今回で2巻は終了です。
次回からは3巻に入ります。
現在、寝て、起きて、会社、帰る、ご飯、寝ると言う状態のため、引っ越すまで投稿出来るかわかりません。
土日は一日中寝てまして…
「ひ……姫柊?」
「はい。なんですか?」
「え、と……どうしてここに?」
「監視役ですから。私が、先輩の」
…私もって言いたいけど言えない。
「新しい眷獣を掌握したんですね、先輩」
「あ、ああ。なぜか、いろいろあってこんなことに」
「そ、そう。不慮の事故というか、不可抗力的ななにかがあって」
「わ、私は特に何もやってないと思います」
「そうですか」
「では、そのお話はまたあとで。まずは彼らを片ずけましょう」
「あ、ああ」
「先輩、クリストフ・ガルドシュはあの女王ナラクヴェーラの中です」
「女王……指揮官機ってことか?」
お兄ちゃんがその言葉を言い終わる前に古代兵器の女王が再び戦輪の一斉砲撃を放ったが、双角獣の方向がそれらを撃ち落として空が爆炎に包まれた。
って危ない!攻撃の余波で"オシアナス・グレイヴ"の船体が燃え上がり、私たちのいる増設人工島が不気味な軋みを上げた。
「ああくそ、どいつもこいつも無茶苦茶しやがって……!」
「暁古城。このままじゃジリ貧だわ!」
「わかってる!____疾く在れ、"獅子の黄金"!」
雷光の獅子が、稲妻を撒き散らして敵陣へと躍りかかり、五機の古代兵器を一瞬で蹴散らす。
そして紫電の速度で指揮官機へ突撃。
女王ナラクヴェーラの巨体を海へと突き落とした。
沈黙する指揮官機に、さらに追撃を加えようとする。
「ダメです、先輩!あんな電力の塊を海水にぶつけたら____」
雪菜さんが慌ててお兄ちゃんを止めようとしたが、すでにお兄ちゃんの眷獣は既に海面に入っていた。
「ぐわっ……」
それにより莫大な電流が海面を流れて拡散し、熱による水蒸気爆発が起きる。
その水蒸気爆発によって巨大な水柱が上空数百メートルまで立ち上がり、爆発に振動が増設人工島が揺れた。
「なら、これで____!」
双角獣が吠えて衝撃を撒き散らし巨大な波を生み出した。
まるで聖書の一節のように、双角獣を中心に海が割れて行く。
「海を割ったか、古城。流石は第四真相の眷獣。こいつは実にいいスペクタクルだね」
「見世物じゃねぇっての!」
そしてお兄ちゃんの眷獣がナラクヴェーラに衝撃波を当て、海底へ半分以上を埋めた。
「やったか…」
だが、小型ナラクヴェーラはまだ動いていた。
「まだです!先輩!」
最初に破壊した機体もまだ動こうとしていた。
「自己修復……⁉︎ あんな状態からでも復活できるのか⁉︎」
「それだけではないです。破損した装甲の材質を変化させて、振動と衝撃への抵抗力を増してます。先輩の攻撃を解析して対策をしています」
「"獅子の黄金"の攻撃に耐えたのも、すでに学習を終えてたせいか。攻撃を受けるたびに強くなる……って、そんな者どうやって倒せばいい⁉︎」
「いいえ、先輩。大丈夫、勝てますよ」
そう言いながら雪菜さんは薄桃色のスマートフォンを取り出した。
「____そうですよね、モグワイさん」
『おう。浅葱嬢ちゃんが、逆襲の段取りをきっちり済ませておいてくれたからな』
「浅葱が……?」
「藍羽先輩は、ナラクヴェーラの制御コマンドを解読しながら、こっそり新しいコマンドを作ってたんです」
『ナラクヴェーラの自己修復機能を悪用して、連中を自滅させる____一種のコンピューター・ウイルスだな。名付けて《おわりの言葉》ってときろか?』
「ウイルスって……そんな簡単につくれるものなのか?」
『それを作っちまうのが、あの嬢ちゃんのおっかねえところでな……"電子の女帝"を本気で怒らせたのが、テロリストどもの運の尽きってやつだ。おまえさんもせいぜい嬢ちゃんの機嫌を損ねないように気をつけるんだな。ククク……』
「それで、俺たちはなにをすればいいんだ、姫柊?」
「ナラクヴェーラは音声コントロールです。女王ナラクヴェーラの中に入って、藍羽先輩が作った音声ファイルを流せれば、すべての機体が停止するはずです」
