロの後を追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一足早く現場に着いたゼロ

(よし着いた)

震えている二人の少女に剣を振り下ろそうとする騎士を見て

(クズが…)

ゼロは少女土岐市の間に割って入り振り下ろされた剣を手でつかむ

「なっ!どこから現れた!?」

戸惑う騎士が剣に力を込めながら尋ねる

「別にどこでもいいだろ」

そう言って後ろに飛ばそうと騎士を蹴ると

”バキッ!!”

騎士は着ていた鎧は砕け散り人間ではありえない方向に折れながら後ろへ飛んでいく

「ば、化け物め!!」

そう言いながら剣で切りかかる騎士

<心臓掌握>

一見何も起こったように見えないが騎士は血を吐きながら倒れこむ

「モモンガさん!」

「ゼロさん大丈夫ですか?って弱いなこいつら…」

予想以上の弱さで驚くモモンガ

「ゼロ様!大丈夫ですか?」

「ユ、ユリ!なんで来たの!?」

「なんでじゃございません!!なぜ急に何の考えもなしに突っ込んでしまうのですか!!何があるかわからないから最大限に警戒をしろといつもモモンガ様が仰っているのを聞いていなかったんですか!?」

「す、すいません…」

「何が起こるかわからない…」と説教を続けようとすると

「お、おいユリよとりあえずそこら辺にしてやってやれ」

「そうですよユリ・アルファ」

「はい。ゼロ様申し訳ございません」

モモンガとアルベドに言われて我に返ったユリはゼロに謝罪する

「い、いやいや!もともと僕が悪いんだしさ。ユリは心配してくれたんでしょ。あ、ありがとね!」

「い、いえ!ゼロ様にお怪我がなくてよかったです」

二人がふわふわとした空気を醸し出す中モモンガはデスナイトを作っていた

 

 

「あ!君たち大丈夫かい?」

自分が助けた少女たちを忘れていたゼロは二人にポーションを渡す

「あ、ありがとうございます!」

骸骨としゃべっていた事で少し怯えられたが、ゼロはパッと見人間なので信用される。

モモンガは子鬼将軍の角笛を渡そうとするが怯えられて少し傷つく。

(まぁ、しょうがないよな…)

そう自分に言い聞かせてゼロに尋ねる

「ゼロさん僕たちは村の方に行きますけどどうしますか?」

「もう少しこの子たちと話していきます」

「わかりました。ユリ、ゼロさんが突っ走らないように頼むぞ」

「かしこまりました」

モモンガとアルベドは村の方へといった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと…お名前はなんていうのかな?」

できるだけ優しく尋ねるゼロ

「エンリと言います、妹がネムです。助けていただいて本当にありがとうございます」

「う、うん。」

年下相手でもおどおどとしてしまうゼロ

「お二人はなぜ追われていたのですか?」

そんなゼロを見て助け舟を出すユリ

「急に村にあの人たちが襲い掛かってきて…お父さんと母さんが…」

涙を流しながらそう答えるエンリをユリは優しく抱きながら

「あなたの両親はあなた達を守ったんです。そしてあなたは妹さんを守ったんです。もう大丈夫だからね」

優しく語り掛けるユリからゼロは目を離せないでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。