ストライク・ザ・ブラッド 真祖の妹の妹 旧   作:桐響 蒼歌

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今回の話はネタバレです。
ネタバレが嫌という人はそのまま同時に投稿した次話をご覧ください。

大きな穴はそのまま書いておりませんので、欲しいという方は感想や活動報告の中に書いてもらえるとありがたいです。


前話のネタバレ 穴の少ない記憶

私がイタリア半島____自治領ローマの空港に降り立ったのは、三月も半ばを過ぎた春のことでした。

地中海の島嶼国家マルタに向かうため、飛行機の乗り継ぎで立ち寄ったのだ。

同行者は二名。兄の暁古城と姉の凪沙である。

同行していた母親とは、経由地の香港で別れていた。

お兄ちゃんは小学校を卒業した直後で、私と凪沙(ねぇ)はその1歳年下。

普通なら外国でうろつくような年齢ではないのだが、暁家の場合は、少々事情が特殊だった。

多国籍企業MARに勤務する母親は、仕事の関係で一年の半分近くを海外で過ごしており、父親は三ヶ月前から遺跡の発掘調査のためにマルタに滞在中____

そんな感じで、やたらにグローバルな両親に挟まれたお兄ちゃん達は以前に何度も海外旅行を経験してきた。今回も_父親に呼ばれて仕方なく、遠路はるばる日本から旅してきたところでした。

「うわあ…!」

姉の凪沙は、空港の到着ロビーに出るなり、何かを言っていた。

「みて、古城君。外国だよ外国!外国人の人がいっぱいだよ!看板も全部外国語だよ!久々だねえ、この雰囲気!」

「まあ、外国だからな…つか、ここじゃ俺たちのほうが外国人だろ」

二人分の荷物を引きずりながら、お兄ちゃんは呟いた。

長いこと飛行機の機内に閉じ込められていた反動か、凪沙姉は妙にテンションが高い。

「どうしたの、古城君?元気無いね?あ、屋台発見!美味しそう!ビスコッティ!ビスコッティください!5個!チンクェ!」

両替したばかりの小銭を握りしめ、機内の売店に駆け寄っていく凪沙姉。

みっつで十分だよ、と助言する店員さんに5個と言い張り、さらには片言のイタリア語で値引き交渉を始める。

お兄ちゃんが前でそれを見て何かを言っていた。

買い物を終えた凪沙姉はいつの間にか他の旅行者と一緒に写真に写っていた。

「古城君こそ元気無いね。せっかくの海外旅行なのに、楽しまないともったいないよ。ビスコッティたべる?半分あげようか?」

「いや、いい。てかお前、あんだけ機内食を食っておいて、まだ食べるのか」

「食べるに決まってるじゃん。綾花ちゃんも食べる?美味しいよ」

私にも凪沙姉が話しかけてきた。

「いい。機内食でもうお腹いっぱいだから。それにお姉ちゃんはそんなに食べれるの?」

私は何かを言って断ったらしい。

「食べれるよ。それと昔みたいになーちゃんって呼んでもいいのに。あ、後それ。荷物私が持つよ。初めての海外旅行で慣れないことばかりで大変でしょ」

凪沙姉に私が持っていた荷物を渡した。

「ありがと。凪沙姉」

「いいよ。私がお姉ちゃんなんだし」

横でお兄ちゃんが

「親父のやつ、安い航空券送ってきやがって。乗り継ぎ多すぎんだよ。だいたい海外旅行っていっても、あいつの仕事の手伝いじゃねーかよ」

「…そうだよね。ごめんね、古城君。つき合わせちゃって」

凪沙姉が何かを言っていた。

「おまえが謝ることはねーよ。で、これからどうすればいいんだ?」

「えっとね、牙城君のお友達が迎えに来てくれるって。航空会社のカウンターの近くで待っててくれてるはずなんだけど…そうそう、地図をもらってたんだ」

お兄ちゃんに誰かが肩をぶつけてきた。

そしてその瞬間に凪沙姉のバックを盗んでいた。

私は、お兄ちゃんに「荷物取られてる!」といったが、その瞬間にその人は走り出した。

お兄ちゃんはその人を追っていった。

________________________

「凪沙…?」

「博士!これは…?」

「遺跡が再起動したみたいだな。遺跡守護者の件もあったことだし、魔力源が生き残ってるだろうとは予想してたが、思ったより派手だねェ」

「戦王領域の魔導技師でも解けなかった封印なのに、こんな一瞬で…そんな…」

「うお…しばれるな、こりゃ!」

「凪沙っ⁉︎」

「待て、古城!近づくな!」

「だけど、凪沙が…!」

「ここはあいつに任せよう。少なくとも交霊には成功してるらしい。下手に正気に戻すと、その方が危険だ」

「ぐ…!」

お兄ちゃんはその場に踏みとどまって唇を噛む。

私は、いきなりどうしたのかわからず戸惑っているようだった。

凪沙姉を追いかけてついた部屋には氷の棺があった。

そこには肌の色はすきとおるように白く、幼い顔立ちは非人間的にまでに整っている。

色素の薄い金髪は、光を反射して虹のように輝いていた。

「あれが"妖精の棺"…?死んで…るのか?」

少女を見上げてお兄ちゃんが呟いた。

氷の棺で眠る少女は、確かに透明な琥珀に閉じ込められた妖精の姿を連想させた。

どこか禍々しさを感じさせる美しい妖精だ。

「ようやく見つけた…十二番目の"焔光の夜伯"……!」

十二番目の"焔光の夜伯"それだけが私の耳に届いた。

________________________________

「そうか…アヴローラが本当に第四真祖なら…」

「ええ。彼らにとっては、彼女は命をかけて破壊するに値する存在でしょうね」

「アヴローラ…って?」

「そこで眠ってるお姫様の名前だよ。リアナさんがつけてくれたんだ」

「そう…なんだ」

「どうした?」

「ううん。何だか彼女が喜んでるような気がしたから__」

「彼女?アヴローラが…」

「…凪沙?」

「なにか、来るよ…なに、これ……嫌……恐い……古城君、綾花ちゃん逃げ…!」

「凪沙⁉︎おい⁉︎」

私は何かに反応して周りを見ているようだ。

それにしても今回はすごく長いな。

いつもなら最初の所を少し見るだけで終わっちゃうのに…なんだろう。これ、前にも一回見たことがある?

でもいつだろう?…あぁ、そうだ。これを最初に見た日、獅子王機関で目覚めた日だ。

「古城君!古城君…目を開けてよ、古城君!お願いだから…!」

…お兄ちゃんから血がいっぱい?え?いや!いや!いやぁやだぁこーくんしなないでよぉ!めをあけて!おねがいこーくんおきて…

そして私は現実で目を覚ました。

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