そう言って、雪菜が海へと視線を向けた。そこには海底に沈んだはずの大型古代兵器が、ちょうど自己修復を終えて再び這い上がってきたところだ。
「あのでかいやつの中に入る…って、どうやって?集中砲火の餌食だぞ。せめてあいつらの動きを止めないと___」
ナラクヴェーラの動きを止める…既に紗矢華さんが擬似的な空間切断は防がれているし、私の雷神鳴もおそらく防がれる…。
「ナラクヴェーラの動きは私が止めるわ、雪菜」
「煌坂?」
「わかってるわね、暁古城。敵がこちらの攻撃を解析をして進化すると言うのならチャンスは一度きりよ。私と雪菜と綾花さんの足を引っ張ったら、灰にするからね」
「___弓⁉︎洋弓か!」
「六式重装降魔弓。これが"煌華麟"の本当の姿よ___」
「_____獅子の舞女たる高神の真射姫が讃え奉る」
「極光の炎駒、煌華の麒麟、其は天樂と轟雷を統べ、憤焔をまといて妖霊冥鬼を射貫く者なり_____!」
「___音が⁉︎」
「先輩!」
雪菜が、銀の槍を閃かせて駆け出した。
私もそれを追い、いつでも雪菜の前に出れる様に少し横に出ながら追う。
「疾く在れ_____"獅子の黄金"!"双角の深緋"!」
「___はははっ、戦争は楽しいな、剣巫!」
「これは戦争ではありません。あなたはただの身勝手な犯罪者です。守るべき国も民も持たないあなたに、戦争を語る資格はないんです!」
雪菜さんの呟きにガルドシュの笑みが引き攣った。そして憤怒の雄叫びを上げて、ガルドシュが雪菜へと突進した。
そこで私は前へ出てガルドシュを蹴り飛ばした。
「そのまま行ってください!」
そしてお兄ちゃんが
「終わりだ、オッサンっ!」
転んだ彼の脇腹を古城は力任せに殴りつけた。
「ぶち壊れてください、ナラクヴェーラ」
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「これで文句はないな、ヴァトラー」
「ああ、もちろん。堪能させてもらったよ、古城。これでしばらくは退屈せずに済みそうだ」
「あ?」
「黒死皇派の身柄は、僕が引き取らせてもらうけどいいよね。彼らは戦王領域の法で裁く。船も沈められてしまったし、せめてそのくらいの働きはしないとボクの沽券にかかわるからね」
「…好きにしろよ」
「そうそう。彼らを処刑したりはしないから、安心したまえ。ボクの命を狙ってくれる貴重な強敵を、殺したりしたらつまらないからね」
立ち去る直前にヴァトラーが物騒なことを言い残し、古城は疲労が倍増するのを覚えた。
そして古城の気を重くしている原因がもうひとつ___
「紗矢華さんの血を吸ったんですね、先輩」
「あ、うあ…いや、あれはなんと言うか」
「非常事態。そう、非常事態だったの、雪菜」
「そうですよね」
「そうなんだ。地上への出口がガーって瓦礫で塞がっててドバーッて水が押し寄せてきて綾花も気絶しちゃうし」
「う、うん。あのまま地下に閉じ込められていたら溺れると思って。雪菜に内緒にしておこうなんて気持ちは全然___」
「何を慌ててるんですか、二人とも」
「ねえ、二人とも、私が気絶してる間に何があったんですか?後靴って何処かにあったりしません?流石に危なくて…」
「そういえば紗矢華さん。そのパーカーは先輩のですよね」
「違うの、雪菜。このパーカーは嫌がる私にこの男がいきなり無理やり___」
「そこまで無理やりでもなかっただろ⁉︎お前だってお姫様抱っこがどうこうって喜んでたじゃねーか⁉︎」
「ばかばか!なんで今そんなことを言うのよ⁉︎」
「ずいぶん仲良くなったみたいで、よかったです。抵抗する紗矢華さんの血を、先輩が強引に吸ったのなら怒ってますけど」
「じゃあ、今は怒ってない…んだよな?」
「はい。全然。これっぽっちも」
「___先輩が私の血を吸った時、私のことを可愛いって言ったくせに、なんて全然っ、思ってませんからね!」
「私が殲教師のところに行ってる時にそんなことをやってたんですね」
そういや今回は3000文字書けてたなぁ