ユリに恋した鬼   作:幸運 タク

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少し文字数を増やしてみました。気持ち程度ですけど…


三話

「じゃあ、先に行っとくんで時間になったら来てくださいね」

モモンガとの作戦会議は思いのほか早く終わったため、ゼロはこの世界に来て初めて一人になった。

 

 

 

ふと近くに置いてあった鏡をを見るとそこには、男にしては少し長めの黒髪で赤黒い目、肌は白く中性的な顔立ちをしており身長は180cmほどでやせ形である。鬼の象徴である角は前髪で隠れているのでパッと見はただの好青年にしか見えない。鬼感はまるでないがそれがゼロの狙いであった。

”見た感じ弱そうなのに実はつよいってかっこよくない!?〟

それを実行するためにあえて見た目の鬼感をなくしているのであった。

 

 

 

 

(かっこいいなコイツ…おれなんだけどさ…)

鏡の中の自分に見とれているゼロ。ナルシストなわけではなく、自分で作り出した理想の自分であるためかっこいいと思うのは当然でありこの体が自分のものであるとわかると少しテンションが上がっていた。

 

 

ゼロの種族は夜叉でクラスはストライカーとバーサーカーそしてエンチャンターでありゴリゴリの前衛で武器を使わずに素手で戦うというスタイルである。そしてカルマ値は10であり鬼であるにもかかわらずどちらかというと人間よりにしている。理由は人間から鬼になったという”設定”を再現するためにやったものである。

 

 

 

(にしても、体が軽いな~この体なら何でもできそうだな)

「ふんっ」”ビュンッ”

ゼロはただ正拳突きしただけだった。

”ズドン!!”

轟音とともに部屋の中の豪華なスイートルームを彷彿とさせていた調度品たちが四方八方に飛び散った。

「へぇ?…」

部屋は完全防音のため外にこの轟音が響くことはなかった、そして外の音も聞こえてこないためこの状況が理解できずに黙り込んでしまってゼロが音を立てないため部屋の中は無音状態となっていた。

 

 

 

 

 

 

(想像以上に化け物になってしまったな俺は…)

おでこにある気持ちばかりの小さな角をなでながらこの部屋の惨状をどう隠ぺいするかを必死になって考えた結果、現実逃避のために部屋の外に出た。

この数時間後には清掃担当の一般メイドによりモモンガに報告され、説教を食らうのはまた別のの話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩壊した部屋(自業自得)をあとにしたゼロは集合時間までの残りの少ない時間をどうするべきかを考えながら八階層の荒野の端にあるログハウスの前でたき火をしていた。このログハウスはゼロがメンバーに頼み込み作ったものである。荒野にポツンとあるログハウスはどう見ても浮いていて、そのログハウスの前でたき火をしているゼロの背中には荒廃した世界で一人生きているかのような哀愁が漂っている。

六階層の自然豊かな場所に作らずにわざわざ八階層に作ってもらった事には理由があり、それは”動物や虫が怖いからだ”

現実世界ではもうとっくの昔に動物や虫などの人間以外の生き物などほぼ絶滅しておりデータの中でしか存在をしていなかった。そんな中このナザリックには多くのモンスターがおりその中には動物や虫を模している者たちも多々いる。そんなものたちから少しでも離れるため、自分の心の安寧を守るために作ったのがこのログハウスである。平屋建てで大ききわけでもなく華美でもなく質素な家。しかしギラギラしている九階層や十階層にいるよりもこの荒野にいるのがゼロは落ち着くのだった。

 

 

 

パチパチとなるたき火に木をくべながら

(あぁ~一生ここでだらだらと生活しておきたい~)

そんなことを考えながらゼロはだんだんと重くなっていく瞼に抵抗せずに意識を手放していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのころ玉座の間では

「第一、第二、第三階層守護者、シャルティア・ブラッドフォールン。御身の前に」

「第五階層守護者コキュートス。御身の前に」

「第六階層守護者アウラ・ベラ・フィオーラ。御身の前に」

「お、同じく、第六階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ。お、御身の前に」

「第七階層守護者、デミウルゴス。御身の前に」

「守護者統括、アルべド。御身の前に」

 

モモンガの前には各階層守護者とセバスその後ろに跪いているプレアデスといった面々がそろっていた。

 

 

「全員それぞれの仕事後あるのにも関わらず集まってくれたことに感謝する」

「いえ、我々は至高の御方々に使えるみであり、至高の御方から命令をされるのがこの上ない至福であります。なので感謝などしないでくださいませ」

「私が感謝したいからするのだ、アルベドよ」

「ありがたき幸せ」

といったいつもの流れをこなしているモモンガの心の中はそれどころではなかった。

 

 

(なんであのバカ鬼はメッセージにい反応しないんだよ!!早く来いよ!)

約束の時間になってもゼロが来ないためなかなか来ないため話を進めることが出来ずにシーンとした時間が流れる

その流れを断ちきったのはシャルティアだった。

 

 

「モモンガ様、本日はどのような事での集まりでありんすか?集められたメンバーを見る限り大事な話だと思いんすけど」

 

(そう!大事な話なんだよ!!でもその話の中心がこないんだよ!)

と思いながらもシャルティアに返答しようとすると

 

「シャルティア、モモンガ様は今あえて静かにして空気を作っていたのよ。なのに急にしゃべりだして少しは待てないの?」

ここにいるメンバーで呼ばれた訳を知っているのはアルベド、セバス、ユリの三人だけでありこの後に出てくるであろうゼロのためにモモンガがあえて静かにしていた、と思っていたアルベドがシャルティアに毒づいたため両者の間で火花が散っている。

 

 

「お二方、モモンガ様の御前ですよ」

デミウルゴスの一言で我にかえった二人が謝罪する。

 

 

 

「気にしていない。しかし少しは仲良くしろ、守護者と守護者統括がそれでは示しがつかないだろう」

「「申訳ありません(ありんせん)」」

できるだけ時間を稼いでいたモモンガだったがさすがにもう時間を稼げなくなり

「今回この場に集合してもらったのにはお前たちに良い知らせをするためだ」

 

 

「よ、よい知らせですか?」

マーレが少しうれしそうにモモンガに尋ねる。

 

 

 

「あぁ、この度このナザリックに至高の四十一人のひとりである”ドカンッ”」

遠くのほうで轟音が響いた

 

 

 

「モモンガ様!!高速で何かが近づいてきてます!!」

アウラが叫ぶと守護者とセバス、プレアデスが臨戦態勢に入る。

その瞬間”ズガン”という音が近くで響いたと思うと土煙が舞い全員の視界が奪われる。

 

しかしナザリックの上位者たちであるものが集まっているため視界ごときが奪われる程度では誰もひるまない。

 

 

 

 

 

 

「すいませんでした!!!!!!!」

土煙の中からは赤を基調とした服に身を包んだ黒髪の鬼が地面に短い角をめり込ませていた。

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